会報 第78号

 

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巻頭言

日本革命の震源地沖縄      「連帯し、中国侵略戦争を内乱へ」「全基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」へ

会員・Ⅾ

(1)中国侵略戦争態勢確立図る日帝岸田政権を打倒しよう

 4・10日米首脳会談は、日米同盟を対中国侵略戦争同盟に飛躍させる歴史的転換攻撃だ。岸田首相は、日米同盟を「最大の戦略的挑戦者=中国」を打倒するための戦争同盟であることを宣言し、日本が「米国と肩を並べて立つ」までになったと述べたてた。中国人民、アジア人民と世界を核戦争の惨禍に叩き込む帝国主義の中国全面侵略戦争に「日本は米国とともにある」とする岸田の「世界戦争推進」発言を絶対に許してはならない!
 「肩を並べる」とは陸海空自衛隊が基地の提供や後方支援にとどまらず最前線に立って戦い、南西諸島での「玉砕戦」、台湾人民・中国人民に「台湾玉砕戦」を強いることを指す。F35やオスプレイや第8師団司令部ヘリの墜落事故、そして今回の海自ヘリ2機の夜間「査閲」訓練中の衝突墜落事故を意味する。「米軍と肩を並べて」戦争に突入できるレベルまで引き上げるための「付け焼き刃の見通しのない」「殺人的」訓練が全自衛隊全自衛官を襲っている。
 兵士諸君!侵略戦争の銃を握るな!他国の兵士を殺す中国侵略戦争動員命令を拒否しよう。
 日米同盟の核心は対中国の軍事同盟だ。その実態は沖縄基地だ。台湾と尖閣諸島をめぐる戦争を構え、沖縄=南西諸島と日本列島の「戦力態勢の最適化」を急速に進め、さらに推進すると宣言した。尖閣諸島周辺=台湾で中国軍との軍事衝突が発生すれば、安保条約第5条を適用し「核を含むあらゆる能力を」戦力投射して、自衛隊が米軍とともに中国侵略戦争に突入していく態勢が実戦的に確立され、動きだしているのだ。中国アジア人民との「連帯」を今こそ血を流してでも貫こう!

(2)戦争絶対反対で、突き進む 戦争国家化阻止と排外主義粉砕へ!

 2022年国家安全保障戦略策定、敵基地攻撃能力保有と軍事費の際限なき拡大、防衛産業強化と武器輸出解禁は最新鋭戦闘機輸出を認めるまでになった。戦略物資の供給網の確保とそこからの中国の排除締め付け、日米共同生産体制の構築強化、継戦体制構築強化=全国港湾の重要港湾指定、滑走路延長や水深確保のための暴力的工事推進、全国の自衛隊基地の弾薬庫増設、血液製剤の独自生産確保など、米軍と「肩を並べて」一体的に戦う総力戦遂行態勢を全領域で進めてきた。
 対中国戦争のための日米韓軍事同盟、日米比軍事同盟、AUKUS、日米豪印軍事同盟の「中軸軍」が「日米同盟」と「日米統合軍」だ。日米統合作戦司令部設置、そのための在日米軍司令部の機能強化、自衛隊統合軍司令部設置が決定され全速力で動き出した。自衛隊と兵士に「絶望的飛躍」が強制され、軍事と軍部の「絶望的」強大化・凶暴化と排外主義攻撃が徹底的に扇動される。排外主義攻撃を打ち破り階級と兵士を組織しぬく共産主義者の責務はいよいよ決定的になった。闘うアジア・中国人民と連帯し、日帝の中国侵略を内乱へ転化し、自国帝国主義を打倒する革命へともに進撃しよう!

日米帝の中国侵略戦争阻止!3・11  の勝利に続き、岸田政権打倒、反戦・反核闘争のさらなる爆発を勝ち取ろう!

3・11 反原発福島行動実行委員会事務局長 長沢 宏

3・11集会・デモ、全国から470名の結集で大成功!

 福島原発事故から13年の今年、3月11日福島市において開催された集会・デモが全国から470名の参加で大成功しました。今年の3・11をめぐっては、2年目となるウクライナでの戦争、昨年からのイスラエルのパレスチナ人民虐殺攻撃など戦争の激化、そして1月1日の能登半島地震、3・11集会直前2月28日の「8・6暴処法弾圧」というかつてない一大弾圧攻撃の中で、こうした戦争と弾圧攻撃に福島―全国の労働者人民の怒りが爆発する感動的な闘いとして勝ち取られました。
 13時から開会した集会は、主催者挨拶、基調報告に続き、日帝岸田政権―東電に対する「福島の怒り」の発言が次々と語られました。浪江町希望の牧場の吉沢さんは「原発の時代を必ず乗り越える決意で頑張っていきます」と不屈の決意を語り、漁師の小野さんは「みなさんの力で海洋放出を今からでも遅くないから止めましょう」と訴え、飯館村の伊藤さんは「原発事故は終わっていない。300年経たないと元に戻らないのが原発事故です」と怒りを込めて語りました。3・11実行委員会共同代表の鈴木さんは「反原発闘争は戦争に反対することに必ず通じている。これからも頑張っていきたいと思います」と語り、いわき市の畜産農家の方は「私たち福島の農家は三里塚・沖縄と固く結び、原発反対、戦争反対でこれからも闘っていきます」と決意を述べました。こうした福島の人々の怒りと不屈の決意は参加者に大きな感動と反戦・反原発・反核の新たな決意と決起を感動的に呼び起こしました。
 さらに集会では、広島の福井さんが「8・6暴処法弾圧粉砕アピール」として「本年8月6日の集会・デモを例年通り原爆ドーム前で行い、それ以上の結集で勝ち取っていきましょう」と断固たる実力闘争を訴え、大きな拍手が巻き起こりました。また医師の杉井さんが「ふくしま共同診療所」設立の原則を一部のメンバーが否定する動きをしていることを弾劾し、「私は今後も原則を曲げずに福島に関わり続けます」と強固な決意を表明しました。全国の闘う仲間から、最初に能登震災現地から動労総連合北陸の出口さんが「能登の人々は歯を食いしばって頑張っています。・・・・さらに闘いを広げて原発を廃止していこう」と発言し大きな拍手が巻き起こりました。続いて「48時間ストに決起する」と動労千葉の関さん、三里塚反対同盟の伊藤さん、改憲阻止!大行進沖縄の赤嶺さんなど次々に全国の仲間たちの発言が続きました。 黙禱、行動提起を全体の圧倒的拍手で確認し団結頑張ろうの後、福島駅前までのデモ行進に打って出ました。警察・右翼の妨害、弾圧を完全に粉砕し、沿道の労働者人民の圧倒的注目を受け、成功裏にデモをやり抜きました。

「汚染水放出するな!」と訴えデモ(3月11日 福島市)

3・11以後の闘いと福島をめぐる重要な動き
 3・11集会とデモの大成功後、3月19日の福島県議会で、自民党が汚染水海洋放出をめぐって2月の日教組教研集会で「教育現場で汚染水と言っている」などと難癖をつけ、「教育現場で処理水と教えろ。そのために文科省の副読本を使え」なるとんでもない意見書を強行採決しようとしてきました。これに対し、私たちはこの日徹底弾劾行動に決起しました。
 さらに23日には宮城の女川原発が9月にも再稼働を狙われていることに抗議する集会が仙台市で開催され、私たちは19日の闘いに続いて総力で参加し、集会後は福島県教組など福島や東北の労働組合と共に一番丁アーケードなど繁華街のデモをやり切りました。

4月17日、米軍ヘリが福島市の山に緊急着陸

 4月17日午後2時頃、福島市南部の山中の空地に米軍横田基地所属のUH1ヘリ2機が突然強行着陸しました。「1機の警告灯ランプがついたから着陸」と言っていますが、沖縄・南西諸島の戦場化、戦争に向けて全国の空港、港湾の使用が打ち出されるなど日米の戦争体制構築の動きがエスカレートする中での動きであり、「警告灯云々」は口実で、米軍機の緊急着陸の既成事実化の動きの可能性はあると思います。数年前だと思いますが、山形空港に米軍機がやはり機器の不具合を理由に緊急着陸したことがありました。東北防衛局が福島市に連絡してきたのが着陸から6時間後、マスコミが明らかにしたのが20日のテレビ、新聞報道という状況でした。日米帝の中国侵略戦争にむけた攻撃のエスカレートがここ福島市でも強行されています。徹底弾劾しなければなりません。

核と原発への怒りも新たに集会を勝ち取った(3月11日 福島市)

反戦闘争の爆発で、日帝岸田政権の中国侵略戦争を阻止しよう

 日米首脳会談で日帝岸田は、米帝バイデンと一体で中国侵略戦争に突入することを明らかにしました。侵略戦争の前面に自衛隊が立ち、米軍と共に沖縄・南西諸島を戦場として戦争を強行することを内外に宣言したのです。沖縄・南西諸島の戦場化、基地強化、激化する軍事演習はみなこれに向けた重大な攻撃です。戦争国家化、戦争体制の構築、日帝支配階級は「すべてを戦争のために」、完全に突き進もうとしています。この間、暴露された陸自、海自の靖国神社集団参拝、16日公表の経団連の政府への提言等々断じて許すわけにはいきません。
 今世界では各国で労働者人民が反戦闘争に一大決起しています。この国際反戦闘争と共に8・6弾圧を粉砕して5月沖縄現地の闘いに勝利し、8・6ヒロシマ反戦・反核闘争の爆発を勝ち取ろう!。昨年を大きく上回る結集を闘い取り、国家権力と右翼の反革命暴力を実力闘争で粉砕し、広島の労働者市民を合流させよう!これが8・6暴処攻撃を無力化し、攻撃をエジキに転化する核心です。4・28―5・15―6・9から8・6ヒロシマで中国侵略戦争に突き進む岸田政権を打倒しよう!

内乱と実力闘争でプロレタリア革命へ

高山俊吉

 「民衆の旗赤旗は 戦士の屍(かばね)をつつむ。屍(しかばね)固く冷えぬ間に 血潮は旗を染めぬ。高く立て赤旗を その蔭に生死せん。卑怯者去らば去れ 吾らは赤旗守る」(赤旗の歌)が東京の労働者の間から歌われ出したのはロシア革命4年後の1921年でした。この歌は瞬く間に全国に広がり、この国で最も歴史の長い革命歌のひとつになったことが知られています。
 私の父は旧制松本高校を経てその頃東大新人会に所属していました。卒業後の反戦活動が治安維持法違反とされて逮捕され、実刑判決を受けて下獄しました。また、教員として労働運動を現場で闘い解雇され、無産者託児所で働いていた母は予防検束であちこちの留置場を引き回されていました。母の実弟は旧制水戸高校で後に映画監督になった今井正氏などと一緒に軍事教練に反対する闘いに加わって学校を追われ、逮捕されて拷問を受けている現場を小説家鹿地亘氏に目撃されるなどしていました。1930年代、多喜二虐殺の時代です。後に母は、悔やんでも悔やみきれないのは戦争を止められなかったことだと私に言っていました。

4・28沖縄デー・渋谷デモ。機動隊の規制をスクラムデモで突き破って進む全学連。(4月28日。渋谷)

 戦争を内乱へ、そして革命へ。文字どおり実力闘争をもって第一次大戦の最中にプロレタリア革命を敢行し、闘う労働者を中心とした社会主義社会をこの地上に出現させたのは1917年のソビエトロシアです。
 この趨勢は矛盾の本質をともにする全世界の労働者に広く伝播することを確実に予測させました。そして、搾取と収奪により血にまみれた利得をむさぼってきた勢力の命がけの体制生き残り作戦がその時に始まったのでした。
 彼らの作戦の柱のひとつは、成立した社会主義体制を拡大させない反革命戦略でした。それは新しい社会を世界規模に拡大させようという民衆決起に敵対するすさまじい抑圧と反撃です。私の一家の光景もその流れの中の一つの現象でした。
 そしてもうひとつの柱は、自らの体制下の労働者民衆に、革命を経なくともその生活と生命の保障は実現できる(!)ことを示すことでした。アメリカ帝国主義下のニューディール政策、日本帝国主義下の恤救(じゅっきゅう)国策などの本質はまさにそれです。
 しかしそこには途方もない虚構があります。「資本家の大金庫の中をいっぱいにするために労働者民衆の小さな財布をカラにする」ことが革命の引き金になることを知った彼らは、自分たちも僅かばかり身を切ることにしたという話です。それは血のにおいがする支配階級の大金庫を死守しつつ、その中からいくらかの札束を取り出して教育や福祉や医療やらに欺瞞的に使って労働者民衆の心を現体制のもとに引き留めようという謀略でした。

米コロンビア大学  弾圧怖れずガザ反戦の先頭に起つ。(4月30日)

 1974~75年の世界恐慌は彼らの心胆を寒からしめます。このまま社会主義もどきの保障を続けていたら、自分たちの金庫の隙間は増えっぱなしになる。そのように「気づいた」彼らがとった政策がほかでもない新自由主義政策でした。「もう一度おのが思うまま自由勝手に搾取収奪を展開する懐かしい手法に戻ろう」。サッチャー・レーガン・中曽根と並べられるこの政策主導者たちの思惑は、ロシア革命から半世紀に及ぶ壮大な欺罔(きもう)工作の破綻を認め、帝国主義諸国の政治・経済・文化政策の根底からの立て直しを展開するものでした。
 身を切るにも「切る身」がなくなった、俺たちが獲得した利得は俺たちの金庫に収めさせてくれ、格好を付けて物を言うのはもう終わりだという訳です。結果、この国では、国鉄、郵政、教育、司法などをはじめありとあらゆる労働者民衆の広汎な生活分野が新自由主義の嵐が吹き荒れる荒野になりました。
 だが、社会主義革命の結果を受けてひねり出した資本主義体制延命策が終わるときというのは、とりもなおさず世界の労働者民衆があらためて革命を正面からの課題とするときです。資本主義がごまかしようもない醜悪な本性を世界の労働者民衆の前に再びさらけ出す時代です。革命から半世紀という期間を経て資本主義はその正体をあらためて全世界の労働者民衆の前にさらしたのでした。

米イェール大学  反イスラエルデモ(4月22日)

 歴史的没落過程にあるアメリカ帝国主義がウクライナの対ロシア戦争を指揮監督する。そのアメリカがイスラエルのパレスチナに展開するジェノサイド攻撃を指揮監督する。そしてウクライナ大統領はイスラエル首相に連帯のメッセージを送る。没落過程ゆえに展開されるアメリカ発の世界戦争がすでに始まっています。
 そしてそのアメリカと日本の軍事同盟態勢は、米中対立の非和解的な激化を背景に対中国戦争同盟としての性格を急速に強めました。沖縄の軍事要塞化の急速な動きは日本の中国に対する再びの侵略戦争がすでに始まっていることを示しています。戦争なしには立ちゆかないところに追い込まれた2つの帝国主義国は、醜悪に連携する憲兵団兼強盗団としてその姿を現しています。
 「中国の覇権姿勢への懸念」などと声高に言う者には「東洋平和」を標榜して2000万人を殺害した国のことを思い起こさせねばならず、そういう言説を広めようとする戦争勢力を暴露告発し、戦争で多大の利益を獲得することをもくろむ者どもに対する根底的な弾劾を展開しなければなりません。

 世界恐慌は構造的な失業と大貧困と戦争の契機になりました。そしてそれは体制内では何も解決せず、それこそが革命の決定的な契機になることを私たちは歴史の教訓として知っています。新自由主義の崩壊はプロレタリア革命の到来の時を意味するということです。
 そしてその対決は言うまでもなく実力を伴う物理的な対決です。支配勢力が体制支配を貫徹するために実力を行使する時に、これに対決して決起する行動が実力を伴うことになるのはあまりにも当然のことです。
 求められているのは、ロシア革命がそうであったように、反戦の闘いを内乱に転化発展させることです。そしてその力をもってこの社会を根底から新しい社会に変えてゆくことです。それが私たちの大きな展望であり、目標です。その思いを同じくする労働者民衆が多いことを深く信じ、強い決意をもって闘い抜きたいものです。

米マサチューセッツ工科大学 パレスチナ連帯行動(4月22日)

自衛官は侵略戦争の銃をとるな!

内藤三平

自衛隊の市中行軍・治安出動訓練許すな!

 3月17日、私達「改憲・戦争阻止大行進 板橋」は、米帝と日帝岸田の体制延命を賭けた中国侵略策動の強まりに反対して東武練馬駅近くの公園で東京各地からの応援も得て「自衛官は侵略の銃を取るな!」の集会を100人の結集で勝ち取りました。
 これに先立ち陸上自衛隊の約300人が17、8人の小隊に別れ、戦闘服とヘルメット・軍靴で武装し都内の公道を白昼公然と行進、各区役所に軍靴のまま乗り込むという異常な事態が進行しています。
 板橋区役所においてはこの自衛隊を元自衛隊の区議が拍手で迎え入れるという事態さえ起こっています。区民には極秘で彼らにはあらかじめ通告されていたのです。
 軍隊は労働者や住民を護らない。労働者民衆は治安弾圧の対象。しかし多くの自衛隊員は軍服を着た労働者です。私たちの獲得対象者です。どんな困難があっても必ず獲得しなければならない。デモ隊の呼びかけに駐屯地内や宿舎から手を振って応じる人もいました。
 今回の集会とデモで明らかになった一番大事なことは基地の中にいた隊員も官舎に住んでいる自衛隊家族も誰一人戦争を望んでいないと言う事実でした。
 集会後直ちに練馬駐屯地に向けデモ行進に起ちました。100人の隊列が大型スーパーや商店街の市民の注目の中、練馬駐屯地前に到着。基地正面には車止めを設置して物々しい雰囲気であったが、すぐに担当の隊員が出てきました。
 東京北部の青年労働者と三多摩の仲間が、駐屯地司令や岸田あての抗議申入書を堂々と読み上げている間、デモ隊が立ち止まって声援を送ると、公安警察が激しくかつ執拗に規制・弾圧をしてきました。岸田政権と自衛隊幹部が、私たちの闘いをいかに恐れているかを垣間見た思いでした。

米日帝の中国侵略戦争を絶対に許すな!

 4・10日米首脳会談・共同声明を弾劾する!日米共同声明は対中国への侵略戦争に向けた日米安保同盟の画歴史的転換であり、大再編をなすものです。
 それは日米安保同盟発足以来、最大のアップグレード(バイデン)と自賛するように文字通り日米安保の中国侵略戦争同盟への大転換。世界戦争を遂行するグローバルパートナーへの飛躍そのものです。

自衛隊員は侵略の銃を政府・支配者に向けよう!

 戦争の本質は危機に陥った資本と支配者どもがその延命を賭けて絶望的に始める政治であり、私たち労働者・市民にとっては何ももたらさない。それは第二次世界戦争で戦場とされた沖縄の現実を考えれば明らかでしょう。そして軍服を着た労働者としての自衛隊員にとっては他国の労働者・市民に銃を向ける理由など無いのです。戦争を始めなければ延命できない帝国主義を今こそ私たち労働者・市民が世界の仲間と手を結んで打ち倒しましょう。
 今、世界は戦争か革命かの大激動に突入しています。バイデン政権は「ロシアを抑えつけ中国を打ち負かす」という米中戦争―世界戦争計画に日帝を動員し、岸田は「実際に戦争をする国」へ突進しています。しかし戦後、二度と過ちは繰り返さないと誓い、粘り強く反戦を闘ってきた日本労働者階級・市民の戦いは厳然として健在です。世界の労働者階級・市民の戦いと繋がり戦争をしなければやっていけない社会をひっくり返しましょう。

今こそ、反戦・反基地-反軍闘争の前進を!
兵士の決起-反乱と結びつこう

滝山猛師

第三次世界戦争は核戦争

 岸田は、米議会の講演で「アメリカは今自己不信と威信の低下に陥っている」として、米中戦争―中国侵略戦争は日帝自身が遂行する戦争になったと宣言した。それは第一次・第二次大戦も上回る世界戦争である。第三次世界大戦は長期の戦争とはならないであろう。なぜなら「世界最強の軍事力」をもつ米帝といえども長期の世界戦争を維持する能力には限界がある。一定の段階で、それも早期の段階で先制的核攻撃に出ざるを得ない。周知のとおりそのシミュレーションは既に出来ている。だから中国侵略戦争は絶対に阻止しなければならない。
 中国スターリン主義は米帝の世界支配を前提にした反労働者国家だ。根本的には帝国主義の世界支配に屈服したところから発生し、米帝にかわって世界支配ができる存在ではない。したがって先制的核攻撃は米帝の側の武器としてある。そのもとで日帝岸田政権が中国侵略戦争への突入を宣言した。それが日米共同声明だ。日米同盟の大転換であり、日帝の絶望的突入だ。日米の側からの世界支配の危機を突破せんとする世界戦争への突入である。
 第三次世界大戦開始情勢と日帝・岸田政権の中国侵略戦争国家化への大転換が自衛官と家族の動揺と分岐を生み出している。隊内不祥事事件の増加と処分、殺人的訓練による事故と自衛官の死亡などはその現れの一端だ。防大卒業生の任官拒否者への罰金制度導入(4800万円)は日帝の脆弱性の現れであると同時に自衛隊内に矛盾と脆弱性をさらに抱え込む。愚かな懲罰制度だ。すべて日帝の危機と焦りから発している。
 反戦・反基地―反軍闘争の大衆的爆発とその前進で兵士・家族の隊内決起―反乱と結び付く絶好の情勢下にある。

反戦―反軍闘争の前進が兵士との合流を可能とする

 階級闘争―階級戦争が発展すれば必然的に革命と反革命の暴力的激突に至る。実力闘争はそこに至る過程だ。プロレタリア革命は暴力革命。国家暴力は1%の支配階級が(大企業は全産業のわずか0・3%)99%の被支配階級を分断・搾取・支配し、抑圧を維持するための装置だ。
 そして侵略戦争は1%の支配階級の利益と延命のために発動する国家暴力の最たるものだ。岸田政権は今、日米首脳会談―日米安保再改定ともいうべき大転換で米中戦争―中国侵略戦争に絶望的に突進している。その根底にあるのが没落米帝の危機。米帝基軸の世界体制の崩壊だ。その崩壊と危機がウクライナ戦争を引き出し、イスラエルのパレスチナ人民抹殺のガザ攻撃を引き出し、中東全域への戦争拡大の危機をも引き出している。支持率10%台という岸田政権に依存しなければならないという現実の中に米帝末期の危機が現れている。まさに人類は「戦争か、革命か―世界戦争か、世界革命か」に直面している。
 革命と反革命の激突は革命的暴力と反革命暴力・国家暴力との非和解の激突である。プロレタリア革命はこの国家暴力を革命的暴力によって打ち砕くことなしには不可能。プロレタリア革命はこの現実から出発しなければならない。
 現在、組織された国家暴力に対して軍事的には劣勢な労働者階級が革命に勝利するためには何が必要か。それは帝国主義の軍事力に即軍事力で対抗するのではなく反戦闘争の大衆的爆発、階級的労働運動の前進をもって国家暴力―警察・軍隊との激突を経験し、弾圧を粉砕しつつ、その経験を積み重ね、その過程で労働者階級人民が武装し、武装を強化し、優勢な帝国主義を革命的暴力で打倒できる軍勢へと大きく飛躍することである。これ以外にいかなる方法もない。
 反戦・反基地闘争の大行進運動で軍隊を包囲し、戦争と治安出動拒否、命令拒否を呼びかけ、反乱に立ち上がる条件を広範につくりだすことである。だから究極的にはプロレタリア革命の側への兵士の移行・獲得が絶対的課題となる。それを獲得していくのが反戦―反軍闘争だ。ここでの言及は避けるが、非公然・非合法党建設的な隊内工作は別次元の闘いであることを確認しておきたい。
 帝国主義ブルジョアジーの軍隊がいかに近代兵器で武装しようとも、それを手にしているのは軍服を着た労働者・農民、そして未来を奪われている青年だ。労働者党と階級は彼ら彼女らを根底的に信頼し、とことん依拠し、隊内決起を呼びかけ、獲得し、労働者階級人民とともに反乱に決起することを不断に呼びかける。全国で呼びかける。それが反戦―反軍闘争。

階級的労働運動と反戦―反軍闘争の結合

 侵略戦争を革命に転化する力の土台は、反戦闘争を基軸とする労組の建設―階級的労働運動の前進だ。ストライキ―ゼネストを打ち抜ける労組建設だ。ゼネストを労働者自己解放への闘いへと推し進めることのできる労働組合の建設である。ゼネストを武装蜂起に転化できる労組と労働者党の一体的建設である。いうまでもなく労組と労働者革命党は別個だ。だが階級と党はゼネスト―武装蜂起と労働者自己解放―プロレタリア革命をめざすものとして一体的に建設しなければならない。そしてその建設に全存在をかけて突進する目的意識性と実践的行動力が問われている。今それが根底から求められている。労働者党の指導部がその最先頭に立つということ。
 資本・国家権力との非和解の激突は職場・生産点においても、街頭においても、同一だ。この二つを結びつける階級闘争が反戦闘争―反軍闘争だ。職場や街頭闘争において逮捕・投獄を恐れてはならない。流血の激突を恐れてはならない。倒れることを恐れてはならない。倒れれば、必ず、新たな指導部が生まれる。実力闘争の激突が漸進し、革命と反革命の激突が労働者人民を鍛えると同時に青年と学生の新たな決起を生み出す。それが階級闘争であり、革命運動が内包するダイナミズムだ。この全過程と革命的前進の中から労働者階級人民と青年・学生の人間的未来が切り開かれる。革命戦争は生と死を分かつ激しさがある。革命のための死を恐れずに突き進もう。

兵士との団結は労働者との団結からはじまる

 兵士との団結は職場の労働者との団結からはじまる。労働者と団結し、組織する職場の闘いこそが、兵士と団結し、兵士を組織し、兵士を獲得し、軍隊を解体し、革命の側に兵士を移行させる実力と能力形成に転化する。労働者人民をプロレタリア革命に組織する実践と能力が革命の土台である。土台のないところに家は建たない。帝国主義支配階級にとっては労働者も兵士も「奴隷」であり「使い捨ての駒」でしかない。労働者と兵士を獲得する能力―宣伝・扇動の能力は本質的にも現実的にも一体であり、同質だ。繰り返すが自衛官への戦争反対の訴え、侵略の銃はとるな、握るな、防衛出動と治安出動命令を拒否せよの呼びかけは隊内からの決起と反乱の呼びかけそのものだ。その意識的で不断の呼びかけがプロレタリア革命とプロレタリア独裁権力を打ち立てる強力な武器に転化する。
 ウクライナ情勢とガザ―中東情勢も米中戦争―世界核戦争情勢を加速させ、帝国主義とスターリン主義の危機は日々、深まっている。「蜂起は技術である(レーニン)」。これは決定的瞬間を逃さず、掴み取る能力と技術だ。これを受け入れるならば、第三次世界戦情勢はまさに大行進運動と反戦―反軍闘争―プロレタリア革命への飛躍的拡大のチャンスだ。今がその時だ。連帯し侵略を内乱へ!祖国擁護拒否!プロレタリア革命へともに進撃しよう!

 

会報 第77号

 

 

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巻頭言

帝国主義もスターリン主義も「噴火山上」にある

会員・D

 Rise読者のみなさん、自衛隊兵士のみなさん、日本帝国主義・岸田政権の侵略戦争突進を実力阻止する戦いに全力で立上りましょう。日本帝国主義に内乱・内戦を叩きつけ打倒するまで戦い抜く時がきているのです。
 全世界の帝国主義政府が「噴火山上」にあります。中国スターリン主義も「噴火山上」にあります。全世界が内乱情勢に入っています。
 とりわけ日本帝国主義です。労働者階級は岸田政権に82%の不支持を叩きつけています。人民の憤懣(ふんまん)が公然たる組織的内乱に転化するのは時間の問題です。
 にもかかわらず、いや、そうであるがゆえに、米日帝の中国侵略戦争に向かって、岸田政権は、8兆円の軍事費と軍事予算の「審議」を最優先させ、1月10日には辺野古新基地建設に向けて大浦湾側の工事にだまし討ち的に着手し、1月8日、習志野では、駐屯地から能登半島に向けた救援機を発進させるのではなく、対中国侵略戦争を想定した8カ国の空挺部隊による「離島奪還」軍事演習を実施し、1月15日、「ミサイル避難」と称して中野で戦争動員訓練を実施しました。しかし、中国侵略戦争に向けて「中距離ミサイル配備」を進めているのは米日帝国主義の側です。
 2月1日から8日まで、米豪日指揮所演習「キーンエッジ24」では、豪州を初参加させ、中国を仮想敵国と明示して実施しています。最高レベルの日米共同演習とされています。日本列島の自衛隊基地、米軍基地、戦闘機・爆撃機を総動員する対中国(台湾有事)作戦を想定しています。米軍のマルチドメイン作戦や自衛隊の領域横断作戦が検証されたと言われています。指揮所演習に続いて、実働演習が前倒しで実戦的に実施される予定です。
 こうした「キーンエッジ24」演習下で、横須賀市内では「武装ゲリラの上陸」を想定し自衛隊が主導し、自治体・医療・運輸労働者・住民を動員した「住民保護」訓練を実施しています。米日帝国主義は中国侵略戦争を決断しているが故に、戦争動員体制攻撃を具体的に実施しているのです。大行進運動は、まさに全国各地で全力で、戦争演習と戦争動員攻撃に実力対決し、「戦争反対」「侵略を内乱」へ闘っています。
 日本帝国主義、岸田政権と経団連は、イスラエルとウクライナへの軍事支援を決定的に強めています。米欧帝の戦争継続体制が危機に陥る中、日帝が参戦と介入を強めているのです。「日ウ復興支援」などという日帝の参戦を絶対許してはなりません。日帝が中国侵略戦争への突入を決断し、そこから、日帝の存亡をかけて軍事支援と参戦に踏み切っていることを見据えよう。同時に、日帝がウクライナやパレスチナへの帝国主義侵略戦争の先頭に立っていくような危機、全世界の帝国主義とスターリン主義が崩壊するような危機のまっただ中に、戦後の帝国主義世界体制が突入していることをはっきり確認しよう。
 労働者は、巨万の実力反戦デモを組織しぬく。自衛隊兵士諸君、侵略戦争の銃を握るな。防衛出動命令を拒否しよう!治安出動命令を拒否しよう。

被災地能登から「再稼働・新増設粉砕!岸田政権打倒!」の狼煙を上げよう!

出口 威

 能登半島地震はマグニュチュード7.6で阪神淡路や熊本の7.3をはるかに超え、港が最大4mも隆起する大地震でした。その被害は甚大で人命、家屋、生活を奪い去りました。
 地震は天災です!しかし、それを嘆いていても何も変わりません。この禍を転じて、復旧さらには社会の在り方を変えていきましょう。キーワードは日本から、地上から原発を全廃していくことです。再稼働・新増設攻撃を打ち砕く絶好のチャンスにしなければなりません。

隆起し干上がった磯。その奥の丘に寺家原発を建設する予定であった

「珠洲原発建設阻止」闘争が日本を救った

 震源地は能登半島珠洲市の高屋・寺家地区でした。実はこの地区に1970年代半ばに関西電力、中部電力、北陸電力が1000万キロワットの珠洲原発基地建設計画がありました。
 反対派は「過疎地、産業がないからと言って原発を誘致することはもってのほか」と、地域の利権ボスと真っ向から対峙、強固なつながりと粘り強さで、2003年に撤退させました。珠洲原発がもし稼働していたなら、フクシマ以上の大惨事となり、本州は人の住めない地になってしまったでしょう。
 この反原発闘争の画期的勝利を生み出した方々は、2011年3・11フクシマの惨状を憂い、その復旧を願い2016年から珠洲市大谷で始めた「こいのぼり保養」以降の能登での保養を支え続けてくれています。

被災者に寄り添わず、利権にしか目がいかぬ岸田と馳

 地震は今や人災となって被災地に襲い掛かっています。初動対応の致命的遅れを隠そうと岸田は、被災者には「最大20万円貸す」、観光業には「北陸応援割に104億円」と言い放ちました。また、石川県知事馳は「大阪万博ぜひやって!」と1000万円の予算を計上しています。政府はサラ金業者に、知事はイベント屋になり下がりました。「こんなひどい政府聞いたことない」「地元や被災者をどう思っているのか」と怒りが噴出しています。

道路事情が悪く、支援物品を積んで行くコース選定

住まいと生業、故郷を奪われた避難者を無碍に扱うな

 公民館、保育所などに避難している方を一次避難者と呼び、孤立集落などから旅館やホテルに避難された方を二次避難者、ホテルを希望するもスポーツセンターなどで待機する方を1・5次避難者と呼んでいます。このほか各集落では自主避難所を運営しています。
 ところが、被災から2カ月も経ないのに、自主避難所への支援を打ち切り、寒空の下に放り出そうとしています。水道もトイレも使用できず食器は洗えず洗濯もできません。これが被災地の実態です。その上、3月16日のダイ改―新幹線敦賀延伸に歩調を合わせる「応援割り」を導入、被災者をホテル・旅館からたらい回しにしようとしています。

ローカル線こそが地方活性化のキーポイント

 3月ダイ改では、日本海側の大動脈であった北陸本線は並行在来線廃止により、新潟、富山、石川、福井の各県の第三セクター化=輪切りされ、米原~敦賀間だけとなり、今後は枝線の大糸線、高山線、七尾線、九頭竜線などはJR西から切り捨てられます。こうした施策は地域の文化、経済、歴史を断ち切り過疎化を加速します。逆に言えば、地方活性化のカギはローカル線が握っています。地域の再生は農林漁業、経済、教育、文化等を軸に見直せば命を吹きかえします。それは、物流構造の変化に伴う貨物列車輸送の復活をみればそれは明らかです。

「トモダチ作戦」の狙いは軍事同盟強化と核問題にあり!

 能登半島という地理的特殊性を理由に自衛隊は救援・復旧行動への動員を大幅に削減しました。そんな中、自衛隊と在日米軍との「トモダチ作戦」が再現しました。その狙いは、「日米軍事同盟の緊密さ」を内外に示すことにあります。その上で、志賀原発由来の放射性物質の漏洩監視、及び核物質の遺失・盗難防止にあったことを見逃してはなりません。

危機一髪の「志賀原発」!「避難訓練」は砂上の楼閣

 今回の地震で3・11を想起した方は「震度7の志賀原発は大丈夫か?」と心配されました。当然です、07年3月25日、マグニチュード6.9の能登半島地震、近年は群発地震、23年5月5日にはM6.5、その7か月後はM7.6と続いているのです。
 23年の5月12日、原発の新規制基準適合性に係る審査会合は「最大マグニュチュード8.1が想定されている」と評価しています。北陸電力の株主総会で質しましたが取り合いませんでした。原発の敷地は隆起し、変圧器からはオイルが流出、送電線は破断し電源は遮断されました。内部はどうなっているかは全く不明のままです。
 14年10月8日、原子力規制委員会は緊急時迅速放射能影響ネットワークシステムスピ―ディの運用を避難や一時移転等の緊急又は早期の防護措置の判断にその計測結果は使用せず、モニタリングポストで判断することになりました。そのモニタリングポストは倒壊し用をなしていません。さらに、北電と県は原発事故避難訓練を繰り返してきましたが、何の役にも立ちません。緊急避難施設は損壊し、道路は寸断・不通に、港も使えず避難できない陸の孤島となっています。

無惨に崩壊した家屋

「港の新造」は必須!景観壊さぬ「防潮堤」を!

 能登では全員が被災者です、とりわけ漁業関係者は完全お手上げで沿岸の港はことごとく破壊されました。陸に上がった船そのもので、港を新造しなければ出漁できません。「港の新造」には「コスト」がかかります。既にゼネコンには能登の景観を破壊する高い「防潮堤」建設案が噂されています。災害を食い物にするゼネコンの暗躍には監視の目を光らせねばなりません。

 岸田政権は被災者を踏みにじり、自衛隊を前面に押し立てた戦時体制の構築をうちだし、地方切り捨てで被害を甚大化させた責任には一言も触れずに居直っています。地方復権・地方活性化の柱は被災者の生業と尊厳を守り、地方交通網の充足にかかっていることを大胆に訴えていきましょう。そして人災の元凶である日帝岸田政権打倒へ!

 

中国への戦争進める岸田政権打倒!
関西空港を戦争に使わせない!

