会報 27号

第27号 2013年10月10日発行

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シリア空爆絶対反対! 9・25反動判決阻止!国鉄・反原発決戦の大爆発で安倍政権を打倒しよう!

国鉄決戦の正念場が到来している。山本太郎選挙の勝利、100万規模の革命的大衆的決起と国鉄決戦を基軸とした階級的労働運動が合流し、連合支配を打ち砕き、4大産別・全産別での階級情勢を地殻変動的に塗り替えている。追い詰められているのは日帝・安倍政権である。現場労働者は団結と安倍打倒のストライキを決定的に求めている。9・25反動判決阻止に向け「解雇撤回・JR復帰」の10万人署名を集め9・15総決起集会に総力で結集しよう!

かけがえのない多くの命を奪い、膨大な量の放射性物質を大気と海洋に流出させている。今なお約15万人の避難生活を強い、内部被曝が深刻化しつつある福島原発事故は、収束どころか 「封じ込め・冷却」ができず、「汚染水対策」が破綻し、300トン以上の高濃度放射能汚染水が毎日、海洋に流出している! 新たな最悪の事態だ!
危機に駆られた安倍政権は緊急対策に乗り出したが、解決能力はない!
福島を切り捨て、原発再稼働と原発輸出外交に奔走してきたのは安倍政権ではないか!加えて、法制局長官の首をすげ替え、集団的自衛権の行使にのめり込み、改憲・戦争国家化に突き進んでいる!絶対に許すことはできない!

自衛隊はすでに、憲法解釈の変更を待たず、実践面で「集団的自衛権」の行使を先取りした日米共同作戦の演習を強化している。陸自は米軍との合同演習を86年から開始し、九州や南西諸島を中心に、米本土やグアムで米海兵隊と「離島奪回上陸訓練」を繰り返している。空自は96年度から、アラスカ州の米空軍演習に参加し、03年度からはFー15戦闘機編隊が派遣され、日米共同の軍事演習を実施している。 また、米戦略爆撃機B52の爆撃訓練に空自が参加し、長距離爆撃を想定した空中給油等のB52援護訓練を行っている。完全に憲法を無視した侵略戦争のための訓練だ!
09年からは、アフリカのジブチに「日本船籍の民間船舶」を「護衛」するとして護衛艦2隻、P3C哨戒機2機を派遣している。安倍首相は8月、米軍の海自P3C哨戒機の多国籍軍編入要請に「前向きに検討したい」と応じ、2隻の護衛艦の内、1隻を12月から多国籍軍に編入することを決定した。脱落日帝の延命をかけた日米安保の世界安保への転換であり、憲法無視の集団的自衛権行使の先取りそのもの だ!
シリアへの米帝による空爆・軍事介入の策動は、そのまま自衛隊にも波及する。絶対に許すことはできない!

今や、世界の労働者民衆の巨万の怒りが階級的根底的に大爆発する情勢に突入している。国鉄・反原発、戦争絶対反対の怒りを解き放ち、9月階級決戦を徹底的に闘い抜こう!9・14ー15ー25大闘争、さらに10・1から11月労働者集会へ階級的労働運動と国際連帯の力で革命情勢を切り開こう!
自衛官と家族の皆さん、団結して共に闘いましょう!

杉橋

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改憲、陸自の海兵部隊化、集団的自衛権の行使 策源地(敵基地)攻撃能力の確立に突進する極右超反動・安倍政権を打倒しよう!

