会報 第15号

第15号 2011年9月10日発行

新自由主義を打倒し原発も、非正規・失業も、戦争もない労働者・兵士の社会をつくろう!

労働者・兵士・農民の真の敵は新自由主義だ。福島第一原発の爆発で労働者・兵士、農民が殺され、さらに日本中の労働者・兵士、農・漁民が放射線被曝で命の危険にさらされ、その危険性は世界中に及んでいる。一方、世界恐慌と大失業・解雇で膨大な労働者が、生活のためのすべての手段を奪われ、資本によって殺されている。これらの現実のすべてが、極限的に破綻している資本主義・新自由主義の現れだ。新自由主義が全労働者階級人民の命と未来を奪い、生きられないところに追い込んでいる。
福島第一原発事故は深刻化の一途。そもそも人間に核・原発を制御する力はない。8月1日、1~2号機の原子炉建屋の間で毎時10シーベルト検出。8月2日、1号機原子炉建屋2階の空調機室で毎時5シーベルト以上が検出。6月4日、1号機建屋1階で毎時4シーベルト検出。要するに悪化の一途だ。先日、被曝労働者が急性白血病で死亡。東電は原発との「因果関係はない」と開き直っている。
福島第一原発からのセシウム137の放出量は広島原爆の168・5個分に相当すると報道。文科省は8月19日、警戒区域の内、8市町村50地点で、1年間の積算放射線量の推計値を初めて公表した。最高は原発から3キロの大熊町小入野の508・1ミリシーベルト、年間許容線量の500年分に相当する。人が住めない汚染地域が拡大している。子供たちに低線量被曝の発症が急増しているという医師の報告。要するに福島第一原発事故は収束とは真逆を進んでいる。首都圏の汚泥や焼却灰も高放射能で汚染され、処分もできない。労働者階級人民はこれら全ての現実を曖昧にすることはできない。
原発事故と大失業の中で労・兵・農民が真に生きぬこうとした瞬間から闘いが始まる。闘いは団結を産み出し、労・農・兵の団結は、腐敗したこの社会を根底から変革する無限の力を生み出す。その強くて広い力=組織と運動の発展がプロレタリア革命である。
郵政職場の60%は非正規。非正規職の90%は外注化が生み出し、職場の安全も崩壊している。被曝労働と戦争は、資本による労働者・兵士の使い捨ての極致だ。
核心は、原発・核も、非正規職や失業者も、戦争もない社会を、労働者・兵士・農民が団結して、協同で建設することである。その社会建設の始まりは職場の闘いから始まる。そして職場生産点で資本と非和解的に闘い、新自由主義を打倒する戦いの武器は、ゼネストで闘う労働組合と労働者の団結だ。
今、子供の命が危ない。これはわれわれの責任ある現在の問題だ。フクシマの新たな怒りと結びつき全労働者の未来を拓くために一歩も引かず、全原発を廃炉に!そのために新自由主義を根底的に打倒しよう!この決起は革命である。これが労働者階級人民と人類が生きぬくための唯一の歴史的選択だ!
11・6日比谷公園を 労・兵・農民で埋め尽くそう!(滝山)

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シンディー・シーハンさんとともに労働者・兵士は団結して社会を変えよう!

京都・三尾

 この夏「反戦の母」と言われ、反戦運動の象徴的存在でもあるシンディー・シーハンさんが来日。ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、そしてフクシマの闘いに連帯しともに闘かわれた。
シーハンさんとの連帯した闘いは、アメリカの労働者との連帯であり団結した闘いでもある。