改憲・戦争阻止!大行進関西会員 N

 関西空港の対岸、薄曇りで潮風ぬけるりんくう公園さくら広場。泉州住民の会と関西労組交流センター主催の、「関空を戦争に使わせない!」2・11集会には約60人が結集しました。「中国への侵略戦争に関空を出撃基地として絶対に使わせない!」―軍事利用を絶対阻止するとの全参加者の思いと決意がみなぎりました。
 集会後、力強いデモ隊が航空保安大学の横から「中国侵略戦争絶対反対!改憲と戦争の岸田政権を倒そう!」と声を上げ、「関西空港を戦争に使わせない」旗を林立させ、出発。デモコースのりんくうアウトレットでは多くの人々が陸橋の上から、拳を上げ、意気軒高と進撃するデモ隊の登場に目を見張り、大きな注目を集めました。岸田政権の進める戦争国家化の重大な攻撃を打ち破るデモとして闘いぬきました。

関西空港の軍事利用絶対阻止!
戦争絶対反対の関西合同労組つぶしを跳ね返す!

 関西合同労組泉州支部の西村美由紀支部長が「岸田政権打倒、関空を戦争に使わせない」集会の開会を宣言し、司会で始まりました。そして、戦争国家化攻撃と対決し、「支部長である私の継続雇用を拒否する、SOC(クリーニング会社)から闘う労働組合を一掃する関西合同労組潰しの解雇攻撃にストライキも辞さず、継続雇用拒否を撤回させるまで、反戦春闘として闘う」と決意表明されました。
 泉州住民の会の代表である中川いくこさんが、「本集会が関西空港を中国侵略戦争に絶対に使わせないための集会である」と冒頭に確認し、米・イスラエルによるパレスチナ人民へのジェノサイドやめろ、ウクライナ戦争を即時終結せよと訴え、基調報告をしました。「泉州住民の会は関空の軍事利用反対で闘ってきた歴史があります。空港で働く労働者、地域の労働者と住民が一緒になって闘い、関空の軍事利用を絶対阻止する」、そして「SOCでの西村支部長への解雇攻撃は、関西生コン弾圧、港合同昌一金属労組つぶしと同じ、戦時下の組合つぶしの攻撃です。絶対許さない!」と核心的な提起を行いました。24反戦春闘を、中国侵略戦争阻止、岸田政権打倒として、その先頭に立って闘うと鮮明な決意表明でした。
 主催者として関西労組交流センターの深町加代子代表が「連合を打倒するような反戦春闘として闘い、組合をつくり変え、戦争は始まる前に止める、泉州住民の会と団結して関空闘争に勝利したい」と連帯のあいさつをしました。
 泉州住民の会の小林さんが「忘れてはいけないことが一つだけあります。住民の会の会員として、人間として戦争だけは絶対反対です。戦争絶対反対と訴え続ける。貫き通す」という人生をかける決意表明がありました。“関空を絶対に戦争に使わせない”と全発言者が力強く表明しました。

民間空港を、関空を絶対に軍事利用させない

 昨年の2月、「関西空港や阪南港がミサイルなどによる他国から攻撃を受ける可能性がある」として大阪府が初めて国民保護訓練を実施し、それに率先して参加したのが泉佐野市です。衝撃的ですが、すでに、関西空港がミサイル攻撃などを受けたとする想定で、避難訓練が実施されています。ところで、笑止千万にも、なんと泉佐野市の住民を京都府に避難させる計画だそうです。昨年11月27日、全国の空港と港湾の「公共インフラ整備」の政府原案が報道されました。空港14施設と港湾24施設の計38施設を選定し自衛隊や米軍が使用できるよう整備する計画です。選定地の約7割の28施設が沖縄と九州に集中しています。中国への侵略戦争を想定し、沖縄と九州の基地強化が強力に打ち出されているのです。
 この計画では、さらに平時から自衛隊機や海上保安庁が訓練などで円滑に利用できる枠組みを設けるとしています。関西空港をはじめ民間空港や港湾の軍事利用が狙われています。
 自衛隊がこれまで使っていなかった民間空港への戦闘機の離着陸や、原子力発電所での防護訓練を行っています。昨年11月、民間空港で初めての戦闘機の訓練が実施されました。日本全域で展開される演習の中で、戦闘機のF15やF2を、岡山空港、大分空港、鹿児島県の徳之島空港と奄美空港の4空港で離着陸させました。これは、中国侵略戦争を実戦的に想定した国家安保戦略の発動であり、すべての空港を軍民共用化し、日常的に米軍と自衛隊が使用しようとする攻撃です。
 労働者の闘いで戦争を止める、改憲・戦争阻止!大行進沖縄と一体で反戦闘争の爆発を実現する。三里塚闘争と強固に連帯し、関西空港の軍事利用・訓練に反対する行動と闘いを決定的に強化しなければなりません。

泉佐野市は若者の個人情報を自衛隊に渡すな!

 2・24前航空幕僚長・井筒俊司講演会弾劾!
 講演会は軍国少年を育成する攻撃だ。泉佐野市で関西航空少年団の発団30周年記念式典として行われた井筒講演会を徹底弾劾。この企画は岸田政権の安保防衛戦略、戦争政策を推進し、若者に国防意識を植え付け、軍国少年を育成しようとする許し難いねらいをもっています。井筒講演会は岸田政権の進める戦争国家化の重大な攻撃です。
 泉佐野市の千代松市長は航空少年団の名誉顧問です。航空少年団には軍隊式の階級制があります。関西航空少年団は軍隊と同様の空士(白徽章)、空曹(赤徽章)、空尉(青徽章)、空佐(黒徽章)、空将(桜徽章)の徽章型のインセンティブの階級制(航空少年団機関紙「ビーエアー」に記載)をもっています。これは明確に兵士育成組織です。
 戦争推進の千代松市政を許すな!泉州住民の会、改憲・戦争阻止!大行進泉州、関西合同労組泉州支部は、千代松市長の戦争政治と闘い、戦争国家化攻撃を打ち破ります。
 2・24当日、南海泉佐野市駅で井筒講演会に抗議する街宣を行い、戦争国家化攻撃を強める岸田政権を打倒しようと激しく訴えました。その後、夕方からウクライナ開戦2周年を弾劾し、ラファ大虐殺を許すなの梅田反戦デモに合流・決起しました。

2・25反原発舞鶴闘争に続き、3・23祝園現地闘争に起とう

 舞鶴現地で、「全ての原発、今すぐなくそう!戦争反対!核はいらない!」集会を2・25舞鶴集会実行委員会が打ち抜いた。舞鶴が「台湾有事」の出撃基地、侵略の出撃拠点にされようとしています。その際、祝園弾薬庫が海上自衛隊舞鶴基地のトマホークなどの弾薬も保管する計画になっています。
 改憲・戦争阻止!大行進 京滋は3・23祝園現地闘争への結集を呼びかけています。敵基地攻撃能力・継戦能力を保有するため、102億円をかけ祝園分屯地(京都府相楽郡精華町)の弾薬庫を拡充し、陸自・海自の共同運用に供するとされています。京都全体が中国侵略戦争のための出撃拠点に位置づけられようとしています。岸田政権が進める参戦国化を阻止する闘いとして2・25舞鶴闘争に続き、3・23祝園の現地闘争で反戦の実力デモを巻き起こそう!

 

内乱戦略から捉え返した
2024年の沖縄闘争

沖縄 砂川和也

 ウクライナ戦争が3年目に突入し死傷者は両国で60万人以上に、さらにイスラエルのガザ侵攻が南部ラファにまで拡大し、3万人以上のパレスチナ人が虐殺されています。
 この中で、米国は中国侵略戦争―世界戦争を狙い、岸田政権とともに中国侵略戦争体制構築としての沖縄、南西諸島を先頭とした沖縄の軍事要塞化に踏み出しています。中国侵略戦争を止める力は労働者階級の反戦闘争―岸田政権打倒の内乱的な闘いにあります。2024年の沖縄闘争を爆発させよう。

(1)中国侵略戦争阻止の時代認識

 米日の中国侵略戦争に向けて、沖縄の軍事要塞化が激しく進められています。
 24年2月1~8日に「武力攻撃事態を想定した最高レベルの演習」として行われた日米共同統合演習「キーン・エッジ」の図上訓練では、仮称を用いていた過去の演習から一転して初めて「中国」を仮想敵国として明示しました。「唯一の基軸国」として戦後世界に君臨してきた米国が、その大没落と世界支配の崩壊という危機にかられ、中国を「打ち負かす」と侵略戦争を構えたことを宣言したに等しいのです。
 そして、この中国侵略戦争にバイデンと共に突進しているのが岸田政権です。辺野古新基地建設の大浦湾埋め立て代執行はその決定的な踏み込みでした。
 これは、元防衛省幹部が「移設を既成事実化し、沖縄の戦意をくじく」と語ったように、岸田政権が辺野古・大浦湾埋め立て強行をもって、沖縄の反戦運動の「あきらめ」を狙う攻撃でした。中国侵略戦争は、労働者の戦争動員であり、国内の反戦運動、内乱勢力を抑え込まなければ遂行することはできません。「沖縄の民意」であろうが、「地方自治」であろうが叩き潰し、すべて戦争体制への構築へ岸田政権が突進していくという意志表明です。

(2)沖縄の戦争体制構築

 沖縄の24年は中国侵略戦争体制構築との闘いです。
 今回の防衛力整備計画に明記された那覇に拠点をおく陸自第15旅団(現在約2200人)を27年度までに最大8千人規模の「師団」へと格上げすることは、自衛隊が米対中軍事作戦計画EABOに対応するための改編です。そして、24年~25年に計画されているだけで、勝連分駐屯地へのミサイル部隊・連隊本部設置、与那国駐屯地へのミサイル部隊配備、長射程ミサイル部隊への改編・配備、沖縄市への弾薬庫建設と米軍嘉手納弾薬庫の共同使用、北大東島への自衛隊配備、那覇軍港の浦添移設、石垣駐屯地の共同訓練のための拡張が狙われ、さらに急遽うるま市へ陸上自衛隊射撃訓練場の建設が発表されました。まさに沖縄ではすでに中国侵略戦争との対決に入っているのです。

(3)戦争動員か、岸田打倒か

 沖縄では、岸田政権が労働者階級を戦争に動員するか、労働者階級が戦争を推進する岸田政権を倒すのかが激しく問われる状況に入っています。
 何よりも1月10日の辺野古・大浦湾埋め立ての代執行を受けて、沖縄労働者民衆の巨大な怒りと決起が始まっています。この代執行に怒り、12日には平日にもかかわらず900人が結集。この日のゲート前座り込みによって岸田政権は土砂の搬入を断念しました。岸田政権は12日に代執行、大浦湾埋め立てを予定していましたが、12日の抗議集会が決まったことにより、急遽10日に前倒して代執行するしかなかったのです。どんなに岸田政権が凶暴に見えても労働者民衆の闘いが基地を止め、戦争を止める力を持っています。それに岸田政権が恐怖したからです。さらに、代執行後、辺野古ゲート前の座り込み闘争では、機動隊に促されても動かず、全員が機動隊に排除されるまで座込む実力闘争が復権しています。また沖大キャンパスで機動隊と対峙して反戦を訴える沖大生に何人もの労働者が感動し応援、激励するということが辺野古ゲート前でも起きています。確かに、一部沖縄の平和運動の中にも「中国の脅威」を理由に、米・バイデン、岸田政権が戦争を推進していることをあいまいにし、「愛」や「対話」のみを呼びかけ、戦争を「回避」しようという運動があります。しかし、こうした運動では「中国」を名指ししたキーン・エッジと一体で、ますます中国への排外主義扇動、労働者の戦争動員にからめとられていくのは火を見るより明らかです。まさに、戦争を進める岸田政権を打倒することを鮮明にした実力闘争が求められているのです。

(4)戦争への怒りを解き放とう!

 24年の沖縄決戦で問われているのは、この中国侵略戦争が、帝国主義の生き残りをかけた残虐な侵略戦争であることを暴露し、沖縄労働者民衆の戦争への怒りを解き放ち、「沖縄戦を再び繰り返すな」「安保粉砕、全基地撤去!」の反戦闘争のエネルギーを爆発させることです。
 空前の大闘争を作り出した70年安保・沖縄闘争も問われた質は同じだと思います。朝鮮戦争、ベトナム戦争の実体は、日米安保法制であり、沖縄米軍基地でした。日本労働者階級は、反基地闘争と沖縄との連帯から、帝国主義戦争の実体を掴み、戦争を止めるための反戦運動の本気さと徹底性を通して文字通りの内乱となって爆発しました。
 現在、岸田政権は日本階級闘争、沖縄階級闘争の反戦の意志をまったく潰すことすらできずに、中国侵略戦争への軍事要塞化を絶望的に進めています。軍事要塞化は、さらなる沖縄労働者の怒りをかき立てずにはいられません。「本土の私たちはもっと沖縄の現実を知り、ウチナンチュの精神を知り、とことん彼らと連帯して、本土の沖縄闘争の高揚を勝ち取らなければなりません」(2月17日、大坂さんの集会メッセージ)というように沖縄―全国の反戦闘争を大爆発させて中国侵略戦争止めよう。「米日の中国侵略戦争」を鮮明にさせ「安保粉砕、全基地撤去」の根源的な怒りを復権していこう。同時に、それは戦争に動員されようとしている自衛隊、予備自衛官の疑問や怒りにも火をつけ、労働者側への獲得も可能にします。岸田政権にとって、自衛官不足、自衛官の動員問題は決定的に弱点でもあります。反戦闘争と反軍闘争は一体的な闘いです。巨大な反戦闘争を爆発させることが24年の戦略的方針です。24年の沖縄反戦闘争を爆発させ、中国侵略戦争絶対阻止の巨大な展望をこじ開けよう!

陸自宮古島駐屯地開設5周年式典に対して「ミサイル基地はいらない」         「戦争訓練やめろ」「沖縄戦を再び繰り返すな」と声を上げた【2月18日 沖縄県宮古島市】

「戦争か、革命か」、「革命か、反革命か」

滝山猛師

パレスチナ抹殺の反革命を世界革命へ

 ガザの死者は3万を超えた(2・29現在)。人口10万人当たりの推計では、イラク戦争は開戦から6週間の死者は1日1.1人。ガザでは1日9.1人が死亡という恐るべき事態が進行している。パレスチナ抹殺とは民族解放・革命戦争の圧殺・解体という反革命攻撃。
 イスラエル軍はガザ・ラファに150万人のパレスチナ人民を追い込み、ラファを包囲しパレスチナ抹殺攻撃を激化している。イスラエル軍のパレスチナ人民虐殺攻撃の徹底性は、パレスチナ人民の民族解放闘争の解体・圧殺という革命戦争にたいする反革命戦争というその本質から発している。反革命(戦争)の特殊性は凶暴化とその徹底性だ。それはイスラエル建国の不正義性と反人民性に加え没落米帝の危機に規定されている。米帝とイスラエルは建国以来、常にパレスチナ人民の民族解放・革命戦争による国家消滅の危機に怯えてきた。イスラエルの消滅は米帝の中東―世界支配の崩壊に直結する。パレスチナ人民の民族解放闘争は反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の一環としての民族解放・革命戦争として世界史的に戦われてきた。「10・7蜂起」はその継続として大爆発した。
 バイデンとネタニヤフのパレスチナ抹殺攻撃の徹底性は全労働者階級人民のパレスチナ連帯と国際的内乱―世界革命への決起に対する米帝とイスラエル反革命国家の恐怖だ。パレスチナ抹殺攻撃はパレスチナ人民の怒りに油を注ぎ、必ずイスラエルの墓穴に転化する。パレスチナ人民はけっして怯むことはない。民族解放・革命戦争と反革命(国家)の非和解の激突に最後に勝利するのは被抑圧階級人民だ。侵略と反革命戦争にはプロレタリアートの徹底性と内乱―革命戦争で帝国主義とイスラエル国家を打倒しよう!全労働者階級人民と被抑圧民族人民大衆の人間的解放へ!不屈・非妥協・非和解で戦い抜こう!そして帝国主義とスターリン主義国家やイスラエル反革命国家を全人民の革命的暴力―内乱と革命戦争で打倒しよう。
 
バイデンとゼレンスキーの絶望的危機、日帝岸田政権打倒へ

 ウクライナ戦争は3年目に入った。米帝とゼレンスキーの昨年6月以降の反転攻勢は完全に頓挫。新総司令官は2月17日、東部の激戦地アウディーイウカからの全面撤退を発表。アウディーイウカ陥落は2023年5月、ロシア軍がバフムートを占領して以降で最も大きな前線の変化だ。ロシアとウクライナの前線は全長1000キロ以上。昨年8月時点での戦死者推計はロシアが約12万人、ウクライナが約7万人(NYタイムス)。先日ゼレンスキーは死者3・1万人と公表したが正確な戦死者数は軍事機密扱い。だがウクライナ軍の兵士不足は戦況で明白。  ゼレンスキーは反転攻勢の失敗と中東情勢に加え、米帝の軍事支援の「停止」という事態から「防衛戦略」へ転換し1月20日、塹壕や対戦車障害物から成る防衛網の強化命令に転じた。日帝のウクライナ経済復興推進名目の地雷撤去はロシア軍の防衛ラインの弱体化が目的だ。参戦そのもの。
 ワシントンポストが1月26日、米国務省の「ウクライナ支援10年計画」構想を報道。米欧帝国主義の「ウクライナ領土奪還」支援から「防衛戦支援」計画への転換を意味する。米帝の最優先事項は米中戦争だ。だが米軍兵器の在庫不足を日帝の参戦と軍事産業の強化―育成と労働者の動員―機密保護の強制、兵器輸出の拡大で凌がんとしているのが没落米帝の実態だ。
 日帝・岸田政権打倒が米日帝国主義の中国侵略―世界戦争を阻止する核心だ。連帯し、侵略を内乱へ!反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命を掴み取る革命勢力の拡大へ!

 

会報 第76号

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巻頭言

パレスチナ人民の10・7蜂起に断固連帯し、日本帝国主義を打倒する反戦闘争に決起しよう

会員・D

 ライズ読者の皆さん、自衛隊兵士の皆さん、日本の労働者階級が世界革命の扉を開く2024年が始まりました。

 帝国主義とスターリン主義の世界支配を突きり破り、徹頭徹尾戦い抜く民族解放の決起がパレスチナ中東人民から開始されています。10・7蜂起は、イスラエル軍と帝国主義の総力をあげた攻撃に対して、現在も指揮系統を維持し、敢然と戦い抜かれています。帝国主義とイスラエル軍が、パレスチナ全土に1㌧爆弾を投下し続けても、2万人虐殺の蛮行を重ねても、突き破られた帝国主義支配は絶対に回復できません。
 私たちは、全世界の兵士、自衛隊兵士諸君に訴える。諸君の銃口は、「三正面」戦争、帝国主義侵略戦争、人民大虐殺を指揮する帝国主義政府・司令官・上官の頭に向けよ。

 10・7蜂起は、全世界の労働者農民兵士へ向けた、帝国主義打倒の内乱―蜂起の熱烈な呼びかけにほかなりません。世界戦争に突き進み、人民を虐殺して生き延びる以外なくなった帝国主義とスターリン主義を打倒しよう。問われているのは私たちです。私たち帝国主義本国の労働者階級が10・7蜂起にすべてをかけて連帯し、民族解放・革命戦争と帝国主義打倒のプロレタリア革命を結合させ、世界革命に向かって突き進もう。「三正面戦争」に参戦する日本帝国主義を打倒しよう。

 崩壊の瀬戸際にあるのは、日米帝国主義の側です。「普通の国」「戦争の出来る帝国主義」は、敗戦帝国主義・日帝の「悲願」でした。しかし戦後長期にわたって日本の労働者階級はその攻撃を根幹において阻止してきました。戦争と民営化攻撃に立ち向かい、「3労組」を拠点に国際主義と階級的労働運動の潮流として、戦争と労組解体攻撃に真っ向から総反撃し、日帝打倒の革命戦争を準備してきました。2024年はその革命戦争を本格的に前進させ、発展させる年だと考えます。
 日本帝国主義の2005年経団連「経営労働政策委員会報告」路線、つまり中国と対抗し、新市場を開拓して生き残るという「アジア自由経済圏構想」、そして日米安保同盟の転換的強化、改憲と集団的自衛権の行使、対中戦争構想は、岸田政権によって米中戦争への参戦、ウクライナ戦争への参戦、中東・パレスチナ侵略戦争への参戦で具体化しようとしています。つまり「三正面」戦争を米帝が展開できるのは、日帝の全面参戦があるからです。2024年は帝国主義打倒の内乱を組織しよう。反戦闘争にまなじりを決して決起しよう。

 日帝の中国侵略戦争に全面動員されている自衛官との連帯行動を強めよう。中国侵略戦争は自衛隊兵士と米軍・米海兵隊の共同作戦にかかっている。つまり作戦の成否は自衛隊兵士にあるのだ。兵士諸君、侵略の銃を握るな。防衛出動命令―参戦命令を拒否しよう!治安出動命令を拒否しよう!自衛隊兵士はオスプレイ搭乗を拒否しよう!労働者階級人民は兵士諸君とともにある。

戦場へ行かずに戦争を止めよう!

二ツ森菜夏

自衛隊に入りたい、そう思ったことはありますか?

 私はあります。子どもの頃から戦闘機が大好きで、迷彩服の男性自衛官は誰でもかっこよく見えました。私にとって自衛隊は身近で頼もしい存在だった。しかし、明治生まれの祖父が猛反対、激怒し、自衛官になることを断念。「この国はもう一度戦争をする。ふたたび戦勝国になるには、戦争を起こして勝たなきゃいけないからだ。自衛隊に入ったら真っ先に戦場に行かされる」と、祖父は言った。そして現在、安保三文書、軍事費2倍化、南西諸島のミサイル基地化、岸田によるウクライナ戦争支援とパレスチナ虐殺容認、中国侵略戦争を想定した日米合同演習と、日本の現状は祖父の予言通りになった。

[10・25米マサチューセッツ大学 ガザ攻撃抗議行動]

自衛官充足不足と青年の取り込み

 岸田政権下で武器輸出と民間空港・港湾の軍事利用も強行されているが、どうにもならないのが自衛官のなり手不足だ。自衛官の採用未達は「静かなる有事」と言われている。23年度防衛白書によれば、常備兵力としての自衛官は、定員24万7154人のところ22万7843人で充足率は92・2%。およそ2万人不足している。米国の常備兵力は約157万人、中国は約229万人、日本とは桁が違う。
 しかし、ここ数年で変化が現れた。元自衛官が発信するYouTubeやSNSが大人気となり、自衛隊がグッと身近な存在になってきた。また、陸・海・空それぞれの部隊が自衛隊の日常をつぶやくX(旧Twitter)も多くのフォロワーを集めている。基地や駐屯地の一般開放では、戦闘機パイロットにサインを求める列ができ、ヘリ空母の艦載機用エレベーターに驚嘆の声が溢れ、戦闘車両体験搭乗も大人気。それに加えて、北朝鮮の弾道ミサイル発射と中国の領空侵犯・領海侵入で排外主義報復を煽る右派メディア、ウクライナ戦争を「ロシアの侵略に対抗する正義の戦争」と義憤を焚き付け、イスラエルによるパレスチナ虐殺を「テロに対する正義の戦争」と正当化する帝国主義国家によって、愛国心と国防意識を刺激された若者たちが自衛官を目指すようになってきた。災害派遣で活躍する自衛隊に感動して自衛官を目指すのとは次元の異なる現象が、戦時下で起きている。

[「ガザ即時停戦を」ロンドンで30万人が叫ぶ 10月21日]

 しかし、戦時下だからこそ、戦争を任務とする自衛官に厳しい目が向けられている。性犯罪、いじめ自殺、パワハラ、セクハラ、飲酒運転など、毎日のように自衛官の不祥事が報道されるのは、戦争へと突き進む岸田政権に対する国民の怒りと不安を感じ取ったマスコミの忖度といえる。戦争には反対なのである。また、自衛官募集の対象となる若者について、自治体による自衛隊への名簿提供中止を求める運動が各地で起きている。
 昨年2月末、ゼレンスキー大統領は兵力増強のために外国人義勇兵の募集を開始した。在日ウクライナ大使館の呼びかけに、70人の日本人が志願した。そのうち、50人が元自衛官だ。「人ごとではない」「ウクライナの若者が死ぬくらいなら自分が死ぬ」と応じた。だが、日本政府はウクライナ全土に退避勧告を出していて、自粛要請を受けたウクライナ大使館は募集を取り下げた。それでも、独自にウクライナに入国し、十数名の日本人が義勇兵となってロシアと戦争をしている。昨年11月には、日本人義勇兵の元自衛官が戦死している。一方、「義はロシアにある」と、ロシアに渡って義勇兵になった日本人男性もいる。
 前者は、ロシアの侵略からウクライナを守れ!と戦場に行き、後者は日本のメディアがアメリカの一方的な情報でロシアを悪者にしていると批判している。では、ウクライナは正義でロシアが悪なのか?断じてノーだ!
 ゼレンスキーは低迷する国民の支持率アップと親ロシア派弾圧のために、NATOとEUへの加盟を宣言し、NATOの東欧拡大に対抗したロシアがウクライナ侵攻へと踏み切った。米欧はウクライナに武器を送って戦火を拡大し、東欧への影響力を強化した。西側諸国の軍事企業は最高利益を上げ、米帝はロシアを戦争で疲弊させることで中国との戦争を有利に進めようとしている。起こっていることは、帝国主義国家による侵略戦争であり、両国の兵士と人民がどれだけ殺されようと停戦には至らない。支配階級が口を揃える「正義のための戦争」は全てペテンだ。

[「もう生きてはいられない」-高校生が武装勢力戦闘員に。10月22日。ミャンマー]

若者よ!死ぬ気で戦争を止めよう!

 イスラエルによるパレスチナ自治区への侵略戦争と大虐殺により、全世界でパレスチナ連帯の大規模デモとストライキが爆発している。「病院への攻撃をやめろ!」「イスラエルに武器を送るな!」と、自国政府のイスラエル支援に抗議し、怒りを叩きつけている。
 10月7日のハマスによるイスラエル攻撃は、イスラエルによる占領とガザ包囲、パレスチナ抹殺に向け繰り返されてきたガザ攻撃に対する心底からの怒りの蜂起だ。これを断固支持し、連帯し、戦争絶対反対を掲げて決起しよう。侵略戦争に加担するのではなく、戦争を止めるための闘いに身を投じよう。
 国を守るな!生命を守れ!
 人を殺すな!殺されるな!
これが、これから自衛官を目指す若者に私が訴えたいことだ。
 自衛官になりたい理由はいろいろある。「戦闘機パイロットになりたい」「親も自衛官」「地本にスカウトされた」「家が貧乏」「資格を取って任期満了金をもらう」「この辺じゃ高卒の就職先は警察か消防か自衛隊」「災害救助活動がしたい」「国を守りたい」「誰かの役に立つ仕事がしたい」、少数だが「中国、北朝鮮をやっつける」という排外主義思想の若者もいる。自衛官を目指す若者には、戦場で人を殺す覚悟があるのか? 言い換えよう、兵士は戦場で人を殺す仕事だという自覚はあるのか?
 自衛隊は紛れもなく、国家に属する武装組織である。自衛官は国の戦闘員だ。戦場においては「敵兵」を殺し、非戦闘員をも殺すことになる。そして、自分自身も殺される。その事実がまさにガザだ。
捨てられる命なら、死ぬ気で戦争を止めたほうがいい。若者よ!戦争で人を殺すな!殺されるな!国家による戦争で戦うのではなく、戦争する自国政府を打倒する闘いに決起しよう!

[12・15京大全国学生反戦集会 
「侵略戦争を進める日米の帝国主義を打倒する事抜きに、学生の未来を考えることは不可能です」]

歴史の岐路、今こそ反戦闘争基軸の階級的労働運動を全面開花しよう

国鉄千葉動力車労働組合副委員長・佐藤正和

11・19結集はこれまでの次元を超えた組織化が切り開いた

 新年明けましておめでとうございます。昨年、Rise編集部から「戦争と革命の時代の反戦闘争基軸の労働運動」というテーマで原稿の依頼を受けました。その実践の大きな成果が11月集会の大成功だったと思います。昨年の11月集会は、26年間の歴史の中でも新たな出発点を築いたと言っても過言ではない成功をかちとりました。

 11月19日、東京・日比谷野外音楽堂で、全国労働者総決起集会―改憲・戦争阻止!1万人大行進が、2800人の結集で開催されました。集会後デモのみに合流した人も200人をこえており、11月集会は3000人を超す闘いとなりました。この1~2年間の反戦闘争の組織化を軸とした全国各地での必死の努力が、3労組を先頭とした階級的労働運動再生に向けた闘いと結びついて現在の情勢ときり結ぶ力を獲得し、職場・地域・学園から多くの仲間たちが結集しました。
 ウクライナ戦争、バイデン・岸田政権の対中国戦争への突進、ガザ大虐殺という歴史的事態に対し、繰り返しこれまでの延長戦上の認識を壊しながら、必死に戦争反対の闘いをつくり上げていった努力が生み出した成果です。
 例えば東京では、9月1日以降、18回もの反戦デモが組織されました。26年の歴史の中でもこれほど集中して目的意識的に闘いを組織したのは初めての経験です。
 その実践があったからこそ、とくに10・7のガザの蜂起以降は情勢が一変したことをつかみとることができ、その過程で「杉並大行進」の結成や「選挙のように闘おう」方針、「組織隊」方針が生み出され、その真剣さがこれまでとは違った次元で職場での組織化となり、職場から街頭から多くの新たな仲間たちが結集したのです。

[全国労働者総決起集会に2800人が結集(11月19日 東京・日比谷野外大音楽堂)]

組織絶滅攻撃を打ち破って前進した国際連帯の闘い

 11月集会は、現代に階級的労働運動を創造していく必死の努力として取り組まれてきました。その先頭に、新自由主義攻撃の渦中で組織絶滅的な攻撃をかけられながら団結を守りぬいた3労組が立ち、それが画期的な国際連帯闘争を生み出して発展してきた闘いです。
 国際連帯闘争の前進という面では150%の成功をかちとりました。それは「韓日労働者共同声明」「パレスチナ連帯決議」、日韓連帯の深まり、ILWUの久しぶりの参加、滞日外国人の本当に多くの参加等として示されました。
 全体を通して、11月集会が日本労働運動・階級闘争にとってどれほど大きな意味をもっているのかがあらためて鮮明になり、また、11月集会は、様々な障壁をぶち壊してもっと巨大な結集軸となる可能性をもっていることに私たち自身が確信をもてたことが大きな成果です。最も原則的でラジカルなことがもっとも大衆的である時代がやってきたのです。
 しかし、「最低3500」の目標に至らなかった悔しさを含め、この組織化と闘いをもう一年継続することです。

[国際連帯の訴えでは、在日パレスチナ人、韓国・民主労総ソウル地域本部、米国際港湾倉庫労組(ILWU)ローカル10の現場組合員、ドイツ鉄道労働者ネットワーク、在日ミャンマー人などが登壇、労働者の国際的団結を熱烈に呼びかけた。]

戦争を止められるのは有効的で実践的な反戦闘争

 11月集会後は、「パレスチナ連帯決議」を実践する、伊藤忠・NAS(昨年3月に幕張メッセで開催された武器見本市では、イスラエルの「死の商人」エルビットシステムズと、伊藤忠アビエーション、日本エヤーシステムサプライという二つの日本企業が、前者の殺人兵器を日本国内で生産する契約に合意)というイスラエルとの軍事協力企業弾劾、実際に戦争を止める「最も有効的で実戦的な反戦闘争」の闘いが開始されました。
 職場・生産点では、「パンと平和」のスローガンがぴったりくるような、港合同昌一金属支部、JAM日本機械労組、船橋二和病院労組の「戦時下のストライキ」をはじめ、27年目の11月に向かって休むことなく進撃が続けられています。

[伊藤忠アビエーション社前で「エルビット社と手を切れ!」と迫った(12月1日東京都港区)]

最先端の変革は、現状の労働運動の変革!

 ここで「甦る労働組合」からおさらいです。「僕は『反戦闘争を闘う労働運動』を提起しているが、それは労働運動の闘いの基軸に、反戦の闘いを路線としてきちっと押さえなければいけない、と思うからだ。これは本質論として労働運動とはそういうものであるということだ」
 「労働組合運動とは本来、階級的労働運動であり、否応なしに権力問題を含んでいるわけだ。だから自国政府の侵略戦争はもとより、侵略戦争策動や戦争加担政策などに、労働組合はなによりも敏感に対応して、それに対する闘いを展開しなければ、そもそも労働組合運動として成り立たない・・・つまり中間の立場はないとう意味で労働運動と反戦闘争は完全に一体のものである」。
 そして、「街頭で闘った青年労働者たちが、街頭だけで闘って職場の中でなにもやらないという話にはならない。街頭で激しく、権力の権化みたいな機動隊とバンバンぶち当たって闘っているわけだ。だから、職場の中で起こってくるさまざまな矛盾も放置してはおかない。職場闘争もどんどん活性化していくわけだ」。
 文字通り歴史の岐路となる年である2024年。世界中で戦火がたえない状況は世界戦争の危機をはらみ、労働者は物価高騰と大増税にあえぎ、社会は人間が生きていくのに必要な基盤がすべて崩壊しようとしています。労働組合がいかに闘うのかが問われています。まさに、労働組合とは「革命の学校」です。2023年の闘いの中でつかんだ教訓と成果を、この種を2024年は全面開花させましょう。

 動労千葉はこうしたなかで、今年の3月30日、結成45周年を迎えます。闘いは、今から・これから、「自分たちの労働組合を甦らせ、労働運動の現状を変革することだ。それこそが今、最先端の変革である。闘うことは結構楽しいものだ、朗らかに闘おう」変革の時代を明るく元気に進んでいきましょう!

[11月11日、民主労総はソウルに組合員5万人を集めて全国労働者大会を開いた。動労千葉から関委員長、渡辺書記長をはじめ訪韓団30人が参加した。]

パレスチナの民族解放・革命戦争に連帯し、日帝・岸田政権打倒へ!

滝山猛師

世界戦争阻止は日帝打倒

 岸田政権は12月22日、防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、日本で生産する地対空誘導弾パトリオットの米帝への提供を決定した。改定は防衛装備移転三原則を閣議、運用指針は国家安全保障会議(NSC)で決定した。国会での議論はない。大転換だ。米帝がウクライナやイスラエルにパトリオットを供与し、在庫減少となれば日帝が米帝に提供する。しかもライセンス完成品は米帝が要請すれば第三国への輸送も可能としている。要するに米帝の要請があれば世界中の戦場に送るというのだ。そのために国内軍需産業の育成と従事労働者を大幅に増員する。労働者は軍事機密保持でがんじがらめに管理される。まさに日帝の参戦であり、改憲と軍拡の戦争国家化が一気に加速する。核心は米中戦争への参戦であり、日帝の新たなアジア侵略戦争への踏み込みだ。安保関連3文書の恐るべき加速度的具体化だ。
 米帝の大没落がウクライナ戦争、中東戦争を引き出している。それだけではない。米帝の没落がアジア・アフリカなどでも抑え込まれてきた新植民地諸国で新たな民族解放・革命戦争の火が噴き出す情勢だ。だが米帝の最優先事項は「世界唯一の競争相手国」(米国家安全保障戦略)である米中戦争だ。だから米帝はウクライナに大量の兵器・弾薬を供与してもNATO加盟を拒否し続け、「10・7蜂起」―民族解放・革命戦争に対するイスラエルのハマス総殲滅・パレスチナ抹殺という「三段階戦略」とガザ住民200万人の追放をかざすイスラエルの反革命戦争を米帝はどこまでも擁護し続ける。否、パレスチナ人民大虐殺と追放という史上最大のガザ攻撃をどこまでも容認しせざるを得ないところに追い込まれている。
 イスラエルは建国以来、建国の不正義性という史実ゆえに常に「国家消滅の危機」と恐怖に直面している。したがって徹底したシオニズムと反革命教育で軍事国家として強化している。バイデンの「民間人保護」というのはポーズだ。イスラエルの国家戦略はガザ制圧の次はヨルダン川西岸の軍事的制圧であることは明白。そこまでの軍事作戦を強行するか否かは、米帝次第だが、米帝支配階級にはそれを止める国家的意思も影響力も低下している。中東戦争の泥沼的激化は不可避。イランはイスラエルに加担する米帝を批判し、地中海封鎖に動き出した。
 繰り返すが米帝の最優先事項は、米中戦争である。それを明確に示しているのが米帝の「国家安全保障戦略」(2021年)と国防戦略、核戦略だ。没落米帝は台頭した中国スターリン主義国家を戦争で解体することで息を吹き返すしかないという選択に踏み込み込んだ。米国家政策はすべてがそれに規定されている。
 没落した今の米帝にウクライナ、中東、対中戦争という「三正面戦争」に対応できるのか。経済力、軍事力、米軍事力はオバマ政権以降、財政危機に規定され続けてきた。さらに現下の政治委員会の分裂、国家財政の危機に加え国内支配体制は決して万全ではない。米支配階級は国内の内乱情勢で国家二分の危機を深め、バイデンはむしろ対応できないという国家的危機に直面している。これは過言ではなかろう。ウクライ戦争の長期化と泥沼化が世界戦争の危機を深め、イスラエルのガザ攻撃(新たな中東戦争)がそれを加速させ、世界核戦争の危機が現実味を帯びてきた。それは人類の地獄への道だ。没落帝国主義の危機とそこから不可避となる侵略戦争―世界戦争は絶対、阻止しなければならない。だがそれは同時に革命情勢であることを見据えよう。プロレタリア革命のチャンス到来ということだ。それが2024年冒頭の情勢だ。

[革命勝利の宣言をするレーニン。1917年。
2024年、<侵略を内乱へ>の闘いを!]