滝山

戦後初、国家安全保障戦略の年内策定を決定した安倍政権

極右超反動で凶暴化する安倍政権を根底から打倒するチャンスが到来している。それを明確に示したのが参院選における山本太郎氏の当選である。首都100万の決起、全国1千万の決起が日帝安倍政権への怒りとして叩きつけられた。新自由主義の破綻が世界戦争への危機を深化させると同時にプロレタリア革命情勢として爆発している。戦争前夜情勢はプロレタリア革命前夜情勢である。新自由主義の破綻とアベノミクスの破綻に追いつめられた安倍政権はなりふりかまわず改憲攻撃と超反動攻勢に打って出ている。国家安全保障戦略の策定、国家安全保障会議(日本版NSC)の設置、新「防衛大綱」の策定、国家安全基本法の制定、機密保全法案(特定秘密保護法・罰則懲役10年)など大反動攻勢である。これらはすべて改憲攻撃である。
世界恐慌と3・11情勢下、安倍政権は9月有識者会議を設置し、年内に国家安全保障戦略の中期的指針の策定計画を決定した。有識者会議は戦略提言を決定する。提言は国際情勢についての時代認識を提示し、防衛政策にとどまらず、経済力の強化やエネルギー政策の推進など全分野に言及し、日帝として目指すべき「国益」上の課題、米新軍事戦略と対中対峙・対決を軸とする諸外国との関係についての戦略的道筋を提示する、としている。
柱は新自由主義にとっての「普遍的価値の共有」を目指す外交・海洋・サイバー・宇宙戦争などの全戦争分野で、米帝をはじめ「価値観を共有する国々との連携強化」、資源・エネルギー分野における外交のあり方などを確定すると同時に、日米の軍事的一体化を急速に促進する方向をも策定する。決定されれば日帝にとって戦後、初めての国家的な戦略的文書となる。
さらに自衛隊・警察・海上保安庁が一体的に連携強化する方策、省庁一体での安全保障政策や危機管理対応を推進する方向性などを打ち出そうとしている。
有識者会議は外交・安保政策の専門家、外務・防衛両省のOBらで構成する、としている。安倍政権は、有識者会議に年末策定の新「防衛大綱」についても同時に諮問し、年内に国家安全保障戦略と新防衛大綱を策定する。防衛政策上の方針は国家安全保障戦略で提示し、詳細を新防衛大綱で規定することを安倍、麻生、外相、防衛相、官房長官らが会談(日本版NSCメンバー)ですでに決定している。

9月以降、加速させるとしている集団的自衛権容認の憲法解釈変更と国家安全保障体制の強化、日本版NSCの年内発足、新防衛大綱で明記する国防軍規定、陸自の海兵部隊化、策源地(敵基地)攻撃能力、情報通信機能の強化、国防の基本方針の見直し、防衛省改革、そして軍事法廷の設置などの一体的推進が、安倍政権によってもくろまれているのだ!安倍は、初めて、内閣官房の安全保障・危機管理担当審議官として自衛隊高級幹部・情報本部情報官である長島純空将補(52)を8月22日付け発令で起用している。安倍は事実上の「憲法無視」で超反動の戦争国家体制の確立にむけ絶望的に突進している。だがこれらの一大超反動攻勢は、明文改憲という正面突破抜きには成り立たない根底的な脆弱性を内包している。緊急事態条項を核心とする自民党改憲案(第9章・緊急事態の宣言)もろとも労働者階級人民の怒りで安倍政権を9・15~25国鉄決戦の爆発で根底的に打倒しよう!

「防衛計画の大綱」大改定 帝国主義軍隊化への大転換

自民党の新防衛大綱の提言は、新たな防衛力の構築(=米帝への「強靱な機動的防衛協力」)を挙げ、「機動運用性、総合指揮運用能力、輸送力等の機能拡充を図りつつ、防衛力の強靱性・柔軟性・持続性や基地の抗堪性の確保、戦力の維持・回復力の強化などを重視し、高烈度下においても、着実にわが国防衛の任務を全うする能力を確保する」とある。まさに帝国主義軍隊化への実戦的転換を目指す内容である。 その大転換を米軍への「強靱な機動的防衛協力」を道筋に推進する方向性を鮮明にしている。戦力の確保、国家総動員態勢の確立に向け、「予備自衛官制度の拡充」をもうちだしている。

