会報 第20号

Rise 第20号 2012年7月10日発行

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原発再稼動反対・外注化阻止・ 非正規職撤廃!

労働者・兵士の団結した行動で野田政権を打倒しよう!

(写真 官邸前、『再稼動反対!』の怒りの嵐、20万人の先頭部分)

大恐慌と3・11情勢下、世界はプロレタリア革命情勢である。ロシア革命はスターリン主義の変質によって一旦は敗北に叩き込まれた。だが新自由主義攻撃のもとで労働者階級と国際階級闘争には勝利する力が生まれている。その力の核心がプロレタリア革命の原点であるマルクス・レーニン主義の復権であり、世界単一の労働者階級の国際的団結・連帯の回復・強化だ。
帝国主義は最末期。この打倒は、労働者階級にとって待ったなしで求められ、そしてその打倒は、全く可能だ。
新自由主義のなかに労働者階級人民の未来がないのは、EU解体の危機という現実、福島第一原発事故と1年4ヶ月経過した今日、事故収束も廃炉の展望も一切ないという現実が全世界に示した。新自由主義には事故収束の技術力も、財政力もない。打倒しなければ労働者階級の未来がないだけではなく人間として生きていくことも出来ない。そしてだからこそ労働者階級は帝国主義を打倒することができる。「再稼動反対!」、権力の規制を突破し首相官邸を包囲した数十万人の労働者階級民衆の行動が、すでにそれを示した。
野田政権の原発再稼動は核武装化宣言であり、オスプレイ配備は対中国・北朝鮮戦争にむけた日米同盟凶暴化の具体化であり、消費増税攻撃も連合の裏切りによって支えられているにすぎない。野田政権は脆弱な体制だから凶暴化する。野田政権を団結した怒りの行動で打倒することによって、大飯原発・全原発再稼動を止めることができる! 野田政権を怒りの行動で打倒することによって労働者階級人民の未来を切り開くことが出来る。
日帝・野田政権への怒りの行動の急速な拡大は、日本の労働者民衆・家族・兵士ら99%の根底的な怒りの爆発だ。数十万の労働者民衆一人ひとりが開始した怒りの行動は、「再稼動反対!」という全階級・全階層・全人類の共通の願いであるがゆえに普遍的であり、途中で止まることはない。子ども・青年・全労働者・全人類の未来を奪い尽くしても生き延びようとする1%のブルジョアジーと野田政権を一刻も早く打倒しよう!
開始された蜂起は、職場生産点での資本との闘いと結合し、連合の壁を突き破り、資本との日常的戦場である職場生産点でのゼネストへと飛躍・発展し、プロレタリア革命へと突き進む。その勝利の中に唯一、世界単一の階級である労働者階級と全人類の未来がある。労働者・兵士・民衆の団結した行動で野田政権を打倒しよう! (滝山)

朝鮮・中国侵略戦争のためのMV22オスプレイの普天間配備を絶対阻止しよう

新自由主義戦争の「申し子」、欠陥機「オスプレイ」

オスプレイは、「現行ヘリの2倍の速度、4倍の行動半径、3倍の積載量」を「うたい文句」に、飛行体としての構造的欠陥を承知で、07年9月に敗勢深まるイラクに投入され、以降イラクやアフガンにおける絶望的な侵略戦争の中で、人民と米軍兵士の命を奪いながら運用されてきた機体だ。オスプレイ事故はJRの尼崎事故や福島第一原発事故と100%同じものだ。
オスプレイは、海兵隊(MV22)と特殊作戦航空団(CV22=空軍仕様)で運用しているように一部の海軍仕様を除く特殊作戦機だ。猛烈な飛行訓練や実戦での事故の状態を見れば一目瞭然で、深夜超低空飛行で兵士を輸送・侵攻攻撃が目的だ。無人攻撃機とならぶ新自由主義の双璧をなす人民虐殺兵器だ。普天間配備と沖縄本島全域、岩国、キャンプ富士への配備、本州・四国・九州の低空6ルートでの激しい運用計画は、対朝鮮・中国侵略戦争を目的としたものだ。
オスプレイは新自由主義の戦争遂行というただ一点の目的から、「兵士の大量高速輸送」と「戦場へ機動投入」(深夜超低空侵攻と素早い運動性)といった背反する軍事機能を満たすために、①飛行モードの変更、②機体重量に見合う回転翼径の切り捨て、③両翼に回転翼付属という、極めて不安定な構造をしている。
飛行モードを変更する代表的な海兵隊の戦闘機AV8Bハリアーの事故率は6・76と異常に高い。その2倍も高いのがCV22で13・47に達している。(12年のMV22事故率の公式発表の1・93。しかし11年の公式発表3・32である。12年の公式発表は完全な偽装)。MV22の自重はCH46の2倍強の16㌧もあるのに、回転翼長はCH46の75%弱の5・8メートルしかない。しかも回転翼が両翼に付属する極めて不安定な構造だ。
専門家は、「急停止訓練や戦場で要求される素早い動き」(を取る)時、オスプレイは「バランスを崩して墜落する」「人為的ミスに脆弱」と指摘している。事故は、ヘリと固定翼モードの転換時に多発し「機体に問題」とする調査官は辞めさせられ、36人(発表)の死者が積上げられてきた。

●オスプレイの事故(米軍発表)

91年6月 試作機、初飛行離陸時   ※離陸直後
92年7月 試作機、試験飛行中漏油・発火 ※着陸直前、モード変更中、7人死亡
00年4月 夜間低空侵攻実用試験中  ※着陸時、衝突回避の急操作、19人死亡
00年12月 夜間飛行訓練後     ※油圧管破裂→着陸準備、モード変更中、4人死亡
06年3月 点検飛行中、不明     ※離陸上昇後落下
07年11月 状況不明        ※漏油・出火 詳細不明
10年4月 アフガン夜間戦闘作戦中  ※緊急着陸に失敗し横転、4人死亡
12年4月 揚陸艦から発艦      ※強風 離陸時、モード転換中2人死亡
12年6月 戦闘想定、急停止操作中  ※特殊作戦機、モード転換時

「オスプレイ」7月配備と10月本格運用開始

沖縄本島全域の普天間化と九州・四国・本州の6ルートでの低空・夜間戦闘飛行訓練が激増する。日本全土の朝鮮侵略臨戦態勢化だ。
①普天間配備と訓練で、夜間の空母・揚陸艦に見立てた発着艦訓練(NLP)がブルービーチ訓練場と伊江島補助飛行場で文字通り爆発的に激増し、北部訓練場では戦場に見立てたオスプレイ飛行隊の低高度飛行訓練が実施される。
②岩国と富士への分遣隊配備で、本州、四国、九州の六つの「航路経路」で実戦想定の低高度飛行訓練(平均高度150㍍が激増する。32%が超危険な激しい夜間低高度飛行だ。6ルートは岩国基地所属のFA18やAV8Bが使用中。オスプレイの訓練参加で運用は21%増加する。
(写真 6・17「オスプレイ」配備阻止5200人宜野湾市民大会)

激化する普天間基地周辺地域の危険度

米海兵隊が提出した「オスプレイの沖縄配備に伴う環境審査」によれば、普天間飛行場周辺はオスプレイの運用によって、沖縄県で最も人口が密集する那覇市や浦添市、宜野湾市の市中心街上空をオスプレイが600mから150mまで高度を下げながら常時頭上通過することになる。那覇市の県庁や新都心地区、浦添市役所、浦添総合病院、宜野湾市の大謝名小学校近くを通過していく。大謝名小通過時点でオスプレイの高度は60メートルしかない。普天間飛行場の北西側はオスプレイの周回経路が設定され、宜野湾市住宅街はオスプレイが上空90mの超低空で飛ぶ。普天間飛行場の東側も大きな周回経路が複数設定され、中城村、西原町、南風原町、与那原町といった広大な地域がオスプレイ「周回アプローチ」の騒音と墜落の危険に常時さらされる。特に事故の可能性が高い「クリアゾーン」に、普天間第二小など18の公共施設が存在し3千600人が暮らしている。
「オスプレイ」は、普天間基地を拠点に南部、中部、北部で激しい飛行を実施する。基地間の移動で「安全な地域」は皆無となる。米軍は訓練激化の理由を「環境審査」で、「MV22中隊の訓練および即応運用は、主要任務(遠征地における海上、または陸上拠点からの運用、強襲支援および航空退避)を遂行する戦闘能力が高く即応状態にある飛行中隊を海兵隊指揮官に提供することに焦点があてられている」と述べている。配備を絶対に許さず、朝鮮中国侵略戦争を阻止しよう。

戦争を阻止するのは労働組合だ!

国鉄全国運動を闘う階級的労働組合の拠点建設こそが、オスプレイ配備と辺野古新基地建設を阻止する闘いの爆発の革命的方向性と高揚の保障だ。
4月のPAC3展開と国民保護計画への動員策動を沖縄労働者階級は全国で始めて徹底的に闘って粉砕した。基地労働者の闘いが始まっている。日米共同宣言は普天間問題に触れることができなかった。新自由主義の戦争の最大基軸=日米同盟が労働者階級の怒りでズタズタになっているのだ。
そして反原発でもオスプレイ配備反対においても、革命的大衆決起がついに始まっている。新自由主義と戦争に対する怒りが堰を切っている。だからこそ、資本と真っ向から闘って誇りと団結を回復していく労働者の組織的闘いが、巨万の怒りの中心に据わっていかなければならない。国鉄全国運動を闘おう。資本との絶対非和解の闘いをやろう。労働者と兵士は団結して闘いぬこう!(長原)
(写真 6・17「オスプレイ」配備阻止5200人宜野湾市民大会)

「たちかぜ」 いじめ自殺訴訟

現役3佐が海自を告発

6月蜂起と3佐の決起

今、3・11を経て歴史が音をたてて動き始めている。分断や弾圧を乗りこえて新自由主義に怒りをもつあらゆる闘いや社会層が階級的な合流を開始している。
自衛隊でも例のない10万人の災害派遣。福島第一原発では1号機と3号機が核爆発を起こした。日米両当局は首都圏住民の退避まで想定していた。自衛隊部隊はその最前線にいた。
「これは戦だと思った。このままだと日本は福島で分断され国は滅びる。(隊員を人柱にしてでも)やるしかないと」(当時の陸幕長、現在三菱重工顧問火箱芳文60才)。
6月16日、野田が再稼働を決めた。だからといって、だれ一人あきらめてなどいない。6月22日は4万5千人、29日は20万人の「再稼動反対!」「野田を倒せ!」の怒りが、首相官邸付近を埋め尽くし占拠した。
誰のための原発再稼働か。誰のための消費増税か。「99%」を占める労働者人民に失業と非正規労働を押しつけ、放射能で子どもを、被曝労働で労働者を殺し傷つけてきた奴らに、もうだまされない。「国家は企業と金持ちを守るだけ。人民にはウソしか言わない」。新自由主義下の階級情勢は激浪のさ中だ。
海自護衛艦「たちかぜ」の自殺訴訟の控訴審。6月18日、その口頭弁論で「文書の隠ぺい」など防衛省・自衛隊の組織ぐるみのウソが暴かれた。現役3佐が海自を告発したのだ。

 護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺事件

この「自殺訴訟」とは。
海自横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」の1等海士・21才が04年10月27日、京浜急行に飛び込み自殺した。その後、両親が闘い続けている裁判だ。1士は遺書で、先輩だった2等海曹を名指しし「お前だけは許さねえからな」と激しく弾劾していた。翌月、海自は「たちかぜ」乗組員全員に「艦内生活実態アンケート」を実施した。
1士の自殺の10日後、1士の遺書に名指しされていた2等海曹を、別の隊員への暴行と恐喝の容疑で横須賀の警務隊が逮捕。2ヶ月後の05年1月には、横浜地裁で有罪判決を受け懲戒免職とした。しかし、海自は「2等海曹の暴行と1士の自殺との因果関係は不明」とする調査報告を捏造した。

 イラク戦時派兵と自殺

03 年12月からの6年間でイラクには陸自5千6百はじめのべ8千8百人、インド洋には海自のべ1万9百人の自衛隊員を派兵。その中で「派兵隊員の在職中の死者35人、その内の半数16人が自殺。病死7人、事故・不明は12人」(07年11月の照屋寛徳議員国会質問への自民党福田政権・政府答弁より)。

陸自宿営地への迫撃砲・ロケット弾攻撃は13回あった。「事故・不明12人」の中には、これらの攻撃による戦死も考えられる。侵略戦争と民族解放戦争の厳しい現実は自衛隊員の身も心もずたずたにした。帰還後の自殺者は百を超えるという推定もある。
護衛艦「たちかぜ」の1士の自殺は、自衛隊のこの戦時派兵下に起きた。当時、第3師団(関西)の第6次派兵も打ち出されていた。その後8ヶ月に及ぶ第3師団派兵阻止闘争が、9・20京都大久保駐屯地行動と9・25大阪信太山(しのだやま)駐屯地行動から開始された。元自衛官の労働者を軸に、大阪市職や大阪府職はじめ多数の青年労働者が結集した。隊内の軍服を着た労働者に向け大音量のアピールが撃ち込まれた。

 両親の提訴

06年4月5日、1士の両親が先輩の元2等海曹と国を相手に横浜地裁に提訴し慰謝料など1億3千万円を請求した。
今回海自を告発した3等海佐(3佐とは旧海軍少佐)は、この「たちかぜ」自殺訴訟の国側の指定代理人を07年1月までの10ヶ月間務めた現役の自衛隊幹部だ。
この3佐が自衛隊当局の組織的隠蔽を知ったのは両親による提訴の2日後の4月7日だった。
原告から情報公開請求を受けた海自の情報公開室担当者が、国側の弁護を務めるこの3佐らに「アンケートは今も存在しているが破棄したことになっている」と告げた。
裁判で遺族側は、海自が「たちかぜ」乗組員全員に暴行や恐喝の有無を尋ねたアンケートを証拠として提出するよう国側に求めたが、海自側は「廃棄した」と虚偽の回答をしていた。この3佐は07年には人事異動で国側の担当者を外れたが、08年6月には「不正告発のための防衛省の窓口に通報した」。しかし当局は「隠している事実はない」と一蹴した。
11年1月26日、横浜地裁は、元2等海曹の賠償責任と国の監督責任・国家賠償を認め440万円の支払い命令判決を出した。しかし「自殺の予見可能性がない」として死亡に対する賠償は認めなかった。国側はこれを勝訴と位置づけた。
この不当な判決内容を知った3佐はその日、担当責任者の部屋に行き再びアンケートの提出を迫ったが責任者は拒否。同日、3佐は情報公開請求もしたが「破棄されている」と後日回答があった。
ここで3佐は遺族側の弁護士にはじめて手紙を出した。

 東京高裁控訴審

遺族の両親は1士を自殺に追い込んだ元2等海曹と国の責任の明確化を求めて東京高裁に控訴。控訴審は昨年10月5日に開始された。
3佐は今年になって告発を決意しアンケートが隠されているとする陳述書を書いた。1年間悩み抜いた末であったという。提出の2日前に海自側の新たな担当責任者を訪ね、再度追及したが返事はなかった。こうして今年の4月に、アンケートを含む「文書隠し」を告発する内容の3佐の陳述書が遺族側から東京高裁に提出された。
この6月18日、控訴審の口頭弁論が開かれた。 翌19日、杉本正彦海自幕僚長が記者会見で「文書は破棄した」「再調査はしない」 と発言。しかし2日後の記者会見で杉本は「自主的に探したら見つかった」と発言した。

 隊内のいじめ」は兵士のロボット化、団結破

自衛隊では軍人精神注入棒と称するバットでの臀部の強打(海軍)などの肉体的苦痛以外に「飲食の饗応、物品の贈与、金銭の借用、飲食や物品の支払いの代行などの強制」が横行していた。
1士は先輩の元2等海曹から大量のビデオCDの購入や借金の肩代わりを強制されていた。死後、1士名義の借金が消費者金融数社にあることが判明。加害者自身も多重債務を抱えた先輩隊員から借金の肩代わりを強制されていたという。旧軍と全く同じ状況だ。
隊内のいじめ=「私的制裁」「体罰」は、兵士の人間的尊厳や個性をそぎ落とし上官の命令にロボット的に服従可能な「強兵・精兵」づくりの一環として黙認されてきている。ここに帝国主義の「団結を破壊し、分断し支配し、使い捨てにする」労働者支配の狙いがある。隊内外の垣根をこえた合流・団結を、労働者自己解放の思想=マルクス主義を最大の武器に前進させていこう!

 新たな「隊内支配」と隊内反乱

「革命勢力の浸透を許した露・独両軍の道を歩むな」(20年本間雅晴陸軍大尉)等の内務班の「「民主的」改革の提唱。21年の軍隊内務書改訂での「上申=異議申し立て」の公認。しかし、ここにはロシア革命や「米騒動」を経て本格的な恐慌と戦争に向かう帝国主義軍隊の破綻的状況がある。
いま、新たな世界恐慌、戦争か革命かの時代にあって新自由主義的な階級戦争がしかけられている。
「上官の命令を天皇の権威によってより絶対化」していくための天皇の元首化、国防軍の創設、隊内の階級支配のための特別裁判所=軍事法廷の設置、労働三権の削除、地方自治体の解体、緊急事態条項などの全面的な明文改憲をうたった自民党の「新改憲案」(4月27日) がそれだ。
今回の3佐の決起は、1士の自殺=人生と生死をかけた決起をわがこととし労働者兵士との階級的団結をかけた決起だ。この決起は新自由主義下の新たな隊内支配の攻撃に大きなくさびを撃ち込んだ。全く新たな隊内反乱の可能性が示されている。
20年代、呉軍港において労兵ソヴィエトの建設を展望した闘いがあった。呉海軍工廠労働者の新聞『唸るクレーン』と海軍兵士の新聞『聳ゆるマスト』の闘いがそれだ。
兵士との結合・合流は職場における階級的労働運動の実践の中にある。職場とキャンパスでの階級的団結と組織化を基礎に地域ソヴィエトの建設を前進させよう。兵士の獲得・組織化の闘いを階級的労働運動の前進と一体でかちとろう!    (岐部)

一農民の報告

福島は今

長沢 宏

原発事故から1年4ヶ月 深刻さはより強まっている

あの3・11から早いもので1年4カ月余りが過ぎましたが、福島をめぐる状況は「復興の兆し」などという極めて意図的なマスコミ報道とはまったく逆に、事態の危機性や深刻さはむしろより強まっているといえます。
いまだに16万人におよぶ県民たちが全国各地での不自由な避難生活を強いられ、「一時帰宅」ということでわが家に帰った避難者が余りに過酷な現実に直面し、絶望して自ら命を絶つという悲劇がこの間、連続して起きています。
また仮設住宅をはじめ避難先での孤独死や高齢者の病死もこの1年3カ月に急増しています。被災3県の中で、自殺者数は福島県が一番多いという調査結果が明らかになりましたが、やはりこれは原発事故によって故郷や家があるにしても「帰れない。まったく先が見えない」ということが一番大きいと思います。原発事故さえなければ生きていた人々、まさに助かったはずの命なのです。
(写真 3・11郡山16000人県民集会の先頭に立つた国労郡山工場支部)

全原発再稼動と反原発闘争の圧殺攻撃

さて原発の状況はどうか。
事故を起こし、今なお放射性物質を排出している4つの原発は、先頃危険性がやっとマスコミでも問題視された4号機をはじめすべてがまたぞろ爆発の危険を抱えたままの綱渡り状況が続いています。昨年12月の野田政権のいわゆる「収束宣言」など全くのウソであることは明らかです。先日、野田政権は大飯原発3、4号機の再稼働を多くの反対の声を踏み躙って容認しましたが、やはり野田政権と東電などの資本家たちが狙っているのは、すべての原発の再稼働と反原発闘争の圧殺、原発の輸出などの核武装政策の推進であることは誰の目にも明らかです。なんと野田は、大飯の再稼働に続いて、あのトラブル続きで中止に追い込まれていた青森県六ケ所村の核燃料サイクル再処理工場の試運転もこっそりと再開しています。許せません。

フクシマの現実を許せば、すべての労働者人民の明日の「現実」になる

また東京電力は新潟柏崎刈羽原発の再稼働を画策していることは間違いないし、福島第2原発4機の廃炉もいまだ表明していないことをみればその再稼働さえあわよくば狙っているといえます。先頃、東京電力は福島原発事故に関する報告書なるものを明らかにしましたが、それはまさに白を黒といいくるめ、自己弁護と責任逃れに終始するウソとペテンの本当に許しがたい文書です。「想定外の津波が原発事故の原因だ」、「東電は全力で事故対策をやってきた」今になってもまだこんなことを言っている。こんな輩を絶対に許すわけにはいかない。こんな連中のために、日々、多くの人々が殺され、故郷の山や川、海、動植物など福島の豊かな自然が放射能で汚染され、それが今後もさらに長期間続くのです。彼らが事故以降福島県民に対して、何らかのきちんとした責任をとったことがこれまであっただろうか?全くありません。彼らが一部、払ったとされる賠償金も結局は労働者人民からしぼりとった税金を使っているんです。彼らが資財を投入した事など絶対にないのです。こうした政府・資本家どもの姿こそまさに新自由主義の本質です。原発事故とフクシマの現実はこれを許せばまさにすべての労働者人民の明日の「現実」になってしまうのです。昨年から、福島では倒産、首切りが相次ぎ、また農民をめぐっては、米の作付け禁止ないし制限、すべての果樹の木の除染などたいへんな作業がこの冬から厳しい寒さのなか行われてきました。福島市ではこの6月になって水田に続きやっと畑地の除染作業が本格的に始まる状況ですが、作業は基本自力、作業費用を後日請求するということで、ここでも事故の責任者はなんの責任もとらないのです。しかもこの除染をやって農作物が果たして収穫時に売れるかどうかはまったくわからないのです。高齢者だけの農家は全国的にも多いですが、こうした厳しい状況のなかで、耕作をやめざるをえない離農が福島市内でもでています。荒れた田畑、切られた果樹畑など、犠牲にされた悲しみの声が聞こえます。

3・11県民集会で全国に発せられたフクシマの怒り、そして切実な願い

こうした中で、全国からの結集もあってかちとられた3・11福島県民集会はじつに感動的な集会でした。1万6千人もの人々の結集はもとより、特に6名の福島県民の発言は圧巻だった。それぞれの立場から県民としての原発事故に対する怒りそして切実な思いが語られた。原発事故を「もう終わった」事として、県民を切り捨て(棄民化)原発再稼働―核武装政策を推進しようとする政府・東電など資本家に対し、「福島は許さない。闘う」といういわば戦闘宣言の場にあの集会はなりました。いわゆる「収束・復興キャンペーン」が激しく行われていたわけですが、これを完全に打ち破るものとしてあの集会は大成功しました。集会実行委員会の一員として準備段階からたずさわった私としてもこの集会の大成功は実に感慨深いものがありましたが、特に一つ明らかにしたいのは、この集会の成功の言わば「縁の下の力持ち」としての国労郡山工場支部や県教祖などを中心とした労働組合の存在です。こうした労働組合を軸にしてそこに県内の様々な団体が合流し、実行委員会を構成し、当日の成功につながっていったのです。準備はもとより当日も実に様々の集会での実務が労働者を初めとして多くの人々によって担われていました。

子どもたちを守る診療所建設の取り組みも大きく前進

労働組合の赤旗の林立する中、初登場の全国農民会議の緑の旗(2月の結成に私も参加しました)、そして様々な団体の色とりどりの旗、あの日の開成山球場は反原発の巨大なうねりがまさに実現した場所でした。
そして3・11県民集会以降も闘いは続いています。いや、より攻防は激しくなっています。全国からの支援もうけ子供たちを守る診療所建設の取り組みも大きく前進しています。福島の私たちを心配し、獄中から反原発の闘いに起った星野さん、再審を実現し、なんとしても彼を私たちの元に奪還しましょう。仲間の皆さん!共に手を携え闘っていきましょう。

①(上)写真は4号機建屋解体前の状態。

②(下)写真は6月18日撮影。建屋が傾斜している。解体作業のために重機の吊り下げ作業中。解体現場のフロアには1535本の燃料プールがある。解体の瓦礫が注水配管を直撃し、配水管が20カ所以上で破裂。
6月末頃には、上写真の建屋5階部分は解体され、解体作業と同時に福島市内の線量が急上昇している。

投稿 「Rise」特別号への感想

定期購読者・高村宏信

「ライズ・特別号」を受け取り、読みました。大変よかったので、感想を送ります。

 よかった点は、二つ

よかった点は、二つあったと思います。一つは、帝国主義軍隊と兵士の関係、軍隊の内実についてよくわかったこと、勉強になったという点です。
もう一つは、プロレタリア革命へ反軍闘争として真っ向から路線的に提起し、その闘いを地区の労働者の闘いと一体的にとらえ、全戦線の地区党建設への総決起の闘いとして提起した点だと思います。非常に空気のはいるアピールでした。

 若干具体的に

軍隊関係の内容は、「前進」などにはあまり載っていないので、大変勉強になりました。軍隊を、新自由主義下における軍隊として分析し、米帝の場合は、イラク・アフガン侵略の中で、敗退・戦死・自殺・PTSDを患うなど、米軍が崩壊していること、さらに新自由主義における民営化は「戦争の民営化」にまで進行し、「戦争の民営化」によって民間軍事会社が儲け、そこの派遣労働者は安い金額で使い捨てられているという構図の暴露も大変説得力がありわかりやすかった。

そして、不正義で反階級的、反労働者的戦争から兵士を解放する唯一の道は、労働者階級との団結と兵士のプロレタリア革命への合流であり、それへの呼びかけであると結んであるのは、納得!という感じです。
帝国主義軍隊は民衆を守らない、これは沖縄戦など、歴史の教訓。国家とは帝国主義ブルジョアジーが労働者階級人民を搾取するための道具であり、軍隊とは、搾取するために労働者階級人民を抑圧・鎮圧する国家の暴力装置である。
だが、国家のために命を捨てようと考えている兵士は、一人もいない。兵士は労働者階級人民の一員である。世界恐慌下、世界の労働者は「生きるため」にやむなく軍隊に「就職」しているにすぎない。…などの記述。なるほど!

 そして反軍闘争の提起

兵士も非正規労働者。兵士の現実に肉薄し、兵士と団結し、兵士を獲得する方針が出ている。その道は、兵士をマルクス主義、綱領、プロレタリア革命で獲得する。これ以外に兵士を組織し、隊内細胞組織を建設し、兵士を武装蜂起へと組織することはできない、と言い切っている。これこそ革共同の綱領だ。
職場生産点の労働者、仲間をマルクス主義とプロレタリア革命で獲得し、組織する闘いの苦闘と兵士獲得と組織化は、同質の闘い。
日帝ブルジョアジーがいかに「兵士の精鋭化」を願望し、「若返り」への制度改革を遂行しても必ず破綻する。帝国主義軍隊と戦争は兵士・人間を破壊することはできても変革・育成することはできない。
戦線の闘いの組織化と運動的拡大の課題は、地区の労働者の闘いとの一体化である。ここに戦線独自の課題の突破と組織的・運動的拡大、前進の道がある。これを1ミリの曖昧性なく確信し、怒涛の前進がプロレタリア革命への道である。戦線共通の普遍的課題は労働者階級と全人類の人間的解放である。
プロレタリア革命への戦略的準備として兵士の獲得・組織化の闘いを階級的労働運動の前進と一体でかちとろう。
等々の記述は、超重要な点だと思いました。
「Rise」とは、「よみがえる」ような意味だと思うが、まさに「労働者・兵士ともに起ちあがろう!」のことだと思う。すばらしい題名だと思います

会報 第19号

第19号 2012年5月10日発行

 会報19号PDF

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安保・沖縄闘争の大爆発かちとり、6・10国鉄闘争全国運動大集会の成功へ!

大恐慌下の3・11から1年。福島県郡山に「原発いらない!」の怒りの声を挙げる1万6千の労働者・農民・漁民・学生が大結集した。あらゆる分断攻撃を突き破り福島県民を先頭にした怒りの結集が、脱落の危機にあえぐ日帝・野田政権とブルジョアジーに体制崩壊の危機を促進させている。
「原発いらない!」は福島県民の命の叫びだ。その闘いの推進軸に被災地の闘う労働組合が立ち上がり、反原発・反失業・外注化阻止・非正規職撤廃の闘いが融合し、新自由主義攻撃を打ち破る巨大な階級的うねりとなって新たな歴史的闘いを開始した。
その歴史的闘いの土台に「4・9反革命」を打ち破って前進して来た国鉄闘争全国運動がある。何よりも、4月全面外注化を阻止し、組織拡大を勝ち取った動労千葉、被爆労働を拒否し、安全を守り抜いた動労水戸の闘いがある。国労郡山をはじめとする被災地の闘う労働組合が牽引した。その先頭に青年労働者・学生が立ち上がっている。
階級的労働運動の力強い前進に恐怖した国家権力は、闘う労働者・学生の不当逮捕を押し進め、司法もJAL不当解雇を容認する反動判決を下した。絶対に許せない! 新自由主義攻撃そのものだ。しかし、その凶暴な攻撃こそが新自由主義の根底的破綻の証明だ。新自由主義に未来は無い! 労働者階級の団結した力こそが未来を切り開くのだ。
新自由主義攻撃と真っ向から対決する労働組合の全国的潮流が、今ほど求められている時はない。職場生産点で団結を拡大する職場支配権をめぐる資本・権力との大攻防に断固、突入しよう。

大恐慌はますます深化・激化し、政府債務危機と国債暴落時代への突入の下で、帝国主義争闘戦からの脱落の危機にあえぐ政府・資本家連中は、消費大増税・原発再稼働・日米安保強化=戦争・改憲攻撃に突き進んでいる。まさしく戦争か革命かの歴史を画する一大階級決戦情勢に突入している。国鉄闘争を基軸に全国に闘う労働組合を甦らせよう。安保・沖縄闘争の大爆発を勝ち取り、6・10国鉄闘争全国運動大集会の歴史的大成功を断固として勝ち取っていこう!
労働者民衆の死の上に生き延びようとする新自由主義に未来はない!原発推進・安保推進の脱落日帝の根底的打倒に向かって、階級的労働運動の力強い前進と、プロレタリア革命の帰趨を決する自衛隊解体・兵士獲得の闘いを、今こそ目的意識的に推し進めよう!  (杉橋)

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基地も原発も労働運動の力でぶっ飛ばそう!

【新自由主義との階級戦争に沖縄の労働運動は勝利してきた!】

新自由主義は、これまでの「制度・体制から思考・発想まで、既成のすべてを破壊しようとする」「だからたえず自己矛盾に満ちており、いつも場当たり」「ひたすら社会的矛盾・階級的矛盾を激化させ」「革命的情勢を促進する」(『共産主義者』171号島崎論文)。
国鉄の分割・民営化がまさにそうであり、3・11福島原発大事故への政府と資本の対応がまさにそうです。そして、72年のペテン的「返還」以降の沖縄への攻撃は、ウソとペテンの新自由主義そのものの先取りでした。そして、不屈に闘う労働組合を軸に「革命的情勢」をわが手にしつつ沖縄は勝利してきました。
その最先頭に「労働者は死んではならない。死すべきは基地だ」「解雇撤回・基地撤去」の全軍労牧港支部青年部(牧青)の闘いがあった。 今、3・11を経て歴史が音をたてて動き始めています。分断や弾圧を乗りこえて新自由主義に怒りをもつあらゆる闘いや社会層が階級的に合流を開始しています。
国鉄闘争全国運動の拡大を軸に、闘う労働組合を甦らせ闘う大学自治会再建の闘いと一体で基地撤去・安保粉砕へと大きく前進しましょう。

【核戦争・核武装化との闘い】

米軍が沖縄を本土から切り離して基地の島とした最大の狙いは、核兵器を自由に貯蔵し、自由に出撃・使用する核基地・軍事基地として使用するためでした。米議会に提出された1956年の調査報告書「プライス勧告」は「ここ(沖縄)でわれわれが、原子兵器を貯蔵または使用する権利」を有するとしています。
現在、本土にある54基の原発が、すべて核兵器製造工場そのものであり、福島の原発は本土にすえられた地上の原爆として爆発しました。
ベトナム侵略戦争反対の70年安保・沖縄闘争の大爆発は米帝を追いつめました。71年5月と11月の「沖縄返還協定調印阻止」の2度の全島ゼネスト。これと連帯し星野文昭さん先頭に闘った11 ・14渋谷暴動闘争。これらに追いつめられた日帝は72年5月15日、沖縄のペテン的「返還」を強行しその後、星野さんを無期懲役にしました。
当時の首相佐藤は「核抜き本土並み」と言いながら核持込みの密約を結び条約の偽造を行いました。その一方で原発を日本に導入した中曽根を防衛庁長官にすえ、自前の核武装政策を推進しました。ウソとペテンの「返還」と核政策への怒り、この点でも沖縄とフクシマの闘いは一体です。

【米新軍事戦略と日米安保】

1月5日、米オバマ政権は「新軍事戦略」を発表し、中東とアジアをにらんだ「二正面作戦」から「アジア太平洋重視」=対中対峙・対中戦争戦略に転換しました。具体的には昨年11月、米国防総省が発表した「エアー・シーバトル(空・海戦闘)」戦略です。これは中国の主要拠点への先制攻撃、沿岸部海軍基地への上陸作戦も想定したものです。
同じ11月にオバマはオーストラリア連邦議会で「アジア太平洋地域は・・・米国民の雇用や機会を創出する」のに「不可欠だ」と発言しました。これは「今後5年間で輸出を2倍化」するという発言(10年1月)とセットです。軍事力で封じ込めつつTPP(環太平洋経済連携協定)などで勢力圏を構築しアジア太平洋市場に参入するという強盗的な米帝の国家戦略です。その一環としてこの新軍事戦略があります。

【原発再稼動とオスプレイ普天間配備を許すな!】

民主党野田は1月24 日の施政方針演説で「米新国防戦略を歓迎する」とする一方で、「安全保障」を根拠の一つとして原発の再稼動を打ち出しました。日帝にとって原発政策とは独自の核武装化を含む軍事戦略であり日米安保をテコにした対米対抗性をはらんだ争闘戦戦略です。
米帝オバマが「米国民の雇用の創出」と大恐慌下での延命をアジア太平洋地域の独占的支配にかけようとしていますが、その「アジア市場」は日帝にとっては絶対に譲ることのできない生命線です。
民主党菅政権が3・11の核戦争事態に無能力さをさらけ出す中で、そこを衝いて米帝は「トモダチ作戦」と称して日本政府の頭越しに原子力空母まで出動させ被災地を軍事制圧しました。これは日本を抑えてアジア市場を制圧するTPP戦略と完全に一体の対日争闘戦にほかなりません。 民主党政権は「新防衛大綱」(10年12月)で、島嶼(とうしょ)防衛を口実に沖縄を含む南西諸島への自衛隊配備の増強を既に打ち出しています。米軍のエアーシーバトルと連携して対中対峙・中国侵略戦争に対米対抗性をもちながら積極的に参戦していくということです。
4月の北朝鮮のミサイル発射に対する自衛隊による沖縄ー本土の迎撃態勢と自治体労働者や教育労働者を動員した「国家総動員体制」は、自衛隊の実戦軍隊化への策動と同時に、3・11 「トモダチ作戦」への必死の取り戻しとしても発動されました。
沖縄海兵隊はアジア太平洋地域を動き回る侵略専門の実動部隊。辺野古新基地への配備が予定されていたオスプレイの普天間基地への配備が本年から強行されようとしていますが、朝鮮侵略戦争のためのオスプレイ配備と原発再稼動は一体です。オスプレイ配備絶対阻止の島ぐるみの爆発は不可避です。

【新自由主義を打ち砕く沖縄労働運動】

74~75年世界同時恐慌での新自由主義の攻撃開始のなかで、日帝は日米安保のもとで独自の軍事大国化の方向を確定しました。(「安保・防衛政策の原理的転換」)
日米安保の軍事的制圧下、この軍事力と結合した「開発独裁政権」のもとで労働者の低賃金と無権利状態が維持され、日米資本が超過利潤をせしめる新植民地政策が顕著になります。こうして国内で国鉄の分割・民営化を最大の環として開始された新自由主義の階級的攻撃は、日本のみならずアジアや世界の労働者の生活を同時に直撃していきました。
72年のペテン的「復帰」の後、政府は基地あるがゆえの沖縄の高失業率を利用して基地とセットの懐柔策を押し付けてきました。これは本土の原発建設と同じ新自由主義の典型的な支配政策の先取り攻撃です。 この40年間の沖縄の闘いは米帝の核戦争体制と日帝の核武装化を直接的に阻む闘いでした。
復帰闘争以来、沖縄労働運動の先頭で営々と闘ってきた教育労働者や自治体労働者は繰り返し襲い掛かる労組解体攻撃に屈せず、95年の10万人県民大会や07年の11万人県民大会という島ぐるみのゼネスト的決起の中軸を担い続けました。
95年の県民大会の大爆発を逆手にとったペテン的「普天間返還」。その見返りとしての辺野古新基地建設は実力闘争で阻止しました。しかし、09年8月の民主党政権の登場で「普天間基地の県外・国外移設」の体制内スローガンと、政府との交渉・話し合い路線の体制内派の裏切りが前面化しました。
この裏切りとの最先端の攻防が国鉄1047名解雇撤回闘争への10年の「4・9政治和解」でした。そして、その総屈服路線をうち砕いたのが6月の国鉄闘争全国運動の開始でした。3・11で始まった新たな反原発闘争の決定的力になったのが国鉄闘争全国運動です。

【国鉄闘争全国運動と基地撤去・安保粉砕の新たな闘い】

95年1月に結成した沖縄労組交流センターは全学連や青年労働者とともに辺野古新基地建設阻止闘争の先頭にたちました。そして沖縄の労働者の中に動労千葉(物販)を持ち込むことをとおして、昨年の3・11直前の3月6日に「国鉄闘争全国運動・沖縄」を結成しました。
この1年間の被災地への攻撃と新たな反原発闘争の始まりは、沖縄「復帰」40年の攻撃との闘いの総括にとって決定的でした。
日本で最初の特区導入は沖縄本島東岸の埋立地。基地とセットの「振興策」「雇用の確保」としてできたテレホンセンターでは2万人の労働者のうち8割が非正規雇用。辺野古の反基地闘争の先頭にたち、体制内派の裏切りと格闘してきた青年たちがコールセンターの非正規職場に入って3・11情勢下の職場の大変動のなかで労働組合を結成しました。この職場実践こそが「基地撤去・安保粉砕」の展望を押し開きます。職場での団結、労働運動の力で「沖縄・国鉄・原発」の新自由主義を打ち砕こう。
「非正規職撤廃!外注化絶対反対!」の旗を高々と掲げましょう。これは今や自衛隊兵士はじめ世界の労働者兵士との国際連帯のスローガンでもあります。
6・10 東京集会で会いましょう。 ともに闘いましょう。

(岐部)

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労働者・兵士の団結で、日米同盟の強化、戦争国家化・改憲攻撃を粉砕しよう!

