会報 第7号

第7号 2010年5月10日発行


no07

国鉄1047名闘争の圧殺攻撃をぶっ飛ばし、新たな国鉄・沖縄闘争の大爆発を勝ち取ろう!

4月9日、国鉄1047名問題の「政府解決案」が提示され、これに対し4者4団体指導部は4月12日、「見解」を発表しこれを「受託」した。国労本部は4月26日臨時大会を強行し、「解決案」受け入れを決定した。我々は、このような反階級的反動的「解決・和解」策動を絶対に認めることはできない。
「政府解決案」は、最も先頭で闘っている動労千葉を完全に排除し、これまでの筆舌に尽くし難い国家的不当労働行為の数々を完全に居直り、「謝罪」「解雇撤回」「雇用」を完全に消し去り、居丈高にもわずかばかりの金銭をもって24年にわたる国鉄1047名解雇撤回闘争の放棄・奴隷的屈服を迫るものである。これに対し国労本部、4者4団体指導部は早々と「受託」を決め込み、4・26国労臨時大会ではまたもや国家権力・機動隊を導入し、決定的な「解決案受け入れ条件」には一切触れず、受け入れ決定を強行した。さらに臨時大会当日、国交省は「訴訟原告910人全員の署名入り和解承諾書の提出」を強要し、全闘争団員が一人の例外も無く「解決案」受諾を文書で表明しない限り解決金も出さないと言い放った!「もう闘いません。軍門に下ります。裏切ります」という「誓約書」にハンを押し提出しろというのだ。これほどの屈辱が他にあろうか!ふざけるな!
そもそも政府「解決案受け入れ条件」は何と言っているのか。「4者4団体(原則原告団910名全員)が、次の事項について了解し、その旨を正式に機関決定すること。①この解決案を受け入れること。これに伴い、裁判上の和解を行い、すべての訴訟を取り下げること。②不当労働行為や雇用の存在を二度と争わないこと。したがって、今回の解決金は最終のものであり、今後一切の金銭その他の経済的支援措置は行われないこと。③政府はJRへの雇用について努力する。ただし、JRによる採用を強制することはできないから、人数等が希望どおり採用されることを保証できないこと」としている。
さらに前原国交相は「国鉄改革はいまだ完全民営化を果たしていない」「国鉄改革の完遂に全力をあげる」と言いきったではないか!一層の合理化・首切り・労組破壊を押し進めると宣言したのだ。ふざけるのもいい加減にしろ!これを「受け入れる」ことは、自分の手で自分の首を絞めることと同じだ!労働者の死・労働組合の死である。こんなものは破棄・粉砕以外にないのだ!
屈辱的「和解案」の受け入れを強行した国労臨大に対し、さらには国家権力・JR資本に対し決定的な反撃が開始されている。4月27日、鉄道運輸機構訴訟原告・秋田闘争団の小玉さんが、翌28日、鉄建公団訴訟原告・小倉地区闘争団の羽廣さんと同・旭川闘争団の成田さんが訴訟代理人弁護士を解任し、訴訟継続を表明したのだ。
国鉄分割・民営化との闘いは終わっていない。むしろ、国鉄に限らずあらゆる職場で労働者・労働組合と資本・権力との民営化・外注化・大合理化・組合破壊をめぐる激突は激しさを増しているのだ。資本による団結破壊・不当解雇・不当労働行為が増え、分断・選別・切り捨てをめぐる攻防は一層激しくなっているのだ。そのような中で国鉄1047名解雇撤回闘争は、それらをめぐる闘いの最先頭のたたかいとして日本の労働運動の命運を賭けて24年の長きにわたって不屈に闘いぬかれて来たのである。国鉄1047名解雇撤回闘争は、動労千葉の闘いと共に国鉄分割・民営化との闘いとして、帝国主義の延命を賭けた新自由主義攻撃との最先端の闘いとして、巨万の支援陣形を形成し闘われてきたのだ。

