会報 第13号

第13号 2011年 5月10日発行


no13

大失業反対 ・ 全原発廃止! 生きるためにこそ団結し社会を根本から変えよう!

3・11東北大震災と原発事故から2ヶ月。広大な被災各地では、歯をくいしばり悲しみを乗り越え、団結を取り戻しつつ必死に生きる闘いが始っています。けれど、福島地域では行方不明者の捜索が遅れ、「帰るに帰れない」状態が強制されている。放射能汚染の拡大がそれを大きく阻んでいる。「震災・原発解雇」も激増し、「原子力の平和利用」「安全でクリーン」なる大ウソは、原発の連続的大爆発と共に吹き飛んだ。「全ての原発を直に止めろ!社会を根本から変えよう!」の叫びは、原発・核に殺されてきた全ての労働者民衆の血叫びであり、労働者階級の唯一の回答なのだ!

3・11は、新自由主義・資本主義の腐敗の極みを突き出した。自衛隊10万人以上、米軍特殊部隊も登場した。けれど、被災後の被害は拡大し、加えて、菅政権は、日米安保の一層の深化を押し進め、沖縄・辺野古新基地建設を進めようとしている。そして、「挙国一致」で治安を優先し、労働者民衆の怒りと闘いの圧殺を企んでいる。絶対に許す事はできない!

資本家階級の利益のために人命・安全を無視し、数々の事故を押し隠し、原発労働者の被曝を前提に原発はかろうじて維持されてきた。さらには、原発作業員の被爆限度量を100から250㍉シーベルトに緩和し、「ただちに人体に影響するものではない」と開き直り、労働者の命よりも作業効率を優先させた!今回の原発大事故においても、原発下請け労働者が矢面に立たされ、最も危険な事故現場で命を削り被曝を強いられながら、事故収束作業を必死で取り組んでいるのは下請け・孫請けの非正規労働者達なのだ!これらを東電労組は認めてきた。絶対に許す事はできない!これが現実なのだ。

原発・核は人間を生かすためではなく、人間を大量に殺すためにつくられた。原発・核と人類は絶対に共存できない!「原発推進か原発廃止か」この事が世界的規模で根底的に問われている。階級支配の大崩壊が進み、労働者階級が取って代わるしかない!そういう時代が待った無しで目の前で始まっている。

菅民主党・連合政権を一刻も早く打倒しよう!闘う労働組合を全国に甦らせ、職場支配権をもぎ取ろう!被災地の皆さん!そして被災地に派遣された多くの自衛官の皆さん!この腐り切った社会を根本から変えるためにこそ、共に団結して立ち上がろう!5・15沖縄ー6・5国鉄闘争全国運動大集会ー6・19福島現地闘争ー8・6~9広島・長崎へ総決起しよう!(東京・杉橋)

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階級的労働運動の実践と労・農・兵の階級的団結で全原発の廃止、プロレタリア革命へ!