日米共同声明―同盟強化と有事体制・戦争国家化阻止!

5・1日米共同声明付属文書には、自衛隊と米軍が共同訓練、警戒監視・偵察活動、施設の共同使用で「動的防衛協力」(新防衛大綱「動的防衛力の構築」)を進めることを盛り込んでいる。日帝自衛隊の軍事力の動員が初めて明記されている。大恐慌と3・11情勢下、日米同盟の強化をテコにした脱落日帝の巻き返しをかけた対米争闘戦への決定的な転換である。中国が第2列島線上に位置付けるグアムや米自治領・北マリアナ諸島のテニアン、パガン両島で共同訓練を行うことでも合意した。自衛隊が海外に駐留拠点を置くのはジブチに続き戦後二度目だ。この海外米領での共同訓練は日米を軸に、米新軍事戦略網の構築として多国間共同訓練が実地されることは明白である。没落帝国主義・米帝は国家財政の危機と軍事費の大幅削減、米軍の崩壊的危機という現実の中で単独の対中軍事戦略が不可能なところにまで追い込まれている姿が現れている。
共同声明では、「日米同盟はアジア太平洋地域の平和、安全保障、安定の礎」と定義したうえで、「日米同盟の力強さは東日本大震災で示された」、アジア太平洋地域と世界の安全保障を推進するため、「あらゆる能力を駆使し役割と責任を果たす」と明記し、アジア太平洋地域の緊急事態に日米同盟が対応する能力をさらに高めることで合意している。  「地球的課題」として、テロ、大量破壊兵器の拡散、海賊などのグローバルな課題に取り組み、海洋、宇宙、サイバー空間という死活的な空間を自由に確保するための軍事力の共同運用・強化に合意している。北朝鮮、イランへの軍事重圧とミャンマーへの「改革圧力」の強化、アフガンについて野田は、7月の東京会合で15年の米帝撤退後、日帝のアフガンへの関与の見通しを表明するとしている。 TPPにおいては、日帝への自動車、保険、牛肉の3分野での争闘戦の強化を表明している。
要するに米帝が、大恐慌と3・11で争闘戦から脱落した日帝経済を叩きつぶし、日帝軍事力を米軍事力の指揮下に統括することを明文化した共同声明である。

野田政権の絶望的な突進

日帝・野田政権は、新自由主義の破綻と争闘戦の激化という現実から引きずり出されてきた米新軍事戦略と「見なおし米軍再編」を積極的に取り込み、戦争国家化への道を突き進むことで延命せんとしている。核・原発は「平和的、安全・安心な利用で協力する」と徹底推進を明記している。

原発54 基を全て停止させた!

5月5日、国内の原発54基すべてを停止させた。日本階級闘争には原発再稼働を阻止した底力がある。東電資本は、再建条件として、新たに1兆円の公的資金の投入、柏崎・刈羽原発再稼働、10・3%の電気料金の値上げを条件に開きなっている。資本家どもを奈落の底へ叩き込もう!
労働者階級人民の闘う方向性は鮮明である。①「原発廃炉・解雇反対」の闘い、②原発労働者がともに決起できる全原発廃炉の運動とその前進。廃炉は原発労働者の決起によってしか成り立たない、③沖縄闘争と結合し、核兵器と全原発を廃止する、④内部被曝・低線量被曝の隠蔽と命をかけて闘ってきた被爆者の闘いとの連帯を強化して闘おう!
被曝労働との闘い、全原発廃炉の闘い、戦争国家化阻止の闘いは一体であり、職場・生産点で資本との非和解的闘いで勝利することが出来る。

改憲攻撃を階級的労働運動の前進で粉砕しよう

自民党は4月27日、新たな憲法改正案を発表した。
(1)9条2項を削除し、自衛隊を「国防軍」と位置づけた。国防軍は首相を最高指揮官とし、国際貢献も任務と明記している。
(2)国家の任務として(9条3項)、「領土、領海、領空の保全と資源確保」を明記した。帝国主義のいう「資源確保」とは侵略戦争を意味する。戦争・軍隊に不可欠な軍事裁判所の設置も明文化。自衛隊の帝国主義軍隊化への道筋が敷かれている。
(3)有事やテロ、大災害の時、国民は国家の命令に従うことを義務とする緊急事態条項を新設。緊急事態条項では、外部からの武力攻撃、内乱、大規模災害を「国家緊急事態」と規定し、国家が「緊急事態宣言」を発令。首相は必要な財政措置や地方自治体への緊急権を行使する。「国民」は国家の指示に従うことを義務と明記。労働三権も解体する。事実上の憲法停止条項である。
(4)天皇を日本の元首と明記。国旗は日章旗、国家は君が代と規定し、国民に「日の君」尊重の義務を明記。(5)自由や基本的人権を停止。「常に公益及び公の秩序」が優先し、「公益や公の秩序を害する活動などを禁止する条項」を盛りこんでいる。
(6)改憲発議要件である衆参両院で3分の2以上の賛成を「過半数」に緩和した。
昨年、始動した憲法審査会は、野田を先頭に90 %が改憲論者である。橋下は改憲のために2年間で労組を解体すると豪語している。石原は「憲法破棄」を叫び、「『21世紀の日本と憲法』有識者懇談会」(代表・櫻井よしこ)は昨年11月、「3年くらいの目標で憲法改正を端緒につけなければならない」とうごめいている。

国鉄全国運動が突破口

国鉄全国運動で国鉄産別に革命派が権力を打ち立てる。国鉄決戦が突破口である。自衛隊の南西拠点化への輸送、日常化する日米統合訓練の戦力輸送、がれき輸送を国鉄労働者が阻止する闘いこそ反戦・反軍、反原発闘争である。改憲攻撃・戦争国家化を粉砕する力は階級的労働運動の前進と職場・生産点にある。

北朝鮮ミサイル対処は戦争国家化攻撃

4月13日の北朝鮮ミサイル打ち上げを契機に米軍と自衛隊の一体化が加速している。野田政権の迎撃命令は、武力攻撃事態に対処する国民総動員体制と自衛隊の南西拠点化・配備、そして沖縄闘争の圧殺攻撃として発令された。大恐慌と3・11情勢下、日米同盟の強化・見直し米軍再編は、米新軍事戦略の具体化として、日米争闘戦を激化させながら推し進められている。
空自は06年5月の米軍再編計画に伴う航空総隊司令部の横田移転を昨年3月から開始していた。今回のミサイル発射を前に司令部が米軍横田基地に移転し、弾道ミサイル防衛(MD)の「共同運用調整所」を新設し、情報共有・連携運用の強化を加速させた。府中から司令部や作戦情報隊など約760人も移転した。
今回のミサイル対処では、PAC3やイージス艦の配置などは、米第5空軍司令部下で総隊司令官が指揮を執った。
海自は、すでに米海軍と横須賀で司令部の共同統合運用を開始している。陸自は、来年3月に中央即応集団司令部を朝霞駐屯地から、在日米軍司令部があるキャンプ座間内に移転させる。
今回、MDの日米一体的な運用開始は、米軍再編計画後、初めてだがMD計画の主眼は米本土ミサイル防衛システムである。そもそもMDに日本本土防衛は組みこまれていない。

破綻と無力性を露呈した脱落日帝・野田政権

破壊措置命令は09年に続き2回目。日帝の政経中枢防衛と、部隊が常駐しない沖縄県・先島諸島へPAC3を配備した。これは北朝鮮・中国有事を想定した周辺事態法の「発動」による国民総動員態勢への組み込みと南西配備への布石である。①東中国海へイージス艦2隻、日本海へ1隻を配置。②PAC3を防衛省、陸自・朝霞(埼玉)、習志野(千葉)、空自・那覇基地、知念分屯基地(南城市)、空自・宮古島分屯基地、石垣港「新港地区」に大々的な移動で配備した。PAC3とともに自衛官は石垣島に500人、宮古島に250人、沖縄本島の那覇と知念分屯基地に各100人、与那国には陸上自衛官が50人、計1千人が移動配置された。3日から5日にかけ、定期貨物船やフェリーなど民間船舶を動員し軍事車両百台以上が沖縄と先島諸島に搬入された。連絡自衛官が各自治体に配置され、今回、JーALERT(全国瞬時警報システム)の発動が初めて決定され、自治体労働者を動員した事前の全国的訓練も2度、行われている。栃木では12日午後、「北朝鮮からミサイルが発射された」という防災メールが誤送信され、危機管理監が記者会見で陳謝する事態も発生している。だが野田政権は、独自のミサイル発射情報を集約できずに無力性を露呈した。JーALERTの全国的発動は見送られ、沖縄県内にのみEmーNetで「日本の領域に影響はない」という放送を流し、計画は破綻した。訓練の過程では自治体労働者が放送を拒否するという反乱に決起している。
帝国主義は打倒できる。非正規化・低賃金化、困窮・飢餓は戦争を引き寄せるだけではない。むしろ恐慌と非正規化・困窮の世界化はプロレタリア世界革命を急速に引き寄せている。兵士・労働者は共に進撃しよう。
(滝山)

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階級的労働運動の力で原発再稼働を阻止し、日帝の有事体制の全面的発動を阻止しよう!

福島第一原発事故収束せず、放射能は大量放出と拡散を続けている

福島第一原発は現在も、「事故収束」どころか、爆発危機が続き、放射性物質の大量放出と拡散が続いている。1~3号機では、水素爆発を防ぐため大量の窒素ガス封入を続けている。この窒素装置の故障が頻発し、循環水の配管漏れも相次いでいる。4号機の使用済み核燃料プールの循環冷却装置も配管漏れで高濃度の汚染水が大量に海に溢れ出ている。昨年秋は、再臨界と核爆発危機が再燃し、3・11時同様、ホウ酸の注入まで検討した。
4号機燃料プールは余震で崩壊する危険が常に強く指摘されている。1535発もの大量の核燃料の崩壊・爆発は今度こそ列島全体の壊滅を意味する。トモダチ作戦で米軍が最も危惧したのも4号機の状態だった。しかし「水面から燃料が頭を出せば、近くの人間は即死する」。4号機の核燃料取り出しは、今のままでは、「3年ではとても無理」(現場)だ。
2号機は3月の調査で、格納容器の水位が60㌢しかなく、放射能線量は最大7万2900㍉シーベルトに達していることが判明している。4月の調査では、圧力抑制室外部で120㍉シーベルトを記録したうえ、水漏れ箇所も発見できなかった。これは毎時9㌧もの大量の汚染水漏出を防ぐ修復作業の見通しが立たず、「水棺」も「廃炉」も絶望ということだ。現在の状態は冷温停止「状態」に程遠く、格納容器全体が「全員致死7SV」の10倍にも達する高濃度放射能に溢れ「制圧」されている状態だ。核燃料が再度「暴走する」寸前で均衡している状態だ。
このような危機状態にもかかわらず、東電は経費がかかりすぎるとして、労働者の全面マスクの使用をやめさせた。「原発事故の作業拠点」もJヴィレッジから福島第一に移す計画だ。労働者からは「免震重要棟も休憩所も放射線量はゼロではない。バスを待つ間も被曝してしまう」と怒りが高まっている。どこまで労働者を使い捨てるつもりなのか!
さらに、野田政権の再稼動強行(策動)は、今度こそ全原発の核爆発事故をもたらすものだ。大飯原発のストレステストと暫定基準で明らかなことは、予想される直下型地震時「制御棒の挿入」など不可能だ。保安院の【30項目】さえ、本当はひとつもクリアしていない。「炉心損傷を起こすことなく耐えられる」などウソ八百だ。「ベントフィルター」設置や免震重要棟の建設は「数年先の計画でよし」とし、重大事故が発生したときは「それまで」という代物なのだ。これほどまでに崩壊と腐敗を極めている国家の滅亡の道連れにされることなど誰も「よし」としない。原発は一基たりとも動かしてはならない。子供達に甲状腺異常を蔓延させるような国家は、労働者階級の力で打倒しなければならない。

  建屋内SV/時 汚染水(トン)
1号機 23~5000ミリ 14100
2号機 5~7万2900ミリ 22400
3号機 10~1600ミリ 24800
4号機 0.1~0.6ミリ 19200

自衛隊員の被曝

5月14日 大角信勝(59歳)さん 心筋梗塞 提訴:労災認定
8月16日 40歳代男性 急性白血病 ――
10月6日 50歳代男性 敗血症 ――
1月9日 60歳代男性 急性心筋梗塞 ――

3・11原発事故「収束」に関わった労働者と自衛隊兵士、防衛省技官、消防士が大量被曝している。また、3・11以後、福島第一で東電によって殺された労働者は4名である。

3月12日の1号機の水素爆発で労働者4人が負傷し90人が被曝、郡山駐屯地と福島駐屯地の隊員12人も被曝した。3月14日の3号機の爆発では中特防の隊長を含む6人の隊員が被曝、自衛隊員4人を含む11人の労働者が重軽傷を負った。そして福島第一の危機が迫る中で、自衛隊は原発周辺から全部隊を撤退させた。これは帝国主義軍隊を兵士と労働者が革命的に解体する時まで、兵士に革命的流動を促す決定的事実だ。
「収束」作戦再開後は、防衛省技官78人が大量動員され、第一ヘリ団の兵士と同乗し、上空から原子炉の赤外線温度測定と解析を行い被曝した。第一ヘリ団は90㍍上空から放水作戦を敢行している。さらに(実行はされなかったが)再臨界を防ぐ目的で「ホウ酸」を上空20㍍から注入する「鶴市作戦」が準備されていた。これは「鶴女と市太郎」の民話のように、核爆発を阻止するために準備された「人柱」作戦だった。
地上放水作戦は数百㍉SVにも達する高線量の中で実行された。自衛隊は中特防に全国の化防隊や航空基地消防隊を加えて再編成した大部隊を投入し、消防庁は東京消防庁や横浜消防庁など全国のハイパーレスキュー隊260人を投入した。彼らは全員が長期メンタルヘルスの対象になっている(退職後の追跡調査も含む)。
さらに、首都圏の治安部隊である第一空挺団や中即連、中特防、第12旅団、そして第13旅団(これは海田)の若い兵士が174日間も原発周辺の高放射能地域で駐屯し、遺体捜索では原発直下に入って被爆している。こうした隊員のケアは「総合的・中長期的な課題」と、防衛省は最大の問題であることを明らかにしているが、いまだに被曝隊員の状態の具体的事実の公表はない。「震災派遣隊員トラウマ大規模調査」が唯一公表された(下欄))。

  調査人数(回答) トラウマ うつ 人数
陸自 58050人 3・3% 2・2% 3192人
海自 6112人 4・3% ※PTSD5人 262人
空自 6148人 7・5% 6・5% 464人

再稼動阻止、新軍事戦略・日米安保強化と有事体制の全面発動粉砕

核をコントロールできる帝国主義など存在しない。しかし原発事故を起こして「収束」出来ない日帝は、脱落・滅亡するしかない。菅前首相は福島第一を放棄すれば「外国が乗り込んでくる」と叫び、野田現首相は「安全保障の問題」と再稼動に突進している。
再稼動と日米安保・核戦争体制=有事体制強化に遮二無二突進する野田政権のもとで被曝は、原発・除染・瓦礫処理、清掃、JR・港湾・林野、建設など全国の労働者に拡大し、日帝の延命と引替えに子供達の甲状腺異常や乳がんの発症など恐るべき被害が拡大する。
4月の北朝鮮「ミサイル」迎撃命令で、沖縄本島、石垣、宮古に突入したPAC3部隊と一体で8化防隊や15特防隊という核専門部隊が展開した。新自由主義のもたらした原発事故で「人柱」になるのも、新自由主義の核戦争で「人柱」になるのも兵士だ。「職場で闘っている」労働者には、「使い捨て」の兵士が、ともに団結する兄弟であることがよくわかる。労働者・兵士は団結し再稼動を阻止し、日帝・野田政権を打倒し未来を切り開こう!
(長原)

(写真 5・5デモに参加した原発労働者の母親の訴え)

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3・17 反軍 全国交流会に参加して

迎賓館・横田基地爆取デッチあげ弾圧被告 福嶋昌男

3月17日、反軍全国交流会にはじめて参加をしました。最初に、参加者の自己紹介が行われました。次に、主催者より、基調提起が行われました。基調提起は、

Ⅰ 新自由主義における侵略戦争
Ⅱ 米帝の新軍事戦略
Ⅲ 脱落日帝の「国家存亡」の崩壊的危機
Ⅳ 革命党として、反軍として、われわれはどう闘うか
Ⅴ 1 日米安保粉砕・改憲攻撃阻止
2 改憲攻撃を全力で粉砕する
Ⅵ 革命党と労働者階級はどう闘い、どう勝利するか

以上の基調提起を受けて、元自衛官、沖縄・基地労働者、札幌労働者からのアピールを受けました。その後、全体交流討論に入りました。
私は、基調提起・アピールを受けて、迎賓館・横田基地デッチあげ弾圧裁判の上告棄却を、怒りをこめて弾劾しました。
私は1987年10月に迎賓館・横田基地事件でデッチ上げ指名手配され、以来25年間にわたる国家権力の転向強要に勝利してきました。
私は勝利者であることを宣言します。

3月6日に、5日付の最高裁・棄却決定を読んで、怒りに震えました。たった2頁の棄却理由です。時と共に、怒り心頭に発しました。ほんとうに許せません。
最高裁の棄却理由は、迎賓館・横田基地事件は爆発物を使用しているから、爆取違反で有罪だ、とするものです。許し難い政治弾圧です。
最高裁は私の無実・本件の真実から逃げています。
私たちの上告趣意書・補充書は弁護団、救対、裁判事務局そして「かちとる会」みなさんの努力による大部のもので、一審・二審の事実誤認を詳細に展開し、私の無実を余すところなく明らかにしました。
しかし最高裁は、上告趣意書・補充書を法令違反、事実誤認の主張であるとして、いずれも上告理由にあたらない、とむげに退けたのです。まさに、本件の「事実誤認の主張こそ」私の無実の中身を明らかにしています。
裁判所は事実審理を行えと再審をめざします。

東大宇宙研での軍学共同反対闘争

私は1968年の東大闘争の渦中で、東大宇宙研で軍学共同反対闘争を闘いました。職組の執行委員になっていて、T委員長、組合のみなさんとともに全所集会を2回行い、軍学共同を弾劾・闘いました。
【軍学共同反対闘争:当時、宇宙研のカッパーロケットが海上自衛隊所属の砕氷艦「ふじ」で、南極観測に運ばれることに対しての反対闘争】
翌年の69年10・21国際反戦デーに決起し、不当逮捕され、府中刑務所での未決10ヶ月を闘い、保釈後、北部反戦の地区活動とともに反軍戦線をたたかいました。すぐの3月14日、反革命カクマルの3・14本多書記長虐殺があり、私は75年1月に「3・14をみすえ、そそぎ、のりこえる」闘いに入りました。
3・14報復戦勝利の中で、1986年4月横田基地戦闘が敢行され、5月天皇在位60年記念式典・東京サミット爆砕の戦闘が敢行されたのです。
私は、翌年の87年10月に両戦闘に関わっているとデッチあげ指名手配を受けました。以来25年間、デッチあげ攻撃との闘いに勝利してきました。
大恐慌下の3・11情勢下の反原発・反失業闘争の高揚は、革命を引き寄せている、と確信します。階級的労働運動の前進で、反軍闘争の高揚を闘いとりましょう。

私は、一審・服部裁判長によって不当な12年の重刑を受けており、服部裁判長は私に11年8ヶ月の未決勾留を強制しました。服部裁判長は6年10ヶ月の未決算入をしているのですが、あと5年2ヶ月残っています。
下獄攻撃のもとで、再審をめざします。そのときは、引き続きのご支援をよろしくお願いします。
収監日は5月17 日、という通知が来ています。
私は下獄闘争に勝利し、必ず、反軍戦線のみなさんと再会・合流します。健康第一にがんばってきます。
全ての同志、仲間のみなさんに熱い連帯の握手を!

会報 特別号2012/4/1

特別号 2012年4月1日発行

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世界恐慌と3・11情勢下
プロレタリア革命への
反軍闘争

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目次

第一章 新自由主義における侵略戦争

(1)戦争の民営化・外注化

①民営化は資本の最大限利潤の追及
②大幅ピンハネと使い捨ての派遣兵士
③戦争の形態変化
④サイバー戦争の激化

(2)米帝の敗退とPTSD

①62万人の米兵がPTSDと脳に障害
②戦死を上回る兵士の自殺

第二章 米帝の新軍事戦略

(1)統合エア・シーバトル構想

①新軍事戦略の戦略構想―自由な作戦エリアの確保
②西太平洋海域の軍事拠点の強化
③沖縄海兵隊のグアム移転の軍事・政治目的

(2)TPP、沖縄・本土米軍基地化と一体の新軍事戦略

①「今後10年はアジア・大平洋にシフトする」
②沖縄米軍再編強化と本土基地化の攻撃

第三章 脱落日帝 「国家滅亡」の崩壊的

(1)求めれてるのはプロレタリア革命とその実現

①全人民に「死」を強制する日帝ブルジョアジー
②日帝の脱落を確定させた米帝の「トモダチ作戦」

(2)自衛隊兵士の高線量被曝とPTSD

①述べ112万人以上が原発作業で被曝
②松島基地・空自兵士の14%がPTSDを発症

(3) 帝国主義軍隊の階級的犯罪性

①帝国主義軍隊は民衆を守らない
②隊内におけるテロ・リンチ、暴行事件

第四章 革命党として、、反軍として、われわれはどう闘うのか

(1) 国鉄闘争・反原発・非正規職撤廃、階級的労働運動路線で徹底的に勝負する

(2) 兵士をマルクス主義・党綱領・プロレタリア革命で獲得する

(3) 日米安保強化粉砕・改憲阻止!

(4) 改憲攻撃を全力で粉砕しよう!

(5) 革命党と労働者階級はどう闘い、どう勝利するのか

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新自由主義における侵略戦争

 

戦争の民営化・外注化

 

民営化は資本の最大限利潤の追及

(1)国鉄分割・民営化にはじまり、郵政民営化、公立保育所・幼稚園の民営化、教育、医療、福祉、社会保険庁の「廃止・解体=民営化」、新自由主義における民営化は、「戦争(軍事)の民営化」にまで進行している。イラク・アフガン戦争は大企業の最大限利潤の獲得として「戦争の民営化・外注化」として行き着いている。従来の軍需産業は侵略戦争によって膨大な利益を上げてきたが、民間軍事会社(PMC)は戦場に直接、戦力(武器と兵士・失業労働者)を送り込み帝国主義軍隊の代行として第一線の侵略戦争の遂行主体会社として拡大している。
米ブルッキングズ研究所国家安全保障問題研究所は、民間軍事会社(プライベート・ミリタリー・カンパニー、PMC)を三つの形態に分類している。 第一は、「軍事役務提供企業」で、実際に武装した戦闘部隊を派遣して戦闘行為を請け負う。
第二は、「軍事コンサルタント企業」で顧客の要請に応じて軍事訓練や軍事的助言を与える。
第三は、「軍事支援企業」は兵士の食事、弾薬や食料の補給、兵器のメンテナンス、兵舎の構築や管理などを請け負う。
米国防省の報告書には「民間警備員は必要に応じて契約や解雇ができ、同じ能力・規模の戦闘員を確保するのに正規軍より速やかな配備が可能。予算も節約できる」と記している。しかも民間軍事会社は米軍と同じように武装しているが、武器の範囲や使用規則など、状況に応じて定めた米軍の「交戦規定」には縛られない。
09年12月、米国議会調査局(CRS)が初めて国防省が公開したデータをもとにイラク・アフガンで活動するPMC(民間軍事、警備会社)に関するデータを発表した。09年9月時点でイラク・アフガンで国防総省と正式に契約を結んでいる派遣兵(戦争請負人)の総数は、24万2230名(当時の駐留米軍は約20万人)。内訳、イラク・11万3731名(駐留米軍は約13万人)。アフガン・10万4101名(駐留米軍は6万3950人)。PMCの派遣兵は正規兵とはカウントされない。公表されている駐留米軍以上の民間の軍事力がイラク・アフガンに「派兵」されていることになる。しかも2万5000ドル以下の契約、勤務期間が30日以下の派遣兵の登録は義務づけていないため低賃金で働く外国人・現地人の派遣兵は、全て、除外されている。
国防総省は、派遣兵の死傷者数やPTSDに関するデータは一切、公開していない。
◇ 米国内のPMCは60社を超えている。仕事は、米軍人・外交官や基地の防衛、イラク・アフガン軍や警察当局の軍事教練。ブラックウォーターUSA(株式非公開)は、年間4万人の「社員」を訓練。米政府から入札なしで10億ドル以上を受注。ハリケーン・カトリーナ後は米国土安全保障省とも契約を結んでいる。
◇ イラクではブラックウォーターの警備員が米外交官の車列を警備中、周囲に一方的に発砲し、市民17名が死亡する銃撃事件を引き起こしている(07年9月)。無関係のイラク人を何人殺害しても訴追を受けないという法的地位も問題になった。
◇ ブッシュ政権下、CIAがアルカイダ幹部の暗殺を外注。パネッタが議会に報告。
しかし米政府全体での「戦争の外注化」がどの程度行なわれ、現在、何人くらいの民間人が戦争に従事しているかの正確な数値の統計は取られていない。
唯一、米国議会図書館の専門機関である「政府説明責任局(GAO)」がまとめた08年10月の報告書の内容によれば、PMCの三大発注先は、①米国防総省(DOD)、②米国務省(DOS)、③米国際開発庁(USAID)であるが各省庁が独自に契約し、いずれも請負会社任せで戦闘兵の把握システムが構築されていない(正確な情報は不明)。

大幅ピンハネと使い捨ての派遣兵士

(2)「戦争の外注化」で民間軍事会社に投じられる国家予算(米議会予算局・CBO)を見てみよう。
①03~07年に米国防総省が支払った費用は、およそ760億ドル(約6兆8400億円、1ドル・90円換算)。
②07年~08年上半期までは、イラクに50億ドル(約2兆2500億円)、アフガン約50億ドル(約4500億円)、と急増している。イラク・アフガンで米軍の敗勢に比例して、PMCが急増している。
「戦争の民営化」は、「9・11以降、米軍の負担が激増して、人員・費用ともたえられなくなったため」とされているが、ペトレアス元司令官(陸軍大将)の年収は18万ドル(1900万円)、アメリカ系PMC社員に支払われる金額は1年契約で36万5000ドルとされている。また米政府がブラックウォーター社員に支払う1日の日当はおよそ1220ドル。この内、派遣兵が受け取るのは500~700ドル(08年当時)である。原発労働者に対するピンハネとまったく同じ構造だ。命を的にして最前線で「戦闘」している労働者や、生きるために被曝覚悟で原発作業を行っている労働者からピンハネし、大企業とその系列下にある会社がぼろ儲けする新自由主義そのものの在り方が民間軍事会社にも貫かれている構造になっている。巨額の米国家予算が民間軍事会社に流れており、決してイラク・アフガン戦争は「安上がりな戦争」にはなっていない。「戦争の民営化」によって民間軍事会社が儲けそこの派遣労働者は安い金額で使い捨てられているという構図が見えてくる。

戦争の形態変化

(3)新自由主義における戦争の変化として戦略的・戦術的無人爆撃機による無差別大量空爆と無人ステルス機によるスパイ偵察がある。さらに弾道弾に代わる非核攻撃ミサイル(CSM)がある。これは極超音速巡航ミサイルで地球半周を45分で飛翔する。
アフガン・パキスタンでは無人機偵察とステルス・ヘリコプターによる暗殺攻撃が激化し、最前線ではスマートフォンが兵士自身によって先行的に導入されている。暗殺したビンラデンの本人確認も暗殺現場での指紋や瞳孔など現場で採取したデータとネットで取り寄せたデータ(指紋と顔・瞳孔など)で照合し一致を確認していることが明らかにされている。
米陸軍はこの事を追認するかたちで11年2月より「ipad」と「アンドロイド」OS搭載型スマートフォンを統合型戦闘指揮計画(JBC・P)用端末として導入するため、旅団規模での実地検証を開始している。4月、陸軍は当面「アンドロイド」搭載型スマートフォンを使用すると発表した。
(写真 空母艦載機型無人ステルス爆撃機 「X―47B」)

サイバー戦争の激化

(4)さらに戦争の変化としてサイバー戦争の激化がある。サイバー戦争の軍事目的は、敵国司令部・中枢機能を停止させ作戦遂行能力を無力化することである。
3月11日、米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は「中国のコンピューター網作戦とサイバー・スパイ活動」という報告書を発表した。同報告書は、中国軍がサイバー攻撃を対米軍事戦略の中枢に位置付け、実際に攻撃能力を画期的に増強している詳細な内容を報告している。報告書は、中国人民解放軍が米帝を主目標とし、対米戦争でも戦闘開始前と初期に米軍の「指揮・統制・通信・コンピューター(C4I)」機能にサイバー攻撃を仕掛けることを不可欠と見なすと至った、と述べている。

(5)米帝のイラク・アフガン戦争の敗北と撤退、米兵以上の民間軍事力―派遣兵の投入、膨大な民間労働者の派遣と負傷、世界恐慌とイラク・アフガン戦争による巨大な赤字国家財政の危機、これらすべての現実が示していることは米軍の崩壊であり、米帝の没落である。

米帝の敗退とPTSD

米帝はイラク・中東からの敗退を強制される中でエジプト革命の波は米国内にまで波及し、ILWUの港湾労働者のストによる戦争物資の輸送を阻止し、オキュパイ運動の拡大など米国内階級闘争は爆発している。一方では兵士の反戦決起、兵士の自殺、PTSDが拡大している。

62万人の米兵がPTSDと脳に障害

英・医学誌「インジュリー・プリベンションン」(12年3月7日)掲載の米軍医療組織のリポートから見る。
① 米陸軍兵士の自殺が04年以降、増加し、08年の自殺者は140人になっている。04年から80%も増加している。陸軍兵士の自殺者数は、97年から03年には減少傾向にあったが04年を境に増加に転じている。
② 自殺した兵士の大半は男性で、年齢は若く、軍での階級は低い兵士たちである。08年には現役兵士の自殺率が同様の年齢・性別の民間人を上回っている。03年に始まったイラク戦争が自殺者を増加させている。
③ 自殺率の上昇に伴い、心理カウンセリングや治療を受ける兵士も増加している。08年のデータでは、5分の1以上の現役兵が精神面の問題で診察を受けている。08年には自殺した陸軍兵士の3分の1は出征経験のない若い兵士たちである。
米陸軍公衆衛生統括本部は自殺の増加について、「米陸軍の記録上、過去30年間で類を見ない」と指摘しているほどである。
④ 01年以降にイラク・アフガンに配属された米兵160万人を調査したランド研究所の報告書では、イラク・アフガン帰還米兵のうち30万人(米当局の推定は12万人)が、激しいPTSDによるうつ病と機能障害を患い、その他32万人が脳に障害を負っていることが判明している。PTSDによるストレスと重いうつ病を患う割合は、女性と予備役兵に高い。
このランド研究所の報告書は、国防省と帰還兵訴訟の記録なども活用し、数値を出している。08年1月に完了した報告書。

戦死を上回る兵士の自殺

(2)米陸軍が12年1月18日、10年に続き「米軍兵士や退役者」を対象にした二度目の報告書を作成している。
①報告書の序文で、米陸軍参謀本部副議長は「兵士の多くは、多くの戦闘に起因する怪我、病気で苦しんでいる」ことを認めている。
②「報告書」は 陸軍兵士の自殺の急増を示している。10万人あたりの自殺率が、03年は11・5、09年は21・9へと倍増し、08年以降、民間人の自殺率を上回っている事実を示している。10年は退役兵の自殺が6500人を超えている。同年、陸・海・空・海兵隊の戦死者が462人で自殺者が468人で、自殺者が戦死者を上回っている。自殺者は06年に100人を突破し、09年には、一気に162人に達している。
③ 凶悪な性犯罪も倍化している事実が示されている。06年から11年にかけて陸軍兵士が加害者となった凶悪性犯罪は665件から1313件と倍化している。
④ 07年と09年の調査で、イラク・アフガン退役兵のPTSD発症率は、ベトナム退役兵の1・9~3・1倍となっている。
⑤ 薬物使用(発覚)は、06年~11年にかけて、毎年7千~8千件で、この間の合計で5万件を超えている。同期間の薬物所有や販売を加えると、年間、1万1千~1万2千件に上る。
◇11年12月15日、オバマのイラク終結宣言時、帰還米兵の6割が失業中である。

軍隊内における自殺者の比率は海・空軍に比べ、陸軍と海兵隊が高い。原因は「戦闘に関連したストレス」である。不正義の戦争が長期化すればするほど兵士・人間に与える破壊性と自殺が拡大していく事実を明確に示している。これらは同時に根底的には米軍、とりわけ米陸軍と海兵隊が帝国主義軍隊としては崩壊的な危機の中に叩き込まれている現実を示している。
不正義で反階級的、反労働者的戦争から兵士を解放する唯一の道は、労働者階級との団結と兵士のプロレタリア革命運動への合流であり、それへの呼びかけである。
(写真 2012年3・25三里塚現地闘)

米帝の新軍事戦略

 

統合エア・シーバトル構想

没落帝国主義からの巻き返し、それが対中対決路線と新軍事戦略「統合エア・シーバトル構想」である。米帝は10年2月、QDRで新戦略構想を正式に認めている。
米帝オバマの「二正面戦略」からの転換としてある「統合エア・シーバトル戦略構想」とは、①国家独占資本主義政策の破綻、②そこから生み出されてきた新自由主義とその破綻がもたらした世界恐慌と米帝の経済危機と国家財政の危機、③そして情報型「軍事革命」、「IT革命」がもたらした帝国主義侵略戦争の「形態変化」が生み出した帝国主義軍隊の崩壊的危機という現実から引きずり出されてきたのが「統合エア・シーバトル構想」なる新軍事戦略である。
したがってまずわれわれが米帝の新軍事戦略を見据える場合、第一に新自由主義の破綻のうえに打ち立てられた軍事戦略であり、本質的に根底的に脆弱な土台の上にある極めて脆弱な軍事戦略であるということ、第二に、脆弱であるがゆえに絶望的な凶暴性をもった軍事戦略であることを確認しておく必要がある。破綻性と凶暴性は戦略的・戦術的無人機による無差別大量爆撃、通常型弾頭搭載型打撃ミサイル(CSM)、攻撃型サイバー戦争の拡大(全社会的混乱をも不可避に引出す)が明確に示している。
要するに米帝の新軍事戦略の展開が激化・強化すればするほど世界中の労働者階級人民の生命と生活がますます破壊されていくということである。そして新軍事戦略とその発動と激化が進めば進むほど、全世界の労働者民衆の怒りをひきだし、プロレタリア革命への道を帝国主義ブルジョアジーみずからがおし拡げていく結果を引き出すということである。

新軍事戦略の戦略構想―自由な作戦エリアの確保

(1)世界恐慌下、米中にとって西太平洋地域が資源・市場争奪戦の中心をなすエリアとなってる。米帝歴代政権は、過去60年以上、政治・経済・安全保障面で西太平洋海域が重要な国家利益を有するとしてプレゼンスを維持・強化してきた。中国スターリン主義の国家的利益もこのエリアに集中している。
新軍事戦略構想は、中国の接近拒否戦略を打破し、第一列島線内へ封じ込め、米帝の自由な作戦エリアを確保し続けるという軍事戦略である。
戦略構想は、第一に、 中国の衛星及び作戦ネットワークの情報システムを撹乱し、攻撃し、中国軍の中枢・指揮コントロールシステムや攻撃能力を崩壊・無力化ないしは弱めることにより、米軍の空海軍に制空権、制海権を奪取し主導権を握る。
第二に、空母機動部隊の機動性を組み合わせ、中国の防空の弱点に切り込み、中国内陸のミサイル基地などの軍事戦略の中心に対して全縦深打撃を実施する。
第三に、中国海軍の潜水艦を攻撃し、各種の潜水艦探知システムや水中無人機を運用して中国の潜水艦活動に関する情報を探り、その情報を空海軍の空中対潜部隊に伝達し、中国の潜水艦を攻撃し、撃滅する。

西太平洋海域の軍事拠点の強化

(2)そのために具体的には、第一に、西太平洋海域の軍事拠点整備の更なる強化である。09年、米帝は巨費を投じてグアムの空軍基地の拡張、及び、海軍施設の整備を行い、米軍の主要な最前方作戦基地とした。
第二に、グアムの空海軍の常駐兵力の増強である。米海軍はグアムに一個空母打撃群の配置を計画し、既に攻撃型原子力潜水艦を15隻にまで増やした。 米空軍は爆撃機6機、F15E戦闘機48機、無人偵察機「グローバルホーク」3機、空中給油機12機、及び、最新型のステルス戦闘機F/Aー22ラプターを増備する。
第三に、西太平洋海域の空海合同軍事演習の強化である。米軍は最新鋭の原子力空母ジョージ・ワシントンを横須賀に配備し、「同盟国、友好国」との東中国海、黄海、南中国海における空海合同実働演習を頻繁に繰り広げ、中国の軍事力を威嚇、牽制する。
第四に、アジア・太平洋地域における基地建設の強化である。既に、米軍はマレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナムなどの東南アジア諸国及びオーストラリアで新たな基地の建設、及び、インドの軍事基地の借用を計画し、中国包囲網と西太平洋海域における危機対応力の強化を目指している。

