会報 第72号

Rise72号PDF版はこちらをクリック☞

巻頭言

戦争絶対阻止!沖縄・広島G7サミット決戦に総決起し、岸田政権を打倒しよう!

東京西部ユニオン(元自衛官) 杉橋幸雄

●階級的激突情勢を断固切り開こう!

 戦時下のウクライナを初めて訪問し公然と世界戦争推進に踏み込んだ岸田に対して無職の青年が“パイプ爆弾”を投げつけ大爆発した。岸田は銃殺された安倍の二の舞にはならなかったものの階級的激突情勢であることを激しく突き出した。杉並区議選投票日がいよいよ目前となった。ほらぐち候補を先頭とする選挙戦勝利に全力を投入し、絶対勝利をもぎり取り「帝国主義戦争を内乱へ」の闘いを断固発展させよう!

●世界戦争・核戦争を絶対阻止しよう!

 米欧帝国主義によるウクライナへの戦車供与と共にイギリスは劣化ウラン弾の供与を表明し、ロシア・プーチン政権はベラルーシに戦術核兵器の配備を表明、ウクライナ戦争は一気に核戦争へエスカレートしつつある。しかも米欧日帝国主義のロシアや中国への軍事経済制裁は「安全保障」どころか世界的インフレやエネルギー危機、食糧危機を生み出し、さらには米国防総省の機密文書が大量に流出し、戦時インフレを引き金とした米銀破綻の連鎖で大恐慌の再爆発と米帝の一層の没落は否応なく突き出され、日帝の貿易収支も過去最大の赤字となった。それ故に、世界戦争・核戦争にのめり込む以外に延命できないところに追い込まれ、世界の膨大な労働者民衆の命を奪っている。こうした現実に対し、フランス、イギリス、イタリア、アメリカ、そして日本でも帝国主義の足元から労働者階級の「戦争絶対反対!」「人間らしく生きさせろ!」のストライキ―実力闘争が爆発している。

●沖縄の軍事拠点化許さず、サミット粉砕・岸田政権打倒しよう!

 台湾・南西諸島沖においても米中の軍事対決、戦争情勢が激化し、日帝・自衛隊も沖縄を再び戦場にする中国侵略戦争への突入に向かって、住民の反対を押し切って石垣島へのミサイル基地開設など南西諸島の軍事拠点化と自衛隊の実戦部隊化を激しく押し進めている。絶対に許せない!
 そうした最中の4月6日、「最前線」となっている沖縄・宮古島沖で陸自ヘリが墜落し行方不明となった。乗員は3月末に着任したばかりの陸自第8師団長であり師団司令部や宮古警備隊長兼駐屯地司令など計10人を乗せた陸自第8師団のヘリコプターが墜落し、緊急通報装置もきかず全員行方不明となった。しかも自衛隊独自では捜索しきれず、海上保安庁や民間業者も導入され、4月20現在においても乗員全員はおろか機体の引き上げもこれからだ。日帝・自衛隊の面目は丸つぶれであり、米日帝の戦争計画にも大打撃となっている。
 さらには、アフリカ・スーダンで内戦が勃発し邦人救出で自衛隊輸送機が投入されようとしている。ジプチを拠点として陸自と空自の370人体制が組織された。人手不足の自衛官の任務は一層激化している。階級的労働運動と共に自衛隊解体・兵士獲得の闘いを押し進め、沖縄の軍事拠点化許さず、広島サミット粉砕・岸田政権打倒に断固突き進もう! (4月20日記)

 

日帝のウクライナ参戦を許すな!舞鶴を侵略戦争の出撃基地にするな!