民間労働者をあらかじめ予備自衛官に採用し有事に動員する予備制度

安倍政権の新防衛大綱「中間報告」では、陸自の海兵部隊化の機能整備の柱として「高速輸送艦」の導入を決定してる。PFI方式(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)での民間フェリーの導入である。PFI法に基づき特別目的会社を設立し、平時は定期運航などの運用を委ね、有事や訓練の際に防衛省・自衛隊が使用する。有事での自衛隊の優先使用権も確保する。
要するに日帝は国家財政の危機という現実の中で、別法で海兵隊化の装備費を導入し、なおかつ民間労働者を戦争に動員する手法を企んでいるということである。
防衛省は2013年度予算で調査研究費を計上し、すでに仕組みや制度の検討に着手している。年末に改定する新防衛大綱にフェリーの導入方針を盛り込んだうえで、PFIの制度設計に入り、企業との交渉を経て、2015年度までに仕組みを確定させる計画である。 海兵隊化の装備として13年度に水陸両用装甲車(4両)や軽装甲機動車を導入する。防衛省は14年度概算要求にも水陸両用車2両の導入を盛り込んでいる。民間フェリーはこれらを搭載し時速60キロ以上の高速で航行する。戦時に機能する自衛隊の機動展開力の強化を民間フェリーの恒常的動員体制によって構築する計画を、新防衛大綱の中間報告書は明らかにしている。そのために民間フェリーの労働者をあらかじめ予備自衛官に採用し、統合訓練や有事に動員することも計画されている。

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(写真 普天間基地ゲート前でオスプレイ追加配備再開に怒る沖縄県民。基地労働者が階級的労働運動で職場の権力をとる!それが沖縄闘争勝利の核心! 【2013年8月12日】)

総合戦力(トータルフォース) 120万人体制の構築を提言

2013年4月、日本安全保障戦略研究所常務理事、政策提言委員、元陸自幹部学校長・樋口譲次(陸将)は、安倍の国家安全保障戦略の年内策定と軌を一にして、現役(常備)自衛官と予備自衛官を併せ『総合戦力(トータルフォース)120万人体制』の整備を提言している。荒唐無稽な提言ではない。労働者階級の立場から弾劾し、粉砕しなければならない。以下は、提言の要点である。

「予備自衛官の拡充」とは、有事に膨大に拡大する兵力の確保を目的にしている。軍隊は、現役(常備)を国家財政の制約などにより、現代戦に即応できる必要最小限の戦力を常備兵力として維持しつつ、有事に動員できる予備兵力を確保している。自衛隊の現役は2009年度末現在で24万8303人(実員22万8536人)。予備自衛官は、現在、①即応予備自衛官(1997年導入)、②予備自衛官(1954年自衛隊発足と同時制定)、③予備自衛官補(2001年度導入)で即応予備が約6500人、予備自衛官と予備自衛官補を併せて約3万3500人、総数約4万人弱の体制である。常備兵力・予備兵力の実員総数は、約26万人。即応予備自衛官は旧帝国軍隊でいえば常備兵役の予備兵に相当し、予備自衛官と予備自衛官補は、後備兵役および補充兵役相当に区分されている。

即応・予備・予備自衛官補とは別の予備自衛官制度として、「国家非常事態に際し、『郷土防衛(国民保護)隊』に配属する郷土防衛予備自衛官あるいは国民保護予備自衛官(いずれも仮称)を新設」し、「120万人体制」の勢力を確保するとして全国の消防職員、警察職員を有事に予備自衛官に編入する予備自衛官制度の拡充を提言している。2011年4月1日現在で現役・常備態勢の消防職員は約15万9354人(うち女性職員は約4千人)。そして全国すべての市町村に設置されている消防団員数は、同87万9978人。両者の勢力を併せれば約104万人。
そして新設する「『国民保護隊』に配属する郷土防衛予備自衛官あるいは国民保護予備自衛官(いずれも仮称)」は、平時は「非軍事予備自衛官」として分類し、訓練するとしている。
そして、有事には、「全国を隈なく網羅することが必要である。その点、非常設の消防団は、常設消防である消防本部および消防署が存在しない町村にも存し、全国の市町村を完全にカバーしている」、としてアラートの全国設置と一体で「国民保護予備自衛官(仮称)」を運用するという画策である。

