会報 21号

 

Rise 第20号 2012年7月10日発行

rise21

第21号
2012年9月10日発行

労働者階級に「領土」や「国境」はない

改憲と戦争に突き進む野田・橋下打倒

外注化決戦に勝利し 十一月巨万の決起へ

大恐慌下の3・11から1年半、野田政権・資本家階級は、フクシマの怒りを圧殺し、あくまで原発再稼働を押し貫こうとしている。これに加えて消費大増税の攻撃だ。圧倒的多数の労働者に「死ね!」と言っているに等しいとんでもない攻撃だ!団結して闘わなければ本当に生きて行けない!「もう騙されない!」「子供を守れ!」「福島を切り捨てるな!」「原発やめろ!野田たおせ!」の根源的怒りが首相官邸前を埋め尽くし、去年を上回る10万~20万人の労働者民衆の連続的決起が始まっている。反原発の闘いは、大増税反対の怒りとあいまって全国に広がり、野田政権・資本家階級を根底から激しく揺さぶっている。
原発再稼働阻止・全原発即時廃炉の巨万人民の闘いとJR外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの一体的推進で野田政権を打倒し、闘う労働組合・階級的労働運動を力強く復権させていくことこそが焦眉の階級的要請となっている。

脱落と分裂の危機に喘ぐ野田政権は、必死にJR全面外注化、原発再稼働、消費大増税、オスプレイ配備、そして階級支配の危機が極限的に深まっているからこそ、支配階級は「領土」問題を利用し、自衛隊を前面に押し立て、改憲と戦争への道に労働者民衆を引きずり込もうとしている。その新自由主義攻撃の最尖兵が大阪市長・橋下だ。 橋下は労働組合を憎悪し、処分を乱発することで絶対服従を強制し、公務員労働者の大量解雇・民営化を押し進め、改憲と戦争への道を掃き清めようとしている。しかし、それらの絶望的攻撃が逆に現場労働者の根源的怒りに火を付け、連合支配のくびきを食い破って大阪・西郡・自治体労働者の闘いを中心に橋下打倒闘争の新たな闘いが爆発している。

動労水戸は8月24日、検査・修繕外注化絶対反対・被爆労働阻止を掲げて全組合員がストライキに立ち上がり、動労千葉は8月28日、検修職場の全組合員がストライキに立つと共に、同日、動労総連合(千葉・水戸・高崎)は研修外注化とそれに伴う強制出向の差し止めを求めて東京地裁に集団訴訟に起ち上がった。そしてこの歴史的闘いの渦中で8月28日、東労組からついに、支部青年部長が動労水戸に加入した!外注化阻止決戦の渦中でこそ、全職場での青年労働者獲得と組織拡大のチャンスです!

世界大恐慌激化の下で、資本家階級の延命のための全面外注化・団結破壊・労働者切り捨てー使い捨ての攻撃は、逆に労働者民衆の根源的怒りに火を付け、労働組合の原則に立ちきった絶対反対の闘いが巨万の団結を生み出していく決定的情勢を切り開いています。

反原発の根源的決起を開始した巨万の労働者民衆と連帯・団結し、9・16橋下打倒闘争から10・1JR外注化を絶対阻止し、11月労働者集会の巨万の結集を実現しよう!自衛官と家族の皆さん!団結して共に闘いましょう!
(杉橋)

破綻した米新軍事戦略

世界は革命情勢

世界は革命情勢。日中、日韓の「領土」問題をめぐる激しい動きは、新自由主義の破綻と世界恐慌が米の帝没落と失速、EU解体の現実化、中国バブルの崩壊と労働者の反乱、日帝の没落の深化という現実が、アジア・太平洋における帝国主義間・大国間争闘戦の激化として戦争の危機を急速に深めているということだ。 現下の日中、日韓の激しい領土問題の激突とその根底には、恐慌の深化が米中対立を軸にした侵略戦争に転化していく過程への突入としてあることを真っ向から見据えるということである。恐慌は戦争を準備し、世界恐慌は世界戦争へと行き着く。帝国主義の危機が戦争へ突き進む過程こそ、恐慌をプロレタリア世界革命に転化できる革命情勢である。