改憲・戦争阻止大行進関西会員 N

世界戦争を引き寄せる岸田を倒せ

 3・20岸田のウクライナ訪問をもって、日帝は完全にウクライナ戦争の積極的推進者となりました。岸田首相が交戦国の一方を訪問し、戦地でゼレンスキーと会談して支援を表明することは「参戦」したに等しい行為です。岸田は日本の労働者階級人民総体を問答無用で戦争に引きずり込んだのです。階級の怒りを爆発させ、自覚的に恐るべき惨禍に叩き込もうとする岸田政権を打倒しましょう。
 防衛省は台湾有事を見据え、自衛隊4施設の司令部の地下化を2028年度までに進めると明言しました。海上自衛隊の舞鶴地方総監部は司令部地下化の対象施設であり、出撃基地・重要拠点となります。
 昨年11月、原発が立地する市町村で初めて、若狭湾の福井県大飯(おおい)町で、地上配備型の迎撃ミサイル、PAC3の訓練を自衛隊が実施しました。有事のインフラ防衛に自衛隊を活用するという「戦争国家」化を許さず、「危険な原発」を直ちに止めしょう。

2・19舞鶴集会とデモ

 京都・舞鶴市で「原発回帰・戦争国家を許すな!」2・19舞鶴集会とデモを80人が結集し、原発を無くせ、戦争をするなと声をあげ、闘いました。
 赤レンガ館での集会開始前にニュースビデオが上映され、戦争の実態と世界戦争の危機が映像で鮮明になりました。集会は京都府職労舞鶴支部書記長の中西健二さんの挨拶と司会で始まりました。冒頭、三里塚の強制執行を徹底弾劾し、三里塚に連帯して強制執行直後に出荷された産直野菜も、あっという間に完売したことが報告されました。2・19舞鶴集会 2月19日。舞鶴市赤レンガ館。

 ●集会の基調を舞鶴支部の長岡達也支部長が提起
 『戦争と原発を絶対に許さないという声を舞鶴から大きく上げてゆきましょう。原発、核、戦争ということが舞鶴の眼前で起きている。一つは老朽原発高浜原発1・2号機の再稼働の強行問題です。原発回帰路線を絶対許さない闘いを、ここ舞鶴から起こしていく。さらに福島の汚染水放出は絶対に許されない。その核心的狙いは福島の怒りを圧殺することにある』と喝破しました。
 『戦争国家の焦点になるのが、沖縄であり、この舞鶴。舞鶴基地司令部の地下化とイージス艦(あたご、みょうこう)にトマホークを配備し、舞鶴を軍都にしようとしている。絶対に阻止する』と高らかに宣言しました。
 『原発と日帝の核武装は一体であり、侵略戦争への道を決断した岸田政権は核を絶対手放さない。原発に反対することは国家という権力と資本との徹底した対決である。だからこそ、生半可な決意では闘えない。
 全世界の仲間たちと連帯して戦争反対の大運動を巻き起こしていきましょう。原発反対の根底にあるのは戦争絶対反対。自治体労働者が戦争反対で立ち上がれば、戦争は絶対に止められると、舞鶴も三里塚のように実力で闘いたい』と確信みなぎる基調報告でした。自衛隊舞鶴基地・桟橋前

 ●両親の戦争体験が戦争と原発絶対反対の原点
 福島県浪江町から希望の牧場代表の吉沢正巳さんが「カウゴジラ」で駆けつけ、舞鶴市内を街宣で走り回り、集会では、福島の現状を具体的に暴露してくれました。
 「満蒙開拓団」からシベリア抑留になった父親と家族のルーツを振り返り、戦争の時代に絶対に戻らない、そういう世の中のために、今、我々は生き残っていると戦争絶対反対の原点を述べられました。国家に見捨てられた開拓民の歴史と、今の福島切り捨てを重ね合わせ、戦争と原発を絶対許さないと強くアピールしました。
 『汚染水の海洋放出は絶対やめさせなければならない。国と東電は原発事故の責任を居直り、損害賠償を拒否し、福島県民の怒りを抑え込み、莫大な復興資金と保証金で買収し、原発政策の更なる推進のために復興キャンペーンを行っている。』
  “復興に向けての逆転ひねり技”と呼ぶ、復興キャンペーンの数々の具体的な事実が明らかされました。
 『3・11福島原発事故で、ものすごい放射能が流れた浪江の高瀬川。その水がおいしいということで浪江ウォターとして道の駅浪江などで販売。ところがその渓谷の魚は食べてはいけない。そこの魚はダメで、でも水は良いなど、ありえない復興キャンペーン。この水のどこが安全・安心なのか。』これらを“復興に向けての逆転ひねり技”と痛烈に批判し、中身のない復興のウソと真実が次々に語られました。
 『心の除染をして、思想を転換して復興にみんなで協力しよう、その復興に向ける絆という不思議な縛りががんじがらめに効いている。後ろを向くな、前を向け。』福島のいたたまれない現実と耐え難い怒りを鋭く突き出しました。自衛隊舞鶴基地・桟橋前