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(写真 8月6日、海自最大の22DDHヘリ護衛艦「いずも」が進水。全長248m、幅約38m。手術室35人分の病床。最大500人の乗員と450人の宿泊スペース。有事に垂直離着機を搭載すれば「攻撃型空母」に転換。旧海軍空母「加賀」とほぼ同じ大きさ。上図は、「いずも」(中央)と「ひゅうが」(下)の比較を表している。「いずも」は今後、機関砲、レーダー、電子戦・対抗手段など装備し15年3頃就役。2番艦(24DDH)は12年度予算で建造費1155億円が計上、14年起工)

日帝は、治安部隊として約28万1000人の警察官を全国に配置している。
提言はこれにも言及し、機動隊には、機動隊、管区機動隊および第2機動隊(特別機動隊、方面機動隊)等があり、専門部隊として、爆発物処理班、銃器対策部隊、水難救助部隊、機動救助部隊等の機能別部隊が編成され、8都道府県警察(北海道、警視庁、千葉、神奈川、愛知、大阪、福岡、沖縄)には特殊部隊(SAT)が配置され、9都道府県警察(北海道、宮城、警視庁、千葉、神奈川、愛知、大阪、広島、福岡)にはNBCテロ対応専門部隊が設置されているとして、

①現在、有事・大災害時の初期に動員される「広域緊急援助隊」や「国際緊急援助隊」が、全国警察の機動隊員、管区機動隊員などで編成され、警視庁には第1~9機動隊および特科車両隊の計10個隊が編成されている。大阪と千葉には各3個隊、神奈川と福岡に2個隊、その他の道府県には各1個隊が編成されている。これらの勢力(人員)は約9700人。
②第2機動隊(方面機動隊、特別機動隊)とは、平時、警察署の各部署で通常の警察署員として勤務している。第2機動隊として常備隊を保有している警視庁、大阪および各県警察では、方面機動隊または特別機動隊とも呼ばれている。これらの勢力(人員)は約1万5700人。

③管区機動隊は、平時は刑事、地域、交通等の勤務に就き、機動隊に準じた形で警備訓練を行っている。 有事には都道府県警察を超えて広域運用される部隊である。
府県警察本部長が、当該警察に所属する警察官を編成し、各府県警察に置かれる。但し、警視庁と北海道警察は、管区には参加せず独立した部隊として動く。管区機動隊のない北海道は、1個大隊編成の北海道警察警備隊を置いている。これらの勢力(人員)は約4200人。

以上、警察は常設部隊と臨時編成の部隊を合わせて、総計約2万9600人規模の機動隊を「郷土防衛(国民保護)予備自衛官」に有事編入する、としている。

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(写真 米・カリフォルニア州での離島奪還訓練で米海兵隊・オスプレイから降り立った陸自隊員 【2013年6月13日】)

詳細は省くがこれに海上保安庁の現役1万2636人(2011年現在)が加わる。
3・11以降、自衛隊・警察・海保はすでに平時から「統一座標軸」を採用し、行動規範を一元化している。
そして現行の「国民保護法」は、実質的な「郷土防衛法」になっていないとして法改正をも提言している。

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(写真 「ひゅうが」の格納庫と昇降機。サンディゴの米軍基地で公開。【魚眼レンズで撮影
 2013年6月10日】)

改憲の先取り 日米の軍事的一体化 対中対決の世界安保に大転換

空自 B52戦略爆撃機の援護実動訓練に参加

空自が、米戦略爆撃機B52の爆撃訓練「レッド・フラッグアラスカ(RFA)」(06年からRFAと命名)に参加(2013年は8月9日~24日実施)し、戦略爆撃機援護合同訓練」を行っていることが空幕発行の部内誌12年7月号に掲載された空1尉(旧軍では大尉)の体験記で判明している。RFAには空中給油訓練もあり、長距離爆撃訓練を想定している。空自部隊は1996年度からアラスカ州の米空軍演習に参加している。またFー15戦闘機編隊は2003年から派遣されている。 要するに空自は10年前からB52編隊が行の爆撃の援護訓練を開始しているのだ!