新自由主義が引き起こした人民大虐殺と原発事故

3・11は資本主義体制が完全に腐敗し崩壊していることを隠しようがない形で示した。同時に3・11は、社会の真の主人公である労働者階級が一刻も早く全権力を握りしめなければならないことを根底的に突きつけた。
全労働者階級人民が全面的に社会を運営するあり方に全社会構造を根底的に創りかえる以外に、もはや労働者階級人民が生きて行けないところにまで到っていることを、3・11は全労働者人民に突きつけている。
要するに、3・11情勢が真に求めているのは、資本主義・帝国主義を根底から打倒するゼネストープロレタリア革命への全労働者階級人民の総決起である。
御用学者、マスコミ、連合・全労連は資本の軍門に下り、「原発は安全」「原発の平和利用」の大嘘に加担し、「日本の核武装化」から発した「国策」としての「原発政策」を最先頭で推進して来た。東日本震災による3万人という死者・行方不明者と原発事故は国家と資本による巨大な犯罪であり、この巨大な国家犯罪に手を貸しているのが連合であり、全労連だ!
多くの被曝労働者の屍の上にしか成り立たない原発政策に真っ向から反対し、ストライキで非妥協的に闘い国家の原発政策を阻止するのが労働組合である。だが連合と全労連はそれとは真逆の道を歩み、労働者が生きるための全ての権利をも資本に売り渡してきた。
福島第一原発は、第一号機の操業以降、国内原発で事故が最多を記録する原発である。修理作業に従事した多くの労働者が被曝し、どれだけ殺されているかは不明である。下請け、孫受けの非正規労働者の短期雇用の入れ替えで統計すらとれない雇用構造になっている。それを容認し、電力資本と労使一体で推進してきたのが電力連合傘下の御用組合であり、全労連だ。
労働者・労働組合が、資本・国家と非妥協的に闘えば、必ず勝てるのだ!。 74年、中国電力島根原発の運転開始に対し、電産労働組合として真っ向から原発反対を掲げストライキに決起し、77年には豊北原発建設に地元の農・漁民とともに決起し、1年間の非妥協的闘いの末、中止決定に追い込み勝利している。
労働者階級がゼネストで闘えば全原発の停止・廃止は、可能である。労働者階級のゼネストで資本主義社会を打ち倒せば社会を根底から創り変える事が出来る。それがプロレタリア革命だ!
被災地全住民と全労働者階級人民の未来は、闘う労働組合の建設にある。
3・11情勢はそのことを全ての労働者に示した。 全産業で働く労働者が全原発の即時停止・廃止ープロレタリア革命を目指す組織と運動を全ゆる職場で建設しよう。その武器が国鉄闘争全国運動と反原発・反失業1千万人署名である。全産別、全職場、全地域に一体で拡大し、闘いを統一しよう。

階級的労働運動の本物の実践を!

その組織化と運動化の核心の第一は、被災地の「生きさせろ!」の闘いにとことん団結し、自分の職場・生産点で資本と非妥協的に闘いぬくという強い意志である。
直面している3・11情勢を真っ向から見据えた時、大恐慌・大失業・原発事故をプロレタリア革命に転化するために必要な闘いと能力を獲得する強い目的意識性が本当に必要です。
第二は、その闘いの推進主体であるみずからが自分の職場で、地域で、周りの労働者と結びつくことと、その行動に打って出ることです。すでに全ての労働者の怒りは沸点に達している。だがその怒りは帝国主義ブルジョアジーの徹底的な分断攻撃によってますますばらばらにされようとしている。体制内御用組合がそれに加担している。一人ひとりの怒りが巨大なマグマとなって爆発しても、団結なき怒りは、必ず霧散する。したがって労働者の全ての闘いを団結を強化していく闘いとして、常に、目的意識的に闘いぬこう。
そして第三の核心中の核心点は、3・11情勢をプロレタリア革命に転化する闘いがいかに困難であろうとも、勝利に必要な闘いの全ての課題を責任を持って切り拓くというプロレタリアートとしての革命的進攻性です。その上でプロレタリア革命勝利への不動の確信と執念的執念です。
失うべきものを持たないプロレタリアート、国家と東電資本によって家族を虐殺され、一家が絶滅し、これからも被曝と被曝労働で殺され続けていく幾多の労働者・農・漁民。生き残っても人間として生きていくために必要な全ての条件を奪われ尽くされている被災者の現状への怒りは、資本主義・帝国主義を打倒してもやむことはない。
日毎に激化する怒りは帝国主義を打倒し、プロレタリア革命によって人類の人間的解放を実現する社会が建設されるまで消えることは決してないのです。
東電資本は、原発事故によって引き起こしている全事態の補償を拒否し、菅政権は巨額の公的資金を投入し、東電資本救済に全力をあげている。  菅が中部電力に要請した浜岡原発の「おおむね2年間」(保安院)の「全面停止」も所詮ペテンだ!2年間で反原発闘争を叩き潰すという帝国主義ブルジョアジーの階級意志である。
今回の東日本地震においても第一原発第2、3、5号機では原発耐震設計を超える550~546ガルが記録されている。震源地が50キロ離れた相模湾内といわれている関東大震災は900ガルを超え、浜岡原発の耐震設計をはるかに超えている。 管は、「国民の安全、安心を考えた結果の判断だ」とペテンを弄しているが、「国民の安全」は、「全原発の即時停止・全面廃止」以外に選択肢はない。そもそも人間の化学力では制御不能の核・原発を人間社会の中に持ち込むことは根本的な誤りなのだ。しかも浜岡原発第4号機はMOX燃料を燃やすプルサーマル発電を計画している。これが菅政権だ!史上最悪の危機の真っ只中に人類を叩き込んでも一切の責任を開き直り、数千万、数億人(日本はこれから連続的な台風シーズンだ!)の労働者人民が犠牲になろうとも平然としているのが帝国主義ブルジョアジーだ。労働者階級人民の怒りで根底的に打倒しよう!

