会報 第69号

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巻頭言

戦争やめろ‼              労働者・兵士は国益・国境を越えて    団結しよう!

         東京西部ユニオン(元自衛官)杉橋幸雄

●新自由主義を終わらせる本格的闘いはこれからだ

 安倍「国葬」を粉砕した日本階級闘争の衝撃が全世界を駆け巡り、労働者民衆の新たな決起を生みだしています。支持率急落、歴史的な円安と世界的インフレにあえぐ日帝岸田政権・資本家階級に対する労働者階級の生き抜くための本格的闘いはいよいよこれからです。追い詰められているが故に、中国・北朝鮮脅威が声高に叫ばれ、防衛費の大増額や「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保持・強化を焦点とした「安保3文書」の改定をめぐり与党の協議が始まっています。

●大軍拡と弾圧強化の岸田政権を打倒しよう

 防衛省が発表した23年度予算の概算要求は過去最大の5兆5947億円であり、5年間で総額40兆円越えです。それは労働者民衆の生活を破壊し、同時に自衛隊の戦闘能力の質的・原理的転換をも一気に進めるものです。さらに、同概算要求には「防衛産業強化基金」が初めてもり込まれ、外国政府との交渉に政府が全面的に関与し、防衛産業への財政支援も強化するというのです。そして、先端の民生技術(AI・無人機・量子など)をも防衛分野で活用する為、24年度にも防衛装備庁に研究機関を新設する方針です。まさに中国や北朝鮮に対する侵略戦争を可能とする軍事力強化であり、絶対に許すことはできません。
 しかも、9月20日には「土地利用規制法」が全面施行されています。これは自衛隊や在日米軍基地、国境近くの離島、原発、空港や港湾などの重要インフラといった「安全保障上の観点から重要な場所」の周囲1㌔メートルを「注視区域」に指定し、その区域内の住民を監視・調査し、政府の判断で土地利用停止を命令し、従わなければ刑事罰まで科すという、まさに反戦・反基地闘争弾圧の治安法です。その矛先は南西諸島や沖縄の反戦・反基地闘争に向けられており、粉砕あるのみです。

●「自衛隊解体・兵士獲得」の闘いを推し進めよう

 そうした最中、元女性自衛官の五ノ井里奈さん(23)が在職中に男性隊員から性暴力を受けた問題が、彼女の公然たる決起によって帝国主義軍隊=自衛隊の隠蔽体質を打ち砕き、謝罪を勝ちとっています。彼女は「直接謝罪を受けることができたのは良かった。でも・・・許すつもりは全くありません」とキッパリと語り、「今はメディアでも取り上げてくれるが、いずれ忘れられる。そしてまた被害が生まれ、再び涙を流す女性が現れる。そんなことがないよう、根本的な改善を心から望んでいます」と述べています。
 ウクライナ戦争が世界戦争に転化し、日米の中国侵略戦争攻撃も激化している今日、「自衛隊解体・兵士獲得」の闘いが増々焦点化しつつあります。その闘いの内実に「女性解放闘争」をしっかりと位置付けることが決定的に求められていると思います。一切の階級的力を11・6の大爆発に集中し、国際連帯の下、闘う労働組合をよみがえらせ、新自由主義を終わらせる革命の時代を断固切り開いていきましょう!(10月20日記)

横須賀闘争の復権のために全力で闘おう!

       改憲・戦争阻止!大行進神奈川 品川孝司

<安倍国葬粉砕闘争 ・機動隊と衝突するデモ隊。9月27日。 東京・九段下>

 全学連・大行進の国葬粉砕の闘いは自民党=「勝共連合」との一体化を暴き出し、岸田政権を追い詰めています。岸田政権は、この闘いの高揚に対して、10月4日、1000キロメートルの宇宙空間を飛翔した北朝鮮のミサイル発射にJアラートを鳴らし中国脅威論「国防」論を煽り、「軍事費2倍化」「改憲」で延命するしかありません。2015年「安保関連法」反対闘争の悔しさをのりこえ、私たちが岸田政権を直接追い詰めていることが実感できる地平を遂に切りひらきました。
 国葬の翌日、9月28日、米副大統領ハリスは横須賀米海軍基地で「中国は軍事力と経済力を使って近隣諸国を脅し、おびえさせている」と排外主義をあおり、兵士を鼓舞激励しました。沖縄・琉球諸島の闘いと連帯し首都圏から反戦・反基地闘争を復権しよう。特に横須賀闘争の復権のために全力で闘おう!

<オスプレイ配備反対9・10木更津行動(木更津駅前から木更津駐屯地へのデモ)>

自衛隊員と住民の犠牲を前提にする「統合エアシーバトル構想」

 アメリカは「4年毎の国防見直し(QDR)」2010年版で中国の軍事力への警戒感を示し「統合エアシーバトル構想(Joint air sea battle concept)」を打ち出し、さらに、補強的に「海洋プレッシャー戦略」などの論議を踏まえて対中国戦争準備を進めています。
 九州から南西諸島を経て、フィリピン、カリマンタン島まで続く島嶼線を「第一列島線」とし、琉球諸島を「Ryukyus Barrier(琉球の防壁)」と呼び、「同盟国」とともにミサイル攻撃や対潜水艦戦、サイバー攻撃を駆使し、中国軍の艦船や航空機の東進を阻止して接近を阻み、「第一列島線」の西側を、「No Man’s Sea(無人海域)」にするのを第一段階の作戦としています。
 その作戦は、海空軍・電子戦などの後ろ盾(Outside)に日米の地上発射ミサイル、ロケット砲などの精密打撃ネットワーク(Inside‐Out Defense)を構築するものです。
 さらに、初期段階では、沖縄の米空軍嘉手納基地などは地理的に中国に近く、ミサイル攻撃を受けやすい「脆弱」な位置にあるため、在日米軍の主力である航空部隊はいったん分散退避することも検討されています。米中紛争が起きたら、まず、最前線で戦うのは日本の自衛隊と米軍の残留した海兵隊で、1~2ヶ月に及ぶ継戦力を要求されています。
 そして、経済封鎖などによって、長期戦に持ち込み中国を疲弊させるという戦略を打ち出しています。
 ここで重要な点は、米国が日本に核を持ち込むことと、EABOなど短距離ミサイルを保有する米陸軍の展開を前提にしています。
また、空母などは一旦グアムなどに退避して1~2ヶ月間沖縄・琉球諸島で自衛隊が戦うということです。そこでは自衛隊員も住民も犠牲にされます。
 そして、空母艦載機F‐18は空中給油を受けながら長距離攻撃を行い「懲罰」として中国本土への攻撃を行うことを視野にいれているという作戦です。
 米軍は日本を守らないこと、自衛隊は住民を守らないこと、日本政府は自衛隊員さえ犠牲にするということをはっきりさせる必要があります。軍需産業の儲けのために自衛隊の若き青年が命をかけるなどという無意味なことを絶対にやめさせなければなりません。

連合の産報化をのりこえ横須賀闘争の復権を!

 10月1日、横須賀ヴェルニー公園で神奈川平和運動センター・三浦半島地区労センター主催で「原子力空母ロナルド・レーガン横須賀配備抗議!母港撤回を求める10・1全国集会」が開催されました。主催者はコロナを口実にサイレントデモ方針を出していましたが、450人以上が結集し、現場労働者の戦争反対への怒りが示されました。

<原子力空母ロナルド・レーガン横須賀配備抗議!母港撤回を求める10・1全国集会>

 歴史的には沖縄返還闘争、本土での反基地闘争、ベトナム反戦闘争・戦車闘争、佐世保、横須賀への原子力潜水艦入港反対闘争の中で、1973年10月5日に米空母「ミッドウェー」が母港化されました。そして、ミッドウェー(73~91)、インデペンデンス(~98)、キティーホーク(~08)、原子力空母ジョージ・ワシントン(~15)、原子力空母ロナルド・レーガンと5隻に及ぶ長期間横須賀に居座っています。
 「母港化」によって、米軍人・軍属・家族の住宅問題・通学問題、艦戦修理廠の日米共同使用、基地内の日本人従業員の雇用・労働問題など、日米安保、地位協定、環境破壊、暴行事件など日常的な課題が山積しています。
 従来あった日教組の旗が、今年は遂に登場しませんでした。連合芳野会長の国葬出席は、日教組本部が反戦・反基地闘争から手を引き戦争教育に加担することです。
大行進は全学連先頭にオリンピック反対闘争、国葬反対闘争、沖縄闘争を牽引し、新たな反戦闘争の時代を切りひらいてきました。その中で、神奈川でも国葬反対キャラバンを展開し横須賀闘争の再建に向けて8月以降全力で闘い抜きました。
 10月1日当日は、全学連をはじめ、横田、木更津、朝霞、首都圏の大行進の仲間が駆けつけてくれました。デモは70人の隊列で太鼓のリズムを市内に響かせシュプレヒコールでアピールしました。実は集会参加者も「太鼓はいいね」「国葬反対の大衆闘争をやったからたくさん集まったね」「若い学生がいっぱいいていいね」とうれしそうに感想を伝えてきました。

 12・3横須賀闘争に結集を!