昨年の十一月全国労働者総決起集会は1047名解雇撤回をメインスローガンにかかげ、世界の労働者との新たな団結・連帯を勝ち取った。それに続く5・27臨大裁判は、1047名解雇撤回闘争そのものとして闘われ暴処法弾圧を粉砕して勝利した。そして本年、動労千葉の検収業務全面外注化をめぐる闘いは、ストライキ闘争を中軸にした反合・運転保安闘争を全力で闘い抜き、ついに全面外注化4月強行を阻止し、青年労働者の結集を勝ち取っている。その闘いは郵政・自治体・教育現場そして民間・非正規職労働者の新たな決起をも確実に生み出しているのである。われわれは国鉄分割・民営化攻撃を核心的な所で打ち砕く事を通してJR体制を確実に追い詰めているのである。

労働者の根底的怒りは、その大爆発に向かってふつふつとわき立っている。とりわけても安保・沖縄・普天間基地問題をめぐり沖縄の怒りの大爆発が始まっている。問われているのは、本土における階級闘争・階級的労働運動そのものであり、本土の労働者階級、労働運動・労働組合運動なのだ。その最先端に国鉄1047名解雇撤回闘争があるのである。
世界大恐慌、財政破綻の下で小沢ー鳩山民主党・連合政権は、安保・沖縄問題と労働者階級の怒りの爆発の前に根底から揺れている。自民党も四分五裂し、崩壊的状況に突入している。さらには極右勢力が蠢きだしている。新たな歴史的な階級的流動情勢、階級的激突情勢・階級決戦への突入である。
労働者を切り捨て、労働運動破壊と改憲・戦争にのめり込む帝国主義に未来は無い!追い詰められているのは支配階級の側であって、労働者がその攻撃に屈服しなければならない理由などどこにも在りはしない。国労本部、4者4団体指導部の裏切りをぶっとばし、荒々しい階級的労働運動の爆発こそが求められている。闘う沖縄の労働者が「死すべきは基地だ!労働者は死んではならない!」と叫んだように、死すべきは帝国主義であり労働者は死んではならないのだ。兵士もブルジョアジーの利害を「国益」といいなし強行する帝国主義戦争のために死んではならない。
確かに生活は厳しい、けれど・だからこそ、労働者の誇りに賭けてその階級的団結に賭けて1047名解雇撤回の階級的原則をとことん貫くことこそが労働者の新たな団結を生み出し、労働者の未来を切り開く道なのである。労働者階級の怒り・団結・闘いは間違いなく世界に広がっているのだ。沖縄の怒りと一体となって新たな国鉄・沖縄闘争の歴史的大爆発を勝ち取るべき決定的な歴史を画する階級決戦に突入したのだ。
われわれは、政府・権力による国鉄1047名闘争根絶攻撃=戦後労働運動の総殲滅攻撃を粉砕し、体制内派の敵対を打ち砕き、民営化・外注化・労組破壊攻撃と闘い、動労千葉と絶対反対派の争議団と固く団結して新たな国鉄決戦に総力決起する。1047名解雇撤回、JR体制打倒、民主党・連合政権打倒、普天間基地撤去・安保粉砕・日帝打倒へ断固突き進もう!(S)

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核戦争と対内乱・対テロ戦争の強化、新型通常兵器の強化を全面的に打ち出しているQDR