兵士の隊内反乱・決起が始まった!

10万人を超える自衛隊、予備自衛官の治安出動と原発対処活動の強制に対し兵士の反乱と決起が始まっている。
原発事故対処で派遣されていた第一師団第一特殊武器防護隊の陸自三曹が任務拒否で戦線離脱し、3月20日、警務隊に逮捕された。被災地で原発即時廃止の闘いを繰り広げている労働者に連帯し、団結する兵士の反乱的決起がついに始まった。逮捕して監獄にぶち込むべきは犯罪者・東電幹部と菅政権だ。「絶対に安全」だと事故を隠し大嘘をつき続け、その果てに人民大虐殺と何億人もの命を危険にさらしているのが東電経営陣であり、菅政権・経産省幹部だ。
海自横須賀地方総監部所属の潜水艦救難母艦「ちよだ」の海自三曹が3・11以降、三度目の治安出動を拒否する行為で逮捕されている。さらに第一航空団基地業務群所属の空士長が3日間の休暇外出を仙台市の避難所に泊まり込み支援活動を行ない、さらに休暇後の3日間、同避難所で支援活動を継続し警務隊に逮捕され3日間の停職処分攻撃を受けた。軍隊における戦線離脱は「脱走」を意味する。軍務としてではなく一人の軍服を脱いだ兵士労働者として無許可で「前線」にいる労働者と共に活動する行為は単なる軍律違反ではなく本質的に隊内反乱としての反軍闘争に直結する行為である。兵士の過労死も激化している。
兵士とは軍服を着た労働者だ。「正面任務」としての治安出動、さらに死体・行方不明者捜索と原発対処という活動は、兵士に資本主義社会の全矛盾に対する怒りを拡大する。それがさまざまな形態をとった隊内反乱、決起として不可避に爆発する。労働者・兵士の結びつきと団結でプロレタリア革命に突き進もう!(東京・滝山)

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被災地・福島からのアピール

「東電資本と菅政権へ の大きな怒りが、マグマのように高まっています」

福島で農業を行なっている長沢です。

連日のマスコミ報道で皆さん知っているでしょうが、3月11日の巨大地震とその後の福島第一原発の事故によって今、福島県は原発周辺地域はもとより県内全体が大変な状況になっています。
原発自体は、すでにあのチェルノブイリ事故と同レベルの7段階となり、炉心溶融、水素爆発ー大量の放射性物質の放出、高濃度の汚染水とガレキの存在、高濃度汚染水の海への垂れ流しによる魚貝類など水産物への深刻な汚染など驚くべき事態が日々、明らかとなり、1号機から4号機までどれをとっても水素爆発やメルトダウンー原子炉爆発などの深刻な事態にいつなってもおかしくないきわめて危険な状況がずっと続いています。
先頃、東京電力が出した収束工程表などは、今の事態を完全に無視した只々、批判をかわすための全くデタラメな物でしかない。先の見通しなど何も立てられない手探り状態なのです。

突然、「警戒区域」にして、罰則規定!