「反戦の母」の闘い

シーハンさんの闘いのきっかけは、イラク戦争で息子を亡くしたことにある。
04年4月4日、24歳になる息子ケーシーがイラクのバクダット郊外サドルシティーで戦死した。シーハンさんは、「発言する兵士家族の会」の一員となり、他の遺族とともに前大統領ジョージ・ブッシュと会見。05年1月、「平和のための戦死者家族の会」を設立し、ブッシュ政権の戦争責任を追及して、米軍の即時撤退を求める運動を開始。3月にはイラク開戦2周年目の闘いの先頭に立ち、また戦争のための納税を拒否して税金の不払いを宣言している。
8月には、「弾劾ツアー」と掲げたバスで、ブッシュが夏の休暇を過ごす保養地テキサス州クロフォードに支援者とともに押しかけ、道ばたにテントを張って「キャンプ・ケーシー」と名付けて座り込み闘争を始めた。
9月には、ホワイトハウス前で抗議活動をおこなった。

息子ケーシーの入隊動機

 ケーシーの入隊動機は、「家族に負担をかけまいと、大学の授業料を自分で稼ぎたいという思いだけで軍隊に入隊した」(シーハンさん)という。
米国では、ケーシーと同じ動機で入隊する若者が多い。
自衛隊でも、定時制の大学に通うために入隊する者も少なからずいる。国防を理由に入隊する者もいるが、多くの隊員は、資格取得のためや、特に地方では働き口がなく、特別職国家公務員として保障されるために入隊するケースも多い。
この不景気の中で、任期(陸上は2年単位、空・海は3年単位)退職する隊員が少なく、高齢化が進んでいるのが今の自衛隊の現状である。
米兵にしろ、自衛官にしろ入隊動機は、戦争をする、したい、という目的で入っているわけではないということだ。       しかし、隊内での国防意識を高める教育や治安訓練と称して、闘う労働者を敵視させることで、国に都合のいい駒に仕立てられていく。そのことが、労働者と兵士の合流を阻んでいる。

  アメリカも日本もおかれている状況は同じ

 シーハンさんは、反戦運動に精力的に取り組んだ。しかし、反戦運動の指導部は、「よりまし」論で、当時野党であった民主党を支持・投票しようとする路線をとっていた。それが、シーハンさんの葛藤を大きくさせていった。
ブッシュ政権にかわって民主党が政権をとれば、アフガン・イラク戦争が解決すると言う口実だ。しかし、そうではなかった。シーハンさんは嘘を見抜いていた。今のオバマ政権は、さらに米兵を増派して戦争を拡大した。それにより、アフガン・イラク民衆の犠牲がさらに増えた一方で、兵士たちも犠牲になった。なんら解決はしなかった。
そのようなことは、この国でも同じことが言える。
昨年の選挙では、自民党より民主党のほうが「よりまし」と選択した人も多いだろう。しかし、政権交代したからといって、日本の状況が良くなっただろうか。むしろ、悪化の一途をたどっているのが現実である。
普天間の基地移設問題では、裏切りを平気でし、開き直ったあげく、基地を沖縄に押し付けようとしているのが今の民主党政権だ。
「よりまし」論を選択したのがこの始末である。
シーハンさんは言う。「二つの悪のうちまだましでも、悪であることに違いはない」(ウィスコンシン州のウォーカー知事の不当な労働者への政策に対し、実力闘争で闘っている労働者にあてたメッセージの一部より)
「よりまし」でも、悪である以上それを選択することは、さらに自分たちを苦しめる道を選択するということだ。

「労働者階級の一員」としてシーハンさんとともに闘おう!