日帝打倒が世界革命の核心的課題

 米帝の大没落と「三正面戦争」情勢下で出てきたのが米帝の「国家防衛戦略」の「統合抑止力」である。「統合抑止力」とは、対中国包囲網構築レベルから米帝の同盟国、パートナー国のすべての軍事力を米中戦争に総動員(参戦)するという戦略。その戦略のアジアでの基軸が日米同盟であり、日帝の総動員と沖縄を軸とする全土出撃基地化だ。南西軍事拠点化の強化・拡大、民間空港・港湾の軍事化、全国基地・分屯地での弾薬庫建設などなど。前述のパトリオット提供と戦地への輸送、軍需産業の拡大などは米戦略に組み込まれている。そして日米韓軍事同盟化(合意)と軍事・情報の一体化だ。これはすでに動き出している。「米英豪安全保障協力(AUKUS」への日帝の参加(麻生が提唱)。日帝はEU離脱の英帝との対中防衛力―軍事力強化で合意し、日英伊での次期戦闘機の共同開発条約に署名。開発の司令塔となる政府間機関の初代トップが日帝だ。配備開始は35年。第二次世界大戦後では初の動きだ。
 要するに没落米帝が息を吹き返そうとしている「統合抑止戦略」の核心が「最弱の環・日帝」であるということだ。つまり、没落米帝の弱点が実は、日本帝国主義だということだ。戦後の最弱の環・日帝に、好むと好まざるとにかかわらず日帝支配階級に争闘戦的に大きく依存しなければ延命できないというのが今の米帝だということだ。これはどう見ても米帝の末期、さらに言えば帝国主義の末期、最末期そのものだ。日帝打倒が世界戦争を阻止し、米帝をも打倒し、プロレタリア世界革命への一大突破口になるということが極めて鮮明だ。日本階級闘争の世界史的位置の大きさが浮き彫りになっている。勇躍、前進しよう!

日帝政治委員会の解体的再編

 日帝支配階級もそれを自覚し、動き出した。安倍的な手法は「最弱の環の枠内」では通用したが、帝国主義の末期、最末期では解釈改憲的なあり方では通用しない。改憲と軍拡―戦争国家化=国家総動員体制を真っ向から押し出し、外への侵略戦争、内への階級戦争を徹底的に強化し、貫徹する凶暴な政権と国内支配体制を構築する以外に、帝国主義国家としての日帝が延命できないという危機に直面しているということだ。まさに掛け値なしに「革命と反革命」が真っ向から激突する情勢だ。日帝支配階級が安倍派を解体し、日帝政治委員会の再編に着手したということだ。これに動揺したのが岸田だ。岸田自身が派閥解体・再編に成功しなければ切り捨てられるという恐怖に震えている。支配階級内部も「三正面戦争」と安保関連3文書の具体化で力関係が流動している。軍需産業の台頭だ。
 岸田政権の支持率は過去最低。時事通信の世論調査(12月8~12日)で内閣支持率が17・1%、毎日新聞の世論調査(16~17日)でも17%だ。日帝支配階級は今、戦後最大の危機に直面している。それらゆえの再編だが、絶望的であるからこそ凶暴化する。ここを見据え、これと対決し、前進し、日帝を打倒するなかに労働者階級と被搾取階級、被抑圧民族・大衆の解放をわが手に握ることができる。その全過程が実力闘争だ。内乱・内戦は国家暴力―政治警察と軍隊との幾度の激突となる。非和解の死闘戦である。これを見据え、前進し、勝利することで革命とプロレタリア独裁への道を切り開くことができる。これらの全過程は冷徹な流血を伴うが、恐れることなくともに進撃しよう!

[1917年6月18日。ペトログラードのデモ。
「社会主義革命万歳」を掲げる]

民族解放闘争・革命戦争とプロレタリア世界革命

 パレスチナ人民の戦いが内包しているプロレタリア世界革命における民族解放・革命戦争の最前線部隊としての意義を再確認しよう。ムスリム人民の帝国主義に対する怒りは世界で爆発し、その怒りは米帝バイデンといえども無視できないところにきている。パレスチナ・中東・イスラム諸国をめぐる帝国主義と被抑圧民族人民の激烈な攻防はまさにプロレタリア世界革命の一環だ。帝国主義本国の労働者階級として連帯し、日帝打倒を貫徹し、戦い取るということ。今われわれがパレスチナ人民とともに立っているのは「侵略か、革命か」、「倒すか、倒されるか」、「解放か、死か」の内乱的死闘の時代だということだ。パレスチナ人民の「10・7蜂起」―民族解放・革命戦争に連帯し、日米帝国主義打倒にむけた内乱と蜂起の革命戦争へのバネとし、プロレタリア国際主義と国際連帯闘争として民族解放・革命戦争とプロレタリア革命の一体化を推し進めるということ。ガザ地区に対するイスラエル・シオニズムの激しいパレスチナ絶滅攻撃は民族解放・革命戦争への反革命戦争そのものである。言い換えれば米帝とイスラエルは民族解放・革命戦争の非妥協性、非和解性、そして不屈の大衆的決起にイスラエルの消滅と米帝のさらなる没落の危機に恐怖を抱いている。
 日帝の中東石油支配とイラク・アフガン戦争への参戦やジブチ基地建設と自衛隊の海外配備という事態をみてもパレスチナ・中東・イスラム諸国をめぐる人民の戦いが日本階級闘争そのものと直結している。プロレタリア世界革命と「血債の思想」の観点からも、連帯し、民族解放・革命戦争とプロレタリア革命を結合し、人類の人間的解放をともに切り開いていこう。「闘うパレスチナ・中東・イスラム諸国人民と連帯し、中東侵略戦争を国際的内乱に転化せよ」、一切の突破口は日帝打倒にある。「自衛隊の帝国主義軍隊化阻止!自衛隊の包囲・解体で兵士を獲得しよう」を、国際連帯と反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命に向け一体的に推し進めよう!

連帯し、侵略を内乱へ!

 振り返れば、過去の日帝のアジア侵略戦争を許したのは抑圧民族の排外イデオロギーだ。「三正面」―世界戦争情勢下、日帝はすでに参戦と侵略に向けアジア―世界への凶暴な侵略者として立ち現れている。今現在のわれわれが弱小勢力として力及ばず侵略を内乱に転化できなければ、それは、帝国主義の排外主義攻撃への屈服となる。日帝の軍拡と戦争国家化攻撃が激化し、その推進を許すようなことがあれば、それは同時に日本の労働者階級人民が在日アジア人民、全アジア人民、パレスチナ人民に対する圧迫や迫害が激化する中で否応なしに抑圧民族としての侵略体制に組み込まれていくことになる。その自覚を実践と行動で示す。それが連帯し、侵略を内乱に転化する戦いだ。日本帝国主義を打倒する戦いだ。
 日本階級闘争における数十万、数百万規模で労働者階級人民が巨大なデモやストライキの実力闘争に決起し、帝国主義の国家戦略と侵略戦争の継続を不可能にする実力を革命党と労働者階級が培おう。組織と運動を飛躍的に建設し、強化する。それが国家暴力―政治警察と軍隊・自衛隊との流血の激突を繰り返しながら労働者・兵士、被抑圧民族・大衆の解放とプロレタリア権力樹立に向けた非和解の戦いであると同時に革命への道だ。

 繰り返すが、今われわれに求められているのは実力による日帝打倒だ。帝国主義とスターリン主義が渾然一体で最末期の危機を深め、人類を世界核戦争という地獄に引きずり込もうとしている時、アジアで唯一の帝国主義、日帝を打倒することだ。米日帝国主義の中国侵略戦争を内乱に転化する戦いに日本のプロレタリアートが決起し、被抑圧階級として自らの解放をかけて決起したとき、中国・台湾、南北朝鮮―全アジア人民と、そしてまた中東・パレスチナ人民と、国際的・階級的連帯の道が切り開かれる。プロレタリア革命と民族解放・革命戦争の革命的統一、そして中国、北朝鮮における反スターリン主義革命の展望をも確実に切り開くことができる。反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命へ!全世界の労働者と革命的兵士はともに肩を並べ、ともに進撃しよう!

会報 第75号

75号PDFはこちらをクリック☞

11・19の大爆発で岸田政権打ち倒し社会を変えよう!        労働者・兵士は国境・国益を越えて団結しよう!

東京西部ユニオン(元自衛官) 杉橋幸雄

●ウクライナ戦争の長期泥沼化と朝鮮半島、台湾・中国をめぐる軍事対立激化の下、帝国主義の100年におよぶ残虐な中東植民地化攻撃を根底的に打ち破るパレスチナ民族解放・革命戦争の新たな闘いがついに始まったただ中で11・19国際反戦集会が開催されようとしています。ウクライナ・東アジア・中東において世界戦争が火を噴きはじめ、これに対する怒りの反戦闘争が全世界で爆発しつつある今こそ、帝国主義戦争を内乱に転化すべくパレスチナ連帯をかけ国際連帯20年の11・19国際反戦闘争の大成功を何としても勝ち取ろう!!

●第1次大戦以来の英・仏帝国主義による中東分割支配、さらには第2次大戦後の米帝主導の、そしてソ連スターリン主義の裏切りによる「イスラエル建国」を通じ残虐極まる民族抑圧と侵略戦争の繰り返しに対し、何世代にもわたって命がけで闘ってきたパレスチナ・アラブ人民の「10・7蜂起」を転換点として中東をはじめ世界各地で、そして日本においても「パレスチナ連帯」の労働者階級の怒りの反戦闘争が爆発しています。瓦解しつつある帝国主義とスターリン主義の戦後世界支配体制を根底から打ち砕く新たな民族解放・革命戦争が中東から全世界に波及し、もはや戦争と金儲けを事とする一握りの支配階級にこの大激流を押しとどめることは出来ません!

●しかしだからこそ、没落米帝を後ろ盾にイスラエルはガザを完全包囲し、「地上侵攻」の準備を済ませたうえで「人道物資」としてガザに水・食糧・医薬品などは一部搬入させるも「燃料」だけは搬入させず、ガザ包囲の下で空爆を何百回も繰り返しガザ民衆を6千人以上虐殺しています。その破壊力は1発で5階建てビルを吹き飛ばす威力です。まさに「ジェノサイド」です。にもかかわらず、米帝は国連での「停戦決議(案)」に拒否権を発動し、「攻撃に関し、人道上の一時停止はあっても停戦はありえない」と言いきり、イスラエルをバックアップすべく地中海と中東に2個空母打撃群や米兵約2000人を展開しています。まさに世界戦争を仕掛けているのは米帝に他なりません。こうした事態に、イスラエルを包囲するように中東最大の武装勢力と言われるレバノンのヒズボラやイランまでもイスラエルに対する攻撃を始め、米帝は激甚反応し、中東が世界戦争の新たな発火点になりつつあります。絶対に見過ごすわけにはいきません!

●全国・全世界で爆発する反戦闘争に追い詰められ、グラグラの岸田政権はここにきて「所得税減税」や「低所得者への給付」などと言いだし、労働者民衆を騙して中国侵略戦争の為の大軍拡と改憲を狙っています。しかし、もう誰もだまされません。東京―ソウル―世界を結ぶ11・19国際反戦闘争の大爆発で岸田を打倒しよう!!
 世界の労働者・兵士は今こそ国境・国益をこえて団結しよう!パレスチナ虐殺を今すぐやめろ!ウクライナ戦争―中国侵略戦争絶対阻止!全世界の労働者と反戦兵士は団結して反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命に突き進もう!! (10月26日、記)

木更津・陸自オスプレイVー22をただちに撤去せよ!        イスラエルのパレスチナ人民への虐殺許すな!

動労千葉を支援する会・木更津

⒈ 木更津オスプレイV―22が沖縄県・新石垣島空港に飛来
 10月19日、ついに木更津に駐屯する陸自第1ヘリコプター団のオスプレイV―22が沖縄県に着陸。その目的は、対中国侵戦争を想定し、「離島防衛」を名目に陸上自衛隊と米海兵隊が大規模共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」に参加するためはじめて沖縄に着陸した。
 「レゾリュート・ドラゴン23」は、陸上自衛隊5000人、米軍1400人、日米総勢6000人を超える大規模訓練です。陸上自衛隊オスプレイV―22が対中国戦争を念頭にして、「南西シフト」(「離島奪還」と称して敵地に乗り込むもの)の先頭に立つと言うことです。同時に木更津飛行場が、再び出撃拠点になる情勢が到来した。
 陸自オスプレイV―22が沖縄県に飛来することは初。沖縄県・玉城デニー知事は「オスプレイの墜落事故が相次ぐ中、陸自オスプレイを使用する日米の大規模な訓練の実施は、県民に不安を生じさせる」と表明。また「台湾有事の軍事的影響が南西諸島や九州に波及した場合の対処力と抑止力の双方を日米合同で向上させる狙いがある」(沖縄・名桜大志田准教授)と。沖縄を再び戦場にしてはならない。

[沖縄新石垣空港に着陸したオスプレイV-22。10月24日撮影。]

⒉ 陸自オスプレイV―22が戦争を名目に静岡での訓練中に緊急着陸
 オスプレイはどのようなしろものか。周知のとおり開発時から墜落事故をくりかえす構造的欠陥機だ。
 木更津駐屯地所属の陸自オスプレイV―22が8月31日、静岡県焼津市の航空自衛隊静浜基地に緊急着陸。緊急着陸とは、これ以上飛ぶと墜落するので、それを避けるための「緊急避難」的措置という。そのわずか4日前の8月27日、オーストラリアで米海兵隊オスプレイMV―22が墜落し3人が死亡、5名が重傷。
 今回、静岡でのV―22オスプレイの緊急着陸の原因は何か。報道によれば、ギアボックス(主翼の内部にシャフトを通し、左右のエンジンを連結する中央部分)に金属片が出来たという。防衛省は「(オスプレイの)設計上の問題ではなく、運用上一定程度生じる部品の摩耗」なので、V―22オスプレイの運用を続けると言う。 
 思い起こせば、V―22が「暫定配備」として木更津駐屯地に飛来したのは2020年7月10日。その1号機が「潤滑油に金属粉が混入した」ため飛行を6ヶ月中止して、点検に入った。オスプレイは古かろうが新しかろうが、ギアボックスに欠陥があることが証明されている。
 2022年6月にアメリカで海兵隊員5名が死亡した墜落事故は、エンジンとプロペラをつなぐ装置で「ハードクラッチ・エンゲージメント」(エンゲージメントとは焼き付きという意味)が原因と、米軍は結論を出した。すなわち、オスプレイは構造的な欠陥があることを認めた。
 アメリカやオーストラリア、ヨーロッパで頻発する、オスプレイの墜落死亡事故と今回の静岡の「緊急着陸」とどこが違うというのか。こうした事故は、全て、世界戦争のための訓練中におきている。木更津V―22オスプレイの飛行をただちに中止せよ!欠陥機オスプレイいらない! 佐賀にもいらない!日本と世界のどこにもいらない。木更津オスプレイの「暫定配備」を撤回せよ!

[オスプレイの駆動系メカニズム。両エンジンから伸びたシャフトの中央にあるのがギアボックス]

⒊ イスラエルのガザ空爆、パレスチナ人民虐殺許すな!
 10月7日に始まった中東パレスチナ戦争は、75年におよぶアメリカやイスラエルによるパレスチナ人民に対する、領土強奪と虐殺・迫害、「天井のない監獄」と言われる極限的封じ込めに対する止むにやまれぬガザ・パレスチナ人民の戦いです。
 230万人もの人々を壁の中に封じ込め、水・食料・燃料・医薬品など一切をストップさせるイスラエルの行動は、パレスチナ人民全てを抹殺しようとしている。
 今日、ウクライナ戦争はより長期化・泥沼化し、戦争の火の手はヨーロッパから中東へと飛び火した。
 アメリカは中国に対して、「台湾有事」「中国の南西諸島進出」を理由に対中国戦争を構えています。ウクライナ・中東・アジアでの3正面での戦争が火を噴く第3次世界戦争情勢が一気に加速している。「レゾリュート・ドラゴン23」での木更津・陸自オスプレイV―22の参加はそうした戦争に日帝・岸田政権どっぷりとのめり込んでいくことです。

⒋ いつ墜落するかわからないV―22オスプレイに搭乗する自衛隊兵士と全自衛官の皆さんへ
 自衛官自身が熟知しているようにオスプレイV―22は米海兵隊オスプレイMV―22と構造上全く変わりはない。22年3月ノルウェーでの墜落事故での5名死亡、同6月米カルフォルニアでの墜落事故で4名死亡、そして今年8月オーストラリアでの墜落で3名死亡。欠陥機オスプレイの飛行継続などあり得ない。今すぐ飛行を中止し、搭乗を拒否しよう!
 8月31日の木更津オスプレイV―22の緊急着陸は第1ヘリコプター団輸送隊の全自衛官に墜落と死の危険が迫っているということだ。労働者は自衛官が戦場で他国の兵士を殺し、自衛官が戦場で殺されることを一切、望まない。兵士は軍服を着た労働者としてわれわれの仲間だ。ともに帝国主義を打倒し、戦争と人民の大虐殺、労働者・兵士の搾取と命を平然と奪うことでしか延命できない今の社会を根底から変革し、つくり変えていく仲間です。輸送隊員や全自衛官の家族も誰一人として自衛官の死を望んではいない。
 極めて危険なオスプレイに搭乗する義務はありません。そもそも本来、訓練とは兵士と部隊を強化するものだ。その訓練で自衛官・兵士の命を奪うような兵器や軍隊は、それ自体が矛盾し、「欠陥」している。それが自衛隊であり、帝国主義軍隊だ。オスプレイへの搭乗や整備、他国への戦争に向け銃を握ることや治安出動命令を拒否しよう!私たちは皆さんとともに闘います。

[10・1空母母港化50年弾劾横須賀闘争]

全国で地方自治体の       戦争動員協力行政機関化を阻止しよう

戦争・改憲阻止!大行進運動・川崎 倉持嘉之

自衛隊への住基台帳データー提出は、国家総動員体制構築の一環
 岸田首相は、「外交には裏付けとなる防衛力が必要」とし、「今後5年間で防衛力を緊急的に強化」(2023年3月26日防衛大学校卒業式における訓示)をするとし、自衛隊の南西拠点化、敵基地攻撃兵器の保有など、戦争国家化へ突き進んでいる。そのための国家総動員体制構築の一環として、地方自治体を戦争遂行を担う行政機関に変質しようとしている。

「赤紙」復活を許すな
 旧陸軍の招集令状は、陸軍省が作成した動員計画に基づき連隊区司令部で対象者を指定して発行され、警察署で保管され、動員令が発令されると役所の兵事係が応召者本人に手交した。召集令状には召集に応じなければ罰せられる旨明記され、受取人が受領日時を記入、捺印した受領証を提出させ、役場で「召集令状受領綴」に保管されていた。戦前の役所は天皇の官吏組織であり、天皇のために人民を戦争動員する地方の徴兵機関であり、侵略戦争遂行にとって死活的な役割を果たしていた。
 戦後憲法のもとでは市町村役場は地方自治体となった。これまで自衛隊は、公開されていた住基台帳から募集対象者を転記していた。市町村役場は、一般の利用者と同様に自衛官にも住基台帳を公開していたに過ぎず、自衛隊員募集を担ってはいなかった。
 現在、全国の半数ほどの自治体が、自衛隊の要求する募兵対象者を住基台帳から抽出した名簿を作成し、そのデーター(電子データやタックシール)を自衛隊に提出している。データベース化された住基台帳からの名簿作成は一瞬のうち完了する。
 しかしこれは、地方自治体が住民を戦争動員する行政機関になり、自治体職員が「赤紙」の手交を強制されるようになるという、重大な問題を内在している。


 
帝国主義戦争と募兵は、革命の問題
 自衛隊ではセクハラ、パワハラが相次ぎ、死傷者がでる兵士の反乱が発生している。自衛隊が戦争する軍隊へと変貌しようとしていることが根本原因。
 2018年に任期制の自衛官候補生の応募者数はこの10年で3割も減少。防衛省は、「どれだけ高度な装備品を揃えようと、運用する人材の確保がままならなければ、防衛力を発揮することはできない」(有識者検討会報告書」2023年7月)と危機感を顕わにしている。
 膨大な核兵器体系、世界に展開する空母打撃群など圧倒的な軍事力を誇る米軍は、戦闘には勝利できても戦争には敗北し続けている。侵略戦争の不正義性、米軍兵の死傷によって軍隊内の反乱や反戦闘争が爆発し、国内支配体制が崩れ、革命的危機に直面して戦争遂行能力を喪失して敗北している。ベトナム、アフガンの敗戦がそれであり、ウクライナ戦争や中東侵略においても同様の道に突き進んでいる。中国侵略戦争は帝国主義世界を根底から覆す未曽有の事態となる。

防衛省・自衛隊が直面している事態の本質は同じ
 岸田首相は戦争の危機を煽り大軍拡と戦争国家化を強行しているが、それは自衛隊員を戦場に投入することになる。
 既に1992年以来の自衛隊海外派兵で死傷者や自殺者が多数発生している。
 中国侵略戦争へ突き進めば、朝鮮―アジア諸国の人民の決起が必ず爆発する。開戦すれば一挙に国内の人民の内乱的決起と自衛隊=軍隊内の反乱によって、階級支配は崩壊的危機に直面する。

帝国主義軍隊化と国民の戦争動員が革命に道を開く
 資本家のために人を虐殺し、己が殺されるのは誰も望まない。戦前の徴兵制は、拒否すれば、本人と家族を生きられなくするという、国家の全機構を総動員した暴力、弾圧によって維持されてきたに過ぎない。戦争は階級対立の最大の爆発要因であり、国民の戦争動員は国民の武装につながり、それは暴力革命に直結する。
 帝国主義は世界戦争を不可避とするが、戦争そして軍隊が世界革命に結びつくという根本矛盾から逃れられない。
 ウクライナ戦争やパレスチナ戦争に関する世界各国のニュースで明らかなように、戦争は、全世界での内乱的決起を生起させている。世界で、そして日本でも侵略を内乱へ!が現実になっている。開始された全世界の人民の決起で、再び世界戦争が世界革命に転化する過程に入っており、世界革命の過渡期が止揚されようとしている。
 いうまでもなくこの大前提には、堅忍不抜の革命党の建設とプロレタリア階級の圧倒的組織化、帝国主義軍隊の解体と兵士の獲得による軍隊の革命化がある。

地方自治体の自衛隊募兵の協力に反対する反戦決起が高揚
 2019年、前首相の安倍晋三は自民党大会で「『都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している悲しい実態がある。この状況を変えよう。憲法に自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とう』と発言し、これを機に、地方自治体の自衛隊への住基台帳データー提出への圧力が強められた。
 しかし、市民に公表せずに進めてきた自治体の募兵協力が、改憲強行を策した安倍発言によって公然化し、改憲・戦争に反対する全国の労働者・市民の広範な反戦決起が始まった。
 2023年6月、浜田防衛大臣は、「…防衛省に…情報を提供いただいている地方公共団体の名称を公にすると、当該地方公共団体との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、公表を差し控えていることを御理解いただきたい…。」(防衛省記者会見)と発言せざるを得ない状況に陥っている。
 神奈川県の場合、2022年10月、県内33市町村のうち、自衛隊に住基台帳のデーターを提供しているのは7市町の約2割に過ぎない。11市町村は自衛隊が求める抽出対象者一覧すら作成していない(「朝日新聞」2022年10月31日記事要旨)。そして、横浜市をはじめ自治体労働組合での反対署名の取り組みが始まっている。
 川崎市の福田紀彦市長は、2017年から自衛隊に住基台帳データーを提出し、自衛隊への個人情報の提供を望まない場合の「除外申請の手続き」も認めないという強硬派。
 戦争・改憲阻止!大行進運動・川崎は、市当局に対して自衛隊への住基台帳データー提出中止を要求する申し入れを行い、駅頭での街宣、住民へのビラ入れ、そして労組への働きかけなどを活発におこない、新聞にも度々報道されている。10月16日には3度目の申入書を提出し、記者会見を行った。そして10・29高山俊吉弁護士を招いた反戦集会を武蔵溝ノ口で開催するなど労働者・市民の反戦決起が始まっている。
 米中戦争―世界戦争情勢下、戦争を内乱に転化する反戦闘争の本格的な闘いはこれからだ。その一環として全国で地方自治体の戦争動員協力行政機関化を阻止する闘いを推し進めよう!

対中国戦争切迫下の       北海道の自衛隊員

北海道  鈴木潤

 ウクライナ戦争は泥沼化し、イスラエルの暴虐に対するパレスチナ人民の怒りがハマスの武力蜂起として爆発した。アメリカは起死回生を期して中国侵略戦争を身構え、岸田政権はそれとの一体化を決断している。沖縄・南西諸島を最前線基地化し、全国の自衛隊を投入するだけではない。昨年12月の防衛3文書に沿って敵基地攻撃能力の保有を急ぐ。防御より先制ミサイル攻撃なのだ。こうした情勢は自衛隊に大変化をもたらしている。北海道の現状を報告する。

「中国と闘う覚悟」を求める

 昨年5月の防衛省の文書「自衛隊の鉄道輸送」はJR函館線・函館―長万部間の貨物路線存続を求める。「台湾有事」を見すえ、ウクライナ戦争で双方が鉄道輸送に依拠していることを例に有事の鉄道輸送の重要性を説く。それには本道の陸上自衛隊2個師団・2個旅団全部が陸海空の移動手段で日本列島を南下する図がある。
 2021年9~11月の陸自中心の10万人大演習は戦争準備の集約点だった。沖縄・九州への迅速移動に加え、戦闘準備のスピード化が狙い。以降は、そこでの問題点の克服に必死だ。
 昨年12月の防衛3文書の「防衛力整備計画」は道内の陸自を「統合輸送能力により、迅速に展開・移動させる」と明記。だが自衛隊の輸送能力は脆弱で、米軍の協力はもちろん、民間や自治体も動員する。ただし演習ではなく戦争だと法的な強制力に加え、道義上の正当性も問われる。内閣の支持率30%以下では、労働者動員はもちろん、隊員に死ぬ覚悟を求めることは困難だ。
 日米両軍は、自衛隊の領域横断作戦と米海兵隊の機動展開前進基地作戦(EABO)を結合した連携EABOなる戦術方針に基づき、道内や東北各地の演習場を離島に見立て移動訓練を繰り返している。道内の広大な演習場は全国自衛隊の演習場とされ、陸自は南西諸島へ緊急展開する「機動運用部隊」を訓練している。日米共同、自衛隊単独を問わず大規模演習が続いている。
5月から10月だけをみても
●5月23日~6月16日、矢臼別と上富良野の演習場で大規模訓練(東京都の第1師団と旭川市の第2師団の計約2千人)。
●6月29日~7月31日、北海道大演習場(恵庭市、千歳市など)で実動対抗演習(名古屋市の第10師団と札幌市の第11旅団の計約1600人)。
●8月21~27日、北海道大演習場で総合戦闘力演習。陸海空に加え領域横断作戦として宇宙やサイバーの技術も駆使(道内全4師団・旅団の隊員1万2千人)。
●9月14日~23日、矢臼別演習場で陸自と米陸軍による日米共同訓練「オリエント・シールド23」(北部方面隊など約2300人、米陸軍約1200人)。
●9月26日~10月4日、空自千歳基地を拠点に日米共同訓練(空自第2航空団=千歳市のF15戦闘機8機程度、米軍・三沢基地のF16戦闘機12機程度と嘉手納基地の早期警戒管制機E3G)。
●9月28日~10月15日、然別演習場や矢臼別演習場で陸自道外部隊が大規模演習(伊丹市の第3師団と青森市の第9師団の計約2400人)。
●10月14日~31日、道内と九州、沖縄県で陸自と米海兵隊との共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23(後段)」(陸自約2800人、米側約1400人)。前段は7月に沖縄と熊本で実施。
 他の部隊別訓練で6月、第1旅団第10即応機動連隊(滝川市)の男性陸士長が、札幌市の演習場で訓練中に小銃を持ったまま行方不明に(翌日に保護)。レンジャー訓練中にはぐれたという。岐阜市日野基本射撃場での発砲事件の直後で大騒ぎに。
 相次ぐ演習、長びく出動、巨大化する準備、激しさを増す訓練で現場は疲弊している。

[10・7パレスチナ・ガザ蜂起。分断の壁を爆破・突破し、イスラエルの戦車を奪取した。]

先制攻撃へ 防衛装備より攻撃装備増強

 防衛3文書で「道内の陸自に多い戦車は現有600両から300両に、火砲は現有500門から300門に減らす」との方針を維持する代わり、敵基地攻撃能力の構築に向けて計画するスタンド・オフ・ミサイルや高速滑空弾の道内配備が検討されている。
 防衛省外局の防衛装備庁が千歳試験場(ミサイルエンジンの性能試験を行う国内最大規模の施設)で、国産長距離ミサイル(スタンド・オフ・ミサイル)の開発試験を進めている。18年度に開発に着手した最新鋭のスタンド・オフ・ミサイル「島嶼防衛用新対艦誘導弾」の射程は2千㌔で中国内陸部の大半が射程内。敵のレーダーを回避するステルス性や防御兵器の照準を回避する高機動性を備える。空自千歳基地・陸自東千歳駐屯地の近くに建設される半導体開発・生産拠点ラピダスは、1発辺り1千個以上の半導体を使う精密誘導ミサイルの開発と無縁ではない。
25年度、白老駐屯地(白老町)や近文台分屯地(旭川市)など道内6カ所の陸自補給支処に弾薬を補給する火薬庫が増設される。敵基地攻撃能力のための長距離ミサイルの保管を想定。こうした動きは沖縄に限らず全国を戦場にするものだ。
 政府は国民保護法に基づき5月から、弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練を全国36自治体と共同で実施。だが、地下施設などない自治体が大半で、政令指定都市が定める「緊急一時避難施設」のうち、地上より有効とされる地下施設は全体の4%(道内は1.85%)。ウクライナの地下鉄駅は地下40~70㍍。札幌の地下鉄構内すら安全ではなく、他の自治体には地下施設などない。国民動員が真の狙いだ。
 9月11日、政府は土地利用規制法に基づき、札幌や旭川など道内48市町村の56区域(全国で計180区域)を「注視区域」や「特別注視区域」に指定する方針を決定。いずれも駐屯地や基地の周辺での住民闘争や反戦・反基地闘争から「基地」を守る措置だ。

[10・27ガザ緊急抗議デモで数千人のユダヤ系ニューヨーカーがグランドセントラル駅を占拠。イスラエルのガザ空爆に抗議して座りこみの闘い。300人以上が不当逮捕された。ニューヨーク州マンハッタン。]

正面装備優先で放置される劣悪な処遇

 2月の道新によると、防衛費は大幅増だが、隊員の待遇改善は進んでいない。明治時代に建てられた築114年以上の木造平屋の建物が会議室(札幌市の苗穂駐屯地)。宿舎も築50年前後は珍しくなく、住み心地が悪い。野営で使うマットは使い勝手が悪く、隊員は代替品を自費で購入。必需品の腕時計は支給されない。
 防衛省は「生活・勤務環境の改善」を掲げるが、ミサイルや戦闘機など正面装備優先。自衛隊は定員割れが常態化し、「少子化の中、なり手がますます減る」と危機感(21年度の定員充足率は93.4%だが、「士」の階級に限ると79.8%)。
 自衛隊員による犯罪が増加し、パワハラ・セクハラは放置されている。
 北海道新聞によると、道内での「不祥事」は昨年10月からの1年間で、暴行などで8人が懲戒免職、16人が停職処分。重複するがセクハラや性犯罪が8件、パワハラが3件起き、逮捕者も4人。防衛省の発表によると全国的にも増加の傾向。
 本誌73号の二ッ森菜夏さんの文章、「軍隊・自衛隊は、兵士・自衛隊員を人間ではないものに改造して送り出す機関」「国家の軍事組織である自衛隊から性暴力がなくなることはありえない」。自衛隊は常時「戦争状態」に置かれ、ウクライナの戦争報道を見ながら「台湾有事」の切迫を実感している。当局は暴力や性暴力を本気で根絶する気がない。五ノ井里奈さんの事件では、加害者の4人が昨年10月に直接謝罪していたが、6月の国家賠償請求訴訟では4人が一転、加害を否定した。
 昨年10月、陸自丘珠駐屯地勤務の自衛官(27)が2020年に自殺したのは、上司のパワハラへの陸自の無対応が原因と、遺族らが国と当時の上司に慰謝料など求めた訴訟の第1回口頭弁論が札幌地裁であった。陸自側は22年、自殺と公務の因果関係を認めて公務災害と認めたが、裁判では請求棄却を申立。潮目は変わった。
 定員割れが続く自衛隊は募集に躍起で、札幌市中心部の街角では兵器を展示して必死に勧誘。7月、陸自第2師団は道教委と全国高校総体の登山競技の運営支援に関する協定を結んだ。あらゆる機会を通して募集に奔走している。
 9月、札幌市は23年度に18歳と22歳になる3万1550人分の名簿を自衛隊札幌地方協力本部に提供(旭川・帯広・千歳市を合わせると約6万人分)。同日、秋元克広・札幌市長らは陸自北部方面総監部を訪れ、来年2月開催のさっぽろ雪まつりでの大雪像2基の製作を要請。商業イベント協力と引き換えに若者の命を差し出すようなものだ。

[10・21パレスチナ連帯10万人デモ。ロンドン。]

侵略戦争を拒む隊員を防衛しよう

 対中国戦争は、中国の兵士・民衆だけでなく、自国の民衆も危険にさらす。「闘う覚悟」を煽る麻生太郎は財閥の御曹司。麻生財閥は戦争中に軍部と結託して、朝鮮・中国民衆を強制連行し、強制労働で財を成した。こんな連中が今の経済では儲けられず、自らの没落が不可避と悟り、活路を戦争に求めている。労働者民衆・兵士の命など気にかけない。
 戦争の本質を知れば隊員は命令に従うだろうか。自衛隊員への働きかけは今、決定的だ。侵略の銃は取らない、握らないと立ち上がる隊員たちを包む労働者階級本隊の壮大な決起が必要だ。階級的労働運動、反戦闘争と国際連帯の発展を実現しよう。

[10・21国際反戦デー。パレスチナ連帯・ウクライナ反戦デモ。東京・新宿。]

 

 

会報 第74号

74号PDFはこちらをクリック☞

巻頭言

戦争やめろ!岸田を倒せ!社会を変えよう!

労働者・兵士は国境・国益を越えて団結しよう!