 元原発労働者の斉藤征二さんは戦争反対を全面的に訴えました。 父親が自分の生まれる前に戦死したことが自分の原点と語り、80歳を過ぎているが戦争を引き起こす権力者を打倒するまで闘うと訴えました。

 2人の渾身の熱い講演の後、京都府職の仲間が決意表明し、関西生コン支部の武谷新吾書記次長と愛媛県職員労働組合の中村圭司委員長が闘いの報告をしました。NAZEN関西の村山晃代表が3・11福島へ全力で結集しようと訴えました(編集部注:3・11反原発福島行動は全国から550名の結集で大成功)。最後に、全学連の京大生が強制執行阻止闘争の大勝利を報告し、逮捕された3学生の奪還へ全力で闘うと表明しました(編集部注:3学生は不起訴で奪還された)。
 いざ、参加者は自衛隊舞鶴基地へ向けてデモに出発しました。自衛隊桟橋前では、繋留中の護衛艦ひゅうが、イージス艦あたごへ向けて、「戦争は絶対あかん!自衛隊員は戦場に行くな、侵略戦争の拠点化を阻止するぞ」と強く呼びかけました。舞鶴地方総監部前では「司令部の地下化をするな」と弾劾しました。そして、軍需で生き残ろうとする民間の造船所に対して「自衛隊艦船の修理、さらにアメリカ艦船の修理を受け入れるな」と訴えました。
 戦争を内乱に転化する闘いの最前線は杉並決戦と大阪・高槻決戦です。ほらぐちともこ区議の必勝と村山ゆうこの当選をかけ、総決起しましょう。当選を実現し、5月G7広島サミット粉砕に攻め上りましょう(4・14記)。
(編集部注:大阪・高槻市議選で、村山ゆうこ氏は惜しくも当選には至りませんでした。)自衛隊舞鶴基地・桟橋前

成田空港撤去で岸田の戦争を止めよう!

婦人民主クラブ全国協議会東京南部支部・大野八千代

●三里塚強制執行は米中戦争参戦のため!

 2月15日夜、市東孝雄さんの畑に数百人の機動隊が突入し、農地強奪の強制執行を行った。機動隊と激突する学生や労働者を強制的に排除し、やぐらと看板を破壊した。100年耕し続けてきた畑を機動隊の出動靴が踏み荒らし、重機が作業場を取り壊した。絶対に許すわけにはいかない!国家権力による夜襲は、米中戦争を前に成田空港軍事化を急ぐ岸田政権の焦りであり、戦争反対の声が拡大することへの恐怖の表れだ。
 圧倒的多数の機動隊を投入した岸田政権に、農地強奪と軍事空港に反対して闘い続けてきた反対同盟、学生、労働者らは決死の覚悟で猛反撃した。特に、学生たちの「国家暴力には絶対に屈しない!」の決起が闘う人々の党派を越えた団結を作り出した。3人の学生が逮捕されたことで団結はより強固となった。もとより、学生は逮捕されることなど恐れてはいない。機動隊の夜襲は国家権力と闘う人々の糧となり、革命に向けた鍛錬の場となった。三里塚闘争は続く。市東さんのもうひとつの農地が誘導路の直線化を阻んでいる。農地を守るには成田空港を撤去するしかない。実力闘争で軍事空港撤去と戦争する自国政府打倒を勝ち取ろう!2・15三里塚 農地死守! 徹夜の激闘12時間

●三里塚から爆撃機を飛ばすな!