領土問題=戦争を、内戦に転化し、プロレタリア世界革命へ

その上で現下の「領土」問題に言及すれば、「独島(竹島)」、「釣魚台(尖閣列島)」はいずれも日本帝国主義が過去の侵略戦争で朝鮮、中国から奪い取ったものである。そもそも労働者階級にとっては「祖国」や「国境」はない。「固有の領土」など存在しないのだ。1%のブルジョアジーの利害をまもるためにあるのが「国境」「領土」という概念である。だからこそ「領土」は1%のブルジョアジーのその時の力関係で「変更」し、その「変更」のための侵略=奪略戦争に人民を動員するイデォロギーとして、国家は差別排外主義と国家主義を煽動するのである。それが領土問題の本質だ。領土と国境を持たない99%の労働者は、領土と国家を持つ1%のブルジョアジーに搾取・収奪されている世界単一の階級である。したがって労働者階級の立場は、領土・国境、人種を超えた世界でひとつの階級としてブルジョアジーとういう共通の敵を打倒するために国際的連帯と団結を強化し、プロレタリア世界革命にむけ、革命組織と革命運動を拡大するということである。

米新軍事戦略の破綻

米新軍事戦略は、新自由主義の破綻と「対テロ戦争」の敗退から没落した米帝の産物であるが、同時に新軍事戦略は米帝の「パートナ・リーダーシップ」のもと、対中対峙・対決の対中包囲網の形成にむけ、アジア・太平洋諸国に軍拡を促進させる戦略である。対中包囲網の基軸が日米韓同盟の深化=実戦的統合軍事体制の強化である。さらに台湾海峡有事や東中国海、南中国海の「領土」争奪戦をめぐる米日韓豪統合軍事体制の形成・強化と米比、米越軍事体制の強化、米印軍事体制の形成など、対中・北包囲網の多国間統合形成を目指し、それぞれの統合軍事演習を継続的に強行しその実効性を強化する動きを、米帝は激化させている。だが、その米新軍事戦略がすでに破綻し始めている。

軍事予算の大幅な削減

破綻の第一は、国家財政の危機による軍事予算の大幅な強制削減が議会で確定している。
13年度(12年10月~13年9月)から10年間で4870億ドルの国防費が削減される。5年間で約2600億ドル(約20兆円)削減の具体的措置として、陸軍57万人を49万人、海兵隊20万人を18万人、計10万人削減。海軍は巡洋艦の退役を前倒し、新型潜水艦の導入を先送り。 空軍は戦闘機部隊の削減などで経費を減らし、最新鋭ステルス戦闘機F35を5年間で179機分の調達先送りを決定(調達予定の総機数約2440機は不変としているが先行き不透明)。13年度は13機少ない29機の取得を目指し予算要求するが、これも先行きは不透明。大型無人偵察機「グローバルホーク」は、運用コストの高騰を理由に調達計画を中止。最新鋭ステルス戦闘機F35は、機体の亀裂など開発と生産が大幅に遅れている。米帝は、すでに世界的展開を行う財政力・軍事力・技術力を喪失している、ということだ。

米基幹産業の基盤崩壊

第二に、米国基幹産業の基盤はすでに崩壊している。昨年2月、カリフォルニア州でオバマとグーグルのシュミット、フェイスブックのザッカーバーグ、アップルのCEO(最高経営責任者)の故ジョブズなど米IT企業TOP13人との会合でオバマの「iPadを作る仕事をなんとか米国に戻せないか」という要請に対し、ジョブズは「二度と戻らない」と応えている。その理由は「賃金、スピード、柔軟性において中国の方がはるかに優れている」「数年前、特殊に研磨した部品を中国メーカに発注したところ、数週間で量産体制まで作り上げた。瞬時に技術者と労働者を集める。米国では絶対不可能だ」と応じ、現CEOクックは「米国では熟練者が減っている」という現実を指摘。最先端技術においても製造(=雇用)は中国の「低賃金・技術力・スピード」に依拠しなければならないのが現実であることを米ブルジョアジー自身が認めざるを得ず、これ自体、新自由主義が作り出したものだ。
一方、GMの11年の純利益は過去最高。オバマは「自動車産業は復活した」と宣言。だが、中身は税金投入と労働者の非正規職化・低賃金・労働強化による「利益」であり土台は崩壊している。クライスラーの雇用は10年前の4分の1弱で1人あたりの仕事量は急増し、労働強化で現場の労働者は、「もう限界だ」と怒りを表している。正社員の賃上げは途絶え、青年の非正規労働者の雇用契約は1ヶ月単位である。米自動車産業で働く労働者は00年の130万人から現在、80万人に減少。「技術開発は日本や欧州に遅れたままだ」(ミシガン大ピエトリコウスキ教授)という現状である。米製造業には現在約1200万人の労働者が携わっているが90年代から500万人減少。6月の「非農業部門の就業者数」は前月比8万人増で急ブレーキが掛かっている。米産業の空洞化と衰退が示されている。

