会報 38号

会報 第38号 2015年5月10日発行

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イラク派兵負傷裁判・新弁護団結成

韓国ゼネストと連帯し

安保法制・戦争法・改憲阻止!

池田裁判に勝利しよう!

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4・24 韓国民主労総27万人がゼネストに突入 ◇労働市場の構造改悪廃棄 ◇公的年金強化・公務員年金改悪中断 ◇最低賃金時給1万ウォン獲得 ◇勤労基準法全面適用と労組法2条改正、すべての労働者の労働基本権獲得を掲げ  朴槿恵政権打倒へ!  民主労総ゼネストと連帯し 安倍政権打倒
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職場からの怒りで、国会を包囲し安倍政権を倒そう!

滝山

5~8月決戦で戦争法・改憲阻止へ!

世界は戦争と革命情勢である。プーチンはクリミア併合時、「核兵器の使用も準備」したことを公言している。恐慌の中の恐慌は総破綻している新自由主義の危機を世界核戦争の危機の時代に押し上げている。
ウクライナ・中東・東アジアの三正面での戦争がいつ世界戦争に転化してもおかしくない情勢に至っている。4・28合意の日米新ガイドライン(防衛協力の指針)は、没落米帝の「アジア太平洋へのリバランス戦略」と脱落日帝の「積極的平和主義」という戦争政策が肩を寄せ合い日米安保同盟を「地球規模を対象としたものに拡大し一変した」(カーター米国防長官)。安保法制はこれに実効性を持たせるための「戦争法」。「戦争絶対反対」の労働者階級の怒りで法案成立を阻止しよう。

一括採決で戦争国家へ

安倍政権は、「国際社会の平和と安全」という口実で、現に侵略戦争を行っている米軍のみならず他の外国軍(多国籍軍や有志連合)を支援するための「国際平和支援法案」と、集団的自衛権の行使を戦後初めて可能にする「武力攻撃事態法改正案」「自衛隊法改正案」など10法案を一括した「平和安全法制整備法案」の2法案として提出している。

周辺事態法を改正した「重要影響事態安全確保法案」では、地球規模で米軍の戦闘と一体化して派兵する。 そして「国際社会の平和と安全」を口実に「国際平和支援法案」では他の外国軍(有志連合など)の戦闘を随時支援し派兵する。これらに加え、「あらゆる事態」に「切れ目なく」対応するとして、自衛隊法改正案では、自衛隊の海外活動を地球規模に拡大し、武器使用を無制約に拡大している。だが戦争法を「平和安全法制」とペテン的にしか押し出せないところに安倍政権の脆弱性と危機が現れている。安倍は必ず、打倒できる。法案を具体的に見ていこう。

平和安全法制 整備法案

(一)武力攻撃事態法改正案

(1)「武力攻撃事態法改正案」第2条2では、「武力攻撃事態」を「武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」と規定し、同第2条4で「存立危機事態」とは、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と規定している。

要するに安倍と数名の閣僚で構成する国家安全保障会議で、「他国が攻撃され」「存立危機事態に至った」と「判断」すれば集団的自衛権を地球規模で行使し、武力行使=戦争に突入できるとしている。
安倍は原油や天然ガスの輸送ルートでの紛争が原因で、原油が国内に入らなくなった場合、「存立危機事態に該当する」として、戦時下の中東での機雷掃海をも集団的自衛権の行使=派兵可能としている。
周知のように機雷は海上封鎖を目的に敷設する。安倍はホルムズ海峡が機雷で封鎖され、中東からの原油・ガス輸入が途絶えるような事態が発生した場合、それは日本が攻撃を受けた事態と同様であると強弁し、集団的自衛権を行使し、機雷掃海にむけ自衛隊を派兵するというのである。

(2)「事態への対処措置」では「自衛隊の武力行使」と「民間労働者の動員」を明文化

「武力攻撃事態法改正案」第2条ハの(1)では、「存立危機武力攻撃を排除」するために「必要な自衛隊が実施する武力の行使、部隊等の展開その他の行動」を盛り込んでいる。 そして同ハの(2)では、「(1)に掲げる自衛隊の行動および外国の軍隊」が実施する自衛隊と協力して「存立危機武力攻撃を排除するために必要な行動」を「円滑かつ効果的」に行うために「実施する物品、施設の提供その他の措置」を盛り込み、軍事に必要な物資、施設の徴収、民間労働者の動員をも明記している。