原発周辺20キロ圈の双葉、大熊、富岡などの町民たちは、着の身、着のままでほんの「一時」の避難と思い、避難したら、もうすぐ2ヶ月に、さらに菅政権は、突然、「警戒区域」などと勝手に決めて、自宅に荷物を取りに戻ることさえ取締まりー罰則の対象にしました。
この区域では、今なお多くの遺体が放射能汚染のためなかなか捜索や回収もできずにいます。説得を拒否してこの地域に住み続ける住民もいます。餌や水もなく苦しんで死んでいく牛や馬などの家畜や犬、猫などのペットたち。原発事故さえなければ、今頃、住民たちは故郷に戻り、悲しみを乗り越えながらも新たな一歩をすでに踏み出していたかもしれない。しかし、
今は「一時帰宅」すらままならない状況です。

「失業」と「放射能汚染」の恐怖

30キロ圈の住民たちにも苦難の日々が続いています。避難先から地元に戻っても「仕事がない」など生活することすら大変な日々、そして絶えずつきまとう原発事故による緊急避難の危機と放射能汚染の恐怖です。
また最近、大きな問題となった飯舘村などの「計画的避難区域」の設定です。
これまでは「避難は20~30キロ圏内のみ」ということで飯舘村などはつい最近まで「ここは100%安全、避難しなくてもいい」などと住民への説明会で言われていたのです。それが突然、「ここは放射線の値が高い。1ヶ月をメドに全体避難を」などと突然、政府は言ってきたのです。住民たちが激怒するのは当然です。
今回「計画的避難区域」に指定された地域の中でも、特に飯舘村は、酪農と稲作・野菜栽培などの農業を軸にして、いわゆる「平成の大合併」も拒否して村の自立的発展をめざし、ブランド牛「飯舘牛」などによってなんとかそれが軌道にのりだしたところに今回の事態です。村民たちの怒り、悲しみはいかばかりでしょうか!

被災農民が、政府と東電に殺されている!

つい先頃、ずっと飯舘村で生きてきた100才の男性が「長生きはするものではない」と家族に言って自ら命を絶ちました。3月下旬の須賀川市の農民に続いて2人目の自殺者です。2人はまさに「原発に殺された」「政府と東電に殺された」のです。原発事故さえ無ければ2人とも楽しい人生を送っていたでしょう。本当に「人が人として生きられる世の中」(星野文昭さん)が必要です。
私も、無農薬で野菜を作り、出荷してきました。しかし原発事故によってそれもできなくなりました。私なりに彼等の無念の思いは痛いほど分かります。本当にくやしいし、原発を推進してきた政府と東電などの資本家たちが憎いです。
現在、約10万人もの福島県民が、長年住み慣れた故郷から離れ、遠くは鹿児島など全国各地で不自由な避難生活を強いられています。体調を崩して亡くなる人も増えています。また3万人もの人々の避難先が今も分かっていませんし、県が把握できていない自主的避難の人を含めたらもっと大勢の避難者数になるでしょう。
さらに、「放射能に汚染」などといわれ子供がいじめられる、宿泊やガソリン給油を拒否される、福島ナンバーの車が傷つけられるなど、深刻な被害が全国各地で数多く明らかになっています。一体誰のせいでこんなことになっているのか。もう絶対に許せません。

高濃度放射線量で子供の屋外活動が制限

私の住んでいる福島市では、学校の校庭での放射線の値が高いということで、子供達の屋外活動が制限され、さらに数日前には市内中心部の公園までが放射線数値が高いということで砂場にはブルーシートを張り、公園は1時間のみの使用制限などとなったので大きな問題になっています。郡山市では学校の校庭の土を重機で削ったが、その処分がまた問題になっています。親たち特に母親たちの不安と怒りは高まっています。

「創造的復興」とは、支配階級の利益最優先の計画

 

(写真 今でもがれきの山)