米日韓軍事体制の破綻

第三は、日韓の「領土」対立それ自体が、米日韓同盟を破綻させる。
日韓で5月に基本合意し、6月29日に締結署名の予定であった日韓「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」が韓国労働者の反対で頓挫した。これも米新軍事戦略の破綻を拡大している。
7月のASEAN外相会議が南中国海の「領土」をめぐりカンボジアとフィリピン、ベトナムの対立激化で45年の歴史の中で初めて共同声明を採択できずに閉幕している。

再編見直し計画が破綻

第四に、沖縄普天間移転―辺野古新基地建設の破綻がそのまま米軍再編見直しと米新軍事戦略の破綻を引き出している。新基地建設は頓挫、普天間基地は存続となる。だが米新軍事戦略は普天間存続プラス辺野古新基地建設である。4月27日の日米安全保障協議委員会(SCC)では、辺野古基地建設強行を日米で再確認している。オスプレイ沖縄配備は、米軍再編と新軍事戦略の要だが、配備強硬は、沖縄県民の怒りの炎に油を注ぎ込み、根底的怒りは非和解の基地完全撤去へと猛爆発する。

米軍の内部崩壊

第五に、米軍の内部崩壊である。イラクでは「世界最強の米軍」が帝国主義軍隊の最弱点といえるテロとゲリラの戦場に引きずりこまれ完全に敗退した。対テロ戦争は近接戦闘、「見えない敵」との戦いである。恐怖にかられた米兵士の銃撃で住民が虐殺され、兵士が己の発砲した銃弾で住民が死亡し、さらに仕掛けられた簡易爆弾や狙撃で味方の兵士が目前で死亡し、自らも負傷する。イラク・アフガンに派兵された米兵士はこれらを毎日、否応なしに目撃した。 その衝撃が帰還後、30万人(08年「ランド研究所」)を超える外傷性脳障害などによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺症に悩み、自殺者が増大し、薬物依存と乱用、失業とホームレス化、DVなどが増え続け、戦争と新自由主義の破綻が激しく米兵士に襲い掛かっている。また劣化ウラン弾による被曝も深刻化している。
派兵された米兵にとって戦争目的、「大義」が不明になり、イラク・アフガン戦争の10年で6200人の米兵が死亡し、46000人の米兵が負傷。軍隊内では、12年前半の自殺者は150人を超え、同時期のアフガニスタンでの戦死者数を上回っている。米陸軍公衆衛生司令部の統計は、米陸軍現役兵士の自殺者は04年から08年までに80%増加。11年には164人を記録し、12年は6月上旬で既に154人。米軍は既に内部から崩壊している。帝国主義は凶暴だが脆弱である。
兵士は非正規で軍服を着た労働者だ。労働者と兵士の団結でプロレタリア世界革命を戦いとろう!
(滝山)

基地労働者が動くとき、沖縄の労働運動が動く

元基地労働者  金城正夫

9・9県民大会が爆発

沖縄は、MV22オスプレ配備をめぐり怒りが渦巻いている。オスプレイ問題は、強行配備の動きが明らかになるにつれて沖縄県民の怒りは頂点に達しようとしている。9・9オスプレイ配備反対県民大会は歴史的な闘いとして爆発することは不可避だ。
基地労働者のパート導入撤回の第一波ストライキは、破産した新自由主義攻撃のもとで外注化・非正規職化と闘う労働者、とりわけ「非正規職撤廃」を闘う青年労働者に共感と勇気を与えている。基地労働者の闘いこそ、動労千葉の10・1外注化決戦、オスプレイ配備反対を闘う140万県民と一体の闘いだ。

