会報 26号

第26号 2013年7月10日発行

 RIse26

世界大恐慌下の 4ヶ月国鉄決戦で極右安倍政権を根底的に打倒しよう

世界はプロレタリア革命情勢

数百万の労働者民衆の決起でエジプト第2革命が始動。軍のクーデターとの対決を含め革命への闘いはこれから本格化する。ブラジルでは国内輸送の基幹産業労組が5州でストライキに突入、サンパウロ州では高速道路を占拠。トルコでは国内81県中67県で反政府デモが爆発。エルドアン政権打倒の闘いは安倍政権の原発パッケージ輸出の破綻にも行き着く。米では大恐慌、大失業、「財政の崖」からの転落とドル暴落の切迫、イラク・アフガン戦争から敗退したオバマ政権を今、大都市の非正規労働者がストライキ決起で追いつめている。
新自由主義の破綻と大恐慌の深化は世界中の労働者階級に対し、生存すら認めない極限的な搾取に踏み込んでいる。全世界の労働者階級への総非正規化と低賃金化・生活破壊、社会福祉の解体、差別・分断攻撃が強行されると同時に原発推進、解雇自由の大失業と戦争へ突進する国家政策が、国家暴力の発動で推し進められている。だが、これら全ては新自由主義の破綻の結果だ。新自由主義の破綻は帝国間・大国間争闘戦を激化させると同時に、世界中で支配階級と労働者階級の非和解的激突を引き出している。新たに開始された労働者階級民衆の総反乱は、プロレタリア世界革命に行き着くまで終わることのないプロレタリア革命への蜂起の始まりである。それは同時に全世界で反スターリン主義・革命的共産主義運動の組織拡大と国際連帯の強化が実践的に求められ、党と階級に堅実な飛躍と変革をを突きつけている。
そして確実なことは、世界を最後的に獲得するのは労働者階級であり、唯一、世界単一の階級である労働者階級のみが世界を統一する力を持っている。それがプロレタリアートである。

山本太郎氏断固支持 1千万労働者を揺り動かし100万票獲得で 絶対 勝利しよう

参院選を前にしてアベノミクスはすでには破綻している。都議選結果も自民圧勝ではない。投票率43・5%。議会制民主主義は崩壊している。自民も含め全政党は前回都議選より得票数が減少。議席倍増の共産党も得票数は10万票減。だが党と階級は参院選に決起した山本太郎氏を断固、支持する。 太郎氏の「被曝させない、TPP入らない、飢えさせない」の基本政策は労働者階級の「絶対反対論」「階級的団結論」と完全に一つであり、国鉄決戦を基軸にした「全原発廃炉、青年の獲得、改憲・戦争反対、非正規職撤廃」の非和解的闘いと一体である。
大恐慌下、革命党と労働者階級が目指すものはプロレタリア世界革命である。プロレタリア革命の核心は、階級的労働運動・階級的労働組合と職場権力の確立であり、これを実践と行動で曖昧にするプロレタリア革命論は全て敗北する。
党と階級の任務は、全運動を革命の実現という一点で全組織することである。したがって山本参院選、階級的労働組合の復権、拠点職場の建設と地区党建設を一つの闘いとして階級的団結論で飛躍的・実践的に運動をつくりあげよう。階級的団結の中に労働者階級民衆・兵士と全人類の普遍的解放が凝縮されている。そして階級的労働運動路線・非妥協的団結論とその実践の前進が労働者階級自己解放に向けた労働者の武装論・暴力論へと発展する。
4ヶ月決戦の実践で脱落日帝・安倍政権を根底的に打倒しよう! (滝山)