B52戦略爆撃機は、原爆投下や絨毯(じゅうたん)爆撃で一つの都市を火の海と化し、廃墟にする攻撃力を持つ爆撃機である。B52編隊を援護する訓練とは、「専守防衛」の範囲を超えた「敵地攻撃」の侵略戦争そのもの訓練である。100%憲法無視、改憲を先取りした日米の軍事的一体化の実動訓練である。
この憲法無視の合同訓練の根底には、世界恐慌と3・11情勢下の帝国主義間・大国間争闘戦の激化と日帝ブルジョアジーの危機的焦りがある。

米帝はすでに新軍事戦略でグアム基地に6機以上のB52戦略爆撃機の常時配備を行っている。対中対峙・対決―世界戦争を射程に入れた侵略戦争そのものの共同爆撃訓練である。

激しく進む陸自の海兵部隊化

世界で数十カ国が保有しているとされる海兵隊の主任務は海からの敵地強襲上陸戦である。陸自は米軍との「離島奪還合同訓練」を86年から開始している。
九州や南西諸島を中心に全国各地で、島嶼防衛訓練を含む海上・航空作戦や弾道ミサイル対処、兵員や物資の輸送訓練を実施している。
国内だけではなく米海兵隊と米本土で、グアムではオーストリア軍との3軍による「離島奪還」上陸強襲訓練を繰り返している。そして6月10日~26日にカリフオルニア州において米軍が実施した「ドーン・ブリッツ」に初めて、陸海空3自衛隊が統合で参加し、日米統合実動訓練を行っている。
自衛隊の参加は、「離島防衛部隊」である陸自の「西部方面普通科連隊(西普連)」などの1千人と、海自のヘリ搭載型護衛艦、輸送艦、イージス艦などが参加。米海兵隊と共同で、海自ヘリ護衛艦「ひゅうが」から飛び立った米海兵隊のCH53輸送ヘリとMV22オスプレイからの降下訓練、揚陸艇での強襲上陸など、「実戦」そのものの上陸作戦が行なわれている。訓練目的は、陸海空3自衛隊と米軍の一体的な「日米統合運用と日米連携の強化」(岩崎茂統合幕僚長)である。
米軍と一体で上陸作戦が展開できる能力を陸・海・空3自衛隊が身体と行動で一致するまで実施される実戦訓練である。米海兵隊の強襲上陸作戦のノウハウを無理矢理、陸自隊員の身体に叩き込む訓練として実施されている、ということだ!。

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(写真 3・11以降、高濃度の汚染水を1日300トン以上、海洋流出で人類と地球を破滅に追い込んでいる福島第一原発事故。9月3日 汚染水漏れのH3タンク群の底部表面で2・2シーベルトを測定。数時間で死亡する高線量をこのように測定している原発労働者)

自衛隊 オスプレイ導入 海自「ひゅうが」がオスプレイの格納訓練

防衛省は陸自の海兵部隊化と一体でオスプレイ導入をすでに決定している。「ドーン・ブリッツ」では、海自「ひゅうが」のデッキクルーにオスプレイのパイロットがデッキ上での多様な取り回し方法を訓練し、ローターと主翼を折りたたんだオスプレイを「ひゅうが」の後部エレベータから格納庫に移動する訓練など総合的な実動訓練が行われている。
陸海空3自衛隊は3・11の「トモダチ作戦」で、戦後初めて日米統合運用の実戦を経験したが、軍隊としての無力性を晒した。世界恐慌と3・11情勢下、帝国主義間・大国間争闘戦が東中国海、南中国海の権益、シーレーンを巡り激化している。新自由主義の破綻と世界恐慌の深化がその激化に拍車をかけている。
海自はすでに1980年から、2年に1回実施されている「環太平洋合同演習(リムパック)」に参加している。海自護衛艦の任務は米空母護衛の合同訓練である。この合同訓練では、米海軍・海自・オーストリア軍などがミサイル、砲弾を戦艦に撃ち込み、実際に撃沈する合同訓練を行っている。
2014年リムパックには海自とともに海兵部隊化を目指す陸自が初めて参加する。日米軍事の一体化は労働者階級から隠れたところで激しく推し進められている。
日帝は2009年から「海賊対策」として海自護衛艦2隻、P3C哨戒機2機をソマリア・ジブチに派遣している。安倍は8月25日、バーレーンで米海軍第5艦隊司令官ミラーとの会談で、海自P3C哨戒機の多国籍軍への編入要請に対し「前向きに検討する」と応じた。安倍政権はすでに2隻の護衛艦の内、1隻を12月から多国籍軍への編入を決定している。シーレーン確保に向けた日帝安倍政権による集団的自衛権の行使が推し進められている。
脱落日帝は、米新軍事戦略と一体化し、日米安保の世界安保への実戦的転換の中でしか、延命出来ないところにまでたたき落とされている。
一方、「財政の崖」から転落している没落米帝は、世界最弱の環・日帝の軍事力を米軍と一体化させ動員・運用しなければ米新軍事戦略が無力化する現実に叩き込まれているということである。英軍、仏軍もEUの解体的危機と国家財の危機で兵力削減に追い込まれている。さらにエジプト、シリアの革命と内戦の激化、中東支配の崩壊という危機の中に国際帝国主義は叩き込まれている。