 横須賀では、特に海上自衛隊が侵略出撃部隊として強化されています。護衛艦「いずも」「かが」は空母化され、F‐35Bを搭載し、新型潜水艦「たいげい」は初めて対艦ハープーン・ミサイルを搭載し敵基地攻撃能力を付与されます。最新鋭大型ミサイルの格納が行われる比与宇(ひよう)弾薬庫。自衛艦隊司令部、潜水艦隊司令部、掃海隊群司令部など司令部機能を統合した作戦センターの新設など、全てが中国侵略戦争に向けた基地機能強化です。
 横須賀の幹線道路16号線では、日常的に、自衛隊車両、民間車両が数台も連なって武器、弾薬の輸送がおこなわれています。
 11月労働者集会を反戦集会として、万の結集を作り出しましょう。そして、横須賀の反戦・反基地闘争の復権によって中国侵略戦争をとめましょう。
 12月3日、大行進横須賀が主催して反戦集会とデモを行います。全国からの結集を呼びかけます。ともに闘いましょう!

<米日による中国侵略戦争とめよう!オスプレイ撤去!10・2横田反戦反基地デモ>

 

ウクライナ侵略戦争と中国侵略戦争を仕掛けているのは誰か

     迎賓館・横田爆取デッチ上げ元被告・板垣 宏

1.ウクライナ戦争は危機に立つ米帝の対中国侵略戦争へののめり込みを促進

 ウクライナ戦争は、米帝(EU帝)の「武器支援」=実質的参戦国化により泥沼化・長期化し、追い詰められたロシア・プーチン政権はますます絶望的で凄惨な市街地への攻撃を拡大、世界戦争(核戦争)への転化もしかねない情勢となっています。この情勢をもたらしたものは、米帝の没落・新自由主義の最後的破綻です。米帝は中国を叩き潰す以外に生き残れないと考え、まずはロシアを戦争に引きずり込むことで、中露間を分断し、中国を孤立させた上で叩き潰す戦略を構想しています。これがウクライナ戦争の本質であり、新自由主義の崩壊的危機に立つ米帝の対中国侵略戦争へののめり込みを促進しています。私たちは、労働者階級の国際連帯と反戦・反核闘争でこの戦争を阻止しなくてはなりません。

2.中国は「国際秩序を変える能力と意図を持ち、そのためのより大きな経済力、外交力、軍事力を持っている唯一の競争相手」

 バイデン政権が2021年3月に発表した国家安全保障戦略暫定指針(以下「暫定指針」という)において、インド太平洋地域と欧州地域における米軍のプレゼンスを最重視する方針を表明し、特に、中国について、「安定し開かれた国際システムに対して持続的に挑戦する能力を秘めた唯一の競争相手」と位置づけ、長期的に対抗していく考えを示したことでも明らかです。また、この考えは2022年10月12日に公表された「国家安全保障戦略」においても、➀ロシアは、「今日の国際秩序の基本法を無責任に損ね、自由で開かれた国際システムに対する直接的な脅威となっている」、➁中国は「国際秩序を変える能力と意図を持ち、そのためのより大きな経済力、外交力、軍事力を持っている唯一の競争相手」と重ねて明記されていることでより鮮明に示されています。

3.ウクライナ戦争はNATOの東方拡大が元凶

 ウクライナ戦争については、日帝・岸田政権や野党、マスコミも含めてロシア非難一色に染め上げられていますが、東欧において一貫して戦争を挑発してきたのは米帝(とEU諸国帝)です。「前進」(3239号・2022年4月11日付)「戦争の元凶は帝国主義だ 反帝・反スタ世界革命のみが世界戦争・核戦争阻止する道」は次のように述べています。
 同紙は、NATOが、「ソ連の侵略に対抗する」という口実のもと、帝国主義諸国の軍隊の中で圧倒的・絶対的な実力をもつ米軍をヨーロッパ各国に展開することを法制度的に可能とするものとして、「1949年に結成された巨大軍事同盟」であり、「日米安保条約と並んで、米帝を基軸とする帝国主義戦後世界体制の最も重要な軍事的支柱をなしてきた」。「米帝(とNATO)は、「『緩衝地帯』とされてきた東欧諸国を次々と加盟させた。99年から2020年までの5次におよぶ東方拡大で加盟国は16カ国から30カ国へと膨張」した。そして、この東方拡大は極めて暴力的で犯罪的な人民虐殺の侵略戦争を伴い、「1999年の旧ユーゴスラビアへのNATO軍の空爆では、78日間で総計1万回以上もの爆撃が行われ、民間人だけで死者1500人以上、負傷者は5千人以上に達し、150万人が避難民となった。またNATO側が認めただけでも約3万1千発もの劣化ウラン弾が使用され、想像を絶する放射能汚染が広がった。2001年以降20年にわたるアフガニスタン侵略戦争にも参戦した。それらは、バイデンや岸田がロシアを非難して言う『戦争犯罪』『力による現状変更』以外のなにものでもなかった」とその歴史的背景を明らかにしています。
 さらに現在、ウクライナ、ジョージア、フィンランド、スェーデンのNATO加盟という攻撃が突き付けられるに及んで、ロシア・プーチンは完全に追い詰められてウクライナに侵攻したのです。

4.中国への米帝の戦争挑発「クアッド」と「AUKUS(オーカス)」そして「台湾政策法案」の可決

 東アジアにおいて米帝バイデン政権は、ペロシ下院議長の台湾訪問を強行し、さらに「台湾政策法案」を米上院外交員会が9月14日に可決しました。従来の「一つの中国」政策から大転換し、台湾を「一つの国」と見なすもので中国侵略戦争の表明にほかなりません。事実、バイデンは9月18日に米CBSの番組で、「台湾が攻撃された場合米軍が台湾を守るか」との質問に対し「イエス」と答えています。
 2021年9月、日本・米国・オーストラリア・インドの4ヵ国が「クアッド」(日米豪印戦略対話)を設立。「自由で開かれたインド太平洋」へのコミットメントを確認し、同月、米国・オーストラリア・英国の3ヵ国は、インド太平洋地域における外交、安全保障、防衛の協力を深めることを目的とした新たな安全保障協力の枠組みとなる「AUKUS(オーカス)」(軍事同盟)=「アジア版NATO」の設立を発表しています。
 2022年版防衛白書には「主な日米共同訓練の実績」として、2021年度に大小の日米共同訓練が、陸海空自によりそれぞれ毎月、数回、日本海、沖縄周辺、東中国海(東シナ海)、南中国海(南シナ海)、インド洋、グアム西方、オーストラリア北方などで繰り返していることが明記されています。これに米帝は、空母「カール・ヴィンソン」、「エイブラハム・リンカーン」、「ロナルド・レーガン」、強襲揚陸艦「アメリカ」、「エセックス」、ドック型揚陸艦「パール・ハーバー」、「ニューオリンズ」、「グリーン・ベイ」、「アシュランド」などの主力艦。B―52戦略爆撃機、最新鋭のステルス戦闘機F―35A及びBなどが参加、圧倒的な軍事力を誇示して、中国を挑発しています。