沖縄海兵隊のグアム移転の軍事・政治目的

(3)沖縄海兵隊4700人のグアムへの先行移転の軍事・政治目的は、第一に、中国の軍拡に即応する米軍再編を急ぐ、米帝の安全保障上の要請である
第二は、新軍事戦略の具体化である。
米帝は日帝に、沖縄の第3海兵遠征部隊(3MEF)司令部と主力戦闘部隊の第31海兵遠征部隊(31MEU)を沖縄に残し、主に歩兵・砲兵からなる第3海兵師団の多くを海外に移転する新たな配置案を提示している(3・12)。 これは自衛隊との連携強化を図った米帝的日米安保の強化措置である。
第三は、米国家財政の危機―軍事費削減の議会決定のもと、日帝・野田政権に対する米軍普天間飛行場の整備・強化―辺野古建設推進と海兵隊移転費用の日帝負担圧力の軍事外交政策である。
この背景には中国スタ―リン主義の「台頭」による「脅威」がある。要するにアジア・太平洋地域のパワーバランスが崩れている現実に規定されている軍事戦略構想の具体化である。
①在沖縄海兵隊のハワイ、オーストラリア、フィリピンへの移転配備。

②移転配備は、各基地固定配備ではなく、秘密裏のローテーション型の巡回移動型配備を構想している。

③24時間型の有事即応体制の構築である

④中国の中距離弾道ミサイル攻撃に対応した前方展開戦力の分散などなど。

◇       ◇

◇米国防費削減による影響(米下院軍事委員会の「国防費削減評価」から)

項目
現状
40億ドル削減
1兆ドル超削減

海軍と海兵隊の兵員
約77万人
約65万人
約57万人

陸軍大隊
100
78
60~70

海軍艦隊
288
263
238

空軍戦闘機
1990
1739
1512

戦略爆撃機
135
118
101

戦略・戦術空輸機
651
572
494

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◇米軍による『関係強化の取り組み』

日本
・防衛施設の共同使用、共同訓練や監視活動の強化
・サイバー攻撃 について協力を提案

韓国
・サイバー攻撃への戦略政策対話の創設
・次官級の統合防衛対話の創設

豪州
・サイバー攻撃に安保条約で共同対処
・軍事施設の共同使用、米軍物資の集積

シンガポール
・最新鋭沿岸海域戦闘艦(LCS)を配備

ベトナム
・空母も動員した軍事交流を強化

インドネシア
・海洋監視用新型レーダー導入

ASEAN
・海洋の安全保障を米軍が支援する枠組みの構築
・拡大国防相会合の毎年開催を提案

TPP、沖縄・本土米軍基地化と一体の新軍事戦略

「今後10年はアジア・大平洋にシフトする」

(1)米帝はTPPと新軍事戦略で突破口を開こうとしている。
「中国が軍事力の近代化を急速に進め、しかも透明性を欠き、東シナ海や南シナ海で威嚇的な行動を取っている」、「米国のこれまで10年のイラクとアフガニスタンでの軍事努力は、その重点を移し、今後の少なくとも10年はアジア・太平洋にシフトする」、その原因は西太平洋海域での「外交・経済、軍事戦略の各面での関与が必要になった」として、その背景には「中国の軍事力の近代化と拡大」「中国の軍事的意図の不透明さ」という口実を前面に押し出し、米帝のこうした戦略転換を「新しい世界の現実への対応である」としている(『米国の太平洋の世紀』クリントン国務長官)。
そして「米国はアジア・太平洋での軍事プレゼンスを強化する」(パネッタ)ことを宣言している。
(2)「安全保障と経済連携は表裏一体。安全保障は日米同盟、経済の繁栄は東アジア共同体でなどという不整合は成立しない。日本が独立を守り自由を守り、民主主義を望む限り、TPPに裏打ちされた日米同盟以外に選択肢はない。TPPはこうした大局的、戦略的枠組みの中で論じられるべきものなのだ」「不動の日米同盟が安全保障を担保し、TPPがその経済的裏付けとなった時に初めて、中国は紳士的な隣人となるだろう」(JR東海会長・葛西敬之)。
TPPとはアジア・環太平洋経済圏による米帝の新軍事戦略と一体で推進される「中国包囲網」であり、世界・アジア・太平洋戦略としてのTPPであり、中国スターリン主義主導の「東アジア共同体」構想を牽制する米帝の新軍事戦略と一体で推進される「外交・経済、軍事戦略」である(クリントン)

沖縄米軍再編強化と本土基地化の攻撃

(1)世界恐慌と3・11情勢下の沖縄米軍再編とは第一に、普天間基地の強化・固定化と辺野古基地建設推進による沖縄基地の再編強化攻撃である。
沖縄米軍基地は、九州―台湾―フィリピンを結ぶ中国の「第1列島線」に対するハブ基地である。海兵隊の先行移転は、グアムの米軍基地を、小笠原諸島から連なる「第2列島線」のハブ基地としての機能強化をはかるためだ。そして「06年合意の見直し」合意では米軍嘉手納基地より南にある5つの米軍施設・区域の返還を普天間移設から切り離し、先行させる方針を明記している。
だが軍事機能上、基地と施設は部隊構成や運用上、一体であり普天間基地が強化・存続=固定化されるかぎり『整理・統合』が行われたとしても『返還』はありえない。沖縄米軍再編は、オバマが昨年11月に「アジア太平洋地域を最優先」とした新国防軍事戦略の延長線上にある。

(2)世界恐慌と3・11情勢下の米軍再編とは第二に、沖縄基地再編強化と一体で推し進められる日本全土の米軍出撃基地化の再編計画である。
その具体化の第一が、沖縄海兵隊の岩国移転案である。06年合意の在沖海兵隊8千人の内グアムへ4700人、残りの3300人はハワイ、豪州、フィリピン、米本土の軍事施設に移転することで「基本合意した」とあるが、米帝は岩国基地移転の断念を表明していない。逆に岩国以外の国内移転―配備の協議をも打診している。
沖縄海兵隊は、06年合意当時、1万8千人であった。だがイラク・アフガン戦争で定員が3千人も増加している。仮に06年合意通り8千人の移転が行われたとしても、実際的には5千人の移転でしかない。増加した3千人は本土移転が計画されているということである。

具体化の第二が、新垂直離着陸大型輸送機MV22オスプレイの本土在日米軍基地と自衛隊基地への配備である。米帝は12年10月の沖縄普天間基地配備を前倒し、米軍横田基地、岩国基地、三沢基地への先行配備を計画している。沖縄へは普天間基地に10月、12機配備し、最終的に24機普天間に配備する。
日米帝のやり方は、「一時駐機で合意した」として、それが継続され、常駐化し事実上の配備として固定化されていく。沖縄海兵隊も06年合意の時よりも定員が増加しているがその事実は一切、明らかにされてこなかった。
沖縄県民と労働者階級の唯一の立場は、沖縄から、日本全土から、全世界から米軍基地全面撤去である。「労働者は死んではならない、死すべきは基地である」。

脱落日帝 「国家滅亡」の崩壊的

求めれてるのはプロレタリア革命とその実現

全人民に「死」を強制する日帝ブルジョアジー

米帝の11年経常赤字は4734億4千万ドル(約39兆5千億円)となり、前年比0・5%増、3年ぶりの高水準にいたっている。12年1月の日帝経常赤字(速報)は4373億円。この赤字はリーマン・ショック後の09年1月(1327億円の赤字)以来で、赤字額は比較可能な85年以降、最大である。 米帝の没落、日帝の脱落、EU解体の現実化、中国バブル経済の瓦解、これらが示しているのは世界大恐慌の本格的・全面的爆発への動きが激化し、深化するということである。
米帝以上の危機の中に叩き込まれているのが脱落日帝である。世界恐慌下の3・11東日本大震災と福島第一原発事故、そして米帝の「トモダチ作戦」が、日帝に「国家滅亡」の危機と国際帝国主義としての争闘戦からの脱落、帝国主義としての崩壊的危機の現実を根底的に突きつけた。3・11から1年、日帝の帝国主義としての脱落と支配体制の崩壊的危機はますます深化している。
3・11とは日帝の全面的破産の結果であり、その全面的露呈である。2万人の死者。警戒避難区域の解除と除染というペテンの上に住民を帰還させ高線量被曝と住民に死を強制しているのが日帝・野田政権と1%の帝国主義ブルジョアジーである。99%の労働者階級人民は死んではならないのだ。労働者階級人民の血の一滴からさえ極限的に搾りとるだけではなく、全人民に被曝と死を強制し、膨大な労働者人民の命を奪っても1%の帝国主義ブルジョアジーが生き残ることしか考えないのが新自由主義である。その端的な現われが「経済特区」である。
原発事故は未だ収束していない。がれき処理は解決の目途さえ立っていない。宮城県のがれき処理は約6%、岩手県では約9%。福島県では手つかずというのが現実である。全ては原発事故によって解決不能状態に叩き込んでいるのだ。被曝労働も全産別の労働者に拡大している。「人類と原発・核は共存できない」ということが全社会的・全世界的に、そして全労働者の職場で普遍性をもって明確になっている。
労働者階級人民が直面している現実は、社会の根底的変革なしでは最早、労働者階級が生きることが出来ないということである。新自由主義・帝国主義を根底から打倒するプロレタリア革命戦略とその実現の中にしか労働者階級人民も、被災地住民もフクシマ県民も生き抜くことが出来ないということが3・11から1年の今日の現実によってますます鮮明になっている。

日帝の脱落を確定させた米帝の「トモダチ作戦」

1)3・11直後、菅政権とブルジョアジーは10万7千人の自衛隊兵士を出動させ、航空と高速道路を制圧し、燃料と食糧を独占した。そして被災住民への救援は全て後まわしにした。まさに「戒厳令なき治安出動」で全被災住民を軍事力で強圧した。被災現地の視察直後、「すべては治安問題である」と言い放った警察庁長官のこの言辞のなかに帝国主義支配階級が抱いた恐怖のすべてが語られている。
原発とは地上に設置された核爆弾である。それが3基、爆発したのだ。だが日帝国家権力は、3・11から3・15にかけての福島第一原発事故対応の初動において対応不能の無力性をさらけ出している。帝国主義国家権力として、核への戦争的準備も、体制も、方針もなく、東電資本さえ指揮できないという対応不能状態と無力性をさらけ出した。
周知のとおり1号機と3号機の「水素爆発(核爆発)」後の、2号機の大爆発が予測された3月14日午後9時過ぎには、自衛隊統合任務部隊(JTF)司令部は福島県民を置き去りにした「100㌔以上退避」を発令し、原発対処部隊の郡山駐屯地への総引き揚げを行っている。要するに原発(核)の爆発の危険性のまえに対応不能の無方針と大混乱とともに軍中枢司令部が「敗走」を開始していたのである。

米帝の「トモダチ作戦」とは、中国・北朝鮮戦争における核戦争を想定した「日米実戦共同作戦」である。日帝の自衛隊10万7千人の出動命令は事実上の自衛隊23万の総出動命令であり、民間の動員を合わせて捉えかえせば事実上の「国家総動員体制」である。「非常事態宣言」や「戒厳令」なき「国家総動員体制」による日米共同の核戦争作戦が憲法停止・無視状態で強行されたということである。だが日帝菅政権(当時)は首相官邸での米軍指揮を拒否しながら日帝独自の原発対処と指揮の無力性を米帝・米軍の前にさらけ出した。最弱の環・日帝の無力性が全面的に露呈し、暴き出されたのが「トモダチ作戦」である。その端的な現われが住民を置き去りにしたJTFの100キロ圏外への敗走命令である。日帝ブルジョアジーとその軍隊は、治安対策も住民対策も出来ないという事実が、米帝・米軍の前に全面的に暴き出されたのである。
原発事故(核)対処での破産は、原発大国から核大国への道、核燃料サイクルを通じての核武装化への道の根幹を断たれることを意味する。これは帝国主義としての脱落そのもである。日米の核戦争共同実戦作戦において日帝国家権力は「戦争指揮が出来ない国家」「戦争のできない軍隊(統合幕僚部)」という弱点を米帝にさらけ出すと同時にその無力性を突き付けられてということである。
それだけに日帝野田政権は、その巻き返しをかけた「原発事故収束宣言」のペテン、避難区域解除宣言と住民の帰還=高線量被曝と死の強制、全労働者への被曝労働と兵士の被曝を強制しても原発再稼働攻撃と原発輸出、経済特区、TPP、労組絶滅と改憲攻撃に死活をかけ、全力を挙げている。
だが、これは労働者階級人民の怒りの火に油を注ぐ結果しか引き出さない。1周年目の3・11郡山1万6千の労農学市民の怒りの決起がその本格的爆発の始まりであることは明確である。

自衛隊兵士の高線量被曝とPTSD

現地に出動命令を受けた10万7千人の兵士が被曝し、原発事故対処、警戒避難区域での捜索にあたった兵士は高線量で被曝している。

(1)3・11直後の第一原発直近での兵士の被曝。
① 3月12日、1号機が水素爆発した。敷地内で注水活動を行っていた福島駐屯地、郡山駐屯地の兵士20人の内12人が高線量の被曝を受けている。兵士の被曝は、最高で80・72㍉シーベルトが記録されている。作業に就いていた労働者も90人が被曝し4人が負傷している。
② 3月14日3号機が爆発した。中央即応集団の中央特殊武器防護隊の隊長を含む6人が爆発に巻き込まれ、防護服は切り裂かれ負傷し被曝している。しかし外部被曝(22ミリシーベルト)しか測定されていない。視界は爆発の粉塵で塞がる状態であった。粉塵を吸い込み高線量での内部被曝は明白である。
③ 3月11~21日にかけ福島駐屯地の第44普通科連隊の隊員は相馬市、南相馬市、第一原発直近の双葉町など、10㌔圏内で捜索、住民誘導などの活動を続け高線量の被曝を受けている。
④ 21日に上記、普連と交替した12旅団30普連(高田駐屯地)270人も高線量で被曝している。
⑤ 双葉町の「自力避難困難者」の老人など200人を東北方面航空隊のヘリ6機で川俣町への空輸活動を行っている。パイロットと同乗兵士が住民とともに高線量の被曝を受けている。
⑥ 3・11直後から、中央即応集団(朝霞)を主力とする原発対処部隊(木更津のCH47輸送ヘリ団)が毎日、技本専門家らと各原子炉上空を飛行し、温度の計測活動に継続従事している。これらの兵士らが高線量を被曝している。
⑦ 空自は連日、偵察航空隊(百里)のRF4E偵察機を飛行させ、原発の上空から精密航空写真を撮影し、集塵ポッドを付けたT4練習機を百里基地から飛行させ、観測を続け、高線量の被曝を受けている。
⑧ 12旅団(相馬原)の兵士は、半径20キロ以内の避難勧告地域内を車両で巡回し、避難できない住民たちに退避勧告し、安全な避難場所への輸送活動を行っている。彼らが住民とともに高線量の被曝を受けている。
⑨ 12月、福島、郡山両駐屯地の兵士、化学防護隊員で構成する部隊900人が警戒避難区域など4市町村の拠点役場の除染活動に投入され高線量の被曝を受けている。
日本原子力研究開発機構が実施している除染モデル事業は警戒区域でも行われている。ゼネコンの下請け労働者が除染作業で被曝している。11年8月19日、文科省は大熊町で、1日8時間屋外にいたとする換算で年間積算線量の推計値を508・1ミリシーベルトと公表していた。これは一般人の人工被曝の年間許容線量の500年分に相当する。
(写真 空自松島基地 F2戦闘機18機が水没、再起不能)

述べ112万人以上が原発作業で被曝

(2)3・11以降、「収束」に向け原発作業に就いている労働者は、延べ112万人を超ている。この労働者が高線量の建屋内と敷地内作業で連日、被曝し、すでに死者も出ている。
3月27日、福島第一原発2号機の格納容器内で、最大で毎時7万2900ミリシーベルトという高放射線量が計測された。6分で人間が確実に死亡する高線量である。「収束宣言」のペテン性はこの数値が明確に示している。
警戒避難区域・浪江町の住民は風向きで放射線が飛散した高線量地域にわざわざ避難誘導され、被曝線量を無用に高めていたことも判明している。
東電、歴代政権と菅―野田政権、御用学者・マスコミ・大学・裁判所など新自由主義・帝国主義に対する怒り、兵士や労働者、住民を被曝させ、被曝を強制し死に追いやっていることへの怒り、被曝作業・被曝労働への怒り、医療特区攻撃と高線量地域への帰還強制で住民被曝と死を強制する野田政権への根底的な怒りを爆発させよう!

(写真 途方にくれ、茫然とする幹部自衛官)

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調査人数(回答)
①トラウマ症状
②うつ病
発症人数(①+②)

陸自
58050人
3・3%
2・2%
5・5% 3192人

海自
6112人
4・3%
※PTSD 5人
4・3%+5人 262人

空自
6148人
7・5%
6・5%
14% 464人

※ 海自は、「うつ病」としての調査ではなく、PTSD(5人)として発表している。
※ 空自は、「宮城県松島基地の隊員に限定した調査のため、数値が高くなっている」(防衛省)としている。松島基地は津波で崩壊した基地を「出撃拠点化」のため、米軍主力の日米共同作戦で総力を挙げて回復させた空自の基地。

松島基地・空自兵士の14%がPTSDを発症

(3)防衛省は3・11被災地に派遣した兵士に対し初の大規模調査を行った。調査結果から兵士が「トラウマ症状」や「うつ病」などを発症する危険性が高くなっていることが判明している(3月7日)。調査結果は上記、表に示されている。
今後、自衛隊兵士の中に、米兵の現役兵士や帰還兵士に現れているPTSD、トラウマ、うつ病などが多く発症してくるであろうことに注意を払っていかなければならない。

帝国主義軍隊の階級的犯罪性

 

帝国主義軍隊は民衆を守らない

(1)帝国主義軍隊は民衆を守らない。これは沖縄戦など、歴史の教訓である。国家とは帝国主義ブルジョアジーが労働者階級人民を搾取するための道具である。
そして軍隊とは、搾取するために労働者階級人民を抑圧・鎮圧する国家の暴力装置である。
だが実際の兵士は、「人を殺す」ために軍隊に入るわけではない。「生きるため」のやむなき選択が、銃を握らされ、自国の労働者や派兵された国の労働者民衆に銃を向け、『殺さなければ殺される』という新自由主義社会における矛盾を、一身に、極限的に担わされる。それが兵士である。内戦下の南スーダンに派兵された兵士も然りだ。
「自分は、誰を守るための存在なのか。誰のために命を危険にさらしているのか」、また兵士の家族は、「夫や息子は何を守るための戦いで命を危険にさらし、命を落とそうとしているのか」という自問自答に、常に苦悩している。だが国家のために命を捨てようと考えている兵士は、一人もいない。 兵士とは労働者階級人民の一員である。世界恐慌下、世界の労働者は「生きるため」にやむなく軍隊に「就職」しているにすぎない。

隊内におけるテロ・リンチ、暴行事件

(2)自衛隊内では「訓練」と称するいじめやしごき、女性差別によるテロ・リンチ、暴行事件が横行している。これらは幹部自衛官の黙認どころか、反抗的兵士に対する意識的なリンチとして強行され自殺に追い込まれた兵士、虐殺されながら闇から闇に葬り去られている兵士が決して少なくはない。ここでは自殺に追い込まれた家族の怒り、や暴行を受けた本人らの怒りによって提訴され係争されている民事裁判を列挙するにとどめるか、家族や本人による提訴とは帝国主義軍隊への反乱・決起であることを確認したい。

① 護衛艦「さわぎり」いじめ自殺事件訴訟。
99・11・8 佐世保基地の自衛艦「さわぎり」艦内で三等海曹(21歳)が上司らのいじめを苦に自殺した。

01・6・7  長崎地裁佐世保支部に両親が息子の名誉回復と再発防止を求め提訴。05年請求却下。

05・7・11 福岡高裁に控訴。

08・8・25 高裁はいじめと自殺の因果関係を認め、国に損害賠償350万円支払い命令。勝訴確定。

②護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺事件訴訟。

04・10・27 横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」乗組一等海士(21)が隊内のいじめが原因で京浜急行に飛び込み自殺。バッグから遺書が見つかった。

06・4・5 両親が国と元上司を相手に横浜地裁に提訴。慰謝料など1億3千万円請求。

11・1・26 横浜地裁は元上司の言動と国の監督責任を認め440万円の支払い命令判決。

11・10・5 自殺に追い込んだ国と自衛隊の責任の明確化を求めて、控訴、10月5日控訴審開始。

③空自浜松基地・いじめ自殺事件訴訟

05・11・13 空自浜松基地の三等空曹(29)が先輩隊員の強要・パワハラをうけ、鬱となり自殺。

08・4・14  親と妻、生後4ヶ月の長男ら遺族が静岡地裁に事件の真相究明を求め提訴、21回の弁論。

11・7・11 静岡地裁浜松支部はほぼ原告請求額通りの賠償を命ずる判決を下した。控訴期限の7月25日北沢防衛相が原告に面会して謝罪し、控訴しない旨伝えた。原告勝訴が確定。

④陸自真駒内基地・徒手格闘訓練暴行死事件訴訟。

06・11・21  陸自真駒内基地で島袋英吉一士(20)が徒手格闘訓練中、投げ技を複数回かけられ、頭部を強打し死亡。肋骨が折れ、内臓損傷もあった。

10・8・3 両親が札幌地裁に真相を求め提訴。12年1月20日までに7回の口頭弁論が行われた。1月18日には検察審査会が隊長と教官、訓練相手の隊員に対する札幌地検の不起訴は不当の表決を出している。専門医の「死因に関する意見書」も提出されている。

⑤女性自衛官暴行・強制わいせつ訴訟

06・9  空自基地の女性自衛官(空士、当時20歳)が06年9月、深夜、三等空曹にボイラー室へ呼び出しを受け、飲酒を強要され、暴行・強制わいせつを受ける。上司に相談すると退職を迫られた。退職強要や隊内のいやがらせで体調を崩した。

07・5・8 札幌地裁に提訴、1千100万円の損害賠償提訴。

10・7・29  札幌地裁で580万円の損害賠償命令、国側控訴断念・勝訴確定。しかし女性自衛官は再任用拒否され自衛隊を追放された。

⑥陸自朝霞基地・少年自衛官自殺事件訴訟。

07・11・19 教育訓練後の8月、「除隊したい」と申し出た少年自衛官に対する暴行と除隊の引き延ばしが行われ、11月19日朝霞駐屯地通路で自殺しているのが発見された。

08・4・ さいたま簡易裁判所は、少年自衛官に暴行を加えた隊員に有罪判決を下した。

10・7  両親が前橋地裁に慰謝料などの請求を求めて提訴。11年6月8日に第6回弁論が行われた。

⑦海自江田島基地・徒手格闘訓練集団暴行死事件訴訟。

08・10・13 徒手格闘訓練名目で15名の隊員による暴行で10月13日三等海曹が死亡した。両親が松山地裁に提訴し、 現在係争中。

⑧「セクハラ偽証強要」事件訴訟.

11・12・27 セクハラの疑いをかけられた同僚をかばったために上官に退職を強要されたとして、陸自真駒内駐屯地(札幌市南区)所属の元自衛官の女性が、国に約1千100万の損害賠償を求めて提訴した。

12・3・12  第1回口頭弁論(札幌地裁・千葉和則裁判長)が開かれた。国は「控訴棄却」を要求。女性は「セクハラがあったように証言するよう上司から強要された。裁判で真実を明らかにする必要がある」と述べている。
※ 上司が同僚の男性自衛官を退職に追い込めるために、女性自衛官にセクハラの偽証を強要した事件。

これらは、氷山の一角でしかない。
兵士や家族の怒りを国鉄運動の前進の中で兵士・家族の相談窓口を開き、国鉄運動の全国的展開の前進と一体で、兵士・家族と結合できる窓口を全国に建設していく、ということである。革命派が裁判闘争をも主導することなくして兵士の獲得は空論と帰す。

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左右の写真を見比べてください。
右の写真は、1951年の米核実験とそれを至近距離で見つめる米兵です。
左は、昨年、3月14日に爆発した福島第一原発3号機の爆発の様子を捉えた写真です。3号機が核爆発であることが、はっきりと分かります。

(写真 ビキニの核実験 爆発の周囲に船舶が見える)

(写真 爆発で崩れた福島第一原発3号機)

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革命党として、反軍として、われわれはどう闘うのか

国鉄闘争・反原発・非正規職撤廃、階級的労働運動路線で徹底的に勝負する

(一)世界恐慌と3・11情勢下、国鉄と反原発闘争の飛躍的前進で勝負する。階級的労働路線路線で徹底的に勝負する。
非正規労働者の現実に肉迫する。非正規労働が新自由主義攻撃の核心である。極限的搾取と収奪。人間として生きることを全否定しているのが新自由主義であり、青年労働者が生きられない今日の現実社会を造りだしたのが新自由主義である。
『新自由主義とは何よりも、強力な私的所有権、個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約に発揮されることによって支配階級の富と福利が最も増大する政治経済的実践の理論である。国家の役割は、こうした実践にふさわしい制度的枠組みを創出し維持することである。また国家は、私的所有権を保護し、市場の適正な働きを、必要とあらば実力を用いてでも保障するために、軍事的、防衛的、警察的、法的な仕組みや機能をつくりあげなければならない。さらに市場が存在しない場合には、市場そのものを創出しなければならない。必要とあらば国家の行為によってでも創出しなければならない』というのが新自由主義である。まさに「ショック・ドクトリン」である。『そのために必要なのは、労働者と労働組織・労組を従わせ、新しい社会秩序に順応させること』。ふざけるな!ということだ!。
非正規労働者の現実に肉迫すれば兵士の現実に肉迫する。非正規労働者と団結し、職場で非正規労働者を組織することが、兵士の現実に肉迫し、兵士と団結し、兵士を獲得できる道である。
まさに職場の労働者と兵士との団結・組織化は同一、同質である。
兵士も非正規労働者である。1年9ヶ月の雇用契約。戦場で殺されれば使い捨てである。政治活動を行えば処分・解攻撃が襲いかかる。上官に歯向えば即、訓練という口実で徹底的ないじめとリンチ・虐殺が待っている。

(写真 2011・12・9 警戒区域内・富岡町で除染作業を行う兵士)

兵士をマルクス主義・党綱領・プロレタリア革命で獲得する

(二)兵士をM主義、綱領、プロレタリア革命で獲得する。これ以外に兵士を組織し、隊内細胞組織を建設し、兵士を武装蜂起へと組織することは出来ない。
ここにやむことのないエネルギーを投入する。投入しなければ兵士を真に獲得することもプロレタリア革命に組織することはできない。軍隊の解体とは、兵士をM主義とプロレタリア革命で獲得するということである。青年労
働者の獲得も同じである。
繰り返すが、職場生産点の労働者、仲間をM主義とプロレタリア革命で獲得し、組織する闘いの苦闘と兵士獲得と組織化は、同質の闘いである。

日米安保強化粉砕・改憲阻止!

(写真 2011年10・9三里塚現地闘争)

(一)恐慌と3・11情勢下の日米安保体制の強化とは、沖縄・普天間基地の固定化プラス辺野古建設による沖縄米軍基地の再編強化プラス日本全土の米軍出撃拠点基地化である。

(二)脱落帝国主義・日帝は、日米同盟論の強化と米軍再編―沖縄基地強化・日本全土基地化の安保防衛政策の強化で活路を図っている。
そして沖縄基地再編強化・日米安保体制の強化×原発再稼働・原発輸出の国家政策は日帝の核武装路線であり、帝国主義争闘戦から脱落した日帝がはい上がる道は、核武装化への絶望的突進の中にしか残されていない。日帝には、帝国主義としてこの選択肢以外の道は残されていない。さもなくば全面的に、米帝の軍門に下ることになる。

(三)自衛隊の帝国主義軍隊化である。
日帝・防衛省は自衛隊23万人の総力動員という3・11の「実戦と教訓」に踏まえ「戦えない自衛隊」から「戦争の出来る軍隊」への転換を図ろうとしている。具体的には、
第一に、5方面隊の全国単一の統合指揮運用への組織構造改革の着手である。
第二は、南西諸島への陸自、空自の配備と南西方面の出撃拠点基地の建設である。有事即応可能体制の実戦的構築である。
第三は、日帝政経中枢防衛にむけた対テロ部隊の中枢3キロ圏内への前方配備である。
これらを中心に第四に、国家財政の危機による装備充足の遅れを資本と民間力の動員(輸送力など)で強化する国民総動員体制の強化である。労働者の戦時動員の最先兵がJR資本である。 第五は、高々度無人機導入の本格化と通信・情報態勢(サイバー戦争)の強化、宇宙の軍事利用への転換である。
第六は、武器輸出三原則の撤廃。
そして第七は、対原発(核)対処兵力の強化・増員(109人)など、「動的防衛力への構造改革の推進」に着手している。

(四)3・11情勢下、日帝ブルジョアジーにとって帝国主義軍隊化の基礎は、何といっても「兵士の精強化」である。そのため防衛省は、実戦部隊化への人的基盤見直しの制度改革として、「早期退職制度と公的部門への再就職の拡充を図る」としている。要するに青年を中心とする自衛隊への若返りである。
防衛省は今後、「兵士の若返り」の施策として「旧国鉄改革や国の行政機関における配置転換、国家公務員中途採用者選考試験の事例も参考に、検討・調整を進めていく」としている。
新自由主義における帝国主義軍隊化への構造改革も、結局のところ国鉄分割民営化の経験を基礎に強行されようとしている。だが動労千葉の闘いによって分割民営化の貫徹は根底のところで粉砕されており、「兵士の精強化」への制度改革の破綻性はすでに明らかといえる。
そもそも言うまでもなく、古今東西を問わず戦争を遂行する戦力の主体は兵士・人間である。だが日帝ブルジョアジーがいかに「兵士の精強化」を願望し、「若返り」への制度改革を遂行しても必ず破綻する。帝国主義軍隊と戦争は兵士・人間を破壊することはできても変革・育成することは出来ない。

沖縄闘争の爆発で日米安保体制の強化を根底的に粉砕しよう!

日帝の日米安保体制の強化・日本全土基地化・核武装化を、国鉄闘争を基軸とする4大産別の職場闘争・非正規職撤廃×反原発闘争×沖縄闘争の爆発(階級的労働運動×基地撤去・南西拠点化阻止×反原発闘争)で根底的に粉砕しよう。世界恐慌と3・11情勢下で沖縄闘争の爆発が、戦後、最大の決定的で最重要の位置を占めている。
野田政権の北朝鮮ミサイル撃墜・破壊命令の発令、沖縄・日本海へのイージス艦3隻の配備、PAC3を先島諸島の石垣島・沖縄本島・東京に移動配備し、武力攻撃事態におけるの国民保護法の発動をも画策している。
死すべきは基地だ。基地撤去・辺野古基地建設阻止・安保粉砕、南西出撃拠点化建設と戦力配備阻止!。沖縄―本土を貫く沖縄闘争の爆発で日帝・野田政権を徹底的・根底的に打倒しよう!

改憲攻撃を全力で粉砕しよう!

(一)特区攻撃、橋本攻撃、西郡の更地化攻撃は、憲法の全面停止攻撃である。

(二)民営化・外注化―非正規職化攻撃は、憲法で言うところの「生存権」「最低生活の保障」の否定。99%の労働者の生存権を奪い、基本的権利を全面的に否定・剥奪する攻撃である。 特区攻撃は労働三権の剥奪という土台の上にしか成立しない。これは労働三権を明記する憲法停止攻撃である。  労働三権を憲法で明記しているのは「日本国憲法」のみ。3・11情勢下、日帝ブルジョアジーにはこれが桎梏と化している。

(三)憲法審査会の90%が改憲論者である。3・11情勢下、前衆院憲法調査会長・中山太郎は、昨年、憲法に国家緊急事態条項を盛り込む改憲試案を公表し、全国会議員に配布している。
大規模な自然災害やテロなどが発生すると首相は緊急事態を宣言する規定を設け、首相に自治体首長への指示権などの権限を集中させ、国民の「通信の自由、居住および移転の自由並びに財産権」を制限できるようにしている。 緊急権、非常大権であり、憲法停止を明文規定する改憲である。
2月28日、自民党改憲推進本部は「憲法改正原案」を決定した。サンフランシスコ講和条約発効60年目の4月28日までに「国家緊急事態条項」を盛り込んだ改正案をまとめる方針を打ち出している。自民党憲法改正原案は、天皇の元首化、自衛軍・軍事法廷の設置・労働三権の削除・公務員地方自治体の解体など全面的な明文改憲である。

(四)橋下の「船中八策」と改憲、石原の「憲法破棄」論。
脱落日帝にとっては、恐慌と3・11情勢下で憲法そのものが桎梏になっている。憲法停止か、全面改憲か、破棄しかないところに叩き込まれている。 改憲攻撃との闘いが職場・生産点での課題に押し上げられている。恐慌と3・11情勢下で、日帝ブルジョアジーの死活と延命をかけた改憲攻撃との闘いは職場生産点での闘いでしか粉砕できないということである。
橋下は、現憲法下で、国防政策や国策論議をいくらやっても無駄、改憲抜きに政策論議は無駄、改憲が大前提、と叫んでいる。そのために「2年で労組を絶滅する」と宣言している。橋下との対決も職場・生産点である。職場闘争の前進がすべてを決する。

革命党と労働者階級はどう闘い、どう勝利するのか

(一)労働組合でとことん勝負する。階級的労働運動を全産別・全職場で甦らせる闘いに全力を投入する。言い換新自由主義打倒への非和解的闘いである。

(二)その軸は資本との戦場である職場・生産点で、資本との非妥協的たたかいの貫徹であり、その飛躍的実践である。

(三)戦線の闘いの組織化と運動的拡大の課題は、地区の労働者の闘いとの一体化である。ここに戦線独自の課題の突破と組織的・運動的拡大、前進の道がある。これを一ミリの曖昧性なく確信し、怒涛の前進がプロレタリア革命への道である。戦線共通の普遍的課題は労働者階級と全人類の人間的解放である。

(四)反軍を先頭にした全戦線の地区

党建設への総決起の闘いである。地区党こそがプロレタリア革命への戦略的準備と全産別的課題、全戦線的課題を最先端で担い、推進し、切り拓き、党を建設し、突き進んでいく革命党の組織的・中核的存在である。地区党の強化が党中央組織強化の源泉である。

(五)地区党建設の核心は、国鉄を先頭に四大産別・全産別の職場生産点での細胞・組織建設である。それは資本との対決を軸にした職場闘争の非妥協的闘いの前進によって実現できる。地区党建設とは闘う職場細胞建設である。

(六)4月決戦から7月決戦に全力で勝利しよう。その最先端に反軍戦線が立ちプロレタリア革命への戦略的準備として兵士の獲得・組織化の闘いを階級的労働運動の前進と一体でかちとろう!

会報 第18号

第17号 2012年1月10日発行

 会報18号PDF

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再稼働阻止! 全原発を廃炉へ!
3・11福島決戦から国鉄・沖縄決戦へ!

「福島の分断を許さない!」 被災地を先頭に命を守る闘う労働組合の根底的決起が始まっています。東日本大震災と原発事故から1年。われわれは被災地の怒りと闘いに固く団結し、原発再稼働阻止・全原発即時廃炉、外注化阻止・非正規職撤廃、自衛隊解体・兵士獲得の闘いに断固突き進む決意です。 被災地をはじめ闘う労働組合を全国に甦らせ、階級的労働運動の全面的発展を今こそ勝ち取っていきましょう!3・11福島の歴史的大爆発から八尾北・西郡、三里塚、国鉄、沖縄決戦へ断固突き進もう!

原発事故は何ら収束しておらず、放射能汚染は拡大し、子供達に甲状腺ガンの症状が現れ、内部被曝の問題が深刻の度合いを増しつつあります。原発事故対処の作業も高放射線に阻まれ、遅々として進んでいません。地震も頻発しています。
世界大恐慌の本格的な爆発過程への突入の下で、アジア勢力圏化に破綻した日帝はその脱落性が益々露わとなる中で、野田政権は絶望的な原発再稼働・原発輸出に突進し、橋下や石原などのファシスト勢力の台頭が顕著となっています。脱落日帝の延命か階級的労働運動の全面的発展か。絶対非和解の激しい階級激突が闘い抜かれています。3・11福島はその歴史を分かつ大決戦に他なりません。

労働者民衆の命を顧みず原発・核を必要とし金儲けと暴力による支配。こんな腐りきった世の中は何としてでも根本から変えていかない限り、労働者階級人民の未来はありません!
稼働している原発はあと2基!再稼働を絶対阻止し全原発の廃炉へ断固突き進む時です!労働者・農民・漁民・学生・自衛官も含めた階級的団結の力でこそ、崩壊しつつある新自由主義攻撃を打ち破り、職場支配権を闘う労働組合の手にもぎり取り、職場も社会も根本から変えていく時です!

日帝・野田政権は統治能力を喪失しつつあり、資本家どもは労働組合を真っ向から否定し「労使一体化」を絶叫し、外注化・非正規職化を暴力的に押し付けようとしています。絶対に負ける訳にはいきません!
この階級的大激突の時にあって自衛官が守り発展させるべきは、国家を超えた労働者階級人民の階級的国際的団結と闘いであり、一握りの日帝支配階級の利益ではありません!守るべきは「国益」ではなく、新自由主義攻撃と闘う階級的労働運動とその団結です!自衛官の皆さん!軍服を着た労働者として、未来を切り開く階級的労働運動に断固合流し団結して共に闘うことを強く訴えます!
3・11原発いらない!福島県民大集会の大爆発から八尾北西郡・三里塚・国鉄・沖縄決戦へ!団結して共に闘い勝利しよう!
(杉橋)

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天皇元首化、自衛軍・軍事法廷 設置
改憲攻撃を職場闘争で阻止しよう!

滝 山

 世界恐慌と3・11情勢下、日帝は脱落帝国主義から這い上がる道を、原発再稼働・労組絶滅・日米安保の再編強化・改憲攻撃の中に追求している。自衛隊の南西拠点化、自衛隊の構造改革、内戦下の南スーダンへの派兵、ペルシャ湾への護衛艦、掃海挺派遣という日帝の死活的延命から全面改憲が急速に日程に上っている。全力で阻止しよう!