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貨物労働者の怒りを総反乱へ

自衛隊兵士と現場労働者の団結した力で  改憲と戦争を止めよう

動労千葉貨物協議会議長・佐藤正和

強烈な自己変革をかけ階級的労働運動の最先頭に起つ

ライズ読者の皆さん、お久しぶりです。公務員の賃下げ攻撃を機に、貨物でも8%の賃下げが画策されました。新宿メーデー闘争をはじめとする闘いで「4月提案・5月実施」をぶっ飛ばしました。ご支援、ありがとうございました。
しかし、6月26日の夏季手当交渉では、昨年を〇・51ヵ月も下回る1・1箇月という超低額回答が行われ、第一組合である日本貨物鉄道労働組合の「会社を潰すことはできない」という裏切り妥結によって、JR貨物に働く全労働者に、この我慢することの出来ない現実が強制されることになりました。
しかし、全国の貨物職場は、あきらめ感とは別に、国鉄分割・民営化以降26年間の間に、積もりに積もった怒りがいつ爆発してもおかしくはないという状況を迎えています。
この怒りを総反乱へ、貨物労働者の団結と誇りを取り戻し、労働者階級解放へ向けた変革のエネルギーとする、動労総連合の歴史的飛躍が問われています。自分は、仁王の様に怒り、強烈なる自己変革をかけて闘いの最先頭に起つ決意でいます。

74~75年恐慌と「鉄道貨物安楽死論」

ここでざっと、「貨物・国鉄問題」についておさらいです。国鉄時代は旅客も貨物も全国1社の体制でしたが、1987年4月1日の分割・民営化によって旅客会社6社・貨物会社1社体制とされ、旧国鉄貨物局=貨物輸送部門をもとに北海道から九州までを網羅する「JR貨物」という会社がつくられました。
1960年代までは、鉄道貨物輸送は日本の物流全体の30%以上を占める大動脈でした。1970年代以降は、旅客輸送も含めた「鉄道斜陽論」が出て来ます。これは「国策」です
自動車産業と航空宇宙産業を育成するために、そのインフラとして全国に高速道路網と空港網を整備します。電機産業育成のために「火力・水力発電から原子力発電」へと転換したエネルギー政策と同じです。
「道路がなければ、車は売れない」「空港がなければ、飛行機は飛べない」「電気がなければ、電機(器)は売れない」わけです。どれもこれも、戦争に直結しています。「自衛隊兵士と現場労働者の団結した力で戦争を止める」のです。
トラック・バス・航空機に、貨物と旅客を奪われれば、鉄道が斜陽になるのは当たり前です。76年ごろからは、鉄道貨物輸送をなくそうと、政府の運輸政策審議会の答申でも「鉄道貨物安楽死論」が出されるほどでした。
それは、鉄鋼など主力産業の鉄道を中心とする「大口輸送」から、宅急便などのトラックを中心とする「小口輸送」への転換に象徴される高度経済成長の行き詰まり、資本主義の「斜陽」そのものでもあったのです。

変革の強力なパワーは現場労働者の怒りと団結の力

国鉄改革の「錦の御旗」とされた、膨大な「赤字の解消」。「財政投融資金」という「高利貸し」から借金をして新幹線網を確立し、東海道新幹線ができた1964年から国鉄は赤字になります。首都圏の輸送の上がりで、貨物も、全国のロカール線の赤字もカバーして、トントンで食っていた「国鉄一家」。
しかし、長期債務は膨らむばかり。国鉄の経営が破綻します。「国の借金1000兆円越え」同じです。この過程で、一体誰が「肥太った」のか。金融・ゼネコンなど「1%」の資本家階級です。
JR貨物は、国鉄時代の長期債務分担金と老朽化した機関車や駅設備の更新に重ねた借金が1800億円を超え、これからも、無利子とはいえ鉄道運輸・整備支援機構から毎年100億円以上の「輸血」がなければ経営が出来ないのです。
貨物の経営破綻も国家財政の破綻も、根っ子は同じです。ちまちました労働者の賃金削減で解決する問題ではないのです。資本主義体制は大恐慌下で崩壊の危機にあえいでいる。それを、体制内労働運動がかろうじて支えているのに過ぎないのです。
「労働者を食わせていけない資本主義はもはや死ね、俺達が社会を動かす」ゆえに、「労働者は団結して闘わなければならない」と、言い切ることです。
「競争を共生に」変える労働者階級の真実をトコトン明らかにし、現場労働者の怒りと力を引き出せば、ものすごい変革のパワーが溢れ出す。2013年の前半戦でつかんだ、この核心と確信は不動のものです。

10万人署名と物販で拠点職場をつくり地域を組織する これが「革命」!