 戦闘機も爆撃機も滑走路が無ければ飛べない。航空基地への攻撃を想定し、ヨーロッパ諸国や中国、韓国、台湾など、道路を代替滑走路として整備する国は多い。自衛隊も滑走路復旧訓練を定期的に実施している。市東さんの農地強奪で「への字」誘導路を直線化すれば滑走路として転用できる。これに、第3滑走路増設、B滑走路と直線化した誘導路の延伸で、3000m以上の滑走路を4本とし、舗装を戦闘機のアフターバーナーによる高温や爆撃機の重量に耐えるよう補強する。そのうち1本は既に4000mのA滑走路で、B52戦略爆撃機の発進基地に供する長さだ。次いで、3000mに延伸した滑走路の着陸帯を、端から1000m、あるいは両端500mにすれば、実質4000m滑走路として運用できる。ここまで軍用に適した空港は、日本では成田空港しかない。北海道の千歳基地に着陸帯を含めると4000mになる滑走路があるが、冬は除雪作業に追われる。成田軍事空港撤去の闘いは、岸田の戦争を止める闘いなのだ。

●民間空港の軍事利用を阻止しよう!

 岸田政権は、自衛隊が民間の空港と港湾を平時から使いやすくするための法整備を進めている。航空自衛隊の拠点は73あるが、滑走路を持つのは17しかない。このうち、3000m以上の滑走路は千歳、三沢、那覇の3基地しかなく、B52戦略爆撃機の運用に供する4000m滑走路があるのは民間の成田空港と関西国際空港だ。また、航空機を所有する分屯基地は隣接する民間空港の滑走路を使用している。空自小牧基地は名古屋空港の滑走路を使っているが、1960年には全日空機と戦闘機が滑走路上で衝突し、客室乗務員1名と乗客2名が死亡している。軍民共用空港でなければ起きなかった事故だ。百里飛行場の軍民共用化では滑走路の増設と、大型ジェット機の重量に対応するために既設滑走路を補強した。茨城空港を隠れ蓑に、百里基地の軍事機能を強化したのだ。戦争準備は民間や公共の名の下で進むことを曝露して、戦争絶対阻止の闘いを拡大しよう。闘いは第二ラウンドへ。3・26芝山現地闘争

●日本を米軍の最前線基地にしない!

 米空軍の基地がミサイル攻撃される場合、最優先されるのは着弾までに可能な限り多くの爆撃機と空中給油機を避難させること。守るべきは人命ではなく、航空戦力なのだ。
 米空軍はグアムのアンダーセン空軍基地で展開していたB52を、ノースダコダ州マイノット空軍基地に移動した。中国・北朝鮮から射程が長い米本土に爆撃機を避難させたのだ。「戦略爆撃機を本土に常駐配備させて、海外拠点から展開させる」「同盟・パートナー諸国との相互運用態勢を構築」とのこと。つまり、偵察や出撃を他国の空港や基地からすることで、米軍基地への攻撃リスクを下げるのだ。
 このことは、南西諸島ミサイル基地化と密接に絡んでいる。中国の対米防衛線である第一列島線に沿って、馬毛島、奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島があり、自衛隊のミサイル部隊が続々と配置されている。敵基地攻撃用の長射程ミサイルも配備する。また、宮古空港、新石垣空港、与那国空港の滑走路を延伸、補強してF35戦闘機を離着陸できるようにする。日本は米軍の最前線基地になる。爆撃の標的となり、住民は犠牲になる。自衛隊も米軍も、作戦より住民の避難を優先することはありえない。このことを最もよく知るのは、南西諸島に赴任した自衛官だ。成田空港「機能強化案」。NAAのHPより

●岸田政権を打倒して戦争を止めよう!

 岸田政権は3000m滑走路がある下地島空港の軍事利用も狙っている。今年1月、米海兵隊が「人道支援と災害救援訓練」を理由に、下地島空港の使用申請をした。沖縄県は、下地島空港は民間航空機の利用に限るとした「屋良覚書」を根拠に自粛を要請し、米海兵隊は使用を見送った。そして、4月10日に在韓米軍のF16戦闘機がトラブルで僚機と共に下地島空港に緊急着陸した。本当にトラブルなのか疑わしい。いずれにせよ、在沖米軍基地が攻撃を受けた場合の代替滑走路として下地島空港を使いたいことは間違いない。平和・安全保障研究所は、一旦廃港にすれば覚書が無効になって自衛隊基地にできると提言している。大間違いだ!「屋良覚書」を締結させたのも、効力を発揮させているのも、軍事利用絶対反対で闘い続ける沖縄県民だ。
 岸田の命運はすでに尽きている。米中戦争で最前線に投入される自衛官に戦争阻止を一緒に闘おうと呼びかけよう!世界の労働者と戦争絶対反対でつながり、戦争する自国政府を打倒し、目前に迫る世界戦争を止めよう!(Yachiyo Ohno)