 私の住んでいる近くの道路を毎朝夕、自衛隊車両や警察車両が多数、連なって浜通り方面に行き来しています。この前、福島の自衛隊駐宅地の前を通りましたが、多数の車両や機材の隣にかなりの数のテントが張ってあり、このテントに隊員たちは寝泊まりしているようです。「伊丹」や「第11施設群」の旗をはっている自衛隊車両も見ました。
放射能被曝を恐れ、「逃げる」というささやかな抵抗をした2人の自衛隊員のことが報道されましたが、過労死が連続する重労働、しかも放射能被曝の危険性の中での強制作業から逃げたいのは当然です。原発の労働者の被曝もそうですが安全無視は絶対許せない。
かつてない10万人規模の動員、陸・海・空3軍とさらに米軍も含めた一体の動きを見ると菅政権が何を狙っているのかはっきりしてきます。原発事故も含め今回の震災をむしろ奇貨として、労働者人民の闘いを圧殺し、「創造的復興」と称して彼等支配階級の利益を最優先にして、あわよくば一挙に戦争体制を作り上げようとしています。そのために敗戦時同様、「切り札」天皇も積極的に持ち出しています。しかし私たちは絶対に負けません。
原発事故によって、今県民の中には、菅政権と東電など資本家たちへの大きな怒りがマグマのごとく高まっています。労働者は首を切られ、農・漁民は農地と海を汚染され、子供たちは不安にさらされ泣いている。こんなひどい世の中は一刻も早く変えなければならない。怒りを団結に、団結をさらなる階級的力に転化して菅政権を打倒しましょう。(福島農民・長沢 宏)

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杉並区議会議員選挙を闘って

東京西部ユニオン執行委員 北島邦彦

 「原発をとめよう!社会を変えよう!」という原発絶対反対の鮮明な政治主張を掲げて、杉並区議会議員選挙を闘いぬきました。労働組合交流センターをはじめ反戦共同行動委員会に結集する仲間のみなさんと全力で闘いました。ご支援いただいた仲間のみなさんに心よりお礼申しあげるとともに、力及ばず当選を勝ちとることができなかったことをお詫びいたします。
「票を集めるためにどのような主張をするか」ではなく、「3・11情勢下でどのような主張をしなければならないか」を貫きました。それが原発絶対反対の主張であり、原発―原子力産業なしに生きていけない資本主義という現在の社会構造を根本から変革しようという主張でした。福島原発事故のさらなる甚大・深刻な拡大というなかでボツボツと湧いてきた脱原発―エネルギー転換の考え方と明確に一線を画し、それだけに選挙戦のなかではきわめて激烈な政治主張でもありました。しかし、それを独善的かつ一方的に主張しただけではなく、様々なレベルでの大衆的議論として切り結ぶことができたと確信できます。それがヒロシマ・フクシマ発の反原発1千万人署名運動の広がりです。この選挙戦の過程でも、1ヶ月もたたないうちに杉並で6千筆を超える署名を獲得しました。これまでもいろいろな署名活動を杉並で展開してきましたが、これほど青年労働者・学生といった若い世代が参加する署名運動は経験がありません。しかも自分が署名をするだけにとどまらず、職場・学校・地域で署名を広げる担い手が膨大に生み出されました。4月10日高円寺の原発反対1万5千人デモの核心に存在するものこそ、このような若い世代の原発へ怒りであるとともに、非正規労働者としてのあり方を自分たちに強制している社会への怒りです。
 そのうえで、こうした青年労働者・学生の反原発の怒り・想いを、選挙=投票という行動にまで組織することができませんでした。しかし、ともに闘う仲間を獲得していく手がかりは広範につくり出しています。たとえば、わが東京西部ユニオン青年部が呼びかけた原発学習会には、反原発1千万人署名に応じた福島出身20代の青年労働者が参加しています。展望はあります!この署名活動に込められた青年労働者の怒りに徹底してこだわり、学習会への組織化や東京西部ユニオンへの組織化に取り組んでいきます。この課題への挑戦と克服こそが、革命的議会主義とは何なのか、革命的議員の役割とは何なのかを明確にさせ、選挙勝利の核心をつかむことに直結するでしょう。断固この道を進みます!
杉並においては反原発1千万人署名運動をさらに拡大・展開すべく、署名推進のための連絡会づくりを構想しています。「とめよう戦争への道!百万人署名運動杉並連絡会」の仲間をはじめ、「原水禁運動発祥の地」である杉並で反戦・反核運動を担ってきた広範な人々、とりわけ青年労働者とともに新たな運動を形成していく決意です。ともに闘いましょう!
(写真 5・1反原発・反失業メーデ・デモ)
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杉並選挙戦を1000万署名で闘って