東京西部ユニオン(元自衛官) 杉橋幸雄

米帝による広島・長崎への原爆投下から78年。ウクライナ戦争は1年半経っても停戦の兆しはまったくなく、劣化ウラン弾やクラスター弾が使用されF16供与も決定され、戦火はロシア国内にも拡大しています。しかも、米韓軍事同盟に日帝が歴史的に加わることで台湾や朝鮮半島をめぐる戦争情勢をも一層激化させています。これに対し北朝鮮は激甚に反応しミサイル発射を繰り返し、支持率急落の岸田政権は大軍拡・改憲・殺傷兵器の輸出や核汚染水海洋放出に突き進んでいます。断じて許せません!国際連帯のもと絶対反戦で闘いぬき「広島ビジョン」を打ち砕いた日本階級闘争の真価が改めて問われています。

そうした最中、元自衛官の五ノ井さんの公然たる決起の前に逃げられなくなった防衛省が、急遽設置したハラスメント対策に係る「有識者会議の提言」が8月18日に提出され、同省の防衛監察本部も20万人を超える全自衛隊員を対象に実施したハラスメントに関する「特別防衛監察の結果」を公表しました。それによると、昨年9月から同11月末までにハラスメント被害の申告が1325件あった(それは氷山の一角に過ぎない)ものの6割以上が、同省の相談員や窓口に相談していなかったのです。その理由は「改善が期待できない」「相談員や相談窓口があることに思い至らなかった」「相談できる雰囲気ではない」などの回答が有り、さらなる聞き取りでは、上司や窓口に相談しても「事を大きくすると職場にいられなくなるぞ」などと言われ、結局「自衛隊はそういう所」「指導には厳しさも必要」として取り合ってもらえなかったという。

自衛官の定員割れに危機感をもった防衛省が、待遇改善や人材確保に「本腰」ですが、定員割れは続き矛盾の大爆発は不可避です。何故なら「殺し殺される」実際の戦争が既に始まっており、命よりも戦争と金儲けが最優先される階級社会を支える為に、軍服を着た労働者である自衛官が「一握りの支配階級の延命の為に命を投げだす」ということに深刻な矛盾と命の危険を実感しているからだと思います。世界戦争に転化したウクライナ戦争が長期・泥沼化し、対中国・北朝鮮を射程にした日米韓の軍事同盟が一層強化され、米韓をはじめ自衛隊やオーストラリア軍をも含む大規模な合同軍事演習が次々と強行され、侵略戦争準備に増々突き進んでいるからです。戦争は絶対にやめさせなければなりません!

「自衛隊を良くしたい」と思っている方もいますが、帝国主義軍隊である自衛隊の本質は変わりません。地球環境をも破壊しながら世界戦争・核戦争の危機が目の前に激しく展開されており、社会を支えている労働者も自衛官も例外なくその身の振り様が歴史的根本的に問われています。国益や国境を越えて団結し、戦争を事とする自国政府を打ち倒し、人間が人間らしく生きられる社会に根本的に変えていくこと。これ以外に道はありません。団結しましょう!! 9・23~11・19へ!団結して共に闘いましょう!!

 

 

戦時下の沖縄闘争 

垣内 武

ウクライナ戦争の泥沼的激化と中国侵略戦争

 G7広島サミットや7月NATO会議を歴史的転換点として、ウクライナへの大量の武器供与が決定され、ウクライナ戦争は帝国主義による対ロシア戦争として泥沼的に激化している。ウクライナ人民は延々と地獄絵図のような戦闘を強制されている。ゼレンスキーはその完全な先兵であり、賄賂による徴兵逃れさえ取り締まり、人民を戦場に送り出している。米帝・NATOもロシアもウクライナから手を引け!これが世界の労働者階級人民のスローガンだ。
 米帝・NATOの対ロシア戦争は、「ロシアを抑えつけ、中国を打ち負かす」という米の国家安全保障戦略のもとに全面的に遂行されている。日帝・岸田はこれに全面協力し、自ら敗戦帝国主義としての制約を暴力的に突破しようとしている。7・12G7―ゼレンスキー参加の首脳会談後、バイデンの岸田礼賛発言こそ、「日帝の参戦」の必要不可欠性を示している。安保3文書の大改訂以来、日帝の参戦国化と改憲・大軍拡の攻撃はきわめて凶暴なものである。岸田は日本の労働者階級の強固な反戦意識を叩き潰すためには何でもやる体制で臨んできている。台湾での麻生暴言、8・18日米韓首脳会談―3国軍事同盟構築の策動はその最たるものである。
 米帝の歴史的没落ゆえに、スターリン主義をも軍事的に打倒する大戦争が、中国侵略戦争―世界戦争として火を噴こうとしている。岸田は「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」を金科玉条のごとく繰り返しながら、沖縄の戦場化に突進している。戦慄すべき事態だ。

『PAC3,来月以降も配備か』(8月24日。琉球新報)。
沖縄県石垣市南ぬ浜町

沖縄の全面的な軍事要塞化を阻止しよう!

 昨年の1月、日米政府は中国に対する新たな作戦構想を策定した。それがEABO(遠征前進基地作戦)であり、この作戦では米軍の本格的投入まで自衛隊が沖縄で半年から1年「時間を稼ぐ」ことになっている。日本版海兵隊である水陸機動団がこの前面に立つ。那覇市の陸自第15旅団(2200人)を8000人規模の師団にする策動もある。これと一体で、南西諸島全体へのミサイル部隊配備がある。奄美、宮古島に続いて3月には石垣駐屯地が開設された。さらに勝連分屯地と与那国駐屯地の大幅強化が狙われている。
 こうした自衛隊の急激な侵略軍隊化の矛盾があらゆるところに噴出している。4・6の宮古島周辺での陸自第8師団長も死亡するヘリ墜落事故もこの中で起きた。無茶苦茶な部隊再編とパイロットや整備士不足の中で不可避的に引き起こされた事態だ。さらに自衛隊員への動揺も激しいものがある。すでに「南西諸島で戦死する」ことを隊員の多くが受け入れなければならない段階に来ているし、セクハラ・パワハラは表面に出ただけでも千件を軽く超えており、自殺や自殺未遂も頻発している。18歳の若者に実弾演習をさせ、上官を射殺してしまう事件も起きている。大幅な定員割れを起こしている自衛隊は、各自治体と一体となって「募集業務」に奔走している。この先に「徴兵制」は確実にやってくる。
 沖縄の軍事要塞化、自衛隊と基地強化を絶対に阻止しなければならない。

『久米島にオスプレイ飛来、米軍が訓練、住民ら抗議』(7月16日。琉球新報)。
航空自衛隊久米島分屯基地に向かうオスプレイ=7月15日午後6時30分ごろ

中国侵略戦争に向けた沖縄での排外主義扇動

 沖縄では、岸田政権による排外主義と戦争体制の構築が進められている。4月には石垣・宮古・与那国に無理やりにPAC3が配備された。ミサイルにたいする「避難訓練」も1月に那覇で強行された。自治体の図上訓練も推し進められている。
 5・31には沖縄でJアラートが発動され、スマホからはけたたましい警報音が朝から鳴り響いた。しかし、この日、米軍基地では何の警戒態勢もとられていない。北朝鮮による飛翔体は事前の予告通り「衛星」であり、日帝・防衛省だけが、意図的に排外主義デマを煽って、戦時訓練を先取り的に行ったのだ。
 こうした事態に多くの沖縄県民は怒りの声を発している。沖縄戦経験者は「遊軍(編集部注:遊撃隊)ラッパの鳴り響いた時代を思い出す」と感想を述べている。先述した石垣島へのPAC3配備に対しても全港湾沖縄地本は、6・6に組合員の安全確保のため「自宅待機」方針を出している。PAC3の撤収も求めている。
 排外主義と戦争体制の構築に、沖縄労働者による戦争協力拒否の闘いを叩きつけよう!

沖縄は、日米安保を覆す激突点

 沖縄闘争の重要性は、かつてないほど高まっている。
 6月に発表された米シンクタンクの外交問題評議会(CFR)、また年初の米戦略問題研究所(CSIS)報告書などは、在日米軍基地の存在、自衛隊との連携、日本の民間空港・港湾の活用など、対中国の侵略戦争遂行において、「日本が要」であることを繰り返し提起している。
 沖縄・久米島では7・15~18日、航空自衛隊分屯基地で米軍オスプレイの飛来訓練が初めて行われた。米海兵隊は「第3海兵遠征軍が実施部隊となり、離島に臨時拠点を設け分散して戦う『EABO』の実証」と説明している。在沖米海兵隊の海兵沿岸連隊(MLR)への改編も策動されている。今年10月には、日米合同軍事演習「レゾリュート・ドラゴン23」の実動演習が狙われている。これこそ、沖縄・琉球諸島全域に日米両軍が展開しEABOや陸海空・宇宙・電子空間の全領域を横断する軍事作戦など中国侵略戦争の具体的実行が想定されている。まさに新たな沖縄戦を想定した訓練だ。沖縄―全国での反基地闘争は中国侵略戦争を阻止する決定的闘いである。
 1970年代の復帰闘争時、沖縄で全人民的な反戦闘争が巻き起こり、米軍基地労働者を軸にした全島ゼネストの闘いが日米安保の根幹を揺るがし、実際に米軍基地機能を止めることでベトナム戦争への爆撃機の出撃を阻止した。
 日米安保の最大実体であり、矛盾の集中点である沖縄から闘いに立ち上がることは、世界戦争・核戦争を止める力を持っている。

青年・学生先頭に反戦闘争を巻き起こそう!

 沖縄闘争は、日本における反戦反基地闘争の最大の柱である。辺野古新基地建設を阻止し、本土―沖縄が一体となった闘いをやりぬこう!その最大実体は青年・学生だ。沖縄には、青年労働者を中心とした労働組合の闘いや、反戦運動を徹底弾圧し戦争協力に走る沖縄大学を弾劾し、不屈に闘う学生の自治会運動がある。沖縄階級闘争は物凄いエネルギーを蓄積しながら、新たな段階に突入している。一方で、オール沖縄的な勢力が、若者の取り込みのために「争うより愛そう」なるスローガンでもって闘いの爆発に制動をかけている。
 今こそ、青年・学生を先頭に反戦闘争をとことん巻き起こし、侵略の最先端の戦争に駆り出されようとしている自衛隊兵士に反軍決起を呼びかけ、内乱を組織し、自国政府を打倒していくような闘いをやりぬこう!国際反戦闘争の爆発こそが戦争を止める唯一の闘いだ。ともに闘おう!

岸田の来沖を弾劾。    6・23沖縄反戦スタンディング

日本は完全に参戦国だ!
労働者こそ戦争を止める!

伊藤登美子

ウクライナ戦争を止める! 世界戦争は労働者のたたかいで止めよう!

世界戦争への分岐点G7広島ビジョン絶対反対!
教育労働者は G7「広島ビジョン」を許さない。闘って!次のたたかいへ進もう!

 私のヒロシマの闘いは、1971年ベトナム戦争下の8・6佐藤来広阻止闘争から始まった。以来、もう30回以上8・6に来ている。組合運動としても、核実験反対から核戦争絶対反対のたたかいの原点が広島だ。
 そのヒロシマで、岸田首相がウクライナ戦争当事者とも言えるG7広島サミットをやる資格は全くない。
 ウクライナ戦争は完全に泥沼化している。ゼレンスキーの支援要請に対し、アメリカは「クラスター弾や劣化ウラン弾投入」、NATOは最強の戦車レオパルトを各国競って提供している。「ロシアの侵略からウクライナを解放」「ロシアの核の威嚇を許さない」と言いながら会談するというのだ。
 岸田と外相はこの間、戦争外交に奔走した。国内の重要問題は閣議決定と結論だけだった。12月安保3文書閣議決定―「敵基地反撃能力」と公言してから、1月訪欧米とサミット参加諸国回り、3月ウクライナ、ポーランド、5月韓国、G7広島サミットへと破綻的にのめりこんでいった。日本列島のいたるところで、サミット諸会議も展開した。しかし労働者は、絶対納得しない。野党はもちろん連合をはじめ労働組合は反対を言わない、ウクライナを支援する立場で翼賛している。

労働者・学生の団結した力で権力・右翼の妨害を粉砕し、原爆ドーム前の早朝大集会を闘い取った。(8月6日 広島市)

広島を反戦・反核の砦に!

 サミットは広島平和公園を白く高い遮蔽板で囲み、2万4千人の機動隊と市の職員を配置し、行われた戦争会談だった。どんなに隠そうとも国家権力のすべての壁を打ち破ったたたかいだった。学生を先頭に、商店街を通った時は周りから、賛同のアクションがつぎつぎ。立ち止まって見る人の笑顔、あちらこちらからこぶしを高く上げた外国人。ヒョイと若者が、警備の警察官に抗議しながら年配者が隊列の後ろのデモに入ってくる。ドーム前の解散点に近づくと先頭の学生たちへ、機動隊が両脇から暴力的に隊列はがし、押し付けが激しくなる。動画で世界中に発信された通りだ。逮捕者もでたが、警察署にすぐさま抗議行動、そして奪還。何回もデモをした。私たちのヒロシマサミットに対する闘いだった。
 アメリカとNATO諸国、サミット7か国の世界戦争の目論見があいまいさなく、露呈したものだった。ロシアに対する戦争の次は「台湾海峡の平和と安定」と対中国戦争と明確にしたばかりか、広島ビジョンで、核兵器を「防衛のために役割を果たし、侵略を抑止」と言い切った。対中国侵略戦争の出撃基地拠点として日本を、核戦争宣言の都市として広島を選んだ。戦争を終結させることが、核戦争の大義名分であり、広島の原爆を投下した時、あの瞬間に焼け野原になった街や人々の有様を想像しないどころか、破壊だけ。その直後も戦争研究の材料としか考えない輩の理屈だった。岸田がお膳立てしたG7は、ウクライナ戦争と中国侵略戦争へのアジアもNATOも加わる世界戦争宣言になった。
 しかし、私たちは絶対に認めない。被爆者の怒りはどれほどのものか計り知れない。広島市民の怒りも。全世界にも発信された。解放的なたたかいだった。しかし、私たちの課題は、より明確にしなければならない。絶対にこの怒りを8・6―9への労働者の決起につなげなくてはと誓った。

8月5日、教育労働者を先頭に原爆ドーム前からデモ。平和公園で目の前にいた戦争推進の連合・芳野会長を徹底弾劾し、「子どもたちを戦場に送るな」と団結を固めた。

8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ 教育労働者が戦争反対の先頭に立つ!反戦デモで岸田政権打倒へ!

 5月G7広島サミットのたたかいは私にとって決定的だった。岸田が一国の首相としての「世界戦争を核戦争へ」という大犯罪に対する労働者の答えは、戦争反対の声を上げることだ。岸田打倒!のこえをあげることだ。私たち日本の労働者が闘うことだ。広島100人声明や8・5実行委員会の呼びかけ人が、教育労働者は戦争反対デモに起とうと呼びかけた。それぞれが旗を持ち、プラカードを持って、原爆ドーム前に集まった。8・6ヒロシマ大行動のスタートになった。戦争協力の連合を弾劾し、各地から「社会を変える力は闘う労働組合にある」と「教え子を戦場に送るな!戦争絶対反対!」と訴えた初めての独自のたたかいだった。デモ後の交流集会で、全国のたたかいの報告と韓国・全教組大邱支部の仲間も加えて、国際連帯で世界戦争止めよう!と誓った。
 岸田の攻撃は広島から、一つは平和教育の破壊である。サミットのために広島市教委‐文科省が数年かけて、平和教育教材“ひろしま平和ノート”から「はだしのゲン」「第五福竜丸」を削除した。高校では、「はだしのゲン」作者・中沢啓治さんの講演記録・被爆体験を1ページに半減し、米在住被爆2世・美甘章子さんの「8時15分 ヒロシマで生き抜いて許す心」を7ページ超に差し替えた。あとがきで、被爆者の原爆、戦争・天皇制への怒りを全面的に否定し、「敵同士だった二つの国が、今は最強のパートナーとなり協力体制にある」と、日米安保条約・広島ビジョン・核戦争を称賛した。
 二つ目は6月29日広島市が平和公園とパールハーバー公園と姉妹公園協定を結んだことだ。日米の労働者はこの過去の二つの戦争を絶対に認めない。
 誰が何のために戦争を起こしたのか、核戦争が何をもたらしたのか、帝国主義は破壊者だ。世界各国で労働者が決起している。かつて朝鮮戦争が始まろうとしたとき、そのさなかに、日教組は決起した。各地で反基地闘争に参加し、終戦6年目で戦争を絶対に止めよう!と「再び教え子を戦場に送るな」のスローガンを生みだしたのだ。8・6ヒロシマ大集会での「反戦をたたかえる労働組合をつくり直す転換点に」と広島市職労働組合の発言、「本部は腐り果てても必ず決起する最初のたたかい」の教組の発言は会場参加者の共通の決意となった。労働者が階級として団結したとき、戦争は止められる。岸田を倒そう!

教育労働者に訴える!

 長時間労働を強制している学校の現実に立ち向かおう。資本主義の崩壊は戦争として現れ、全分野の入り口から戦いが迫られているのだ。改憲・大軍拡阻止! 直接の出撃の反基地闘争、全島戦場化の沖縄闘争、原発再稼働、汚染水排出など。職場、地域、職域、つながる労働者の先頭に立って組織しよう。生徒を戦場に送るな!自衛隊に名簿渡すな!の署名を通して組織しよう!自衛官になった「教え子」は全国にいる。「死ぬな、殺すな」「侵略戦争の銃は握るな!」とあらゆる機会をとおして呼びかけよう!
 入口はたくさんある。ひとつづつ積み上げ、戦争絶対反対のたたかいへ組織しよう! 11月19日、全国労働者集会(日比谷)に全国、世界からたたかう労働者が結集する。労働者階級の国際連帯で戦争を止めよう!

「ナガサキを繰り返させない!」。台風による荒天を突き爆心地へのデモを貫徹(8月9日 長崎市)

日米韓首脳会談と米帝の
核戦争シミュレーション弾劾!

滝山猛師

3ヵ国首脳会談は軍事同盟化へのみち

 日米韓は8月18日、首脳会談で「パートナーシップの新時代」を宣言し、「キャンプデービッド原則」と「キャンプデービッド精神」を発表した。
 キャンプデービッド原則は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持、力による一方的な現状変更に反対すると明記した。だが、ロシアをウクライナ侵攻に踏み込ませ、台湾有事を煽り「現状破壊」を目指しているのは米帝の側だ。そこに日韓を引き込み、動員する計画が「キャンプデービッド原則」と「精神」だ。それに日韓支配階級が合意した。
 共同声明では日米同盟と米韓同盟の連携を強め、安保協力を新たな高みに引き上げると明記し、北朝鮮、インド太平洋、ウクライナ、経済安全保障、そして対中戦争―世界戦争への「3ヵ国同盟」化に合意した。3ヵ国首脳会談を「少なくとも年に1度」開き、2プラス2(外相・防衛相)など複数レベルの会談・局長協議の定期開催で合意。弾道ミサイル情報を即時共有する仕組みの早期運用を確認し、自衛隊と米軍、韓国軍との共同訓練の定例化にも合意した。「台湾有事」の重要性、ウクライナ支援の継続で合意し、対北朝鮮、対中国の合同軍事訓練の強化を公式に合意し、明記した。日米韓のいずれかに脅威が発生した場合、3ヵ国が迅速に協議することで合意。そのために緊急時に使うホットライン(専用回線)の整備にも合意。これは核使用を含む集団的自衛権行使の合意だ。
 これらはまさに世界戦争会談とその同盟化そのものだ。危機に立つ米帝・バイデンにとって対中対決―米中戦争が最優先事項。そのために日韓の対中戦争への動員―米日韓の同盟強化が要であり、インド太平洋における長年の優先事項であった。オーストラリア、フイリピンを含め米帝の「多層的同盟網構築」の「核」が日韓である。だがその根底に横たわるのが米帝の没落という現実だ。基軸帝国主義・米帝の没落と危機がウクライナ戦争―世界戦争の根源であると同時に、今回の日米韓首脳会談とその合意事項は、米帝単独では世界支配を維持できないという米帝危機の裏返しだ。米帝危機が世界戦争情勢を引き出し、それがウクライナ戦争として始まり、ウクライナ戦争の泥沼化が米帝危機をさらに深め、日米韓軍事同盟化へと衝き動かした。
 最大のポイントは、3ヵ国で政権交代があっても「3ヵ国協力」に支障を与えないようにするのが「キャンプデービッド原則」だということ。要するに「日米韓軍事同盟」化という縛りが「原則」「精神」となっている。

 だが、それはスムーズにはいかない。なぜなら日米韓の労働者民衆は世界核戦争へ突き進む3ヵ国同盟を絶対に認めないからだ。ウクライナ国際反戦闘争が、非和解の実力闘争が、全世界で内乱として爆発し、さらに拡大するのはこれからだ。日米韓の国内支配体制は戦争と恐慌―長引くインフレと生きていけない低賃金、強労働と強搾取、差別と分断による格差は拡大し、資本による環境破壊が人間生命を危うくしている。ウクライナ支援で拡大する財政赤字など、労働者民衆の怒りが内乱として爆発し、政権への支持率は軒並み低落しているのが今の3ヵ国支配階級の現実だ。つまり日米韓軍事同盟化の根底には帝国主義世界支配の危機と国内支配体制の破綻という脆弱な基盤しかない。
 日米韓首脳会談前の14日、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の上級専門家4人(ビクター・チャー、クリストファー・ジョンストン、エミリー・ベンソン、エレン・キムら)による公開「3ヵ国首脳会談プレビュー」が開催された。異例の公開プレビューでは3ヵ国首脳会談を「歴史的な出来事」と位置づけ、特に韓国・尹錫悦の対日政策の転換を評価しつつも、ウクライナ戦争と米中戦争(台湾有事)が生み出しているインド・太平洋と世界における「不確実性の高い環境」、つまり先の見えない世界の危機がその根底にあると規定した。つまりCSISは米帝と3ヵ国の脆弱性を世界にさらしたのだ。

韓国・尹錫悦の8・15「光復節」演説に怒り爆発

 日米韓首脳会談に先立つ、尹錫悦の8・15「光復節」演説に韓国労働者の怒りが爆発している。
尹錫悦は8・15演説で日帝と「未来志向的に協力すれば世界の平和と繁栄に貢献できる」、「韓米日の安保協力の重要性が日増しに高まっている」、日帝とは価値観を共有し共通の利益を追求する「パートナー」だと明言。「分断」や「統一」への言及が一切ない。政権発足からの世論調査でも支持率が20%台だ。日米韓首脳会談で合意した「パートナーシップの新時代」、「キャンプデービッド原則」「精神」は、韓国内の世論と真っ向対立し、南北分断の固定化を促進する内容だ。
 かつての植民地国日帝に対しては、「今や世界市民の自由を脅かす挑戦に立ち向かい、共に力を合わせて進むべき隣人」だと明言。「歴史問題」は不問にすることで「解決できる」と断言。北朝鮮に対しては、核開発を中断し、非核化に転換するならその段階に応じた「支援プログラム」構想を実施すると提案したが、その具体的中身は不明だ。
 そして最後に、「自由、人権、法治という普遍的価値に基づき、共に連帯し、世界平和と繁栄に責任を持って寄与することこそ、独立運動に献身された方々の意思を引き継ぎ、守ること」だと捻じ曲げ、3ヵ国軍事同盟と米中戦争参戦への国家的強化が、「私たちに与えられた世界史的な使命」だと韓国の労働者民衆に呼び掛け「使命を必ず成し遂げる」と結んだ。
 韓国・尹錫悦は4・24ワシントンポストのインタビューに日韓関係改善のために日帝が「ひざまずく」という考えは受け入れられないと表明。25日これが公表された。この発言への非難がソーシャルメディアに渦巻いた。大統領府の側近は25日、「50年足らずの不幸な歴史のために、1500年前から続く交流と協力の歴史全てを無駄にするのは愚かなことだ」と言い切った。
 米韓は合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド(自由の盾)」を実施(21~31日)。野外機動演習は昨年の13回から30回以上に大幅に増加。参謀本部はロシア・中国・北朝鮮のミサイル能力を反映した「安全保障環境の変化」に対応した「実践的な演習を通じて、米韓同盟の対応能力をさらに強化させていく」と。対北政策というよりウクライナ戦争と世界戦争情勢に対応する韓国保守反動勢力の戦略的な大転換だ。韓国・朝鮮半島と世界の労働者・兵士への戦争攻撃だ。 
 CSISも韓国・尹錫悦の転換的「決断」を称えている。だが尹錫悦の決断は、韓国労働者民衆の南北統一、労働者民衆の人間的解放とは真逆の道だ。尹錫悦打倒へ突き進もう!
 世界戦争に突き進むのか、国際反戦闘争と反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命=南北統一への歴史選択が全労働者に問われている。万国労働者は団結して支配階級を実力で打倒しよう!

民主労総はじめあらゆる市民・社会団体を結集して組織された「日本放射性汚染水海洋投棄阻止共同行動」が、ソウルの日本大使館への緊急抗議行動に決起。(8月22日ソウル)

米帝の核戦争シミュレーション

 独立系ニュースサイト「ザ・インサイダー」が米帝の核戦争シミュレーションを調査・暴露した。要約すると、ロシアが核戦力を行使した場合を想定した米帝の机上作戦(具体的報復対象作戦)は、まずオバマ政権末期に行われた。同様の机上演習はトランプ政権時にも行われている。
 2016年の米国家安全保障会議(NSC)で議論されたのは、14年のロシアによるクリミア編入後、ロシアがバルト3国の一つに侵攻した場合を想定した核戦争シミュレーションだ。シナリオは、侵攻したロシアを通常兵器で食い止め、優位に戦争を進める中、ロシアが有利な停戦を目指し、「エスカレーション抑止」概念に基づきNATO軍、ないしはドイツの軍事基地に対して戦術核を使用したというシナリオである。
 ポイントは、米帝の報復がどのような兵器で、どこを攻撃すべきか、という演習だ。議論をリードしたのは当時のバイデン副大統領の国家安全保障問題担当補佐官を務めたコリン・カール(現国防次官・政策担当)。カールは核の使用は1945年の広島、長崎以降、初めての歴史的出来事であり、核使用はロシアを孤立させ、政治的、経済的打撃を与えるため国際社会を結束させる絶好の機会になると強調。核で報復することはむしろ「大局観に欠いた」行動であり、核使用の閾値を下げるだけでなく、強力な制裁措置よりも効果は乏しいと主張した。議論は続いた。結局、NATO制服組トップである欧州連合軍のブリードラブ最高司令官を含め「最初の対応」は核による報復ではなく、通常戦力によるものとすることで落ち着いた。
 1ヵ月後、参加者のレベルを上げた閣僚級のNSCが開かれ、同様のテーマを議論。前回同様の意見も出た。だが国防長官アシュトン・カーターのもし敵が核攻撃すれば米帝は直ちに核で報復するとの同盟国の信頼が崩れれば、米帝を中心とする世界的な安全保障体制は崩壊するとの主張が優勢となった。現在の国務長官・ブリンケン(当時は国務副長官)は、立場を鮮明にしなかった。
 次の議論は、核攻撃対象の具体的選定である。最初に挙がったのは、ロシア西部の飛び地で、バルト海に面し軍港を持つカリーニングラード州。飛び地とはいえロシアの領土を核攻撃すれば全面的な核戦争に発展する恐れがあるとして却下。次にバルト3国に侵攻したロシア軍に対する攻撃を検討。だが同盟国の市民への被害を考慮し不適当とされた。最終的に選ばれたのはロシアに隣接し、ロシアの同盟国ベラルーシだ。要するに侵攻されたバルトとは関係ないベラルーシが「ロシアの同盟国」という理由で核攻撃の対象に決定した。ベラルーシはロシアの戦術核配備を開始した。
 トランプ政権時の国防総省のシミュレーションは、ロシアが欧州の米軍施設に戦術核攻撃を行ったとの想定で演習した。結論としては核兵器を運用する戦略軍が核による限定的報復を行うことを決定。攻撃手段として、具体的に当時配備が決まった潜水艦発射弾道ミサイル、トライデントを使うことも決まった。ただ、SLBMの場合、ミサイルが発射された段階ではそれが戦略核ミサイルか、戦術核ミサイルかの判定は不可能であるからロシアがICBMで報復する可能性が高くなり、全面核戦争に発展する可能性を残した。
 シミュレーションとはいえ、米帝の核攻撃がロシアの同盟国ベラルーシを標的に決定したという事実は、沖縄や本土・米軍基地がミサイル攻撃の標的となっていることを米帝支配階級自身が世界に示したということだ。
 ウクライナ戦争―世界核戦争は、戦争絶対反対=侵略を内乱へ!反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命で阻止する以外にいかなる道もない。ますます鮮明になっている。そしてゼレンスキーが米欧の手先であるという認識、ウクライナ人民の解放戦争―革命戦争への道筋が泥沼化のなかで、必ず、掴み取られていく。それがプロレタリアートだ。

ウクライナ戦争支援と軍拡―米中戦争参戦に突き進む岸田を実力で倒そう!

 23年度防衛白書は安保3文書の具体化=実戦部隊化を示した。米中―世界戦争を見据えた陸海空3部隊を一元的に指揮する「統合司令部」を24年度末に防衛省・市ヶ谷に創設する。主要任務は米軍(韓国軍とも)との共同作戦計画の策定だ。海・空をも指揮する陸自総隊も指揮下に入る。統合司令部は240人規模で設置。
 戦争予算は潰さなければ一人歩きし、無限に拡大するのは必定。断固阻止!
 侵略戦争には内乱と自国政府打倒!戦争には革命戦争で応えよう! 11・19国際反戦労働者集会の大結集で岸田政権打倒へ!実力で打倒しよう!

戦争会議=日米韓首脳会談を弾劾/新宿駅で街頭宣伝(8月19日、新宿駅南口)

会報 第73号

 

 

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巻頭言

若者を戦場に送るな!日帝・岸田政権を打倒しよう!

労働者・兵士は国境・国益を越えて団結しよう!

東京西部ユニオン(元自衛官) 杉橋幸雄

戦争と金儲けが最優先され、実質賃金は下がり続け、あらゆる労働現場で人手不足が深刻化し、新型コロナの再感染やインフルエンザも流行しだし、マイナカードめぐる問題も続出、現場からは「このままでは先がない」との悲鳴さえ上がり、体制変革を求める怒りの実力闘争が広がっている。資本主義の最末期ゆえに延命の為の大合理化・大再編が強行され、ウクライナ戦争にのめり込み、対中国との戦争準備を強引に進めているが故にあらゆる矛盾が爆発し、資本・国家権力と労働者階級の階級攻防が一層激化している。矛盾の爆発は階級制度の自衛隊ではなおさらだ。

今年4月に沖縄県宮古島付近で、着任したばかりの第8師団長ら10人を乗せた陸自ヘリの墜落事故がおきて間もない6月14日午前9時頃、岐阜市守山の日野基本射撃場において、4月に入隊したばかりの18歳の自衛官候補生が教育期間最後の実弾射撃訓練の待機中に教育係の自衛官らに小銃を発砲し、2名死亡1名重症の事件が発生した。動機は定かではないが、逮捕後の本人は「教官から叱られた」「教官を狙った」「銃と弾薬を自分のものにしたかった」などと供述している。ところが現場では実弾を渡すタイミングに決まりがなく、待機中の本人にも実弾が渡されていたという。しかも、終日の実弾射撃訓練であったにもかからず、参加者全員が防弾チョッキを着用しておらず、「AED」も携行していなかったのだ。明らかに「安全配慮義務違反」である。厳格な安全対策を実施していれば被害の度合いは軽減された筈だ。にもかかわらず陸自は「ルールに反する対応はなかった」と居直っている。実に許しがたい。

自衛官にとってイラク戦争の次はウクライナ戦争であり、対中国との戦争準備も反対の声を押し切って進められているのであるから、自衛官のなり手が減りこそすれ増える訳がない。事実、2021年の自衛官応募者は約2万8千人越えで、合格者は約1万7千人以上あったものの、約1万2千人が辞退し、自衛官になったのは5千350人に過ぎなかったという。この発砲事件があった同じ日、隊内で性暴力をうけた五ノ井さんの損害賠償請求裁判の第1回口頭弁論があった。当初「謝罪」をした元自衛官の内4名は態度を一変させ「性的暴行はなかった」と争う意志を示した。この事態に五ノ井さんは悔しさをにじませながら「全身全霊で闘う」と新たな決意を述べた。

危機感をつのらせている日帝・防衛省は全国の自治体に募兵のための名簿提出を要求し、これとの闘いが全国に広がりつつある。若者を戦場に送ってはならない!改憲・戦争の岸田政権を打倒しよう!心ある自衛官は戦争命令・治安出動命令を断固拒否し、闘う労働者・労働組合と団結しよう!戦争をやめさせ新自由主義を終わらせるためにこそ「国境・国益」を越えて団結しよう!それができるのは現場で苦闘している労働者・兵士たちです。階級的労働運動を全国に甦らせ、団結して共に闘おう!!(6月23日、記)

 

自衛隊のセクハラ・性暴力は「戦争絶対反対!」の力でぶっとばそう!

二ツ森菜夏

●自衛隊は「性暴力」を排除できない

 2023年1月、元自衛官の五ノ井里奈さんは、2021年8月に北海道の陸自演習場で受けた性暴力被害について、国と元自衛官5人を相手取り、損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に提訴した。福島地検も元隊員3人を強制わいせつ罪で在宅起訴した。

自衛官時代の五ノ井さん。彼女は小学生のころ、東日本大震災で被災し、支援活動に当たる自衛官らの姿を見て自衛隊に入りたいと思うようになったという

 五ノ井さんが半年の研修期間を終えて配属が決まったとき、「ここの中隊はセクハラとパワハラが多い」と先輩から忠告された。そして、着任直後から卑猥な言葉を浴びせられ、お尻を叩かれたり抱きつかれるなどの身体的接触を日常的に受ける。そして、事件が起きた。五ノ井さんは所属する郡山駐屯地の警務隊に訴え、3人が強制わいせつの疑いで書類送検されたが、地検郡山支部は嫌疑不十分で不起訴とした。五ノ井さんは退職し、YouTubeによる実名・顔出しで告発。これを受け、防衛省が謝罪し、加害者の処分、特別防衛監察でハラスメント被害の実態を調査して結果を公表、ハラスメント防止対策を提言する有識者会議も始まった。五ノ井さんの告白本『声をあげて』(小学館刊)を読むと、五ノ井さんの勇気、がんばり、誠実さが伝わってくる。また、自衛隊という閉鎖的で上命下服の意識が徹底した組織の中で、セクハラと性暴力がどのようにエスカレートするのかもよくわかった。自衛隊に変わってもらいたいと願う五ノ井さんには酷だが、国家の軍事組織である自衛隊から性暴力がなくなることはありえない。なぜなら、「軍隊と性暴力」「戦争と性暴力」は切り離すことができないからだ。
 自衛隊で、あらゆる国の軍隊で、セクハラと性暴力が深刻な問題となっている。規律を乱すだけではない。被害者の中途除隊が兵力不足に拍車をかけているのだ。また、性暴力被害にあった女性兵士の自殺や加害者が被害者を殺害する事件も、各国の軍隊で繰り返し発生している。セクハラ・性暴力対策プログラムを実施している軍隊もあるが、自殺も含めて理不尽に命を奪われる隊内性暴力が減る気配はない。

●「戦争絶対反対!」の力で闘おう!