(3)「国民の総動員体制」と「自由・権利の制限」

「武力攻撃事態法改正案」第3条1(基本理念)では、「武力攻撃事態および存立危機事態への対処においては、国、地方公共団体および指定公共機関が、国民の協力を得つつ、相互に連携協力し、万全の措置が講じられなければならない」と明記し、「万全の措置」への「国民の協力」を強制している。また、同第3条5では、「武力攻撃事態および存立危機事態への対処においては、憲法の保障する国民の自由と権利」に「制限が加えられる場合」は、「必要最小限度のものに限られ、かつ、公正かつ適正な手続きの下に行われなければならない」としている。だが、国家権力が、「存立危機事態」を口実に、「自由と権利」に制限を加え始めれば、「自由・権利停止」へと発展することは戦前の歴史が示しているとおりだ。憲法停止に至る規定がすでに「武力攻撃事態法改正案」に盛り込まれていることを見落としてはならない。

(4)「国の責務」と「国民の協力」ー国家総動員体制を規定

「武力攻撃事態法改正案」第4条では、「前条の基本理念にのっとり、組織および機能のすべてを挙げて、武力攻撃事態等および存立危機事態に対処するとともに、国全体として万全の措置が講じられるようにする責務を有する」として、「効果的な対処が可能となる訓練」、「関係機関相互の緊密な連携協力を確保」するために「国家機関の総力を挙げる」ことを明記している。これは「緊急事態」宣言をもって憲法停止へと強化されていく道筋である。
同第8条では、「国民は、指定行政機関、地方公共団体又は指定公共機関が武力攻撃事態等」において「対処措置を実施する際は、必要な協力をするよう努めるものとする」と規定している。戦時下の「必要な協力」とは、問答無用の強制力を発動した「国家総動員体制」への移行である。それを明記している。

(二)自衛隊法改正案

改正案では、「存立危機事態」を追加し、自衛隊の「あらゆる事態」に「切れ目なく」対応する武力行使と防衛・治安出動を明記している。

(1)「任務遂行型武器使用」の容認

改正案は、これまでの武器使用制限を撤廃した。在外邦人の「保護措置(警護・救出)」に当たり、「自衛官は保護対象者の防護または職務を妨害する行為の排除のためやむを得ない必要があると認める相当の理由があるときは、合理的に必要と判断される限度で武器を使用できる」と規定している。
「相当の理由」とか「合理的に必要と判断される限度」とかの文言が挿入されているが一片の規制力もない。「存立危機事態」に応じた武器の使用とは「任務遂行目的」のための「武器使用」であり、戦場での無制約・無制限の武器使用が改正案で容認されているということだ。

(2)米軍など他国部隊の防護

「自衛官は、米軍その他の外国の軍隊、これに類する組織の部隊」が「わが国の防衛活動に従事しているものの武器等を警護するに当たり、相当の理由がある場合」には、「事態に応じ」「武器を使用することができる」と、弾道ミサイル迎撃、朝鮮有事や世界で展開する米軍などの武器・部隊防護についても武器使用を容認している。「存立危機事態対処」とは、自衛隊の戦場派兵が前提であり、それは同時に武器使用=戦闘力の殲滅(せんめつ)が前提である。
米軍から要請があれば、共同訓練(日米一体化)、海賊対処、ミサイル破壊、緊急時の邦人保護・輸送、外国軍動向に関する情報収集活動を実施する任務を明記した。

(3)国外処罰規定を追加

上官の命令拒否、集団反抗、部隊の不法指揮、治安出動命令への反抗、不服従の罪は「国外でも適用する」としている。これらへの現自衛隊法の罰則規定では、3年から7年以下の懲役・禁固刑である。改憲で軍事法廷が設置されることになれば、これらは死刑になる。安倍はそこまで計画している。

(三)PKO協力法改正案

(1)PKO以外の戦争にも自衛隊の地球規模での派兵を可能にしている。PKOの対象活動に「国際連携平和安全活動(非国連統括型)」を新設し、国連決議がなくても有志連合による戦争地域での治安維持や人道復興支援などの活動も可能にしている。