全駐労第二、第三波ストへ

全駐労沖縄地区本部(6500人)は、AAFES(米陸軍・空軍エクスチェンジ)職場へのパート制度導入撤回を要求して7月13日、第一波24時間ストライキを打ち抜いた。そして基地労働者は、青年労働者を先頭に第二波、第三波ストライキにむかって新たな決意を固めている。
第一波ストライキは、当該の労働者をはじめAAFES労働者(1600人)の年休行使と各支部(マリン支部、空軍支部)の労働者の団結で勝ちとったものだ。米軍当局によるストライキ当日の基地労働者の「年休行使は認めない」というスト破壊と弾圧をはね返して闘われた。ズケラン支部の女性労働者は「若い人に波及することを絶対に阻止する」「パート導入を許したらAAFESだけではなく、基地の全職場に広がる」と発言。
AAFESの職場は青年労働者と女性労働者が圧倒的に多い職場だ。今回のAAFES再雇用労働者のパート化攻撃は、基地労働者にとって非和解的な闘いとなっていかざるをえない。米軍当局は、7月1日をもって定年後の再雇用労働者の週40時間勤務を、週30時間未満のパート勤務に切り替えた。再雇用後の労働者は通勤手当以外の諸手当はなく、手取り給与は半額以下である。基地労働者の生活破壊はパート制度導入で決定的に進む。さらに年金とのリンクで1958年生まれからは完全に無収入となる。これがAAFES再雇用労働者のパート化によってもたらされる現実だ。
この攻撃の直接的な引き金になったのは、2011年の在日米軍駐留経費(思いやり予算)に関する特別協定のなかで、全駐労中央本部が裏切り的に容認したIHA(食堂・売店)の労働者430人分の人件費削減(実質的解雇だ!)のなかにある。すべての基地労働者を外注化・非正規職化に突き落とし、基地労働者の団結破壊と労働組合(全駐労)解体を狙った新自由主義による攻撃そのものだ。

米軍当局と政府は、第一波ストライキ直後から基地労働者の団結破壊と分断攻撃を強めてきている。軍当局は「(パート制度の)2カ年間導入を先送りする」という「譲歩案」なるものを出してきた。パート制度導入をあくまでも基地労働者に認めさせることを狙っているということだ。日米地位協定3条の「管理権」を盾に「基地内の組合活動禁止」を通告してきたのも、基地労働者のストライキをはじめとした団結をバラバラにし、あらゆる闘いを圧殺することを狙ったからだ。米軍当局は、そもそも基地内の労働組合(=全駐労)を認めていない。このもとでの基地労働者への弾圧の激化は、基地労働者の現状変革の闘いをうみだす。

基地労働者は140万県民とともに闘う

1968年、全軍労は労働者の権利と人権を取り戻す闘いを10割年休行使」=ストライキで決起した。すべての組合活動が基地内外で禁止されている現状を突破する闘いだった。米軍は「出勤停止」「解雇」の報復攻撃をかけてきた。全軍労はストライキで反撃し、これらの攻撃を撤回させた。その闘いは全軍労闘争の始まりであり、全軍労牧港支部青年部(牧青)の闘いである職場を拠点に米軍権力と対峙して闘う出発点でもあった。まさに今回のストライキは、全軍労闘争と牧青の闘いを甦らせることとなった。

青年労働者がストの主力

2007年11月の全駐労全国統一ストライキ(格差給・語学手当廃止攻撃)ときは、青年労働者にとって何もかもが初めての経験だった。その青年労働者が今回のストライキでは、みずから先頭に立ち、その主力となった。
軍当局と野田政権は、基地労働者の闘いがオスプレイ配備阻止闘争、なによりも「基地撤去」と結合していくことをもっとも恐れている。全駐労沖縄地本は9・9オスプレイ配備反対県民大会への組織参加を決定した。これは1995年の少女暴行事件の県民大会以来のことだ。基地労働者は「140万県民とともに闘う」ことを選択した。沖縄労働運動は「基地労働者が動くとき、沖縄労働者は動く」と言われてきた。「何も恐れることはない。われわれには140万県民がついている」―70年代の全軍労闘争の「解雇撤回・基地撤去」の闘いは、今も基地労働者のなかに引き継がれている。基地労働者は軍当局の「処分」攻撃など恐れていない。