 「戦争と性暴力」「軍隊と性暴力」についての研究は様々あるが、家父長制社会の権威主義や男性優位の社会構造の側面から分析するケースが多いように思う。戦争という敵対する国家を武力で侵略し占領する行為と、女性を性暴力によって萎縮させ従属させる行為の共通性を論じたり、戦争で敵兵を殺す興奮とセックスの興奮を関連付けるものもある。だが、それだけでは、性暴力が自衛隊で常態化している説明にならない。確かなのは、自衛隊は常時「戦争状態」にあるということだ。いつでも防衛出動できるように臨戦態勢を保持している。日米同盟下で、米軍の「抑止戦略」二本柱である「核抑止力」と「同盟国の軍事力活用」、そのひとつの柱を成すのが自衛隊だ。軍事費2倍化も、他国軍との合同演習も、米中戦争が口火となる第三次世界大戦への準備であることは公然の事実だ。
 戦時下では「性暴力」が必然となることを歴史が証明している。帝国主義国家による侵略戦争と植民地拡大の最中、性病の蔓延が軍隊の脅威になった。性病予防策として設置されたのが軍用売春施設だ。国家による売春管理で、死と隣り合わせの兵士をコントロールした。女は兵士による残虐な暴力と差別の犠牲になった。人間らしい心があったらできない非道な行為だ。戦争は人間から人間性を奪う。軍隊・自衛隊は、兵士・自衛官を人間ではないものに改造して戦場へ送り出すための機関でもあるのだ。
 人間は同類である人間を殺すことに抵抗を感じる。第二次世界大戦中の調査で、敵兵を撃ち殺すことができない兵士が大多数であることが立証されると、米軍は心理操作を駆使して、殺人への抵抗感を克服する訓練プログラムを開発した。「殺せ、殺せ、殺せ」の掛け声で走らせる、敵の兵士を「イエローモンキー」などの蔑称で呼ばせ、その人間性を否定させ、殺しても構わない存在だと思い込ませる。射撃の標的を実物大の人間型にし、兵士に殺人のプロセスを何度も繰り返させて、人を殺しても平気な人間に造りかえていく。任務遂行のために殺人をためらわない兵士こそ優秀な兵士なのだ。自衛隊も同じだ。国のためなら敵国の兵士と市民を殺せるように、愛国と排外を煽り、中国、北朝鮮、ロシアへの憎悪をかきたてる。おぞましいイデオロギーと戦術だ。
 五ノ井さんが受けた「性暴力」は、まぎれもなく「戦時性暴力」だ。「戦争絶対反対!」の力で、自衛隊のセクハラ・性暴力をぶっとばそう!
 五ノ井さん、私たちと一緒に闘いましょう!

《平和の少女像》。韓国・ソウル。日帝軍隊の戦争犯罪・性犯罪を告発し続ける。侵略を居直り、謝罪を拒否し、新たな中国、朝鮮ーアジア侵略戦争に突き進む日帝を許すな!

●国を守るな、命を守れ!

 自衛隊は戦争が始まれば軍隊として運用される。「早く改憲して戦争に備えないと突然には動けない!」と、焦る自衛官も多いだろう。だからこそ、「改憲阻止!」で戦争を止めるのだ。自衛官も敵国の兵士も戦争で死んではならない。国家が始める戦争で誰ひとり死んではいけない!ウクライナ戦争が長期化する中、世界中で反戦運動が爆発している。自国政府の戦争を許さない労働者と民衆の国際連帯が拡がっている。
 日本の労働者と民衆が「戦争絶対阻止!」の実力行動に出たら、岸田は治安出動を命じるだろう。その時、自衛隊はどうするのか。戦争を止めようとする人々を暴徒とみなして攻撃するのか、労働者、民衆と共に岸田の戦争を止めるのか。決断の時が迫っている。
 二度と戦争させない!沖縄を戦場にしない!全ての戦争は人為的に始まり、終わりも特定の利益享受者によって操作されることを、沖縄、広島、長崎、そして、爆撃で壊滅した多くの都市から読み取ろう。ウクライナの今がそれだ。反戦・反核の地ヒロシマに核抑止を持ち込んだ岸田を許してはならない。核戦争に突き進む岸田政権は打倒しかない。すべての自衛官は労働者、民衆と共に「戦争絶対反対!」で決起しよう!国ではなく、命を守るために闘おう!
 そして侵略戦争によって延命しようする支配階級を打ち倒そう!バイデン、プーチン、ゼレンスキー、岸田、そして習近平らも労働者階級人民と兵士にとっては打倒しなければならない国家の支配階級だ。世界の労働者・兵士の国際連帯と国際反戦闘争の力で打ち倒そう!それが労働者と兵士、被抑圧大衆を解放する戦いだ!

6・11新宿反戦デモ/多くの飛び入り参加/戦争反対で警察・右翼を圧倒

岡山大学と自衛隊の共同防災訓練阻止!大学の軍事研究を許すな!

岡山・福田英未子

 昨年10月上旬、岡山大学津島キャンパス周辺の住民に、目を疑うような回覧板が届いた。「SDGs×防災」をうたったそのチラシ(写真①)には、10月27日に岡山大学津島キャンパスで岡山大学と自衛隊の共同防災訓練を行うことが宣伝されていたのだ。岡山大学全学連の学生と改憲・戦争阻止!大行進・岡山の仲間たちは、防災に名を借りた大学と自衛隊の共同訓練を許さないためにただちに立ち上がった。

(写真①) 2022年10月上旬。「SDGs×防災」をうたったチラシ

学生への募兵活動―戦争動員を阻止しよう!

 10月13日、岡大生・大学職員・元教員ら、市民6名が岡山大学に申し入れを行った。「 防災訓練ならなぜ本業の消防署と共同でやらないのか。防災は自衛隊の副業に過ぎない、防災が本業の消防署と共同でやる方が、ずっと住民に役立つではないか。」との追及にも、大学側は「自衛隊も災害救助で貢献しているから自衛隊とやることにした。」とくり返すばかり。さらに、どこの自衛隊のどんな部隊が来るのか、といくら聞いても答えない。大学自ら自衛隊を引き入れて、自衛隊の宣伝や募兵活動に協力しようとしているのだ。

 27日早朝には、地域や近県からも労働者市民が次々と自衛隊入構阻止の座り込みに参加(写真②)。昼休みには岡大全学連主催で集会。岡大生は基調報告で「中国侵略戦争のため、防衛省の研究開発費は1兆円に増額されようとしています。私たちが戦う相手は他国の労働者学生ではなく、私たちを戦争に加担させ戦場に送り込む権力者・政府です。岡大の軍事研究を阻止した力で、学問の場に軍隊を入れるな!」と訴えた。駆け付けた京大生も連帯アピールを熱烈に訴えた。

 学内デモで会場の体育館に向かったところ、すでに自衛隊の車両が入構していた。開かずの門をこっそり開けて、私たちの目の届かない方向から1/2tトラック、続いて大きな3t半トラックが進入していた。岡山理科大学のすぐ横にある三軒屋駐屯地(中四国最大の自衛隊弾薬庫)から来た3t半トラックを包囲し、徹底弾劾した(写真③)。私は岡山大学病院の外郭団体の職員なので、処分や逮捕も脳裏をよぎったけれども、先に体が駆け出していた。自治労倉敷の仲間は「災害時の住民避難を担うのは自衛隊じゃない、自治体職員だ!」、元大学教員の仲間は「大学の次は小中学校や高校へ自衛隊が来る」と弾劾の声を上げた。飛び入りで学生が参加し、あちこちで討論の輪ができた。
 岡大当局は、抗議を受ける自衛隊トラックから職員が物品を運び出して訓練を強行し、さらに弾圧を狙い制服警官を学内に入構させた。絶対に許せない。

(写真②) 2022年10月27日。早朝。自衛隊入構阻止の座り込み

 岡山県北(津山市・奈義町)の日本原駐屯地や三軒屋駐屯地の自衛隊は昨年11月、北海道でロシアに向けて行われた日米共同演習にも参加し、2015年にはJR貨物で155㍉りゅう弾砲などを帯広まで軍事輸送している侵略戦争部隊そのものだ。今回の防災訓練は、自衛隊広報が担当し何の関係もない海上自衛隊まで参加している。

 同じく11月5日には、倉敷市が主催する防災訓練に「82式指揮通信車」「93式近距離地対空誘導弾」などを展示しようとしたが(写真④)、ちょうど大規模に発生した鳥インフルエンザ対応での出動を口実に展示をとりやめた。

(写真③) 2022年10月27日。三軒屋駐屯地から来た3t半トラックを包囲し、徹底弾劾

反戦闘争の爆発で国家総動員体制と軍事研究を阻止しよう!

 大学に自衛隊が大手をふって入構することなど、これまでは考えられなかった事態だ。しかし、ウクライナ戦争への日帝の参戦、中国侵略戦争の切迫といった情勢のなかで、防衛省・自衛隊が、軍事費2倍化、敵基地攻撃能力保有を叫び、帝国主義軍隊へと変貌しようとしていることをみれば、その狙いは明らかだ。大学・学問の軍事利用・動員、学生に対する募兵活動・宣伝活動、すなわち、国家総動員体制をつくるためだ。

 岡山大学と防衛省の密接な関係は、今回の防災訓練が初めてではない。防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に、岡山大学は毎年のように応募し、過去3回採択されてきた。3回も採択された大学は他に例を見ない。岡大全学連が軍事研究反対を訴えて登場した昨年、そして今年は応募を粉砕した。他の大学からの応募も減少している。

 この制度は、「防衛分野での将来における研究開発に資することを期待し、先進的な民生技術についての基礎研究を公募する」と書かれているように、基礎研究だ、民生技術だと、どれだけ言い訳しても軍事研究以外の何物でもない。戦前の研究者たちが戦争協力に手を染めてしまったことの強い反省から、特に大学の研究者たちの協力をほとんど得られずにきた。このことに業を煮やした日帝・政府・防衛装備庁は、2024年には1兆円規模の新研究機関を設置しようとしている。アメリカで衛星利用測位システム(GPS)など多くの開発をおこなった国防高等研究計画局(DARPA・ダーパ)を念頭に置いた機関だという。無人機や人工知能(AI)、量子などの研究を軍事に転用する狙いだ。学問・研究を戦争のために総動員する体制づくりであり、絶対に許してはならない。

(写真④) 2022年11月5日。防災訓練に「82式指揮通信車」「93式近距離地対空誘導弾」などを展示を企図するも中止。

戦争協力と動員を拒否し、侵略を内乱に!

 いま、ウクライナ戦争においては、各帝国主義が先を争って最新鋭の兵器・武器を供与し、投入して、幾多のロシアの兵士たち、ウクライナの兵士や市民、子どもたちに犠牲を強いている。日帝は敗戦帝国主義からの脱却に絶望的な飛躍をかけて、G7広島サミットにゼレンスキーを招き、ますます泥沼の戦争へと導き、自らも参戦国になろうとしている。そして、中国への侵略戦争の危機を深めている。ヒロシマの名で、世界戦争・核戦争を行う宣言をしたのがG7広島サミットだ。
 こうした帝国主義強盗たちのために、学者・研究者はかの731部隊の恥ずべき歴史をくり返してはならない。学生は学徒出陣の道を拒否しよう!労働者は戦争動員を拒否しよう!そして、兵士は侵略の銃を二度と握ってはならない。
 岡山県北の日本原演習場の撤去を求めて、地元農民が先頭に立ち営々とたたかわれてきた日本原闘争のなかで、私たちは自衛官に直接「兵士は侵略の銃をとるな!」と訴え続けてきた。その真価が問われる時代だ。帝国主義戦争を内乱へ転化するたたかいに、労働者と兵士は共にたたかう!

 

侵略戦争を内乱と革命戦争で応えよう

滝山猛師

世界核戦争を全労働者・兵士の団結と実力で止めよう!

 米欧はウクライナのNATO加盟拒否を改めて表明した。認めれば名実ともにロシアとNATOの全面戦争に突入するからだ。だがウクライナ戦争は事実上ロシアとNATOの全面戦争に突入し、泥沼化した戦争が長期化している。岸田政権はG7サミットでウクライナ戦争への参戦を宣言した。
 ゼレンスキーは6月10日、反転攻勢を宣言し、ロシアが占領した地域を東西に分断するザポリージャ制圧に突入した。だがロシアが前線に構築した要塞(対戦車塹壕・障害物(竜の歯)・地雷原)のまえに進軍は停滞している。ウクライナ軍の事実上の壊滅といわれている膨大な戦力消耗も進軍停止の大きな要因でもある。ウクライナとロシアの戦力比は歴然だ。それでもゼレンスキーはNATO、日帝を引き込むことで延命し、米欧はゼレンスキーを全面的に支援することでロシアの弱体化を図り、対中戦争に備える動きを激化している。
 現在、ウクライナの国土の40パーセントが対戦車地雷と対人地雷で埋め尽くされていると言われ、ウクライナのレズニコフ国防相は4月、敷設した地雷を完全に除去するには30年かかる可能性があると述べている。ウクライナは今、世界で最も地雷が多い地域と化した。加えて6月6日、南部へルソン州のダム決壊がウクライナ戦争を泥沼化と長期化に拍車をかけた。戦争の激化で塗炭の苦しみと地獄をみるのは人民と兵士だ。戦争で利益を貪るのは一握りの軍需産業とそれに群がる資本家ども、それらの手先である政治家と支配階級だ。「英雄」に祭り上げられているゼレンスキーもその一人だ。ウクライナ戦争は「絶対戦争」として激化するが和平の道は閉ざされている。アメリカの「戦争研究所」は、ウクライナ戦争を4つのシナリオで描き出している、①和平、②泥沼化、③ロシア(中国)とNATOの絶対戦争、④プーチン政権の崩壊、これは米帝のシナリオでもある。今、②と③の絶望的な全面化に突入している。23~24日ワグネルのブリゴジンが「武装反乱」のポーズを見せ「モスクワに進軍」したが即、撤退を表明。民間軍事会社は、所詮「金」で動く組織だ。
 プーチンはベラルーシへの戦術核配備を年内に完了すると宣言し、戦術核使用に動き出した。ベラルーシのルカシェンコ大統領はためらうことなく戦術核を使用すると公言している。ウクライナ戦争の激化が世界核戦争の危機を加速させている。
 戦争を根底で規定しているのが米帝の没落だ。戦後、「世界の警察官」として君臨してきた米帝はその地位から脱落し、そこからの巻き返しをかけたウクライナ全面支援だが、それは同時に、米帝の思惑とは異なり米帝の没落と国内危機を加速させるものに、必ず、転化する。戦争で塗炭の苦しみと地獄に叩き込まれているのが人民と兵士である。ウクライナ国際反戦の拡大で戦争を直ちに止めさせよう!

レーニン・ボリシェヴィキの反軍活動から学ぼう

 第一次世界戦争は世界の総人口のおよそ4分の3に当たる15億人余りの人口を擁する38ヶ国を徐々にその戦争圏に引き込んでいった。第二次世界大戦は人類史上最大の死者を出した。兵士・民間人の死者は当時の世界人口の2・5%にのぼる。世界核戦争に至れば人類と世界は壊滅の危機に直面する。壊滅とは真逆の人類解放のプロレタリア世界革命が今こそ求められている!突き進もう!
 戦争に対するレーニン・ボリシェヴィキ党の宣言は、1912年11月のバーゼル宣言や、1914年11月「戦争とロシアの社会民主主義政党」に述べられ、翌15年ボリシェヴィキ在外支部ベルン協議会の諸決定で示された。レーニンは強調した。戦争の下では、あらゆる革命政党にとって唯一の正しいスローガンは、交戦双方いずれからしても不正義の戦争である帝国主義戦争を内戦に、つまり革命に転化させるというスローガンである、と。帝国主義侵略戦争を内乱に転化するというスローガンからは、もう一つのスローガンが出てきた。それが帝国主義戦争では自国政府を敗北させるというスローガンだ。史上このスローガンを最初に実践し、行動したのがボリシェヴィキ党だ。そして同時に、このスローガンで活動を進めることをすべての交戦国のプロレタリアートに呼び掛けた。「(自国の)政府軍が敗北することは、その政府を弱体化させ、それに隷属させられている人民の解放を促進し、支配階級に対する国内戦を容易にする」(レーニン)と。そして自国政府の敗北―弱体化の闘いが、自国の「国民的利益」や「国家的利益」の裏切りや「他国への援助」とは絶対にならない、ということを強く述べている。自国政府の敗北や弱体化に恐怖し、異を唱えるのは支配階級と社会排外主義の反動・反革命勢力だけだ。
 さらに、ロシアのプロレタリアートは、「自分の祖国」を「自由、独立の祖国」にしたいと望んでいるが故に、労働者人民の最も凶悪な敵である支配階級の敗北を希求せずには「祖国を擁護することはできないのである」(レーニン)と、明快に述べている。同時に革命勝利後ロシアの全プロレタリアート・農民が武器を手に取り、外部からのいかなる侵害の企てからも自分たちの革命の擁護に全力で戦うことを強調した。また「敗戦のスローガン」を個人的なテロ行為、将校の殺害、陰謀、サボタージュ等々の呼びかけと解するアナ―キスト的解釈にも公然と反対を表明している。
 自国帝国主義政府の敗北を促すとは、帝国主義への政治的支持をすべて拒否し、国際的反戦闘争の宣伝・扇動を常に繰り広げ、銃後=全職場・全地域でのブルジョアジーとの闘争にプロレタリアートと農民を起ち上がらせ、そのうえで軍隊を系統的に革命化させることだと言明し、徹底的に戦った。1914年8月以降画然と、あらゆる宣伝・煽動と非合法活動によって軍隊の革命化のために準備し、闘ったと。同時に軍隊の革命化を「軍隊の解体」(カウッキー)という空文句で片づけることに反対し徹底的に闘っている。それが17年10月革命に結実した。この全過程は国家権力・警察との全面的で非和解の死闘戦として、時には敗北を余儀なくされながらもそれを乗り越え、不屈に、徹底的に闘い、前進した。
 敵階級の力を分解させ、搾取者に対する闘争のために「武装した労働者(兵士)」、農民大衆を「敵階級から奪い取る闘い」に困難と犠牲を恐れず、誇りをもって粘り強く、徹底的に闘うことを呼び掛けている。反軍闘争としての軍隊内合法・非合法活動の粘り強い闘いの訴えだ。敵支配階級の打倒に向けた労働者人民の大衆的武装闘争と全人民の武装―暴力革命、そして軍隊の革命化という道筋のなかに戦争から抜け出す道を確信的に見いだしていた。

演説するレーニン。1920年。5月。モスクワ。演壇わきにトロッキーが立つ。(着色写真)

軍隊の革命化は革命勝利の条件

 レーニン・ボリシェヴィキ党は、戦争勃発の最初の日から、次の課題を自らに課した。それは、軍隊を支配階級の思想的影響から切り離し、戦争の反人民性、反人民的性格について兵士大衆に確信を持たせ、「人民の側に移る準備」をさせる、という闘いである。帝国主義軍隊を革命化させる本質とは、軍隊(自衛隊)という「国家の暴力機構」を「労働者人民の擁護者」に転換させる「革命的な軍隊としての要素=プロレタリア的資質」を帝国主義軍隊内部にどう浸透させ、物質化し、組織するかという計画的、系統的たたかいである。これを推し進めるということ。
 ボリシェヴィキの「軍隊の革命化」による影響とは別に、その一方で、ロシア軍の戦闘能力の低下=弱体化は、実は、ツァリー政府自体の手で惹き起されたのである。第一にツァリーは軍隊に、兵士に衣食や武器を与える能力さえなかった。この戦闘能力低下の本質は、階級矛盾の当然の帰結ともいえる。政治と軍事機構全体を腐食・腐敗させ、「国の防衛」をぼろ儲けの源泉や汚い投機行為に変えたツァリーズムとロシアブルジョアジー双方の腐敗・堕落が戦闘能力の低下を引き起こしていたのである。

 これは現在の米軍をはじめNATOの軍隊も、米・ロシアの民間軍事会社も、ウクライナ戦争に駆り出されているロシアの軍隊も、そして米欧帝国主義とゼレンスキーに動員されているウクライナ軍も本質的に同様の中に置かれている。それが「支配階級の軍隊」だ。ミャンマー軍はその極限にあるといえる。
 では自衛隊はどうか。別の視点からみると、防大卒業生の任官拒否生の増加、自衛官の60パーセントを占める叩き上げの現場指揮官である「尉」「曹」クラスの退職増、パワハラや隊内性暴力、自殺の増加、そして第8師団長以下幕僚幹部搭乗のヘリ墜落、自衛官候補生の発砲事件などは、隊内矛盾の爆発と隊内教育・訓練の破綻、自衛隊の危機的な脆弱性の全面的な噴出だ。隊内矛盾と脆弱性の表れが、日帝の軍大化と戦争国家化攻撃が破綻に行き着くことを示している。自衛官(と家族)は戦争を拒否しているのだ。

 軍隊の革命化は、プロレタリア革命勝利の条件であると同時に、非和解の階級闘争―階級戦争の前進と、その結果でもある。その核心は非合法活動と労働者人民の暴力の奪還である。非和解の階級闘争―実力闘争としての革命運動をさらに前進させよう!

G7広島サミット粉砕の闘い。5月21日。広島。8・6広島ー8・9長崎闘争に起とう!

帝国主義戦争を国際的内乱に転化し、革命戦争で世界革命へ

 ボリシェヴィキは戦争勃発の最初の日から、全兵士に兵器を反動的ブルジョア政府に向けよと呼びかけた。プロレタリア革命の宣伝・扇動を全職場・全地域と軍隊において実践した。あらゆる国の軍隊の中に、あらゆる言語でこうした宣伝をするための、非合法の細胞やグループを組織することが無条件に必要であると呼びかけている。
 その際、レーニンは「戦争反対のゼネスト」や「兵役忌避」などの提案がナンセンスで実現不可能な計画であると批判した。ストライキはそれが一挙にすべての交戦国に波及した場合に初めて勝利のチャンスにめぐまれる。だがこうした任務は各国に組織されたインターナショナルな世界単一の革命党によってしか成功しない。当時の第二インターの手には負えないものであった、と。したがって実践的にはゼネストは労働者階級の最良の部分の絶滅とプロレタリア党の力の浪費に導くだけであろうと、言及している。まさに強固なナショナルセンター(階級的労働運動の復権と全国的拠点化)と世界単一の革命党の建設、その前進の決定的重要性の確認と実践である。ゼネストは武装蜂起と結合し、それが内乱―内戦となり、世界的な規模での革命戦争として爆発したときにプロレタリア独裁への道を切り拓くことができる。

反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命へ

 ウクライナ戦争と世界戦争の危機という今日の世界情勢そのものが、第二次世界大戦後の帝国主義とロシア・中国(旧・残存スターリン主義)による「世界体制の最大・最高の危機」の現れなのだ。これらは反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命のチャンスの到来であると同時に帝国主義とスターリン主義の戦後最大の危機の解決もプロレタリア世界革命によってしか解決しないということだ。ロシア革命以後の帝国主義段階から社会主義段階への過度期、その過度期をスターリン主義の裏切りによって延命できている帝国主義。
 この帝国主義支配の世界をレーニン・ボリシェヴィキの理論・思想・実践のすべてを今日的に継承し、発展させ、暴力革命によるブルジョア独裁をプロレタリア独裁に置き換えることで初めて、国境や民族、人種をも超えた全人類の人間的解放の未来を、自らの手で、切り開くことができる。ともに進撃しよう!(6・25記)

会報 第72号

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巻頭言

戦争絶対阻止!沖縄・広島G7サミット決戦に総決起し、岸田政権を打倒しよう!

東京西部ユニオン(元自衛官) 杉橋幸雄

●階級的激突情勢を断固切り開こう!

 戦時下のウクライナを初めて訪問し公然と世界戦争推進に踏み込んだ岸田に対して無職の青年が“パイプ爆弾”を投げつけ大爆発した。岸田は銃殺された安倍の二の舞にはならなかったものの階級的激突情勢であることを激しく突き出した。杉並区議選投票日がいよいよ目前となった。ほらぐち候補を先頭とする選挙戦勝利に全力を投入し、絶対勝利をもぎり取り「帝国主義戦争を内乱へ」の闘いを断固発展させよう!

●世界戦争・核戦争を絶対阻止しよう!

 米欧帝国主義によるウクライナへの戦車供与と共にイギリスは劣化ウラン弾の供与を表明し、ロシア・プーチン政権はベラルーシに戦術核兵器の配備を表明、ウクライナ戦争は一気に核戦争へエスカレートしつつある。しかも米欧日帝国主義のロシアや中国への軍事経済制裁は「安全保障」どころか世界的インフレやエネルギー危機、食糧危機を生み出し、さらには米国防総省の機密文書が大量に流出し、戦時インフレを引き金とした米銀破綻の連鎖で大恐慌の再爆発と米帝の一層の没落は否応なく突き出され、日帝の貿易収支も過去最大の赤字となった。それ故に、世界戦争・核戦争にのめり込む以外に延命できないところに追い込まれ、世界の膨大な労働者民衆の命を奪っている。こうした現実に対し、フランス、イギリス、イタリア、アメリカ、そして日本でも帝国主義の足元から労働者階級の「戦争絶対反対!」「人間らしく生きさせろ!」のストライキ―実力闘争が爆発している。

●沖縄の軍事拠点化許さず、サミット粉砕・岸田政権打倒しよう!

 台湾・南西諸島沖においても米中の軍事対決、戦争情勢が激化し、日帝・自衛隊も沖縄を再び戦場にする中国侵略戦争への突入に向かって、住民の反対を押し切って石垣島へのミサイル基地開設など南西諸島の軍事拠点化と自衛隊の実戦部隊化を激しく押し進めている。絶対に許せない!
 そうした最中の4月6日、「最前線」となっている沖縄・宮古島沖で陸自ヘリが墜落し行方不明となった。乗員は3月末に着任したばかりの陸自第8師団長であり師団司令部や宮古警備隊長兼駐屯地司令など計10人を乗せた陸自第8師団のヘリコプターが墜落し、緊急通報装置もきかず全員行方不明となった。しかも自衛隊独自では捜索しきれず、海上保安庁や民間業者も導入され、4月20現在においても乗員全員はおろか機体の引き上げもこれからだ。日帝・自衛隊の面目は丸つぶれであり、米日帝の戦争計画にも大打撃となっている。
 さらには、アフリカ・スーダンで内戦が勃発し邦人救出で自衛隊輸送機が投入されようとしている。ジプチを拠点として陸自と空自の370人体制が組織された。人手不足の自衛官の任務は一層激化している。階級的労働運動と共に自衛隊解体・兵士獲得の闘いを押し進め、沖縄の軍事拠点化許さず、広島サミット粉砕・岸田政権打倒に断固突き進もう! (4月20日記)

 

日帝のウクライナ参戦を許すな!舞鶴を侵略戦争の出撃基地にするな!

改憲・戦争阻止大行進関西会員 N

世界戦争を引き寄せる岸田を倒せ

 3・20岸田のウクライナ訪問をもって、日帝は完全にウクライナ戦争の積極的推進者となりました。岸田首相が交戦国の一方を訪問し、戦地でゼレンスキーと会談して支援を表明することは「参戦」したに等しい行為です。岸田は日本の労働者階級人民総体を問答無用で戦争に引きずり込んだのです。階級の怒りを爆発させ、自覚的に恐るべき惨禍に叩き込もうとする岸田政権を打倒しましょう。
 防衛省は台湾有事を見据え、自衛隊4施設の司令部の地下化を2028年度までに進めると明言しました。海上自衛隊の舞鶴地方総監部は司令部地下化の対象施設であり、出撃基地・重要拠点となります。
 昨年11月、原発が立地する市町村で初めて、若狭湾の福井県大飯(おおい)町で、地上配備型の迎撃ミサイル、PAC3の訓練を自衛隊が実施しました。有事のインフラ防衛に自衛隊を活用するという「戦争国家」化を許さず、「危険な原発」を直ちに止めしょう。

2・19舞鶴集会とデモ

 京都・舞鶴市で「原発回帰・戦争国家を許すな!」2・19舞鶴集会とデモを80人が結集し、原発を無くせ、戦争をするなと声をあげ、闘いました。
 赤レンガ館での集会開始前にニュースビデオが上映され、戦争の実態と世界戦争の危機が映像で鮮明になりました。集会は京都府職労舞鶴支部書記長の中西健二さんの挨拶と司会で始まりました。冒頭、三里塚の強制執行を徹底弾劾し、三里塚に連帯して強制執行直後に出荷された産直野菜も、あっという間に完売したことが報告されました。2・19舞鶴集会 2月19日。舞鶴市赤レンガ館。

 ●集会の基調を舞鶴支部の長岡達也支部長が提起
 『戦争と原発を絶対に許さないという声を舞鶴から大きく上げてゆきましょう。原発、核、戦争ということが舞鶴の眼前で起きている。一つは老朽原発高浜原発1・2号機の再稼働の強行問題です。原発回帰路線を絶対許さない闘いを、ここ舞鶴から起こしていく。さらに福島の汚染水放出は絶対に許されない。その核心的狙いは福島の怒りを圧殺することにある』と喝破しました。
 『戦争国家の焦点になるのが、沖縄であり、この舞鶴。舞鶴基地司令部の地下化とイージス艦(あたご、みょうこう)にトマホークを配備し、舞鶴を軍都にしようとしている。絶対に阻止する』と高らかに宣言しました。
 『原発と日帝の核武装は一体であり、侵略戦争への道を決断した岸田政権は核を絶対手放さない。原発に反対することは国家という権力と資本との徹底した対決である。だからこそ、生半可な決意では闘えない。
 全世界の仲間たちと連帯して戦争反対の大運動を巻き起こしていきましょう。原発反対の根底にあるのは戦争絶対反対。自治体労働者が戦争反対で立ち上がれば、戦争は絶対に止められると、舞鶴も三里塚のように実力で闘いたい』と確信みなぎる基調報告でした。自衛隊舞鶴基地・桟橋前

 ●両親の戦争体験が戦争と原発絶対反対の原点
 福島県浪江町から希望の牧場代表の吉沢正巳さんが「カウゴジラ」で駆けつけ、舞鶴市内を街宣で走り回り、集会では、福島の現状を具体的に暴露してくれました。
 「満蒙開拓団」からシベリア抑留になった父親と家族のルーツを振り返り、戦争の時代に絶対に戻らない、そういう世の中のために、今、我々は生き残っていると戦争絶対反対の原点を述べられました。国家に見捨てられた開拓民の歴史と、今の福島切り捨てを重ね合わせ、戦争と原発を絶対許さないと強くアピールしました。
 『汚染水の海洋放出は絶対やめさせなければならない。国と東電は原発事故の責任を居直り、損害賠償を拒否し、福島県民の怒りを抑え込み、莫大な復興資金と保証金で買収し、原発政策の更なる推進のために復興キャンペーンを行っている。』
  “復興に向けての逆転ひねり技”と呼ぶ、復興キャンペーンの数々の具体的な事実が明らかされました。
 『3・11福島原発事故で、ものすごい放射能が流れた浪江の高瀬川。その水がおいしいということで浪江ウォターとして道の駅浪江などで販売。ところがその渓谷の魚は食べてはいけない。そこの魚はダメで、でも水は良いなど、ありえない復興キャンペーン。この水のどこが安全・安心なのか。』これらを“復興に向けての逆転ひねり技”と痛烈に批判し、中身のない復興のウソと真実が次々に語られました。
 『心の除染をして、思想を転換して復興にみんなで協力しよう、その復興に向ける絆という不思議な縛りががんじがらめに効いている。後ろを向くな、前を向け。』福島のいたたまれない現実と耐え難い怒りを鋭く突き出しました。自衛隊舞鶴基地・桟橋前

 元原発労働者の斉藤征二さんは戦争反対を全面的に訴えました。 父親が自分の生まれる前に戦死したことが自分の原点と語り、80歳を過ぎているが戦争を引き起こす権力者を打倒するまで闘うと訴えました。

 2人の渾身の熱い講演の後、京都府職の仲間が決意表明し、関西生コン支部の武谷新吾書記次長と愛媛県職員労働組合の中村圭司委員長が闘いの報告をしました。NAZEN関西の村山晃代表が3・11福島へ全力で結集しようと訴えました(編集部注:3・11反原発福島行動は全国から550名の結集で大成功)。最後に、全学連の京大生が強制執行阻止闘争の大勝利を報告し、逮捕された3学生の奪還へ全力で闘うと表明しました(編集部注:3学生は不起訴で奪還された)。
 いざ、参加者は自衛隊舞鶴基地へ向けてデモに出発しました。自衛隊桟橋前では、繋留中の護衛艦ひゅうが、イージス艦あたごへ向けて、「戦争は絶対あかん!自衛隊員は戦場に行くな、侵略戦争の拠点化を阻止するぞ」と強く呼びかけました。舞鶴地方総監部前では「司令部の地下化をするな」と弾劾しました。そして、軍需で生き残ろうとする民間の造船所に対して「自衛隊艦船の修理、さらにアメリカ艦船の修理を受け入れるな」と訴えました。
 戦争を内乱に転化する闘いの最前線は杉並決戦と大阪・高槻決戦です。ほらぐちともこ区議の必勝と村山ゆうこの当選をかけ、総決起しましょう。当選を実現し、5月G7広島サミット粉砕に攻め上りましょう(4・14記)。
(編集部注:大阪・高槻市議選で、村山ゆうこ氏は惜しくも当選には至りませんでした。)自衛隊舞鶴基地・桟橋前

成田空港撤去で岸田の戦争を止めよう!

婦人民主クラブ全国協議会東京南部支部・大野八千代

●三里塚強制執行は米中戦争参戦のため!

 2月15日夜、市東孝雄さんの畑に数百人の機動隊が突入し、農地強奪の強制執行を行った。機動隊と激突する学生や労働者を強制的に排除し、やぐらと看板を破壊した。100年耕し続けてきた畑を機動隊の出動靴が踏み荒らし、重機が作業場を取り壊した。絶対に許すわけにはいかない!国家権力による夜襲は、米中戦争を前に成田空港軍事化を急ぐ岸田政権の焦りであり、戦争反対の声が拡大することへの恐怖の表れだ。
 圧倒的多数の機動隊を投入した岸田政権に、農地強奪と軍事空港に反対して闘い続けてきた反対同盟、学生、労働者らは決死の覚悟で猛反撃した。特に、学生たちの「国家暴力には絶対に屈しない!」の決起が闘う人々の党派を越えた団結を作り出した。3人の学生が逮捕されたことで団結はより強固となった。もとより、学生は逮捕されることなど恐れてはいない。機動隊の夜襲は国家権力と闘う人々の糧となり、革命に向けた鍛錬の場となった。三里塚闘争は続く。市東さんのもうひとつの農地が誘導路の直線化を阻んでいる。農地を守るには成田空港を撤去するしかない。実力闘争で軍事空港撤去と戦争する自国政府打倒を勝ち取ろう!2・15三里塚 農地死守! 徹夜の激闘12時間

●三里塚から爆撃機を飛ばすな!

 戦闘機も爆撃機も滑走路が無ければ飛べない。航空基地への攻撃を想定し、ヨーロッパ諸国や中国、韓国、台湾など、道路を代替滑走路として整備する国は多い。自衛隊も滑走路復旧訓練を定期的に実施している。市東さんの農地強奪で「への字」誘導路を直線化すれば滑走路として転用できる。これに、第3滑走路増設、B滑走路と直線化した誘導路の延伸で、3000m以上の滑走路を4本とし、舗装を戦闘機のアフターバーナーによる高温や爆撃機の重量に耐えるよう補強する。そのうち1本は既に4000mのA滑走路で、B52戦略爆撃機の発進基地に供する長さだ。次いで、3000mに延伸した滑走路の着陸帯を、端から1000m、あるいは両端500mにすれば、実質4000m滑走路として運用できる。ここまで軍用に適した空港は、日本では成田空港しかない。北海道の千歳基地に着陸帯を含めると4000mになる滑走路があるが、冬は除雪作業に追われる。成田軍事空港撤去の闘いは、岸田の戦争を止める闘いなのだ。

●民間空港の軍事利用を阻止しよう!

 岸田政権は、自衛隊が民間の空港と港湾を平時から使いやすくするための法整備を進めている。航空自衛隊の拠点は73あるが、滑走路を持つのは17しかない。このうち、3000m以上の滑走路は千歳、三沢、那覇の3基地しかなく、B52戦略爆撃機の運用に供する4000m滑走路があるのは民間の成田空港と関西国際空港だ。また、航空機を所有する分屯基地は隣接する民間空港の滑走路を使用している。空自小牧基地は名古屋空港の滑走路を使っているが、1960年には全日空機と戦闘機が滑走路上で衝突し、客室乗務員1名と乗客2名が死亡している。軍民共用空港でなければ起きなかった事故だ。百里飛行場の軍民共用化では滑走路の増設と、大型ジェット機の重量に対応するために既設滑走路を補強した。茨城空港を隠れ蓑に、百里基地の軍事機能を強化したのだ。戦争準備は民間や公共の名の下で進むことを曝露して、戦争絶対阻止の闘いを拡大しよう。闘いは第二ラウンドへ。3・26芝山現地闘争

●日本を米軍の最前線基地にしない!