オバマはQDR(「4年ごとの国防計画見直し報告」)の目標として、「第一に、能力のバランスを再調整し、戦時の有効な改革を制度化して、われわれの軍を複雑な将来に備えさせながら、今日の戦争に打ち勝つこと」、「第二は、危険を犯しているわれわれの男女兵員の切実な要望に応える制度の・・改革」という「二つを目指にした」ことを序論の冒頭で出している。
「第一の目標」は、敗勢につぐ敗勢にあるアフガン、イラク戦争への絶望的危機意識の現れだ。
「第二の目標」である「男女兵員の切実な要望に応える」とは、隊内反乱、自殺、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の激増や完全志願制部隊の危機―志願兵の減少―という危機に直面している米軍の崩壊的実態からやむなく打ち出された目標である。「危険を犯している男女兵員」や家族の「負担を軽減する」とは、所詮、アフガン・イラク人民の武装解放闘争によって『改善できない兵站支援』状態のまま、『進化した武器』を与えることによって不正義で勝算のない戦闘を兵士に強制するといっているにすぎない。
そもそもブルジョアジーの利害のために強行されている帝国主義戦争が兵士の命を大切にし、家族の不安や怒りに応えることなどありえない。あるとすれば、それは、アフガン・イラクからの無条件全面撤退しかないのだ。
『軍事の最大の担い手』である『兵士』とその家族の人間性を『崩壊』させているところに帝国主義戦争の不正義性が明解に示されている。「このQDRは、現実の安全保障環境と国益を守り促進するために米軍に要求されている多様な活動の評価から始めた」という一文がそれを明解に示している。「活動の評価」とは、内乱とテロに対する恐怖とアフガン、イラク戦争における絶望的な敗勢の現状分析評価である。
そしてQDRは、「われわれの国益を守り伸張させるために、国防総省は四つの優先目標、すなわち、①今日の戦争に打ち勝つ、②紛争を回避し阻止する、③相手を打破し多様な不測事態に成功するために準備する、④完全志願制部隊を維持し強化する」ためにQDRの目標は2011会計年度に盛り込まれ、「われわれの戦略に基づいて要求される全ての任務を完遂できる十分な財源が提供される」と明記している。だが世界大恐慌の深化と天文学的な米帝財政の破綻的危機の現実から照らしても、QDRが掲げる『目標の破綻』は必至である。

◆「6項目の重要任務」

QDRは、「今日と将来に向けて注目しなければならない特に必要とされる強化すべき分野」として、「①米国を防衛し国内の行政当局を支援せよ ②対内乱、安定化、及び対テロリズムの作戦に成功する ③協力国の安全保障能力の育成 ④接近できない環境における(※米国・米軍への)攻撃を阻止及び打破 ⑤大量破壊兵器の拡散防止と対処 ⑥サイバースペースにおける効果的な作戦」を分析し、提示している。これらの「任務を遂行する」うえで「必要とされる能力」に重点を指向すること以外に、QDRは多様な特性と強度を有する各種の作戦において打ち勝つために必要とされる「全体的な軍事力をも考慮」したと明記している。
そして1章の「国防戦略」では、国際的システムが大きく変化する「複雑な環境」の中で、「米国の制服の男女に犠牲を強い続けている」原因は、「アフガニスタンとイラクにおける、アルカイダとその同調者に対する8年以上の戦争」であることを認め、加えて、アメリカがソ連崩壊後または第2次世界大戦以来、「国際情勢の奥深い重大な変動(※革命情勢)」と「現在進行中の紛争において米国は変化の速度が増大し続ける複雑で不確実な安全保障環境」に直面していることを認め、危機意識を全面的に押し出している。

◆帝国主義戦争・軍隊の崩壊が行き着いた、無人システムの開発・強化

オバマは、QDRで「紛争は少なくとも、国家の強さから引き起こされると同様に、国家の弱さからも引き起こされる可能性が大きい」として、「米国の国益に合致する安全で、防護された、効果的な核兵器を最低限のレベルで保持する」と核戦争を宣言している。
米ロの新STARTは、ペテン的な核弾頭削減で、米ロとりわけ米帝の核独占体制を世界に改めて宣言し、NPR(核戦略体制見直し)では、名指しでイランと北朝鮮への「核先制攻撃」を宣言している。オバマは韓国哨戒艦沈没事件で北朝鮮への軍事重圧を加え、他方でのNPT(核拡散防止条約)を「順守する加盟国」への「核兵器不使用」を表明しているが、これは核戦争の恫喝である。
QDRは、「新型通常兵器による抑止力の維持」を強力に打ち出している。7月にはB2ステルス爆撃機に搭載されるMOP(地下貫通型大型爆弾)が配備され、ICBM(大陸間弾道弾)を凌駕し45分で地球を半周するCSM(精密非核弾道攻撃ミサイル)がペン的「核軍縮」の影で配備の準備が進められている。
それだけではない。オバマはB52戦略爆撃機に搭載できる「核弾頭搭載型の新巡航ミサイル」の開発にのりだしている。「核なき世界」のペテン性はますます明らかだ!世界大恐慌は大失業と戦争を世界にうみだす。それは帝国主義間争闘戦の激化として全世界を最悪の戦争の坩堝へ叩き込む。
軍事の一般原則として戦争は地上戦で制圧して勝利とする。だが米帝・オバマはイラクにおいても、アフガンにおいても地上戦では敗北し続けている。イラク、アフガンからの全面的撤退を余儀なくされるところにまで追い込まれているのが実態だ。