 シーハンさんは、現オバマ政権となった今日でも、兵士の息子を亡くした母として闘っている。しかし、単なる兵士の母としてでなく、労働者階級の一員として闘い続けている。
今回の8・6ヒロシマ大行動の集会発言では、「アメリカは民主主義国ではない。帝国主義の独裁政権だ。原発を廃止するためにも戦争をやめさせるためにも必要なのは革命です。唯一必要な闘いは階級戦争です。私たちが闘いをやめない限り、敗北することはけっしてありません。くじけない限り、必ず勝利します」と訴えた。
シーハンさんは、08年のILWUローカル10が主導した西海岸全港湾の封鎖闘争を全面的に支持して闘った。また、翌年の動労千葉が参加したサンフランシスコ労働組合国際会議に出席し、労働者の力で世界を変えることを訴えている。
今年7月のサンフランシスコのレーバーフェスタの中での集会では、「労働者へのこれ以上の攻撃を許すわけにはいきません。階級戦争には反撃しなければなりません。この階級戦争のために『労働運動のルネッサンス』が必要です。ブルジョア政党が抑圧しても、労働運動指導部が抑圧しても、労働運動のルネッサンスを実現する力がわれわれにはあります。われわれが闘う戦争は、階級戦争だけです。われわれは反撃します」と宣言している。
シーハンさんの闘いは、私たちと一致した闘いである。この国際連帯の闘いを自らの足元から拡げていこう!
(写真 クロフォードに立つシーハンさん)
(写真 05年9月、ホワイトハウス前で抗議中、真っ先に逮捕された。胸の写真は戦死した息子。370人が逮捕された

(写真 イラクからの撤兵を訴えるシーハンさん【オレゴン州サレム市 2009年5月】)
(写真 ヒロシマ大行進の先頭に立つシーハンさん。反戦被爆者の会の下田礼子さん、ビキニ被爆者の大石又七さんらと並ぶ

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原発再稼動阻止! 野田政権打倒!

今こそ、闘う労働組合の復権と自衛隊解体・兵士獲得の闘いを!

東京・杉橋

11月、巨万人民の総決起を!

戦争なんかしている場合じゃない!金の問題じゃない!命と未来がかかっているのだ! 原発と大失業に生活も未来も奪われたフクシマの怒りと結びついた労働者人民の怒りと闘いは、ついに菅政権を打倒した。しかし、代わって登場した野田政権もあくまで原発推進であり、階級的労働運動の圧殺を企み、戦争と大失業を強制しようとしている。原発再稼働阻止!野田政権打倒!国鉄決戦を基軸に反原発・反失業の9ー10月決戦を大爆発させ11月巨万人民の総決起をなんとしても勝ち取っていこう!

人間の未来を返せ!国際的大運動の開始

「故郷を返せ!」「家族を返せ!」「未来を返せ!」「原発なくせ!」「人間を返せ!」。フクシマの怒りと結びついた8月のヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・オキナワの闘いは、青年労働者・学生を先頭に国鉄闘争を基軸に反原発・反失業の国際連帯を勝ち取り、新自由主義攻撃を打ち破ぶる国際的大運動を開始した。闘う労働組合を全国に甦らせ、労働者民衆の階級的団結で、職場支配権をもぎり取り、職場も世の中も根本から変えていこう!その闘いの隊列に、今こそ軍服を着た労働者=自衛官・家族との団結を勝ち取り、階級的労働運動の爆発的重層的前進を切り開こう!

3・11東日本大震災と福島第一原発事故に史上最大規模の陸・海・空自衛隊、さらには、予備自衛官も動員され、その働きぶりを称賛する声は多い。けれど、政府・自衛隊がやった事は、広大な被災地を戒厳令下に置き、「挙国一致」の「政治休戦」を労働者・住民に強制し、被災者救出作戦という治安出動を展開したのである。原発事故収束作業に関わった部隊はほんの一部に過ぎない。自衛隊には「特殊武器防護隊」があり、米軍には「CBIRF」がある。しかし、原発事故収束作業に直接関わり被爆労働をしているのは、名も無い下請け労働者たちと下級兵士たちである。