 米空軍の基地がミサイル攻撃される場合、最優先されるのは着弾までに可能な限り多くの爆撃機と空中給油機を避難させること。守るべきは人命ではなく、航空戦力なのだ。
 米空軍はグアムのアンダーセン空軍基地で展開していたB52を、ノースダコダ州マイノット空軍基地に移動した。中国・北朝鮮から射程が長い米本土に爆撃機を避難させたのだ。「戦略爆撃機を本土に常駐配備させて、海外拠点から展開させる」「同盟・パートナー諸国との相互運用態勢を構築」とのこと。つまり、偵察や出撃を他国の空港や基地からすることで、米軍基地への攻撃リスクを下げるのだ。
 このことは、南西諸島ミサイル基地化と密接に絡んでいる。中国の対米防衛線である第一列島線に沿って、馬毛島、奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島があり、自衛隊のミサイル部隊が続々と配置されている。敵基地攻撃用の長射程ミサイルも配備する。また、宮古空港、新石垣空港、与那国空港の滑走路を延伸、補強してF35戦闘機を離着陸できるようにする。日本は米軍の最前線基地になる。爆撃の標的となり、住民は犠牲になる。自衛隊も米軍も、作戦より住民の避難を優先することはありえない。このことを最もよく知るのは、南西諸島に赴任した自衛官だ。成田空港「機能強化案」。NAAのHPより

●岸田政権を打倒して戦争を止めよう!

 岸田政権は3000m滑走路がある下地島空港の軍事利用も狙っている。今年1月、米海兵隊が「人道支援と災害救援訓練」を理由に、下地島空港の使用申請をした。沖縄県は、下地島空港は民間航空機の利用に限るとした「屋良覚書」を根拠に自粛を要請し、米海兵隊は使用を見送った。そして、4月10日に在韓米軍のF16戦闘機がトラブルで僚機と共に下地島空港に緊急着陸した。本当にトラブルなのか疑わしい。いずれにせよ、在沖米軍基地が攻撃を受けた場合の代替滑走路として下地島空港を使いたいことは間違いない。平和・安全保障研究所は、一旦廃港にすれば覚書が無効になって自衛隊基地にできると提言している。大間違いだ!「屋良覚書」を締結させたのも、効力を発揮させているのも、軍事利用絶対反対で闘い続ける沖縄県民だ。
 岸田の命運はすでに尽きている。米中戦争で最前線に投入される自衛官に戦争阻止を一緒に闘おうと呼びかけよう!世界の労働者と戦争絶対反対でつながり、戦争する自国政府を打倒し、目前に迫る世界戦争を止めよう!(Yachiyo Ohno)

G7戦争サミット粉砕!今、求められているのはプロレタリア革命

滝山猛師

脆弱な国家と自衛隊組織

 安倍が銃撃され、南西諸島の侵略拠点を担う第8師団長と師団幕僚幹部ら5名、陸自宮古島駐屯地警備隊長、パイロット2名、整備士2名の計10名が墜落死、そして岸田政権に青年が爆発物の投擲で怒りを叩きつけるという、まさに日帝国家権力を根底から震撼させる事態が連続して発生している。これらは決して偶然ではない。根底にあるのは、日帝の危機を「改憲と戦争国家化」で強引に突破せんとする日帝支配階級に対する青年労働者の怒りの爆発であると同時に、国家と自衛隊組織の脆弱性だ。
 第8師団長以下、師団幕僚幹部5名が同時に自滅する事態は第8師団が事実上、壊滅したに等しい事態だ。自衛隊幹部OBらは「航空偵察」の在り方を擁護しているが「前代未聞」の事態だ。これが戦場ならば師団約6000~8000名の部隊は一瞬にして潰走に追い込まれる。

G7外相会談・声明は中国侵略戦争宣言

 G7議長国・日帝が軽井沢で外相会談を開催し「声明」を出した。中身は広島サミットを前にした新たな対中国侵略戦争「宣言」である。それを日帝が主催したのだ。徹底弾劾しなければならない。
 声明は、①中国に核戦力の透明性を突き付けている。米NSC(国家安全保障会議)は3月28日、新START(新戦略核兵器削減条約)に基づくロシアへの戦略核兵器の情報提供を停止した。ロシアはすでに2月、新STARTの履行停止を表明している。すでに米ロが決裂しているなかで中国に「核戦力の透明性」を要求するのは筋違いだ。
 ロシアは現在、約5970発(内配備数・1588発)の核弾頭を保有し、米議会が22年11月に公表した「中国の軍事力に関する年次報告」では、中国の核弾頭保有数が35年に現在の3倍以上に相当する1500発へ増加すると推計。米帝の保有数は約5428発(同・1744発)だ。米帝の「最大の脅威」が中国であると同時に核ミサイルによる「米本土への攻撃」である。
 ②中国に「ロシア支援の停止」を要求している。米欧のウクライナへの際限なき軍事支援こそがウクライナ人民に戦争の長期化と地獄のような泥沼化を押し付けている元凶である。だが追い込まれているのは米欧だ。「ウクライナでの弾薬の消費ペースは、現在の生産ペースの数倍。兵器産業に負担がかかっている」「大口径兵器向け弾薬の供給待ち期間は28カ月で、以前の12カ月から大幅に延びている」(NATO事務総長)。米帝が供与した地対空ミサイル「スティンガー」は13年分、対戦車ミサイル「ジャベリン」は5年分の生産量に相当する(米防衛大手レイセオン・テクノロジーズ)。仏防衛企業ネクスター・システムズによる大砲の砲弾製造が「ほぼ限界に達している」(フランス軍高官)。米帝は韓国から弾薬10万発を購入する事態に陥っている。ウクライナへの武器・弾薬支援で疲弊し、危機を深めているのは米欧帝国主義だ。戦車、戦闘機の供与は追い込まれている結果だ。
 ③中国の「一方的な現状変更の試みに強く反対する」。帝国主義戦後世界体制の崩壊という現実の中で「世界の盟主」という地位から脱落し、経済的軍事的に台頭した中国に対し巻き返しをかけた「現状変更の試み」を仕掛けているのが没落帝国主義アメリカだ。
 日帝はそれに追従・参戦することで延命しようとしている。そのための安保3文書の改訂、南西諸島と第一列島戦へのミサイル基地建設と部隊配備、敵基地攻撃能力の保有としてのトマホークの大量購入、ミサイルの長射程化、潜水艦とイージス艦の改良など、増税と軍事費の2倍化、軍事大国化と改憲=戦争国家化への突進だ。
 「法の支配に基づく国際秩序」とは、帝国主義支配体制の「護持」であり、それが崩れ、危機に瀕したときに戦争に訴えてでも「国際秩序の維持」を強化せんとするのが帝国主義支配階級である。だから打倒しなければならないのだ。
 ④声明は「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調し中国をけん制している。「台湾有事」を煽り、「中国の台湾侵攻」という24のシミュレーション(CSIS報告)まで公表し、台湾の勢力圏化を目指し世界各国の大半が認めている「一つの中国」を否定しているのは米帝だ。
 グローバル・サウスの動向とインドをめぐる米中の激突、没落米帝の中東・アフリカからの後退を衝いた中国の台頭という情勢の中で、G7声明は世界の対決構造の焦点が米中戦争を軸とする「インド太平洋」であることを改めて突き出した。

 誤解を予防するために。これらの見解は決して中国擁護ではない。ウクライナ戦争―世界核戦争の危機と新たな金融危機に始まる世界恐慌の爆発という「恐慌と戦争が相互促進的に進行」する現在の世界情勢危機の元凶が米帝をはじめとする帝国主義にあるということ。残存スターリン主義・中国は明らかに反労働者国家である。労働者階級人民にとって中国スターリン主義は打倒対象である。だが中国の経済的・軍事的台頭は米帝の没落という現実のなかで起きている世界の歴史的趨勢でもある。北朝鮮のミサイル発射やプーチン悪論、中国の経済と軍事力の台頭に危機感を煽り、避難場所すら確保されていない状況(都道府県と政令指定都市計67自治体の一時避難地下施設は4%)の中で、むやみやたらにJアラートを発動し、日本の労働者民衆に危機感と排外主義を煽っているのが岸田政権だ。これらは「国家暴力の発動」だ。年金改悪への38万人の戦闘的デモ。4月13日。パリ

自衛隊の包囲解体と兵士獲得の闘いを推し進めよう

 フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、韓国などで今、全世界でコロナとウクライナ戦争によるインフレ、物価・エネルギーの高騰による労働者民衆の怒り、社会保障の改悪・解体に対する怒りが数百万の労働者人民の内乱として爆発している。
 帝国主義と旧・残存スターリン主義ロシアと中国の戦後世界体制の破綻と矛盾のすべてが労働者民衆と兵士に犠牲転化されている。その犠牲転化がウクライナ戦争の長期化・泥沼化によってさらに拡大している。
 戦争は、兵士と労働者人民が侵略戦争の銃を握るのを拒否し、労働者民衆が戦争協力と戦争への動員命令を拒否し、国際反戦闘争と結合することで阻止できる。兵士は投獄を恐れずに民衆と他国の兵士に銃を向けることを拒否しよう。防衛出動と治安出動命令を拒否せよ。そして銃を帝国主義支配階級に向けよう。それがプロレタリア的正義の選択だ。帝国主義の侵略戦争を内乱に転化し、自国帝国主義を革命的暴力で打倒し、プロレタリア革命とプロレタリア独裁を引き寄せる闘いだ。世界の労働者階級人民は、職場で、地域で、街頭でウクライナ国際反戦闘争を爆発させ、帝国主義軍隊の基地、自衛隊、在日米軍基地を反戦旗、労組旗、全学連旗で包囲し、兵士に訴え、基地解体と兵士獲得の闘いを推し進めよう!今がそのチャンスである。

「敵基地攻撃能力保有」の裏で、施設と装備が劣化と不良

 周知のとおり岸田政権は「防衛力を抜本的に強化する」として、23年~27年度の5年間で43兆円を投じる。22年度の貿易赤字が21・7兆円と最大だ。増税が襲い掛かる。だが敵基地攻撃能力の保有というその裏では全国の自衛隊施設・装備品の劣化と不良に加え自衛官の待遇改善が停止状態だ。
 防衛省は「生活・勤務環境の改善」を掲げている。だが、北部方面隊(北海道)では、明治時代の築110年以上の建物を業務に使用し、築50年前後の宿舎も珍しくない。隊員家族宿舎は断熱悪く底冷えし、風呂場の給湯器レバーは凍結し着火しない。陸自苗穂分屯地(札幌)の会議に使用する木造平屋建ては1909年の建築物で「耐震構造に堪えない」(北部方面隊総監部)。野営で使う支給品のマットは寝つきが悪く、翌日の行動に支障をきたすとして多くの隊員が自費で購入しているのが現実だ。
 防衛省は宿舎・勤務棟を含め、全国の自衛隊施設約2万3千棟の内、4割の約9800棟は1981年の耐震強化基準以前の建築であり、旧日本軍時代に建設された施設が589棟あると認めている。
 「敵基地攻撃能力の保有」がすべてに優先され、整備不良や訓練不足が起きても不思議ではない。軍隊として機能しなくなる。

自衛官の中途退職が増加

 2009年から4000人前後で推移してきた自衛官の中途退職が17年度から増加し、21年度に5952人と急増した。退職者の最多が「曹」や「3尉」以上の実戦部隊の中核を担う階級だ。15年間で最多となっている。ソ連崩壊後NATOや米軍が兵力削減を進めてきた中でも自衛隊は削減せず兵力維持を続けてきた「唯一の軍隊」ともいえる。23万自衛隊の中で圧倒的に占めるのが「曹」「尉」クラスの「小・中隊指揮官」である。有事の際、新たに入隊させた新兵を訓練・指揮する下士官である。自衛隊の中核に位置する階級の中途退職は、「軍隊」としての「訓練」と「機能」低下に直結する。退職急増の背景が「任務激化に伴う心身の負担」、「ハラスメントの横行」とある。加重任務で自殺に追い込まれた2等陸尉(松山)もいる。 
 周知のように、15年安保関連法の強行成立以降、集団的自衛権の行使と日米軍事一体化の共同実動演習が激化し、南西諸島の拠点化が強行されている。併せて兵員の充足率低下を女性自衛官の増加で補い、18年12月に密室の潜水艦に女性自衛官を勤務させるため配置制限を全面的に撤廃した。女性自衛官は2022年3月末現在、約1・9万人(全自衛官の約8・3%)。21年度の防衛省・自衛隊内でのハラスメント相談件数は、16年度に比べ約9倍に増加した。事態は隊内矛盾の爆発だ。
 戦前の日本軍は、国内階級情勢と軍隊内からの反乱の決起に対し、1881年3月に憲兵創設、12月に陸軍・海軍刑法(軍人の政治関与の禁止・反乱の罪・抗命・上官暴行・結党などに重罰規定)制定し、82年1月、「朕は汝等軍人の大元帥なるぞ」なる天皇への絶対的忠節と上官への絶対的服従を規定した軍人勅諭を制定し、天皇と軍隊を直結する「天皇の軍隊」として確立した。軍政と軍令を分離し、天皇制と直結することで隊内階級矛盾の圧殺と軍規矛盾の「解決」をねらった。そして2月には、府県会規則の改悪を行い、現役軍人の選挙権・被選挙権を禁止した。
 現在、自衛隊員の選挙権は形式的には認められているが、それ以外の憲法で保障する基本的人権や思想・信条の自由、生存権、労働三権などすべて剥奪されている。隊内暴力支配による兵士運動・闘いの圧殺・封じ込め・排除は現在でも「天皇の軍隊」としての本質が自衛隊のなかに継承されているといえる。隊内からの反乱と決起の芽は渦巻いている。

労働者民衆、青年・学生の怒りを暴力革命へ

 世界を変革するのは古今東西を問わずその時代の青年・学生の力だ。今まさに求められているのは帝国主義とスターリン主義を根底から打倒し、プロレタリア独裁をつかみ取るための暴力革命だ。青年・学生の怒りは実力闘争として爆発する。G7広島戦争サミットを実力で粉砕しよう!
 労働者階級人民と革命的兵士が団結し、帝国主義支配階級を実力で打倒しよう!帝国主義の暴力機構―警察や軍隊の国家暴力を実力で粉砕して突き進む以外、いかなる方法もない。ともに進撃しよう!

会報 第71号

 

 

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巻頭言                                                           労働者・兵士の国際的団結でウクライナ戦争・中国侵略戦争絶対とめよう!

                                       東京西部ユニオン(元自衛官) 杉橋幸雄

●開戦1年、ウクライナ戦争ただちにやめろ!                 ウクライナへの欧米主力戦車の供与が決定され、さらには中距離ミサイルやジェット戦闘機まで供与しようとしている事に対し、プーチンは激しく反発し「(ロシアは)別の手段で対抗できる」と豪語し、核使用さえ示唆しつつ兵士の大動員とミサイル攻勢を強めています。これに対し2月14日、米・NATOはウクライナ支援をどう進めるかで緊急会合を開き、新たな武器等の供与内容を決定し、この戦争を一層激化させ、世界戦争への危機を加速しています。断じて許せません!

●戦争のための農地強奪、絶対に許さない!
 そうした最中の2月15日、岸田政権・国家権力は三里塚天神峰に強制執行を強行しました!強制執行は戦争準備の農地取り上げであり、反戦闘争つぶしです。断じて許せません!
 岸田政権は安保3文書の改悪を通じ、中国侵略戦争に向かって敵基地攻撃能力(反撃能力)の早期確保に突き進み、トマホークの500基導入や12式地対艦誘導弾の長射程化、偵察・レーダー妨害・攻撃用などに弾頭交換可能な長射程の新型巡航ミサイルの開発をも進め、沖縄・全土の「要塞化」を必死で押し進めています。また、自衛隊の再編を通じて日米・日米韓・日米豪などとの対中国の実戦訓練を強化しています。三里塚での農地強奪・強制執行も戦争準備の一環であり、絶対に許すことは出来ません!

●ウクライナ国際反戦で中国侵略戦争を絶対とめよう!
 米海兵隊第3海兵遠征軍のジェームズ・ビヤマン司令官は1月8日、「われわれはウクライナで大きな成功を収めることができた。それは2014年以来、ウクライナ人の訓練、物資の事前配置、支援活動や作戦を維持する拠点の特定などに取り組んだからだ」「その成功事例にふまえ、現在は中国との戦争に備えて日本と準備を進めている」と述べています。米帝は労働者・兵士の命と引き換えにロシアを追い詰め、ロシアを戦争に引き込んで潰そうと企み、さらに中国包囲網を一層強化し、対中国の戦争準備を押し進め、世界を分断しながら世界戦争・核戦争の危機を激しく生み出しています。絶対に阻止しなければなりません!

●G7広島サミット粉砕・岸田政権打倒!
 ウクライナ戦争が世界核戦争に転化する危機を激しく生み出している最中、サミット議長国の日帝岸田政権は、被爆地・広島において「戦争会議」を開催しようとしています。粉砕あるのみです!右翼の妨害を跳ね返し、戦争絶対反対で闘っている洞口さんの再選を勝ち取り、G7広島サミット粉砕に総決起しよう!関生・港合同・動労千葉も「11月集会」に向けて新たな「戦闘宣言」を発して闘っています。
 戦争の矢面に立たされている自衛官の皆さん!改めて「国を守るな!命を守れ!」と強く訴えます。「国益」を越え、戦争命令を拒否し、闘う労働者民衆と団結し世界戦争・核戦争を絶対に止めようではありませんか!新自由主義を終わらせるためにこそ団結し共に闘いましょう! (2月17日 記)

 

福島を核廃絶と世界戦争阻止の闘いの拠点に!
3・11闘争の勝利勝ち取ろう!

         3・11反原発福島行動実行委員会 長沢 宏

 あの福島原発事故から12年。日帝・岸田政権は米帝・バイデン政権と一体になって中国への侵略戦争に向けた大軍拡と核武装攻撃を現在強めています。特に昨年12月の安保3文書決定そして1月日米首脳会談、通常国会での施政方針演説は日帝が中国侵略戦争参戦に向かって戦争国家へと大転換すること、また「GX実現」と称して原発再稼働や増設、運転期間の延長などの核政策の推進は戦争政策と一体の核武装政策に他なりません。5年間で43兆円という巨額の軍事費の拡大によって日帝は世界第3位の巨大な軍事大国になることは明らかであり、このため60もの戦争法案をこの通常国会で強行採決しようと狙っています。これに対して、野党は「有事への備えは必要だ」などと完全に屈服し、翼賛化を深めています。このかん明らかになった防衛研究所や米シンクタンク(CSIS)の「台湾有事」想定の報告書を見ても沖縄本島・南西諸島を完全に戦場にすること(あの沖縄戦では住民の4人に1人が犠牲となった)、更には本土の米軍・自衛隊基地も攻撃されるとして日本全体が戦場となり、数多くの労働者人民が死傷することまで想定しています。特に沖縄・南西諸島をめぐってはこの中国侵略戦争にむけて自衛隊の軍備拡大、基地強化、日米軍事演習がこの間激しくなっています。これに対し、辺野古基地建設反対闘争をはじめ沖縄・南西諸島の労働者人民は怒りの反戦闘争を闘っています。反原発講演集会 1月29日。郡山市。
 1年目を迎えたウクライナ戦争は完全に長期化・泥沼化の状況を呈し、先ごろの米・NATO諸国によるウクライナへの戦車の提供など軍事支援はますますエスカレートし、今春にもと言われているロシア、ウクライナ双方による「大攻勢」により戦争のさらなる激化・拡大が危惧される状況になっています。ウクライナ戦争はまさに世界戦争・核戦争への危機を加速しています。ウクライナ戦争を見れば明らかなように戦争は一旦始まれば泥沼的に激化・拡大してしまいます。日米帝による中国侵略戦争を我々は何としても阻止しなければなりません。労働者人民の岸田政権への怒りは今かつてなく高まっています。自衛隊員、家族は中国侵略戦争への参戦など望んでいません。巨大な反戦闘争の爆発で日帝岸田政権を打倒しましょう。

311子ども甲状腺がん裁判支援・報告集会1月25日。日比谷コンベンションホール。

12年目の3・11福島、原発汚染水海洋放出を絶対に許すな!

 中国侵略戦争を狙う日帝岸田政権に対し、福島は沖縄と共に労働者人民の怒りの言わば「火薬庫」ともいうべき闘いの拠点です。この12年にわたって日帝は福島の闘いを圧殺するために「復興」「オリンピック」など金と暴力を使って全力で攻撃を加えてきましたが、福島の怒りの闘いを圧殺することはできず、12年目を迎えて闘いの炎はより激しくなっています。
 高線量のため帰還困難区域が広大に存在、3万人を超える人々が今なお全国各地に避難しています。甲状腺がんや様々な病気に多くの人々が苦しめられています。廃炉などおよそ見通せない状況です。これで何が「アンダーコントロール」か!(オリンピック招致時の安倍発言)
 この12年、福島の労働者人民は怒りを燃やし、不屈の闘いを続けてきました。この闘いを圧殺し、中国侵略戦争にむけ戦争国家化・核武装化を一挙的に進めるため岸田政権は12月原発・核政策も戦争政策と一体で「大転換」と称して攻撃をエスカレートしてきました。原発再稼働、増設、原発運転期間の延長、核燃料サイクルの推進など特に3・11原発事故以降の労働者人民の闘いによって抑え込まれてきた地平を一斉に転覆し、核武装化を強行的に推し進めようとしています。その決定的突破口こそ「今春から夏」と言われている原発汚染水の海洋放出攻撃です。1月29日郡山市でこの海洋放出攻撃に反対するため青森県から山田清彦さん(核燃料サイクル阻止1万人訴訟原告団事務局長)を講師に招き、講演集会を開催しました。山田さんは青森の再処理工場と福島の海洋放出攻撃は同じトンネルを使ったやり方も含め、完全に一体のものであること、これを許せば膨大な海洋汚染など実に危険極まりない暴挙であることを明らかにしました。
 「国際基準以下、海水で薄めるから安全」などと政府はマスコミ等で宣伝していますがこれは大噓です。多くの専門家がトリチウム以外の核種も含む原発汚染水の危険性を指摘しています。だからこそ漁民をはじめ福島県内、全国、さらに韓国、中国、1月18日にはオーストラリアやニュージーランドなど太平洋諸島17カ国が反対声明をあげています。講演集会では、講演の後、県内各地から参加した人々がこの12年間の怒りと海洋放出反対の意見を次々に述べました。

反原発行動22。2022年3月11日。福島市内。

3・11集会の勝利から汚染水海洋放出阻止へ

 昨年の3・11集会を前にしてこれまで3・11集会実行委員会に加わっていた人々の中で、「今までのやり方ではだめだ。NAZENや星野、三里塚の旗は立てたくない」「海洋放出反対で自民党とも手を結べる運動を」などと主張するグループが出現し実行委員会で激論になりました。さらに彼らは全国の心ある人々や団体からの批判も一切拒否して、昨年の3・11当日、岸田首相が式典参加で福島市に来るという決定的情勢下にも関わらず、あえて我々の福島集会に敵対し郡山市での分裂集会を強行しました。10年に及ぶ3・11実行委員会運動の原点も忘れ去ったこのグループの分裂・敵対策動を完全に粉砕し、昨年の3・11集会・デモは全国から510名の結集で大成功しました。戦争前夜の情勢下になると過去の歴史が示すように、国家権力に屈服し、闘いを裏切るものが必ず出てきます。彼らの敵対策動を粉砕し、昨年に続く本年の3・11集会・デモの大成功の地平から、原発汚染水の海洋放出攻撃を何としても阻止しましょう。3・11福島から5月G7広島サミット粉砕!反戦闘争の大爆発で、日米帝の中国侵略戦争を阻止しよう。

反原発行動23への呼びかけ。2・23全国反戦集会。東京芝公園。

「台湾有事」を煽って侵略戦争に突き進む米日帝を打倒しよう!

武長 剛

 日帝は「台湾有事」を叫ぶことをテコとして改憲・戦争へと突撃している。防衛3文書のクーデター的転換、日米首脳会談による同盟の現代化、「統合抑止戦略」への踏み込み、軍事費倍増への転換などの動きは、明らかに日米帝の中国侵略戦争を準備するものだ。

(1)「台湾有事は日本の有事」を叫び改憲・軍事費倍増・戦争へひた走る日帝

 「台湾有事が近い」との報道は、2021年3月の米インド太平洋軍司令官デビットソン海軍大将による米上院議会の証言だった。「中国による台湾進攻の可能性が6年以内に顕在化しうる」と。台湾有事の切迫として大問題とされた。しかし3カ月後の6月、米軍最高幹部ミリー統合参謀部議長は「中国が台湾全体を掌握する軍事作戦を遂行するだけの本当の能力を持つまでには、まだ道のりは長い」と同じ上院公聴会で証言した。「中国には現時点で(武力統一の)意図や動機もほとんどないし、理由もない」「近い将来おこる可能性は低い」とデビットソン証言を否定したが、この報道は注目されず「台湾有事の切迫」はそのままにされた。
 ロシアのウクライナ侵攻は、「次は中国の台湾侵攻」だと一気に「台湾有事」論を満展開させた。「台湾有事は日本の有事。防衛力の強化は不可欠」「攻め込まれたとき岸田首相はゼレンスキーになれるか?」などとあたかも中国が日本を侵攻するかのように取りざたされた。その後も「有事に対応するために」と改憲・戦争へのキャンペーン力をもって語られている。
 加えて今年の1月9日、アメリカのシンクタンク戦略国際研究所(CSIS)による中国の台湾上陸作戦のシミュレーションが発表され、その設定が2026年であることから切迫感がこれまでになく大きく醸し出された。
 24回行われたシミュレーションでは、台湾、米・中そして自衛隊にも多くの犠牲が出ること。作戦は台湾軍独自との戦いであれば中国に作戦成功の場合もあるが、日本の自衛隊と米軍の参戦がある場合は、中国軍はいずれも敗北し、共産党支配も危うくなるとの結論を出している。
 さらに、米CIA(中央情報局)のバーンズ長官が2月2日「習国家主席が2027年までに台湾侵攻を成功させるための準備を人民解放軍に指示したことをインテリジェンス(情報)として把握している」とワシントンの大学講演で述べた。27年は人民解放軍創設100周年であり、3期目の習政権の最後の年でもある。長官は「習氏が27年やほかの年に侵攻すると決めたわけではないが、関心と野心の真剣さが現れている」「野心を見くびるべきではない」と台湾有事を煽っている。これらはいずれも「5~6年以内」がキーワードになっている。

世界各地で反戦デモ―「ウクライナ軍事支援反対デモ」。1月。ドイツ・ケムニッツ。

(2)中国の台湾侵攻はあるのか?

 中国の台湾侵攻論は、ウクライナ戦争がはじまり、米国が中国を「最重要の戦略的競争相手」(22年米国家防衛戦略)とした時から特に強調されている。すでに米軍には台湾侵攻に備えた「作戦計画5077」なるものがあるとされる。つまり「台湾有事」は帝国主義の側から危機感をもって流され、作戦化され、シミュレーションがおこなわれているという事実である。
 習近平は20回大会で「軍事統合を排除しない」と明言しているが、失敗すれば共産党権力の崩壊を招きかねない大いなる賭けである。勝算に確信がなければ決断で
きないものだ。あるいはそれを決断しなければ自己権力が維持できないところまで共産党政権が追い詰められたという時であり、台湾の独立である。
 かつて内閣官房危機管理研究会主査、隊友会本部理事などを歴任した軍事アナリスト小川和久氏は、昨年出版した「メディアが報じない戦争のリアル」(SB新書)で、「日本で取りざたされている『台湾有事論』には科学的な視点が欠け、軍事的合理性もない。軍事を語る際に必要な合理的でリアルな視点や、軍事に関する常識が欠如している」と断言している。ネットやSNSの議論、政治家までもが荒唐無稽な議論に巻き込まれていると切り捨てている。
①中国には海上輸送能力が欠如している。軍事の常識にある「攻める側は守る側の3倍以上の兵力が必要だ」との法則にてらした場合、兵員輸送能力が民間船を最大動員したとしても足りない。②中国軍は台湾海峡で航空優勢(制空権)も海上優勢(制海権)も握ることができない。台湾軍の迎撃と「米軍の来援」もあり、中国軍100万人の兵力の半数程度が洋上で撃破される。③上陸適地が台湾には14カ所しかない。制空権がない中での限られた上陸適地への作戦は、あらかじめ構えている台湾軍に壊滅的な損害を被ってしまう。④上陸できたとしても予備役200万人が待ち構えている主要都市を制圧することはできない。つまり中国軍の上陸作戦は成功しない。これは中国軍幹部も認めているというものだ。(※編集部注・ここでは「着強襲上陸作戦」の観点でのみ言及されている)

世界各地で反戦デモ―「反世界経済フォーラム、反NATO、反政府デモ」。2月20日。カナダ。

(3)「今なら勝てる」と戦争を追求する米日帝

 「台湾有事」論の背景には、米帝による台湾政策の転換がある。表向きは「台湾は中国の一部」との立場を堅持するとしながら、実はこれを覆し、台湾を米帝経済勢力圏に引き入れる「台湾強奪」への転換である。帝国主義にとって延命のために中国を利用するなどというレベルではもはや済まない崖っぷちに立たされている。帝国主義体制の崩壊の根源こそ中国にあるとして、中国スターリン主義の存在そのものを解体・崩壊させる方針に切り替えたということである。最末期の帝国主義の没落は、もはや帝国主義が中国スターリン主義と並立できる余地がない生き残りをかけたつぶしあいにまで立ち至ってしまったのだ。時間は中国の強大化にプラスする。むしろ没落する帝国主義こそ、ここ5~6年が戦争準備~決断の時として構えているのだ。歴史的命脈の尽きた帝国主義による中国侵略戦争を革命的兵士と労働者階級は、国籍・民族・国境を越えた国際的団結による戦争反対・自国帝国主義打倒の闘いで、阻止しよう!

世界各地で反戦デモ―「ウクライナ戦争今すぐやめろ!2・23全国反戦集会」。東京・芝公園からデモ。

ウクライナ反戦で
世界核戦争を阻止しよう!

滝山猛師

CSIS(戦略国際問題研究所)報告書は、核戦争に行き着く

 CSISが1月9日、「台湾有事」を想定した24回のシミュレーションの結果を発表した。中国人民解放軍VS米・日・台軍の「約1カ月」の戦争とその結果報告書である。戦場は台湾海峡の強襲上陸とそれを阻止・殲滅・撃退する戦闘に限定したシナリオとシミュレーションだ。戦闘3週間で米軍は空母2隻、大型艦艇10~20隻、航空機270機を失い、戦闘で約3200人の米軍兵士が戦死し、死傷者が最大で約1万人生じるとされている。台湾は3500人の兵士を失い、台湾の海軍を構成する26隻の駆逐艦とフリゲート艦はすべて沈没。日本は100機以上の戦闘機と26隻の艦艇を失い、日本国内の米軍基地は中国から攻撃される可能性が高いと複数の報告が述べている。自衛隊の死傷者は明記されていないが、台湾に近接する日本の位置と戦場化から判断すれば米軍以上の死傷者が出る可能性が高いといえよう。日本と台湾の全土が戦場と化す。報告書は、日本は在日米軍基地が攻撃さることで参戦に踏み切ると明記(分析)。日本、台湾の戦場化で膨大な死傷者が出ても「作戦を継続する必要性を認識せよ」というのが米帝の対中軍事戦略における同盟国日本と非同盟国台湾への基本戦略であることが明確に示されている。米軍を投入する前に台湾が降伏すれば、「あとは無益」と言明。
 約1か月の戦争で米中台日が膨大な戦力・兵力を失い、その結果、第一次会戦では勝敗の決着がつかず、米軍が受ける「大きな損失は、長年にわたって米国の世界的な地位を損なう」と明記し、「中国も大きな損失を被り、台湾の占領に失敗すれば、中国共産党の支配が不安定になる」としている。
 第一次会戦で受ける米軍の損失が米帝の世界支配の危機をさらに深めると明言。加えて米軍が開戦前の軍事能力を再建するには何年もかかり、中国の軍事的近代化の急速なペースを考慮すると、米軍は中国の再建よりも遅い速度で行われるであろうとも言明。その一方で、報告書は「ウォーゲーム」の結果、「米国と台湾は比較的悲観的な想定でも島の防衛に成功することが示された」が、「この分析から米国は、中国の水陸両用船に対する先制攻撃や核兵器の早期使用など、非常にリスクの高い戦略を検討する必要がある」として、米中戦争は長期化と泥沼化するがゆえに早期に「核戦争を準備せよ」と報告書は提言している。まさに「台湾有事」は世界核戦争に向けた「最初の戦い」として位置づけられている。

「NATOにノー」と訴えるウクライナ反戦デモ。1月14日。ニューヨーク。

台湾有事に米帝が打ち勝つための「4つの必要条件」

 報告書はここの記述でも米帝の没落と危機を表している。
 必要条件の第1は、台湾軍の戦線維持の絶対化である。これが大前提。降伏したり後退すれば米帝の「無益」となると実に露骨だ。したがって米州兵による訓練拡大が決定している。第2は、台湾にウクライナモデルは存在しない。要するに陸路からの支援・補給はできない。台湾は必要なものをすべて持って戦争を始めなければならない、ということ。第3は、日本国内の全基地の使用が大前提になっている。日帝が「要」である。日本全土の基地を米軍が自由に使用することが不可欠としている。第4は、米帝が中国の防御圏外から中国艦隊を迅速かつ大量に攻撃できることが前提。そのために長距離対艦巡航ミサイル兵器の増産と戦略爆撃機からのスタンドオフ対艦ミサイル発射が米帝の損失を最小限に抑えながら侵攻を撃退する最短の方法と提言している。
 一方、報告書は、米帝軍事戦略の「基本的方向」として、台湾に「ヤマアラシ戦略」を採用し、「台湾の空軍と海軍の戦力を非対称化する(※対中ゲリラ戦)」という米帝の台湾軍事政策を押し出している。通常兵器で「中国本土を攻撃する計画」に踏み込み、実行すれば戦争論的には米帝の危機を拡大する道に至ることをCSISは見据えているともいえる。報告書は米陸軍の「多領域任務部隊(MDTF)」、海兵隊の「機動展開前進基地作戦(EABO)」の限界を認識し、その数を制限することを提言している。つまり2+2で25年度までに沖縄駐留の米海兵隊を改編し、海兵隊沿岸連隊(MLR)創設を打ち出したが、それらは中国軍の絶好のターゲットになるという認識を提示している。米海兵隊内部からも対中戦争戦略として策定された米海兵隊の組織再編・武器の変容・作戦内容に反対の声が起きている(BBCニュース)。

ウクライナ国際反戦で世界核戦争を阻止しよう

 現代の戦争はすべて帝国主義による戦争である。ウクライナ戦争の元凶は没落米帝だ。没落からの巻き返しをかけた東欧の勢力圏化がウクライナ戦争を引きだした。「階級をなくし社会主義を打ち立てなければ戦争をなくすことはできない」(レーニン)。したがって戦争に反対し戦争をなくすには労働者階級は内乱と革命の道を選択するしかないのだ。そして内乱と革命は常に、いつの時代においても国家権力の差別・分断・排外主義攻撃と非妥協で闘うと同時に翼賛勢力と社会排外主義反革命との闘いを伴う。社会排外主義とは戦争において「祖国防衛」の思想を擁護し、軍拡と防衛費2倍化=増税に賛成する立場である。われわれはこの思想とは非和解だ。
 繰り返し確認しなければならないのは、戦後世界体制の崩壊―米帝の世界基軸国からの没落という現実と危機からその巻き返しをかけた米日帝国主義の側から中国侵略戦争を準備しているということだ。合理性や現実を無視したうえで無展望ともいえる政治・軍事戦略で突進するのが帝国主義だ。まさに「戦争は別の手段による政治の継続である」(クラウゼヴィッツ)。
 前述のとおり報告書は米帝の延命の道として早期の核戦争を提言している。中国に台湾を侵攻する能力はないとか、不可能であるとかの議論は中国脅威論の裏返しでしかない。帝国主義が突進しているのは世界支配の崩壊という危機を世界核戦争でのりこえる道を模索しているという現実だ。戦争で利益を得るのはごく一部の軍事産業と資本家だ。塗炭の苦しみと地獄に叩き込まれるは世界の全労働者民衆と兵士だ! ゼレンスキーは米欧帝国主義と一体化し、兵器よこせ運動で自国民と兵士を地獄の底に叩き込んでいる。
 戦争絶対阻止!兵士は侵略の銃を握るな!命令を拒否せよ!労働者階級は侵略を内乱へ転化し、自国の支配階級・岸田政権を革命で打倒しよう!
 そこに向けた階級的労働運動の全国的・全産別的拠点化建設と戦争国会徹底弾劾! 3・11全原発廃炉! 4月東西の地方選絶対勝利!5月広島サミット実力粉砕!5・15基地撤去・安保粉砕・日帝打倒!沖縄を革命の拠点に! 8・6―9ヒロシマ・ナガサキ核廃絶へ!岸田打倒へ! そして全闘争の集大成として11月労働者国際反戦集会への巨万の結集を戦い取ることだ。ともに進撃しよう!