QDR2章「軍のバランスの再調整」では、「重要な二つの結論」として、「第一は、米軍は、短期的かつ将来的な相手に対して、その任務をより効果的に完遂できる能力とは、より堅固な宇宙基盤の資産、より効果的な電子攻撃システム、より抗たん性のある基地インフラ、及び将来の相手に対する作戦に有効なその他の重要な財産に加えて、回転翼航空機、無人航空機システム、情報分析と外国語の専門家、及び現在進行中の作戦のための通信ネットワーク」の強化を打ち出している。紙数の関係で、ここでは、「無人航空機システム(UAS)」の「増強」について若干、言及する。結論のみ記せば、「無人長距離偵察爆撃機」である。任務は「活動の監視、状況把握の強化、味方の防護、及び敵戦闘員の攻撃と攻撃目標にするための支援」である。これらがすべて米本土や基地内で操縦され、世界中にそしてアフガンのような山岳地形においても「計り知れない価値があることを証明した」として増強されている。だが、ここに米帝国主義軍隊が崩壊している現実がまざまざと現れている。地上戦を展開できる兵力を、米軍はすでに崩壊させているのである。

 ◆世界から核戦力を一掃する唯一の道はプロレタリア革命

全世界の労働者が自らの未来を切り拓く唯一の道は、全職場生産点における階級的労働運動路線の実践だ。それは同時に、世界大恐慌下、帝国主義として延命するために争闘戦を限りなく激化させ、核戦争と巨大化する新型通常兵器で世界を戦争の坩堝に叩き込むことを躊躇しない帝国主義をプロレタリア世界革命によって根底から、非和解的に打倒する反戦政治闘争の職場生産点における徹底的推進である。
動労千葉は、戦後労働運動を総括し、反合理化・運転保安闘争を確立して資本・権力、反動・反革命勢力と非和解・非妥協で闘う中で階級的団結と国際的連帯を強化してきた。この地平を基礎に6000万労働者と結合できる時代=革命情勢をついにたぐり寄せた。
半世紀をかけて創り上げ、切り拓いた動労千葉労働運動を6000万労働者と全世界の労働者が求めている時代に突入した。労働者階級が資本・権力と絶対非和解・非妥協で闘えば必ず勝利する。
労働者と兵士が置かれている環境は、本質的・現実的に同じだ。労兵の団結をかちとり世界大恐慌をプロレタリア世界革命に転化しよう! (K)

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投稿
3・4 「自衛官の人権裁判シンポジウム」(札幌)の報告

3月4日に札幌市で、4つの自衛官の人権裁判の全国交流集会が開かれたので参加しました。4つの裁判とは、①1999年11月に佐世保が母港の護衛艦「さわぎり」艦内でA三曹(当時21歳)が自殺したことに対する裁判、②2005年11月に航空自衛隊浜松基地所属のS三曹(同29歳)が自宅で自殺したことに対する裁判、③2006年9月に空自当別基地(北海道)内で女性自衛官(当時21歳か)が性暴力を受けその後に退職強要されたことに対する裁判、④2008年12月に横須賀が母港の補給艦「たちかぜ」 艦内でT二曹(同38歳)が自殺したことに対する裁判です。
この集会は、ちょうどその日、札幌地裁の当別基地の裁判では原告本人尋問があり、横浜地裁の「たちかぜ」裁判では札幌地裁小樽支部で前艦長の証人調べがあったので、いい機会だとして企画されたとのことでした。4つの裁判の原告を含む関係者、特に代理人弁護士など、80人ほどが集まりました。
4つの裁判のうち札幌の事件だけは被害者本人が提訴しましたが、他の3つの事件は被害者が自殺したので家族が提訴したものです。これから提訴の予定だという1件、提訴を断念した数件を含めて全部、青年隊員が被害者であることに衝撃を受けました。しかも「優秀」な隊員ばかりで、昇進の早いことを恨まれたというケースもあります。