労働者・兵士は 死んではならない 死すべきは 資本家・原発・基地である

世界恐慌と3・11以降、自衛隊と米軍との一体化が急速に推進されている。そして新防衛大綱の中間報国は、日米ガイドラインの再改定による米新軍事戦略への一体化を「加速させる」ことを明記している。だがそれは破綻する。
なぜなら、日米の軍事的一体化、国家安全法戦略の策定、新防衛大綱の策定など、その具体的推進は侵略戦争への突進であり、その全過程において全社会的に、全生産現場で、そして自衛隊内部で、階級矛盾が極限的に激化し、労働者・兵士の総反乱を不可避とするからである。大失業と戦争への全過程は、階級矛盾が激化、拡大する過程である。安倍政権のなりふりかまわぬ大反動攻勢は、脱落日帝の危機と破綻、脆弱性そのものから発しているということである。進行する事態を真っ向から見据え、9・15ー25国鉄決戦の爆発で、革命党と労働者階級の怒りで極反動安倍政権を根底から打倒しよう!

党と階級が直面する課題は、日帝・安倍政権の安保防衛政策を職場の闘いで粉砕する労働組合の再生である。それが労働者兵士に対する労働者階級の連帯と階級的団結の実践である。その力が戦争を阻止する。4大産別の現場ではすでに地殻変動的決起が開始されている。国鉄決戦を戦略的水路にした階級的労働組合の再生とその成否は、プロレタリア革命そのものの成否である。
労働者自己解放の闘いは、階級的労働組合の再生と強化の一点にかかっている。5月テーゼとは国鉄決戦が求めた戦略的転換であり、それは『侵略を内乱へ』のプロレタリア革命を労働運動・労働組合の闘いで実現する戦略的闘いである。そして今こそ、その大転換の時である。マルクス主義と国際主義で武装し、革命党と労働者階級が階級的労働運動を闘うことができる革命主体へと大胆に飛躍し、階級的労働組合運動を職場で本格的に開始し、階級的労働組合の再生過程で1万人の青年活動家を組織できる革命党へ大胆にを飛躍する時である。飛躍とは一人ひとりの計画的な目的意識性に基づく、大胆な行動である。

労働者兵士行動委員会が最先頭に起とう!

階級的労働運動の前進、労働組合再生の闘いに反軍・労働者兵士行動委員会が最先頭に起つ。反軍闘争の前進は階級的労働運動の前進と一体である。国鉄決戦の前進が、隊内兵士が決起する土壌である。
そして1万人の青年労働者の活動家建設のなかに予備・常備を問わず兵士の組織化を目的意識的に位置づけることである。党と階級に問われているのは目的意識的飛躍と行動、実践への突撃である。兵士を組織するチャンスは安倍政権の超反動化と一体で拡大する。
内閣府は自衛隊への好感度が過去最高と発表した。だが2012年度の自衛隊兵士の自殺は、10万人当たり35~40人、国家公務員・省庁のなかでも突出した数字である。アフガン撤退を前にした米軍は兵士の自殺が戦死者を超える事態にまで陥っている
要するに帝国主義軍隊が崩壊の危機に直面しているということである。労働者も兵士も1%のブルジョアジーのために自らの命を殺してはならない!死すべきは1%のブルジョアジーと安倍政権である。どこまでもフクシマの怒り、沖縄の怒りと結合し、プロレタリア世界革命勝利まで進撃しよう!労働者階級・兵士の解放へ! 了