《投稿》三里塚闘争史上初の農地への強制執行に対し、
12 時間の激闘、労農連帯で農民魂発揮!

元三里塚現地闘争本部員 岸上雅博

 NAA(成田空港会社)は、2月15日夜8時から翌朝まで、12時間以上にわたって市東さんの農作業場、育苗ハウスを含む畑の一部、空港建設反対の意思を示した看板等を機動隊の暴力を使って破壊し、強奪した。市東さんが祖父の代から100年にわたって耕し続け、豊かな実りをもたらしてきた農地と生活の場を暴力的に奪い去る行為、それも夜、闇討ち的に行われた。いかなる意味においても、何人たりとも到底許せるものではない。
 成田軍事空港建設反対の56年を越える三里塚闘争の歴史の中で、最も恥ずべきデタラメな強制執行となったことをはっきりさせたい。

強制執行に抗議する市東孝雄さん。2月15日。成田市天神峰。
 一つは、強制執行の理由のデタラメさだ。
 NAAが耕作者に内緒で畑を買い取っていながら、地代を元の地主に受け取らせてきたというとんでもない文書の偽造を行ない、さらに突然NAAが地主だから明け渡せという、耕作権を完全に無視する反動判決。それにもとづく国家ぐるみの闇討ち強制執行には、何の正当性もない。市東さんの側に圧倒的な正義性、誰も奪うことのできない耕作権があったから逆にNAAをそこまで窮地に追い込んだのだ、とも言えよう。
 二つ目は、NAAの側には、市東さんの天神峰農地(今回の執行対象地)を強奪する緊急性も現実性もない。マスコミはさかんに「への字誘導路を直線化したい考えのようですが、裁判中の土地(市東さんの南台農地)がもう一か所あり時間がかかりそう」などと宣伝し、今回の執行が何の緊急性も現実性もない矛盾に満ちたものであることを自己暴露している。
 そこから、マスコミに「いついつ執行をやる」とリークしながら、結局だまし討ち執行ならぬ闇討ち執行をやった。しかも、執行官の「今から執行します」という常道通告さえ市東さんには届かなかった(マスコミがいるところでやったらしい)。「円滑かつ確実に」(田村明比古NAA社長)執行をすませようとした敵の狙いは打ち砕かれ、戦争と軍事空港のために市東さんの営農を国家暴力で破壊、三里塚闘争をなきものにしようという岸田政権の悪逆非道が、日本中、いや世界中に暴き出されている現実を見よ、と言いたい。
 執行の翌日から、今まで通りこの地で農業をやり安全でおいしい野菜を続けるため、精力的に行動を開始した市東さんの不屈さは、NAAの意図、野望を完全に粉砕、打ち砕いたといえる。これこそ労農連帯の勝利だ。「農地は命、闘魂ますます盛んなり、正々堂々明るく楽しく」これは、市東さんの最近の発言のメインだ。闘う側の勝利がここにある。裁判が確定している農地、係争している農地がまだまだ南台農地として第2ラウンド的に現存している。

 攻勢的に闘い、農地強奪を強行すれば全人民的な怒りを呼び起こし、支配の危機を生み出す恐怖をもっともっと権力・NAAに抱かせようではないか!

強制執行阻止・やぐら死守!のスクラム。2月15日。夜。成田市天神峰。

会報 第70号

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巻頭言               敵基地攻撃能力保有で侵略戦争に突き進む岸田政権を打倒しよう!

          東京西部ユニオン(元自衛官) 杉橋幸雄

●大軍拡・大増税・侵略戦争を絶対に許さない!
 岸田政権は12月16日、安保3文書に政府として初めて「反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有」を明記し、「23年~27年までの5年間の防衛費を総額43兆円程度とする」ことを閣議決定しました。中国、北朝鮮、ロシアの動向に言及し「国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入しつつある」として「防衛力の抜本的強化にあたって重視する能力」として①スタンド・オフ防衛能力②統合防空ミサイル防衛能力③無人アセット防衛能力④領域横断作戦能力などとし、「鍵となるのはスタンド・オフ防衛能力等を活用した反撃能力である」と強調。「陸・海・空3自衛隊を統合運用する常設の統合司令部を創設する」と明記し、既に中国や北朝鮮と本気で戦争を構え、米日を中心に激しい実戦訓練を繰り返しています。断じて認めることはできません!

●戦争やめろ!国を守るな!命を守れ!
 厳しい冬到来の下で米帝主導のウクライナ戦争が世界戦争に転化し、今や核戦争になりかねない事態であり、核武装を進める北朝鮮や中国・台湾をめぐる東アジアにおいてはなおさらです。にもかかわらず・それ故に、岸田政権は敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有と大増税で労働者・兵士たちを地獄に引きずり込もうとしています。断じて許せません!
 しかも、その危機と矛盾は欧米による制裁や思惑を超えて全世界に広がっています。世界的インフレ・エネルギー、食糧価格の高騰・失業問題・難民問題や地球環境をも破壊しながら今や核戦争の危機を激しく惹起させ、その矢面に労働者・兵士たちが否応なく立たされています。こうした事態に、世界各地で労働組合を中心に「戦争やめろ!」「命を守れ!」「賃金上げろ!」「人間らしく生きさせろ!」の闘いが激しくまきおこり、その闘いはロシアや中国国内、イランにも広がりつつあります。

●労働者・兵士の団結で戦争を止め、社会を変えよう!
 そもそも「防衛力の抜本的強化で脅威は抑止できる」というのは幻想でありペテンです。むしろ、新自由主義こそが核軍拡競争を激化させ、核戦争の危機を自ら引き寄せてきたのです。そうした矛盾と危機の矢面にたたされている労働者・兵士に求められていることは、国家や国益を越えて国際的に団結し、戦争・核戦争を事とする自国政府を打ち倒し、誰もが人間らしく生きられる社会を創造していくプロレタリア革命以外にありません!
 自衛官の皆さん!いったい何のために誰の為に戦争をするのですか?一握りの資本家階級の為に殺し合いをやるのですか?自衛官のみなさん!今こそ、戦争・核戦争を止める為に世界の闘う労働者と団結し、人間らしく生きようではありませんか!  国境や国益を越えた労働者・兵士の国際的階級的団結こそが戦争を止め、人間らしく生きられる社会を築いていく力です。2023年はまさに「戦争ではなく革命を!」の実践が死活的に問われる時です。団結しましょう!団結して共に闘いましょう!(2022年12月21日記)

 

《緊急アピール》                 決戦の三里塚に際し、心から訴える                       労農連帯のとりで=三里塚を全人民の手で守ろう!

            元三里塚現地闘争本部員 岸上雅博

(1)成田空港会社が強制執行申し立て
   市東さんの農地強奪実力阻止へ全力決起を訴えます

<11・6労働者集会で発言する市東孝雄さん> 

 岸田政権と成田空港会社(NAA)は、三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地を奪う最後的手続きについに踏み出した。強奪・破壊の対象とされるのは、一農家である市東さん宅前に位置する農地、直線距離で約500メートル離れたもう一か所の農地の一部、そして宅地前に建つ作業場、農機具置き場、ビニールハウス、離れ(休憩所)、トイレなど、さらに空港建設反対の意思表示を示した看板、監視ヤグラだ。営農、生活に必要な一切のものを市東さんから暴力的に奪い取ろうとしているのだ。
 裁判で「明け渡し判決が確定したから」となっているが、中身は法的裏付けもないデタラメそのものである。今の日本でこのようなことがまかり通っていいのだろうか、と問いかけたい内容である。
 市東さんの農地は、祖父の代から100年間も耕し続けられてきたもので、市東さんにはゆるぎない耕作権がある。空港公団(NAAの前身)は1988年に市東さんの農地の一角である底地を、直接生産者である市東家に無断・秘密裏に旧地主から買収した。そして十数年もたってから勝手に登記して「NAAが地主だ」と名乗り出て、2007年に市東さんに立ち退きを求める裁判を起こしたのがことの始まりだ。長い裁判闘争の中で、千葉地裁、東京高裁、最高裁はNAAの違法の数々を不問にし、強制執行で農地を取り上げてよいとする反動判決を下したのだ。こんな法も道理も踏みにじる理不尽がまかり通っていいのだろうか!
 市東さんに対する国家暴力の発動を絶対に許せない!全力決起を訴えるものです。

(2)戦争のための農地強奪(成田軍事空港化)許すな

 今、三里塚で何が起ころうと(行われようと)しているのか
 現在、中国との戦争が日に日に迫っている。防衛費を大幅に増やし、「敵基地攻撃能力」保有めざし、自衛隊基地の強化、民間空港をいつでも自衛隊が使えるようにする策動が公然とされている。市東さんの農地を奪う攻撃は、日本が再び中国侵略戦争をするために、反対運動をつぶし軍事空港を完成させるためだ。
 1966年の一方的な閣議決定(成田空港建設)以来、用地取得から空港建設、暫定開港から今日に至るまで理不尽な国家暴力が吹き荒れてきた。特に1971年9月に強行された三里塚農民の大木よねさん宅に対する強制執行(民家への初の強制執行)は、体を張って国家暴力と対決した。よねさんは、空港公団が用意した住居を拒否し、敷地内東峰部落で亡くなるまで闘い続けた。この闘いは、その後の農地強奪についての法的根拠であった土地収用法の事業認定失効(1989年)をもたらし、さらに1993年、空港公団は強制執行を謝罪し、「今後は強制手段はとらない」と社会的に表明した。市東さんの農地法裁判で「話し合いが頓挫した場合まで、強制手段をとらないと約束していない」と、一度も話し合いをしようとしたことすらない空港公団が居直った。とんでもないことだ。
 市東さんの農地強奪の理由とされている成田空港の機能強化。今年度のNAAの中間決算では3期連続赤字で乗客が少なく、拡張・機能強化の必要性もない。市東さんの宅地と農地を空港のバリケードで囲っておいて、今回市東さんの耕作地の約半分を強奪しても具体的な空港工事の現実性・必要性が全く存在しない。憲法と農地法を踏み破って農地を国と大資本の自由にしようとするのが、市東さんに対する農地取り上げ攻撃である。全人民の名において断じて許せるものではない。

<「日本農民の名において収用を拒む」と立ち上がった三里塚農民(1971年3月5日 農民放送塔=第1次執行)>

(3)市東さんの闘いに応え、三里塚強制執行を実力で阻          もう
   決戦の地 天神峰に駆けつけ座り込みに参加しよう

 すべての労農学市民、自衛隊兵士のみなさん。
 市東孝雄さんは、反対同盟の先頭で闘ってきた父・東市さんが1999年に逝去、父の遺言を受け、「市東東市の遺志は長男の私が継ぐ。『空港反対』ならびに家族、農地は守る」と宣言し闘ってきた。市東さんは今日も農業に汗を流している。農薬や化学肥料を一切使わずに精魂込めて完全無農薬有機野菜を年間で50種類以上を栽培している。NAAは離作補償として1億8千万円を提示したが市東さんは「そんなお金より、ここで1本100円の大根を作り続けることの方が大事」と一蹴した。今回の強制執行申し立てに対しては、「やるなら受けて立つ。私にとって農地は命」と表明。この地で農業を続けるという市東さんの固い意志に全面的に応え、全国から共に闘う労働者学生市民の強制執行実力阻止の座り込みが開始されている。これに続こう。市東さんの生活と闘いを全人民の力で守り抜こう。労農連帯の砦=三里塚を全人民の力で守り抜こう。
 攻勢的に闘い、農地強奪を強行すれば全人民的な怒りを呼び起こし、支配の危機を生み出す恐怖を権力・NAAに抱かせよう(2022年12月16日記)。

<11・27天神峰現地闘争で「市東さんのかけがえのない農地を奪うな!」とNAAに迫るデモ隊>

【編集部より】
 12月21日、決戦本部は「強制執行阻止!天神峰を守ろう!四日間決戦」の訴えを発しました。年末の27日から30日の間にNAAが強制執行を強行しようとする極めて緊迫した情勢に入ろうとしています。決戦本部の訴えに応え、四日間決戦を闘いぬき、2023年はさらなる三里塚闘争の爆発を勝ちとっていきましょう!(12月24日記)

 

G7広島サミットを粉砕しよう。   安保3文書改定、大軍拡、増税の岸田政権を打倒しよう。

                    広島・高浜晃司

被爆地ヒロシマから呼びかける 

 23年5月19~21日に、広島でG7サミットが行われようとしています。サミットは、米帝をはじめとした帝国主義強盗どものウクライナ戦争の継続、そして中国への侵略戦争に向けた戦争会議です。
 『Rise』読者はサミットの参加国をご存じのことと思いますが、G7の米英仏は核保有国で、独伊はNATO加盟で米の核を共有し、自国内に配備し、加はNATO加盟でかつて米の核を共有し、自国内に配備していた。そして日本は日米安保で日本全土に中距離核ミサイルの配備=核共有を目論んでいる。この7カ国が集まり、原発推進の岸田の言う「核兵器なき世界」などいかに嘘とペテンにまみれているかはお分かりになるだろう。
 そのうえで22年5月に開かれたエルマウサミットの発表文書(外務省のホームページ)をぜひ一度読んでいただきたい。岸田は「『ウクライナは明日の東アジアかもしれない』という強い危機感の下、本年末までに新たな国家安全保障戦略などを策定するとともに、防衛力を5年以内に抜本的に強化する決意であり、日米同盟、有志国との安全保障協力の強化も車の両輪として進めていく」と述べ、次回の広島サミットについて「世界が、ウクライナ侵略、大量破壊兵器の使用リスクの高まりという未曽有の危機に直面している中、来年のG7サミットでは、武力侵略も核兵器による脅かしも国際秩序の転覆の試みも断固として拒否するというG7の意思を、歴史に残る重みをもって示したい旨述べました。また、唯一の戦争被爆国である日本の総理大臣として、広島ほど平和へのコミットメントを示すのにふさわしい場所はないと考えている、核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを世界に示し、G7首脳の皆さんと共に、平和のモニュメントの前で平和と世界秩序と価値観を守るために結束していくことを確認したい」と述べました。G7の意思とは、大軍拡はもちろんのこと、中ロとの核戦争を遂行して勝利する核戦争能力を構築するということです。 被爆地・ヒロシマとG7は根本的に相容れないのだ。
 だから反戦・反核の声が広島から上らないように、嘘やペテンだけでなく、サミット警備の暴力で労働者・民衆の闘いを抑え込む。いやむしろ、被爆地・ヒロシマが米・日帝国主義の中国侵略戦争(世界を巻き込む核戦争)へのお墨付きを与えたとすることが狙われている。

<8・6広島大行動 原爆ドーム前>

サミットと戦争は一体である

 そして12月16日に閣議決定された、敵基地攻撃能力の保有を明記した安保3文書の狙いは、中国侵略戦争です。この広島でこの安保3文書に被爆者団体が反対の声を上げたという報道は皆無です。長崎では被爆者団体や平和団体ら34団体が反対の声明を上げています。この長崎の声も圧殺しようと米帝・バイデンはサミットに合わせ長崎訪問を検討としているのです。また長崎、佐世保、大村を中国侵略戦争の出撃基地とするための闘いを圧殺することが狙われているのだ。
 さらにバイデン政権からは、サミットに先んじて日米首脳会談が行われ、中国侵略戦争に向けた安保強化を確認し、サミットとNATOが一体でやられることになった。G7サミット・日米安保・NATOが一体化し、対中ロ包囲、中国侵略戦争体制の形成が意識的に計画的に行われている。
 それだけではない。共同通信によるとドイツサミットやNATO会議が行われていた6月下旬の一週間に渡り「米最新鋭ステルス戦闘機F22や同F35など大量の戦闘機を飛行させ、日中中間線を越えて中国本土に接近していた」と報道。また日本政府高官は「米軍による『史上最大の対中示威行動』だった」と述べたとされる。この米軍戦闘機は、沖縄の嘉手納基地と、広島の隣の岩国基地から飛び立ち、その中には米本土から派遣された戦闘機も含まれていた。
 11月に開催されたG20サミットでも、11月初頭に台湾海峡での「航行の自由」作戦を行い、G20開催に重なる形で日米共同統合演習「キーンソード」(自衛隊から約2万6千人、米軍からは約1万人が参加するなど、日米が行う演習では最大規模)を行い、イギリス、オーストラリア、カナダも参加して10日間行われた。激しく戦争重圧=戦争挑発を繰り広げて、G7やG20を行っていること。まさにクラウゼヴィッツが「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」と喝破しているように、G7は軍事と一体で行われる戦争政治そのものだ。ウクライナ戦争と安保3文書によって、自衛隊などの戦争へのリアリズムと危機感は増している。自衛隊の応募者が一挙に減少したとの報道もある。労働者階級こそ自衛隊員を獲得していこう。また被爆78年の8・6ヒロシマ大行動に向けて、岩国、呉での反戦・反基地の行動や集会を勝ち取ろう。

<9月17日国葬反対デモ 原爆ドーム前から出発>

労働者・学生の戦争動員を許さない

 それだけではない。このサミット推進のために広島県、広島市の職員がそれぞれ数十名ずつ、各市町からもサミット推進会議に送り出されている。コロナ感染が波状的に押し寄せている中で、市民生活に直決する部署を中心に送り出し、全ての矛盾を現場の職員と労働者市民にしわ寄せするというまさにオリンピックや戦争と同じことが起きているのだ。
 さらには、小学生から大学生までオリンピックに協力させられたように、自発的なものから始まり、次々に動員が行われようとしている。警備の警官に小学生があいさつをする運動(本質的に「兵隊さん、がんばれー」と同じ)など、とんでもないことが狙われている。このような戦争協力と同じものに教員が動員される。サミット=戦争に関係ない労働者はいないのだ。すでにマツダは、サミット成功のためにと、サミットの前日から終了の翌日まで工場の操業を取りやめた。関連企業や他の工場なども休業に追い込まれる。サミット=戦争への労働者の動員を許さない階級的労働運動の爆発は待ったなしである。

<11月20日のデモ 高校生の飛び入り参加も>

会場を直撃するデモを勝ち取ろう

 私たちは11月20日に森川文人弁護士をお招きし「異議あり!G7広島サミット ヒロシマで戦争会議をするな! 講演会」を行い、「『国家対国家』とされている対立軸を、国家主義・資本主義の戦争に動員する『政府・資本対、私たち動員される側の民衆労働者』という対立軸に」「搾取され、兵士として動員される」のではなく、「戦争と搾取を終わらせる」「祖国防衛の名のもとに始められる戦争に」「祖国敗北主義で闘おう」と呼びかけられました。講演時間の倍する1時間半近くも熱烈な討論を勝ち取り、サミットと戦争に反対する戦闘的デモを貫徹しました。ここを皮切りに毎月のサミット反対デモは市民の注目の中で勝ち取られています。
 みなさん。G7サミット当日は、日米をはじめとした帝国主義の戦争会議=サミットを直撃するデモをたたきつけよう。全国から被爆地・ヒロシマへの結集を呼びかけます。

<11月20日のデモ 高校生の飛び入り参加も>

 

沖縄をプロレタリア革命の一大拠点に転化しよう!
基地撤去、安保粉砕・日帝打倒!

                     垣内 武

 世界戦争・世界核戦争に突き進む帝国主義とスターリン主義を打倒して、プロレタリア世界革命に勝利するしか、労働者階級と全人間の生きる道はない!
 マスコミやリベラル連中がウクライナ戦争を、「専制国家の武力に対する民主主義を守る戦い」と規定している。このロジックにかなりの勢力がからめとられている。しかし、現実的にはこのような状況にプーチン・ロシアを追い込んだのは紛れもなく、米帝とNATOである。どちらかの側に立つ限り、この戦争はひたすら泥沼的に、長く深く続くだけである。
 しかも米帝にとって中国侵略戦争に勝ち抜くことが絶対条件で、そのためにロシアを弱体化させる戦略をとっている。ゆえに軍隊そのものは送らないで、最新兵器を湯水のように注ぎ込んで、この戦争を米帝の利害優先でコントロールしようとしている。しかし、現実の戦争はそんなに簡単なものではない。何度も停戦が叫ばれながら、全く実現していない。ゼレンスキーはクリミア半島を含む全領土回復まで徹底抗戦の姿勢は全く崩していない。すでに電力施設へのロシアの攻撃への報復として無人機によるロシアの燃料基地などへの攻撃が行われている。国際反戦闘争の勝利の中にしか、この戦争を終わらせる道はない。米帝とNATOの側に立つことを拒否し、全世界のプロレタリアートと団結する道を歩もう!

安保3文書改定を機にした日帝の軍事優先国家への大転換

 岸田政権は、大軍拡と中国侵略戦争遂行のための安保3文書改訂の閣議決定を強行した。これはほとんどクーデターに等しい。さらに、この戦後史を画するような大転換を、密室で決めてしまった。防衛費2倍化財源をめぐって自民党内でも「大議論」が行われているかのようなパフォーマンスを装い、そちらを焦点化させた。
 この安保3文書改定に対し、「既成野党」は総屈服し、敵基地攻撃能力を「反撃力」に言い換えて、あくまで「抑止力」であると突っ張る政府に何ら対抗できていない。襲いかかってきている専制国家・中国から「国を守るため」「自衛」「抑止」といった洪水のようなプロパガンダには、正しく中国侵略戦争規定を対置しなければならない。基軸帝国主義として没落するしかなくなった米帝が、いよいよ中国スターリン主義の転覆を国家の本腰をかけて始めたことにすべての情勢は規定されている。日帝はその体制的危機を戦争で突破しようとしている。その衝動は第2次世界大戦での対米戦争突入時以上である。
 米日帝の中国侵略戦争を阻止しよう!その力は労働者階級の反戦決起にかかっている。

今こそ兵士の決起が求められている

 ロシア革命やベトナム戦争の時とも、戦争の形態は様変わりした。しかし、「軍服を着た労働者」としての兵士の本質は何ら変わらない。今日のロシア軍も、まさに前線で非人間的扱いを強制されている。ロシア国内でも総動員令に対して、不屈の抵抗闘争が闘われている。
 自衛隊でもいよいよ侵略軍隊としての本格的確立へ、防衛費2倍化も基盤にして、すさまじい緊張が生まれている。自衛隊兵士の中に革命的祖国敗北主義を持ち込むことが喫緊の課題となっている。 沖縄では今までの旅団を師団に格上げし、中国侵略戦争の最大拠点として確立しようとあがいている。
 こうした中で、自衛隊内女性兵士によるセクハラ・性暴力告発の怒りの決起が開始されている。自衛隊内のセクハラ事例は、内部調査でさえ1400件もあったそうだ。いかに抑圧軍隊であるかは明瞭だ。沖縄での米軍と軍属による事件は今でも減ることは全くない。戦争の激化とともに、さらに増えるのは目に見えている。
 米軍基地撤去とともに自衛隊増強にも反対していく運動を構築していかねければならない。玉城沖縄県知事は、「自衛隊を増強するのであれば、その分米軍を縮小してもらいたい」などと言っている。眼前で「オール沖縄の崩壊」は激しく進行している。それでも沖縄で軍事演習の激化や、ペテン的避難訓練などに対して、自発的な市民や労働者の闘いは爆発している。これらに連帯し、革命派は屹立して登場していかなければならない。兵士の決起は、これらを劇的に促進する。

<公道を走行する戦闘車 キーンソード23 2022.11/17 与那国町>

沖縄は革命の火薬庫である

 中国侵略戦争に向かって、その矛盾は沖縄と南西諸島にすごい勢いで押し付けられている。昨年11月に行われた、米軍と自衛隊の大演習、「キーンソード23」はまさに中国への具体的な軍事攻撃、すなわちEABOを具体的にどう進めるのかを想定したきわめて実戦的な演習であった。
 与那国島では、「金は出すから何とか生き延びてくれ」と言わざるをえないほどの状況だ。「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の教訓は、今も生きている。機動戦闘車が公道を走り回る様子は、衝撃的だ。2023年は、沖縄の戦場化をめぐる最大の決戦になる。「改憲・戦争阻止!大行進」を先頭に反戦闘争を爆発させよう。
 沖縄大学では、赤嶺沖縄大学自治会委員長に対し、キャンパス内で「反戦を訴える集会」を行ったという理由だけで処分・呼び出し攻撃が行われている。また、これへの抗議集会には、30人の機動隊が導入され、参加者全員が暴力的に排除されている。「反戦の砦」として学生が大学で活動することを圧殺しまくっている。しかも「リベラル」と称する連中が率先してその先頭に立っている。
 全学連は全国において反戦政治闘争を実力闘争としてやり抜く中で、この状況を打ち破りつつある。多大な矛盾が集中している沖縄の学生からも必ず決起は生まれる。さらに非正規職化攻撃のなかで、低賃金・生活苦を強いられている沖縄の青年労働者も新しい労組を立ち上げ、不屈の闘いを開始している。
 「沖縄は革命の火薬庫である」、この言葉は決して古臭い言葉ではない。青年労働者・学生を先頭に、その闘いの火蓋はすでに切られている。「基地撤去、安保粉砕・日帝打倒!」に向かって、昨年「復帰50年」の5・15闘争は、青年と学生が闘争を圧倒的・戦闘的に牽引した。今年は、広島サミットと連続した形で5・15闘争は闘われる。辺野古新基地建設阻止の闘いも永続的に闘いぬかれている。正真正銘、決戦の2023年である。
 街頭宣伝をやると沖縄では、実感としても東京の3倍はビラをうけとってくれる。それほど沖縄の人々の反戦のポテンシャルは高いものがある。
 プロレタリア世界革命の先頭に沖縄の労働者民衆は立ち、その大拠点として沖縄闘争を大爆発させる。ともに闘おう!

<「復帰50年」式典弾劾のデモ 5/15宜野湾市>

 

木更津駐屯地オスプレイ闘争報告

            動労千葉を支援する会・木更津 T

〔1〕 木更津オスプレイの現状

(1)22年11月11日、14日と相次いで飛来し、陸自オスプレイV―22は合計11機が配備されました。当初22年3月に17機「暫定配備」の予定が大幅に遅れています。元々の配備先である佐賀空港では、オスプレイ受け入れのための買収が頓挫しています。佐賀空港を自衛隊と共用しないと言う「公害防止協定」の一部「改訂」が報道されましたが、地権者である地元漁民は「絶対に軍用には使わせない」と強固に拒否しています。オスプレイ部隊受け入れのために必要な佐賀空港拡張工事は全くめどが立っていません。2020年7月10日にスタートした「暫定配備5年」はすでに2年半が経過しました。「暫定配備」は破産しています。それを承知で17機配備しようとすることは、木更津オスプレイは恒久配備であることを示しています。

オスプレイ配備反対・木更津行動 9/10木更津

(2)この間木更津オスプレイV―22は全国に展開し、侵略戦争の出撃拠点になっている。
 昨年3月、木更津駐屯地を飛び立った2機のオスプレイV―22は、静岡県沼津海岸で、米海兵隊と日米共同訓練。5月には東富士演習場で、実弾訓練を実施し、群馬県相馬原駐屯地などでも訓練を行っています。木更津駐屯地が出撃拠点となって「離島奪還」を想定した実戦訓練を行っています。
 7月には木更津を飛び立ったV―22オスプレイ2機は、途中徳島空港で給油し佐世保相ノ浦駐屯地の水陸起動団を載せて九州各地で「離島奪還」の訓練を行いました。北海道でも日米共同訓練が激化し、まさに全国展開です。

(3)相次ぐオスプレイ墜落、危険極まりない「欠陥機オスプレイ」は即刻飛行中止せよ
 昨年はオスプレイ事故が全世界で頻発しました。
*3月米海兵隊オスプレイMV― 22がノルウェー北部で墜落、乗 員4名死亡(NATO軍事訓練)
*米カリフォルニア州南部で同じ く訓練中に墜落、5名死亡(M V―22)

 8月スウェーデンでのCV―22オスプレイが「緊急着陸」し、修理に30日を要しました。たまらず米空軍は「オスプレイ特有のクラッチの不具合」でCV―22全51機を飛行停止にしました(8月16日)。「右にならえ」で陸自オスプレイも飛行停止になりました。 しかしその舌の根も乾かぬうちに飛行再開しました(9月3日)。理由は「構造的欠陥ではない。パイロットのウデでカヴァー出来る」と言うことです。陸自オスプレイも9月8日に再開しています。そんな非科学的根拠で全乗組員、自衛隊兵士を危険にさらすことは許されません。「欠陥機オスプレイ全機種とも即刻飛行停止・廃棄処分せよ」を実現しなければなりません。

2〕 防衛3文書と戦後の歴史を塗り替える「敵基地攻撃能力」=自衛隊は「専守防衛」から戦争する軍隊に

 「台湾有事は日本有事と」岸田政権は日本を戦争する国にまっしぐらに進んでいます。スタンドオフミサイルを配備しようとしています。射程2500キロものトマホークやパトリオットミサイルは中国国家全体を標的にするものです。実戦配備の沖縄が再び戦場になり太平洋戦争で、沖縄の人々の1/4が犠牲になった沖縄戦が再び繰り返されようとしています。 配備した兵器を扱うのは自衛隊兵士であり、それを運ぶのは陸自オスプレイです。危険極まりないオスプレイ搭乗を許さない運動が今こそ求められています。

〔3〕 木更津オスプレイV―22とは

(1) 陸上自衛隊オスプレイは木更津駐屯地第1ヘリコプター団所属の輸送航空隊として2020年に発足しました。第1ヘリコプター団、習志野駐屯地の第1空挺団は中央即応集団に所属していましたが、2018年3月発足の防衛大臣直属の部隊、陸上総隊に編成されました。同時に創設されたのが、「日本版海兵隊」と言われる、陸上自衛隊水陸機動団です。陸自オスプレイV―22などが所属する輸送航空隊は、主な任務である「離島奪還」「強襲」の水陸機動団を運ぶことです。2014年のウクライナ戦争(ユーロ・マイダン、ロシアによるクリミア併合)、中国の「海洋進出」を口実とし、はじめから中国侵略戦争を想定した戦争突撃部隊です。「離島奪還」とは「敵国奥深く入り込み、占領する」ことです。
(2) 陸自オスプレイV―22は、第1ヘリコプター団、第1空挺団、水陸機動団を運ぶ侵略戦争の最強部隊です。
 7月、初の九州における訓練での話。「引き続き水機団と輸送航空隊の連携強化に向け、錬成を積み重ねる」(水陸機動団)「今回の訓練の目的を木更津駐屯地から西部方面区に至る航路、地形などへの習熟と飛行支援能力の向上させる」(第1ヘリコプター団)と言っています(「朝雲新聞」8/22付)。すなわち陸自オスプレイは木更津を拠点に全国に展開することを宣言しています。

キーンソード23 11/18 徳之島伊仙町

〔4〕 安保3文書で日本の戦後史は変わった

 自衛隊員の皆さん、日本の戦後史は「安保3文書」で一変しました。中国を主要敵とするアメリカ帝国主義は、ペロシ米下院議長の台湾訪問を強行し中国との戦争を構えています。米中戦争に発展すれば、「集団的自衛権行使」で自動的に自衛隊は参戦します。その最先頭に木更津第1ヘリコプター団、習志野駐屯地の第1空挺団、そして長崎水陸機動団の兵士がたちます。「欠陥機オスプレイ」に搭乗する兵士の皆さんに訴えます。他国に行ってまで戦争をすることは自衛隊員になるときに義務づけられていません。
 ウクライナ戦争が勃発しているロシアでは、兵士の母たち、連れ合いの人が「息子(夫)を返せ」と立ち上がっています。自衛隊を取り巻く情勢も同じことが起こります。
 職場、地域、街頭、学園でも(2部学生に自衛隊員が多い)自衛隊員を見かけたら、戦争拒否を呼びかけよう。

オスプレイ撤去!横田基地デモ 10/2横田

 

革命と内乱の時代の指導原理

                      滝山猛師

(一)侵略を内乱へ!自国帝国主義打倒へ!
 91年のソ連スターリン主義の崩壊後、現代世界の対決構造が帝国主義間争闘戦へ転化し、一方その過程で残存スターリン主義・中国が「本質的には受動的」だが経済的・軍事的には帝国主義に積極的に対抗してきた。そして21世紀初頭、基軸国米帝は没落を深め「世界の警察官」という地位から完全にずり落ちた。だが米帝に代わる帝国主義が存在しないという帝国主義世界支配体制の矛盾が激化し、その体制的矛盾が帝国主義世界体制の末期的危機を加速させている。ロシアのウクライナ侵攻は帝国主義の危機が引き出した侵略戦争である。ロシアが米帝・NATOの危機を衝いてウクライナの勢力圏―領土の再分割戦に踏み込んだという構図だ。つまりウクライナ戦争の元凶は没落米帝の米中戦争への踏み込みと一体で東欧の勢力圏拡大を激化させてきた結果である。そしてウクライナ戦争は今、長期化し、泥沼化の様相を呈している。同時にウクライナ戦争は、米中戦争―世界核戦争へ転化する危険性を高めている。バイデン、プーチン、ゼレンスキーらの発言がそれを世界に示した。言い換えれば戦争を内戦―内乱に転化し、帝国主義とスターリン主義を打倒するプロレタリア世界革命のチャンスの到来である。
 この時代認識をはっきりと確認し、この世界革命情勢の到来に立脚し反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命戦略の堅実な前進をはかること、党建設とその指導の強化を重要な環として推進すること、これらを基礎に、帝国主義体制の最末期的危機をプロレタリア世界革命―武装蜂起に転化する質をもった反戦政治実力闘争を軸とする階級的労働運動を強固に推進し、全国・全産別の職場・生産点に無数の拠点を建設し、ゼネストと蜂起へと突き進むことである。それを可能にする時間と条件はまだある。23年は、大胆に実践と行動に打って出る。言い換えれば自国帝国主義を打倒する中・長期のプロレタリア革命運動に目的・意識的、系統的・継続的に決起することである。
 活動家は自然発生的な闘いの中からも多く生まれる。だが革命を指導する革命家は育てなければ生まれない。日帝の中国―アジア侵略を内乱・内戦―蜂起へ!反帝国主義・反スターリン主義世界革命とプロレタリア独裁を実現する党への飛躍と指導、若き革命的指導部の活き活きとした育成がすべてを決する。進撃しよう!