原発=核問題に安全基準はない

被災地に派遣された自衛隊は、7月末には撤収が基本的に完了し、現在は150名の原発対処部隊の態勢が維持されている。8月下旬から9月にかけて、大震災と津波を想定した全国各地での地域住民を動員した「防災訓練」や、冨士演習場などでの総合軍事演習を展開した。しかし、原発事故を想定した自衛隊参加の「防災訓練」は皆無である。原発を抱える道と県では、原発事故を想定した防災訓練は約70%が「出来ない」「決まっていない」と答えている。国家として原発事故を想定した防災指針がまとまっていないのだ。 そもそも、原発=核問題であり、安全など無いのだ。国や電力資本は安全を無視し、利益優先でやってきた。事故隠し・データ改ざんが日常化し、現場労働者は被曝を前提に働かされてきた。もともと地域住民の安全など眼中に無かったのだ。政府や電力資本、御用学者らの言う「安全基準」は、あくまで原発推進を前提としたものだ。地域住民の被曝を最小限に食止めるための、また「廃炉」にするための「安全基準」など無いのだ。

労働者階級の一員でありながら、階級の利益と相対立する兵士

 被災地に派遣された自衛官にとって、被災者救出や遺体の捜索は重要な任務ではあるが、自衛隊の組織力で原発事故・被曝から広大な地域の膨大な数の住民を守ることなど絶対に出来ない。何故なら、そのような目的で自衛隊が存在している訳ではないからである。 自衛隊は、あくまで天皇を頂点とした資本家階級の利益とその体制を守るために存在し、戦争と治安のために存在している。自衛官は、労働者階級の一員でありながら、労働者階級の利益と相対立して存在している。自衛官の中には福島出身の自衛官もいて、家族や仲間が被災し、家族がいまだ行方不明のままの兵士も多くいる。

3・11は資本主義・帝国主義の極限的腐敗の姿と、帝国主義軍隊としての自衛隊の本質と現実をも突き出した。一瞬にして家族や仲間を失い、さらに原発事故・放射能汚染の拡大によって被曝させられ、生活も将来も奪われたフクシマの根底的怒りの爆発。その矢面に自衛官達も否応なく立たされたのである。「自分は、今なにをしているか」「自衛隊は何のためにあるのか」「政府や東京電力は無責任過ぎる」「国益とは何か」「国を守るとは」「原発とは」「放射能とは」等、彼ら自衛官も労働者同様に考えさせられたと思います。

兵士の声

以下は、3・11東北大震災で「災害派遣」で現地に派遣された陸上自衛官達のインタビューが雑誌に掲載されていたものである
「なんで、こんなことになったのかと、悲しかった」「自衛隊にも救助犬が十分な数だけ必要だと痛感しました」「原発の警戒区域での捜索活動は防護服などを着用するので、ストレスです」

「放射能のことについてはなるべく考えないようにしました。自分一人で捜索するなら怖いでしょうが、皆と一緒なので平気でした」
「もちろん遺体を収容する訓練など受けていません。あまりのことに、どう言葉にしていいのか解りませんでした。」
「生なましく、ショックをこらえるだけで精一杯だった」「うれしかったのは、地元のおばあさんから『頑張ってね』と飴玉を手渡されたこと」

兵士の「反乱」

自衛隊側も隊員のメンタルケアを担当する専門尉官を投入し、個別カウンセリングを実施している。しかし、そのような中で、過酷な任務に耐えられず、部隊を離脱して逮捕された自衛官や、部隊離脱して被災現地でボランティア活動をしていた自衛官もいた。軍隊で言えば「敵前逃亡」であるが、国家的任務としての災害派遣が実は実戦そのものの「治安出動」であることに、異を唱えるある種の「反乱」である。

労働者・兵士は団結し、共に闘おう!