国家緊急権・非常大権の復活

振り返れば2000年1月20日、安倍政権下で憲法審査会が開始され、5月14日、国民投票法案を強行成立させ国会法第102条の6に「憲法改正原案、日本国憲法にまたは国民投票に関する法律案を審査するため、各議院に憲法調査会を設ける」という条文を盛り込んだ。
2005年に民主党、自民党、読売新聞など改憲案が出されてきた。そして恐慌と3・11情勢下、「憲法審査会」が両院に設置された。野田を含め、審査会メンバーの90%が改憲論者である。
2011年11月17日の第2回衆院憲法審査会で前憲法調査会会長の中山太郎が「憲法調査会」の経過報告を行い、「現在の日本は国がないともいうべき状態。震災の『非常事態対処には非常事態法』をもってすべき」と改憲が正面課題であることを真っ向から強調した。中山は昨年8月、全国会議員に「緊急事態に関する憲法改正試案」を配布している。その「改正試案」には「武力攻撃やテロリズムによる社会秩序の混乱その他の緊急事態」と判断したときは「緊急事態宣言」を行い、「非常大権」ともいうべき強権を内閣総理大臣に与えることを提言している。これは「戦時」または「国家事変時」に明治憲法が定めた「臣民の権利・義務の全てあるいは一部を停止しうる」とした、「国家緊急権」の一つである「非常大権」の復活をも意味する改憲攻撃である。 要するに国家権力が「国家緊急事態」を宣言、発令し、憲法の枠組みを超えた権能は、国家が本来的に持つ「権能」であるとして憲法停止をも可能とする強権規定を盛り込むということである。
橋下は、憲法問題に「決着をつけない限り、国家安全保障についての政策論議をしても何も決まらない」として、改憲に向けた期間を2年と区切り、労組の総絶滅を宣言している。石原は「改憲より破棄」を叫んでいる。

「自衛軍の設置」を明記

2月28日、自民党改憲推進本部は「憲法改正原案」を決定した。サンフランシスコ講和条約発効60年目の4月28日までに「緊急事態条項」を盛り込んだ改正案をまとめる方針を発表している。
緊急事態条項を創設し、「緊急事態」を「武力攻撃やテロ、大規模災害」と定義し、内閣総理大臣に独裁的権限を集中させ、国会承認なしの国家財政出動、国民の私的権利の制限・停止、改憲発議要件である衆参各両院で「総議員の3分の2以上の賛成」を「2分の1以上」に緩和し、改憲は国民有効投票の過半数をもって成立することが明記されている。
進行している事態は、憲法9条2項の「戦争の放棄」を削除し、2項を「安全保障」にすり替え「自衛軍」の設置を明記する。原案全文は不明ではあるが、05年の新憲法草案では自衛軍が「任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより国会の承認その他の統制に服する」と規定されているが、ここでいう「その他の統制」とは政令もしくは省令レベルの法律で国会の承認なしで自衛軍の派兵を発動できる構造になっている。
そして、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」に参加すると明記されているが、これは海外派兵や多国籍軍への参加であり、対中国・朝鮮戦争―世界戦争への突入改憲である。さらに自衛軍の治安出動をも明記している。文字通りの帝国主義軍隊化である。
歴史をふりかえれば帝国主義戦争は「緊急非常事態」宣言のもとで、「国家の防衛」「自存自衛」「平和のため」を口実にして、「事件」をでっち上げてでも強行されてきた。
改憲原案は、天皇を「元首」と規定し、軍事法廷の設置をも明記している。
軍事裁判は①侵略戦争における殺人や破壊行為、略奪と凌辱など非人間的行為の全ての犯罪行為を「正義」とねじ曲げ、正当化し、一方では②兵士の隊内決起・反乱、命令拒否を極刑をもって処断するために帝国主義国家にとって不可欠なのである。

軍隊は民衆を守らない

軍隊は民衆を守らない。これは沖縄戦の歴史が示す教訓である。
国家とは帝国主義ブルジョアジーが労働者階級人民を搾取するための道具である。そして軍隊とは搾取するために労働者階級人民を抑圧・鎮圧する国家の暴力装置である。
だが実際の兵士は、「人を殺す」ために軍隊に入るわけではない。「生きるため」の選択が、銃を握らされ、自国の労働者や派兵された国の労働者民衆に銃を向け、「殺さなければ殺される」という新自由主義社会における矛盾を一身に、極限的に担わされるのが兵士である。内戦下の南スーダンに派兵された兵士も然りだ。
「自分は、誰を守るための存在なのか。誰のために命を危険にさらしているのか」、また兵士の家族は、「夫や息子は何を守るための戦いで命を危険にさらし、命を落とそうとしているのか」という自問自答に、常に苦悩している。だが国家のため命を捨てようと思っている兵士は、一人もいない。 兵士とは労働者階級人民の一員である。世界恐慌下、世界の労働者は「生きるため」にやむなく軍隊に「就職」しているにすぎない。

兵士・労働者の敵は1%のブルジョアジー

帝国主義国家は国境を規定し、1%のブルジョアジーの利害を貫くために国家安全保障と軍事外交政策を戦争的に貫く。その1%の利害を防衛する国家の暴力機構が軍隊組織である。
だが99%の労働者階級人民は国境を持つそれぞれの帝国主義ブルジョアジーに搾取されている被支配階級として、国境を持たない世界単一の被搾取・被抑圧階級である。

したがつて労働者・兵士の真の敵は、労働者同士ではない。銃は、相手国の労働者や自国の労働者に向けるのでなく帝国主義ブルジョアジーに向けなければならない。
したがってまた兵士・労働者が世界単一の階級として自己を打ち立て、国際的団結と連帯を強化する闘いの運動的前進が、兵士を侵略戦争から解放し、兵士と家族の真の敵が帝国主義支配階級であることがより鮮明になっていくのである。
兵士は帝国主義ブルジョアジーの利益のために死地に赴く存在ではなく、兵士は、兵士と労働者人民の階級的利益と人類の普遍的解放のためにプロレタリア革命に決起する階級である。

兵士獲得・組織化、軍隊解体は、戦略的闘い

だが兵士・軍隊は自然発生的に労働者階級の側に移行することはない。これはロシア・ボリシェヴィキの経験である。「武装した兵士」への呼びかけ、兵士との結びつき、兵士の組織化は、日常的な目的意識性なくして兵士の獲得と帝国主義軍隊の解体はなしえない。目的意識性とは強固な計画性と実践である。
プロレタリア革命の実現は、「武装した兵士」の組織的獲得なくしては不可能だ。兵士の組織化は、権力奪取に向けた職場生産点における資本との非和解的闘いと一体のプロレタリア革命への実践的な戦略的闘いである。この戦略的前進が革命の勝利を決定する。
世界恐慌と3・11情勢下、急迫する改憲攻撃を職場から粉砕しよう。

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労働者と兵士の力で原発再稼働を阻止しよう!
神奈川・野中

原発事故の真実は何か!

3・11福島原発事故から1年、「事故の真実は何か」について多くのことが明らかになってきています。
2月末現在、実際に稼動している原発はついに2基のみとなり、このまま再稼動がなければ4月には全原発が止まる事態になります。「全ての原発を止めよう!」このことをめぐっていよいよ激烈な攻防に入ってきました。政府・電力会社・資本家たちは必死にキャンペーンを張り、再稼動を策しています。大銀行は「東電への融資の条件は再稼動」と露骨な主張をしています。日本経団連は「原発は絶対必要」と執拗に言っています。明らかになっていることは、原発を必要としているのは「資本家たちだ!」ということです。
他方で、原発は誰に被曝を強いたのかも明らかです。労働者と農民・漁民そして自衛隊員です。
政府は事故と同時に放射線の被曝限度値を大幅に引き上げ、「安全」のキャンペーンを張りました。連日「直ちに影響はない」と繰り返し、このことで本来被曝を避けられた多くの人たちが無防備状態に放置され、多量の被曝を強制されました。
3月12日、自衛隊員は東日本大震災の救助のため直ちに2万人が投入されました。この日、福島第一原発1号機が爆発するなか自衛隊員も被曝しました。

福島原発事故の真実の姿

福島原発事故は、実はチェリノブイリをも上回る史上最大の事故であったことが、この1年間の調査や報道を通して明らかになってきています。当時内閣官房参与だった田坂広志氏(原子力工学)は首都圏3千万人の避難が避けられたのは全くの「幸運」によるものと証言しています。またこのことを2月28日発表の民間の事故検証委員会報告書は「ラッキー」の語で表現しています。
3月12日福島第一原発1号機が爆発し、次いで14日、3号機も爆発するなか、15日未明、東京電力の清水社長は海江田通産相や枝野官房長官に1時間にわたり繰り返し電話し、「とても現場はこれ以上もちません」と撤退の許可を求めた。東電幹部からの現場の「放棄」「撤退」の要請に対し内閣参与危機管理監・伊藤哲朗が対応した。
(※コラム枠内会話参照)

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 総理応接室での会話 

〈以下、朝日新聞・プロメテウスの罠より〉

伊藤「第一原発から撤退するというが、そんなことをしたら1号機から4号機はどうなるのか」
東電「放棄せざるを得ません」

伊藤「5号機と6号機は?」

東電「同じです。いずれコントロールできなくなりますから」

伊藤「第二原発はどうか」

東電「そちらもいずれ撤退ということになります」

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政府の事故調査・検証委員会の中間報告は、事態のあまりの深刻さ・重大さにウソを通すことを決め込み、「全面撤退は官邸側の勘違い」で押し通そうとしています。東電は「部分撤退」「必要な人材は残す」だったと言いつくろい、東電・清水社長は「二度と過去のことを語ることはない」とダンマリでいます。東電は組織的にこの件の「調査拒否」を現在も貫いています。
しかし民間の「福島事故独立検証委員会」の報告書は、東電の「一部撤退」の主張は「根拠が薄い」とし「全面放棄」だったことを暴露しています。
「撤退」「放棄」とは「なすがままに、天のみぞ知る」ことを意味します。それはチェリノブイリの何十倍もの放射能が日本のみならず全世界に放出されることでした。東電は福島第一原発、第二原発の全面放棄で何を考えていたのでしょうか!後の「始末」をどうしようとしたのでしょうか!この人たちが今「再稼動」を策動している人たちです。
原子力とは本質的にこのような「全滅的事態」を伴う「技術」です。このことから「放射線値が高い原発事故で誰が作業をするのか」ということがスリーマイル、チェリノブイリ事故以来問題になってきました。そして福島でも兵士がその先頭に立ってきました。

兵士こそ「再稼動阻止」の先頭に立とう!

3月12日、自衛隊は原子力災害派遣命令を受け福島原発現地での支援活動を開始しました。中央特殊武器防護隊(埼玉)が同日第一原発に到着。冷却水注入作業支援中1号機が爆発。隊員約30人が爆発に巻き込まれ被曝し、11人がケガをしました。うち一人は「一定程度の被曝」が認められ、放射線医学総合研究所にヘリで搬送されています。
被曝したのは彼らだけではありません。福島浜通りで展開していた部隊は1号機の爆発の後も展開を続け、13日の夕方になって3号機の危機を前にして「郡山駐屯地」へ撤退しました。14日以降の再展開も軽装備で行われ、多くの兵士が被曝の危機に曝されました。
放射線値が高い原発事故で誰が作業をするのか!この根本問題に日本政府と電力会社は「日本では大事故は起きない」という安全神話で黙殺してきました。このことが初動の「無防備」を生み出した基本的原因です。まさに命の「使い捨て」です。
チェリノブイリでは兵士・消防士が先頭に立ち、至近距離での「決死的作業」が行われ、放射能の大量放出はおよそ1週間で止まりました。しかし多くの兵士・消防士が致命的な被曝の中で命を失いました。
原発事故は兵士の大量被爆を生み出すことが福島事故で明らかになりました。今回は『全くの幸運』の中で『兵士の決死的作業・致命的被曝』(田坂内閣官房参与)とならなかっただけです。しかし「避難地域」でのその後の展開は隊員の内部被曝が懸念されており、今後長期の健康管理が必要といわれています。
原発を必要としているのは資本家たちです。そして大事故が起きれば命を懸けるのは兵士だということです。兵士こそ「再稼動阻止!」の先頭に立とう!
(写真上 1951年 核実験を至近距離で見つめる米兵たち)
(写真下  3・14 福島第一原発3号機の水素爆発)

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「復帰」40年の沖縄に闘う労働組合を甦えらせよう!
基地撤去・原発廃炉が全世界を変える

元基地労働者・ 金城正夫

99%が犠牲になることなど許さない!

1929年大恐慌をこえる未曽有の大恐慌が始まっている。資本主義の末期的現状・新自由主義の破綻のなかで、全世界の労働者はみずからの未来を切り開く闘いに立ち上がっている。3・11から1周年の被災地・福島で「原発いらない! 3・11 福島県民大集会」が闘われ、「生きるための診療所建設」の運動も動き始めている。
アメリカから始まった世界大恐慌の爆発、欧州の危機が米・日・中国に波及するのは確実だ。米ドル体制の崩壊、ユーロ危機、中国バブル崩壊へと進み、戦争を引き寄せている。破産した資本主義・新自由主義は生き残りをかけて労働者階級にさらなる犠牲を強制している。
「なぜ支配階級の借金のツケを払わなければないのか!」―1%の富裕層のために99%が犠牲になることなど許さない。アメリカの労働者の決起は世界中に波及している。ヨーロッパとくにギリシャの労働者は年金、最低賃金の引き下げ、公務員給与カット、公務員1万5千人削減などの攻撃に対し、何度もゼネストで闘っている。
世界大恐慌と3・11大震災・原発事故情勢のなかで、野田政権はこれまでの政権政党がなしえなかったことを強引に押し進める反労働者的政権だ。資本家の利益のために3・11大震災の被害、とりわけ福島第一原発事故をも企業利益を貫徹する政策=「ショックドクトリン」を押し進めようとしている。
野田政権は、2011年12月に「原発事故収束」と大ウソを宣言し、「放射能の安全キャンペーン」と原発再稼働に全力を上げている。放射能は今でも垂れ流されているのだ。さらに「復興特区」やTPP、労働者派遣法改悪、消費増税など新自由主義政策を推進し、青年労働者の生活と未来を奪おうとしている。原発再稼働を許すな! 200万人県民の生活と未来を破壊しておきながら誰も罪に問われない。すべての責任は政府と東電にこそあるのだ。

労働者こそが原発を廃炉にする主体であり、その力をもっている

原発に従事するすべての労働者は、3・11原発事故をうけて「自分たちの担っている仕事が地域をはじめ、全国・全世界の人々に放射能被害をもたらしている」ことに心を痛めている。その事実を「しかたがない」「今の対応でよい」などと考えたり、思ったりする労働者はいない。しかし原発で働かざるをえない現実があるのだ。だからこそ原発をつくり、そこで働く労働者こそが原発を廃炉にする主体であり、その力をもっている。すべての労働者、農民、漁民がフクシマの怒りを共有し、政府・東電、原子力ムラの責任を徹底的に追及することが、労働者人民が生きていける社会を建設できるのだ。
新自由主義は、日本の中曽根、アメリカのレーガン、イギリスのサッチャーの登場を前後して始まった。資本主義下の制度や体制、思想や発想まで、あらゆることを破壊するところに特徴がある。何か整合性をもった経済・社会を生みだすものではない。自己矛盾に満ち、みずから危機を深める。今世界中のすべての闘いは、この破綻した新自由主義との闘いだ。
この新自由主義の最たる攻撃である国鉄分割・民営化に対し、労働組合が闘えずに民営化と外注化、請負、非正規職化が押し進められてきたことによって、とりわけ青年労働者は生活を奪われ、未来も奪われてきた。すべての労働者はこの攻撃に怯え、ひれ伏しているのか。断じてそうではない。民営化・外注化、偽装請負、非正規職撤廃の闘いを先頭に、国鉄闘争全国運動、11月全国労働者集会として発展している。また福島の怒りと結びつく反原発闘争は国際的闘いへと広がり、野田政権を追いつめている。しかし野田政権には、破綻した新自由主義を押し進める選択しか残されていない。

米軍基地撤去は、全国の労働者と国際連帯の闘いで実現する

今年の5・15沖縄闘争は「復帰」40年という情勢のなかで、闘う労働組合を甦らせる闘いだ。安保・沖縄決戦の年となる。世界大恐慌と3・11情勢下で北朝鮮・金正日の急死は大激動情勢を引き寄せている。そのなかで在日米軍再編は、普天間基地の固定化と辺野古新基地建設阻止の闘いを決戦的に押し上げている。この米軍再編は同時に基地労働者への解雇攻撃との闘いになる。与那国島への自衛隊強行配備、八重山教科書問題は沖縄県民を再びアジア侵略戦争に引きずり込むものだ。
米・オバマは2012年1月5日に「エアー・シー・バトル」構想を打ち出した。このオバマとともに、野田政権は日米安保を強化し、対中国・北朝鮮侵略戦争を構えている。憲法9条にも手をかけ、辺野古新基地建設を強行し、オスプレイの普天間配備をも狙っている。グアムへの在沖海兵隊の移動により、沖縄米軍基地が撤去されるかのようにマスコミでも報じられている。これは日米政府の「ウソ」「ダマシ」だと沖縄県民は見抜いている。米軍基地撤去は、沖縄と全国の労働者の闘い、そして国際連帯の闘いで実現するということだ。

米軍再編は基地労働者への首切り攻撃。死すべきは基地だ

米軍再編による基地労働者の解雇=首切り攻撃が始まるのは明らかだ。「解雇撤回・基地撤去」「死すべきは基地、労働者は死んではならない」の方針でストライキで闘うことだ。歴史的にも基地労働者が動くとき沖縄が動く。そして日本政府による国策としての沖縄基地政策との激突となっていく。
日米安保の中枢である米軍基地内に労働組合が存在すること自体が、日米政府にとっては認めがたいことだ。かならず労働者の団結破壊、労働組合解体の攻撃が激化してくるし、もうすでにそれは始まっている。70年代の全軍労・牧港支部(牧青)の基地内決起を、日米政府、軍当局は決して忘れていない。この牧青の闘いが甦ることに、日米政府も、また体制内指導部も一番恐れている。沖縄の米軍基地をめぐる状況は、いつ「島ぐるみ」的爆発が起こっても不思議ではないからだ。

沖縄青年労働者の決起が沖縄の現状を変革し、全世界を変える

今こそ、青年労働者のなかにリーダーをつくりだし、闘う労働組合を甦らせよう。現状を切り開き闘いを前進させ、全世界を変えるのは青年労働者だ。今年の5・15沖縄闘争に立ち上がろう。沖縄現地に結集しよう!
(写真 69年6月5日、全軍労2万人が全面スト突入)
(写真 72年無期限ストで基地を封鎖する全軍労・牧港支部青年部)

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5・15沖縄闘争の爆発で兵士を獲得しよう!
2・4~5全国労働組合交流センター総会・徳島刑務所包囲闘争に参加して

2月4~5日の第19回全国労働組合交流センター総会と徳島刑務所包囲闘争に参加してきました。
全国労組交流センター総会には傍聴者を含めて約200名が参加し、活発な討論がかわされました。特に入江代表の提起を受けて、昨年3・11東日本大震災と福島第一原発事故から1年近く経過し、「この情勢に対決できる交流センター運動はどうあるべきか?」という内容で意義深い討論となりました。また、総会の中で「3つの特別決議」が発せられ、その中に「獄中37年の星野文昭さん奪還と安保・沖縄闘争の前進を一体で闘い取ろう」という決議が採択されました。その内容は、「階級的労働運動の力で国家権力を包囲し、星野再審を絶対にかちとろう。ー中略ー星野奪還闘争を交流 センター全体の取り組みとしてさらに強化しよう」として、全国労組交流センターの正面課題に押し上げました。翌5日午後は、いよいよ徳島刑務所包囲闘争です。全国再審連絡会議や全国「救う会」の仲間は、2月3日から「絵画展」や事前の街頭宣伝を実施していました。われわれ全国労組交流センターに参加した仲間は大型バス3台に分乗して、いざ!出発です。バスには「星野希望バス」というステッカーがはられ、徳島市民の注目の的です。

デモの出発地点には全国「救う会」など様々な団体が既に結集しています。デモ出発地点で合流した仲間は総勢600人。デモの先頭は横断幕と星野再審の黄色い「のぼり」で埋め尽くされ、後ろには全国各地区の労働組合の「のぼり」や「旗」が林立しています。徳島県警の警備はわれわれの結集の多さに圧倒され、不安げな表情をしてデモの後ろについて来ている状態です。デモが刑務所正門前にさしかかると、コールの声は刑務所の中の星野さんに届けとばかり、さらに大きくなり、敷地内で警備している刑務官を圧倒します。翌日の弁護士面会でわかったことですが、「星野さんを奪還するぞ!」「無実の星野さんを返せ!」「受刑者を人間として扱え!」など、コールの声は全て、最初から最後まで星野さんに届いていました。星野さんを始めすべての受刑者に、星野奪還・全受刑者解放の徳島刑務所包囲闘争が心強く受け止められたということです。 残す課題は、今回の徳島刑務所包囲闘争を皮切りに、星野さんの「あと2~3年で出る」という決意に応え「星野再審」を絶対にかちとるとともに、階級的労働運動の前進で、なんとしても星野さんを奪還するということです。

キーストーン・沖縄でこそ兵士獲得の組織化を

そして今年は沖縄のペテン的「復帰」から40年を迎える。海兵隊の豪・比などへの先行移転、普天間基地の固定化と辺野古基地建設推進、欠陥だらけの大型垂直離着陸機MVオスプレイの配備など、沖縄は基地縮小どころか再編強化されようとしている。これら在日米軍再編は米の新国防戦略と完全に一体である。加えて自衛隊の南西拠点化配備と陸・海・空自の統合実動訓練が沖縄・九州を中心に民間をも動員して全国で強化されている。今年の5・15沖縄闘争の爆発は前線基地の兵士を獲得する闘いでもある。星野さんの非妥協・不屈の闘いと連帯し、5・15沖縄闘争の爆発を勝ち取ろう。
(東京西部・T)
(写真 「星野さんを返せ!」 徳島刑務所を包囲して進むデモ隊)

滝 山

会報 第17号

第17号 2012年1月10日発行

 会報17号PDF

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2012年、職場・軍隊内にプロレタリア革命への軍勢を建設しよう

激動の二〇一一年は、チュニジア・エジプト革命の波が中国・欧州・米大陸・中東へと世界をかけめぐった。開始された国際的内乱・内戦は、新自由主義の攻撃に対する労働者階級人民の根底的怒りの爆発であり、社会の根底的変革への非和解的決起の始まりである。
米帝はイラク戦争に敗北し撤退した。アフガン戦争からの敗撤退も既定である。未曾有の財政赤字は国際帝国主義を例外なく国家的破滅の危機へと追い込んでいる。世界大恐慌の深化がそれに拍車をかける。誤解を恐れずに言えば帝国主義支配の矛盾の一切を世界戦争によって解決せんとする余力は国際帝国主義ブルジョアジーにはすでにない。新自由主義という帝国主義支配のあり方そのものが帝国主義支配の最後的崩壊の現われなのだ。加えて3・11情勢は、日帝ブルジョアジーを奈落の底に叩き込み、帝国主義として完全に没落している。それだけに日帝ブルジョアジーは全面的に凶暴化する。それがTPPと安保強化、原発収束攻撃と経済特区、原発再稼動と原発輸出、沖縄基地強化と自衛隊の南西拠点化、自衛隊の構造改革と改憲、PKOなどの国家政策だ。

革命の二〇一二年は、予測可能・不可能な進展の中でプロレタリア革命情勢が限りなく成熟する。
昨年の国際階級闘争の特徴は、労働者の一片の肉、一筋の腱、一滴の血からさえも極限的に搾り取らんとする新自由主義攻撃と根底的に闘う労働者が世界中に登場し、帝国主義を根底から打倒すまでやまない革命への決起が開始されたということである。そして二〇一二年は帝国主義国家が破滅する時代であると同時に国際的動乱の激化と世界革命の時代である。新自由主義の攻撃は、一切のブルジョア的虚構と幻想を自ら剥ぎ取り、剥き出しの「資本と賃労働」の非和解的対立を世界中で生み出している。
大恐慌と3・11情勢の中で日帝ブルジョアジーに残されている道は帝国主義としての没落と国家的破滅でしかない。だが没落と破滅の行き着く先としての世界戦争の道に労働者階級人民・兵士を引きずり込むな!ということだ。大恐慌と世界戦争をプロレタリア世界革命によって終止符を打つ。それが労働者階級人民・兵士の未来を切り拓く唯一の事業である。
「賃労働と資本」の戦場は職場・工場だ。労働者階級解放の事業は資本と非和解的に闘って勝利する以外に実現はできない。 そして労働組合は資本との非和解的闘いの貫徹によってのみ甦える。  兵士の主戦場は軍隊内だ。軍服を着た労働者を帝国主義軍隊兵士に改造せんとするのが軍隊組織だ。その国家暴力との戦場が軍隊内である。
兵士一人ひとりの非人間的兵士化と帝国主義戦争からの解放の道は唯一、労働者階級のゼネストと結合した兵士自身の自己解放的決起としての隊内反戦決起である。
この全労働者階級と兵士、全人類の解放という普遍的事業の実現に向け、二〇一二年、職場・工場と隊内にプロレタリア革命への軍勢を組織し、建設しよう!
(滝山)

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元「情報小隊」兵士からの訴え
自衛隊の治安出動を階級的労働運動の前進でぶち破ろう

世界は革命情勢

大恐慌下で起きた3・11東日本大震災と福島第一原発事故という未曽有の事態に対し、被災地の「生きさせろ!」の根底的怒りと結び付き、「挙国一致」の総翼賛攻撃をぶち破り、2012年、国鉄決戦を基軸に全産別で非正規職撤廃、反原発闘争を全面的に発展させるべく階級的労働運動の戦略的前進を切り開き、東北被災地をはじめ各地に新自由主義と闘う労働組合を甦らせよう。
大恐慌下の「3・11情勢」に加えて発生した北朝鮮金正日の死は、戦後世界体制を支え続けて来た朝鮮南北分断体制の根底的崩壊の現実的始まりです。北朝鮮兵士6名の脱北・内2名の射殺はその象徴に他なりません。 世界大恐慌の底なしの激化、朝鮮南北分断体制の崩壊的危機、エジプト革命をはじめとする現体制打倒の世界的広がり。世界はまさに、「戦争か革命か」をめぐる歴史を分かつ階級的大激突情勢に突入しました。その最大の焦点が東アジアに他なりません。まさに日本の階級闘争、階級的労働運動、国際連帯の闘いの前進いかんにかかっています。今こそ、脱落帝国主義の烙印を押された日帝の根底的打倒に向って、階級的労働運動路線を徹底的に押し進める時です。

この革命情勢の到来は、崩壊しつつある日米安保体制との大激突でもあります。それは、米・韓・日の対中国・朝鮮侵略戦争への突入と自衛隊の治安出動情勢の決定的煮詰りです。階級的労働運動路線の徹底的貫徹と一体の自衛隊解体・兵士獲得の闘いの死活性がいいよいよ現実問題となっています。戦争と治安出動は究極の団結破壊です。職場生産点での資本との絶対非和解の闘いを基軸として、もっと広くもっと深く団結を求めて闘うべき時です。そして、軍服を着た労働者=自衛官と家族との団結を今こそ勝ち取っていかねばなりません!
原発事故対処で労働者も自衛官も大量に被曝しており、亡くなった方もいます。内部被曝、PTSD、自殺があいついでいます。解雇・賃下げ・非正規職化・安全無視、そして戦争と治安出動などあらゆるしわ寄せが労働者・自衛官に押しつけられています。起きている事は、資本家階級延命のための労働者・自衛官の「使い捨て」「切り捨て」です。労働者も自衛官もモノではありません。「生きせろ!」の怒りは当然の事です。

兵士は労働者民衆に銃口を向けるな

「治安出動」とは紛れもなく自国の労働者民衆に銃口を向けることです。2000年12月、防衛庁と国家公安委員会は「治安維持協定」を46年ぶりに改正しています。首都圏防衛の「ビック・レスキュー2000」は、「防災」に名を借りた自衛隊の「治安出動訓練」です。 警察と自衛隊による「治安出動における治安の維持に関する現地協定」は2002年5月の段階で、47都道府県の警察の内、約半数が既に同様の「協定」を締結していると言われています。2007年、防衛大臣直轄の中央即応集団が創設され、政府から治安出動命令が出された場合には警察と自衛隊が円滑、かつ連携して任務を遂行する、としています。

自分が自衛隊に入隊したのは、1970年を前後して安保・沖縄・ベトナム反戦闘争が激しく闘われていた時期です。PKOもイラク派兵ももちろんありませんでした。だから、今日の自衛官の皆さんが置かれている緊張情況とは大きくかけ離れていたのは事実です。ただ、自衛隊の階級目的は変わっていないと思います。今日、重要な事は、自衛官にとっても労働者同様に益々「生きにくい」現実となっている事だと思います。

情報部の「都市斥候」とは、内乱鎮圧の情報収集

自分は陸自です。前期・後期6ヶ月の教育期間が終わり、普通科教導連隊の情報小隊に配属されました。情報小隊の基本任務は「戦場斥候」と「都市斥候」です。集中力、記憶力、注意力、判断力が要請され、地図判読、歩幅距離計測、目測、冨士樹海でのコンパス行進、レーダー訓練等もやりました。
驚いたのは「都市斥候」です。自衛隊は誰を敵・敵性としているのか、その具体的教育内容でハッキリしたからです。デモ人数の数え方、集会等で立っている場合と座っている場合の人数の数え方を教わったからです。2004年自衛隊がイラクに派兵される時、高校生も含め多くの労働者民衆が海外派兵反対で立ち上がりました。この反対動向を自衛隊の「情報保全隊」が監視していた事実が暴露され、当時の久間防衛相は「自衛隊が情報を収集して分析する事は悪いことではない」と開き直っています。

ある日、「都市斥候の実地訓練」ということで東京市ヶ谷駐屯地に行くことになりました。私服に着替え2人組となって四つのグループで出かけました。予定通り市ヶ谷駐屯地に集結し、小隊長からグループごとの具体的任務を提示されました。斥候すべき場所は山手線主要ターミナル駅です。私の場合は新宿駅だったと記憶しています。「何で駅なのか?」当時は良く解っていませんでした。ターミナル駅斥候の目的は、自衛隊による鎮圧行動の「実行性確保」のための事前の情報収集でした。
「自衛隊が情報収集している事を悟られてはならない」として、全過程を私服で行動し、現場でのメモはしない事とされ、極力記憶するよう命じられました。斥候すべきポイントは、駅と周辺を見下ろせる高所(指揮所の選定)、駅構内の構造、電源の位置、消火栓の位置などでした。決められた時間に再び市ヶ谷駐屯地に全員集結し、大きな白模造紙を広げ、記憶を呼び起こし、できるだけ詳しく書き込んでいきました。それを「資料」として完成させ小隊長に提出しました。「都市斥候」は治安出動の先兵です!これが自衛隊の姿です。

「テロ対策」という言い方は、階級的労働運動・革命運動から労働者民衆を分断し、排外主義を植え付ける意図を持った表現です。「テロ」にも種類があります。何を目的としているのか、その階級目的を見る事が大事だと思います。
自分が自衛隊にいた時、安保・沖縄・ベトナム反戦闘争の全世界的爆発に恐怖した三島由紀夫が、盾の会数名をつれて市ヶ谷駐屯地に突入し、自衛隊の治安出動を訴え「天皇陛下万歳」を三唱して自決しました。けれど自衛隊は動きませんでした。自衛隊当局も政府も、「治安出動」が同じ労働者民衆に銃口を向ける事だということは十分認識しているからです。自衛官だって感づいている筈です。だから、日帝権力は「テロ」=「悪い事」と植え付け、「治安出動の正当性」を確保しようと必死となるのです。

兵士との階級的団結を

この時期、多くのベトナム帰還米兵は兵役拒否の態度を表明し、反戦デモに合流しました。沖縄県民も決起しコザ暴動が闘われ、日本本土では、佐渡駐屯地や、その他にも治安訓練を拒否して起ち上がった自衛官がいたと聞きます。政府・自衛隊内部は騒然となりました。「国のため」に戦争を遂行すべき軍人が任務を拒否し、戦争に反対する労働者民衆と合流した事実にです。「戦争も弾圧もできない!」支配階級にとって「あってはならない事態」が実際に起きたのです!労働者と兵士は必ず団結できます!兵士が階級性に目覚めた時、世界は大きく動き出します!「国のため」とは一握りの支配階級の利益のために他なりません!大震災と原発事故を経験した多くの自衛官は感づいている筈です。本当は必死で階級的団結を求めているのです。「挙国一致」ではない、階級的団結を2012年は絶対に勝ち取っていきましょう!
(S)
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フクシマ県民抹殺の「事故収束」宣言を絶対に許すな!
労働者人民・兵士の被曝を拡大する野田政権を打倒しよう

(1)「事故収束」宣言に怒りの徹底反撃を

福島第一は放射性物質を大量放出している。放射性セシウム放出は12月時点の推定で毎時6千万ベクレル。福島第一正門前の空間線量は毎時29㍉SVで爆発前の480倍だ。
溶け落ちた核燃料の位置は不明。「工程表」でも、「循環式冷却」装置で30年~40年間冷やし続ける以外の方針はない。30年以上放射能を垂れ流した上で、核燃料を取り出せる「新技術」開発の展望は不明という無責任極まりないものだ。これで何で「収束」か!
建屋内は線量が高く作業員は作業現場まで走っている。当然中心部には近づけない。8万㌧の高濃度汚染水は、頻繁に溢れ出している。政府は垂れ流す時期を見計らっている。
「循環式冷却」の塩化ビニール製のホースは全長10数㌔にも達し敷地内に張り巡らされている。高濃度汚染水を流すホースは人が近づけないほど放射線が強い。冬本番の1~2月、浪江町の観測所で零度を上回ったのは僅か5日。ホースの耐性温度の下限はマイナス5度。マイナス5度以下の日は15日間。断熱材もまけない。夏草で穴があき、放射能がもれた。冬本番で冷却水が氷り、循環が止り、ホースが破断し、汚染水が垂れ流される確率は高い。再臨界や水素爆発の危機は隣り合わせだ。工程表で4号機の使用済み核燃料を「2年以内に取り出す」(「新工程表」第一期の唯一の方針)としているが、震度6クラスの余震で、核燃料プールや福島第一全体が今度こそ崩壊する危機が続いている。
これほどの危機が継続しているのに、国と東電は「国有化」だとか「リストラ」だとか「電気料金20%値上げは企業の権利だ」などとわめいて、1日あたりの原発作業員を3000人から2000人に削減している。国も東電も、労働者が黙っていたら、福島第一に必要な財政や抜本的な体制をとらず、20㍉SVの地域に住民を強制帰還させ、36万の子供の対策も何ひとつとりはしないだろう(地裁郡山支部は12月16日「疎開の仮処分」申し立てを却下した)。住民を大量被曝させて、闇から闇に葬ることが野田式帝国主義式「事故収束」だ。絶対に許せない!
国と東電の首根っこを押さえつけてでも絶対に奴らに徹底責任を取らせ、全労働者農民漁民人民の生活を「もとに戻させる」。それができるのが労働組合の闘いだ。3・11国労郡山工場支部の闘いを先頭に労働組合がこぞって3・11郡山集会に結集しよう!