「紛争地域での治安維持」とは、「停戦監視、特定区域の保安のための監視、駐留、巡回、検問および重要施設の警護」などが含まれ、「安全確保業務」には「治安維持」として戦場での家宅捜索なども含まれる。どのひとつをとってみても「戦闘行為」そのものとして前提化されていなければ任務に就けない活動である。狙撃されたり、検問所そのものが攻撃されたり、これらすべての活動が「自爆テロ」の攻撃対象になっているのはイラク・アフガン戦争でも明らかである。米軍はイラク戦争で『勝利宣言』までに139人、その後の「治安維持」活動の過程で4352人の戦死者を出している。

(2)PKOに「司令部業務」を追加

「活動を統括または調整する組織における企画立案、調整、情報の収集整理」が「司令部業務」として挙げられている。
だがこれはすでに先取り的に実施されている。安倍政権は昨年7月18日の国家安全保障会議(NSC)と閣議にてソマリア沖で「海賊対処活動」を実施している多国籍任務部隊司令官に自衛官を派遣する対処要項を決定し、本年5月から7月下旬まで海自・伊藤弘海将補を多国籍軍司令官としてすでに派遣している。

(3)「駆けつけ警護」が「緊急の要請に応じて行う保護」として追加されている。「駆けつけ警護」とは戦闘参加そのものだ。

(4)武器の使用制限を完全撤廃

①「自衛官は、外国部隊要員が共に宿営する宿営地が攻撃されたときは、当該要員と共同して武器を使用できる」、②「安全確保業務に際し、業務を妨害する行為を排除するため武器を使用できる」、③「駆けつけ警護に際し、自己と活動関係者を防護するため武器を使用できる」。ここでも「任務遂行目的の武器使用の容認」がベースになっている。

自公合意文書には、安保法制の大前提として「自衛官の安全確保のための必要な措置」が明記されている。これらの活動のどこに「自衛官の安全確保」が保障されているというのか!
怒りに堪えない!

(四)「周辺事態法」が「重要影響事態安全確保法案」に名称変更

「周辺」の地理的概念を排除している。
(1)法の「目的」では、「放置すればわが国に対する直接の武力攻撃に至る恐れのある事態(重要影響事態)に際し、日米安保条約の効果的運用に寄与することを中核とする外国との連携を強化する」と規定している。東アジアだけでなくはなく、日米同盟を基軸に地球的規模での外国軍との連携強化を明記している。

(2)法の「基本原則」

「後方支援、捜索救助活動は、現に戦闘行為が行われている現場では実施しない」と規定している。
安倍は2月の衆院代表質問の答弁で、他国軍への補給物資の輸送中に戦闘が始まった場合「ただちに活動を中断する。反撃して支援を継続することはない」と明言した。だがこのような答弁は戦場では一切、成立しない。
戦場・戦域で輸送部隊が攻撃を受けた場合、「ただちに活動を中断する」ことが可能なのか。車列がUターンすれば攻撃側に有利なチャンスを与え追撃される。応戦して撃退しなければ支援部隊そのものが殲滅され、壊滅する。また攻撃されて撤退すれば前線の他国軍は、物資・弾薬切れで部隊は敗北するか崩壊する。後方支援とは兵站活動であり、前線の部隊と一体の「武力行使」を伴う「戦闘行為」そのものである。

(3)法の「定義」

「米軍等」に関しては、①日米安保条約の目的達成に寄与する米軍、②国連憲章の目的達成に寄与する外国軍隊、③その他これに類する組織と規定し、米軍、外国軍隊に加え「これに類する組織(※対テロ戦争に協力・参加する民兵など)」まで支援の対象に挙げている。

(4)「武器使用」

「職務に伴い自己の管理下に入った者を防護するために武器を使用できる」また、「米軍等と共に宿営する外国宿営地が攻撃された場合、米軍等の要員と共同して武器を使用できる」と明記。要するに戦場での多国籍軍・組織との集団的戦闘行為の容認を明記している。