 今年に入っても、米軍だけでも1万人以上が参加した、日米共同訓練「ノーブル・フュージョン2022」が2月3~7日に小規模部隊を分散展開させる新たな「遠征前方基地作戦」を含む共同訓練を、沖縄の宮古海峡付近などで自衛隊と合同で実施したのを始めとして、8月中旬からは離島防衛を想定した日米共同訓練「オリエント・シールド」が行われハイマースが奄美大島に初めて展開しました。また、10月1~10日には米原子力空母「ロナルド・レーガン」などが参加して日本海を含む日本周辺の海域での日米共同訓練が行われるなど、より一層活発な戦争挑発が行われています。
 政府・野党を含む既成の政治勢力、マスコミは、盛んに中国の軍事費の急激な拡大(それでも米軍事予算の1/3でしかありません)や、軍事力の強化、日本海や南中国海での中国軍の活動、戦略ミサイルの発射などを取り上げて、「力による現状変更」であると非難しています。しかし、それらは上記のように圧倒的な軍事力を展開して「力による現状変更」を推し進めているのは米(日)帝であり、中国残存スターリン主義・習近平はこれに反労働者的な戦争政策をもって受動的・対抗的に対応しているに過ぎません。それ自体、許せませんが、戦争挑発の元凶は米日帝にあることは明白です。

5.戦争を直ちに終わらせる労働者階級の国際連帯・反戦闘争を

 帝国主義戦争を終わらせるには、労働者階級の国際連帯による反戦闘争・祖国敗北主義によって自国政府・帝国主義(及び中ソ残存スターリン主義)を打倒するプロレタリア革命以外にありません。(了)

世界戦争の危機を        プロレタリア世界革命へ!

                     滝山猛師

戦争か、革命か

 ロシアのウクライナ侵攻から8ヵ月、クリミヤ併合から捉えれば8年超。すでに泥沼化しているウクライナ戦争は核戦争の危機に世界を引きずり込もうとしている。情勢は全労働者民衆に「戦争か、革命か」、というこの二者択一を改めて突きつけている。誰が見てもウクライナ戦争は米帝(EU)対ロシア(中国)の全面戦争への道を進んでいる。

世界核戦争の危機と、米帝の対ロシア・中国核戦争戦略

 ロシアのウクライナ侵攻直後から戦争が核戦争へとエスカレートする危険性は多く指摘されてきた。それはロシア・プーチンの核戦略ドクトリンでロシアの領土が通常兵器による攻撃で脅かされる事態には核兵器を使用すると規定し、さらにプーチン自身が「核の使用」を公言しているからだ。
 それだけではない。核拡散防止条約(NPT)再検討会議は8月、核兵器保有国に「先制不使用」宣言を促したが、その文言を削除し核の先制使用を事実上認めた。また米帝の「NPR2018」では、「核攻撃の抑止は核兵器の『唯一の目的』ではない」と断言し、「究極の状況」では核を使用するとした。「究極の状況」とは、核によらない重大な戦略攻撃、つまり米帝や同盟国、パートナー国の民間人・インフラに対する攻撃、核戦力に対する攻撃、核戦力の指揮統制・警戒・攻撃評価能力に対する通常兵器やサイバー攻撃に対しても核の先制使用を容認した。同時に、オバマ大統領が任期末に検討した「核の先制不使用(NFU)」についても、同盟国やパートナー国への抑止と安心を担保する上で、現在米帝がNFUを採用することは正当化されないと核の先制不使用を排除した。バイデンもこれを引き継いでいる。
 NPR2018では、ロシア、中国、北朝鮮、イランの4ヵ国を対象とした各国別の戦略を明記している。
 ロシアについては、限定的な核の先制使用を行う可能性を示唆している。つまりロシアは状況をエスカレートさせることで、最終的にロシアにとって望ましい形で戦争を終結する戦略をとっていると分析している。そのうえで米帝の戦略核3本柱、NATOの戦術核、英仏の核戦力を組み合わせた「核と通常戦力」で対ロシア態勢を維持するとしている。要するに米帝は、ウクライナ戦争でロシアが核を使用すると分析しているのだ。
 中国については、米帝の「対中戦略はいかなる限定的な核使用であっても、それによって中国が有利となると中国指導部に誤解させないようにすることだ」として、米帝は「核・非核の侵略に対し、断固として対応する用意がある」と明記している。ここでも米帝は核の先制使用で対応するとしている。
 ゼレンスキーはウクライナ東部・南部4州併合後の攻防戦の過程でNATOに対しロシアへの先制核攻撃を求めた。

米帝の核戦争計画と日本の最前線基地化

 米帝は10月15日、ウクライナ戦争のエスカレーションについての「あり得るシナリオ」と対応策の検討に入った。現情勢下での対応とは「核戦争計画」の具体化だ。
具体的には、ロシアは「ウクライナの人口密集地への核攻撃は命令せず」と「分析」しているが、ザポリージャ原子力発電所への核攻撃、高高度での核爆発などの命令は可能性ありとしている。米帝のこの分析が具体的に起こればロシアへの先制核攻撃が実施されることになる。米帝はヒロシマ・ナガサキへ核を投下した。

 これは米中戦争を見据えても、むしろ対中軍事戦略としても米帝軍事力の維持・強化という必要性からもロシアを徹底的にたたきつぶす必要に迫られている。
 誤解を恐れずに言えば「EABO(遠征前方基地作戦)」など米軍事力(通常兵器)による中国軍事力の第一列島戦内への封じ込めは、軍事的には相当、無理がある。通常兵器の配備だけでは不可能である。
 米帝はEABOの主力部隊ともいえる「海兵沿岸連隊(MLR)」を2020年に創設した。海兵隊が主力である。同連隊は三つの部隊(①沿岸戦闘チーム(LCT)、②沿岸対空大隊、③沿岸兵站大隊)で構成されるが、2030年までに戦車中隊を排除し、ティルトローター(オスプレイ)、重ヘリ飛行隊の削減、飛行中隊数を削減する、現役海兵隊員を今後の10年間で約1万6000人を削減するなどの新構想計画が出ている。削減された一部はドローン、無人兵器の配備に転換する(「Force Design2030」)。つまり最前線兵力の削減である。
 結論を言えば、米海兵隊などの最前線兵力の削減は核戦争を想定した計画への舵取りであることを意味する。在日・在韓米軍も再編計画でグアム基地などへ後退配備が進んでいる。したがって米帝にとって沖縄・南西諸島への自衛隊の最前線配備と日本全土の「不沈空母化」は米中戦争に不可欠となる。
 バイデンは「国家安全保障戦略(NSS)」で最も差し迫った戦略的課題として「権威主義的な統治と修正主義的な外交政策を重ねる大国」として、中国とロシアンへの対応を第一に押し出し、そのために日帝や豪州、NATOなどとの同盟強化を「最も重要で戦略的資産」と押し出した。その中身が日米軍事一体化・兵器・通信・情報の共通化、日本全土の「最前線基地化」だ。武器・弾薬・燃料の兵站補給基地の強化、ミサイル配備と核配備計画が2プラス2協議の下、水面下で激しく進行しているということだ。ウクライナ戦争におけるロシアの「補給・兵站」の破綻がプーチンの軍事戦略の破綻を引き出したという総括を反面教師としている。