4月杉並選挙戦は、3・11大震災と原発大事故の真只中で闘われました。「すべての原発の即時停止・廃止を求める」1000万人署名を訴え、3・11直後から杉並に入りました。

福島第一原発1号機と3号機の水素爆発が12日、14日と連続し、中央特殊武器防護隊の6人の隊員と車両3台が、3号機の爆発に巻き込まれて横転破壊、防護服が破れ負傷した4人が放射線医学総合研究所に搬送されていました。
ベント実施と水素爆発などによって《事故》はこの時点で「レベル7」に達し、構内作業の全労働者が被曝させられていたと思われます。許しがたいことに政府と東電は、被曝労働者の線量「救命時無制限」を検討していました。この状況下で中特防の三曹が14日午後逃走し(数日後彼は帰隊を願い出たが逮捕、懲戒免職にされた)、特科連隊の陸曹長は米日集中捜索作戦の最中に死亡しています。
暴走する原発上空から第一ヘリコプター団CH47ヘリによる放水が実施されたのはさらに切羽詰った17日でした。放水による水蒸気爆発、そして大量の放射能を吹き上げている上空通過自体が極めて危険な状況でした。命令する側に見通しも安全確認もないまま、兵士によって原子炉建屋への初の注水が行われました。
以降、大規模な注水が始まり、メチャクチャな被曝労働が1000人規模で強制され続けてきました。基準値を超える下請け労働者や女性労働者の被曝が続き、元原発作業員が「命の軽視は30年前と同じだ」と告発しています。
しかし政府と東電資本は、「工程表」を発表しそれをもって、原発再開と新設・輸出、階級的労働運動絶滅と大失業攻撃、新日米共同宣言=辺野古新基地建設に踏切っています。
3万人の労働者、農・漁民虐殺と「フクシマ」という国家犯罪に行き着き、人類を破滅させても延命をはかる帝国主義をもはや一瞬たりと存続させてはならない。労働者階級と農・漁民の「生きさせろ」と帝国主義への怒りの爆発の中で、「戦後革命」と「2・1ゼネスト」にのぼりつめていく、連合打倒・階級的労働組合建設が絶対に必要になっています。

3・11後の最初の降雨で杉並区にも大きな影響が出ていました。乳児を抱える母親は、東京の水道水を飲むことが出来なくなりました。支持者の商店のおばさんが、本当に怒っていました。
高齢者の方が多くなっていましたが、「長谷川さんが来てくれた」と元気になった人や「世話になっているフロムアスを絶対裏切らない」という人達です。この人たちが3・11に66年前の敗戦を重ね合わせ、国家犯罪を弾劾し、社会の根本的変革を求めて署名に応じてくれたのです。
支持者には建設関係の労働者や一人親方の世帯が多くありました。東京土建関係者に回して数十筆の署名を取ってくれた支持者もありました。建設労働者にとって、「フクシマ」の状況は他人事ではないのだとあらためて思いました。

ある支持者から「この『署名』ものすごく過激だわ」と言われたとおり、すべての原発の即時停止・廃止は労働者階級が資本家と国家権力を打倒し収奪する以外実現不可能です。しかし今この闘いを真っ向から訴え、杉並に階級的労働運動の拠点細胞を建設し、労働者のゼネストを実現することが、現実の課題になっています。今回の選挙は、そうした階級的労働運動の先頭に立つ北島議員を真っ向から押し立てて闘った選挙でした。
そしてわれわれ自身が先頭に立って高円寺に集った15000の青年・学生全員と共に国鉄労働運動を闘う階級的労働運動の担い手になっていく必要がある。1000万署名運動とはそういう運動だ。これは、「職場で団結し自衛隊・兵士と団結していく」Riseの路線を実践する闘いでもあると思います。
ともに団結して闘おう!(東京会員 長野原)
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青年先頭に5・15沖縄へ!(下)

 国鉄・沖縄・原発・非正規化の攻撃を打ち返そう!