(2)警戒区域への自衛隊再投入と兵士の大量被曝・ 全国の労働現場に被曝労働が拡大
危機にのたうつ野田政権は、自衛隊兵士を動員し、「事故収束」「除染」デマゴギー、「復興イデオロギー」で住民の分断と組織化をはかっている。日本帝国主義は未曾有の危機に突入しているからこそ、自衛隊に軸足をおき、兵士を利用し使い捨て、延命をはかる動きを強めている。軍隊の比重が高まっている。
12月7日から19日まで、地元福島の第6師団44普連(福島)6特連(郡山)900人が、楢葉町、富岡町、浪江町、飯舘村の各役場に入り、文字通り人海戦術で「除染活動」を実施した。6特連の兵士の活動時、富岡町役場の空中線量は毎時7~8μSV(年間換算40㍉SV)、局所的には10μSV。作業は、「全員が防護服とマスク、スコップ・ほうき・金属ブラシなどの手作業で、側溝の泥をすくい、落ち葉を集め、放射性物質がしみこんだ草地を土ごと掘り返し、アスファルト部分は高圧洗浄機を使って洗う」「(汚染された)玉砂利を詰めた10キロほどの袋のバケツリレーする」。しかし「除染」による低減効果は未知数で、連隊長は「目を閉じて掃除しているようなものだ」と証言している。
大規模災害派遣命令終結後の8月1日以降は、地元福島の6特防(第6師団)が中特防(中央即応集団)を引継ぎ、福島第一対応と県内7ヶ所の除染所の運営を指揮してきていた。特に警戒区域への一時帰宅者への除染所開設は兵士にとって一日も休みなしというような状況であった。この第6師団の「4役場除染」時(44普連・6特連+6特防隊員も編入)の12月は、青森の第9化防隊が除染所の配置についた。第6師団の兵士達は3・11原発事故発生時、最初に大量被曝した兵士達だ(最高87・2㍉SV)。原発直下の遺体捜索にも入り、遺体の除染までやっている兵士達だ。日帝・野田政権は、今後も3度4度と「核の戦場」(福島第一含む)への突入を命令し兵士の屍の上に延命を図ろうとしている。これは、原発企業の三菱や東芝、ゼネコンやJRなどをぼろ儲けさせ、福島県民と全人民を被曝させ、全国の労働現場に被曝労働を強制するものだ。闘う労働組合建設が今、兵士を含む全人民の命運を死活に担うものとなっている。
54基の原発のほとんどを建設してきた3大ゼネコンは、今度は1兆円の「除染ビジネス」を独占し、がれき輸送ではJR貨物が10月12日名乗りを挙げた。「瓦礫ビジネス」も何兆円もの市場になろうとしている。瓦礫処理単価は阪神大震災時の数倍に達している。福島県の瓦礫については費用の概算も立っていない状態だ。だが既に、JR貨物は瓦礫輸送を継続し、瓦礫専用貨車の調達を図り、放射能を含んだ瓦礫輸送もOKだとうそぶいている。東京都に続いて大阪市、島田市、横須賀市などが瓦礫受け入れを表明している。
だがすでに清掃工場や産廃処分場ではセシウムなど高濃度放射能を含む焼却灰問題=清掃労働者の被曝と地元住民の被曝問題が柏市など全国で重大問題化している。これまで関東圏からの一般廃棄物の焼却灰を受け入れてきた秋田県の産廃処分場では、7月から受け入れを中止した。焼却灰が関東各地に送り返されている。清掃工場で焼却灰が満杯になり、ゴミ収拾がとどこおり始めている。新自由主義と原発事故は社会生活の基盤と機能をこのように崩壊させている。労働者階級がブルジョアジーを打倒して労働者の権力を樹立し、社会的生産と生活を一刻も早く再組織していく以外ないない状態に入っているのだ。

(写真 楢葉町役場で除染作業する自衛官)

(3)3・11郡山へ

JRは最悪の原発推進企業だ。「事故期は20~100㍉SV」などと称して、常磐線の広野町までの延伸、汚染車両の回送、原ノ町―相馬間の営業運転再開に踏み切り、JRの労働者と地域住民、乗客を被曝にさらしている。高濃度の焼却灰や瓦礫輸送の「震災ビジネス」で延命を策している。しかし、動労水戸の被曝労働に反対するストライキに続いて、国労郡山工場支部は、最高値で毎時1・80μSVにも達する(年換算15・8㍉SV)職場の除染と高被曝作業の規制などを要求して決起している。さらに全国のJR職場で被曝労働を弾劾し、偽装請負、雇い止め解雇強行との闘いが開始されている。鈴コン分会や郵政非正規ユニオンの闘いが続いている。最も過酷な非正規雇用の現場で一人の決起から強固な団結を形成し、団結を維持して闘いぬいている。闘って3・11に結集しよう!
労働組合の闘いの前進こそ、大量被曝とPTSDに苦しむ自衛隊兵士への階級的援助と激励になる。大規模災害派遣終結後の中央即応連隊(宇都宮駐屯地)ではメンタルヘルス相談が3割も増加している。被曝した即応連隊兵士など210名が、今度は世界一危険な南スーダンPKO一次隊の主力部隊として1月中にも出発しようとしている。3・11郡山集会は福島や宇都宮、全国の自衛隊兵士とも連帯する大集会である。ともに闘おう!
(長原)

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沖縄のAさんへの手紙
「米軍基地撤去」が「和平拒否」「解雇撤回」「全原発の即時廃止」の闘い

侵略戦争の末路、米帝は叩き出された

沖縄の空はどこまでも青かったとAさんは言いました。2001年の9・11の時は確か高校生でしたか。「テロ絶滅戦争」と称する10年に及ぶイラク・アフガニスタンへの残虐極まりない米帝国主義の侵略戦争は果てしなく続きました。03年以降の米軍の死者は4400人を超え負傷者はPTSD含め数十万人で軍解体状況。一方、イラク側の死者は09年1月までで推計133万9771人、桁ちがいの数です。これが「外からの民主化」の実体です。米帝はアラブ人民の頑強な抵抗・反撃と米帝自身の財政赤字の激増で国力の消耗を深め展望のないまま昨年末、敗退へと追い込まれました。

アジアへの戦争政策の転換。北朝鮮への軍事介入を許すな!

こうした中、11月17日には米大統領オバマはオーストラリア連邦議会演説で「米国は太平洋国家」であると宣言。長期的戦略としてアジア・太平洋地域を「最優先」すると明言。今や世界最大の生産基地・中国との対峙・対決政策に大きく転換し東アジア・太平洋地域の勢力圏や市場の争奪の中で延命しようというのです。この「新安保戦略」に向けて、11月上旬、米国防総省は「エア・シーバトル」(空海戦闘)なる対中軍事戦略の概要と「エア・シーバトル局」の新設を公表。これを「東西冷戦スタイルへと変える重大な転換点だ」と公言しています。北朝鮮・金正日の死はこれらの戦争的重圧の中で起きました。朝鮮半島情勢が現在、①金正日が死亡した場合、②北朝鮮国内で暴動が起きた場合、③・・・に備えた作戦計画「5029」発動下にあることに正しく戦慄しなければなりません。そして、一旦、事有れば労働組合的団結を最大の武器に侵略戦争阻止の闘いに一斉に起ちあがるということです。

沖縄と朝鮮半島の戦場化を許すな!

同じ17日に、米・豪は「オーストラリアのダーウィンに米海兵隊2500人の配置」を発表しました。これは日米安保の最大実態=沖縄の戦場化を前提にした軍事配置です。沖縄への敵の第1撃を想定し、その射程外にも「殴りこみ部隊」である海兵隊を置き、反撃と本格的侵攻に備える。沖縄海兵隊の「グアムへの移設」も海兵隊拠点の分散という同様の意図があります。因みに、グアムもダーウィンも中国の新型弾道ミサイルDF21D(通称:空母キラー)の射程外にあり、沖縄・グアム・ダーウィンのこの3大拠点が持つ軍事的威力は小さくありません。。辺野古新基地は、従来型輸送機の3倍の海兵隊員を搭載し速度は2倍、しかも航続距離が5倍(世界のどこへでも1~2日で強襲的に海兵隊員を輸送)の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを配備した最新鋭海兵隊基地として建設予定。沖縄海兵隊を「佐世保基地の強襲揚陸艦を一旦沖縄に回航して艦載する」では強襲にならない。「直接、新基地でオスプレイに搭載」し出撃する強襲性こそ新安保戦略の基軸になるというのです。そして原子力空母も接岸可能な軍港も備えるなど将来の増強を見越して巨大な軍事基地として建設されようとしています。

沖縄の切捨て・売り渡しとその追認の強制

太平洋戦争敗戦の半年前の1945年2月、前首相近衛文麿は『近衛上奏文』で「軍部赤化論」と「共産革命脅威論」から連合国側との早期講和交渉を昭和天皇ヒロヒトに提案。しかし、ヒロヒトは「もう一度、戦果をあげてからでないとなかなか難しいと思う」と回答(『木戸幸一関係文書』)。そのために沖縄戦では県民の3人に1人が犠牲になり、その後の軍事占領につながりました。
もう一つは、同年9月の連合国軍総司令部(GHQ)政治顧問シーボルトの米国務長官マーシャル宛ての書簡にあるGHQマッカーサーへの「天皇メッセージ」です。「米国が沖縄その他の琉球諸島の軍事占領を継続するよう希望する」「米軍の軍事占領は日本に主権を残したままでの長期租借―25年ないし50年あるいはそれ以上―の擬制にもとづくべきである」と。処刑台から逃れるために沖縄を売ったこの「売国奴」の「私利」(添付のシーボルトのコメントの文言)そのものが、労働者・農民への搾取と兵役と死を強制してきた資本制社会の階級支配の本質です。

労働者を搾取し支配するための軍事同盟

日米安保は、そもそも「革命の防止」のための同盟であり日米資本による階級支配と資本主義(帝国主義)の戦後復興と再編・延命のための同盟でした。帝国主義のすさまじい軍事同盟・戦争体制であると同時に、1%の資本家階級による99%への搾取・抑圧・支配のための暴力装置・軍事体制であり、その矛先は国際的存在である世界の労働者階級に向けられてきました。

沖縄の闘いと国鉄・原発の闘い

「史上類例のない戦争の時代」(『本多延嘉著作選』第7巻)、沖縄に戦後はなく常に「戦時」でした。朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、イラク・アフガン戦争と一環して米帝の侵略戦争は沖縄=日米安保を基軸にして遂行。 日帝にとっての唯一のアジア・世界政策である日米安保政策のもとで独自の軍事大国化をめざした中曽根は82年11月、首相に就任。その「戦後政治の総決算」攻撃が国鉄分割・民営化と沖縄への「日の丸・君が代」強制・沖縄闘争の圧殺として強行されました。核開発・原発もこの時期一挙的に推進されました。しかし、「二度と沖縄戦を繰り返さない」という島ぐるみの誓いを体現した沖縄の労働者の闘いが、その後の95年10・21県民大会10万人決起や07年9・29県民大会12万人決起を実現させてきました。15年間、辺野古への新基地建設を阻んできた根源的な力は、基地の「県外移設、国外移設」などにあるのではない。「米軍基地撤去!」の中にあります。これこそ「和解拒否」の「解雇撤回!」の闘いであり「全原発の即時停止・廃止」の闘いです。

「首を切るなら基地を返せ!

辺野古への新基地建設が大破綻する中で、民主党野田政権は多額の交付金(奴らには金しかない)の力で沖縄の中に分断を持ち込み、基地容認・誘致派を必死につくりだそうとしています。56%の地元住民が反対(『沖縄タイムス』)している八重山での育鵬社版教科書採択攻撃もこれと一体です。 子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんは「お金を大事にする人たちと、命を大事にする人たちの闘い」と語っています。
この間、福島の人々が「沖縄の気持ちがわかった」と口々に語り沖縄との連帯を求める声が強く上がっています。「資本主義の真の姿に真正面から立ち向かうことであらゆる力ある連帯が生まれる」。国際連帯もそうです。世界には革命の激浪が満ちています。エジプト2月革命からヨーロッパ各国のゼネスト、集会、デモの嵐。そしてロシアと中国にも。米のウオール街占拠闘争は広範な労働組合の支持・参加を通して西海岸のILWU(国際港湾倉庫労組)に伝播しアラスカ、カナダからメキシコ国境まで北米西海岸の全港湾の封鎖・占拠の闘いに発展しています。多くのベトナム帰還兵とイラク帰還兵も労働者としてこの闘いに合流しています。
「かつての全軍労牧港(まきみなと)支部青年部の『解雇撤回・基地撤去』『労働者は死んではならない。死すべきは基地だ』という闘いを階級的労働運動路線(動労千葉型労働運動)のなかで、今こそ復権していくことです」「沖縄では『基地労働者が動くとき、沖縄労働運動も動く』と言われています。問われているのは労働組合です」「基地労働者こそプロレタリア世界革命の主体である」(『Rise』11号「朝鮮侵略戦争下の基地労働者の闘いと課題」基地労働者・M)。労働者兵士行動委員会は基地労働者と共に闘わん!
(岐部)

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南スーダンPKOへの自衛隊派兵を徹底弾劾する!

内戦は終結していない

野田政権は11月1日の閣議で、南スーダンPKO(国連南スーダン共和国ミッション・UNWISS)への自衛隊派兵を決定し、新年早々にも派兵が開始されようとしている。来年5月には北部方面隊を主力に330人規模の部隊が送られることになる。
南スーダン派兵は、実はこれまでのPKO派兵の中でも、最も行き当たりばったりの企てだ。秋に派遣された政府調査団の調査結果も評価も明らかにされず、国会での議論もない。派兵に慎重な防衛省を、野田政権・外務省が押し切ったという。
南スーダン派兵の論議にともなって、前原・民主党政調会長が武器使用基準の緩和を主張。今回は基準の緩和を行なわないと決まったが、「一般市民の保護」のために「必要なあらゆる手段」を認める国連安保理決議1996に沿って派兵を強行すれば、緩和は必要との声が噴出する状況に陥るのは明白だ。スーダンの内戦は終結していないのだ。

北海道新聞の社説は、「始まったばかりの国造りを支援する意味は大きい」と派兵を前提化し、「隊員の安全を最優先に」と主張している。安全でないなら派兵すべきではない。どのマスコミ報道も、「南スーダンの住民はイスラム原理主義の圧制から独立で逃れたが、インフラが未整備で大変だから助けよう」と言っているが、その地下に石油などの資源が眠っていることをまったく論じない。
確かに南スーダンは内戦で国土が疲弊し、国連はインフラ整備が急務としている。日本の1・7倍の国土に舗装道路は70キロ。「ニーズは無限にあり、簡単には撤収できない」(防衛省幹部)。政府は、「将来は政府開発援助(ODA)と連携した効率的なインフラ整備への移行によって、部隊撤収の環境整備を図るものとし、当面は半年~1年の活動期間で、現地情勢で延長の是非を判断する」という。どういう状態で完了するか明らかにしていないが、現地に根を下ろすことで地下資源の略奪を狙うということだ。
日本のPKO派兵で初の内陸部への展開となる。政府の説明は、輸送ルートがないため、隣国ウガンダで大型機からプロペラ機へ積み替え、最終的には陸上輸送するしかないなどと実にいい加減で、何の見通しも立っていない。バングラデシュ部隊の撤収後にその宿営地を利用するとの目算も、同部隊の撤収の遅れでいきなり頓挫している。

PKO派兵は石油略奪のための侵略戦争だ

20年の内戦を経て7月に独立、だが8月には東部で民族間の衝突があり、約600人の死者が出た。閣議決定の直前の10月末には、北部で反政府勢力の襲撃事件が起きている。11月には再び北部で戦闘があり、スーダン軍が空爆を行なった。南部の治安は安定していると言われるが、米帝の石油略奪戦略の生み出した新国家の存在そのものが不安定要因なのだ。
スーダンは石油資源やレアメタルの宝庫と言われているが、アメリカによる「テロ国家」指定で国際的に孤立した。その隙をついて90年代末に中国が接近し、最大の投資国になっている。中国はすでに数万人の労働者を派遣し、スーダン軍を育成し、国連スーダン派遣団にも5000人を送っている。

決定的なことにスーダンの地下資源は開発の遅れている南部に集中しており、南スーダン独立にともなう日本の派兵は、中国の独占的利権を掠め取るということである。南の石油資源を、北は放棄するとは言っていない。この派兵は、確実に戦闘に巻き込まれるだけでなく、南西諸島に続く石油をめぐる新たな対立を生みだし、日中の緊張を激化させる。資源略奪のための侵略戦争、南スーダン派兵を絶対に阻止しよう!
(鈴木)

会報 第16号

第16号 2011年11月10日発行

守るべきは「国益」ではない 労働者階級の団結と闘いだ!

11月6日、歴史を分かつ新たな国際的階級闘争の先頭に、フクシマの根底的怒りと結合した闘う労働組合・労働者、農民、漁民、そして元自衛官達が起った。さらに世界各地の闘う労働組合・労働者が大挙結集し新たな戦闘宣言を発し、大地を揺るがす断固たる大デモを勝ち取りました。本格的全面的な階級的労働運動の白熱的爆発はこれからです。青年労働者を先頭に原発再稼働阻止!野田民主党・連合政権打倒!に断固突き進もう!

9・11ー9・19の明治公園を埋め尽くす反原発全国一斉行動の後、「チェルノブイリ・ハート」を見ました。原発事故後に生まれた赤ちゃんの内、生まれながらにして心臓に穴が空いているその深刻な症状を「チェルノブイリ・ハート」と呼ぶそうです。実に重く深刻なノンフィクション映画でした。内部被爆・放射能汚染の現実。それは、過去の話ではなくて、チェルノブイリに続く福島第一原発事故がもたらしている現在進行中の深刻な問題です。おおげさな話ではなくて、人類の命と未来が、子供達・青年達の命と未来がかかっているからです。

すべての原発をただちに停止・廃炉にするということは、原発・核を必要とする今日の社会の在り方を、世界の労働者民衆の階級的団結で根本から変えてゆく絶対に譲れない問題であり闘いです。経済を優先する限り、また、国益をめぐる軍事的衝突では、事態は益々、取り返しのつかない破滅の事態に陥って行きます。
世界大恐慌が益々、激しく深刻化し、政府・資本家連中・体制内労働組合指導部は、「日本経済が破綻してもいいのか!」と権力を嵩に弾圧します。わたしたちは「それでいいのだ!」と断固言い切らねばなりません。そんな社会は根本からひっくり返さない限り、人間らしく生きることはできないからです!大恐慌下の3・11から8ヶ月。今、人類に突き付けられている問題と課題は、そういうことだと思います。
そうした時、原発・核・大失業・戦争を押しつけようとする政府権力・大資本・体制内労働組合指導部との非和解的激突とならざるを得ません。既にその階級的非和解の闘いは、日本で韓国で中国でヨーロッパでアメリカでも始まっています。 その闘いの成否が、まさに日本の闘う労働組合と労働者階級の固い階級的・国際的団結とその闘いにかかっています。自衛官とその家族のみなさんとの団結もその中にあります。

自衛官の皆さんに特に訴えます。時代はまさに、国家的破綻を革命に転化すべき時代を迎えています。守るべきは「国益」ではなくて、「国益」を越えた労働者階級の団結と闘いです。弾圧する側にまわっては絶対にいけない!労働者階級の一員として団結しよう!ということです。そこにこそ本当に命を懸ける価値があります!
団結し、原発再稼働阻止!野田民主党・連合政権打倒に断固突き進もう!
(杉橋)
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隊員の大量被曝で危機深める自衛隊

労働者階級本体の本格的決起が開始

3月11日の東日本大震災、福島第一原発事故の発生から8ヶ月。「冷温停止状態」とか「避難準備区域解除」の宣伝とは正反対に、破壊された格納容器から放射性物質が放出され続けています。10月24日の「産経新聞」ですら、原子炉建屋への地下水流入が続き、高濃度の水素が複数の配管内にたまり爆発危機が続いている、これらは「いずれも放射性物質の大量放出につながりかねない問題」と報道しています。溶融した核燃料が格納容器底部を突き破り厚さ3㍍のコンクリートをどれほど侵食しているのか、核燃料の現在の状態も定かではありません。
確実なことは、放射能は東日本全域に拡がり数千万人が被曝していることです。セシウム137の海洋流出量は「東電発表の20倍」で過去最大規模(仏研究所)。大気中への放出量も過去最大規模。文科省は6~7月の調査で、福島第一原発から100㌔圏内の100ヶ所で土壌を採取し45ヶ所でストロンチウムを検出、それは郡山市と福島市のはるか北の宮城県境でも検出しています。プルトニウムは浪江町、飯舘村など6ヶ所で検出し、専門家は「非常に小さい粒子になり運ばれた」としていて超重大です。
(※半減期50日のストロンチウム89が「6~7月時点で検出」とあり、いつ放出されたものなのか?3月爆発時の放出量は?)。
事故直後の水素爆発などが続いていた時期、政府の情報隠蔽によって、浪江町津島や赤宇木、飯館村には、原発10キロ圏内や南相馬市の住民計8000人以上の避難者が地元住民とともにとどまっており、内部被曝している可能性が非常に高い。政府の情報隠蔽によって、福島市や郡山市の子供と親たちも野外で被曝している。福島の子供からは甲状腺異常が報告され始め、南相馬市の内部被曝検査では、小中学生(529人中)の半数からセシウム137を検出。さらに被曝は清掃、食肉、水道、輸送など東日本のさまざまな労働現場に広がっています。しかし政府は、「100㍉でも安全」とか「除染は合理性の範囲で」「汚染土の処理に30年」「廃炉に30年」などと発表しています。だから、もはや資本主義の「経済性」の枠内では、解決できる問題は一つもない。
『絶対に解決するために必要なことは必ずやる』という立場でしか実現しない。労働者が団結し社会を再組織していく以外ないということです。
それには「福島の怒り」で私たちが本当に決起することだと思います。9・19明治公園6万人集会に示されたように、「福島の怒り」と固く結びつき、体制内労働組合指導部をのりこえた、労働者階級本体の反原発・反失業の本格的決起が遂に開始されています。10年を超える動労千葉の外注化阻止闘争の勝利と動労水戸の「広野町までの営業運転再開反対」「被曝労働阻止」「検収業務外注化阻止」ストライキの勝利が反原発・反失業、プロレタリア革命勝利の展望を示しています。

階級的労働組合運動の前進が兵士への階級的援助と連帯

3・11に真っ向から立ち向かい、階級的労働運動の土台における前進とプロレタリア革命の勝利の立場にたち、自衛隊兵士との団結をかちとっていくことができるのだと思います。
第12旅団、13旅団、第一空挺団、中央即応連隊、44普連(福島)などの自衛隊兵士は、3月の事故発生直後から3ヶ月間南相馬市の「サテライト鹿島」などに駐屯し、宿営生活を続けていました。中特防の除染所は南相馬市でも警戒地域の小高地区に隣接した「馬事公苑」にあり(県道の「立ち入り禁止」の検問所は100メートルも離れていない)、若い兵士が野外で活動していました。やはり第一空挺団が駐屯していた「原町高校」は、今月開校のための「除染」作業を進めたと新聞記事にあります。「サテライト鹿島」から6号線を南下した「小田島」交差点に打ち上げられたままになっていた漁船もボランティアによって「除染」が「始まった」と新聞記事にあります。要するに「危険ゾーン」だということです。
自衛隊員も、飯舘村や浪江町の避難民や住民と同じように被曝しているのではないか。若い兵士たちの状態は、使い捨てにされている非正規の労働者と全く変わらないと実感しました。彼らは遺体捜索で原発直下まで入り、写真や財布などの遺留品を収拾しています。市民が遺留品展示場に入ってそれを見る時には、マスクとゴム手袋をつけることが要請されていました。
(写真 高濃度汚染区域に向かう第一空挺団)

政府と防衛省が自衛隊員の被曝で明らかにしているのは、3月12日の1号機爆発関連で被曝した郡山駐屯地と福島駐屯地の12名の隊員、3月14日の3号機爆発時に被曝した中特防の4名の隊員のみです。しかし自衛隊員は3月11日の直後から第一原発と第二原発で対処活動を続け、3月17日のヘリ放水、その後長期に敷地内での地上放水活動を展開しています。9・1の「朝雲」1面報道で、被曝とPTSD問題が自衛隊にとって「総合的、中・長期的課題」であるとまで確認しています。兵士の大量被曝問題とPTSD問題が自衛隊と国家を揺がす大問題になっているのです。兵士の被曝実態を徹底的に明らかにさせていこう。
最後に絶対に曖昧にできないことは、3月14日午後から15日にかけて発生した2号機の大爆発と東電の県民置き去りの「撤退通告」、統合任務部隊司令部による「100キロ退避」発令と郡山駐屯地まで撤収という事実です。文科省などの原発関係者も福島県庁に引き揚げています。9月9日「東京新聞」記事に明らかなように、国家は200万県民だけに事実を知らせず棄民したという厳然たる事実です。この時菅首相が東電に訓示したことは、「第一原発が崩壊し東日本が壊滅してもとどまれ」そうしないと「外国がのりこんでくる」「日本が国家として成り立たなくなる」だった。数千万人を犠牲にしてもなお成立をはかるような国家は即刻打倒しよう!分割・民営化以降25年膨大な労働者が非正規に突き落とされ殺され、01年対テロ戦争突入で多くの自衛隊兵士がPTSDや自殺に追い込まれ殺され、3・11では遂に2万人に迫る人民が虐殺された。そしてさらに、原発危機で体制の存亡の土壇場までおいつめられた日帝は、自国の数千万人の労働者人民を被曝にさらして延命する方針を意識的にとったのだ。3・11で日帝は激しく「転換」した。第一師団の前方展開配置方針に明らかなように、労働者人民の怒りの爆発を前に治安出動態勢に完全に入った。しかし労働者と兵士の怒りは同じだ。共通の敵は日帝だ。兵士の皆さん、団結して日帝打倒に決起しよう!
(長野原)
(写真 爆発で崩壊した3号機建屋に放水する陸自

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動的防衛力への構造改革推進と南西諸島への自衛隊配備を
反原発と階級的労働運動の前進で阻止しよう

8月、「防衛白書」と共に構造改革推進委員会が「防衛力の実効性向上のための構造改革推進に向けたロードマップ」の報告書(以下「報告書」)を出した。
報告書を貫くのは、陸海空自の「統合機動力の運用体制の実効的強化への改革」である。そのために「人的基盤の抜本的改革」を打ち出している。要するに戦争のできる軍隊化であり、そのために兵士の「精強化」を目的に年齢構成の見直しと活性化の制度改革を打ちだしている。

帝国主義軍隊化に向けた兵士・部隊の精強化

自衛隊23万人の総力動員という3・11の実戦と教訓に踏まえ、①五方面隊の全国単一の統合指揮運用への組織構造改革、②南西諸島への陸自、空自の配備と南西方面の出撃拠点基地建設、③日帝政経中枢防衛にむけた対テロ部隊の3キロ圏内への前方配備、これらを中心に、④国家財政の危機による装備充足の遅れを民間力の動員で強化する(輸送力など)、⑤高々度無人機導入の本格化と通信・情報態勢の強化、⑤武器輸出三原則の見直し、そして⑥対原発対処兵力として陸自109人増員などの構造改革の推進を打ち出している。

人的基盤の見直し

実戦部隊化への人的基盤の見直しと制度改革は、①士の増勢、幹部及び、幹部曹士の活性化、階級・年齢構成の見直し、准尉の廃止と上級曹長(仮称)の新設である。これは、「高齢化する自衛隊の現実」を見直し、18歳から27歳未満の青年自衛官の比率を上げるということだ。 要するに世界恐慌と3・11情勢下で問われている自衛隊の軍隊化・精強化=若返りを確保・育成する基盤を構築し、これまでの自衛隊のあり方の根底的転換を目指している。②士の増勢は年齢と階級構成比率の変化を伴い、幹部・曹クラスの早期退職制度が導入される。制度導入にあたっては、「旧国鉄改革や国の行政機関における配置転換、国家公務員中途採用者選考試験の事例を参考に」推し進め、早期退職者の「生活基盤の確保」という名目で、自治体など公的部門の組織に退職自衛官を送り込むことが目論まれている。これは、有事対応、危機管理、自治体労働者の総動員体制の実効化をも目指す構造改革である。さらに③後方任用制度の導入である。「新大綱」「新中期防」では、「第一線部隊等に若年隊員を優先的に充当するとともに、その他の職務について『最適化』された給与等の処遇を適用する制度を設計・導入するなどの人事制度改革を実施する」とある。具体的には「身分変更型(新たな再任用型)」「処遇変更型」が導入され、24時間勤務体制、「検証・評価」制度、「適正化」による給与削減と非正規化だ。これは自衛隊内への新たな分断と競争原理の導入である。

要するに自衛隊の帝国主義軍隊化を防衛予算における総人件費の抑制、つまり早期退職=首切りと非正規化で強行しようとしているのだ。これが没落・破綻した日帝・新自由主義の帝国主義軍隊化路線であり、徹頭徹尾、兵士と労働者への犠牲と使い捨てのうえで延命せんとあがいている姿である。まさに「経済特区」「成長戦略2011」「報告書」は一体であり、一体的推進が目論まれている。

指揮・命令系統の暴力的徹底化と絶対服従の強化

この構造改革は、同時に、指揮命令系統の暴力的徹底化と任務への絶対服従の軍令強化として貫徹・推進されていく。すでに具体化している。陸自北宇都宮駐屯地での「勤務計画に違反した」として陸曹3人が停職と戒告の懲戒処分を受けている。3・11情勢下の総力動員と駐屯地警戒任務で「方法と時間の変更」を上級司令に「報告することなく実施した」ことにより「結果的に警戒しない場所や時間が生じた」として、中央即応連隊約700名が配属されている宇都宮駐屯地で1等陸曹(46)定職8日、3等陸曹(29)同4日、2等陸曹(女性40代)に戒告の懲戒処分が下されている。

南西海域方面への自衛隊配備

「新大綱」「中期防」、「防衛白書」「報告書」は「動的防衛力」への転換として対中戦争の最前線拠点化として「南西諸島への配備」を前面に推し出している。

 南西諸島配備の具体的内容

(1)与那国島の掃海拠点化
オバマは9・11米同時テロ10周年を前に9・11以降、展開してきた世界的規模の対テロ戦争を転換した。新戦略は情報機関や特殊部隊の活動を重視し、国際テロ組織アルカイダとその系列組織に焦点を絞った対テロ戦争を進める方針を打ち出した。この戦略転換の根底にはチュニジア・エジプト革命と米帝の国家財政の危機、そしてイラク・アフガン戦争での敗北がある。同時にそれは、激化する対中国情勢に規定された中国に対する経済的軍事的包囲網強化への絶望的な転換でもある。
米議会の米中経済安全保障再検討委員会で、米軍の対中国有事に対応する上で機雷と対艦ミサイルは脅威の一つと認定している。与那国島の自衛隊配備・拠点化は、中国の機雷を除去し、米艦隊の自由な作戦行動を確保すると同時に、大型艦が入港可能な石垣港も含め先島諸島全体を前方展開の重要拠点化が策定されている。
自衛隊の南西拠点化は、日米「共通戦略目標」(2プラス2)の対中国・朝鮮半島戦争に向けた戦略的再編の一環であり、3・11以降、南西海域への配備・拠点化の動きは沖縄辺野古基地建設と嘉手納・普天間基地の再編強化攻撃と一体で推進されている。野田政権はアセスメント評価の年内提出で辺野古基地建設攻撃を推し進め、与那国島の土地購入と新駐屯地建設費の一部として15億円を防衛費に盛り込み、「配備時期は2015年度末」と4年後までに隊舎やヘリポートを整備し、武装部隊が中国艦船の監視にあたる具体的方針を打ち出している

(2)3・11直後の陸・海・空自統合指揮運用部隊と米4軍統合の合同作戦という戦後空前の「国内戦争」を頂点に、すでに昨年末から3・11以後も実戦的な「離島奪回作戦」という「上陸訓練」が推し進められている。

(3)釣魚台(尖閣列島)・東中国海をめぐる勢力圏化で情報収集・警戒監視体制の整備・強化に加え、①与那国島に約100名規模の陸自・沿岸監視部隊を配備する。空自配備の準備も進められている。現在、南西方面における空自の最先端配備基地は宮古島分屯基地。与那国島への部隊配備は対中国戦争の戦略的な最前線基地となる。②中国有事に備え初動実戦部隊を新設する。宮古・石垣両島への陸自部隊の段階的配備である。200人規模で編成される普通化中隊で「武装ゲリラなどの侵攻に対する初動対処を任務」とする部隊だ。有事の際は北海道の戦車大隊を含む陸海空自兵力を沖縄・南西海域に輸送する民間輸送力の動員と法整備も進められている。③移動警戒Xレーダーを与那国島に配備し、2000m以下の低空で接近する航空機とともに海面を航行する船舶を監視する。Xバンドレーダーは波長が短く細かい識別が可能だ。与那国島の最高峰・宇良部岳(231メートル)に設置すれば、夜間・濃霧時でも情報収集は可能となる。④南西方面に早期警戒機(Eー2C)を配備する基盤整備を行い、常時継続的運用態勢をも確保する。Eー2Cの航続距離は短い。Eー2Cの南西方面におけ24時間空中監視態勢構築に向け3000メートル滑走路を備えた下地島空港の使用やEー2Cの移駐配備が画策されている(※ 71年屋良覚書の破棄)。報告書はこの4点を示し平素からの臨戦・戦時態勢の構築を目指している。
これらを阻止、粉砕する根底的で普遍的な力は、本土・沖縄を貫く反原発闘争と階級的労働運動の一体的前進である。労兵の人間的解放もこの中にあります。労兵は、共に進撃しよう!
(滝山)

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「経済特区」攻撃粉砕・新自由主義打倒
ストライキで階級間戦争に勝利しよう

「復興特区」攻撃は「惨事便乗型資本主義」そのもの

10月28日、日帝・野田政権は、「復興特別区域(復興特区)」法案を閣議決定し、国会に提出しました。「復興特区」攻撃は、原発の再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)と一体であり、日帝ブルジョアジーの延命をかけた絶望的な新自由主義攻撃です。3・11大震災と原発事故を利用し、「復興」の名のもとにあらゆる規制を撤廃・緩和し、民営化をさらに推し進め、非正規化を推進し、道州制の導入をめざすものです。 この攻撃の核心は、労働基本権の剥奪による労働組合の解体・絶滅であり、工場法以前の労働環境を強制する中で資本が搾取と収奪のフリーハンドを得ようというものです。
ナオミ・クラインが、彼女の著書『ショック・ドクトリン』の中で、新自由主義の本質を、戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危機につけこんで、あるいはそれを意識的に招いて、人びとがショックと茫然自失から覚める前に過激な経済改革を強行し、人々を支配していく「惨事便乗型資本主義」と暴いていますが、まさに「復興特区」攻撃は「惨事便乗型資本主義」という新自由主義の極致ともいうべき攻撃です。

「復興」とは、日帝ブルジョアジーの「復興」=延命のこと

「復興」とは、被災地の復興では断じてありません。日帝ブルジョアジーの「復興」=延命ということであり、反革命攻撃・階級戦争そのものです。 5月27日、日本経団連は「復興・創生マスタープラン~再び世界に誇れる日本を目指して~」(以下「プラン」)を発表し、9月16日には「経団連成長戦略2011‐民間活力の発揮による成長加速に向けて‐」(以下「成長戦略」)を発表しました。これらこそ、3・11情勢下の日帝ブルジョアジーの延命のための行動指針であり、野田政権の反動政策の基底にあるものです。一読しただけで心底から怒りがこみあげてきます。絶対に粉砕あるのみです。
「プラン」は、〈Ⅰ.被災地域の復興〉、〈Ⅱ.日本経済の創生〉の二部で構成されています。日本経済の再生こそ根本であり、それを一切の価値基準として「復興」を考えていくこと、そのためにはこれまでの社会の在り方、すなわち労働者の基本的権利や小商品生産者、農民、漁民の在り方の根本的転換をやって、グローバル競争に勝ち抜けるような地域、国を「創生」すると宣言しています。ここには幾万人もの犠牲者を出すに至ったこれまでの地方の分断・切り捨てへの一片の反省もなく、居直り、むしろ大震災を奇貨として「政治の強いリーダーシップの下で」(=強権的に)、資本の下に地域を支配・経営させろ(=道州制)と、日帝ブルジョアジーどもの「復興」の基本姿勢を「提言」しているものなのです。

労働基本権の解体

「プラン」の核心になっているものは、「震災復興特区の指定」ということであり、本文とは別に添付されている「別添2『震災復興特区制度の骨子』」の「特例措置の例」で、全面的な規制緩和と労働基本権の解体をあからさまに列記しています。とりわけ「雇用の維持・確保に関する措置」として、「36協定限度時間の緩和、特別条項に定める時間外労働時間の延長時間規制の緩和」、「1年単位の変形労働時間制の弾力的運用」、「期間の定めのある労働者の雇用期間上限緩和」、「労働者派遣法における専門26業務に関する弾力的運用」と挙げていることは重要です。労働基本権を解体し、「9割非正規化」をおこなって、収奪・搾取を資本のほしいままにするということです。

丸ごと民営化・道州制

さらに「民間活力の活用」ということが非常に強調されています。被災地丸ごと民営化を要求し、復興を資本の利潤追求の場としてやりたい放題をするということです。
またこの「復興特区」は、「成長戦略」の「産業クラスター」と同義であり、道州制の核心です。「復興特区」を突破口として、360万公務員の解雇・非正規化を強行して道州制を導入せんとするものです。

低賃金化

日帝ブルジョアジーにとって、「総人件費」の抑制(=賃下げ)こそ、他帝国主義や中国スターリン主義と競争し、生き残っていくための最も根本的課題です。没落・脱落しつつある現在の日帝には、TPPに参加し、米帝のブロックに入り、アジア並みの低賃金によって競争をして勝ち残っていくことが、今や唯一の延命策ともいえるものです。「立地コストの比較」表を掲げ、「労働コスト(賃金)を100分の7に、法人税を100分の42に、土地代を100分の5に、物流コストを100分の38」に下げろ、と要求しています。被災と原発事故による失業の増大につけこみ、生きることすらできないような低賃金を被災地の労働者に強制し、それを突破口として、TPPによって全国に拡大することを狙っているのです。

TPP

「プラン」はTPPを前提化し、一体となった攻撃であり、農業の市場開放の突破口です。「力強い農業を実現」し、「競争力強化に結び付けていく」ということで、生き残る可能性があるのは一部の農業企業体だけで、競争力のないこれまでの農業は壊滅します。そもそも農業は、高齢化、後継者不足で壊滅の運命にあったのだとうそぶいている。労働者階級と農民漁民の敵は一つです。労働者と農民漁民にとって、TPP粉砕は「生きさせろ!」の闘いそのものです。
原発の再稼働・輸出を狙うこの「プラン」には、「原発事故からの復興」ということが一言も書かれていません。原発事故にふれているのは、〈Ⅱ日本経済の創生〉の「3日本ブランドの復活」の章で「風評被害対策」として言っているに過ぎません。4基もの原子炉が爆発し、メルトダウン・メルトスルーにまでいたり、おびただしい放射能をまき散らして、今なお収束には程遠い、この未曾有の原発の大事故を、「放射能漏洩事故」と言い、大地震と大津波の甚大な被災の上に放射能をまき散らし、職場も学校も、農地も山も海も、生活そのものを奪った原発事故を、「風評」と呼ぶブルジョアジーどもは絶対に許せません。労働者や農民、子供たちが、被曝し、殺されても、利潤追求に転化するのが新自由主義であり、「プラン」で「原発事故から復興」させたいのは、フクシマではなくて「原発」と「原発の輸出」なのです。
「成長戦略」では完全に原発再稼働・原発輸出をぶちあげています。「わが国のエネルギー供給体制の現状を踏まえ、定期点検終了後、停止状態にある原子力発電所を、…順次速やかに再稼働していくことが重要」、さらに「世界最高水準のエネルギー・環境技術に一層の磨きをかけ、競争力の強化を図り、エネルギー関連産業の振興につなげていく。…積極的な海外展開を図る…」。現在、インドやベトナムへの原発輸出の協議が再開・継続。さらにトルコへの輸出交渉も再開されました。10・1「緊急避難準備区域解除」は、原発輸出と再稼働に向けた攻撃そのものなのです。フクシマの怒りと連帯して、再稼働を絶対阻止し、全原発を廃炉にしよう。

反原発・非正規職撤廃の闘う労働運動が、新自由主義の特区攻撃をぶち破る。
「プラン」「成長戦略」の特区攻撃は、3・11の「恐怖と衝撃」につけこんだ新自由主義の攻撃です。フクシマの怒りと一体となった労働組合の闘いが、新自由主義を打ち破る労働者階級の武器だ。ナオミ・クラインは、「ショックに打ち勝つ最善の方法は自分に起こったことを知ること」と言っています。階級的な労働組合ほど、時代認識を鮮明にし、敵・資本の攻撃についてよく知っているのです。外注化と被曝労働に対し、2波のストで闘った動労水戸の闘いに続き、自分の職場・生産点から、闘いに立ち上がっていこう。
(三里塚・川森)

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職場での団結に依拠し、徹底的に闘い労働組合の復権を!