 つまりウクライナ戦争で米中戦争における「日米の軍事と協力態勢の具体的強化」が喫緊の課題として急浮上したということ。米軍は現在、インド太平洋で対中戦争へむけ部隊を再編・分散させる戦略を推進している。核戦争計画の一方で、分散戦略は補給体制の複雑さが増し、その解決策の具体的態勢の早期構築が課題に挙がったということだ。ウクライナ戦争を見るまでもなく、「兵站・補給態勢」の「確立と維持」が戦況を大きく左右し、勝敗を決するのが戦争の常である。対中戦争に向け米帝が日米連携・一体化の強化に動き出しているのはそのためだ。
 米海兵隊総司令官・デビッド・バーガーは4月、訪問先のオーストラリアで、ロシアのウクライナ侵攻の教訓として、「補給・補給・補給だ!」と補給体制の重要性を真っ先に繰り返した。戦端が開けば「(部隊が)どれぐらい遠くに、どれぐらい早く行けるかを左右する。補給は最後に計画するものであってはならない」と強調し力説したが、インド太平洋地域ではいまだ確立できていない現実を認めているということだ。
 「高度なハイテク兵器」は弾薬や燃料が不足すれば兵器は無用の長物と化す。「完璧な作戦計画」があっても兵士に食料が届かなければ「士気が下がり作戦の実行」は危機に陥る。最も戦争に「大義」と「正義」がなければ「士気」は下がる。それが今のロシア兵だ。高額の傭兵も戦況が不利になれば士気は落ち、逃走する。その意味で一般的には「侵略する側」と「侵略される側」の士気は対極にあるともいえる。ロシア軍はウクライナの首都キーウ(キエフ)まで15キロメートルほどに迫ったが撤退を余儀なくされた。サイバーや宇宙に戦闘領域が広がり戦闘のハイテク化が進むなかでも、「戦闘の基本」である「補給体制の重要性」を浮き彫りにしたとして今、米帝は在日米軍基地への燃料・武器・弾薬・物資の補給を強化し始めている。

 海兵隊は「EABO(遠征前線基地作戦)」と呼ばれる戦略を進めている。戦端が開けば離島や沿岸部に分散して「臨時基地を設営」し、対艦ミサイル発射や防空、情報収集などの拠点とする。同じ拠点には短期間しか滞在せずに別の離島などに移動して新たな拠点をつくる。「俊敏に移動」しなければ敵のミサイル攻撃の対象になるのは必定。分散戦略は進めば進むほどに補給体制の難度は増す。多数の地点に部隊が分散すれば、それに合わせて「弾薬や燃料」、「食料」を供給する頻度や補給先が増え、かつ複雑になる。一段と緻密な補給・兵站体制を確立し、機能しなければ分散した部隊は壊滅するか敗走する。
 中国が保有するミサイルも大量で精度が上がっている。米軍は制空権や制海権を確保しなければ補給作戦とその活動は成立しない。米本土からの補給は、艦船が米西海岸から北東アジアへ移動する時間は3週間を要し、前線に接近し、中国のミサイルの射程内に入ればただちに標的となる。これは米議会でも前提として議論されている。米空母も例外ではない。前線に接近できない可能性も高くなる。「米国は海における明確な優位性を失ってきており、重大な状況や緊急時には米国は日本などの同盟国による補給支援の拡大を必要としている」(米ハドソン研究所)ということだ。だが、果たして可能か。
 日米は1月の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)後の共同文書で台湾有事を念頭に「緊急事態に関する共同計画作業の確固たる進展」を明記した。日米の軍事一体化と日帝の兵站・補給の全面的協力、日帝の参戦なくして台湾有事―米中戦争は成り立たない、という危機感に米帝は追い込まれているということである。米帝はその対策として日米(韓)軍事訓練を日に数か所の規模で実施し、平時から日本で燃料・兵器の備蓄を増やす、としている。反戦・反基地闘争の全国的展開で、戦争と核戦争計画を、断固、阻止しよう!

改憲と軍拡に突進する岸田政権を実力で打倒しよう

 円が一時150円に急落(20日)。貿易赤字11兆円75億円。上半期の赤字としては79年度以降で最大の事態だ。これまでの最大の赤字は2013年度下半期の8兆7601億円。22年度全体でも13年度の13兆7564億円を大幅に超え、最大を更新するのは確実の事態だ。金利を上げても日帝は別のジレンマに陥る。ウクライナ戦争と円安で物価の上昇に歯止めがかからなくなる。物価上昇による労働者民衆の負担に加え、円安がこのまま推移すれば、21年度比で家計負担は平均で約8万6000円増(ミズホリサーチ&テクノロジーズ試算)となる。これはシングルマザーや低所得者層にはさらに負担が増加する構造で生きていけないところに追い込まれることを示す。2年連続で女性の自殺が増加している。他方、ロシア国内で、世界で、女性の反戦決起が爆発している。戦争の時代は、特に女性と子供に犠牲と矛盾が集中する。資本主義・帝国主義など社会に根差す女性差別への怒りの爆発だ。性暴力に対する自衛隊内の女性兵士の怒りの決起。これも同様だ。怒りは行動として爆発する。

<電子署名サイトより>

 岸田は年末「安保3文書」の改定を強行し、米中戦争参戦へ「あらゆる選択肢を排除せず、防衛力を抜本的に強化する」と明言している。全土基地化、核の共有・配備はもとより、文言からすれば日帝独自の核保有も含まれている。一切は日帝支配階級と労働者階級民衆の力関係が決する。
 米帝の「堅固な同盟国」英帝のトラス首相がわずか1ヶ月で辞任に追い込まれた。米帝バイデンの没落も加速する。世界の労働者の国際連帯を強化し、ウクライナ戦争―世界核戦争をプロレタリア世界革命で阻止しよう!世界各国で自国の支配階級を実力で打倒する反帝国主義・反スターリン主義革命運動を拡げよう!チャンスだ!11・6国際労働者集会へ総結集しよう!世界から!ともに進撃しよう!

 

11・6全国労働者集会へのビラ

 

11・6全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人大行進が、東京・日比谷野外音楽堂に全国から2200人の労働者人民が結集して開かれました。ウクライナ戦争が泥沼化・長期化し、日米帝国主義は「台湾有事」を口実に中国への侵略戦争を構えています。世界戦争・核戦争の危機に労働者人民がどう立ち向かうのかが鋭く問われる中で集会は開かれました。私たち労働者兵士行動委員会は、参加者に下記ビラを配りました。

■2022・11・6 「Rise」ビラPDFはこちらをクリック☞

世界核戦争を国際反戦闘争で阻止しよう

 戦術核の使用が当たり前のように公言される時代になっている。そこまで帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制の崩壊が末期に至っていることを示している。
 ロシアの「核戦略ドクトリン」は核の先制攻撃を認め、プーチンは核攻撃を公言して憚らない。ゼレンスキーはNATOにロシアへの核の先制攻撃を要求した。そして米バイデンは27日、NPR(核態勢見直し)で核を国家の最優先事項とし、核の先制攻撃を排除しないことを発表した。これらはウクライナ戦争の長期化と泥沼化の先に核の先制攻撃の危険性が限りなく高まっていることを示している。それは第三次世界核戦争である。何としても労働者階級人民の国際反戦闘争の爆発と国際連帯の強化で阻止しなければならない。そしてそれは可能だ。なぜなら労働者階級人民には世界戦争の危機を革命に転化する実力がある。

今こそ反帝国主義・反スターリン主義世界革命を!

 世界の人口の中で一握りの 勢力でしかない支配階級が「国家・国益・国民」を守るというペテンのもとで膨大な人民を虐殺するのが戦争である。資本家の利益を貪るための殺し合いに動員されるのがその国の兵士と労働者民衆だ。ウクライナ戦争はロシア・ウクライナ双方が「国家の利益を守る」として長期化し、米欧が加担することで泥沼化し、核戦争の危機を高めている。
 戦争は革命によってしか阻止できない。世界戦争はプロレタリア世界革命によってしか阻止できない。そして革命は、侵略戦争を内乱に転化する戦いによってしか勝利しない。 内乱は労動者階級人民の実力闘争である。資本主義に労働強化と非正規化で強搾取されているすべての労働者は国籍・民族・人種を超えた被抑圧階級として世界で唯一、単一の階級である。だから国境や民族・人種を超えて国際的に団結し、世界の労働者と熱い連帯の握手ができるのである。それが労働者階級人民―プロレタリアートだ! 
 労働者階級の自己解放をかけたプロレタリア世界革命は、戦後世界を支配し世界核戦争の危機にまで行きついている米欧帝国主義と旧スターリン主義・ロシア、残存スターリン主義・中国を打倒することによってしか勝利できない。それが反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命である!

職場からの反戦闘争で中国侵略戦争を阻止しよう

 実力闘争は職場・地域の反戦政治闘争で培い、養うことができる。階級的労働運動を職場に復権させるチャンスだ!職場から国際反戦闘争を組織し、侵略戦争を阻止しよう!