3・11東日本大震災と福島第一原発の大事故発生から半年。原発事故は収束しておらず、放射能汚染は拡大している。フクシマを始め労働者人民の怒りの爆発に菅政権は打倒された。高濃度汚染の実態が次々と暴露され、福島第一原発の大事故がチェルノブイリをはるかに越える史上空前の原発災害であった事が暴露され、この重大事態を日帝・菅政権と東電資本は3・11直後に把握しながらひた隠しに隠し「ただちに健康に影響はない」とデマを流し続け、膨大な住民を被曝させたのだ!絶対に許す事は出来ない!
闘う労働組合が先頭に起ち、原発推進か全原発の廃止かをめぐる大激突に9・11ー9・19反原発大闘争の大爆発を叩き付け、11月労働者集会の巨万の総決起を勝ち取ろう!自衛官の皆さん!この歴史を分かつ階級激突に労働者階級の一員として団結し共に闘かおう!
(写真 除染所の洗い場で洗顔除染する隊員【南相馬市の除染所で 7月9日】)
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8・6 天神峰現闘本部破壊弾劾!

フクシマの怒りと結合し、市東さんの農地を守りぬこう!

 Rise読者の皆さん、また何よりも被災地動員や福島原発事故対応、そして激しい演習の中で日々苦闘し、怒りを蓄積している自衛隊兵士の皆さん、決戦の三里塚より連帯のあいさつを送ります。
皆さん、僕は、8月6日の天神峰現闘本部破壊の暴挙に対し、怒りを抑えることができません。この日の未明(午前3時頃)、権力・NAA・裁判所は一体となって、天神峰現地闘争本部の破壊を強行しました。現闘本部は1966年7月の建設以来、90年の成田治安法による封鎖をもってしてもなお、市東さんの農地とともに、成田空港の完成を現在に至るまで阻み続けてきたのです。特に現在係争中の裁判において、現闘本部は反対同盟の所有権と地上権を証明する現物=証拠物そのものなのです。こんなデタラメが許されていいのでしょうか?これは「証拠隠滅」ではないのですか?国家による犯罪です!
この日午前中、反対同盟を先頭に僕たちは、市東さんの畑近くで、怒りを込めて弾劾行動を行い、シュプレヒコールをたたきつけて闘い抜きました。闘い後の報告集会で、北原事務局長は「今日の闘いは勝利した。反対同盟の反権力思想は打ち砕かれていない!闘いはこれからだ!」と勝利感いっぱいの提起をおこない、また萩原事務局次長は「3・11情勢下で権力が8月6日ヒロシマ闘争にぶっつけて現闘本部破壊をやらざるをえないところに追いつめた!反対同盟の魂は燃えています!」と烈々と述べました。そして駆け付けた動労千葉組合員と、全学連現地行動隊の決起の中に、これからの三里塚闘争の発展と勝利を確信しました。

3・11情勢は、大震災がもたらした災厄と原発事故そのものが反革命であると同時に、日帝支配階級の中曽根以来の新自由主義攻撃の大破綻を示しています。この絶望的な危機にのたうつ日帝は、延命を策してただたださらなる新自由主義攻撃を激化させざるをえません。だから労働者も、農民も漁民も、学生も、もちろん兵士も、生きるために、自分たちの権利と生活を守るために、ギリギリのところからの権力・資本との闘いに決起していくのです。
「フクシマの怒り」として今猛然と爆発している3・11への、とりわけ原発への怒りは、日帝権力、東電資本、裁判所、御用学者・マスコミ等々に対する非和解的怒りであり、社会を根本的に変革(革命)するまで止むことのない闘いです。このフクシマの怒りが、国策に対して45年間にわたり徹底非妥協で闘い続けてきた三里塚闘争と結合すること―これこそが権力が最も恐れていることにほかなりません。

軍服を着た労働者である自衛隊兵士の皆さん、皆さんが被災地に、また原発事故の現場に動員され、目の当たりにした現実、これこそがあなたがたが「守るべき国家」とされている日本の姿です。規制緩和、民営化、労働組合の破壊、地域切り捨ての行き着いた姿がここにあります。そして軍事空港建設のために農地を奪い、生活を破壊したナリタの姿も同様です。
労農同盟の強化・発展こそが、この現実を打ち砕く決定的武器です。労働者は組合を武器に!農民は農地を武器に!兵士は労働者階級の一員そのものです。共に闘いましょう。市東さんの農地を守りぬきましょう!10・9三里塚全国集会に来てください!(三里塚・海人)
(写真 現闘本部破壊に怒りを叩きつける同盟と支援)
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3・11情勢下の防衛白書