(五)船舶検査活動法 改正案

法の「目的」で、「重要影響事態」「国際平和共同対処事態」にも対応するとして、全海域での「武力行使」による「武器使用」を認めている。

(六)米軍行動関連措置法 改正案

(七)海上輸送規正法 改正案

(八)捕虜取り扱い法 改正案

いずれも「存立危機事態」新設に対応できるように改正が行われている。「捕虜取り扱い法」とは、「戦争が前提」である。

(九)特定公共施設利用 法改正案

米軍以外の外国軍隊も利用対象に追加する改正が行われている。

(十)国家安全保障会議(NSC)設置法改正案

(1)「存立危機事態」、(2)「重要影響事態」、(3)「国際平和共同対処事態」にNCSが対処し、判断し、閣議決定を下すことが追加されている。
※以上が10本の現行法を一括法案として出している平和安全法制整備法案の概要だ。

(十一) 「グレーゾーン」

「対応手続きの迅速化案」は、安保法制関連法案と同時に閣議決定されている。
(1)外国軍艦の「領海侵入」に対しては、海上警備発令のため首相主宰による電話での閣議決定が了解されている。

(2)「武装集団の離島上陸」事案が発生した場合は、内閣に首相を本部長とする対策本部を速やかに設置する」ことが決定されている。(3)「公海上での民間船舶への侵害行為」への対応に関しては、海賊対処行動、海上警備行動発令のために、首相主宰の「電話による閣議決定」が了解されている。

国際平和支援法案

(1)第1条は、「国際平和共同対処事態に際し、(脅威を除去する)活動を行うことにより、国際社会の平和および安全の確保に資することを目的とする」と規定。
要するに地球的規模で多国籍軍・有志連合と共同で、「脅威を除去する」ための武力行使と支援活動=集団的自衛権の行使を目的として押し出している。

(2)第2条2の「基本原則」では、「対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない」と規定し、あたかも「武力行使を否定」するかのような文言が挿入されているが、第1条「目的」の前段では、「この法律は、国際社会の平和および安全を脅かす事態であって、その脅威を除去するために国際社会が共同して対処する活動を行い」とある。「脅威を除去する」活動とは、武力行使そのものであると同時に仮に「後方支援」とか「協力支援」という詭弁を弄してもその活動は、本質的・現実的に武力行使そのものと一体である。
同条4の「外国の領域」では、当該外国もしくは施政を行う当該機関の同意があれば実施できると規定している。
そして同条5と6では、内閣総理大臣が対応措置にあたり行政各部を指揮監督し、行政機関の長は、目的を達成するために防衛大臣への協力を明記し、国家総力戦態勢を規定している。

(3)第3条では、「諸外国の軍隊等」については、「国際社会の平和および安全を脅かす事態に関し、国際連合の総会又は安全保障理事会の決議が存在する場合」、「当該事態に対処するための活動を行う外国の軍隊その他これに類する組織をいう」と定義し、「決議」があれば参戦とともに緒外国軍への弾薬・物資、役務などの支援活動や、戦闘に参加した兵士の捜索又は救助活動が実施できるとしている。

(4)第4条では、「内閣総理大臣」が「国際平和共同対処事態」に際し、閣議決定すれば対応措置の基本計画案を実施できることを明記している。

(5)第5条では、「基本計画の決定又は変更があったときは、その内容」を「遅滞なく国会に報告しなければならない」と規定している。要するに「国会の承認」より、国家安全保障会議(NSC)と閣議決定を優先し、上位に置いている。NSC独裁の恐るべき戦争国家法である。根底に天皇制がある。

(6)第11条では、「協力支援活動としての自衛隊の役務の提供の実施を命ぜられ、又は捜索救助活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は」「その職務を行うに伴い」「その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる」と規定している。これは上記、(三)「自衛隊法改正案」の「任務遂行型武器使用の容認」で示したとおりである。武器の使用とは「任務遂行目的」のための「武器使用」であり、戦場での無制限・無制約の武器使用が自衛隊法改正案においても盛り込まれている。

(7)第9条では、「自衛隊の部隊等の安全の確保等」が規定されている。そもそも戦場での「部隊等の安全確保」などは、不可能である。だから戦争絶対反対なのだ!
戦場への派兵、集団的自衛権の行使、戦争への動員は、1%の帝国主義ブルジョアジーの利益のために自衛官と労働者階級に死を強制する極限的な攻撃そのものである。憲法9条で規定している「戦争放棄」、戦争法案の成立阻止・安倍打倒こそが「自衛官・部隊の安全を確保」する唯一の道である。

改憲阻止へ!