G7戦争サミット粉砕!今、求められているのはプロレタリア革命

滝山猛師

脆弱な国家と自衛隊組織

 安倍が銃撃され、南西諸島の侵略拠点を担う第8師団長と師団幕僚幹部ら5名、陸自宮古島駐屯地警備隊長、パイロット2名、整備士2名の計10名が墜落死、そして岸田政権に青年が爆発物の投擲で怒りを叩きつけるという、まさに日帝国家権力を根底から震撼させる事態が連続して発生している。これらは決して偶然ではない。根底にあるのは、日帝の危機を「改憲と戦争国家化」で強引に突破せんとする日帝支配階級に対する青年労働者の怒りの爆発であると同時に、国家と自衛隊組織の脆弱性だ。
 第8師団長以下、師団幕僚幹部5名が同時に自滅する事態は第8師団が事実上、壊滅したに等しい事態だ。自衛隊幹部OBらは「航空偵察」の在り方を擁護しているが「前代未聞」の事態だ。これが戦場ならば師団約6000~8000名の部隊は一瞬にして潰走に追い込まれる。

G7外相会談・声明は中国侵略戦争宣言

 G7議長国・日帝が軽井沢で外相会談を開催し「声明」を出した。中身は広島サミットを前にした新たな対中国侵略戦争「宣言」である。それを日帝が主催したのだ。徹底弾劾しなければならない。
 声明は、①中国に核戦力の透明性を突き付けている。米NSC(国家安全保障会議)は3月28日、新START(新戦略核兵器削減条約)に基づくロシアへの戦略核兵器の情報提供を停止した。ロシアはすでに2月、新STARTの履行停止を表明している。すでに米ロが決裂しているなかで中国に「核戦力の透明性」を要求するのは筋違いだ。
 ロシアは現在、約5970発(内配備数・1588発)の核弾頭を保有し、米議会が22年11月に公表した「中国の軍事力に関する年次報告」では、中国の核弾頭保有数が35年に現在の3倍以上に相当する1500発へ増加すると推計。米帝の保有数は約5428発(同・1744発)だ。米帝の「最大の脅威」が中国であると同時に核ミサイルによる「米本土への攻撃」である。
 ②中国に「ロシア支援の停止」を要求している。米欧のウクライナへの際限なき軍事支援こそがウクライナ人民に戦争の長期化と地獄のような泥沼化を押し付けている元凶である。だが追い込まれているのは米欧だ。「ウクライナでの弾薬の消費ペースは、現在の生産ペースの数倍。兵器産業に負担がかかっている」「大口径兵器向け弾薬の供給待ち期間は28カ月で、以前の12カ月から大幅に延びている」(NATO事務総長)。米帝が供与した地対空ミサイル「スティンガー」は13年分、対戦車ミサイル「ジャベリン」は5年分の生産量に相当する(米防衛大手レイセオン・テクノロジーズ)。仏防衛企業ネクスター・システムズによる大砲の砲弾製造が「ほぼ限界に達している」(フランス軍高官)。米帝は韓国から弾薬10万発を購入する事態に陥っている。ウクライナへの武器・弾薬支援で疲弊し、危機を深めているのは米欧帝国主義だ。戦車、戦闘機の供与は追い込まれている結果だ。
 ③中国の「一方的な現状変更の試みに強く反対する」。帝国主義戦後世界体制の崩壊という現実の中で「世界の盟主」という地位から脱落し、経済的軍事的に台頭した中国に対し巻き返しをかけた「現状変更の試み」を仕掛けているのが没落帝国主義アメリカだ。
 日帝はそれに追従・参戦することで延命しようとしている。そのための安保3文書の改訂、南西諸島と第一列島戦へのミサイル基地建設と部隊配備、敵基地攻撃能力の保有としてのトマホークの大量購入、ミサイルの長射程化、潜水艦とイージス艦の改良など、増税と軍事費の2倍化、軍事大国化と改憲=戦争国家化への突進だ。
 「法の支配に基づく国際秩序」とは、帝国主義支配体制の「護持」であり、それが崩れ、危機に瀕したときに戦争に訴えてでも「国際秩序の維持」を強化せんとするのが帝国主義支配階級である。だから打倒しなければならないのだ。
 ④声明は「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調し中国をけん制している。「台湾有事」を煽り、「中国の台湾侵攻」という24のシミュレーション(CSIS報告)まで公表し、台湾の勢力圏化を目指し世界各国の大半が認めている「一つの中国」を否定しているのは米帝だ。
 グローバル・サウスの動向とインドをめぐる米中の激突、没落米帝の中東・アフリカからの後退を衝いた中国の台頭という情勢の中で、G7声明は世界の対決構造の焦点が米中戦争を軸とする「インド太平洋」であることを改めて突き出した。