(写真 7・11 第1波スト突入宣言集会 沖縄市民会館)

オスプレイ配備阻止は、基地労働者の命を守る闘い

オスプレイ配備阻止の闘いは、オスプレイが配備される基地内の仕事に関わる基地労働者にとって死活問題だ。基地労働者の「命を守る闘い」そのものだ。「安全性」論議などまやかしにすぎない。沖縄の労働者人民はだれ一人として信用していない。
オスプレイ沖縄配備は、オバマ政権の新軍事戦略(エアー・シー・バトル)にとって必要不可欠だ。対中国・北朝鮮に対して戦争を挑発し、3・11での「トモダチ作戦」では実際に在日米軍は戦争を構えたと言われている。オスプレイ沖縄配備反対の闘いは、沖縄労働者人民の「基地撤去」と一体の闘いであり、日米安保との激突となる。
AAFESのパート制度導入は、在沖米軍基地をどう維持・管理するのかという問題だ。新たな基地強化をめざす在日米軍再編による基地労働者の大量解雇攻撃が始まったことを示している。この基地労働者の闘いこそ、オスプレイ配備反対、反原発、そして何よりも10・1外注化阻止決戦の動労千葉と一体の闘いだ。破産した新自由主義にしがみつく野田政権を打倒しよう!

—————————————————–

極右の安倍・石原と連携する反革命・橋下を打倒しよう!

(写真 入れ墨調査拒否者への処分を絶対に許さない! ともに処分ー解雇攻撃への反撃を始めよう!  大阪市職前で怒りの抗議行動 8月29日)

8月29日の大阪市役所前、朝8時から出勤中の大阪市職の労働者らに大阪市長・橋下徹に対する怒りの反撃が叩き付けられた。
前日の28日、大阪市職員の6名の労働者に対し「入れ墨調査の職務命令に従わなかった」として強行された懲戒処分(戒告)への弾劾だ。そして、9・16橋下打倒闘争への強力な呼びかけが行われた。
そもそも今年2月の大阪市の3万4千人全職員への労組活動・政治活動アンケート思想調査、橋下はこれらを職務命令として強行してきた。 しかし、4月には集約されたアンケートを廃棄処分に追い込み粉々に粉砕した。
そして、橋下が次に全職員に仕掛けてきたのが5月の「入れ墨調査」の強行だった。職場での「喫煙」のデッチあげによる1年間もの停職処分。「マイカー通勤」には2ヶ月の停職処分などあらゆることを口実に処分を乱発している。これは「全員解雇」のための解雇者リスト作りだ。
教育現場に対しては「公立学校教員の非公務員化」をめざすと明言し、教育の民営化と非正規職化で「首切り自由・賃下げ自由」の職場にしようとしている。「君が代」起立・斉唱の強制に対しては「団結不起立」とも言うべき現場労働者の団結による反撃で根底において粉砕した。職場の全攻防が「全員解雇」攻撃との激突になる
大阪市長・橋下のこのような暴力的な処分恫喝などものともせず橋下と真っ向から闘いぬいている当該労働者による9・16橋下打倒集会の呼びかけは、労働者の圧倒的支持と共感を集めている。

日帝ブルジョアジーの新たな救済者・極右反革命の橋下を打倒しよう!

橋下の本質は極右の反革命である。「改革者」のポーズで大衆迎合的手法を駆使し、大衆の憤激を労働者階級と労働組合の打倒に組織する橋下との対決を絶対にあいまいにしてはならない。
橋下は自民党と民主党の崩壊に対して、その批判者を装いながら資本家どもの新たな救済者として登場しようとしている。
一方、支配者階級(資本家階級)は、今や、橋下のような連中に最後の救世主としてすがりつく以外になんの展望も持てなくなっているのだ。橋下を使って労働者階級への階級戦争、急速な反動化、改憲と戦争の攻撃を徹底的に強めている。
この橋下の反動的役割と正体を階級的に見抜き、全力で対決しよう。橋下=「維新の会」打倒に向かって闘おう。

労組破壊と公務員の全員解雇・非正規職化に 反撃を!