安倍は日米一体化の集団的自衛権の行使を道筋に、「戦後レジームからの脱却」を掲げ、帝国主義としての独自の「戦争国家への飛躍」を開始した。だがこれは絶望への道であり、労働者階級の怒りのゼネストと革命を引き寄せるものでしかない。
そもそも安倍政権の戦争法は、9条を含む明文改憲を抜きには成立しない。5~8月戦争法と戦後70年談話粉砕の闘いは同時に、70年安保・沖縄闘争を超える戦後最大の階級決戦としての改憲阻止大決戦として爆発する。
国鉄決戦を軸とする階級的労働運動の前進、戦争絶対阻止、改憲阻止決戦のなかに労働者階級人民・兵士の未来と生きる展望があり、総破産し、世界戦争・核戦争に突進している新自由主義を打倒する力がある。

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(写真 米空軍は2017年以降、横田基地に10機のCV22オスプレイ配備を発表した。運用を担う空軍の特殊部隊400人を横田基地に新たに配置する。この部隊は嘉手納基地に司令部を置く第353特殊作戦群所属となる。全基地撤去へ! )

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イラク派兵負傷(公務災害)池田裁判に全力で勝利しよう!

闘う 新弁護団を結成

昨年末、7・1閣議決定という日帝・安倍政権の戦争と戦争国家への踏み込みという戦後史を画する新たな階級情勢の中、これまで池田裁判を担ってきた15人の弁護団が解散するという事態が起きた。
以降、原告・元三等空曹池田さん・新たな弁護士・東海合同労組を軸とする支援との三者間で真摯で真剣な討議を重ね、4月26日、池田さんによる4人の新弁護士選任と4人の弁護団による原告代理人としての受任手続きを終了し、池田さん・新弁護団・支援による新たな飛躍をかけた闘いが開始されました。本当の非和解の闘いはこれからです。
日帝・安倍政権の戦争と改憲攻撃で無理やり自衛官・労働者を戦争に駆り立て、戦場に送り込まんとする許しがたいことが行われようとしている。それがすでに弾劾した一括法としての「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」にはっきりと示されている。

戦争絶対反対と池田裁判はひとつ

没落した米帝オバマは、すでに経済・軍事力においても世界的展開力を喪失し、米欧帝国主義対ロシアのウクライナ争奪戦争は停戦どころが核使用の危機を含む戦争として激化している。中東情勢は米帝の中東支配の崩壊とともに戦争が拡大し、東アジアでは北朝鮮・金正恩体制の危機が急速に進行し、韓国・朴槿恵政権も歴代政権からの腐敗で崩壊寸前の危機にあり、韓国民主労総27万ゼネストが朴槿恵政権打倒として爆発している。

新自由主義の総破綻が世界の「三正面」で戦争を激化させ、中国のAIIB(アジアインフラ投資銀行)が東アジアの帝国主義間・大国間争闘戦の戦争への転化の危機を促進している情勢下にあると言えます。AIIBから完全に弾き飛ばされている没落米帝と戦後最弱の帝国主義である脱落日帝がこれまでの日米同盟を一変する日米一体化に突き進んでいる(新ガイドライン)。だがこの一体化は決して「不動の同盟」ではない。没落米帝・脱落日帝が争闘戦の世界戦争への転化という世界情勢下においてそれぞれの利害と思惑の上で成立しているという本質的に脆弱なものでしかない。安倍政権の無茶苦茶極まりない大嘘と凶暴性もこの脆弱性と危機を本質としている。言い換えれば、東アジアはいつ戦争が始まってもおかしくないところに来ている。それは同時にゼネストと革命情勢である。
韓国では朴槿恵政権打倒のゼネストが爆発し、米港湾労働ILWUは港湾を封鎖し、UTLAの教育労働者は高校生を戦争に送り込むオバマ政権の策動を阻止し、中東の労働者階級はクルド人への排外主義攻撃と闘いながら韓国ゼネストに賛成決議をあげている。中国国内では年間20万件の労働者の反乱・決起が習近平の支配体制を危機に追い込んでいる。沖縄も基地撤去の闘いがゼネストに発展する情勢に入っている。世界の全労働者・全階級に「戦争か革命か」を真正面から歴史選択を迫る情勢である。戦争を革命に転化する武器は階級的労働運動の前進とゼネストである。戦争・改憲阻止の非和解の闘いが、そのチャンスだ。

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戦争絶対反対・改憲阻止大決戦と一体でイラク派兵負傷・池田裁判の勝利を!