自衛隊の内部の状況が一変している

これは自衛隊の内部崩壊的な事態ではないでしょうか。同時に、今日の青年労働者が直面している現実と全く同じ状況に青年隊員が置かれているということでもあります。商業新聞でも、今日の経済情勢の下で、隊員の再就職が困難化しており、その余波で下士官(曹)昇進試験の応募者が急増したり、新規採用者への内定取消しさえ起きていることが報じられています。
技術を身につけて再就職するために自衛官になる場合や、体力の限界がきたら再就職を希望する場合が多いと聞いていました。ところが大恐慌情勢がそれを許さなくなっています。こうしたことが今度は自衛隊の内部に深刻な影響を及ぼしていることがわかりました。
現役年齢を超えてしまった中堅隊員が不満を募らせて、下級=青年隊員へのパワハラ・暴行・セクハラ、さらには不祥事や教育放棄に走っています。そのことが青年隊員に心の病、自殺を激増させている状況があるのです。訓練の中での腹いせ的な暴行も横行し、虐殺さえも起きています。暴力や虐待が、いわゆる旧軍の伝統といわれてきたもとは違ったところから発生しているのではないかと思いました。
中堅隊員の暴走の背景には、いたるところで中堅隊員がヌシのような存在になると同時に、基地司令や艦長といった転勤族の幹部隊員が無責任な現場任せを強め、現場で起きていることを黙認しているという実態もあると知りました。
自衛隊の内部は、今の社会とあまりにも似通った状況にあり、まさにその縮図だとも言えます。そうした矛盾は、これも今の社会と同様に青年隊員に集中しているのです。労働者階級による自衛隊員の獲得をめざす働きかけは、何よりも青年隊員の置かれた状況に即したものであるべきだとつくづく思いました。この間の青年労働者を軸とした階級的労働運動の前進、法大闘争を先頭とした全国学生運動の前進によって、青年隊員を圧倒的に獲得しうる状況になってきたということに自信をもち、働きかけていきたいと思います。

階級的労働運動派だけが青年隊員に応えられる

 4つの裁判は市民運動だけでなく、各地の労働弁護団に支えられ、中には労働組合に支援されているケースもあります。 自衛隊を労働現場の一つととらえ、隊員の労働者としての権利を主張しているようです。労働組合・労働弁護団がかかわることで人権裁判というよりも、労働裁判の性質を帯びていることは重要だと思います。
自衛隊内部での下級兵士への迫害は、一般的な人権侵害ではありません。命令への服従が絶対とされ、集会での4つの裁判からの報告でも、身に危険が及ぶような酔っぱらった上官の深夜の呼びつけを「嫌です」と断ったり、いつまでたっても終らない上官の殴打にもかかわらず「帰ります」とは自分から絶対に言えないという、一般には理解しがたい状況があることが報告されています。しかしこれは、解雇の脅迫の下で奴隷的な労働を強いられている今日の労働者、特に非正規労働者の置かれた状況に通じるものがあります。
ただ問題は今、労働運動の体制内指導部が後退・転向しつつあることです。労働弁護団も札幌に限らず、国鉄闘争の中では4者4団体派でしょう。札幌裁判の場合、原告には原職復帰の意思があると感じられますが、支援運動や代理人(全動労弁護団)がそれに応えようとするスタンスは極めて弱いと受け止めました。国鉄1047名解雇撤回闘争の帰趨は自衛隊員と無縁のことではありません。戦後、自衛隊は一貫して労働運動に取り囲まれてきました。もしも労働運動の壊滅や転向を許すならば、自衛隊が一気に帝国主義軍隊化していくに違いません。
階級的労働運動路線を貫く勢力の責任は大きいものがあると自覚しました。1970年代初頭、ある週刊誌が「反戦自衛官は全国に100人以上」と書いていました。そんなに反戦自衛官がいたとは思えませんが、当時の職場生産点を拠点とした反戦政治経済闘争の高揚が自衛隊を大きく取り巻いていたこと、そのことへの支配階級の怯えの反映だったと思います。90年代前半までは「反戦自衛官」という言葉が一定の存在感を持ち、少なからぬ隊員が希望を抱き、そうでなくても大多数の隊員が言葉だけは知っていただろうと推察されます。