 誤解を予防するために。これらの見解は決して中国擁護ではない。ウクライナ戦争―世界核戦争の危機と新たな金融危機に始まる世界恐慌の爆発という「恐慌と戦争が相互促進的に進行」する現在の世界情勢危機の元凶が米帝をはじめとする帝国主義にあるということ。残存スターリン主義・中国は明らかに反労働者国家である。労働者階級人民にとって中国スターリン主義は打倒対象である。だが中国の経済的・軍事的台頭は米帝の没落という現実のなかで起きている世界の歴史的趨勢でもある。北朝鮮のミサイル発射やプーチン悪論、中国の経済と軍事力の台頭に危機感を煽り、避難場所すら確保されていない状況(都道府県と政令指定都市計67自治体の一時避難地下施設は4%)の中で、むやみやたらにJアラートを発動し、日本の労働者民衆に危機感と排外主義を煽っているのが岸田政権だ。これらは「国家暴力の発動」だ。年金改悪への38万人の戦闘的デモ。4月13日。パリ

自衛隊の包囲解体と兵士獲得の闘いを推し進めよう

 フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、韓国などで今、全世界でコロナとウクライナ戦争によるインフレ、物価・エネルギーの高騰による労働者民衆の怒り、社会保障の改悪・解体に対する怒りが数百万の労働者人民の内乱として爆発している。
 帝国主義と旧・残存スターリン主義ロシアと中国の戦後世界体制の破綻と矛盾のすべてが労働者民衆と兵士に犠牲転化されている。その犠牲転化がウクライナ戦争の長期化・泥沼化によってさらに拡大している。
 戦争は、兵士と労働者人民が侵略戦争の銃を握るのを拒否し、労働者民衆が戦争協力と戦争への動員命令を拒否し、国際反戦闘争と結合することで阻止できる。兵士は投獄を恐れずに民衆と他国の兵士に銃を向けることを拒否しよう。防衛出動と治安出動命令を拒否せよ。そして銃を帝国主義支配階級に向けよう。それがプロレタリア的正義の選択だ。帝国主義の侵略戦争を内乱に転化し、自国帝国主義を革命的暴力で打倒し、プロレタリア革命とプロレタリア独裁を引き寄せる闘いだ。世界の労働者階級人民は、職場で、地域で、街頭でウクライナ国際反戦闘争を爆発させ、帝国主義軍隊の基地、自衛隊、在日米軍基地を反戦旗、労組旗、全学連旗で包囲し、兵士に訴え、基地解体と兵士獲得の闘いを推し進めよう!今がそのチャンスである。