 

日・米・韓 軍事体制の強化を阻止しよう!
 
 米帝と韓国・尹錫悦政権は北朝鮮のミサイル発射を口実にB1B核戦略爆撃機も投入した黄海、東中国海、日本海で大規模軍事演習を繰り返している。日本海では日米韓の対潜水艦作戦の共同軍事演習が実施された。本日、海自の国際観艦式へ韓国軍が7年ぶりに参加している。尹錫悦政権は、文在寅前政権が2019年に破棄を通告した日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の運用協議を開始するなど、日米韓軍事体制の強化へ動きだしている。これらの動きの根底にあるのが台湾有事―米中戦争に備えた対中国(ロシア)軍事態勢の強化だ。岸田政権や尹錫悦政権は米中戦争に参戦し、世界の労働者民衆を世界核戦争という地獄の道に引きずりこもうとしている。労働者は戦争動員を拒否し、侵略戦争と世界核戦争を断固、阻止しよう!兵士は侵略戦争の銃を握るな!侵略戦争への出動命令を拒否せよ!兵士は国際反戦闘争への治安出動命令を拒否せよ!
 世界の労働者は国際連帯を強化し、自国政府の侵略戦争を内乱に転化し、打倒しよう! 兵士は労働者と団結し、ともに闘おう!

大軍拡と戦争に突進する岸田を倒そう!

 岸田政権は安保3文書の改定とともに陸海空3自衛隊の運用を一元的に統制する「統合司令部」と作戦を指揮する「統合司令官」を2024年に新設する。目的は、台湾有事―中国侵略戦争を見据えた日米帝国主義の対中軍事戦略のすり合わせや、最前線での米軍との作戦指揮の一体化だ。自衛隊法も改悪する。改定安保3文書に盛り込む。
 現行制度では3自衛隊を統合して動かす組織は「統合幕僚監部」の運用部門だ。これらが3自衛隊に個別に指示・命令を下していた。戦時下の統合命令・統合指揮体制への転換だ。防衛省はバラバラであった日米の武器・弾薬・情報通信機器、IT兵器などの日米一体化を進め、米軍との一体化と有事におけ武器弾薬の補給を可能とする基盤整備を推進してきた。今回、米軍との軍事戦略と作戦指揮をとる統合司令部と統合指揮官体制の新設は世界戦争への参戦を意味する。情勢はそこまで来ている。米日帝国主義の中国侵略戦争を阻止し、改憲と大軍拡―侵略戦争国家体制に突進する岸田政権を労働者民衆の怒りと実力で打倒しよう!                         

                                                                                            2022年11月6日

会報 第68号

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巻頭言

国を守るな!命を守れ!自国政府を打ち倒し、社会を変えよう    

東京西部ユニオン(元自衛官)杉橋幸雄

 

◆戦争やめろ!帝国主義にもスターリン主義にも未来はない!

 広島・長崎への原爆投下から77年。77年経っても世界から戦争も核兵器もなくなるどころか、ウクライナ戦争が世界戦争に転化し、核戦争になりかねない事態です。一切の元凶は没落米帝の巻き返しをかけた対中国侵略戦争への歴史的踏込であり、それが今や、帝国主義陣営と新旧スターリン主義陣営の世界戦争に転化し、核戦争の危機を激しく引き寄せ、その矢面に労働者・兵士たちが否応なく立たされ、殺し合い・奪い合いを強いられています。帝国主義にもスターリン主義にも未来など絶対にありません!こんな現実は一刻も早く終わらせなければなりません。こうした危機的事態に、世界各地で、そして日本においても戦争に反対し社会の根底的変革をめざす労働者階級の闘いが増々爆発しています。

 

◆自衛官は侵略戦争の銃を握るな!団結して戦争を止めよう!

 この狭い地球上で核武装までして戦争をすることなど絶対に許されないことです。にもかかわらず、米帝は核戦争をも想定し、米日一体となって中国侵略戦争を急ピッチで準備しています。その最前線が沖縄であり先島諸島です。ウクライナでは核戦争を避ける行動をとってきた米帝は、対中国戦争となればそうはいかない事を「百も承知」です。実際、戦術核弾頭搭載可能の中距離ミサイル配備を開始しており、核戦争を想定したエアシーバトルと一体で米海兵隊と自衛隊を中心とするEABO(機動展開前進基地作戦)の実戦訓練が昨年来から展開されています。今度ばかりは自衛隊は「後方支援」では済まされません。しかも、米ペロシ下院議長に続き米国議員団の台湾訪問もあり、中国は激甚に反応し「台湾有事」が増々現実味を増し、一触即発の事態です。一旦始まった戦争はそう簡単には止められません。だからこそ今、軍服を着た労働者=自衛官の皆さんに強く訴えたいと思います。全ての自衛官は戦争命令を拒否し闘う労働者民衆と団結しよう!団結して戦争を止めよう!

 

◆自国政府を打ち倒し、人間らしく生きられる社会をめざそう!

 世界戦争・核戦争の危機の下で安倍銃撃死と旧統一教会との歴史的な癒着関係を突きつけられ、追い詰められている日帝・岸田政権は、第2次岸田内閣を「有事の政策断行内閣」として「安倍国葬」を突破口に改憲・戦争国家化・中国侵略戦争に突き進もうとしています。断じて許せません!「安倍国葬」攻撃を打ち破り、改憲と戦争に突き進む岸田政権を絶対に打倒しようではありませんか!いっさいは「戦争絶対阻止!」の日本の労働運動・階級闘争にかかっています。全国の労働者・学生・市民・兵士の団結した力で排外主義・総翼賛化攻撃を打ち破り、呼びかけ3労組を基軸に11・6全国労働者集会の大成功をかちとりましょう!国際連帯をいっそうかちとり、世界の労働者・兵士の団結で新自由主義を終わらせ、人間らしく生きられる社会を断固、創造していこうではありませんか!

 

侵略の銃をとるな 兵士の命を守ろう                        舞鶴の海上自衛隊「展示訓練」反対、響き渡る                                                                                                                                                                                                                                                                          

改憲・戦争阻止!大行動・関西N

 

◯舞鶴を中国侵略戦争の出撃基地にするな!

 7月16日、「展示訓練」反対の集会後、直ちにデモを叩きつけ、岸田政権と海自の目論見を打ち砕きました。午後3時頃、「展示訓練」を終え、ちょうど帰港した護衛艦。その甲板に出ている大勢の自衛隊員と参加者、そして北水桟橋の水兵に向かって戦争反対・改憲阻止の声をあげ、「国を守るな、命を守れ!」と強く訴えました。
 翻る労働組合の旗を先頭に、「自衛隊の兵士の皆さん!侵略戦争の銃を中国や朝鮮のきょうだいに向けないでください。舞鶴から侵略戦争の出兵を拒否しよう。自衛官と労働者は団結して、戦争に反対しましょう!」と呼びかけました。
 ウクライナ戦争は世界戦争の始まりであり、そして中国への侵略戦争策動が激化しています。6月29日からのNATOの首脳会議では、ウクライナ戦争の先に中国への侵略戦争を狙っていることがあけすけに表明されています。

 

◯「展示訓練」は労働者・市民を侵略戦争に動員する攻撃だ

 市民が「応募」して、海自の艦艇に乗船して洋上から演習を見学するのが「展示訓練」で、8年ぶりの7月16日に実施されました。海自創設70周年の節目を記念した取り組みと称して、自治体の幹部職員等・議員らも招待し、見学を強要しました。「カッコいい軍艦」「国民を守ってくれる自衛隊」と言わんばかりのイベントを通じて、確実に戦争容認・国防意識を植え付け、労働者・市民を戦争に動員することを狙っています。訓練は「カッコのいい」ものではありません。人殺しの訓練です。戦争動員・協力に反対しましょう。                                                                       ————————————————————————- 7月16日、〔改憲・戦争阻止!大行進・関西〕の主催、舞鶴港前島みなと公園で「展示訓練」反対の抗議集会を行いました。京都府職労舞鶴支部の司会で、主催者の大行進・関西の赤田さんのあいさつから始まり、関西地区生コン支部の武谷書記次長、大行進・京滋の相川さん、舞鶴支部の長岡支部長、全学連の長江書記長の発言が続きました。東京の国鉄を軸とした労働運動を蘇らせる集会と一体で、舞鶴基地に一大反撃を叩きつけました。     ————————————————————————-