西部ユニオン・鈴木コンクリート分会 書記長 吉本伸幸

私達の職場は、3ヶ月雇用の非正規職場です。ワンマン強欲社長が牛耳る生コン職場で、仕事はミキサー車の運転です。
25年前の国鉄分割民営化から始まった労組潰しと民営化、新自由主義攻撃の嵐の中、小さな民間の生コン職場も偽装請負、非正規化、安全無視、労基法無視が吹き荒れ、賃金や雇用がメチャクチャにされてきた。しかし職場に労働組合を作ろうという動きは皆無。それどころか会社は職場の労働者を分断しお互いを敵視させるように仕向けてきた。それに拍車をかけたのが08年のリーマンショクからの大不況。建設業界も大打撃を受けた。職場も今まで以上に雇用の締め付けが激しくなり、仕事が無いときは雇用条件に無い代休を強制し、極めつけは賃下げの強行です。もちろん有給休暇はなし。残業代はドンブリ勘定、会社にもの言えば解雇の脅し、史上最悪の状態になっていた。
しかし、この独裁会社に労働者の積年の怒りがついに爆発し、クビを覚悟し、団結して立ち上がり、09年7月5日、ついに職場で組合を結成した。
団体交渉や職場での力を労働者が取り戻しかけていました。しかし、経営者は金で仲間を篭絡し、分会員を見せしめに解雇し、組合は壊滅寸前に追い込まれた。だが、組合解体攻撃と仲間の解雇に怒りを持たない労働者は一人もいない。そして、再び6人の仲間が分会を復活させた。、解雇撤回と原職復帰、労働委員会闘争、裏切り者と資本・管理職らとの非和解的闘い、職場での団結強化と組織拡大闘争を続けながら現在に至っています。

ストライキに決起!

残念なことに今年8月、解雇撤回と原職復帰を闘い抜いてきた仲間が急性脳梗塞で亡くなりました。仲間の無念の意志を引き継ぎ、我々分会は会社に対し即時解雇撤回と謝罪を要求した。だが、会社はそれを拒否した。それどころか鈴コン資本は賃下げを強行してきた。我々は会社の一方的賃下げに抗議し、ついにストライキに決起した。その闘いの中から新しく入社した仲間が会社に怒り、分会に結集した。これに恐怖した会社はストライキを違法とし、不当にも分会全員に出勤停止処分攻撃をかけ、なんと新人組合員に対する解雇予告と、その翌日には自宅待機処分をかけてきた。ストライキに対する解雇攻撃は会社の恐怖の表れです。我々分会は出勤停止処分の間、社前闘争、駅前街宣、地域ビラまき、本社抗議行動、労働委員会や労基署、裁判所への提訴を全力で闘い抜いています。
9・19の6万人デモ、NYの「ウォール街を占拠せよ」のデモ、労働者が団結し立ち上がれば必ず社会を変える事が出来る。そして、フクシマ原発事故が示す事実は、国家と東電は資本の儲けのためであれば、人間や生き物の命など一切、考えていないということです。そして、核・原発と人類は共存できないことがわかりました。今こそ世界の原発を全て廃止、廃炉に!迷わず労働者の団結にかけこの道を突き進もう!
鈴コン分会はこの間、資本との全面戦争を闘い抜き確信したことがある。それは会社が恐怖するのは職場の仲間が団結し、労働組合に結集することです。

職場から組織せよ!

2組も存在する。過積載違反に目をつぶり、資本からの特別手当で奴隷になりはてている2組の奴らと、徹底的に闘えるのは我々、闘う労働組合だけです。
職場の仲間の組織化にかけきる。団結の拡大に真の労働組合の姿がある。その力が職場支配権を奪い、社会を変えていく力だ。時代はまさに革命期。職場から地域から労働者の団結に依拠し闘う労働組合を組織しょう。そして労働組合だけでは革命は勝利しません。そこには、労働者党と武装した労働者の仲間、自衛官の闘いが不可欠です。革命の扉は開かれた。職場から組織せよ。今だ!!
万国の労働者団結せよ!

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―自衛官との団結は職場の団結から始まる―

発行:労働者兵士行動委員会
URL: http://https://www.rise-rou-hei.info/ mail : kazokutomotoji@r9.dion.ne.jp
〒105-0004   東京都港区新橋2-8-16 石田ビル4階 tel:090-1597-7425
[郵便振替]00930-2-226024 労働者兵士行動委員会
年会費:2000円 会員外年間定期購読料:1200円

会報 創刊号

Rise(ライズ) 創刊号 2009年5月10日発行

no01

発行:労働者兵士行動委員会
URL: http:// www.h6.dion.ne.jp/~no-hahei  mail : kazokutomotoji@r9.dion.ne.jp
〒105-0004 東京都港区新橋2-8-16 石田ビル4階

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陸海空ソマリア沖派兵阻止! 「海賊対処法」成立阻止!

労働者・兵士・学生は麻生政権打倒!
6・14~15連続大闘争に起とう

《戦 争・改憲と民営化・労組破壊》の攻撃と日夜闘っている全国の労働者、学生のみなさん。そして自衛官と家族のみなさん。 私たちは、これまでの闘いに踏まえ つつも今日の「世界大恐慌と戦争の時代」に真っ向対決し、一切の元凶=帝国主義・資本主義の根底的打倒に向けて新たな闘いに決起することを明らかにしたい と思います。
時代は、改めて「旗色を鮮明にする」ことを求めています。私たちは「自衛官との団結は、職場の団結から始まる」この「戦闘宣言」を、しっかり共有したいと思います。自衛隊のイラク派兵を契機に

結 成された当会は、08年の激闘を経て早6年目に突入しました。この過程で到来した世界大恐慌と戦争の激化は、とりわけて私たち事務局員一人一人の在りよう を、改めて根本的に問いました。何のためにこの会を結成し、何のために闘っているのか。このことを階級的に根底的に自らに問い、時代認識と闘う路線・思想 と向き合いました。
「大衆運動だからいいんだ」という時代はすでに終わっています。時代は「戦争か革命か」が現実問題として鋭く問われる時代に完全に入ったのだと受け止めて います。 私たちは、改めて「動労千葉派」として「11月労働者集会派」として闘い抜く決意を打ち固めています。なぜなら、ここに革命勝利の展望があるか らです。労働者自己解放の未来があるからです。自衛官と家族のみなさんの真の未来もここにあります。団結し共に闘われんことを心から訴えます。
帝国主義・資本主義は、けっして永遠に続く体制ではありません。現に、世界大恐慌の爆発は、その歴史的命脈がすでに尽きていることを隠しようもなく示しています。
支配階級は、まさに打ち倒される運命に恐れおののき延命のための侵略戦争と階級戦争に猛然と突入しています。それを下支えしている体制内指導部も 政労使一体となって、闘う労働者・学生と兵士の闘いに敵対し、その妨害と弾圧に血眼となっています。我々はこれを絶対に許しはしない!
そもそも国家が介入し、莫大な「公的資金=血税」を独占資本に注ぎ込みその一切を労働者・兵士に押しつけ分断と首切りをし、搾取・収奪・抑圧し、あげくは侵略戦争の殺し合いを強制してでも延命しようとする帝国主義・資本主義に未来など断じて無いのだ!
「生きさせろ!」のストライキ・ゼネストに起ち上がっている世界の労働者・学生と 階級的に団結し、一刻も早く打ち倒し、社会の生産と運営を労働者階級の手でやる以外ありません。
したがって私たちは、新たな革命の時代に対応すべく会の趣旨・会則を練り直し、会の名称、会報の名称も変え再出発しました。以上を私たちの新たな決意とします。
(全国事務局・杉橋)

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会の趣旨と会則
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会則

09年4月5日に行われた全国事務局会議において、本会の趣旨および会則が新たに決定されました。
よって、その内容を報告し、新たに会員の継続を要請致します。

会の名称の変更

本会の名称を「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」から「労働者兵士行動委員会」へと変更することとする。

会則(規約)

第一条 会員の条件
本会の趣旨 (目的) と会則を認め、年会費を納め、会報の定期的発行の一端を担い、目的の実現にむけ団結・協力してたたかう。

第二条 会員
会員申し込みの取り扱いは、全国事務局が行う。

第三条 会組織の構成
本会は、会員と全国事務局を基本(組織)とする。
本会は、代表と副代表の各1名をおく。

総会は本会組織の最高議決機関であり、代表、副代表、全国事務局員の選出・承認をおこなう。代表、副代表は全国事務局員を兼ねる。
全国事務局は、総会から次の総会までのあいだ、本会の方針決定をおこなう。
方針決定は全国事務局の過半数以上の賛成によって成立する。
全国事務局は「会報」編集委員会を組織する。全国事務局は、会計担当を組織する。
全国事務局は、本会を支え、本会の組織的・運動的発展のために必要な組織部門を設けることができる。

第四条 会員の活動
会員と各組織は、会の目的実現のために、会則を守り、活き活きと自己解放的に活動し、活動を担う。
会員はあらゆる討論の自由を保障され、行動においては統一する。

第五条 会の財政
会の財政は、会費、カンパ、会報購読料でまかなう。
会計は、全国事務局が組織する会計担当がおこなう。
年会費 2000円
会員外会報定期購読料1200円。

第六条 会員の処分
本会の目的と会則にそむき、重大な違反を犯した会員に対しては除名その他の処分が実施される。処分は全国事務局の3分の2以上
の多数決によって成立する。
なお、処分を受けた会員は、次の総会に対して書面で再審を請求できる。

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連絡・振替口座(郵便振替口座の名称と電話番号が変更しましたのでお知らせします)
〒105-0004 東京都港区新橋2-8-16 石田ビル4階
tel:
[郵便振替]00930-2-226024 労働者兵士行動委員会

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会の趣旨
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人 類の全歴史は、太古の土地共有が解消して以来、階級闘争の歴史である。社会的発展のさまざまな段階において差別・抑圧・搾取される階級と搾取する階級、す なわち、支配される階級と支配する階級のあいだの闘争の歴史である。しかし、今や300年の歴史をもつ資本主義の歴史は終止符を打とうとしている。 2008年以降、開始した世界大恐慌は、1930年代大恐慌をはるかに超える大恐慌を全世界の労働者人民・兵士に強制しようとしている。
しかし、この強制を打ち破ることは、搾取され、差別され、抑圧・圧迫されるプロレタリア階級人民とプロレタリア兵士が共に団結し、搾取・差別・抑圧-圧迫するブルジョア階級から自己を人間的に解放するための普遍的闘いの実践によってのみ勝利し、解決することができる。
そして労働者階級人民・兵士が自己の人間的解放を実現するために決起し、勝利したときにはじめて全人類の真に人間的で普遍的解放を実現することができる。それは、すでに始まっている
世界大恐慌を全労働者の犠牲転化によってしか出口を持たない資本主義体制の根底的変革=最末期帝国主義を労働者階級人民・兵士の階級的団結を基礎とする協同した実力で根底的に打倒することによってのみ可能となる。
そもそも、資本主義・帝国主義は、労働者階級人民を無限に搾取・収奪し、強労働・強搾取で労働者を虐殺し、資源略奪と新植民地化のために労働者兵士を侵略 戦争に動員し、被侵略国労働者人民を虐殺し、自国兵士にも死を強制することによって、どこまでも延命せんとする存在である。
したがって本会は、この全世界の地上から賃労働と資本の廃絶、搾取と収奪、差別と分断、抑圧と圧迫、侵略戦争と自然破壊の全ての消滅を目指し、その実現に 向け、世界単一の階級である労働者の国境をこえた団結の強化と労働者・兵士の階級的団結の強化を基礎にあらゆる手段と方策を駆使する。
本会は、この目的に賛同し、その実現にむけ、真摯に実践的に努力する全階級、全階層、全人民、全兵士の参加を幅広く受け入れ、会員にすることができる。
同時に本会は、会の目的に反する立場や労働者階級人民・兵士と全人類のプロレタリア的で普遍的な解放闘争を阻害し、敵対する存在と勢力とは絶対的に相容れず、これらと断固、非妥協的に闘うものである。
2009年4月5日

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活動報告 (3月~4月)

3.20イラク反戦6周年渋谷デモ

イ ラク開戦から6年。3・20イラク反戦闘争は「労働者のストライキと国際的団結で戦争をとめよう!」のメインスローガンのもと、世界大恐慌の真っただ中で の階級的反戦闘争として動労千葉の3日間ストを先頭に全国から1850人が渋谷に結集、体制内派の制動をぶっとばす戦闘的な集会とデモをやりきった。
基調報告に立った青年労働者は「路線が問われ、労働組合をよみがえらせることに一切がかかっている」「職場から闘う団結を作り出そう!」「民営化賛成で戦 争反対を闘えるか!」と4・4派を徹底批判。動労千葉とともにストライキを貫徹した動労水戸の木村書記長の開会あいさつ。
動労千葉の田中委員長は「スト初日、業務命令を受けた国労の組合員がその場で動労千葉に加入し、ストに突入」したことを報告。連合、4・4派を批判し、アメリカの仲間たちも闘っていることを報告した。
三里塚反対同盟の北原事務局長は、労・農連帯、3・29三里塚への総力結集を訴えた。闘う弁護士の森川さん。国労5・27臨大闘争弾圧被告の羽廣さん。八 尾北医療センター労組の灰垣さん。部落解放同盟全国連合会西郡支部の岡さん。3・6大阪集会を先頭で闘い抜いた大阪豊中市の自治体労働者。広島の青年教育 労働者。ストライキをやって集会に合流した精研労組の仲間。派遣先の森精機で3派のストライキをぶちぬき集会に合流した関西合同労組技能育成センター分会 の仲間。
法大解放を闘っている文連副委員長。そして、全学連織田委員長は「戦争にどういう態度をとるかは、民営化に反対するのかどうかの路線闘争」だと喝破。機動隊の弾圧を跳ね返し、沿道の圧倒的な注目の中、解放的デモを勝ち取りました。(杉橋)

3.29三里塚 全国集会

3月12日、千葉地裁・仲戸川裁判長は、天神峰現闘本部裁判で、反対同盟欠席のまま、自ら合意した証人調べを突如取り消し、最終弁論の指定を強行した。さらに、3月23日には成田空港で米国の貨物専用機が着陸に失敗、横転・爆発炎上し、2人のパイロットが死亡した。
3・29三里塚全国集会は、全国から1580名が結集。この許し難い暴挙と大事故に怒りを爆発させた。基調報告に立った萩原事務局次長は、①天神峰現闘本 部裁判を実力闘争で闘う。②農地収奪を粉砕し、市東さんの農地を守り抜く陣形を構築する。③農地法改悪と闘い全国農民の決起をつくりだす。④成田の軍事空 港化を阻止する――の四つの闘争方針をうちだし10・11全国集会への大結集を呼び掛け、全参加者が拍手で応えた。全参加者の力で労農連帯・農地死守・実 力闘争であくまで闘い抜くことを日帝・国土交通省・千葉地裁にたたきつける集会とデモを勝ち取りました。(杉橋)

道州制反対! 橋下打倒! 3・6府庁前行動

「道州制反対!橋下打倒!3・6府庁前行動」は全国450人の結集で成功しました。
この勝利を切り開いたのは、豊中市職女性部の労働者の闘いでした。資本主義を擁護する体制内労働運動の指導部連中が3・6行動を潰そうとしてきました。直 前に女性部のニセビラまで撒くなど、ファシストさながらでした。しかし、当該の自治体労働者はこれまでの長年の人間関係のしがらみをぶっ飛ばして、全労働 者の利害の立場に立ちきり、怒りを燃やして立ち上がったのです。これは呼びかけに全労働者が必ず応えて決起するという信頼に裏打ちされたものでした。まさ に動労千葉が国鉄分割・民営化に対して唯一ストライキをで闘った路線そのものです。これこそ勝利の路線です。
また、道州制は「一旦解雇、選別再雇用」の対象から自衛官を外して侵略派兵と治安弾圧に動員し、「軍服を着た労働者」である自衛隊員とわたしたちを分断する攻撃でもあります。絶対に粉砕しましょう!( 京都読者・A)

日本原基地撤去の闘い

09年2月11日。「建国記念日」に、毎年、日本原では自衛隊に対して基地撤去のデモや取り組みが闘われています。

【概要】
日本原基地は、四国はじめ西日本の陸上自衛隊にとって数少ない実弾を撃つ場所です。岡山の中国山地・奈義町。戦前には、村の頭上を実弾が飛び越す演習も、やられていました。朝鮮半島に似た山岳地形。冬は積雪し、酷寒の朝鮮北部への侵略戦争を想定した実戦演習場です。
また最近では、イラクのファル―ジャ市街戦のころに模擬市街が作られ、レジスタンス掃討作戦の演習が沖縄ー岩国の海兵隊と陸上自衛隊の合同演習として行われています。まさに、最前線基地です。(写真は私たちの演習場内の現地調査の様子。)

【地元の農民と労働者  の反対運動】
ところが、日本原基地は決定的弱点を抱えています。内部には田圃があり、演習場は同時に地元農民の生活の糧そのものでもあります。自分の町がそのまま戦場 に結びついていることへの怒りは激しいのです。地元の基地内営農、基地撤去運動は、営々とわれてきました。 日本原では、動労千葉派の労組が、基地をデモ し、「制服を着た労働者」に団結を呼びかけていました。兵士が「狭い兵営心理の残りかす」から自らを解き放ち、労働者の側へ常識破りに合流する取り組みが 始まっていました。(四国会員・S)

3.14呉現地闘争

「ソマリア沖に敵は居ない。敵は麻生や資本家だ!」「労働者と自衛隊兵士は団結しよう!」「自衛隊兵士は出兵命令を拒否しよう!」「首切りと戦争を許さないぞ!」「生きさせろゼネストに総決起するぞ!」
潜水艦桟橋から大音量のシュプレヒコールが隣接する海自呉基地と出航式典を繰り返し直撃した。

【敵は誰なのか】
3月14日、反戦共同行動委員会呼びかけのソマリア沖派兵阻止・呉現地闘争には全国から100人の労働者や学生が急遽結集した。
レーダーを回転させ出撃態勢の「さみだれ」と「さざなみ」にもシュプレヒコールが直撃した。
11時、司会学生の鮮烈なアジテーションで集会が開始された。続いて広島県労組交流センター代表の基調提起。今まさに世界中で労働者から仕事を住居を命を 奪っている資本家・帝国主義者どもがその利益防衛のためにソマリア沖に派兵し軍隊を集結していることが徹底的に暴露弾劾された。
麻生や防衛相浜田が出席した式典が正午に開始。参加者のボルテージはさらに上がった。当会の幟旗と共に登場した元自衛官で全国事務局の仲間は「何のための 派兵か。海外派兵の恒久化への決定的な攻撃だ。絶対に許せない。資源を奪い生活基盤を破壊した帝国主義が彼らを『海賊』にした。本当の敵は誰なのか。労働 者と自衛官の階級的団結の力で資本主義を根本からひっくり返そう。闘う労働者と団結して一緒にゼネストをやろう!」と艦上の兵士たちに呼び掛けた。
関西の学生は「資本家どものから奪われた物を取り返す闘いを『海賊』と呼ぶなら3・20イラク反戦6周年で世界の労働者はみんな『海賊』になろう」と激烈にアピールした。
常々、会報への投稿にご協力頂いている徳島のSさんは「徳島星野文昭さんを救う会」から発言。「71年の渋谷大暴動闘争で沖縄全軍労のストライキ、ゼネス トと一致団結して星野さんは34年目の獄中闘争を今も闘いぬいている。自衛官の皆さんも絶対反対派として起ちあがろう。『さみだれ』は『戦艦ポチョムキ ン』になろう。『さざなみ』は『蟹工船』になり上官を縛り上げ赤い旗を立ててこの呉の港に戻って来よう。そういう闘いをやる時だ」と。

【職場の団結から兵士との「対決・合流」へ】

資本や権力に屈服を深める体制内既成勢力はこの日呉現地には現れなかった。「海賊盗伐」や「北朝鮮ミサイル迎撃」を支持する既成労組指導部は「首切りと戦争」の翼賛化の先兵だ。断じて許してはならない。
小多氏と共に、三尾代表と当会への攻撃を続けてきたグループは10人そこそこで登場。既成勢力の集会への「潜り込み路線」で横断幕もトラメガ も持たずに来たようだが、頼みの綱の本隊はいくら待っても来なかった。  そして、もう一つの頼みの綱である「反戦の顔役」小多氏もとうとう最後まで顔を 見せなかった。道具が無くては独自集会もままならぬのか寒風の中にただただ立ち尽くしていた。一方、我が闘う部隊は 熱気溢れる集会の後はいよいよデモ。基地前を通り呉駅までだ。機動隊による不当な三重規制をガンガン押し返す。基地の兵士がそれに注目する。何台も通り過 ぎる大型バスから家族も注目。コールとプラカードでアピールしデモを完徹した。
資本家階級と権力が死ぬほど恐れている兵士や家族との階級的合流は「生きさせろ!」ゼネストへの闘いの前進の中で必ず可能だ。兵士や元兵士はどこにでもい る。彼彼女らとの「対決・交歓・合流」の観点と実践は重要だ。この闘いを「職場の団結から」開始しよう。 3・14呉の闘いは決定的な闘いだった。4~6 月の闘いにつなげ更に前進を勝ち取っていこう。(岐部)
(写真 襲いかかる機動隊をはねのけデモは前進。団結した労働者の力を見せつけた)
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自衛隊三軍ソマリア派兵阻止!  K(東京会員)

【ソマリアに自衛隊3軍 が展開】
政府防衛省は、ソマリアへの海自P3C対潜哨戒機の派兵を決定し、赤星海幕長は、P3C2機を5月中に海自厚木基地から派遣し、6月にも現地で軍事行動を開始する方針を明らかにした。
拠点となるジプシ空港にはP3Cの駐機・警備の必要物資輸送のために小牧基地から空自1輸空のC130輸送機も派兵される。またこれらの警備の名目で陸自 の中央即応集団直轄の中央即応連隊(宇都宮駐屯地)一個小隊40人が派兵される。 中央即応連隊は「テロ.ゲリラ」に対応する部隊として昨年3月に宇都宮 駐屯地に本部管理中隊と三個中隊700人で編成されている部隊である。拳銃、小銃、機関銃、軽装甲機動車などで武装された戦闘部隊だ。イラク戦争での空自 展開=米軍支援輸送を行った際にも陸自の派兵はおこなわれていない。
ソマリアでの陸海空3軍の動員・派兵・恒常的展開は歴史を画する戦争政策への踏み込みだ。

【自衛隊3軍1000人 の恒常的展開】
5月派兵要員は約150名だ。インド洋の補給艦と護衛艦、ソマリア沖の護衛艦2隻、P3C2機がアラビア半島を包む海域で一体的な軍事的展開を行い、米軍 とともに合同の軍事行動を行う。 インド洋派兵に加え3・14ソマリア派兵と5月P3C派兵で陸海空1000人を超える規模の兵士が問答無用で戦場に送り 込まれることになる。 それだけではない。3月に呉基地から派兵された護衛艦2隻の交代として、6月中には横須賀と青森の大湊から護衛艦が派兵される。日 帝の海外派兵-侵略戦争政策は恐るべき勢いで進行している。
現在ジプシに派遣されている哨戒機は米軍が3機、ドイツ、フランス、スペインは各1機だ。日帝のP3C2機の送り込みは突出している。
米軍のソマリア沖での「海賊対策」は、「対テロ戦争」の一環として展開され、P3Cを海上だけではなく陸上の偵察にも用いている。そして海自P3Cの情報は米軍が統括することになる。
すでに国連決議は陸海空からのソマリア攻撃を容認している。「海賊対策」は名ばかり。米帝は「陸上拠点」への侵攻を画策している。
【「海賊対処法」の成立を許すな】
「海賊対処法」は今国会での成立が目論まれている。この法案では、自衛隊の誤射でソマリア漁民を虐殺しても「正当」とされ責任は問われず、護衛対象は外国 船を含む全船舶に拡大され、ソマリア領内への侵攻はもとより、沿岸国への「追跡」という名目の領海侵犯も容認し、全世界に派兵できる恐るべき「侵略戦争 法」そのものである。  「違憲」とか「改憲」のレベルをすでに超えている反革命的クーデター攻撃そのものである。31年9・18「柳条湖事件」に匹敵す る侵略戦争がすでに始まっているのだ。
現在、ソマリア沖では日帝も含め17カ国の艦船が「軍事作戦」を展開している。日帝の陸海空三軍のソマリア派兵は、「海賊対策」を口実にした中東石油と資 源をめぐる帝国主義間争闘戦への日帝的踏み込みである。 道州制攻撃、裁判員制度、北朝鮮「ミサイル」排外主義攻撃や日帝内部から吹き出ている「国連脱退 」「核武装化」「集団的自衛権行使」などの一連の発言、入管体制の強化など。
そして、すでに「集会制限」報道すら飛び出している「新型ウイルス」をも奇禍とする戦争国家化への危機管理体制の強化などは一本の糸で繋がっている日帝の侵略戦争国家体制強化への攻撃である。

【職場の団結から労働者 兵士の団結へ】
世界大恐慌下、全世界的で帝国主義ブルジョアジー・翼賛国会・体制内指導部VS全労働者階級との非和解的な対決構造が、日々、明らかになってきている。
30年代恐慌時がそうであつたように帝国主義ブルジョアジーは、「国益と排外主義」「保護主義と自衛権」などをかかげ、一方では「職と住」を奪う大失業攻撃 を激化させ、「青年労働者の生きる道は軍隊だけ」という攻撃をすでに開始している。
だが新自由主義破綻の世界大恐慌に震えているのは帝国主義ブルジョアジーと体制内指導部、そしてその追随者である。
「戦争・改憲と民営化・労組破壊」攻撃粉砕の闘いと一体で4大産別を先頭に全ての職場・生産点をプロレタリア革命の拠点と化し、職場・街頭を軸に 厚木、小牧、宇都宮現地闘争を大爆発させ5月陸海空ソマリア派兵・P3C派兵阻止の反戦闘争を爆発させよう!
職場・学園での団結を労働者兵士との団結へ!労働者と兵士の階級的団結の力で世界大恐慌をプロレタリア革命に転化しよう!麻生・オバマ打倒!6・14ー15連続闘争に起とう!

「ミサイル迎撃」戦争態勢許すな! 榎本(京都会員・ユニオン自立)

4・17日経夕刊によると、「ソマリア沖派兵関連で新たに海自P3C対潜哨戒機2機と空自空輸部隊と陸上自警備部隊の5月中派兵に向けた準備命令が発令された」
これはこの間の「ミサイル迎撃指令」以降の戦争態勢の激変を意味する。世界金融大恐慌下の危機の中で日帝は「外への侵略戦争態勢作り」と「国内の労働者への階級戦争」とも言うべき民営化・労組破壊の攻撃を激化させてきている。
4月5日に打ち上げられた北朝鮮の「人工衛星ロケット」は、日本の上空3~400kmの大気圏外を通過し太平洋上を東方に飛んだ。
政府は3月27日、浜田防衛相に「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令させ陸海空自衛隊3軍は迎撃態勢に入った。
【臨戦態勢発動】
戦争発動に等しいこの軍事作戦は3月14日に呉を出航した海自ソマリア沖派兵と一体の戦争政策の新段階だ。07年以降、配備してきた弾道ミサイル防衛システム(BMD)の初の発動だ。
日本海には海上配備型迎撃ミサイル(SM3)積載のイージス艦、地上では地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を防衛省はじめ秋田、岩手両県などに配備した。陸自も「災害発生」の名目で部隊を配置した。
政府はこの一大軍事行動を大々的に公開し「ミサイル迎撃」キャンペーンを満展開した。麻生派議員は「これをうまくやれば支持率が上がる」「神風だ」と公 言。金融大恐慌にのた打つ麻生政権は、起死回生の逆転を民主党小沢への国策捜査とこの「ミサイル迎撃」キャンペーンにかけた。
自治体労働者を動員した東北地方での住民防災無線による「ミサイル実況中継」。資本家階級の広報機関=NHK などを使って、「北朝鮮脅威」「国難」を煽り、「非常時」の挙国一致を扇動した。これは道州制攻撃そのものでもある。
そもそも北朝鮮の「人口衛星ロケット」打ち上げとその予告は、米オバマ新政権への交渉メッセージであり、国内支配体制の強化と武器輸出拡大のための演出でもある。
しかし、今回の「ミサイル問題」の最大の問題はどこにあるのか。それは北朝鮮の種々の動向を口実にした日米帝国主義による体制転覆ー北朝鮮侵略戦争策動だ。そしてその占領と支配を足がかりに中国スターリン主義の体制転覆、中国の帝国主義支配をも狙っている。
【社共体制内指導部の  戦争翼賛化】
27日発令の「迎撃命令」後の31日の衆参両院本会議の「ミサイル決議」。この決議への社民党や共産党の支持は「迎撃」そのものへの支持であり戦争翼賛勢力化そのものである。
共産党は『赤旗』や街頭で「危機管理能力の確立を!」「自衛隊しっかりしろ!」と絶叫を繰り返している。「迎撃能力」や「自衛隊の探知能力」「誤報(情報伝達)問題」について流されている議論を誰が喜ぶのか。
事実、元首相安倍を先頭に日帝内部で「敵基地攻撃論」や「核武装論」が再燃している。
【日米韓朝鮮侵略戦争  態勢を許すな】
また5日からの韓国国会では、韓国による射程300km以上のミサイル開発を禁じた01年の「米韓ミサイル指針」の見直す趣旨の答弁を首相と国防相がしている。
今回の軍事作戦はまた日米韓合同作戦だった。判明しているだけでも、米早期警戒衛星、米戦略偵察機コブラボール、在韓米空軍の戦略偵察機U2、空自EP3 偵察機、イージス艦は海自が3隻、韓国の「世宗大王」、米のBMD艦数隻。青森の空自基地の「Xバンドレーダー」や全国4ヶ所の高性能レーダー「EPS3 改」などが展開した。
これはこの間進められている米軍再編・日米同盟再編と一体だ。その核心は座間の米軍4軍前線司令部化。自衛隊中央即応集団司令部と在韓米軍の座間司令部への配置・編入にある。
政府防衛省は海自P3C対潜哨戒機の増派と陸自・空白=3軍の派兵も打ち出している。侵略戦争と戦争政策の強化・拡大を一気に進めている。断じて許してはならない。
敵はソマリア人民でも北朝鮮でもない。戦争で労働者と家族そして兵士の命を奪い、首切りで職を奪い命を奪う資本家どもの「戦争・改憲と民営化・労組破壊」と闘おう。
世界的につながった労働者階級の闘いによって真の強盗どもを打ち倒さなければならない。自衛隊兵士は労働者階級の同志としてこの闘いに合流しよう。「生きさせろ!」ゼネストへの一歩を全国で共に実現しよう。
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掲示板 本の紹介
『新版 甦る労働組合』 中野洋著(出版: 編集工房 朔)  定価1890円

“労働者を軽んじ、軽蔑する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てる”

確かに資本主義末期、「悲惨」な事件が続発している。気分が暗くなることばかり・・『甦る本』はこれから「何かしたい」と考える労働者にお勧めの書であることに間違いない。
動労千葉を指導していた中野氏の労働組合論が現在の情勢とマッチした形でテンポ良く展開されている。論というよりは中野氏の「生き様」として表現されてい る。「生き様」で比べれば松崎明(や4者・4団体派指導部)と中野氏とは対比鮮明である。この本を通じて自分が労働者であることの誇りも取り戻せる。極め てシンプルな提起、「労働者を軽んじ、軽蔑する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てる」なるほど!・・昨今は労働者に対して「自己責任」「スキル アップ」みたいな風潮が流布されているが、労働者階級こそ分断をはねのけて団結すれば、資本主義を打ち倒して、無限の力を発揮できる階級であることを改め て中野氏は提起している。
また、本書は国鉄決戦の基軸性を新たに3・25反動判決情勢のなか、動労千葉を先頭に国鉄闘争の爆発が革命に直結するほどのデカさもっていることを動労千 葉の歴史を通じて明確に証明している。民営化・道州制の攻撃に対して、動労千葉のように労働者の無限の力に確信して闘えば、必ず勝利できる。(河)

【著者紹介】

中野 洋
1940年東京生れ。59年国鉄入社。63年動労千葉地本青年部長。73年地本書記長。79年動労本部から分離・独立。国鉄千葉動力車労働組合結成に参 加。同書記長。83年同委員長。85~86年分割・民営化反対ストを指導。現在は動労千葉常任顧問、労働者学習センター代表

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「生きさせろ!」と不当解雇を闘う女性自衛官と団結しよう!

前 号会報にて報告しました女性自衛官に対して、新たに不当な攻撃がかけられてきました。自衛隊は2年ごとに任用更新を行います。1月30日、次期も自衛隊で の勤務を希望していた原告に対して再任用を拒否し、3月21日をもって、退職と通告してきました。健康診断もクリアし、職務も問題なく遂行していました。 前日には原告の 4月からの勤務についての打ち合わせも行われており、自衛隊は、再任拒否の理由すら明らかにしていません。
この再任用拒否が、もし、原告の裁判、もしくは裁判に関わる言動を問題にしたものであるのなら、憲法32条で保障された裁判を受ける権利に対する重大な侵害であるとし、「女性自衛官の人権裁判を支援する会」を中心に抗議の声をあげています。
都合の悪いことに対して隠蔽し、個人の責任に転嫁する。このように政府の体質は全く変わっていない!絶対に許せないことです。この原告にかけられている解雇攻撃は、わたしたち労働者にかけられている攻撃と同じです。ともに団結しましょう!
次回公判は5月21日(木)です。新しい情報など詳しいことは、下記まで。
「女性自衛官の人権裁判を支援する会」 http://jinken07.dtiblog.com/

会報 第15号

第15号 2011年9月10日発行

新自由主義を打倒し原発も、非正規・失業も、戦争もない労働者・兵士の社会をつくろう!

労働者・兵士・農民の真の敵は新自由主義だ。福島第一原発の爆発で労働者・兵士、農民が殺され、さらに日本中の労働者・兵士、農・漁民が放射線被曝で命の危険にさらされ、その危険性は世界中に及んでいる。一方、世界恐慌と大失業・解雇で膨大な労働者が、生活のためのすべての手段を奪われ、資本によって殺されている。これらの現実のすべてが、極限的に破綻している資本主義・新自由主義の現れだ。新自由主義が全労働者階級人民の命と未来を奪い、生きられないところに追い込んでいる。
福島第一原発事故は深刻化の一途。そもそも人間に核・原発を制御する力はない。8月1日、1~2号機の原子炉建屋の間で毎時10シーベルト検出。8月2日、1号機原子炉建屋2階の空調機室で毎時5シーベルト以上が検出。6月4日、1号機建屋1階で毎時4シーベルト検出。要するに悪化の一途だ。先日、被曝労働者が急性白血病で死亡。東電は原発との「因果関係はない」と開き直っている。
福島第一原発からのセシウム137の放出量は広島原爆の168・5個分に相当すると報道。文科省は8月19日、警戒区域の内、8市町村50地点で、1年間の積算放射線量の推計値を初めて公表した。最高は原発から3キロの大熊町小入野の508・1ミリシーベルト、年間許容線量の500年分に相当する。人が住めない汚染地域が拡大している。子供たちに低線量被曝の発症が急増しているという医師の報告。要するに福島第一原発事故は収束とは真逆を進んでいる。首都圏の汚泥や焼却灰も高放射能で汚染され、処分もできない。労働者階級人民はこれら全ての現実を曖昧にすることはできない。
原発事故と大失業の中で労・兵・農民が真に生きぬこうとした瞬間から闘いが始まる。闘いは団結を産み出し、労・農・兵の団結は、腐敗したこの社会を根底から変革する無限の力を生み出す。その強くて広い力=組織と運動の発展がプロレタリア革命である。
郵政職場の60%は非正規。非正規職の90%は外注化が生み出し、職場の安全も崩壊している。被曝労働と戦争は、資本による労働者・兵士の使い捨ての極致だ。
核心は、原発・核も、非正規職や失業者も、戦争もない社会を、労働者・兵士・農民が団結して、協同で建設することである。その社会建設の始まりは職場の闘いから始まる。そして職場生産点で資本と非和解的に闘い、新自由主義を打倒する戦いの武器は、ゼネストで闘う労働組合と労働者の団結だ。
今、子供の命が危ない。これはわれわれの責任ある現在の問題だ。フクシマの新たな怒りと結びつき全労働者の未来を拓くために一歩も引かず、全原発を廃炉に!そのために新自由主義を根底的に打倒しよう!この決起は革命である。これが労働者階級人民と人類が生きぬくための唯一の歴史的選択だ!
11・6日比谷公園を 労・兵・農民で埋め尽くそう!(滝山)

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シンディー・シーハンさんとともに労働者・兵士は団結して社会を変えよう!