「敵基地攻撃能力保有」の裏で、施設と装備が劣化と不良

 周知のとおり岸田政権は「防衛力を抜本的に強化する」として、23年~27年度の5年間で43兆円を投じる。22年度の貿易赤字が21・7兆円と最大だ。増税が襲い掛かる。だが敵基地攻撃能力の保有というその裏では全国の自衛隊施設・装備品の劣化と不良に加え自衛官の待遇改善が停止状態だ。
 防衛省は「生活・勤務環境の改善」を掲げている。だが、北部方面隊(北海道)では、明治時代の築110年以上の建物を業務に使用し、築50年前後の宿舎も珍しくない。隊員家族宿舎は断熱悪く底冷えし、風呂場の給湯器レバーは凍結し着火しない。陸自苗穂分屯地(札幌)の会議に使用する木造平屋建ては1909年の建築物で「耐震構造に堪えない」(北部方面隊総監部)。野営で使う支給品のマットは寝つきが悪く、翌日の行動に支障をきたすとして多くの隊員が自費で購入しているのが現実だ。
 防衛省は宿舎・勤務棟を含め、全国の自衛隊施設約2万3千棟の内、4割の約9800棟は1981年の耐震強化基準以前の建築であり、旧日本軍時代に建設された施設が589棟あると認めている。
 「敵基地攻撃能力の保有」がすべてに優先され、整備不良や訓練不足が起きても不思議ではない。軍隊として機能しなくなる。

自衛官の中途退職が増加

 2009年から4000人前後で推移してきた自衛官の中途退職が17年度から増加し、21年度に5952人と急増した。退職者の最多が「曹」や「3尉」以上の実戦部隊の中核を担う階級だ。15年間で最多となっている。ソ連崩壊後NATOや米軍が兵力削減を進めてきた中でも自衛隊は削減せず兵力維持を続けてきた「唯一の軍隊」ともいえる。23万自衛隊の中で圧倒的に占めるのが「曹」「尉」クラスの「小・中隊指揮官」である。有事の際、新たに入隊させた新兵を訓練・指揮する下士官である。自衛隊の中核に位置する階級の中途退職は、「軍隊」としての「訓練」と「機能」低下に直結する。退職急増の背景が「任務激化に伴う心身の負担」、「ハラスメントの横行」とある。加重任務で自殺に追い込まれた2等陸尉(松山)もいる。 
 周知のように、15年安保関連法の強行成立以降、集団的自衛権の行使と日米軍事一体化の共同実動演習が激化し、南西諸島の拠点化が強行されている。併せて兵員の充足率低下を女性自衛官の増加で補い、18年12月に密室の潜水艦に女性自衛官を勤務させるため配置制限を全面的に撤廃した。女性自衛官は2022年3月末現在、約1・9万人(全自衛官の約8・3%)。21年度の防衛省・自衛隊内でのハラスメント相談件数は、16年度に比べ約9倍に増加した。事態は隊内矛盾の爆発だ。
 戦前の日本軍は、国内階級情勢と軍隊内からの反乱の決起に対し、1881年3月に憲兵創設、12月に陸軍・海軍刑法(軍人の政治関与の禁止・反乱の罪・抗命・上官暴行・結党などに重罰規定)制定し、82年1月、「朕は汝等軍人の大元帥なるぞ」なる天皇への絶対的忠節と上官への絶対的服従を規定した軍人勅諭を制定し、天皇と軍隊を直結する「天皇の軍隊」として確立した。軍政と軍令を分離し、天皇制と直結することで隊内階級矛盾の圧殺と軍規矛盾の「解決」をねらった。そして2月には、府県会規則の改悪を行い、現役軍人の選挙権・被選挙権を禁止した。
 現在、自衛隊員の選挙権は形式的には認められているが、それ以外の憲法で保障する基本的人権や思想・信条の自由、生存権、労働三権などすべて剥奪されている。隊内暴力支配による兵士運動・闘いの圧殺・封じ込め・排除は現在でも「天皇の軍隊」としての本質が自衛隊のなかに継承されているといえる。隊内からの反乱と決起の芽は渦巻いている。

労働者民衆、青年・学生の怒りを暴力革命へ

 世界を変革するのは古今東西を問わずその時代の青年・学生の力だ。今まさに求められているのは帝国主義とスターリン主義を根底から打倒し、プロレタリア独裁をつかみ取るための暴力革命だ。青年・学生の怒りは実力闘争として爆発する。G7広島戦争サミットを実力で粉砕しよう!
 労働者階級人民と革命的兵士が団結し、帝国主義支配階級を実力で打倒しよう!帝国主義の暴力機構―警察や軍隊の国家暴力を実力で粉砕して突き進む以外、いかなる方法もない。ともに進撃しよう!