青年労働者・学生の闘いの爆発が鍵

ところが今の青年隊員となれば、たぶんそんな言葉は知らないでしょう。反抗するすべも一縷の希望もない中で、多数の青年隊員が自殺に追い込まれている現実に激しい憤りを覚えます。当事者である青年隊員こそが激しい怒りを持っているはずです。だから「生きさせろ!」という労働者階級の叫びが青年労働者を先頭にして巨大な爆発を遂げ、新しい社会の到来を切り開く牽引車として登場していくならば、前途に悲観して自殺する隊員は絶対に減るのではないでしょうか。労働者が職場生産点で決起し、団結を拡大していくならば、隊内でも階級的な団結の芽が生み出されていくはずだと確信するからです。
なお、4つの裁判は、相互に交流しながら札幌・横浜・浜松・長崎の各地裁で進行しています。しかし、当時の上官が別の地方に転属しているケースも相当あるはずで、今回の小樽のような出張法廷もありえるなど、極めて全国性のテーマだと言えましょう。その地区に反軍担当者がいなくても、階級的労働運動を実践している全国の仲間は、その実践こそが自衛隊員の心をつかむという自信を持ちつつ、日頃から自衛隊員とりわけ青年自衛隊員との接触にも身構え、プロレタリア革命の側に獲得すべきだと思いました。(札幌 鈴木 潤)

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4・25 沖縄県民大会報告

京都大学 西納岳史

労働運動の力で基地撤去を!

 私たち全学連と全国労組交流センターの仲間は、4月25日に沖縄・読谷村運動広場で開催された「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し国外・県外移設を求める県民大会」に沖縄労組交流センター・現地の労働者とともに参加しました。
会場の読谷村運動広場は開会の3時間前から参加者が続々と結集し、大会が始まっても会場に入る人の列は途切れることがありませんでした。
沖縄県内の自治体では、無料のシャトルバスをチャーターして結集を呼びかけたところもあるそうです。大会終了後の渋滞は20キロを越えたとの報道もあります。
私たちの「国鉄1047名解雇撤回・普天間基地撤去・日米安保粉砕!」を掲げた大街宣活動は、大会に集まった労働者の圧倒的な注目を浴び、用意した1万4000枚のビラは2時間半ほどで撒き切りました。「民主党鳩山政権打倒・労働運動の力で基地撤去を勝ち取ろう」というスローガンが沖縄の労働者の心を捉えた、という確かな手ごたえを掴んだ沖縄闘争でした。
 沖縄・普天間基地移設問題をめぐり、鳩山政権はまさに窮地に立たされています。そのような中で、沖縄に基地を強制する元凶である日米安保そのものが問題となる情勢が到来しています。
今こそ、私たち全学連・反戦青年委員会の先輩たちが70年安保闘争の中で戦闘的に確立した「沖縄奪還・安保粉砕・日帝打倒!」のスローガンを、大恐慌情勢の下で荒々しく復権する闘いに立ち上がる時です!

体制内的幻想を打ち破り、日米安保への怒りを解き放とう!