 

◯安倍・元首相の死は当然の末路だ

 冒頭から、全発言者が安倍銃撃事件に触れ、「安倍が仕掛けた大攻撃で自らが打倒された。自業自得だ」「就職氷河期時代の元自衛官が統一教会によって家庭崩壊に追い込まれた。生きていけない世の中にしたのが統一教会であり、そしてこんな社会にした最大の元凶が安倍晋三である。そこに怒りが爆発した」と事態の本質を明確に突き出しました。解決の道は、この怒りの根本原因を取り除き、世の中を変える力に組織していくことにあります。誰も労働者人民の敵である安倍の死に同情するものなどいないのです。

 

◯「展示訓練」に対する決定的な反戦デモ

 海自舞鶴基地を中心にして若狭湾を取り囲むように配置されている日米の基地群は中国侵略戦争の最前線になります。「展示訓練」は総翼賛体制を構築していくための重大な攻撃です。
 舞鶴を侵略の拠点にしてはならない。侵略戦争を阻止する拠点にしていこう。自衛隊員と家族で1万人が暮らし、舞鶴の人口の10%をこえる人が生活しています。ここで反対の声を上げることが決定的に重要であり、兵士と団結して、共に反戦の声を上げていく闘いになりました。(了)

 

第三次世界戦争を暴力革命とプロレタリア独裁へ転化しよう!

滝山猛師

はじめに

 全労働者階級と人類が例外なく、今、「世界核戦争による地獄か、プロレタリア世界革命で未来をわが手に握るか」を問われている。世界戦争を不可避とする帝国主義と中国スターリン主義や旧スターリン主義ロシアを暴力革命で打倒し、世界の労働者階級が国際的団結でプロレタリア独裁を獲得する以外に全労働者と人類の未来はない。特に青年労働者の未来がない。このことが日々、明らかになっている。米欧日対中ロ戦争として長期化するウクライナ戦争やミャンマー軍事政権による青年労働者と少数民族の虐殺など、これらの一事を見てもそのことを端的に世界に示している。

 国軍のクーデターから約1年半。クーデターから1年後の時点で国内の避難民は42万人超。世界銀行の予測は、2021年9月までの1年間のミャンマーの経済成長率はマイナス18%。160万人が失業(国際労働機関)。国連は食料や医療などの支援を必要とする人が、人口の約4分の1にあたる1400万人以上と予測している。
 ミャンマーでは「正当な政府だ」と主張する組織が2つ。①クーデターで実権を握った軍の暫定政府。②活動家とアウン・サン・スー・チー率いる政党の元議員や少数民族の武装勢力が連携して作ったNUG(国民統一政府)。NUGは昨年5月、国軍統治に対抗する「国民防衛隊(PDF)」の発足を宣言。これに呼応するように各地で住民単位の「自主防衛隊」が結成された。タイ国境のカヤ州・カレンニー国民防衛隊(KNDF)は州全域で約20の大隊があり、数千人の若者らが加わる。軍事政権に若者の未来はない。世界の資本と手を結ぶ軍の銃口で虐殺された若者はクーデター後の半年間ですでに1500人を超えた。若者らは「平和的デモの限界」を己の体と友人・家族への虐殺で知った。ミャンマー全土でZ世代と言われる若者(20代)と各地の被抑圧少数民族の武装勢力が団結し、国軍と武装解放闘争ー内乱・内戦を展開している。国軍を離脱した兵士が武装訓練の指導教官になることもある。Z世代の部隊は武器が不足し、国軍へのゲリラ戦などを駆使しながら戦闘を継続している。「民主主義と人権の防衛」という「非暴力」の闘いは、軍政国家の暴力的打倒ー武装解放闘争ープロレタリア革命へと質的な転換を闘い取りながら革命的な前進にのりだしている。他方、恐怖する国軍は金をばらまき住民の間に密告者グループを組織し、Z世代を潜伏先で逮捕・虐殺を激化している。ミャンマー軍事政権は7月25日、ヤンゴンのインセイン刑務所で活動家や元国会議員など4人に対する死刑執行を強行し、遺体の引き渡しすら拒否し、秘かに埋葬した。徹底弾劾!不屈・非妥協で戦うミャンマー人民に連帯し、ともに戦おう!                         ※ウクライナ戦争に関しては 前号を参照してください。

〈タイとミャンマーの国境付近。少数民族の武装勢力の教官から        武器の扱いの指導を受けるミャンマー青年〉

 

【Ⅰ】武装蜂起と暴力革命

 ※レーニンは帝国主義国家を打倒するには、「暴力革命以外にいななる方法もない」と言っている。
 「戦争か、革命か」を根底から問われている情勢・時代における世界の労働者階級が歴史選択する唯一の道はプロレタリア世界革命‐プロレタリア独裁への武装蜂起と暴力革命への戦いである。自国帝国主義・国家権力打倒への内乱‐内戦・武装蜂起にむけた職場支配権力の奪取と軍隊解体‐兵士獲得への不屈の闘いの実践である。

(一)コミンテルン第六回大会で採択された「党綱領」(1928年)
 「この大衆暴動というのは、ストライキ、ストライキとデモの結合、ストライキと武力デモとの結合、ブルジョアジーの国家権力に対する武装蜂起を伴うゼネ・ストである。闘争の最終的な最高形態は軍事技術の法則に依存し、軍事計画、作戦の攻撃的性格、プロレタリアートの無限の忠誠と英雄的勇気を前提とする。かかる行動は広範な大衆を戦闘部隊‐その形態はもっとも広範な勤労大衆を包括し、活動せしめる(労働者農民代表ソヴィエト、兵士ソヴィエト等)‐に組織し、陸海軍の中における強力な革命活動を行うことをその義務的前提としなければならない」
 
 即ち、プロレタリア革命の勝利は、広範な大衆を戦闘部隊に組織して、武器をもって国家権力を打倒するために起ち上がるところの武装蜂起にまで至らなければならないということ。しかもそれは反戦闘争を軸とする政治闘争としてのゼネストと結合して行われる武装蜂起でなければならない、ということ。〈1917年10/25-26 ボルシェビキの冬宮への進撃(映画『十月』 での再現映像)〉

(二)蜂起の原則
 武装蜂起は、【戦争その他の諸技術と同じく、一つの技術である。もしこれらの法則を無視すれば、それを犯した方は、敗亡を免れない】(マルクス・エンゲルス)

『ドイツにおける革命と反革命』(マルクス・エンゲルス)から引用しよう。
 【第一に、武装蜂起(暴動)をもてあそんではならない。というのは暴動は、毎日その頼みとする勢力がぐらぐら変動するような不安定な勢力をあてにして行うものである。これに反して暴動が戦うべき相手は、組織・規律・並びに伝統的権威という利点を、独占している。したがってこれに対抗し得る大きな反対力を持って来なければ、暴動はたちまち敗北するから。
 第二に、一旦暴動を開始したら、果断に行動し、攻勢を把握せねばならない。守勢に立てば、すべての武装蜂起は失敗である。敵が分散している間に敵を奇襲せねばならない。毎日、小さくてもよいから、新しい戦果を上げることに意を用い、最初の成功によってもたらされた精神的優勢を固く保持しなければならない。そして動揺している連中を味方に引き入れるようにせよ。要するに、フランス革命の時の偉大な革命戦術家ダントンの「大胆に、大胆に、そして今一度大胆に」という言葉に従わねばならない】と。
 即ち、一斉武装蜂起は、最高の段階において必要であると同時に、もてあそんではならいということ。武装蜂起を決断し、決行する場合は、よく客観的条件や主体的条件を鋭く検討し、時期を選ばなければならないということ。 