(二)プロレタリア革命を目指す階級闘争
 プロレタリア革命は、圧倒的に優勢な国家権力―反革命勢力に対峙し、劣勢な革命勢力が敵階級を打倒していく非和解の階級闘争―階級間戦争だ。国家権力とそれと結びつく翼賛勢力、社会排外主義勢力などこれら反革命勢力との非和解の対決である。そしてその全過程は本質的に流血と死闘の過程である。この対決に打ち勝ち前進する以外にいかなる方法もない。そして革命党と労働者階級は時代認識とプロレタリア革命戦略―指導原則の問題を正しく解決していくなかで勝利と前進をつかみ取ることができる。

(三)基地粉砕・安保粉砕・日帝打倒
 反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命戦略と、その一環としての日本革命戦略をかかげ、闘うアジア人民、闘う全世界の被抑圧民族人民と国際的に連帯し、米日帝の中国侵略を内乱に転化し、基地撤去・安保粉砕・日帝打倒!を強力に推進することである。そのためには、全ての労働者人民の人間的正義の要求を自らのものとし、それと深く結合し、その全過程のなかで階級性と革命の大義を全人民のなかに浸透させ、どんな困難にもうちかつマルクス・レーニン主義(プロレタリア性)と進攻精神の高揚を全人民的につくりだすということ。これらを貫く全過程は決して容易ではないが、しかしこれが共産主義革命党の立場と指導原理だ。反戦闘争や女性の決起はすでに世界で開始されている。
 軍隊内の兵士の決起・反乱と隊内運動はすべて階級闘争と革命運動の現れである。言い換えれば労働者階級人民の革命運動の内乱的発展に規定されている。そして兵士の決起・反乱は階級的労働運動の巨大な発展・前進と革命(党の目的意識的闘い)と深く結合していなければ兵士の反乱は成功しない。
 ※近衛兵の竹橋事件(1878年)といわれる武装兵士の反乱(259人)も孤立し鎮圧されている。

(四)暴力革命とプロレタリア独裁へ
 侵略を内乱へ!日本帝国主義打倒!を実現するために、プロレタリアート人民の武装蜂起(暴力革命とプロレタリア独裁)の準備を党の指導の下、常に階級的・大衆的に計画的・系統的に推進するということ。米帝の没落と危機として現れ、ウクライナ戦争として爆発している帝国主義の最末期的危機が、米中戦争への踏み込みと世界戦争過程への突入として現れている現実のなかで、全人民に内乱と蜂起の準備の必要性を宣伝・扇動し、その実践を具体的に強化していくのが2023年だ。すべての闘いの現場で侵略戦争にプロレタリア革命を対置する革命党としての闘いである。国際反戦闘争と実力闘争の復権がその第一歩である。国葬実力粉砕も一歩だ。革命情勢における革命党の三つの義務の全面的実践が党と労働者階級にとって急務の課題となっている。
 ストライキ・ゼネストも実力闘争である。内乱と蜂起の準備に向かって革命的労働者党のもとに全人民を組織し、資本・国家権力との実力闘争とその経験を通して一歩一歩武装していくことが勝利の一切の基礎である。
 反軍闘争の強化は階級闘争―実力闘争の前進と一体で進む。帝国主義の危機という世界戦争情勢下の革命の現実性を論じるとき反軍闘争という党独自の課題を曖昧にして前に進むことはできない。回避は敗北に通じる。真剣に内乱―革命を論じるなら、暴力革命と蜂起―武装蜂起への全過程が反軍闘争の強化(革命的隊内工作)と一体で推進しなければならない。帝国主義世界戦争情勢を正しく認識すればするほどに革命党として緊要である。

<闘いは続く-軍政への抗議デモ  22.7/30ミャンマー・ヤンゴン>

(五)全人民の総武装へ
 徹頭徹尾レーニン主義的プロレタリア暴力革命の視点に立ち、すべての階級闘争の基礎に労働者階級人民の総武装の思想をうまずたゆまず階級的労働運動を通して提起し抜くことが革命党の指導原則である。
 ウクライナ戦争に始まる世界核戦争情勢への突入=世界革命情勢下での大衆的反戦政治闘争の貫徹が武装蜂起にむかって発展するのは不可避である。反戦闘争や女性の決起はすでに世界で開始されている。戦争と物価高騰による怒りは世界に渦巻き、反戦闘争と一体で賃上げストが世界で爆発する情勢である。全人民の武装と武装蜂起の思想が全人民をとらえ、その物質化が進展していく過程は、言うまでもなく、同時的・均質的なものとはなりえない。革命党の指導のもと革命の人民的大義と戦略的総路線の勝利は、内乱と武装蜂起の論理をもって反戦政治闘争と階級的労働運動を結合させて前進する中で獲得できる。革命的大衆的武装勢力の建設、反軍闘争の強化―隊内工作・細胞建設などを結合させ、これらが内乱と武装蜂起の計画的・系統的推進の具体的実践的過程であることを今日改めて、全党的に明確にしなければならない。階級的労働運動の根底にはこの思想と路線と実践が貫かれているのである。
 ウクライナ戦争と米中戦争―日帝の参戦という今日的情勢から逆規定すれば、われわれの内乱―武装蜂起と全人民の武装にむけた組織的・計画的・系統的たたかいの取り組みは圧倒的に立ち遅れている。この現実を直視し、革命党として組織的実践的に突破しよう。

(六)非合法・非公然労働者党の建設を
 内乱―蜂起、暴力革命とプロレタリア独裁をめざす強固な非合法・非公然党建設が、世界戦争と革命情勢下でこそ労働者革命党が推進しなければならない重大な闘いである。この課題と突破は、反戦政治闘争を軸とした階級的労働運動の前進、プロレタリア革命運動の前進とまさに一体不可分である。
 圧倒的に優勢な帝国主義国家権力の打倒を実現するには、そこに至る過程で国家権力の革命党解体攻撃―内乱鎮圧攻撃と真っ向から対峙し、粉砕し、前進しなければならない。革命勝利に至る過程で非合法・非公然党建設は不可欠である。いうまでもなく非・非党とその指導は経験蓄積を基礎に科学的にも積み上げていかなければ構築できない。国家権力の情報収集の武器は圧倒的にして総合的に強化されている。圧倒的に劣勢ゆえに伴う困難性の前にたじろぐことなくそれを突破し、かつ、党の戦略的総路線を実現する全過程でこれらに勝利し、武装蜂起―プロレタリア革命の最終局面―革命と反革命の全面激突で決定的役割を果たすのが非合法・非公然の革命党である。非・非党建設と革命的大衆的武装勢力の建設は革命党としての独自の課題である。いうまでもなく革命運動はいかなる意味でも優勢から出発することはできない。したがって革命に勝利する道は、相対的に劣勢な革命勢力が優勢な帝国主義反革命勢力と対峙し、非妥協的、原則的、階級的闘いをとおして力関係を徐々に(ときには一挙に)転換し、敵階級を最後的に打倒していくという戦略と指導の合法則性の確立とその実践過程以外のなにものでもない。弱者が強者に抵抗し、対峙し、勝利していくためには党の強化、指導の強化、非・非党の建設・強化を推進する合法則的指導原則の実践と確立が重要だ。再確認しよう。

<民主労総9万人労働者大会で「非正規職撤廃」のスローガン 2022.11/12 ソウル>

(7)日帝・岸田政権を実力で打倒しよう!
 岸田政権は米中戦争への参戦は絶対的に避けられないものとして位置付けている。世界戦争情勢下、日帝は帝国主義として延命する活路を対中戦争に見出し総力を挙げている。沖縄・本土が戦場と化し、厖大な犠牲と自衛官の戦死はすでに指呼の間に迫る情勢下にあるといっても過言ではない。侵略戦争に本格的に参戦させ、殺し殺される帝国主義軍隊として再形成し、問答無用で戦後的な制約を一挙に突破しようとしている。国家主義と差別・排外主義宣伝・扇動、安保3文書閣議決定、防衛費2倍化―増税、先制攻撃を意味する敵基地攻撃能力の保有、新型潜水艦の建造と最先端戦闘機の英日伊共同開発、原発政策の大転換=核武装化、そして日本学術会員の首相任命権限など、これらの突進は、支持率低下を戦争と強権で突破せんとする日帝の末期的危機そのものだ。これらを真っ向から見据え、粉砕し、日帝の危機を革命に転化する好機である。
 ウクライナ戦争の長期化と泥沼化が世界核戦争への道を加速させている。それは没落米帝と残存スターリン主義・中国、旧スターリン主義・ロシアの戦後的平和共存体制の崩壊と危機が引き出した世界情勢だ。まさに「世界戦争か、世界革命か」の時代だ。<英看護師10万人ストライキ  2022.12/15 ロンドン>

 2023年は反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命への戦いが世界の労働現場で、世界のあらゆる地域から、最前線の戦場からも国際反戦闘争の火が噴く時代である。その過程はすでに米国内で、英国内で、ロシア国内で、ウクライナ国内で、中国国内で現実として始まっている。第三次世界戦争の危機はプロレタリア革命の好機だ。無展望に強権と凶暴化で押し切ろうとしている岸田政権を全人民の実力で打倒しよう!(2022年12月21日記)

 

 

 

 

 

 

会報 第69号

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巻頭言

戦争やめろ‼              労働者・兵士は国益・国境を越えて    団結しよう!

         東京西部ユニオン(元自衛官)杉橋幸雄

●新自由主義を終わらせる本格的闘いはこれからだ

 安倍「国葬」を粉砕した日本階級闘争の衝撃が全世界を駆け巡り、労働者民衆の新たな決起を生みだしています。支持率急落、歴史的な円安と世界的インフレにあえぐ日帝岸田政権・資本家階級に対する労働者階級の生き抜くための本格的闘いはいよいよこれからです。追い詰められているが故に、中国・北朝鮮脅威が声高に叫ばれ、防衛費の大増額や「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保持・強化を焦点とした「安保3文書」の改定をめぐり与党の協議が始まっています。

●大軍拡と弾圧強化の岸田政権を打倒しよう

 防衛省が発表した23年度予算の概算要求は過去最大の5兆5947億円であり、5年間で総額40兆円越えです。それは労働者民衆の生活を破壊し、同時に自衛隊の戦闘能力の質的・原理的転換をも一気に進めるものです。さらに、同概算要求には「防衛産業強化基金」が初めてもり込まれ、外国政府との交渉に政府が全面的に関与し、防衛産業への財政支援も強化するというのです。そして、先端の民生技術(AI・無人機・量子など)をも防衛分野で活用する為、24年度にも防衛装備庁に研究機関を新設する方針です。まさに中国や北朝鮮に対する侵略戦争を可能とする軍事力強化であり、絶対に許すことはできません。
 しかも、9月20日には「土地利用規制法」が全面施行されています。これは自衛隊や在日米軍基地、国境近くの離島、原発、空港や港湾などの重要インフラといった「安全保障上の観点から重要な場所」の周囲1㌔メートルを「注視区域」に指定し、その区域内の住民を監視・調査し、政府の判断で土地利用停止を命令し、従わなければ刑事罰まで科すという、まさに反戦・反基地闘争弾圧の治安法です。その矛先は南西諸島や沖縄の反戦・反基地闘争に向けられており、粉砕あるのみです。

●「自衛隊解体・兵士獲得」の闘いを推し進めよう

 そうした最中、元女性自衛官の五ノ井里奈さん(23)が在職中に男性隊員から性暴力を受けた問題が、彼女の公然たる決起によって帝国主義軍隊=自衛隊の隠蔽体質を打ち砕き、謝罪を勝ちとっています。彼女は「直接謝罪を受けることができたのは良かった。でも・・・許すつもりは全くありません」とキッパリと語り、「今はメディアでも取り上げてくれるが、いずれ忘れられる。そしてまた被害が生まれ、再び涙を流す女性が現れる。そんなことがないよう、根本的な改善を心から望んでいます」と述べています。
 ウクライナ戦争が世界戦争に転化し、日米の中国侵略戦争攻撃も激化している今日、「自衛隊解体・兵士獲得」の闘いが増々焦点化しつつあります。その闘いの内実に「女性解放闘争」をしっかりと位置付けることが決定的に求められていると思います。一切の階級的力を11・6の大爆発に集中し、国際連帯の下、闘う労働組合をよみがえらせ、新自由主義を終わらせる革命の時代を断固切り開いていきましょう!(10月20日記)

横須賀闘争の復権のために全力で闘おう!

       改憲・戦争阻止!大行進神奈川 品川孝司

<安倍国葬粉砕闘争 ・機動隊と衝突するデモ隊。9月27日。 東京・九段下>

 全学連・大行進の国葬粉砕の闘いは自民党=「勝共連合」との一体化を暴き出し、岸田政権を追い詰めています。岸田政権は、この闘いの高揚に対して、10月4日、1000キロメートルの宇宙空間を飛翔した北朝鮮のミサイル発射にJアラートを鳴らし中国脅威論「国防」論を煽り、「軍事費2倍化」「改憲」で延命するしかありません。2015年「安保関連法」反対闘争の悔しさをのりこえ、私たちが岸田政権を直接追い詰めていることが実感できる地平を遂に切りひらきました。
 国葬の翌日、9月28日、米副大統領ハリスは横須賀米海軍基地で「中国は軍事力と経済力を使って近隣諸国を脅し、おびえさせている」と排外主義をあおり、兵士を鼓舞激励しました。沖縄・琉球諸島の闘いと連帯し首都圏から反戦・反基地闘争を復権しよう。特に横須賀闘争の復権のために全力で闘おう!

<オスプレイ配備反対9・10木更津行動(木更津駅前から木更津駐屯地へのデモ)>

自衛隊員と住民の犠牲を前提にする「統合エアシーバトル構想」

 アメリカは「4年毎の国防見直し(QDR)」2010年版で中国の軍事力への警戒感を示し「統合エアシーバトル構想(Joint air sea battle concept)」を打ち出し、さらに、補強的に「海洋プレッシャー戦略」などの論議を踏まえて対中国戦争準備を進めています。
 九州から南西諸島を経て、フィリピン、カリマンタン島まで続く島嶼線を「第一列島線」とし、琉球諸島を「Ryukyus Barrier(琉球の防壁)」と呼び、「同盟国」とともにミサイル攻撃や対潜水艦戦、サイバー攻撃を駆使し、中国軍の艦船や航空機の東進を阻止して接近を阻み、「第一列島線」の西側を、「No Man’s Sea(無人海域)」にするのを第一段階の作戦としています。
 その作戦は、海空軍・電子戦などの後ろ盾(Outside)に日米の地上発射ミサイル、ロケット砲などの精密打撃ネットワーク(Inside‐Out Defense)を構築するものです。
 さらに、初期段階では、沖縄の米空軍嘉手納基地などは地理的に中国に近く、ミサイル攻撃を受けやすい「脆弱」な位置にあるため、在日米軍の主力である航空部隊はいったん分散退避することも検討されています。米中紛争が起きたら、まず、最前線で戦うのは日本の自衛隊と米軍の残留した海兵隊で、1~2ヶ月に及ぶ継戦力を要求されています。
 そして、経済封鎖などによって、長期戦に持ち込み中国を疲弊させるという戦略を打ち出しています。
 ここで重要な点は、米国が日本に核を持ち込むことと、EABOなど短距離ミサイルを保有する米陸軍の展開を前提にしています。
また、空母などは一旦グアムなどに退避して1~2ヶ月間沖縄・琉球諸島で自衛隊が戦うということです。そこでは自衛隊員も住民も犠牲にされます。
 そして、空母艦載機F‐18は空中給油を受けながら長距離攻撃を行い「懲罰」として中国本土への攻撃を行うことを視野にいれているという作戦です。
 米軍は日本を守らないこと、自衛隊は住民を守らないこと、日本政府は自衛隊員さえ犠牲にするということをはっきりさせる必要があります。軍需産業の儲けのために自衛隊の若き青年が命をかけるなどという無意味なことを絶対にやめさせなければなりません。

連合の産報化をのりこえ横須賀闘争の復権を!

 10月1日、横須賀ヴェルニー公園で神奈川平和運動センター・三浦半島地区労センター主催で「原子力空母ロナルド・レーガン横須賀配備抗議!母港撤回を求める10・1全国集会」が開催されました。主催者はコロナを口実にサイレントデモ方針を出していましたが、450人以上が結集し、現場労働者の戦争反対への怒りが示されました。

<原子力空母ロナルド・レーガン横須賀配備抗議!母港撤回を求める10・1全国集会>

 歴史的には沖縄返還闘争、本土での反基地闘争、ベトナム反戦闘争・戦車闘争、佐世保、横須賀への原子力潜水艦入港反対闘争の中で、1973年10月5日に米空母「ミッドウェー」が母港化されました。そして、ミッドウェー(73~91)、インデペンデンス(~98)、キティーホーク(~08)、原子力空母ジョージ・ワシントン(~15)、原子力空母ロナルド・レーガンと5隻に及ぶ長期間横須賀に居座っています。
 「母港化」によって、米軍人・軍属・家族の住宅問題・通学問題、艦戦修理廠の日米共同使用、基地内の日本人従業員の雇用・労働問題など、日米安保、地位協定、環境破壊、暴行事件など日常的な課題が山積しています。
 従来あった日教組の旗が、今年は遂に登場しませんでした。連合芳野会長の国葬出席は、日教組本部が反戦・反基地闘争から手を引き戦争教育に加担することです。
大行進は全学連先頭にオリンピック反対闘争、国葬反対闘争、沖縄闘争を牽引し、新たな反戦闘争の時代を切りひらいてきました。その中で、神奈川でも国葬反対キャラバンを展開し横須賀闘争の再建に向けて8月以降全力で闘い抜きました。
 10月1日当日は、全学連をはじめ、横田、木更津、朝霞、首都圏の大行進の仲間が駆けつけてくれました。デモは70人の隊列で太鼓のリズムを市内に響かせシュプレヒコールでアピールしました。実は集会参加者も「太鼓はいいね」「国葬反対の大衆闘争をやったからたくさん集まったね」「若い学生がいっぱいいていいね」とうれしそうに感想を伝えてきました。

 12・3横須賀闘争に結集を!

 横須賀では、特に海上自衛隊が侵略出撃部隊として強化されています。護衛艦「いずも」「かが」は空母化され、F‐35Bを搭載し、新型潜水艦「たいげい」は初めて対艦ハープーン・ミサイルを搭載し敵基地攻撃能力を付与されます。最新鋭大型ミサイルの格納が行われる比与宇(ひよう)弾薬庫。自衛艦隊司令部、潜水艦隊司令部、掃海隊群司令部など司令部機能を統合した作戦センターの新設など、全てが中国侵略戦争に向けた基地機能強化です。
 横須賀の幹線道路16号線では、日常的に、自衛隊車両、民間車両が数台も連なって武器、弾薬の輸送がおこなわれています。
 11月労働者集会を反戦集会として、万の結集を作り出しましょう。そして、横須賀の反戦・反基地闘争の復権によって中国侵略戦争をとめましょう。
 12月3日、大行進横須賀が主催して反戦集会とデモを行います。全国からの結集を呼びかけます。ともに闘いましょう!

<米日による中国侵略戦争とめよう!オスプレイ撤去!10・2横田反戦反基地デモ>

 

ウクライナ侵略戦争と中国侵略戦争を仕掛けているのは誰か

     迎賓館・横田爆取デッチ上げ元被告・板垣 宏

1.ウクライナ戦争は危機に立つ米帝の対中国侵略戦争へののめり込みを促進

 ウクライナ戦争は、米帝(EU帝)の「武器支援」=実質的参戦国化により泥沼化・長期化し、追い詰められたロシア・プーチン政権はますます絶望的で凄惨な市街地への攻撃を拡大、世界戦争(核戦争)への転化もしかねない情勢となっています。この情勢をもたらしたものは、米帝の没落・新自由主義の最後的破綻です。米帝は中国を叩き潰す以外に生き残れないと考え、まずはロシアを戦争に引きずり込むことで、中露間を分断し、中国を孤立させた上で叩き潰す戦略を構想しています。これがウクライナ戦争の本質であり、新自由主義の崩壊的危機に立つ米帝の対中国侵略戦争へののめり込みを促進しています。私たちは、労働者階級の国際連帯と反戦・反核闘争でこの戦争を阻止しなくてはなりません。

2.中国は「国際秩序を変える能力と意図を持ち、そのためのより大きな経済力、外交力、軍事力を持っている唯一の競争相手」

 バイデン政権が2021年3月に発表した国家安全保障戦略暫定指針(以下「暫定指針」という)において、インド太平洋地域と欧州地域における米軍のプレゼンスを最重視する方針を表明し、特に、中国について、「安定し開かれた国際システムに対して持続的に挑戦する能力を秘めた唯一の競争相手」と位置づけ、長期的に対抗していく考えを示したことでも明らかです。また、この考えは2022年10月12日に公表された「国家安全保障戦略」においても、➀ロシアは、「今日の国際秩序の基本法を無責任に損ね、自由で開かれた国際システムに対する直接的な脅威となっている」、➁中国は「国際秩序を変える能力と意図を持ち、そのためのより大きな経済力、外交力、軍事力を持っている唯一の競争相手」と重ねて明記されていることでより鮮明に示されています。

3.ウクライナ戦争はNATOの東方拡大が元凶

 ウクライナ戦争については、日帝・岸田政権や野党、マスコミも含めてロシア非難一色に染め上げられていますが、東欧において一貫して戦争を挑発してきたのは米帝(とEU諸国帝)です。「前進」(3239号・2022年4月11日付)「戦争の元凶は帝国主義だ 反帝・反スタ世界革命のみが世界戦争・核戦争阻止する道」は次のように述べています。
 同紙は、NATOが、「ソ連の侵略に対抗する」という口実のもと、帝国主義諸国の軍隊の中で圧倒的・絶対的な実力をもつ米軍をヨーロッパ各国に展開することを法制度的に可能とするものとして、「1949年に結成された巨大軍事同盟」であり、「日米安保条約と並んで、米帝を基軸とする帝国主義戦後世界体制の最も重要な軍事的支柱をなしてきた」。「米帝(とNATO)は、「『緩衝地帯』とされてきた東欧諸国を次々と加盟させた。99年から2020年までの5次におよぶ東方拡大で加盟国は16カ国から30カ国へと膨張」した。そして、この東方拡大は極めて暴力的で犯罪的な人民虐殺の侵略戦争を伴い、「1999年の旧ユーゴスラビアへのNATO軍の空爆では、78日間で総計1万回以上もの爆撃が行われ、民間人だけで死者1500人以上、負傷者は5千人以上に達し、150万人が避難民となった。またNATO側が認めただけでも約3万1千発もの劣化ウラン弾が使用され、想像を絶する放射能汚染が広がった。2001年以降20年にわたるアフガニスタン侵略戦争にも参戦した。それらは、バイデンや岸田がロシアを非難して言う『戦争犯罪』『力による現状変更』以外のなにものでもなかった」とその歴史的背景を明らかにしています。
 さらに現在、ウクライナ、ジョージア、フィンランド、スェーデンのNATO加盟という攻撃が突き付けられるに及んで、ロシア・プーチンは完全に追い詰められてウクライナに侵攻したのです。

4.中国への米帝の戦争挑発「クアッド」と「AUKUS(オーカス)」そして「台湾政策法案」の可決

 東アジアにおいて米帝バイデン政権は、ペロシ下院議長の台湾訪問を強行し、さらに「台湾政策法案」を米上院外交員会が9月14日に可決しました。従来の「一つの中国」政策から大転換し、台湾を「一つの国」と見なすもので中国侵略戦争の表明にほかなりません。事実、バイデンは9月18日に米CBSの番組で、「台湾が攻撃された場合米軍が台湾を守るか」との質問に対し「イエス」と答えています。
 2021年9月、日本・米国・オーストラリア・インドの4ヵ国が「クアッド」(日米豪印戦略対話)を設立。「自由で開かれたインド太平洋」へのコミットメントを確認し、同月、米国・オーストラリア・英国の3ヵ国は、インド太平洋地域における外交、安全保障、防衛の協力を深めることを目的とした新たな安全保障協力の枠組みとなる「AUKUS(オーカス)」(軍事同盟)=「アジア版NATO」の設立を発表しています。
 2022年版防衛白書には「主な日米共同訓練の実績」として、2021年度に大小の日米共同訓練が、陸海空自によりそれぞれ毎月、数回、日本海、沖縄周辺、東中国海(東シナ海)、南中国海(南シナ海)、インド洋、グアム西方、オーストラリア北方などで繰り返していることが明記されています。これに米帝は、空母「カール・ヴィンソン」、「エイブラハム・リンカーン」、「ロナルド・レーガン」、強襲揚陸艦「アメリカ」、「エセックス」、ドック型揚陸艦「パール・ハーバー」、「ニューオリンズ」、「グリーン・ベイ」、「アシュランド」などの主力艦。B―52戦略爆撃機、最新鋭のステルス戦闘機F―35A及びBなどが参加、圧倒的な軍事力を誇示して、中国を挑発しています。


 今年に入っても、米軍だけでも1万人以上が参加した、日米共同訓練「ノーブル・フュージョン2022」が2月3~7日に小規模部隊を分散展開させる新たな「遠征前方基地作戦」を含む共同訓練を、沖縄の宮古海峡付近などで自衛隊と合同で実施したのを始めとして、8月中旬からは離島防衛を想定した日米共同訓練「オリエント・シールド」が行われハイマースが奄美大島に初めて展開しました。また、10月1~10日には米原子力空母「ロナルド・レーガン」などが参加して日本海を含む日本周辺の海域での日米共同訓練が行われるなど、より一層活発な戦争挑発が行われています。
 政府・野党を含む既成の政治勢力、マスコミは、盛んに中国の軍事費の急激な拡大(それでも米軍事予算の1/3でしかありません)や、軍事力の強化、日本海や南中国海での中国軍の活動、戦略ミサイルの発射などを取り上げて、「力による現状変更」であると非難しています。しかし、それらは上記のように圧倒的な軍事力を展開して「力による現状変更」を推し進めているのは米(日)帝であり、中国残存スターリン主義・習近平はこれに反労働者的な戦争政策をもって受動的・対抗的に対応しているに過ぎません。それ自体、許せませんが、戦争挑発の元凶は米日帝にあることは明白です。

5.戦争を直ちに終わらせる労働者階級の国際連帯・反戦闘争を

 帝国主義戦争を終わらせるには、労働者階級の国際連帯による反戦闘争・祖国敗北主義によって自国政府・帝国主義(及び中ソ残存スターリン主義)を打倒するプロレタリア革命以外にありません。(了)

世界戦争の危機を        プロレタリア世界革命へ!

                     滝山猛師

戦争か、革命か

 ロシアのウクライナ侵攻から8ヵ月、クリミヤ併合から捉えれば8年超。すでに泥沼化しているウクライナ戦争は核戦争の危機に世界を引きずり込もうとしている。情勢は全労働者民衆に「戦争か、革命か」、というこの二者択一を改めて突きつけている。誰が見てもウクライナ戦争は米帝(EU)対ロシア(中国)の全面戦争への道を進んでいる。

世界核戦争の危機と、米帝の対ロシア・中国核戦争戦略

 ロシアのウクライナ侵攻直後から戦争が核戦争へとエスカレートする危険性は多く指摘されてきた。それはロシア・プーチンの核戦略ドクトリンでロシアの領土が通常兵器による攻撃で脅かされる事態には核兵器を使用すると規定し、さらにプーチン自身が「核の使用」を公言しているからだ。
 それだけではない。核拡散防止条約(NPT)再検討会議は8月、核兵器保有国に「先制不使用」宣言を促したが、その文言を削除し核の先制使用を事実上認めた。また米帝の「NPR2018」では、「核攻撃の抑止は核兵器の『唯一の目的』ではない」と断言し、「究極の状況」では核を使用するとした。「究極の状況」とは、核によらない重大な戦略攻撃、つまり米帝や同盟国、パートナー国の民間人・インフラに対する攻撃、核戦力に対する攻撃、核戦力の指揮統制・警戒・攻撃評価能力に対する通常兵器やサイバー攻撃に対しても核の先制使用を容認した。同時に、オバマ大統領が任期末に検討した「核の先制不使用(NFU)」についても、同盟国やパートナー国への抑止と安心を担保する上で、現在米帝がNFUを採用することは正当化されないと核の先制不使用を排除した。バイデンもこれを引き継いでいる。
 NPR2018では、ロシア、中国、北朝鮮、イランの4ヵ国を対象とした各国別の戦略を明記している。
 ロシアについては、限定的な核の先制使用を行う可能性を示唆している。つまりロシアは状況をエスカレートさせることで、最終的にロシアにとって望ましい形で戦争を終結する戦略をとっていると分析している。そのうえで米帝の戦略核3本柱、NATOの戦術核、英仏の核戦力を組み合わせた「核と通常戦力」で対ロシア態勢を維持するとしている。要するに米帝は、ウクライナ戦争でロシアが核を使用すると分析しているのだ。
 中国については、米帝の「対中戦略はいかなる限定的な核使用であっても、それによって中国が有利となると中国指導部に誤解させないようにすることだ」として、米帝は「核・非核の侵略に対し、断固として対応する用意がある」と明記している。ここでも米帝は核の先制使用で対応するとしている。
 ゼレンスキーはウクライナ東部・南部4州併合後の攻防戦の過程でNATOに対しロシアへの先制核攻撃を求めた。

米帝の核戦争計画と日本の最前線基地化

 米帝は10月15日、ウクライナ戦争のエスカレーションについての「あり得るシナリオ」と対応策の検討に入った。現情勢下での対応とは「核戦争計画」の具体化だ。
具体的には、ロシアは「ウクライナの人口密集地への核攻撃は命令せず」と「分析」しているが、ザポリージャ原子力発電所への核攻撃、高高度での核爆発などの命令は可能性ありとしている。米帝のこの分析が具体的に起こればロシアへの先制核攻撃が実施されることになる。米帝はヒロシマ・ナガサキへ核を投下した。

 これは米中戦争を見据えても、むしろ対中軍事戦略としても米帝軍事力の維持・強化という必要性からもロシアを徹底的にたたきつぶす必要に迫られている。
 誤解を恐れずに言えば「EABO(遠征前方基地作戦)」など米軍事力(通常兵器)による中国軍事力の第一列島戦内への封じ込めは、軍事的には相当、無理がある。通常兵器の配備だけでは不可能である。
 米帝はEABOの主力部隊ともいえる「海兵沿岸連隊(MLR)」を2020年に創設した。海兵隊が主力である。同連隊は三つの部隊(①沿岸戦闘チーム(LCT)、②沿岸対空大隊、③沿岸兵站大隊)で構成されるが、2030年までに戦車中隊を排除し、ティルトローター(オスプレイ)、重ヘリ飛行隊の削減、飛行中隊数を削減する、現役海兵隊員を今後の10年間で約1万6000人を削減するなどの新構想計画が出ている。削減された一部はドローン、無人兵器の配備に転換する(「Force Design2030」)。つまり最前線兵力の削減である。
 結論を言えば、米海兵隊などの最前線兵力の削減は核戦争を想定した計画への舵取りであることを意味する。在日・在韓米軍も再編計画でグアム基地などへ後退配備が進んでいる。したがって米帝にとって沖縄・南西諸島への自衛隊の最前線配備と日本全土の「不沈空母化」は米中戦争に不可欠となる。
 バイデンは「国家安全保障戦略(NSS)」で最も差し迫った戦略的課題として「権威主義的な統治と修正主義的な外交政策を重ねる大国」として、中国とロシアンへの対応を第一に押し出し、そのために日帝や豪州、NATOなどとの同盟強化を「最も重要で戦略的資産」と押し出した。その中身が日米軍事一体化・兵器・通信・情報の共通化、日本全土の「最前線基地化」だ。武器・弾薬・燃料の兵站補給基地の強化、ミサイル配備と核配備計画が2プラス2協議の下、水面下で激しく進行しているということだ。ウクライナ戦争におけるロシアの「補給・兵站」の破綻がプーチンの軍事戦略の破綻を引き出したという総括を反面教師としている。

 つまりウクライナ戦争で米中戦争における「日米の軍事と協力態勢の具体的強化」が喫緊の課題として急浮上したということ。米軍は現在、インド太平洋で対中戦争へむけ部隊を再編・分散させる戦略を推進している。核戦争計画の一方で、分散戦略は補給体制の複雑さが増し、その解決策の具体的態勢の早期構築が課題に挙がったということだ。ウクライナ戦争を見るまでもなく、「兵站・補給態勢」の「確立と維持」が戦況を大きく左右し、勝敗を決するのが戦争の常である。対中戦争に向け米帝が日米連携・一体化の強化に動き出しているのはそのためだ。
 米海兵隊総司令官・デビッド・バーガーは4月、訪問先のオーストラリアで、ロシアのウクライナ侵攻の教訓として、「補給・補給・補給だ!」と補給体制の重要性を真っ先に繰り返した。戦端が開けば「(部隊が)どれぐらい遠くに、どれぐらい早く行けるかを左右する。補給は最後に計画するものであってはならない」と強調し力説したが、インド太平洋地域ではいまだ確立できていない現実を認めているということだ。
 「高度なハイテク兵器」は弾薬や燃料が不足すれば兵器は無用の長物と化す。「完璧な作戦計画」があっても兵士に食料が届かなければ「士気が下がり作戦の実行」は危機に陥る。最も戦争に「大義」と「正義」がなければ「士気」は下がる。それが今のロシア兵だ。高額の傭兵も戦況が不利になれば士気は落ち、逃走する。その意味で一般的には「侵略する側」と「侵略される側」の士気は対極にあるともいえる。ロシア軍はウクライナの首都キーウ(キエフ)まで15キロメートルほどに迫ったが撤退を余儀なくされた。サイバーや宇宙に戦闘領域が広がり戦闘のハイテク化が進むなかでも、「戦闘の基本」である「補給体制の重要性」を浮き彫りにしたとして今、米帝は在日米軍基地への燃料・武器・弾薬・物資の補給を強化し始めている。

 海兵隊は「EABO(遠征前線基地作戦)」と呼ばれる戦略を進めている。戦端が開けば離島や沿岸部に分散して「臨時基地を設営」し、対艦ミサイル発射や防空、情報収集などの拠点とする。同じ拠点には短期間しか滞在せずに別の離島などに移動して新たな拠点をつくる。「俊敏に移動」しなければ敵のミサイル攻撃の対象になるのは必定。分散戦略は進めば進むほどに補給体制の難度は増す。多数の地点に部隊が分散すれば、それに合わせて「弾薬や燃料」、「食料」を供給する頻度や補給先が増え、かつ複雑になる。一段と緻密な補給・兵站体制を確立し、機能しなければ分散した部隊は壊滅するか敗走する。
 中国が保有するミサイルも大量で精度が上がっている。米軍は制空権や制海権を確保しなければ補給作戦とその活動は成立しない。米本土からの補給は、艦船が米西海岸から北東アジアへ移動する時間は3週間を要し、前線に接近し、中国のミサイルの射程内に入ればただちに標的となる。これは米議会でも前提として議論されている。米空母も例外ではない。前線に接近できない可能性も高くなる。「米国は海における明確な優位性を失ってきており、重大な状況や緊急時には米国は日本などの同盟国による補給支援の拡大を必要としている」(米ハドソン研究所)ということだ。だが、果たして可能か。
 日米は1月の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)後の共同文書で台湾有事を念頭に「緊急事態に関する共同計画作業の確固たる進展」を明記した。日米の軍事一体化と日帝の兵站・補給の全面的協力、日帝の参戦なくして台湾有事―米中戦争は成り立たない、という危機感に米帝は追い込まれているということである。米帝はその対策として日米(韓)軍事訓練を日に数か所の規模で実施し、平時から日本で燃料・兵器の備蓄を増やす、としている。反戦・反基地闘争の全国的展開で、戦争と核戦争計画を、断固、阻止しよう!

改憲と軍拡に突進する岸田政権を実力で打倒しよう

 円が一時150円に急落(20日)。貿易赤字11兆円75億円。上半期の赤字としては79年度以降で最大の事態だ。これまでの最大の赤字は2013年度下半期の8兆7601億円。22年度全体でも13年度の13兆7564億円を大幅に超え、最大を更新するのは確実の事態だ。金利を上げても日帝は別のジレンマに陥る。ウクライナ戦争と円安で物価の上昇に歯止めがかからなくなる。物価上昇による労働者民衆の負担に加え、円安がこのまま推移すれば、21年度比で家計負担は平均で約8万6000円増(ミズホリサーチ&テクノロジーズ試算)となる。これはシングルマザーや低所得者層にはさらに負担が増加する構造で生きていけないところに追い込まれることを示す。2年連続で女性の自殺が増加している。他方、ロシア国内で、世界で、女性の反戦決起が爆発している。戦争の時代は、特に女性と子供に犠牲と矛盾が集中する。資本主義・帝国主義など社会に根差す女性差別への怒りの爆発だ。性暴力に対する自衛隊内の女性兵士の怒りの決起。これも同様だ。怒りは行動として爆発する。

<電子署名サイトより>

 岸田は年末「安保3文書」の改定を強行し、米中戦争参戦へ「あらゆる選択肢を排除せず、防衛力を抜本的に強化する」と明言している。全土基地化、核の共有・配備はもとより、文言からすれば日帝独自の核保有も含まれている。一切は日帝支配階級と労働者階級民衆の力関係が決する。
 米帝の「堅固な同盟国」英帝のトラス首相がわずか1ヶ月で辞任に追い込まれた。米帝バイデンの没落も加速する。世界の労働者の国際連帯を強化し、ウクライナ戦争―世界核戦争をプロレタリア世界革命で阻止しよう!世界各国で自国の支配階級を実力で打倒する反帝国主義・反スターリン主義革命運動を拡げよう!チャンスだ!11・6国際労働者集会へ総結集しよう!世界から!ともに進撃しよう!