2011年版防衛白書が、8月2日の閣議で了承された。資本と政府は大震災と原発大事故の危機の中、犠牲の一切を労兵士・農漁民に押し付け、白書では「北朝鮮と中国の脅威」と「中国敵視」を中心に据えた。
【原発輸出の継続】  全国9つの電力会社が地方経済を牛耳り2兆円ともいわれる電力利権を食い物にしてきた。その結果30~40万人が原発労働で被曝。「労働者を使い捨て、殺す」のが資本主義・新自由主義であり原発労働はその極致だ。政府と連合指導部は原発の再稼働を策動している。8月5日には「原発輸出の継続」を閣議決定した。ベトナムとの実務者協議も再開しトルコ、ヨルダンへの輸出も狙っている。アジアや世界にフクシマを拡散しようというのだ。断じて許してはならない。
【対中対決の前面化】 防衛白書の第1部「わが国を取り巻く安全保障環境」では、中国の初の空母保有や外洋での活発な活動を列挙し近海防御から外洋展開への戦略転換に警戒感を示し、「東シナ海(ママ)や太平洋といったわが国近海」などでの「活動領域の拡大」と中国との対決姿勢を強めている。また北朝鮮については「核兵器計画が…重大な脅威…断じて容認できず…軍事的挑発行為…予断を許さない状況」と北朝鮮への先制攻撃すら促す内容だ。昨年11・23の延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦が8月10日再度起きた。米日韓の中国・北朝鮮への侵略戦争の決定的な進展がここにある。

【対中国シフトの「動的防衛力」】
第2部では、「高度な技術力と情報能力に支えられた『動的防衛力』を構築する」「南西地域も含め、警戒監視、洋上哨戒、防空、弾道ミサイル対処、輸送、指揮、通信などの機能を整備し防衛体制の充実を図る」と対中国シフトそのものである南西諸島防衛重視の方針を打ち出している。

【自衛隊の軍事力行 使宣言】
8月10日の参院沖縄北方対策特別委で当時の官房長官枝野は釣魚台(尖閣諸島)は日本がすでに「実効支配している」「他国が侵略してきたら、あらゆる犠牲を払ってでも自衛権を行使しこれを排除する」と述べた。略奪した「領土」と資源の確保に戦争的事態も辞さないというのだ。
【大震災への自衛隊 と米軍の総力出動】
白書の巻頭では「特集」として「東日本大震災への対応」を掲げ自衛隊と米軍「トモダチ作戦」の共同作戦の側面を特に強調している。防衛省など3ヶ所に日米調整所を置き、日米防衛協力の指針にある有事の調整メカニズムを事実上発動した。白書は今回の共同作戦を日米共同の侵略戦争体制での調整・指揮・統合運用の前進として総括し、更なる強化を宣言している。

【防衛の重点地域「沖縄」と「首都」】
白書と一体で5日、防衛省は「防衛力の実効性向上のための構造改革に向けたロードマップ」を発表した。首都圏と南西諸島を自衛隊配備の重点地域とし有事の際の民間の輸送力活用も打ち出している。「民間の活用」とは国家総動員体制(今回の白書は無料電子版と漫画版も作成)の前段だし、かつてない「首都圏防衛」の強調には階級の新たな大流動に対する内乱鎮圧=治安出動態勢の再編強化がある。支配者階級は被災地人民の根源的怒りと労働組合的団結の前進に震撼している。まさに戦争か革命かが問われる時代だ。敵はやつらだ。打ち倒そう。
「何度も心が折れるような衝撃」を受けたという遺体捜索や原発対応で自衛隊兵士の中に大流動が起きている。労働者兵士との合流の闘いは労働者の緊要の任務だ。「使い捨て」に対する労働者としての怒りを先ず共有し労働者兵士との合流の闘いを切り開いていこう。
職場、学園、街頭、そして兵士との団結で、11・6労働者集会に万余の結集を実現しよう。(京都 岐部)

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労働運動のルネッサンスを!