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護衛艦「たちかぜ」裁判傍聴記

高村 宏信

7月18日東京高裁で「たちかぜ裁判控訴審」の第12回口頭弁論が行われ、3回連続の傍聴をしてきました。この日も60名近い傍聴者がいましたが、抽選で41名しか傍聴できませんでした。マスコミも大きく取り上げてきたこの裁判について、毎回傍聴者を絞るのではなく、もう少し広い法廷は東京高裁にいくつもあるはずだから用意すべきです。

防衛省・海自は全証拠を開示せよ

この制限は、法廷審理の内容にも明らかに関連しています。原告の粘り強い闘いによって被告側を追いつめているからだと思います。控訴審において、元被告側指定代理人(現役3等海佐)が国・自衛隊の証拠隠滅の事実を告発する陳述書を東京高裁に提出して以来、新たな証拠が次々と露呈。一審で提出された証拠は39点だったのに、控訴審では、常識を覆して何と209点も提出された。ところが、都合の悪い部分は「黒塗り」しているというインカメラ審理だ。現在、黒塗りをどこまで解除させるかなどの攻防がおこなわれているが、護衛艦内で訓練と称するいかなる「いじめ」が横行していたのか、その中で自衛隊員がいかに悩み苦しんでいるのか、国・防衛省・海自の責任を明らかにするには、黒塗りなどとんでもないことで、全部解除すべきは当然だ。そもそも「破棄して存在していない」と言っていた証拠が、「実は、存在していた」と認めるに至った経緯からして、黒塗り解除どころか、隠し持っている証拠の全てを法廷に出すのが当然である。

裁判所は原告の証人申請を全て採用せよ

法廷の進行は、この攻防のあと、証人採用をめぐる攻防に入る。すでに元海上幕僚監部総務情報公開室2等海佐や、たちかぜ元艦長など7人の証人申請をしているようですが、この証人を引きずり出し、徹底的に追及して行くことだと思います。事態は鮮明になりつつあります。

裁判官は「国民の負託」に応える義務がある

しかし、傍聴していて、原告側弁護団の対応が、なまぬるいと感じています。裁判長の態度は、「ある程度受け入れるから、それ以上深く追求しないでくれ」というような顔をしているのだ。とんでもないことだ。裁判長の態度こそ、本質を隠蔽し、国・防衛省・海自による証拠隠し、ウソ・デマで覆い隠す国の態度を容認しようとしているのだ。

家族の怒りは非和解

この裁判は、海自護衛艦「たちかぜ」艦内での上官のいじめが原因で青年自衛官(1等海士)が自殺に追い込まれ(2004年10月)、両親が国と上司を相手に提訴、しかし1審では、証拠書類が隠蔽されたまま「いじめが原因だが、自殺は予見できなかった」という判決だ。原告のご家族の心境を察した場合、裁判では慰謝料の請求という形はとっているが、息子を自殺に追いやった自衛隊そのものを問うているのだ。安倍政権が、憲法解釈の変更による「集団的自衛権行使」の容認に向かって攻撃を強めている。集団的自衛権の行使とは、自衛隊が帝国主義侵略軍隊に転換するということである。「離島奪還訓練」を口実に、いじめが一層、激化するのは火を見るより明らかである。いじめの激化は自殺の増大を生み出す。自殺ととは「怒りの爆発」である。家族の怒りは慰謝料などでおさまるものではありえない。家族の怒りは非和解である。全証拠開示、全証人採用で、戦争と軍隊の本質を徹底的にはっきりさせよう。