大阪市長・橋下と「維新の会」は、その「維新八策」で、統治機構の転換や「体制維新」という疑似「革命」を訴えることで、既成政党と違う「体制変革」を目指している存在であるかのように自らを押し出している。だが、橋下の言う「体制維新」こそ帝国主義戦争に突き進む新自由主義・日帝の絶望的で凶暴な統治形態の大転換である。それはすなわち改憲と道州制の攻撃である。そしてその核心は労組破壊、公務員の全員解雇・非正規職化の攻撃だ。
「ギリシャを見てください。公務員と公務員の組合をのさばらせておくと国が破綻してしまいます。ですから、大阪市役所の組合を徹底的に市民感覚に合うように是正、改善していくことによって日本全国の公務員の組合を改めていく。そのことにしか日本の再生の道はない」(昨年12月)これは1%の資本家階級の利益のための新たな独裁支配体制を確立する大攻撃だ。労働者人民の総力でこの攻撃を叩きつぶそう。

極右・改憲の安倍や石原との合流を画策

橋下と「維新の会」が次期衆院選をにらんで、8月中旬に自民党の安倍晋三 に合流を要請していたことが明らかになっている。07年9月に破産し首相の座を突然投げ出した極右政治家・安倍晋三にだ。
安倍は「日本を変えていく大きな可能性を秘めている」などと橋下を称賛し、その反革命性に期待感を表明している。橋下は8月21日、軍隊慰安婦問題で「慰安婦が(日本)軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない。そういうものがあったのなら、韓国にも(証拠を)出してもらいたい」などと述べた。もはや議論の余地のない日帝軍隊の歴史的犯罪を橋下は完全に開き直った。
安倍はこの橋下発言を「大変勇気ある発言だ」と全面賛美した。両者の共通点は強烈な改憲志向、つまり統治機構の大転換だ。しかし、今や、これが支配階級の本音だ。「維新八策」の冒頭では「自立する個人」「自立する地域」「自立する国家」の実現を掲げている。
ここにあるのは、競争と分断をあおり団結を破壊し「死ぬも生きるも自己責任」とした社会保障の切捨てだ。公務員の大量解雇と賃下げ、大企業への規制緩和、解雇の自由化など資本家階級が望む新自由主義政策が並んでいる。

橋下打倒まで止むことのない闘いを開始しよう

7月末に行われた集会実行委員会は、9・16集会の獲得目標を次の〈3本の柱〉とした。
①橋下による「全員解雇」攻撃を受けている公務員労働者の団結の拡大と闘いの発展を軸とする。この拠点職場での闘いをとおしていかなる処分も解雇も許さない労働運動を組織していく。
②9・16橋下打倒集会をもって開始する闘いを橋下打倒までやむことのない闘いの始まりとする。実行委員会を恒常的な運動体として発足させる。
③参加した労働組合・団体・個人が実行委員会の構成団体・メンバーとなり実行委員会として労働者・労働組合に広範に呼びかけていく。職場や街頭で圧倒的な集会賛同署名を集めていく。