京都・三尾

 この夏「反戦の母」と言われ、反戦運動の象徴的存在でもあるシンディー・シーハンさんが来日。ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、そしてフクシマの闘いに連帯しともに闘かわれた。
シーハンさんとの連帯した闘いは、アメリカの労働者との連帯であり団結した闘いでもある。

「反戦の母」の闘い

シーハンさんの闘いのきっかけは、イラク戦争で息子を亡くしたことにある。
04年4月4日、24歳になる息子ケーシーがイラクのバクダット郊外サドルシティーで戦死した。シーハンさんは、「発言する兵士家族の会」の一員となり、他の遺族とともに前大統領ジョージ・ブッシュと会見。05年1月、「平和のための戦死者家族の会」を設立し、ブッシュ政権の戦争責任を追及して、米軍の即時撤退を求める運動を開始。3月にはイラク開戦2周年目の闘いの先頭に立ち、また戦争のための納税を拒否して税金の不払いを宣言している。
8月には、「弾劾ツアー」と掲げたバスで、ブッシュが夏の休暇を過ごす保養地テキサス州クロフォードに支援者とともに押しかけ、道ばたにテントを張って「キャンプ・ケーシー」と名付けて座り込み闘争を始めた。
9月には、ホワイトハウス前で抗議活動をおこなった。

息子ケーシーの入隊動機

 ケーシーの入隊動機は、「家族に負担をかけまいと、大学の授業料を自分で稼ぎたいという思いだけで軍隊に入隊した」(シーハンさん)という。
米国では、ケーシーと同じ動機で入隊する若者が多い。
自衛隊でも、定時制の大学に通うために入隊する者も少なからずいる。国防を理由に入隊する者もいるが、多くの隊員は、資格取得のためや、特に地方では働き口がなく、特別職国家公務員として保障されるために入隊するケースも多い。
この不景気の中で、任期(陸上は2年単位、空・海は3年単位)退職する隊員が少なく、高齢化が進んでいるのが今の自衛隊の現状である。
米兵にしろ、自衛官にしろ入隊動機は、戦争をする、したい、という目的で入っているわけではないということだ。       しかし、隊内での国防意識を高める教育や治安訓練と称して、闘う労働者を敵視させることで、国に都合のいい駒に仕立てられていく。そのことが、労働者と兵士の合流を阻んでいる。

  アメリカも日本もおかれている状況は同じ

 シーハンさんは、反戦運動に精力的に取り組んだ。しかし、反戦運動の指導部は、「よりまし」論で、当時野党であった民主党を支持・投票しようとする路線をとっていた。それが、シーハンさんの葛藤を大きくさせていった。
ブッシュ政権にかわって民主党が政権をとれば、アフガン・イラク戦争が解決すると言う口実だ。しかし、そうではなかった。シーハンさんは嘘を見抜いていた。今のオバマ政権は、さらに米兵を増派して戦争を拡大した。それにより、アフガン・イラク民衆の犠牲がさらに増えた一方で、兵士たちも犠牲になった。なんら解決はしなかった。
そのようなことは、この国でも同じことが言える。
昨年の選挙では、自民党より民主党のほうが「よりまし」と選択した人も多いだろう。しかし、政権交代したからといって、日本の状況が良くなっただろうか。むしろ、悪化の一途をたどっているのが現実である。
普天間の基地移設問題では、裏切りを平気でし、開き直ったあげく、基地を沖縄に押し付けようとしているのが今の民主党政権だ。
「よりまし」論を選択したのがこの始末である。
シーハンさんは言う。「二つの悪のうちまだましでも、悪であることに違いはない」(ウィスコンシン州のウォーカー知事の不当な労働者への政策に対し、実力闘争で闘っている労働者にあてたメッセージの一部より)
「よりまし」でも、悪である以上それを選択することは、さらに自分たちを苦しめる道を選択するということだ。

「労働者階級の一員」としてシーハンさんとともに闘おう!

 シーハンさんは、現オバマ政権となった今日でも、兵士の息子を亡くした母として闘っている。しかし、単なる兵士の母としてでなく、労働者階級の一員として闘い続けている。
今回の8・6ヒロシマ大行動の集会発言では、「アメリカは民主主義国ではない。帝国主義の独裁政権だ。原発を廃止するためにも戦争をやめさせるためにも必要なのは革命です。唯一必要な闘いは階級戦争です。私たちが闘いをやめない限り、敗北することはけっしてありません。くじけない限り、必ず勝利します」と訴えた。
シーハンさんは、08年のILWUローカル10が主導した西海岸全港湾の封鎖闘争を全面的に支持して闘った。また、翌年の動労千葉が参加したサンフランシスコ労働組合国際会議に出席し、労働者の力で世界を変えることを訴えている。
今年7月のサンフランシスコのレーバーフェスタの中での集会では、「労働者へのこれ以上の攻撃を許すわけにはいきません。階級戦争には反撃しなければなりません。この階級戦争のために『労働運動のルネッサンス』が必要です。ブルジョア政党が抑圧しても、労働運動指導部が抑圧しても、労働運動のルネッサンスを実現する力がわれわれにはあります。われわれが闘う戦争は、階級戦争だけです。われわれは反撃します」と宣言している。
シーハンさんの闘いは、私たちと一致した闘いである。この国際連帯の闘いを自らの足元から拡げていこう!
(写真 クロフォードに立つシーハンさん)
(写真 05年9月、ホワイトハウス前で抗議中、真っ先に逮捕された。胸の写真は戦死した息子。370人が逮捕された

(写真 イラクからの撤兵を訴えるシーハンさん【オレゴン州サレム市 2009年5月】)
(写真 ヒロシマ大行進の先頭に立つシーハンさん。反戦被爆者の会の下田礼子さん、ビキニ被爆者の大石又七さんらと並ぶ

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原発再稼動阻止! 野田政権打倒!

今こそ、闘う労働組合の復権と自衛隊解体・兵士獲得の闘いを!

東京・杉橋

11月、巨万人民の総決起を!

戦争なんかしている場合じゃない!金の問題じゃない!命と未来がかかっているのだ! 原発と大失業に生活も未来も奪われたフクシマの怒りと結びついた労働者人民の怒りと闘いは、ついに菅政権を打倒した。しかし、代わって登場した野田政権もあくまで原発推進であり、階級的労働運動の圧殺を企み、戦争と大失業を強制しようとしている。原発再稼働阻止!野田政権打倒!国鉄決戦を基軸に反原発・反失業の9ー10月決戦を大爆発させ11月巨万人民の総決起をなんとしても勝ち取っていこう!

人間の未来を返せ!国際的大運動の開始

「故郷を返せ!」「家族を返せ!」「未来を返せ!」「原発なくせ!」「人間を返せ!」。フクシマの怒りと結びついた8月のヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・オキナワの闘いは、青年労働者・学生を先頭に国鉄闘争を基軸に反原発・反失業の国際連帯を勝ち取り、新自由主義攻撃を打ち破ぶる国際的大運動を開始した。闘う労働組合を全国に甦らせ、労働者民衆の階級的団結で、職場支配権をもぎり取り、職場も世の中も根本から変えていこう!その闘いの隊列に、今こそ軍服を着た労働者=自衛官・家族との団結を勝ち取り、階級的労働運動の爆発的重層的前進を切り開こう!

3・11東日本大震災と福島第一原発事故に史上最大規模の陸・海・空自衛隊、さらには、予備自衛官も動員され、その働きぶりを称賛する声は多い。けれど、政府・自衛隊がやった事は、広大な被災地を戒厳令下に置き、「挙国一致」の「政治休戦」を労働者・住民に強制し、被災者救出作戦という治安出動を展開したのである。原発事故収束作業に関わった部隊はほんの一部に過ぎない。自衛隊には「特殊武器防護隊」があり、米軍には「CBIRF」がある。しかし、原発事故収束作業に直接関わり被爆労働をしているのは、名も無い下請け労働者たちと下級兵士たちである。

原発=核問題に安全基準はない

被災地に派遣された自衛隊は、7月末には撤収が基本的に完了し、現在は150名の原発対処部隊の態勢が維持されている。8月下旬から9月にかけて、大震災と津波を想定した全国各地での地域住民を動員した「防災訓練」や、冨士演習場などでの総合軍事演習を展開した。しかし、原発事故を想定した自衛隊参加の「防災訓練」は皆無である。原発を抱える道と県では、原発事故を想定した防災訓練は約70%が「出来ない」「決まっていない」と答えている。国家として原発事故を想定した防災指針がまとまっていないのだ。 そもそも、原発=核問題であり、安全など無いのだ。国や電力資本は安全を無視し、利益優先でやってきた。事故隠し・データ改ざんが日常化し、現場労働者は被曝を前提に働かされてきた。もともと地域住民の安全など眼中に無かったのだ。政府や電力資本、御用学者らの言う「安全基準」は、あくまで原発推進を前提としたものだ。地域住民の被曝を最小限に食止めるための、また「廃炉」にするための「安全基準」など無いのだ。

労働者階級の一員でありながら、階級の利益と相対立する兵士

 被災地に派遣された自衛官にとって、被災者救出や遺体の捜索は重要な任務ではあるが、自衛隊の組織力で原発事故・被曝から広大な地域の膨大な数の住民を守ることなど絶対に出来ない。何故なら、そのような目的で自衛隊が存在している訳ではないからである。 自衛隊は、あくまで天皇を頂点とした資本家階級の利益とその体制を守るために存在し、戦争と治安のために存在している。自衛官は、労働者階級の一員でありながら、労働者階級の利益と相対立して存在している。自衛官の中には福島出身の自衛官もいて、家族や仲間が被災し、家族がいまだ行方不明のままの兵士も多くいる。

3・11は資本主義・帝国主義の極限的腐敗の姿と、帝国主義軍隊としての自衛隊の本質と現実をも突き出した。一瞬にして家族や仲間を失い、さらに原発事故・放射能汚染の拡大によって被曝させられ、生活も将来も奪われたフクシマの根底的怒りの爆発。その矢面に自衛官達も否応なく立たされたのである。「自分は、今なにをしているか」「自衛隊は何のためにあるのか」「政府や東京電力は無責任過ぎる」「国益とは何か」「国を守るとは」「原発とは」「放射能とは」等、彼ら自衛官も労働者同様に考えさせられたと思います。

兵士の声

以下は、3・11東北大震災で「災害派遣」で現地に派遣された陸上自衛官達のインタビューが雑誌に掲載されていたものである
「なんで、こんなことになったのかと、悲しかった」「自衛隊にも救助犬が十分な数だけ必要だと痛感しました」「原発の警戒区域での捜索活動は防護服などを着用するので、ストレスです」

「放射能のことについてはなるべく考えないようにしました。自分一人で捜索するなら怖いでしょうが、皆と一緒なので平気でした」
「もちろん遺体を収容する訓練など受けていません。あまりのことに、どう言葉にしていいのか解りませんでした。」
「生なましく、ショックをこらえるだけで精一杯だった」「うれしかったのは、地元のおばあさんから『頑張ってね』と飴玉を手渡されたこと」

兵士の「反乱」

自衛隊側も隊員のメンタルケアを担当する専門尉官を投入し、個別カウンセリングを実施している。しかし、そのような中で、過酷な任務に耐えられず、部隊を離脱して逮捕された自衛官や、部隊離脱して被災現地でボランティア活動をしていた自衛官もいた。軍隊で言えば「敵前逃亡」であるが、国家的任務としての災害派遣が実は実戦そのものの「治安出動」であることに、異を唱えるある種の「反乱」である。

労働者・兵士は団結し、共に闘おう!

3・11東日本大震災と福島第一原発の大事故発生から半年。原発事故は収束しておらず、放射能汚染は拡大している。フクシマを始め労働者人民の怒りの爆発に菅政権は打倒された。高濃度汚染の実態が次々と暴露され、福島第一原発の大事故がチェルノブイリをはるかに越える史上空前の原発災害であった事が暴露され、この重大事態を日帝・菅政権と東電資本は3・11直後に把握しながらひた隠しに隠し「ただちに健康に影響はない」とデマを流し続け、膨大な住民を被曝させたのだ!絶対に許す事は出来ない!
闘う労働組合が先頭に起ち、原発推進か全原発の廃止かをめぐる大激突に9・11ー9・19反原発大闘争の大爆発を叩き付け、11月労働者集会の巨万の総決起を勝ち取ろう!自衛官の皆さん!この歴史を分かつ階級激突に労働者階級の一員として団結し共に闘かおう!
(写真 除染所の洗い場で洗顔除染する隊員【南相馬市の除染所で 7月9日】)
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8・6 天神峰現闘本部破壊弾劾!

フクシマの怒りと結合し、市東さんの農地を守りぬこう!

 Rise読者の皆さん、また何よりも被災地動員や福島原発事故対応、そして激しい演習の中で日々苦闘し、怒りを蓄積している自衛隊兵士の皆さん、決戦の三里塚より連帯のあいさつを送ります。
皆さん、僕は、8月6日の天神峰現闘本部破壊の暴挙に対し、怒りを抑えることができません。この日の未明(午前3時頃)、権力・NAA・裁判所は一体となって、天神峰現地闘争本部の破壊を強行しました。現闘本部は1966年7月の建設以来、90年の成田治安法による封鎖をもってしてもなお、市東さんの農地とともに、成田空港の完成を現在に至るまで阻み続けてきたのです。特に現在係争中の裁判において、現闘本部は反対同盟の所有権と地上権を証明する現物=証拠物そのものなのです。こんなデタラメが許されていいのでしょうか?これは「証拠隠滅」ではないのですか?国家による犯罪です!
この日午前中、反対同盟を先頭に僕たちは、市東さんの畑近くで、怒りを込めて弾劾行動を行い、シュプレヒコールをたたきつけて闘い抜きました。闘い後の報告集会で、北原事務局長は「今日の闘いは勝利した。反対同盟の反権力思想は打ち砕かれていない!闘いはこれからだ!」と勝利感いっぱいの提起をおこない、また萩原事務局次長は「3・11情勢下で権力が8月6日ヒロシマ闘争にぶっつけて現闘本部破壊をやらざるをえないところに追いつめた!反対同盟の魂は燃えています!」と烈々と述べました。そして駆け付けた動労千葉組合員と、全学連現地行動隊の決起の中に、これからの三里塚闘争の発展と勝利を確信しました。

3・11情勢は、大震災がもたらした災厄と原発事故そのものが反革命であると同時に、日帝支配階級の中曽根以来の新自由主義攻撃の大破綻を示しています。この絶望的な危機にのたうつ日帝は、延命を策してただたださらなる新自由主義攻撃を激化させざるをえません。だから労働者も、農民も漁民も、学生も、もちろん兵士も、生きるために、自分たちの権利と生活を守るために、ギリギリのところからの権力・資本との闘いに決起していくのです。
「フクシマの怒り」として今猛然と爆発している3・11への、とりわけ原発への怒りは、日帝権力、東電資本、裁判所、御用学者・マスコミ等々に対する非和解的怒りであり、社会を根本的に変革(革命)するまで止むことのない闘いです。このフクシマの怒りが、国策に対して45年間にわたり徹底非妥協で闘い続けてきた三里塚闘争と結合すること―これこそが権力が最も恐れていることにほかなりません。

軍服を着た労働者である自衛隊兵士の皆さん、皆さんが被災地に、また原発事故の現場に動員され、目の当たりにした現実、これこそがあなたがたが「守るべき国家」とされている日本の姿です。規制緩和、民営化、労働組合の破壊、地域切り捨ての行き着いた姿がここにあります。そして軍事空港建設のために農地を奪い、生活を破壊したナリタの姿も同様です。
労農同盟の強化・発展こそが、この現実を打ち砕く決定的武器です。労働者は組合を武器に!農民は農地を武器に!兵士は労働者階級の一員そのものです。共に闘いましょう。市東さんの農地を守りぬきましょう!10・9三里塚全国集会に来てください!(三里塚・海人)
(写真 現闘本部破壊に怒りを叩きつける同盟と支援)
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3・11情勢下の防衛白書

2011年版防衛白書が、8月2日の閣議で了承された。資本と政府は大震災と原発大事故の危機の中、犠牲の一切を労兵士・農漁民に押し付け、白書では「北朝鮮と中国の脅威」と「中国敵視」を中心に据えた。
【原発輸出の継続】  全国9つの電力会社が地方経済を牛耳り2兆円ともいわれる電力利権を食い物にしてきた。その結果30~40万人が原発労働で被曝。「労働者を使い捨て、殺す」のが資本主義・新自由主義であり原発労働はその極致だ。政府と連合指導部は原発の再稼働を策動している。8月5日には「原発輸出の継続」を閣議決定した。ベトナムとの実務者協議も再開しトルコ、ヨルダンへの輸出も狙っている。アジアや世界にフクシマを拡散しようというのだ。断じて許してはならない。
【対中対決の前面化】 防衛白書の第1部「わが国を取り巻く安全保障環境」では、中国の初の空母保有や外洋での活発な活動を列挙し近海防御から外洋展開への戦略転換に警戒感を示し、「東シナ海(ママ)や太平洋といったわが国近海」などでの「活動領域の拡大」と中国との対決姿勢を強めている。また北朝鮮については「核兵器計画が…重大な脅威…断じて容認できず…軍事的挑発行為…予断を許さない状況」と北朝鮮への先制攻撃すら促す内容だ。昨年11・23の延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦が8月10日再度起きた。米日韓の中国・北朝鮮への侵略戦争の決定的な進展がここにある。

【対中国シフトの「動的防衛力」】
第2部では、「高度な技術力と情報能力に支えられた『動的防衛力』を構築する」「南西地域も含め、警戒監視、洋上哨戒、防空、弾道ミサイル対処、輸送、指揮、通信などの機能を整備し防衛体制の充実を図る」と対中国シフトそのものである南西諸島防衛重視の方針を打ち出している。

【自衛隊の軍事力行 使宣言】
8月10日の参院沖縄北方対策特別委で当時の官房長官枝野は釣魚台(尖閣諸島)は日本がすでに「実効支配している」「他国が侵略してきたら、あらゆる犠牲を払ってでも自衛権を行使しこれを排除する」と述べた。略奪した「領土」と資源の確保に戦争的事態も辞さないというのだ。
【大震災への自衛隊 と米軍の総力出動】
白書の巻頭では「特集」として「東日本大震災への対応」を掲げ自衛隊と米軍「トモダチ作戦」の共同作戦の側面を特に強調している。防衛省など3ヶ所に日米調整所を置き、日米防衛協力の指針にある有事の調整メカニズムを事実上発動した。白書は今回の共同作戦を日米共同の侵略戦争体制での調整・指揮・統合運用の前進として総括し、更なる強化を宣言している。

【防衛の重点地域「沖縄」と「首都」】
白書と一体で5日、防衛省は「防衛力の実効性向上のための構造改革に向けたロードマップ」を発表した。首都圏と南西諸島を自衛隊配備の重点地域とし有事の際の民間の輸送力活用も打ち出している。「民間の活用」とは国家総動員体制(今回の白書は無料電子版と漫画版も作成)の前段だし、かつてない「首都圏防衛」の強調には階級の新たな大流動に対する内乱鎮圧=治安出動態勢の再編強化がある。支配者階級は被災地人民の根源的怒りと労働組合的団結の前進に震撼している。まさに戦争か革命かが問われる時代だ。敵はやつらだ。打ち倒そう。
「何度も心が折れるような衝撃」を受けたという遺体捜索や原発対応で自衛隊兵士の中に大流動が起きている。労働者兵士との合流の闘いは労働者の緊要の任務だ。「使い捨て」に対する労働者としての怒りを先ず共有し労働者兵士との合流の闘いを切り開いていこう。
職場、学園、街頭、そして兵士との団結で、11・6労働者集会に万余の結集を実現しよう。(京都 岐部)

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労働運動のルネッサンスを!

解雇撤回・基地撤去・全原発廃止の闘いは、ひとつ!

比嘉 誠(基地労働者)

3月11日に発生した東日本大震災は、労働者人民に襲いかかり大惨事となった。これは断じて天災ではない。新自由主義がもたらした階級的犯罪に他ならない。
福島第一原発の爆発と大量の放射能漏れによる、とくに子供たちへの被曝は深刻で重大な問題だ。子供たちの生命を守り未来を取り戻すために保護者をはじめ教育労働者を中心に東京電力・政府を追及する闘いが取り組まれている。原発労働者は大量の放射能を浴びながら命を削り、原発事故の収拾のために必死に闘っている。しかし未だに収束のめども立っていない。放射能汚染の実態が隠蔽されている。政府と東電資本は「安全」を繰り返し、御用学者やマスコミも動員しながら「この程度の放射能は今も将来も身体への影響はない」などと大ウソを言い続けている。
九州電力につづいて、北海道電力でも「やらせ」が発覚し、泊原発の再稼働に動き出している。今このときにも、福島第一原発によって何十万、何百万という人々が放射能汚染に曝されている。こんな腐れきった連中にいますぐ引導を渡そう! すべての原発は即時停止・廃炉しかない。資本主義は原発によって成り立っている。原発労働者、とりわけ非正規の原発労働者の日常的な被曝(まさに命を削って)によって原発は維持されているのだ。こんな原発によってしか成り立たない資本主義社会と国家こそ打倒されるべきだ。

 8・11シンデイ・シーハンさんの講演集会は、〈基地〉と〈原発〉に対する闘いはひとつであり、反原発の闘いがみずからの課題であることを示した。
今、米軍基地の再編・強化による大量解雇攻撃が基地労働者に襲いかかろうとしている。基地労働者が闘いに立ち上がるとき、沖縄の闘いは必ず爆発する。基地労働者の闘いは「日米安保」に直結する闘いだからだ。基地労働者が基地労働者として生きるためには、「解雇撤回・基地撤去」=「首を切るなら基地を返せ」と闘うことだ。基地労働者こそ基地撤去の闘いの中心部隊であり、原発労働者も「全原発を廃炉へ」の闘いの主体そのものだ。
動労千葉物販の職場での取り組みを通して「動労千葉を支援する基地労働者の会」を立ち上げ、解雇攻撃に絶対反対で闘ってきた。基地職場のなかから基地労働者の団結をつくりだせば、基地撤去を実現する巨大な力にかならず転化していく。闘う労働組合を甦らせることはすべての労働者にとって実践的な課題だ。

原発労働者は日々、被曝労働を強いられている。厳密にいえば命をかけての労働だ。労働者は労働力を売っても命までも売り渡してはいない。1971年の米軍基地からの毒ガス移送に対し、当時の基地労働者(牧青)は自分たちと住民の命を守るためにストライキで闘った。「労働力を売っても命は売らない」は、当時の闘いのスローガンだ。
シンデイ・シーハンさんは「労働運動のルネッサンス」こそが必要だと発言している。そしてそれを実現する力はわれわれのなかにある。われわれが闘う戦争は階級戦争だと言っている。新自由主義は破綻し大不況と大失業が全世界を覆っている。資本主義はもはや命脈が尽きている。青年労働者や労働組合が、エジプト革命のようにあらゆる闘いの先頭に立っている。まさに「労働者の闘いと国際連帯の力」で決着をつけるときだ。
(写真 シンディ・シーハン 8・11 沖縄講演集会)

会報 第14号

第14号 2011年7月10日発行


no14

フクシマを返せ!!  反失業・反原発!
6.5国鉄大集会から激闘の7月へ! 8月大行動へ!!

【宮城県沖地震と大津波は想定されていた】

 自衛隊3軍の統合運用は、今回の大震災で初めて実施。仙台の陸自東北方面隊総監部(仙台市)が陸海空3軍10万6千を統括・指揮した。
実はこの東北方面隊総監部が、今から2年半前「MG8・0の宮城県沖地震、震度6強、大津波発生」を想定、隊員の半数と全部隊参加で災害実動訓練「みちのくアラート2008」を実施していた。
「近い将来、発生するとされる宮城県沖地震を想定し。・・・31日(1日も)、岩手、宮城両県の22市町に東北6県の隊員約1万人や車両約2千台・・・。災害訓練では最大規模」(08年10月31日『産経』)。 想定しているではないか。何が想定外だ。ふだけるな!

【被災地の怒りと結合した6・5国鉄大集会】

被災地の怒りが新自由主義の支配を突き破り、怒りの行動が全国に波及している。その中心には自ら被災しながら被災者の生命と生活を守るために奮闘している4大産別の労働者がいる。
動労千葉は大震災後、直ちに「声明」を発し、「仙台市役所・動労千葉を支援する会」はじめ宮城や福島の仲間を中心に「震災解雇を許すな!」の闘いを開始した。

【6・5で国鉄決戦と反原発闘争を宣言】

30年におよぶ地方切り捨てと核・原発政策の促進、膨大な労働者の非正規職化、沖縄階級闘争への攻撃、これらは労働組合への分断・解体攻撃と一体で進められた。  解雇撤回の国鉄闘争と反原発闘争・反失業闘争・沖縄闘争は一体である。国鉄全国運動の展開の中で、非正規職青年労働者が全国的闘いを開始した。沖縄基地労働者も国鉄闘争の旗を高く挙げた。

【核・原発と被曝労働を許すな!】

原発事故の現場では非正規の労働者が殺人的な労働条件のもとでメルトダウンと闘っている。放射能汚染で福島県の瓦礫は90%以上が放置。原発対応や 南北600キロに及ぶ被災地の破壊された遺体の捜索など軍服を着た労働者、自衛隊兵士の過酷な任務。
「労働者は物じゃない!」。労働者や兵士に使い捨てと死を強制する奴隷労働への労働者の回答は労働者の団結と労働組合の再生です。  兵士の皆さん。この労働者解放の闘いの中で出会いましょう。共に闘いましょう。

【大震災情勢と「5月転換」の大反動と6月の激闘】

08年のイージス艦「あたご」事件。防衛省も自認の「有罪」を逆転させた5月11日横浜地裁無罪判決。同日、国鉄全国運動の呼びかけ組合・関西生コン支部13名不当逮捕。5月20日、東京高裁構内で一挙50名逮捕の三里塚闘争弾圧。これらは資本とその国家・軍隊の前に立ちはだかる者は蹴散らし殲滅するという攻撃であり、大震災情勢下、労働者本隊や農民・兵士と動労千葉派との結合への権力どもの心底からの恐怖だ。 「福島を返せ!」「敵を許すな!敵は倒せ!」これが資本と番犬どもへの被災地労働者の声です。
6・5大集会の大成功を決定的な階級的土台として6・11反原発全国行動と6・19フクシマ大行動は大爆発しました。
激闘の7月、職場・学園・街頭から8月大行動へ!(岐部)
(写真 【 6.19怒りのフクシマ大行動。林立する組合旗!学生旗!】)

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階級間戦争に勝利し、全原発の廃炉を!

反原発・反失業・階級的労働運動路線の一体的推進でプロレタリア革命へ!

東京・滝山

【労働者は、原発で殺されてはならない】

悪化の一途をたどる福島第一原発事故の現実は、日帝支配階級の危機の深化として進行している。そしてこの現実は、世界のすべての労働者階級人民に、例外なく、「核と原発」の即時廃止か存続かの歴史選択を突きつけている。それが、どのように困難な道であろうとも全世界の労働者階級人民の選択肢は、「全原発の即時停止・廃炉」以外の選択はない。すでにドイツ、スイス、イタリアでは原発廃止が労働者の意思として動き始めている。日本の世論調査の結果でも「82%が原発廃炉を希望」である。普遍的な真理は
核と原発存続の中には労働者階級人民と全人類の未来はありえないということだ。
6月4日、1号機原子炉建屋1階で事故後最高の毎時4000㍉シーベルト(※以下、表示のない単位は㍉シーベルト)の放射線量が測定された。5月13日の測定時は2000である。また東電は汚染水浄化システムで汚染汚泥が7000以上になる可能性を明らかにしている。
3月14日午前5時03分時点の3号機については、「測定結果は毎時140シーベルトであり、その値から評価したところ、炉心損傷割合は約25%と推定した」と当時の報告書に記載されている。
東電は4月27日、「データに一部誤りがあった」として損傷割合を、「1号機を55%」「2号機を35%」「3号機を30%」に「訂正」しているが、いずれにしろ公表されている上記、放射線量は人間が確実に死亡するレベルであり、接近すらできない放射線量である。
54年のビキニ環礁水爆実験で被爆直後死亡した第5福竜丸の久保山さんらの最大被爆線量は約6シーベルトと推定されている。99年JOC事故で死亡した大内さんは17シーベルト、篠原さんは10シーベルトの被曝である。

3月の原発作業で判明している被曝労働者は①250以上が9人、②100~250が115人、③50~100が288人、④20~50が623人の計1035人⑤20以下が2478人。合計3514人である。上記①の6人の内2人は、678・08(30代)~643・07(40代)が確定している(内部被曝590~540)。線量検査は作業員の3分の1程度でしかない。
厚労省4月27日、初めて76年度以降、35年間の被曝労働の労災認定内訳を公表した。被曝手帳なしで原子力作業に従事させられ1年半で殺された労働者もいる。被曝労働者が闇から闇に葬り去られている中、労災認定はわずか10人だ!認定された10人の内、 白血病を発症した6人の最高累積被曝線量が129・8と記録されている。上記3月の原発作業労働者の被曝線量がいかに危険なレベルであるかは一目瞭然だが、大半は闇の中だ。収束のめどさえたたない福島原発事故の危険性は留まるところをしらない勢いで高まっている。これらはすべて新自由主義・資本主主義がつくり出したものであり、国家犯罪以外のなにものでもない!
日帝ブルジヨァジーは恐慌と震災・原発事故で「復興」といいながら全労働者を大失業の中に叩き込み、「仕事が欲しければ、被曝覚悟で原発で働け」というところに労働者を叩き込んで生き延びようとしている。これが新自由主義・資本主義だ!。

【反原発闘争は階級間戦争】

日帝ブルジョアジーの階級意思は、東電や電力会社の株主総会で明らかだ。問答無用の原発維持・推進である、海江田経産相の「原発安全宣言」と全自治体への「原発稼動要請」は、菅政権の核・原発推進と原発輸出の国家戦略が強化されているということだ。
したがって原発事故と復興政策をめぐる日帝支配階級の基本的な方向性は、予防反革命的な階級間戦争の全面的な激化として推し進められている。帝国主義ブルジョアジーは、福島原発事故を契機に拡大している全世界での労働者の反原発闘争を抑え込む以外に延命策がないところに完全に追い込まれている。全原発廃止は、日帝支配階級の国家戦略との非和解的激突であり、日帝支配階級の根底的否定と打倒にまで行き着く闘いとして非和解的に、徹底的に、階級間戦争として激化・発展していく。「全原発・核の廃止」闘争の圧殺攻撃は、日帝ブルジヨァジーに歯向かう勢力とイデオロギーを根絶やしにする「階級間戦争」として激化する。それは同時に徹底的に凶暴化した国家暴力の全面的な発動として、労働者階級人民と被災地労働者・住民の闘いに襲い掛かり、その反革命攻撃の重心が労働組合と労働運動の徹底的な壊滅攻撃として推し進められている。

日帝ブルジヨァジーの絶望的な階級意思の表れがJR東海会長葛西発言だ。葛西は、「◇原発継続しか活路はない◇原子力を利用する以上、リスクを承知のうえで、それを克服・制御する国民的な覚悟が必要である。国はそれを正面から問うべきだった。◇日常の訓練により十分に習熟しておけば同じ災害に直面しても今回の事態は避けられる」と、日帝ブルジヨァジーの階級意思を全面的に押し出している。この発言こそ、労働者階級人民への内乱的な階級戦争宣言だ。この戦争宣言は新自由主義の破綻の中から絶望的に打ち出されたものであるがゆえに、凶暴であると同時に極めて脆弱なものでしかない。労働者階級の怒りで打倒せよ!

【世界の根底的変革ープロレタリア革命へ】

全原発の廃止は、階級と階級、組織と組織、人間と人間との全存在をかけた非和解的闘争である。それは同時に本質的・現実的に、被曝と被曝労働者の死として現れているようにブルジヨァジーとプロレタリアートの生死をかけた戦争である。
階級間戦争に勝利する唯一の道が、全産別の職場で労働者の権力奪取へむけた猛烈で断固たる総決起だ!その道水路が国鉄闘争全国運動の組織化と運動的拡大である。資本との非和解的な職場闘争を基礎に地域・街頭での全原発廃止の運動と組織の拡大であり、社会を根底から変革するという強力で目的意識的なプロレタリア階級意思の猛爆発である。新自由主義・資本主義の根底的打倒以外、労働者階級と「フクシマの怒り」は消えないのだ。
労働者階級が真の社会の主人公として権力奪取に躍り出るということ。そのためには労働組合の名で原発を推進し、130万人とも言われている被曝労働の強制に加担し、膨大な労働者の死の強制に手を染めてきた連合をすべての職場・生産点で打倒する。一方、決定的に重要な闘いがフクシマを中心に被災地現地から闘う労働運動・労働組合を甦らせ労・農・漁民の階級的団結をかちとることである。
全ての職場・地域の闘いが「フクシマの怒り」と結合し、一体化し、日本階級闘争におけるすべての課題の中心に全原発廃止の闘いを据えきり、全原発の廃止と階級的労働運動の一体的な闘いを飛躍的に大前進させる。唯一この闘いの前進がプロレタリア革命への巨大な展望を切り拓くのです。
血を吐くような苦闘も階級的な正義の闘いによって支えられる。プロレタリア正義は闘う者に限りない勇気を与えると同時にあらゆる試練にたちむかわせ力を与えます。勇気は勝利感によってのみ得られるものではない。苦闘と試練に触れ、それをのりこえようとする目的意識的行為の中から生まれる。絶望と無縁な闘い、それが全人類の普遍的解放をめざすプロレタリア革命への非和解的闘いであり、全原発廃止の闘いである。だからこそ労働者階級人民は革命的に前進することができるのだ。労働者階級の団結は、個人の能力をはるかに超えた無限の能力と英知を生み出す。それがプロレタリアートである。労働者の団結した力で世界を根底的に変革するプロレタリア革命へ!
兵士は被災地労働者・住民と共に、闘いに決起しよう!
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福島の農民・長沢さんにお話を伺いました

福島の労働者・農民、兵士は怒りを煮えたぎらせている

「ライズ13号」を読まれた読者の皆さんは、「福島で農業を行っている長沢です」に始まる「被災地・福島からのアピール」を憶えておられると思います。
私たちは「マグマの怒り」をともにし、6・19集会1510名の結集をかちとりました。次は7・17いわき集会です。私自身は、長沢さんから直接お話しを伺う機会があり、「原発さえなければ」を本当に実感しています。原発(帝国主義)は、労働者・農民・漁民の生存条件を奪い去った上に、「創造的復興」と称する究極の新自由主義攻撃をもって被災地全体から膨大な利潤を吸い上げようとしています。この強欲と仁義のなさには、考えつく比較や比喩も見当たりません。しかし、労働者・農民・漁民から怒りと生きる意志を奪うことはできません。負けてはいません。私たちは、被災地の怒りをともにし、4大産別を拠点化し、自衛隊兵士を獲得していこう。この決定的情勢の中に飛び込んでいこう

《長沢さんの話》

 福島県に行った人は自然の雄大さと地元の人の土性骨を実感すると思います。しかし原発は、この自然を破壊し、30㌔以上離れた飯舘村は計画的避難地域にされ全村民の90%以上が村を離れています。さらに50㌔以上離れた伊達市の霊山町などの4地区113世帯が「特定避難勧奨地点」に「指定」され、避難を決めた人も出ています。霊山町の隣の相馬市玉野の酪農家は、6月11日に首吊り自殺した姿で発見されています。3人目の自殺者です。原発を弾劾する遺書を残しています。原乳の出荷停止が3月以来続き、牧草の使用を禁止され、あるいはコメの作付けを禁止され、ウメ農家はウメの出荷を禁止され、葉物野菜の出荷も突然禁止され、「農家はどうやって生きていけというのか」(と長沢さんが言っていました)。
原発は漁民の生活を破壊しています。確かに巨大津波は甚大な被害をもたらしましたが、それでも岸壁の修理や道路整備、港のごみの除去、船の整備は徐々に進んでいます。しかし地元の漁港のひとは、「物なら直せるが、原発事故のせいで3ヶ月以上出漁できない。今後も再開の見通しはない」と言っています。こうした中で大規模漁港復興優先、民間企業活力導入なる選別「復興」計画が策動されています。
南相馬市は、警戒区域・計画的避難区域・緊急時避難区域の三区域に分断されたうえ、霊山町のように「特定避難勧奨地点」指定の検討もなされています。中小の企業や東電と関連企業の労働者には、倒産や失業が襲いかかっています。原発によって、半数以上の市民が避難を余儀なくされています。小中高は「疎開」状態です。
市役所の労働者は、市内の遺留品展示場や開設された一時帰宅者の除染所で東電の労働者や自衛隊の兵士と一緒に頑張っています。彼らの多くは実家のコメの作付けや野菜の出荷制限に直面し、原発への怒りをフツフツと煮えたぎらせています。
(写真 津波で陸に残された漁船【相馬市】)

《危機=革命的状態下の、自衛隊治安活動の全面的展開》

①福島駐屯地と郡山駐屯地=南北の治安対策拠点
もともと、福島第一原発は、福島駐屯地(第6師団 44普通科連隊・11施設群)の重要警備対象になっています。つまり福島県北部の治安は福島駐屯地の担当になっています。だから44普連や11施は震災と原発事故直後から情報収集と治安対策に全力で動いています。君塚JTF司令官が言っている「御用聞き」作戦です。また第一原発に最初に入ったのも、福島駐屯地と郡山駐屯地の隊員で、12人の被ばくが確認されています。50㍉シーベルトを超える隊員は4人、最高は80㍉シーベルトを超えていました。
郡山駐屯地は同じ第6師団の第6特科連隊と第6高射特科大隊が駐屯し、南部地域が担当になっています。ただし今回、原発対応の県外の旅団や師団は、福島駐屯地ではなく、まず郡山駐屯地に集中しています。また郡山駐屯地は物資集積ターミナルとして機能し現在も物資輸送トラックが駐屯地を発進しています。

②12旅団・中央即応連隊・第一空挺団 東京の治安部隊が真っ先に福島到着
第一空挺団や第一ヘリ団、中特防などが原発と周辺で活動を開始したのは事故翌日の12日からで、原発周辺住民の避難輸送もやっています。指揮をとることになる12旅団が到着したのは13日未明。
3月中、第一空挺団(など)は、第一原発南部の広野町や北部の南相馬市に入り、個別訪問し、山林にも分け入って調べています。《情報収集》《自主避難困難者の確認》《残留者捜索》とも言っています。「北朝鮮軍のゲリラ戦・原発攻撃」対処作戦そのものです。
4月18日からは30㌔圏の捜索に入り、そしてタイベックスーツを着込み20㌔圏内に。6月には10㌔圏に入り、最後は3㌔圏直下まで入っています。
③3自衛隊4万3千人(6/29) 第6師団や第9師団の給水や入浴、生活支援に活動の軸を移しています。被災地で44普連や6特連が連日、高機動車に乗って個別訪問し「要望」を聞き情報を収集しています。

④派遣隊員は疲労し、メンタルヘルスに関する記事が大きく報道されるようになった
ガレキ撤去と行方不明者の大捜索が続いていた4月には、隊員の中から「いたたまれない気持ちで一杯」「あまりの惨状にしばしその場にたちすくんだ」「目にやき付ついて離れない」などの証言が多く飛び出しました。幹部は「御用聞き」作戦に加えて、隊内「聞き耳」作戦が重要な作戦になったと証言しています。そして5月、「派遣隊員ケア推進チーム」を発足させ、被災地に近い8駐屯地に「戦力回復センター」を設置しています。
「極度の疲労にも関わらず眠れない」「不安を訴える隊員」「不調を訴える隊員を後送」などの記事が出ています。まさに戦争です。日帝自ら引き起こした大敗北状況に10万人の自衛隊員が引き込まれ、軍隊の解体と労働者階級との結合情勢が始まっています。

 葛西敬之はこのような状態にある労働者と自衛隊員について「家族や家財を失っても自己抑制を崩さない人々の姿、この人々こそ日本人だ。最も頼もしいのは自衛隊員、黙々と使命を果たす姿は日本武人の心が脈々と流れ」(ている)「中国は自衛隊の力と日米同盟の実効性を痛いほど感じ取」り「日本の安全」は守られたと発言。
葛西などブルジョアジーを絶対に打倒しよう!3・11情勢、5・20転換情勢、革命に向かっての労働者・兵士の巨大な組織化の展望と実践。読者の皆さん頑張りましょう!
(写真 原町高校に駐屯する第1空挺団(南相馬市))
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5・20三里塚大弾圧を粉砕し、完全勝利!