(三)革命党の「三つの義務」とそれを全面的に実践する党の変革
 今日、全労働者階級と革命を目指す労働者党に問われているのは、レーニン主義の全面的な実践である。2022年革共同・夏季アピール(『前進』第3225号)から引用しよう。
 【日本階級闘争は階級対立の非和解的激突と内乱的発展の階梯(かいてい)を着実に歩んでいる。問われているのは現実の階級闘争の中で「戦争を内乱へ」を実践する党への変革であり、第1次帝国主義世界戦争下でレーニンが『第2インターナショナルの崩壊』で訴えた革命的情勢における革命党の三つの義務の全面的実践である。
 それは①革命的情勢が現存することを明らかにし、その広さと深さを説明し、②プロレタリアートの革命的自覚と革命的決意を呼び覚まし革命的行動に移らせ、③この方向で活動するために革命的情勢に応じた組織をつくりだす義務である。とりわけ革命的情勢に応じた組織に関してレーニンは「日和見主義は合法主義によって育成されている」(同)と危機の時代に社会排外主義に「成熟」する日和見主義について述べ、プロレタリアートが革命的行動に向かう時代においてこそ「合法性に局限されないですむ組織、日和見主義的裏切りに陥る危険をとりのぞく能力のある組織」(同)の建設の死活性を明確にした。
 米日帝の中国侵略戦争阻止闘争こそ、革共同がこのレーニン主義革命論の今日的実践のために党の変革をかけて立ち向かう大決戦だ。もちろんこの闘争は「平和擁護」の類のものでは断じてない。中国侵略戦争阻止闘争とは、労働者階級が自らの力で帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制という世界革命の抑圧体制から解放をかちとり、反帝国主義・反スターリン主義世界革命に向かって階級的団結を拡大していく闘いである。ゆえに党の宣伝・扇動は、プロレタリア国際主義と自国帝国主義打倒の立場を明確に打ち出し、それらを同時に日本共産党など既成勢力の祖国防衛・排外主義への転落との非妥協の闘いと結合し、生き生きと展開されなければならない。そして意識的に合法性の枠組みを突破する闘争を積み上げ、それらを党建設―細胞と地区党の強化・拡大に転じる闘いを実践することだ】、と核心的に提起している。

(四)プロレタリア革命は暴力革命以外にいかなる方法もない
 プロレタリア革命が暴力革命であるというのは、ブルジョアジーを倒すために最後は武力で決着をつける必要があるからというだけではない。もっと根本的には、資本家と労働者を軸とする階級社会(=資本主義・帝国主義社会)の廃絶は、現にあるこの階級社会を徹底的に暴力的な転覆をとおしてしか実現しないということに規定されている。だからこそ労働者階級民衆の権力は「プロレタリア独裁」という形態をとるのである。
 プロレタリア革命とは、労働者階級がその運動をとおして全社会にプロレタリア性を文字通り全階級・全階層に「刻印し、強制する」過程としてのみ進行し、その進展に比例して(=革命党の宣伝と扇動の能力に規定された全民衆の組織化)革命の成否が決するといっても決して過言ではない。〈日米首脳会談・クアッド粉砕! 5・22全国総決起闘争 (東京・芝公園)〉

 

【Ⅱ】武装蜂起を可能とする具体的条件

 1917年10月ロシア革命の経験から、革命が勝利する時期は、国家が、政治的・経済的危機にさらされ、国家の紀綱は非常に弛み、その上、労働者人民の不平不満が高まり、一般大衆が革命を要望するに至るような時期である。
 レーニンは、『左翼空論主義』の中で次のように言っている。
 【資本家から搾取されている大衆が、これまでの方式では生けて行くことができないことを看取してその変更を要求するというだけでは、革命には不十分である。搾取するものの側でも、同じくこれまでの方式では存続することも支配していくこともできないということが、併せて必要である。言葉を換えていえば、搾取する者の側、搾取されるものの側を通じての、全国民的な危機がなければ革命は不可能である】と。
 そして蜂起‐行動開始を可能とする具体的条件を次のように規定している。
 ①労働者人民の革命的気分が溢れ出ており、われわれの革命的行動のスローガンや、指令が自然発生的な大衆の運動から明らかに立ち遅れるような革命的状況にいたり、われわれがその決起した大衆を抑制することが困難であり、必ずしも成功的にそれを抑制しえないとき、
 ②敵支配階級とその陣営内部における不信と混乱、腐敗と崩壊が頂点に達したとき、敵陣営内部からの離反者が、日毎に、否、時間毎に増大するとき、中立分子、幾百万・幾千万の小ブル大衆がハッキリと敵支配階級陣営から離れ、プロレタリアートとの同盟を求めたとき、そのため敵の統治機構が、それとともに弾圧機構の機能が低下し、また部分的に停止し、役に立たなくなり、プロレタリアートの独裁権力のために道を開いたとき。
 ③これら①と②の条件が時間的に一致したとき、である。
               
 即ち、支配階級は自身を喪失し、解体的状態に陥り、労働者階級人民は革命を熱望しているという二つに条件が一致した時期が、一斉武装蜂起のときである、ということ。

 言い換えれば、敵支配階級の軍隊・警察が重装備され、かつ規律、訓練が十分であり、「信念と勇気」が十全であるときは、革命の側が数的に優勢でも、政府軍と正面からぶつかっていっても勝利を得ることは困難であるということ。
 したがって武装蜂起を計画する革命党と戦闘的労働者階級は、蜂起が勝利をえるための準備を目的意識的・計画的に行わなければならないということである。具体的には、
 ①武装蜂起とプロレタリア革命に勝利する労働者革命党組織と地区細胞組織の建設である。国際反戦闘争とプロレタリア世界革命を目指す労働者革命党は帝国主義とスターリン主義反革命との相互絶滅戦であり革命党建設は合法的拠点を死守しつつ非合法・非公然党として建設しなければならない。加えてプロレタリア革命への全過程でプロレタリア独裁を打ち立てる総合的能力の意識的獲得である。
 ②帝国主義軍隊の内部に動揺と規律の乱れを生み出し、将校と下士官・兵士が反目しあい、帝国主義軍隊の兵士としての信念と自信を喪失させることが必要であるということ。そのための帝国主義軍隊・兵士に対する自己解放的決起を呼びかける継続的で間断なき宣伝・扇動戦が意識的・計画的・継続的に必要である、ということ。この課題は全党員が例外なくあらゆる機会を利用して実践・推進する闘いである。
 ③上記②とは、まったく別個に、武装蜂起のときに帝国主義軍隊を部隊ごと(大隊、連隊規模で)革命陣営に移行させ、武装蜂起の勝利を確定することを究極の目的に据えきった、長期強靭な軍隊内革命党細胞・組織の非公然建設の目的意識的・計画的遂行である。
 要するに、帝国主義軍隊に対する革命的工作である。ロシア革命の場合、レーニンは、ロシア軍隊内部への工作を、革命運動の中の最も重要な課題‐工作と位置付け、実に、十数年間にわたり執拗に軍隊工作を続けた。〈ペトログラード労働者・兵士代表ソビエト(タヴリダ宮殿)〉

 

【Ⅲ】武装蜂起の形態

(一)1905年12月モスクワ武装蜂起の概要
 ロシア第一次革命は、ゼネストと結合し、数千の労働者がバリケードをモスクワ市内に築き、武器を手にしてロシア軍隊と9日間にわたる市街戦を展開した。