外注化阻止決戦と一体で 橋下打倒へ労働運動の総力を

橋下打倒は10・1JR外注化阻止決戦と一体になった戦略的闘いだ。橋下は未曾有の政治危機の中で「維新の会」を国政政党として立ち上げ、改憲と道州制、TPP参加を共同綱領に安倍晋三をはじめとする極右政治家と結びつこうとしている。「脱原発」のうそとペテンこそ橋下の正体だ。
福島の怒り、被災地の怒りと結びつき「復興特区」攻撃との闘いと一つになってJR外注化阻止決戦を闘い、野田と橋下の打倒に総決起し、新自由主義粉砕の歴史的な突破口を切り開こう。
この9・16闘争で新たに開始する橋下打倒闘争は、ブルジョアジーの卑劣な延命に断を下し、その救済者を労働組合の団結と労働者大衆の自己解放の力で根底から粉砕する階級決戦だ。労働運動の未来をかけた闘いとして全国の労働者の力で勝利させよう。
9・16集会から始まるこの闘いは、大阪市職・市従、大阪市教組を革命的によみがえらせる闘いであり、八尾北労組の闘いと一体で関西の労働運動地図を塗り替える闘いだ。
この闘いの勝利は、10・1外注化阻止決戦の勝利を大きく引き寄せる。国鉄を軸にした四大産別における階級的労働運動の大前進を勝ち取ろう。その一切の基礎は、職場とキャンパスでの闘いを土台にした拠点建設の闘いだ。
兵士との合流はここでのみ可能だ。階級的労働運動の大前進と兵士との合流・獲得の闘いを一体で前進させよう。
(ユニオン自立 榎本)

————————————————-

「福島は今」に応え、労働組合をつくって闘おう

長沢宏さんから、「Rise」20号に「福島は今」どうなっているか、投稿していただきました。原発事故発生直後の「現地報告」に続いて2回目です。1年4ヶ月たった今「深刻さはより強まっている」とあります。

何よりも、「原発事故によって(故郷や家に)《帰れない。まったく先が見えない》」なかで、「避難先での孤独死や高齢者の病死」が急増し、自殺に追い込まれています。復興庁のまとめた震災関連死は761人、原発事故の心労死34人。自殺者は、16人が命を絶っており、「原発さえなければ」という明確な遺書を私たちは数多く新聞報道によって目にしています。

そして「原発事故は収束していない」、「4号機をはじめすべてが爆発の危険をかかえたままの綱渡り状態が続き」、「日々多くの人々が殺され、故郷の山や川、海、動植物など福島の豊かな自然が放射能で汚染され、それが今後も長期間続くのです」と書かれておられます。昨年私も長沢さんの案内で、福島の自然(と人々)の豊かさを実感しました。でも政府は、この豊かな山野や川の除染を最初から「やらない」と言っている。 大熊町の山林の線量は毎時40マイクロシーベルト。「基準」の年間累積被爆線量1ミリシーベルトを1日で超える数値です。汚染物質は山から人里へ、川へ、そして海に流れます。政府のやっている「除染」はアリバイつくりです。
東電や政府は絶対に責任をとろうとしない。許せません。まさに「原発事故とフクシマの現実はこれを許せばまさにすべての労働者人民の明日の《現実》になってしまう」「昨年から福島では倒産首切りが相次ぎ、また農民をめぐっては米の作付け禁止」「畑地や果樹園の除染作業も基本自力」「荒れた田畑、切られた果樹畑など犠牲にされた悲しみの声が聞こえます」と書かれておられます。

しかしわれわれはこのような現実を許さず、このような現実を強制している新自由主義という根源を、すべての人々の根底からの決起によって覆していく闘いを、3・11福島県民集会をもって開始しています。「福島は許さない。闘う」という「戦闘宣言の集会」であり「労働組合の赤旗が林立するなか、全国農民会議の緑の旗・・さまざまな団体の色とりどりの旗、あの日の開成山球場は反原発の巨大なうねりが実現した場所でした」と核心問題が感動的に提起されています。
そして「政府」の「収束宣言」と「大飯再稼動」によって、福島第一の被ばく労働が果てしなく強化され、被ばく隠しと偽装請負が蔓延し、8月22日には四次下請け(偽装請負)の労働者が5人目の犠牲者となっています。被ばく労働と労働者切捨てによって原発が成り立ち、よって、原発事故が起き、大爆発の危機に陥った2号機と4号機の対処もできず、偶然に爆発を免れたことが、明らかになりました。
職場での闘いと闘う労働組合の建設こそ、新自由主義がもたらした一切合財の現実を覆し人間の手にすべてを奪還していく第一歩です。
分割民営化と9割非正規化攻撃との歴史的決着をかけ、動労千葉、動労水戸、鈴コン、郵政非正規ユニオンの闘いに続こう!職場から闘いに立ち上がろう!
(長原)
(写真ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを繰り返すな)