「フクシマの怒り」は、三里塚の怒りだ!

三里塚現闘・酒井浩二

現闘本部守る決戦が始まった

ライズ読者の皆さん、私たちは5・20弾圧を完黙非転向の闘いで粉砕し、完全勝利をもぎりとって、それぞれの闘いの場へと元気に帰還いたしました。皆さんからの檄文、支援活動にこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
獄内外一体となった怒りの決起こそがこの勝利を切り開きました。「6・5国鉄大集会の大結集でこの大弾圧に反撃するぞ!」が私たちの闘いの合言葉でした。6・5の大勝利が、敵・日帝権力の体制崩壊的危機ゆえの恐怖に駆られた凶暴な治安弾圧を粉砕し、閉塞感を突き抜けて解放感あふれる闘いを作り出しているのです。6・11反原発デモ、6・19フクシマ怒りの大行動へと、大きな決起を作り出しています。
3・11大震災、原発事故、震災解雇への労働者階級、農民、漁民の怒りが、今、本当に爆発しようとしています。フクシマの怒りは三里塚の怒りです。国策に抗し、労農同盟の強固な基盤の上に農地死守・実力闘争で45年間不屈に闘い抜く三里塚闘争が、今、再び強く輝こうとしています。天神峰現闘本部の代執行を粉砕しましょう!

5・20仮執行宣言付き 反動判決許せない!

5・20東京高裁の天神峰現地闘争本部裁判控訴審判決で井上裁判長は、全く不当にも控訴を棄却しただけでなく、仮執行付きの反動判決を下しました。反対同盟が45年前に建設した天神峰現地闘争本部(木造)は鉄骨の中で今も生きぬいているのです(成田治安法をもって現闘本部を封鎖しても木造建屋は完全に残っているのです)。そして市東さんの農地とともに今も空港の完成を阻み続けているのです。これに、反対同盟を先頭に抗議する50人を、国家権力・警視庁公安部は「不退去罪」をデッチ上げ、なんと裁判所内で全員を逮捕するという前代未聞の大弾圧を強行したのです。

 フクシマをかえせ! 農地をかえせ! 三里塚をかえせ!

この5月、関西生コン支部への弾圧、「日の丸・君が代」反動判決、イージス艦「あたご」衝突事件反動判決、そしてこの5・20三里塚弾圧と、反動の嵐が吹きまくっています。しかしこれは、この日本において、エジプトのように階級間戦争が激しく火を噴き始めたことの証左です。国鉄闘争全国運動へと発展するおそれのあるところへの、動労千葉を先頭にたたかう階級的労働運動の発展への権力の恐怖の現われ以外にありません。5・20は、三里塚闘争と反原発・反失業闘争との結合、「フクシマ」との結合を阻止しようとしたものであり、敵権力の目論見は完全に破産しています。

6月11日、三里塚・市東さん宅離れで奪還歓迎会がおこなわれました。萩原事務局次長は「あの闘いで高裁の反動判決を実体的に押し返すことができた。5・20で現闘本部決戦は始まった」と決戦を提起しました。市東さんは「被災地の闘いと三里塚が結合することを権力は怖がっている。三里塚とフクシマの連帯が課題」と発言。私も天神峰現闘本部決戦、原発事故弾劾、そして日帝・菅政権打倒へと決意を改めて明らかにしました。
6月9日、NAA(空港会社)は仮執行宣言付きの反動判決を口実に、千葉地裁に対して「建物等収去命令申立書」を提出しました。天神峰現闘本部をめぐる攻防はすでに始まっているのです。
動労千葉との労農同盟、韓国民主労総ソウル本部との合流、米国、全世界で三里塚の闘いを求めています。一回でも三里塚に来れば「とりこ」になってしまいます。私自身もそうでした。
では皆さん、7・18三里塚現地集会で会いましょう!

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フクシマに思うこと

真喜志 康彦(NTT労働者)

 6月19日、私の北限である千葉を越えて、ついに東北・福島の地を踏むことができました。福島現地は、私の想像を超える筆舌では言い表せない状況でした。特に、飯舘村は、全村が“ホット・スポット”とは言え、ほんとに人ひとり見ることはありませんでした。唯一例外的に、酪農家と思われる男性が遠くに一人見えるだけでした。また生き物といえば、やせ細った牛と、ポニーが十数頭という現実でした。
この現実を強制しているのが、東電の福島原発事故にあることは間違いありません。国策として建設されてきた原発が、人類とは相容れないものであることが、現実をもって証明されたのです。
6・19怒りのフクシマ大行動は、政府・東電・原発に対する福島の労働者・農民・漁民・住民の腹からの怒りを爆発させる感動的な集会となりました。北は北海道から南は沖縄まで全国から結集した1510人の怒りは、政府・東電には底知れぬ恐怖と、福島の労働者・住民には限りない激励を与える歴史的な闘いとなりました。ヒロシマ‐ナガサキ‐オキナワに“フクシマ”が加わったのです。この歴史的瞬間に立ち会うことができたことを誇りに思います。
 さて、国策としての原発、国策としての日米安保。この日米安保の集中点である沖縄の状況は、菅首相の退陣表明にもかかわらず、否、そうだからこそ激しさを増しています。6月21日の日米安全保障協議委員会での「名護市の辺野古崎にV字型の1800㍍の滑走路を建設することで合意」し、6月27日の菅首相と仲井真知事との会談で、菅首相は「普天間の固定化を避けるためには、今申し上げているようなやり方(辺野古移設)以外ではなかなか決まらない」と言い、「辺野古移設か固定化か」という脅しをかけているのです。さらに、米軍は来年の10月にMV22オスプレイを普天間基地に配備すると発表し、辺野古移設を認めなければ“危険な普天間”に“危険なオスプレイ”を配備するという恫喝を行っているのです。
しかし今や、沖縄の怒りは岩盤の如く強固なものになっており、脅しに屈するものではありません。ストレートな怒りとして表現される、普天間基地の県外移設や国外移設の主張は、全国の闘う団結ではなく、分断を持ち込むものです。あくまでも、普天間基地撤去=沖縄米軍基地撤去を掲げて闘うべきです。また、「思いやり予算を復興支援に」と言う主張も、基地撤去の主体である基地労働者が措定されておらず誤りといわなければなりません。
軍隊の組織化も青年労働者の組織化と階級的労働運動の前進にかかっています。
♪われらは若き兵士プロレタリーアーの♪ という革命歌にあるように。
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デモだけでは原発は止められない 闘う労働組合をよみがえらせよう!

東京西部ユニオン青年部・N

青年の怒りが頂点に

3・11大震災と原発事故で突き出されたことは、資本主義と労働者は非和解の関係だと言うことでした。
そもそも大震災以前から青年の怒りは頂点に達していました。仕事を掛け持ちしても、その日暮らしの低賃金では未来を展望できない。正規・非正規の分断、競争が青年を生きさせなくさせています。そして、3.11大震災と原発事故で起きた事態は、政府・東電の責任逃れと、すべての犠牲を労働者に転嫁するということでした。「原発こそ、青年労働者から搾り取り、使い捨てにして生き延びようとする新自由主義そのものじゃないか!」という怒りが一つになって爆発したのが4・11高円寺1万5千人デモでした。続く渋谷デモにも多くの青年が参加しました。しかし同時に、全力で決起したからこそ、「デモだけでは原発は止められない」という現実に私を含め多くの青年がぶちあたりました。

労組青年部が吉祥寺デモを計画

西部ユニオン青年部は、東京各地の労組青年部とともに会議を行い、5・28吉祥寺デモを計画しました。「大震災と原発事故は国家と資本の犯罪だ」と怒りの先頭にたち、「闘う労働運動を甦らせて、原発を止め社会を変えよう」という展望をデモコールにのせて吉祥寺に登場しました。大雨のなか、たくさんの飛び入り参加者ができました。そしてデモ後の交流会では6・5国鉄全国集会への参加を呼びかけました。
デモに参加した青年が、続々6・5国鉄集会に結集
新自由主義は大恐慌下で、3・11大震災と原発事故をもたらしました。この新自由主義の突破口こそ、87年国鉄分割・民営化による労働組合解体攻撃でした。2010年の4・9国鉄闘争政治和解攻撃に対して、わたしたちは「労働組合はいかに闘うべきか」を真剣に議論し、国鉄全国運動を軸に組織を拡大してきました。この地平にたち、青年部は国鉄分割・民営化をあいまいにせず、反原発で決起した青年労働者の怒りと必死に切り結ぶ闘いに打って出ました。こうした苦闘を経て、1000万人署名に協力した青年、吉祥寺デモに参加した青年たちが続々と6・5国鉄全国集会に結集しました。6・11新宿デモでは「労働組合のデモが一番良かった」とツイッターでつぶやかれ、労組青年部の隊列に多くの青年が飛び入り参加してデモコールを行いました。その力で、フクシマ現地闘争に参加し、フクシマの怒りと結びつきました。ついにフクシマの地から「闘う労働組合をよみがえらせよう!」の闘いが始まったのです!
次は7・10吉祥寺第2弾デモ、8・6ヒロシマ‐8・9ナガサキ大行動です。7月国労大会では国労本部が「国鉄闘争終結」を宣言し、労使一体の御用組合へと大変質しようとしています!この大攻撃こそ、完全に行き詰まった新自由主義の姿です。国鉄労働者をはじめ、青年労働者の誰も、こんな攻撃は許さない!しかし、6・5に参加したからといって、自然に次も次もというようにとんとん拍子に組織が拡大できるはずがありません!西部ユニオンのよりいっそうの団結がもとめられています。しかし、7・3鈴木コンクリート工業分会第3回大会の勝利が示していることは、資本と非和解の労働者の団結を崩さずに進めば勝てる!ということです。

兵士の怒りと結びつきたい

この問題は普遍的だと思います。なぜ、自衛隊では民間以上に労働組合が禁じられているのでしょうか?大震災・原発事故で日本発の世界大恐慌と戦争が始まっています。この情勢は労働者を一夜にして闘う存在へと変えます。だからこそ、菅政権は自衛隊をなんとしても資本の支配に縛り付けたいという危機感にかられていると思います。しかし、被災地を軍事的に制圧するという目的は崩れています、自衛隊員も怒りが爆発しているのではないでしょうか?自衛隊員・家族は労働者の一員です。西部ユニオンは、青年部の爆発的拡大をもって、必ずその怒りと結びつきたいと思います。西部ユニオンは国鉄闘争を軸に、闘う労働組合を地域に網の目のように張り巡らせ、労働組合をよみがえらせます!この戦列に加わり、ともに闘おう!

会報 第13号

第13号 2011年 5月10日発行


no13

大失業反対 ・ 全原発廃止! 生きるためにこそ団結し社会を根本から変えよう!

3・11東北大震災と原発事故から2ヶ月。広大な被災各地では、歯をくいしばり悲しみを乗り越え、団結を取り戻しつつ必死に生きる闘いが始っています。けれど、福島地域では行方不明者の捜索が遅れ、「帰るに帰れない」状態が強制されている。放射能汚染の拡大がそれを大きく阻んでいる。「震災・原発解雇」も激増し、「原子力の平和利用」「安全でクリーン」なる大ウソは、原発の連続的大爆発と共に吹き飛んだ。「全ての原発を直に止めろ!社会を根本から変えよう!」の叫びは、原発・核に殺されてきた全ての労働者民衆の血叫びであり、労働者階級の唯一の回答なのだ!

3・11は、新自由主義・資本主義の腐敗の極みを突き出した。自衛隊10万人以上、米軍特殊部隊も登場した。けれど、被災後の被害は拡大し、加えて、菅政権は、日米安保の一層の深化を押し進め、沖縄・辺野古新基地建設を進めようとしている。そして、「挙国一致」で治安を優先し、労働者民衆の怒りと闘いの圧殺を企んでいる。絶対に許す事はできない!

資本家階級の利益のために人命・安全を無視し、数々の事故を押し隠し、原発労働者の被曝を前提に原発はかろうじて維持されてきた。さらには、原発作業員の被爆限度量を100から250㍉シーベルトに緩和し、「ただちに人体に影響するものではない」と開き直り、労働者の命よりも作業効率を優先させた!今回の原発大事故においても、原発下請け労働者が矢面に立たされ、最も危険な事故現場で命を削り被曝を強いられながら、事故収束作業を必死で取り組んでいるのは下請け・孫請けの非正規労働者達なのだ!これらを東電労組は認めてきた。絶対に許す事はできない!これが現実なのだ。

原発・核は人間を生かすためではなく、人間を大量に殺すためにつくられた。原発・核と人類は絶対に共存できない!「原発推進か原発廃止か」この事が世界的規模で根底的に問われている。階級支配の大崩壊が進み、労働者階級が取って代わるしかない!そういう時代が待った無しで目の前で始まっている。

菅民主党・連合政権を一刻も早く打倒しよう!闘う労働組合を全国に甦らせ、職場支配権をもぎ取ろう!被災地の皆さん!そして被災地に派遣された多くの自衛官の皆さん!この腐り切った社会を根本から変えるためにこそ、共に団結して立ち上がろう!5・15沖縄ー6・5国鉄闘争全国運動大集会ー6・19福島現地闘争ー8・6~9広島・長崎へ総決起しよう!(東京・杉橋)

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階級的労働運動の実践と労・農・兵の階級的団結で全原発の廃止、プロレタリア革命へ!

新自由主義が引き起こした人民大虐殺と原発事故

3・11は資本主義体制が完全に腐敗し崩壊していることを隠しようがない形で示した。同時に3・11は、社会の真の主人公である労働者階級が一刻も早く全権力を握りしめなければならないことを根底的に突きつけた。
全労働者階級人民が全面的に社会を運営するあり方に全社会構造を根底的に創りかえる以外に、もはや労働者階級人民が生きて行けないところにまで到っていることを、3・11は全労働者人民に突きつけている。
要するに、3・11情勢が真に求めているのは、資本主義・帝国主義を根底から打倒するゼネストープロレタリア革命への全労働者階級人民の総決起である。
御用学者、マスコミ、連合・全労連は資本の軍門に下り、「原発は安全」「原発の平和利用」の大嘘に加担し、「日本の核武装化」から発した「国策」としての「原発政策」を最先頭で推進して来た。東日本震災による3万人という死者・行方不明者と原発事故は国家と資本による巨大な犯罪であり、この巨大な国家犯罪に手を貸しているのが連合であり、全労連だ!
多くの被曝労働者の屍の上にしか成り立たない原発政策に真っ向から反対し、ストライキで非妥協的に闘い国家の原発政策を阻止するのが労働組合である。だが連合と全労連はそれとは真逆の道を歩み、労働者が生きるための全ての権利をも資本に売り渡してきた。
福島第一原発は、第一号機の操業以降、国内原発で事故が最多を記録する原発である。修理作業に従事した多くの労働者が被曝し、どれだけ殺されているかは不明である。下請け、孫受けの非正規労働者の短期雇用の入れ替えで統計すらとれない雇用構造になっている。それを容認し、電力資本と労使一体で推進してきたのが電力連合傘下の御用組合であり、全労連だ。
労働者・労働組合が、資本・国家と非妥協的に闘えば、必ず勝てるのだ!。 74年、中国電力島根原発の運転開始に対し、電産労働組合として真っ向から原発反対を掲げストライキに決起し、77年には豊北原発建設に地元の農・漁民とともに決起し、1年間の非妥協的闘いの末、中止決定に追い込み勝利している。
労働者階級がゼネストで闘えば全原発の停止・廃止は、可能である。労働者階級のゼネストで資本主義社会を打ち倒せば社会を根底から創り変える事が出来る。それがプロレタリア革命だ!
被災地全住民と全労働者階級人民の未来は、闘う労働組合の建設にある。
3・11情勢はそのことを全ての労働者に示した。 全産業で働く労働者が全原発の即時停止・廃止ープロレタリア革命を目指す組織と運動を全ゆる職場で建設しよう。その武器が国鉄闘争全国運動と反原発・反失業1千万人署名である。全産別、全職場、全地域に一体で拡大し、闘いを統一しよう。

階級的労働運動の本物の実践を!

その組織化と運動化の核心の第一は、被災地の「生きさせろ!」の闘いにとことん団結し、自分の職場・生産点で資本と非妥協的に闘いぬくという強い意志である。
直面している3・11情勢を真っ向から見据えた時、大恐慌・大失業・原発事故をプロレタリア革命に転化するために必要な闘いと能力を獲得する強い目的意識性が本当に必要です。
第二は、その闘いの推進主体であるみずからが自分の職場で、地域で、周りの労働者と結びつくことと、その行動に打って出ることです。すでに全ての労働者の怒りは沸点に達している。だがその怒りは帝国主義ブルジョアジーの徹底的な分断攻撃によってますますばらばらにされようとしている。体制内御用組合がそれに加担している。一人ひとりの怒りが巨大なマグマとなって爆発しても、団結なき怒りは、必ず霧散する。したがって労働者の全ての闘いを団結を強化していく闘いとして、常に、目的意識的に闘いぬこう。
そして第三の核心中の核心点は、3・11情勢をプロレタリア革命に転化する闘いがいかに困難であろうとも、勝利に必要な闘いの全ての課題を責任を持って切り拓くというプロレタリアートとしての革命的進攻性です。その上でプロレタリア革命勝利への不動の確信と執念的執念です。
失うべきものを持たないプロレタリアート、国家と東電資本によって家族を虐殺され、一家が絶滅し、これからも被曝と被曝労働で殺され続けていく幾多の労働者・農・漁民。生き残っても人間として生きていくために必要な全ての条件を奪われ尽くされている被災者の現状への怒りは、資本主義・帝国主義を打倒してもやむことはない。
日毎に激化する怒りは帝国主義を打倒し、プロレタリア革命によって人類の人間的解放を実現する社会が建設されるまで消えることは決してないのです。
東電資本は、原発事故によって引き起こしている全事態の補償を拒否し、菅政権は巨額の公的資金を投入し、東電資本救済に全力をあげている。  菅が中部電力に要請した浜岡原発の「おおむね2年間」(保安院)の「全面停止」も所詮ペテンだ!2年間で反原発闘争を叩き潰すという帝国主義ブルジョアジーの階級意志である。
今回の東日本地震においても第一原発第2、3、5号機では原発耐震設計を超える550~546ガルが記録されている。震源地が50キロ離れた相模湾内といわれている関東大震災は900ガルを超え、浜岡原発の耐震設計をはるかに超えている。 管は、「国民の安全、安心を考えた結果の判断だ」とペテンを弄しているが、「国民の安全」は、「全原発の即時停止・全面廃止」以外に選択肢はない。そもそも人間の化学力では制御不能の核・原発を人間社会の中に持ち込むことは根本的な誤りなのだ。しかも浜岡原発第4号機はMOX燃料を燃やすプルサーマル発電を計画している。これが菅政権だ!史上最悪の危機の真っ只中に人類を叩き込んでも一切の責任を開き直り、数千万、数億人(日本はこれから連続的な台風シーズンだ!)の労働者人民が犠牲になろうとも平然としているのが帝国主義ブルジョアジーだ。労働者階級人民の怒りで根底的に打倒しよう!

兵士の隊内反乱・決起が始まった!

10万人を超える自衛隊、予備自衛官の治安出動と原発対処活動の強制に対し兵士の反乱と決起が始まっている。
原発事故対処で派遣されていた第一師団第一特殊武器防護隊の陸自三曹が任務拒否で戦線離脱し、3月20日、警務隊に逮捕された。被災地で原発即時廃止の闘いを繰り広げている労働者に連帯し、団結する兵士の反乱的決起がついに始まった。逮捕して監獄にぶち込むべきは犯罪者・東電幹部と菅政権だ。「絶対に安全」だと事故を隠し大嘘をつき続け、その果てに人民大虐殺と何億人もの命を危険にさらしているのが東電経営陣であり、菅政権・経産省幹部だ。
海自横須賀地方総監部所属の潜水艦救難母艦「ちよだ」の海自三曹が3・11以降、三度目の治安出動を拒否する行為で逮捕されている。さらに第一航空団基地業務群所属の空士長が3日間の休暇外出を仙台市の避難所に泊まり込み支援活動を行ない、さらに休暇後の3日間、同避難所で支援活動を継続し警務隊に逮捕され3日間の停職処分攻撃を受けた。軍隊における戦線離脱は「脱走」を意味する。軍務としてではなく一人の軍服を脱いだ兵士労働者として無許可で「前線」にいる労働者と共に活動する行為は単なる軍律違反ではなく本質的に隊内反乱としての反軍闘争に直結する行為である。兵士の過労死も激化している。
兵士とは軍服を着た労働者だ。「正面任務」としての治安出動、さらに死体・行方不明者捜索と原発対処という活動は、兵士に資本主義社会の全矛盾に対する怒りを拡大する。それがさまざまな形態をとった隊内反乱、決起として不可避に爆発する。労働者・兵士の結びつきと団結でプロレタリア革命に突き進もう!(東京・滝山)

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被災地・福島からのアピール

「東電資本と菅政権へ の大きな怒りが、マグマのように高まっています」

福島で農業を行なっている長沢です。

連日のマスコミ報道で皆さん知っているでしょうが、3月11日の巨大地震とその後の福島第一原発の事故によって今、福島県は原発周辺地域はもとより県内全体が大変な状況になっています。
原発自体は、すでにあのチェルノブイリ事故と同レベルの7段階となり、炉心溶融、水素爆発ー大量の放射性物質の放出、高濃度の汚染水とガレキの存在、高濃度汚染水の海への垂れ流しによる魚貝類など水産物への深刻な汚染など驚くべき事態が日々、明らかとなり、1号機から4号機までどれをとっても水素爆発やメルトダウンー原子炉爆発などの深刻な事態にいつなってもおかしくないきわめて危険な状況がずっと続いています。
先頃、東京電力が出した収束工程表などは、今の事態を完全に無視した只々、批判をかわすための全くデタラメな物でしかない。先の見通しなど何も立てられない手探り状態なのです。

突然、「警戒区域」にして、罰則規定!

原発周辺20キロ圈の双葉、大熊、富岡などの町民たちは、着の身、着のままでほんの「一時」の避難と思い、避難したら、もうすぐ2ヶ月に、さらに菅政権は、突然、「警戒区域」などと勝手に決めて、自宅に荷物を取りに戻ることさえ取締まりー罰則の対象にしました。
この区域では、今なお多くの遺体が放射能汚染のためなかなか捜索や回収もできずにいます。説得を拒否してこの地域に住み続ける住民もいます。餌や水もなく苦しんで死んでいく牛や馬などの家畜や犬、猫などのペットたち。原発事故さえなければ、今頃、住民たちは故郷に戻り、悲しみを乗り越えながらも新たな一歩をすでに踏み出していたかもしれない。しかし、
今は「一時帰宅」すらままならない状況です。

「失業」と「放射能汚染」の恐怖

30キロ圈の住民たちにも苦難の日々が続いています。避難先から地元に戻っても「仕事がない」など生活することすら大変な日々、そして絶えずつきまとう原発事故による緊急避難の危機と放射能汚染の恐怖です。
また最近、大きな問題となった飯舘村などの「計画的避難区域」の設定です。
これまでは「避難は20~30キロ圏内のみ」ということで飯舘村などはつい最近まで「ここは100%安全、避難しなくてもいい」などと住民への説明会で言われていたのです。それが突然、「ここは放射線の値が高い。1ヶ月をメドに全体避難を」などと突然、政府は言ってきたのです。住民たちが激怒するのは当然です。
今回「計画的避難区域」に指定された地域の中でも、特に飯舘村は、酪農と稲作・野菜栽培などの農業を軸にして、いわゆる「平成の大合併」も拒否して村の自立的発展をめざし、ブランド牛「飯舘牛」などによってなんとかそれが軌道にのりだしたところに今回の事態です。村民たちの怒り、悲しみはいかばかりでしょうか!

被災農民が、政府と東電に殺されている!

つい先頃、ずっと飯舘村で生きてきた100才の男性が「長生きはするものではない」と家族に言って自ら命を絶ちました。3月下旬の須賀川市の農民に続いて2人目の自殺者です。2人はまさに「原発に殺された」「政府と東電に殺された」のです。原発事故さえ無ければ2人とも楽しい人生を送っていたでしょう。本当に「人が人として生きられる世の中」(星野文昭さん)が必要です。
私も、無農薬で野菜を作り、出荷してきました。しかし原発事故によってそれもできなくなりました。私なりに彼等の無念の思いは痛いほど分かります。本当にくやしいし、原発を推進してきた政府と東電などの資本家たちが憎いです。
現在、約10万人もの福島県民が、長年住み慣れた故郷から離れ、遠くは鹿児島など全国各地で不自由な避難生活を強いられています。体調を崩して亡くなる人も増えています。また3万人もの人々の避難先が今も分かっていませんし、県が把握できていない自主的避難の人を含めたらもっと大勢の避難者数になるでしょう。
さらに、「放射能に汚染」などといわれ子供がいじめられる、宿泊やガソリン給油を拒否される、福島ナンバーの車が傷つけられるなど、深刻な被害が全国各地で数多く明らかになっています。一体誰のせいでこんなことになっているのか。もう絶対に許せません。

高濃度放射線量で子供の屋外活動が制限

私の住んでいる福島市では、学校の校庭での放射線の値が高いということで、子供達の屋外活動が制限され、さらに数日前には市内中心部の公園までが放射線数値が高いということで砂場にはブルーシートを張り、公園は1時間のみの使用制限などとなったので大きな問題になっています。郡山市では学校の校庭の土を重機で削ったが、その処分がまた問題になっています。親たち特に母親たちの不安と怒りは高まっています。

「創造的復興」とは、支配階級の利益最優先の計画

 

(写真 今でもがれきの山)

 私の住んでいる近くの道路を毎朝夕、自衛隊車両や警察車両が多数、連なって浜通り方面に行き来しています。この前、福島の自衛隊駐宅地の前を通りましたが、多数の車両や機材の隣にかなりの数のテントが張ってあり、このテントに隊員たちは寝泊まりしているようです。「伊丹」や「第11施設群」の旗をはっている自衛隊車両も見ました。
放射能被曝を恐れ、「逃げる」というささやかな抵抗をした2人の自衛隊員のことが報道されましたが、過労死が連続する重労働、しかも放射能被曝の危険性の中での強制作業から逃げたいのは当然です。原発の労働者の被曝もそうですが安全無視は絶対許せない。
かつてない10万人規模の動員、陸・海・空3軍とさらに米軍も含めた一体の動きを見ると菅政権が何を狙っているのかはっきりしてきます。原発事故も含め今回の震災をむしろ奇貨として、労働者人民の闘いを圧殺し、「創造的復興」と称して彼等支配階級の利益を最優先にして、あわよくば一挙に戦争体制を作り上げようとしています。そのために敗戦時同様、「切り札」天皇も積極的に持ち出しています。しかし私たちは絶対に負けません。
原発事故によって、今県民の中には、菅政権と東電など資本家たちへの大きな怒りがマグマのごとく高まっています。労働者は首を切られ、農・漁民は農地と海を汚染され、子供たちは不安にさらされ泣いている。こんなひどい世の中は一刻も早く変えなければならない。怒りを団結に、団結をさらなる階級的力に転化して菅政権を打倒しましょう。(福島農民・長沢 宏)

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杉並区議会議員選挙を闘って

東京西部ユニオン執行委員 北島邦彦

 「原発をとめよう!社会を変えよう!」という原発絶対反対の鮮明な政治主張を掲げて、杉並区議会議員選挙を闘いぬきました。労働組合交流センターをはじめ反戦共同行動委員会に結集する仲間のみなさんと全力で闘いました。ご支援いただいた仲間のみなさんに心よりお礼申しあげるとともに、力及ばず当選を勝ちとることができなかったことをお詫びいたします。
「票を集めるためにどのような主張をするか」ではなく、「3・11情勢下でどのような主張をしなければならないか」を貫きました。それが原発絶対反対の主張であり、原発―原子力産業なしに生きていけない資本主義という現在の社会構造を根本から変革しようという主張でした。福島原発事故のさらなる甚大・深刻な拡大というなかでボツボツと湧いてきた脱原発―エネルギー転換の考え方と明確に一線を画し、それだけに選挙戦のなかではきわめて激烈な政治主張でもありました。しかし、それを独善的かつ一方的に主張しただけではなく、様々なレベルでの大衆的議論として切り結ぶことができたと確信できます。それがヒロシマ・フクシマ発の反原発1千万人署名運動の広がりです。この選挙戦の過程でも、1ヶ月もたたないうちに杉並で6千筆を超える署名を獲得しました。これまでもいろいろな署名活動を杉並で展開してきましたが、これほど青年労働者・学生といった若い世代が参加する署名運動は経験がありません。しかも自分が署名をするだけにとどまらず、職場・学校・地域で署名を広げる担い手が膨大に生み出されました。4月10日高円寺の原発反対1万5千人デモの核心に存在するものこそ、このような若い世代の原発へ怒りであるとともに、非正規労働者としてのあり方を自分たちに強制している社会への怒りです。
 そのうえで、こうした青年労働者・学生の反原発の怒り・想いを、選挙=投票という行動にまで組織することができませんでした。しかし、ともに闘う仲間を獲得していく手がかりは広範につくり出しています。たとえば、わが東京西部ユニオン青年部が呼びかけた原発学習会には、反原発1千万人署名に応じた福島出身20代の青年労働者が参加しています。展望はあります!この署名活動に込められた青年労働者の怒りに徹底してこだわり、学習会への組織化や東京西部ユニオンへの組織化に取り組んでいきます。この課題への挑戦と克服こそが、革命的議会主義とは何なのか、革命的議員の役割とは何なのかを明確にさせ、選挙勝利の核心をつかむことに直結するでしょう。断固この道を進みます!
杉並においては反原発1千万人署名運動をさらに拡大・展開すべく、署名推進のための連絡会づくりを構想しています。「とめよう戦争への道!百万人署名運動杉並連絡会」の仲間をはじめ、「原水禁運動発祥の地」である杉並で反戦・反核運動を担ってきた広範な人々、とりわけ青年労働者とともに新たな運動を形成していく決意です。ともに闘いましょう!
(写真 5・1反原発・反失業メーデ・デモ)
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杉並選挙戦を1000万署名で闘って

4月杉並選挙戦は、3・11大震災と原発大事故の真只中で闘われました。「すべての原発の即時停止・廃止を求める」1000万人署名を訴え、3・11直後から杉並に入りました。

福島第一原発1号機と3号機の水素爆発が12日、14日と連続し、中央特殊武器防護隊の6人の隊員と車両3台が、3号機の爆発に巻き込まれて横転破壊、防護服が破れ負傷した4人が放射線医学総合研究所に搬送されていました。
ベント実施と水素爆発などによって《事故》はこの時点で「レベル7」に達し、構内作業の全労働者が被曝させられていたと思われます。許しがたいことに政府と東電は、被曝労働者の線量「救命時無制限」を検討していました。この状況下で中特防の三曹が14日午後逃走し(数日後彼は帰隊を願い出たが逮捕、懲戒免職にされた)、特科連隊の陸曹長は米日集中捜索作戦の最中に死亡しています。
暴走する原発上空から第一ヘリコプター団CH47ヘリによる放水が実施されたのはさらに切羽詰った17日でした。放水による水蒸気爆発、そして大量の放射能を吹き上げている上空通過自体が極めて危険な状況でした。命令する側に見通しも安全確認もないまま、兵士によって原子炉建屋への初の注水が行われました。
以降、大規模な注水が始まり、メチャクチャな被曝労働が1000人規模で強制され続けてきました。基準値を超える下請け労働者や女性労働者の被曝が続き、元原発作業員が「命の軽視は30年前と同じだ」と告発しています。
しかし政府と東電資本は、「工程表」を発表しそれをもって、原発再開と新設・輸出、階級的労働運動絶滅と大失業攻撃、新日米共同宣言=辺野古新基地建設に踏切っています。
3万人の労働者、農・漁民虐殺と「フクシマ」という国家犯罪に行き着き、人類を破滅させても延命をはかる帝国主義をもはや一瞬たりと存続させてはならない。労働者階級と農・漁民の「生きさせろ」と帝国主義への怒りの爆発の中で、「戦後革命」と「2・1ゼネスト」にのぼりつめていく、連合打倒・階級的労働組合建設が絶対に必要になっています。

3・11後の最初の降雨で杉並区にも大きな影響が出ていました。乳児を抱える母親は、東京の水道水を飲むことが出来なくなりました。支持者の商店のおばさんが、本当に怒っていました。
高齢者の方が多くなっていましたが、「長谷川さんが来てくれた」と元気になった人や「世話になっているフロムアスを絶対裏切らない」という人達です。この人たちが3・11に66年前の敗戦を重ね合わせ、国家犯罪を弾劾し、社会の根本的変革を求めて署名に応じてくれたのです。
支持者には建設関係の労働者や一人親方の世帯が多くありました。東京土建関係者に回して数十筆の署名を取ってくれた支持者もありました。建設労働者にとって、「フクシマ」の状況は他人事ではないのだとあらためて思いました。

ある支持者から「この『署名』ものすごく過激だわ」と言われたとおり、すべての原発の即時停止・廃止は労働者階級が資本家と国家権力を打倒し収奪する以外実現不可能です。しかし今この闘いを真っ向から訴え、杉並に階級的労働運動の拠点細胞を建設し、労働者のゼネストを実現することが、現実の課題になっています。今回の選挙は、そうした階級的労働運動の先頭に立つ北島議員を真っ向から押し立てて闘った選挙でした。
そしてわれわれ自身が先頭に立って高円寺に集った15000の青年・学生全員と共に国鉄労働運動を闘う階級的労働運動の担い手になっていく必要がある。1000万署名運動とはそういう運動だ。これは、「職場で団結し自衛隊・兵士と団結していく」Riseの路線を実践する闘いでもあると思います。
ともに団結して闘おう!(東京会員 長野原)
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青年先頭に5・15沖縄へ!(下)

 国鉄・沖縄・原発・非正規化の攻撃を打ち返そう!

82年に登場した中曽根の「戦後政治の総決算」の焦点は国鉄と沖縄。そこで目指した「日本列島不沈空母化」は核武装化を内包していた。87年締結の日米新原子力協定は82年以降、中曽根・レーガンの交渉で進められ核燃料サイクル確立=核武装化の道を大きく進めた。労働者派遣法の制定も87年だ。
自民党政権が強行し民主党政権が引き継いだこの新自由主義の攻撃は、今回の大震災と原発事故でその嘘とペテンと腐敗が大きくあばかれた。

 【日米共同軍事作戦の狙いは新基地建設だ】

東日本大震災では自衛隊10万6千4百人、米軍7千6百人。航空機は合計680機、艦艇は合計69隻の共同軍事作戦。
米大統領オバマは、福島原発事故を「9・11に匹敵しる事態」と位置づけ米軍横田基地に米軍4軍の「統合支援部隊」を新設し太平洋軍(太平洋全域とインド洋を統括)のトップに指揮をとらせた。
原子力空母ドナルド・レーガンは米韓軍事演習の予定を急きょ変更し13日の夜明け前には宮城沖に到着した。
この日米安保体制の総力を挙げた実戦発動体制の最大の狙いは普天間基地の強化と辺野古新基地建設の強行であり沖縄闘争の圧殺だ。

 【在沖縄米軍の出動】

以下は沖縄米軍がとった作戦行動の一部だ。
12日午後には嘉手納基地所属のヘリ4機が横田基地に到着。沖縄駐留の第31海兵遠征部隊(31MEU)は精鋭の(殴りこみ部隊である)即応部隊。強襲揚陸艦エセックスが隊員ら2300人を乗せ福島原発を避け日本海から三陸沖に向かった。嘉手納基地所属の米空軍第320特殊戦術飛行中隊は夜間や悪天候を利用して「敵」の背後にパラシュート降下する専門部隊。16日にはこの空挺部隊が仙台空港に降下し高機動車ハンビーを空中投下した。空港当局や自衛隊に先行したこの軍事行動を可能にしているのは日米安保の地位協定だ。
破壊し尽くされ最大60センチの汚泥に覆われていた仙台空港をたったの3時間で滑走路を整備し戦略拠点「キャンプ・センダイ」として確保。直後にアラスカから大型のC17戦略輸送機が物資を積んで飛来した。嘉手納の空軍353特殊部隊はじめ米軍4軍250人。18日には沖縄・静岡から海兵隊150人も出動した。

【そのまま北朝鮮への侵攻も想定 した米韓(日)軍事演習】

昨年11月23日の南北朝鮮の砲撃戦はなんら偶発的な事態ではない。米帝による北朝鮮への攻撃・侵略の動きの激しさがそこにはある。そもそも昨年3月26日の韓国哨戒艦沈没事件も「キー・リゾルブ」の最中に起きた。昨年は合同軍事演習が毎月のように実施されそのまま北朝鮮への攻撃に突入する展開もありうる中であの砲撃戦が起きた。 この2~4月も米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」が強行されている。

【5・15沖縄へ】

 戦後、日帝は日米安保を「生命線」として米帝の戦争に加担しつつ日帝自身の戦争国家化を追及してきた。日米安保の最大実体は沖縄米軍基地だ。 戦後、連綿として闘われてきた反戦・反基地の労働者民衆の全島的な闘い。安保体制の最大の矛盾点と弱点がここにある。
3月6日、国鉄全国運動・沖縄が結成され、沖縄における国鉄全国運動と労働運動の拠点建設の闘いが開始された。基地労働者を先頭に労働者階級の大決起で新基地建設を実力で阻止しよう。(京都・岐部)
(写真は昨年の5・15沖縄)
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