82年に登場した中曽根の「戦後政治の総決算」の焦点は国鉄と沖縄。そこで目指した「日本列島不沈空母化」は核武装化を内包していた。87年締結の日米新原子力協定は82年以降、中曽根・レーガンの交渉で進められ核燃料サイクル確立=核武装化の道を大きく進めた。労働者派遣法の制定も87年だ。
自民党政権が強行し民主党政権が引き継いだこの新自由主義の攻撃は、今回の大震災と原発事故でその嘘とペテンと腐敗が大きくあばかれた。

 【日米共同軍事作戦の狙いは新基地建設だ】

東日本大震災では自衛隊10万6千4百人、米軍7千6百人。航空機は合計680機、艦艇は合計69隻の共同軍事作戦。
米大統領オバマは、福島原発事故を「9・11に匹敵しる事態」と位置づけ米軍横田基地に米軍4軍の「統合支援部隊」を新設し太平洋軍(太平洋全域とインド洋を統括)のトップに指揮をとらせた。
原子力空母ドナルド・レーガンは米韓軍事演習の予定を急きょ変更し13日の夜明け前には宮城沖に到着した。
この日米安保体制の総力を挙げた実戦発動体制の最大の狙いは普天間基地の強化と辺野古新基地建設の強行であり沖縄闘争の圧殺だ。

 【在沖縄米軍の出動】

以下は沖縄米軍がとった作戦行動の一部だ。
12日午後には嘉手納基地所属のヘリ4機が横田基地に到着。沖縄駐留の第31海兵遠征部隊(31MEU)は精鋭の(殴りこみ部隊である)即応部隊。強襲揚陸艦エセックスが隊員ら2300人を乗せ福島原発を避け日本海から三陸沖に向かった。嘉手納基地所属の米空軍第320特殊戦術飛行中隊は夜間や悪天候を利用して「敵」の背後にパラシュート降下する専門部隊。16日にはこの空挺部隊が仙台空港に降下し高機動車ハンビーを空中投下した。空港当局や自衛隊に先行したこの軍事行動を可能にしているのは日米安保の地位協定だ。
破壊し尽くされ最大60センチの汚泥に覆われていた仙台空港をたったの3時間で滑走路を整備し戦略拠点「キャンプ・センダイ」として確保。直後にアラスカから大型のC17戦略輸送機が物資を積んで飛来した。嘉手納の空軍353特殊部隊はじめ米軍4軍250人。18日には沖縄・静岡から海兵隊150人も出動した。

【そのまま北朝鮮への侵攻も想定 した米韓(日)軍事演習】

昨年11月23日の南北朝鮮の砲撃戦はなんら偶発的な事態ではない。米帝による北朝鮮への攻撃・侵略の動きの激しさがそこにはある。そもそも昨年3月26日の韓国哨戒艦沈没事件も「キー・リゾルブ」の最中に起きた。昨年は合同軍事演習が毎月のように実施されそのまま北朝鮮への攻撃に突入する展開もありうる中であの砲撃戦が起きた。 この2~4月も米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」が強行されている。

【5・15沖縄へ】

 戦後、日帝は日米安保を「生命線」として米帝の戦争に加担しつつ日帝自身の戦争国家化を追及してきた。日米安保の最大実体は沖縄米軍基地だ。 戦後、連綿として闘われてきた反戦・反基地の労働者民衆の全島的な闘い。安保体制の最大の矛盾点と弱点がここにある。
3月6日、国鉄全国運動・沖縄が結成され、沖縄における国鉄全国運動と労働運動の拠点建設の闘いが開始された。基地労働者を先頭に労働者階級の大決起で新基地建設を実力で阻止しよう。(京都・岐部)
(写真は昨年の5・15沖縄)
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