負傷(事故)の経緯と症状

陸自は04年~06年にイラク南部のサマワに計5500人を派遣、空自は04~08年に計3600人をクウェートに派兵した。
元三等空曹は06年4月、イラク派兵でクウェートのアリ・アルサレム空軍基地に通信士として派兵された。一般的に通信は統幕から現地指揮官への指揮命令までが含まれている。06年7月4日、池田さんは米帝の独立記念行事のマラソンに参加しトップグループを走っていたところ、米軍の大型バス(民間軍事会社ハリバートンの子会社・KBR社)に後ろからはねられ左半身を強打、意識不明になる。
事故後、3週間を経過しながら、十分な治療もなく、放置され、日本への「後送措置」もとられなかった。結局3等空曹は、派兵任期満了までクウェートのアリ・アルサレム空軍基地に留め置かれた。04年から08年までクウェートに派兵された空自兵士のうち27人が怪我や病気で米軍やクウェートの病院で診察を受けている。現地で治療できない10人を任期の4ヶ月より早く帰国させている。だが、防衛省と現地指揮官は三等空曹の事故を無視した。三等空曹は激痛のために活動ができずに執務室で横になる毎日が続き、口が開けないためにご飯に味噌汁をかけて流し込むという異常な状態も黙殺し続けた。したがって現地指揮官によって事実上の欠員状態も無視され、他の隊員に勤務延長を命じていた。

日帝・防衛省の「安全確保」義務違反

米帝のイラク侵略戦争は、9・11同時テロを受けて「対テロ戦争」として強行された。そして「治安維持」で敗退した。日帝は米帝のこの「対テロ戦争」に加担し、名古屋高裁の違憲判決で撤退した経緯があるが、「イラク特措法」第9条は、内閣総理大臣及び防衛大臣に「イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保」を義務付けている。
「隊員は、…平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、…事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に努め、もつて国民の負託にこたえることを期するものとする(自衛隊法第52条)」。
国家が自衛隊員に対し「危険を顧みず、身をもつて責務の完遂」を要求するとき、国家に課せられている自衛隊員(と家族)に対する「安全確保」の義務は、隊員が「国民の負託に応える」ための絶対条件である。国に求められる義務の程度は、単に注意や死傷病事故を防止するための「相当の配慮」では足りず、死傷病事故等を防止し、負傷した場合には、直ちに症状の増悪を防ぐための「万全の措置」を講ずべき義務である。

早期「後送義務」違反

航空自衛隊「イラク復興支援活動措置計画」では、「衛生隊の能力を超える傷病者が発生した場合には、次を基準として、患者後送を実施する」とある。自衛隊衛生隊の医療能力については、「4 衛生(1)診療及び看護 イ医科」の項目に「(ア)専門医を必要としないレベルの投薬治療、外科的処置及び救命処置の実施を基準とする」とある。要するに衛生隊は低レベルの医療機能しか備えていない。事実しても衛生隊にはレントゲン設備もなかった。戦場・戦域では投薬程度の処置で任務に支障が出ない程度の軽症を除き、理由を問わず隊員が負傷した場合、原則、後送が前提である。兵士が負傷し、戦闘力の支障ないし喪失が生じた場合、「後送で治療」というのが軍隊(や自衛隊)での常識である。そのことを「救命措置実施基準」が明記している。それが帝国主義軍隊である。したがって衛生隊の能力を超える傷病者が生じた場合、クウェート国の医療機関、米軍、クウェート国軍の適正な初期治療を受けた後、速やかに後送しなければならない。三等空曹の負傷は衛生隊の能力を超え、日本への後送が必要であった。

世界戦争情勢下、新たな戦いとして池田裁判闘争が始まった。
池田裁判は戦争絶対反対・改憲阻止大決戦と一体である。労組・職場の闘いとして発展させよう!

(滝山)