今回の県民大会は、仲井真沖縄県知事の参加が焦点であったというように言われています。
 大会前日には、知事に対し民主党・平野官房長官が「県民大会に参加するな」という恫喝を加えたという報道もなされ、結果的に沖縄人民の怒りに火を注ぐことになっています。
しかし、今回の県民大会では、仲井真をはじめとする自治体首長・発言者のどの一人として、沖縄人民の怒りの核心に迫る発言はありませんでした。それどころか、「戦争のための基地はどこにもいらない」という沖縄人民の思いを、「県内か県外か、国内か国外か」という対政府・対米交渉の問題にすり替え、日米安保堅持の前提の下、「安保の負担をどう平等化するか」という議論に流し込もうとするあり方は本当に許せません。
以下、『琉球新報』の記事から主な大会発言を引用します。
「私は日米同盟を肯定するが、沖縄の負担は応分をはるかに超えている。全国の皆さん、沖縄の基地問題は沖縄だけの問題ではない。一人一人の安全保障が沖縄につながっている。負担軽減のため、沖縄に手を差し伸べてほしい」(仲井真)
「仲井真知事を先頭に県内選出の国会議員、政治家の皆さんが、鳩山政権に対してこの普天間基地の問題解決を強く迫るため、みんなでお願いしよう」(仲村信正・連合沖縄会長)
沖縄に米軍基地を強制する根源である日米安保を9万人の前で堂々と「肯定」してみせ、その対価として沖縄への「救済」を乞い願う県知事に、その知事を先頭に立てて「鳩山政権にお願いしよう」と絶叫する連合沖縄会長。これが沖縄人民の代表のように振舞っている連中の正体です。
 ふざけるな! 沖縄の怒りを愚弄するのもいい加減にしろ! 沖縄人民の思いは、一切の基地を沖縄から撤去すること、そして「移設」ではなく世界中のどこにも基地は造らせないということです。基地と隣りあわせで生きる苦しみを身をもって実感しているからこそ、こんな痛みは誰にも押し付けたくない。沖縄人民のそんな切実な思いを、「日米安保があるから仕方ない」「代わりの基地はどこかに造らなくてはいけない」というご都合主義で捻じ曲げ、最終的には民主党政権への請願運動に組織する支配階級。そもそも日本の労働者階級が日米安保の存在を自ら進んで望んだことが一度たりともあるだろうか?断じて否だ!それは、60~70年代の安保・沖縄をめぐる階級闘争の高揚を見れば明らかです。
日米安保の存在は、米帝の世界支配に日帝が率先して協力し、自らも帝国主義としての生き残りをかけて戦争国家化していく道筋に他なりません。それは常に労働者階級の利害と真っ向から対立するものです。騒音被害、米兵による事故・犯罪、基地依存の歪んだ経済構造…。沖縄の現実を直視すれば、侵略戦争のための基地と労働者は非和解であることは明白です。
今こそ、米軍基地への怒りを日米安保への怒りに束ねあげ、日米帝国主義そのものを打倒する闘いが求められています。

職場・キャンパスから反戦闘争の大高揚を!5・15沖縄へ!

アメリカ・オバマ政権は、今もなおイラク・アフガニスタン侵略戦争を続行し、新たな世界的核支配体制の下、イラン・北朝鮮への核攻撃をも公言して憚りません。その一方で、戦死者数の増加、帰還兵の自殺・発病、基地内での銃乱射事件といったアメリカ軍の崩壊的状況には歯止めがかからず、アメリカの軍事的世界支配が足元から崩壊しつつある情勢です。アメリカ国内においては、労働者・学生・反戦兵士を先頭として広範な反戦闘争が開始されています。
私たち全学連も連帯行動を闘った3月4日のカリフォルニア州教育ゼネストは、「教育の民営化粉砕」のスローガンと同時に、「募兵官を学校からたたき出せ」「戦争ではなく教育に金を使え」というスローガンの下の一大反戦・反軍闘争の闘いでもありました。戦後のアメリカ帝国主義の世界支配を支え、沖縄をアジア侵略戦争の最拠点と位置づける日米安保を、職場・キャンパスからの決起で粉砕していく闘いを通じて、私たち日本の労働者階級は、侵略戦争と帝国主義支配に抗して闘う全世界の労働者階級と団結できる可能性を持っています。全世界で巻き起こる労働者の決起と反戦闘争の高揚の中に、沖縄の闘いもその重要な一角を占めています。階級情勢は国鉄・沖縄を軸に大流動期に突入しています。5・15沖縄県民大会闘争に学生・青年労働者を先頭に総力で決起し、沖縄に動労千葉派・11月集会派の旗を打ち立てよう!! 全学連はその最先頭で闘う決意です!(了)

【写真①この9万人の労働者と家族の中にこそ基地撤去、鳩山打倒の力がある。②4・28沖縄デイ集会「日米の学生と労働者の団結を!5・15沖縄へ」と全学連坂野君。
③4・29泉佐野集会。労働者の団結破壊=「財政健全化」絶対反対こくが市議必勝へ!④3・4カリフォルニア教育ゼネスト】(写真と説明は編集局)