解雇撤回・基地撤去・全原発廃止の闘いは、ひとつ!

比嘉 誠(基地労働者)

3月11日に発生した東日本大震災は、労働者人民に襲いかかり大惨事となった。これは断じて天災ではない。新自由主義がもたらした階級的犯罪に他ならない。
福島第一原発の爆発と大量の放射能漏れによる、とくに子供たちへの被曝は深刻で重大な問題だ。子供たちの生命を守り未来を取り戻すために保護者をはじめ教育労働者を中心に東京電力・政府を追及する闘いが取り組まれている。原発労働者は大量の放射能を浴びながら命を削り、原発事故の収拾のために必死に闘っている。しかし未だに収束のめども立っていない。放射能汚染の実態が隠蔽されている。政府と東電資本は「安全」を繰り返し、御用学者やマスコミも動員しながら「この程度の放射能は今も将来も身体への影響はない」などと大ウソを言い続けている。
九州電力につづいて、北海道電力でも「やらせ」が発覚し、泊原発の再稼働に動き出している。今このときにも、福島第一原発によって何十万、何百万という人々が放射能汚染に曝されている。こんな腐れきった連中にいますぐ引導を渡そう! すべての原発は即時停止・廃炉しかない。資本主義は原発によって成り立っている。原発労働者、とりわけ非正規の原発労働者の日常的な被曝(まさに命を削って)によって原発は維持されているのだ。こんな原発によってしか成り立たない資本主義社会と国家こそ打倒されるべきだ。

 8・11シンデイ・シーハンさんの講演集会は、〈基地〉と〈原発〉に対する闘いはひとつであり、反原発の闘いがみずからの課題であることを示した。
今、米軍基地の再編・強化による大量解雇攻撃が基地労働者に襲いかかろうとしている。基地労働者が闘いに立ち上がるとき、沖縄の闘いは必ず爆発する。基地労働者の闘いは「日米安保」に直結する闘いだからだ。基地労働者が基地労働者として生きるためには、「解雇撤回・基地撤去」=「首を切るなら基地を返せ」と闘うことだ。基地労働者こそ基地撤去の闘いの中心部隊であり、原発労働者も「全原発を廃炉へ」の闘いの主体そのものだ。
動労千葉物販の職場での取り組みを通して「動労千葉を支援する基地労働者の会」を立ち上げ、解雇攻撃に絶対反対で闘ってきた。基地職場のなかから基地労働者の団結をつくりだせば、基地撤去を実現する巨大な力にかならず転化していく。闘う労働組合を甦らせることはすべての労働者にとって実践的な課題だ。

原発労働者は日々、被曝労働を強いられている。厳密にいえば命をかけての労働だ。労働者は労働力を売っても命までも売り渡してはいない。1971年の米軍基地からの毒ガス移送に対し、当時の基地労働者(牧青)は自分たちと住民の命を守るためにストライキで闘った。「労働力を売っても命は売らない」は、当時の闘いのスローガンだ。
シンデイ・シーハンさんは「労働運動のルネッサンス」こそが必要だと発言している。そしてそれを実現する力はわれわれのなかにある。われわれが闘う戦争は階級戦争だと言っている。新自由主義は破綻し大不況と大失業が全世界を覆っている。資本主義はもはや命脈が尽きている。青年労働者や労働組合が、エジプト革命のようにあらゆる闘いの先頭に立っている。まさに「労働者の闘いと国際連帯の力」で決着をつけるときだ。
(写真 シンディ・シーハン 8・11 沖縄講演集会)