 【12月5日、モスクワ党委員会は、次の決定を採用した。すなわち、政治的ゼネ・ストの声明をソヴィエトに提議すること、そしてこのストライキは闘争の進行課程において蜂起へ転化することを目的とする。この決定は、労働者の大衆的集会で支持された。・・・・
モスクワのプロレタリアートは蜂起を開始するにあたって、約一千人の成員を有する戦闘組織を持ち、その半数以上がボルシェヴィキであった。その外に戦闘隊はモスクワのいくつかの工場にも組織されていた。蜂起者には、全部で約二千の戦闘隊員が所属していた。労働者は、モスクワの守備隊をまず中立させ、その一部を引きはなして、自分の見方に引き寄せることを計画した。
 12月7日に、モスクワで政治的ストライキが始まった。しかし、ストライキを全国的に広げることは成功しなかった。ペテルブルグはストライキを十分に支持しなかった。このことは、蜂起成功の見込みを最初から少なくした。ニコライ鉄道は、ツアー政府の手中に残された。この鉄道線の運転は止まらなかったので、政府は、蜂起鎮圧のために、近衛連隊をペテルブルグからモスクワへ急派することができた。・・・・・・
 12月9日には、モスクワに最初のバリケードが築かれた。モスクワ全市がバリケードで埋もれてしまった。ツアー政府は砲兵を出動させた。政府は、蜂起者側の勢力よりも何倍も多い軍隊を集結した。幾千の武装した労働者は9日間にわたって英雄的に戦った。ツアー(皇帝)側は、ペテルブルグ、トウヴェル、西部地方から連隊を出動させてはじめて、この蜂起を鎮圧することができたのであった。蜂起の指導機関は、開戦直前に、一部は逮捕され、一部は孤立させられてしまった。モスクワのクラスナヤ・プレスニヤの蜂起は、とくに頑強、激烈であった。クラスナヤ・プレスニヤは蜂起の主要な城塞であり、その本部であった。ここには、ボルシェヴィキの指導下にあった最良の戦闘隊が集中されていた。しかし、クラスナヤ・プレスニヤは、銃と剱で圧殺されて、血の海と化し、砲火による火災は天を焦がした。モスクワ蜂起は鎮圧されてしまった。】

 周知のようにパリ・コミユーンも、普仏戦争で敗北した直後の1871年3月末から5月末までの約2ヶ月間、革命とプロシアに対する降伏反対のスローガンで数十万の労働者・市民軍が大砲その他の武器で武装し、フランス政府軍と戦い、パリを武装占拠した。が敵支配階級の圧倒的な軍事力の前に敗北を喫した。

(二)レーニンのバリケード戦に対する評価
 1905年12月の武装蜂起が失敗したあとで、プレハーノフはレーニンの武装蜂起を非難し、「蜂起は不必要であるばかりでなく有害であり、革命は武装蜂起なしに平和な闘争手段によって達成することができる」と主張した。
 これに対しレーニンは、「否、反対に、もっと果断に、もっと猛烈に、もっと攻勢的に武器を取るべきであった。そして平和的なストライキだけでは不可能であり、果敢、酷烈な武装闘争が必要であることを大衆に説明すべきであった」と主張した。レーニンは、「蜂起」がロシア政府に与えた意識的・精神的打撃と革命勢力の側の威力を示したという点を高く評価している。
 また、当時ドイツのカウツキーが「ロシア革命の展望」という一文の中で、「1848年のパリにおける6月の戦闘も、モスクワにおける12月の戦闘も、共にバリケード戦であった。しかし、前者は古いバリケード戦術の消滅を物語り、後者は新しいバリケード戦術の登場を物語っている。その限りにおいてわれわれはバリケード戦術の時代は過ぎ去ったというエンゲルス思想(※『フランスにおける階級闘争・序文』エンゲルス)を修正しなければならない。モスクワにおいては少数の労働者人民が、近代砲術の精をつくした優勢な兵力に対して、実に二週間の間これに対抗しえたのである」と述べている。当時のレーニンは、後に「背教者に転落したカウツキー」のこの見解には賛成している。〈ボリショイ劇場前で演説するレーニン(1920年)〉

 

【Ⅳ】『ロシア革命史』(トロッキー)が示す1917年10月の武装蜂起の様子

 【首都占領の戦術的計画は、主としてボルシェヴィキの軍事組織によって炸裂された。・・・・首都は軍事的地区に分かたれ、地区はもよりの本部に従属させられた。最も重要な地点には、赤軍の中隊が集中されて、付近の軍部隊と協力していた。これらの軍部隊では、当番中隊は出動準備をととのえて、徹宵(※てっしょう・夜どおし起きていること)していた。ここの作戦行動の目標と、それに用いる武力はあらかじめ示されていた。
 主要な行動は、午前二時に開始された。大抵コミッサー(委員)に指導された武装した労働者や水兵の中核を持つ小さな部隊が、停車場、発電所、食糧倉庫、国立銀行、ドヴォルツォヴィ橋、大印刷工場を、一斉に、または次々に占領した。電話局と郵便局は完全に奪取された。信頼すべき警備隊がいたるところに配置された。・・・・・
 最も強力で最も革命的な工兵大隊第一中隊に、附近のニコラエフスキー停車場を占領する任務が与えられた。ものの15分と経たぬうちに、停車場は一撃も加えずに強力な警備隊によって占領された。政府の部隊は暗闇の中に消えてしまった。内心の激しい驚愕を抑えながら、兵士たちは徒歩するものであろうが、車に乗っておろうが、一切の通行者を忠実に停止させて、丹念に彼らの書類を調べた・・・・・】と。
 つまり、17年10月革命のときは、モスクワはどこにもバリケードは見られなかった、ということになる。数千ないし数万の労働者の武装デモもなく大規模な市街戦もない。少数の技術者と赤軍で構成された一小隊か、せいぜい一中隊が、ボルシェヴィキの命令一下、真夜中に突如、決起し、奇襲的に上記、各場所を襲い占領したのである。交通、通信、電気も、経済活動も一瞬にして停止した。ロシア政府がどんなに多数の軍隊と警察隊を持っていても、これらを統一的に指揮することもできない状態に叩き込んだのである。
 トロッキーはまた、その夜、主として革命側の勢力が少数であったことを述べている。
 【この首都の夜間占領に直接従事した部隊の数を決定することは困難である。‐第一これを数えたものもなければ、記録したものもないからであるが、そればかりでなく、また作戦行動の性格のためでもある。
 第二陣及び第三陣の予備軍は、全体としてほとんど守備軍と合同してしまった。だが予備軍に頼ることは、ほんの時折、必要なだけであった。数千の赤衛軍、二千ないし三千の水兵、多数の歩兵中隊、これが反乱者を助けて首都の主要拠点を占領させた、第一陣及び第二陣の武力であったのである】と。
 要するに、ロシア10月革命の成功は、ロシアの水兵及びモスクワ守備隊がレーニンの軍隊工作によって、武装蜂起した反乱者を助けるか、もしくは少なくとも革命に対して中立を保ったことによって勝利‐成功したと言うことができる。そして、この軍隊工作と同時に、ボルシェヴィキの巧妙な技術部隊の各要点占拠の奇襲作戦が功を奏した、といえる。

 したがってトロッキーは、革命の夜の光景を次のように述べている。
 【一体反乱は何処にあるのか?反乱の光景は一つも見られない。事件は一つの画像にならない。あらかじめ考慮され、整備された一連の小規模な行動は、依然として空間的にも時間的にも相互に引きはなされている。統一ある思想と目的がそれらを統一している。大集団の行動は一つもない。軍隊との劇的な衝突は何一つない】と言っているのは、第一次ロシア革命以降のレーニン・ボルシェヴィキの職場権力の奪取と目的意識的に遂行された軍隊工作の当然の帰結とも言える。
 これが、バリケード戦とは異なるロシア10月革命の武装蜂起である。

 日帝・岸田第二次改造政権は、改憲と軍大化攻撃、米中ロ戦争への参戦に総力を挙げんとしている。世界核戦争への荷担だ。日本の労働者階級民衆は世界戦争への道を断固、拒否し、全労働者と人類の未来を自らの手で切り拓くプロレタリア世界革命への闘いに勇躍し、打って出よう!
 戦争とコロナで無尽蔵の利益を手にするのは資本家である。プロレタリアートが世界革命で手にするのは全人類の人間的解放と真の自由の世界だ!世界の労働者民衆は団結し、共に進撃しよう!そして当面の政治決戦に押しあがっている安倍国葬を実力で粉砕しよう!
(了)

 

 

9・10木更津大行動へ参加

 

オスプレイ配備直ちにやめよ!木更津を戦争の出撃拠点にするな!

9・10木更津大行動に参加しました。

JR木更津駅西口でリレートーク

 

陸上自衛隊木更津駐屯地にむけてデモ行進。「……住民と自衛官の命を危険にさらすな!自衛官の搭乗を強制するな!……」とシュプレヒコール

木更津駐屯地

駐屯地へ申し入れ行動

労働者兵士行動委員会は自衛官に団結を呼びかけた