安倍の成長戦略=「民間活力の爆発」とは、国鉄分割・民営化を百倍も二百倍にもした攻撃を全労働者に仕掛けるということです。だから、1047名解雇撤回闘争はついに、「国鉄改革」の真実を暴き出したのです。「国鉄方式」による民営化・外注化・非正規職化攻撃を打ち砕くことができる。われわれは勝利の「如意棒」を手にしたのです。
「アベノミクス」が破綻・崩壊した時、「絶望」が労働者を襲い、排外主義と改憲・戦争に向かうのか。それとも階級的労働運動が巌と存在し、労働者が社会の主人公として、歴史をつくる存在としての自己を取り戻し「希望」に燃え行動を開始するのか。そのことが、階級的労働運動復権の死活性がリアルに問われているのです。
それは、なにか、はではでなことではなくて、地を這うような日々の職場・地域における実践の中にこそあります。その基礎は、人です。人間と人間です。
一人の決起が、ひとりの仲間の獲得が情勢を動かす。東交、ちば合同労組・モリタ分会、東京西部ユニオン・アメアパ分会を始めとした青年労働者の闘いに感動し、学んでいます。
その武器が、手前味噌ですが「解雇撤回10万人署名と物販」です。労働組合執行権力を握る、新たに労働組合を創る闘いです。拠点職場をつくり、地域を組織する、これが「革命」です。
支配階級の不正と正々堂々、胸を張って闘う無数の「梁山泊」を全国に建設するのです。わくわくして来ませんか!
動労千葉は、「解雇撤回・外注化阻止・賃下げ攻撃粉砕」闘争を軸に、あらためて組織拡大闘争に総決起します。

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(写真 沖縄での日米「離島奪回合同作戦」にむけ、戦後初めて、大々的にJR貨物で戦車、装甲車両・資材が北海道から輸送された。東労組カクマルが率先協力【2011年10月】)

ライズの同志たちへ。
大好きな夏の到来です。また、この一節を贈ります「闘うことは楽しいものだ、朗らかに闘おう!」、熱い夏を全力で闘い、9・25高裁判決を迎え撃ち、11月へ!
激動と変革の時代を共に疾駆しよう!

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俺たちは奴隷じゃねぇ! 団結して闘えば勝てる!

東京西部ユニオン 鈴木コンクリート工業分会  書記長 吉本伸幸

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(写真 非和解の解雇撤回闘争で 鈴木資本を とことん 追いつめている鈴コン分会の門前闘争)

4ヶ月決戦 新たな階級決戦の始まり

2013年6月からの国鉄の4ヶ月決戦は、戦後体制のあらゆる枠組みと新自由主義が最後的に崩壊していく、新たに巨大な激突と階級決戦として始まっています。その中で超反動・極右の安倍自民党政権は、一方で戦争と改憲、自衛隊を国防軍、日米安保体制強化、排外主義とナショナリズム、原発推進・再稼働、消費大増税などの極反動政策に突き進み、他方では、首切り・大失業、民営化・外注化・非正規職化、労組破壊攻撃を一層強めてきます。また大々的な公共事業と超金融緩和に示される、破滅的なインフレ政策にも訴えてきます。安倍・自民党は、「地方公務員の政治活動の規制」など、明らかに労働組合活動を破壊することを目的とした政策も強行しています。これは、「自主憲法制定」を掲げた「日本維新の会」の橋下や石原のやり方や考え方と同じで、自治体や教員などの労働組合を解体しなければ、改憲や戦争政策を簡単に進められないと考えているからです。

階級的労働運動の復権・再生が 待ったなしに  自分に問われている情勢

改めて、動労千葉の国鉄分割・民営化反対の26年の闘いは、外注化阻止の13年の闘いが切り開いた偉大な地平であり、とりわけ「4・9政治和解」を打ち破り、全国運動をつくって国鉄闘争を日本の階級闘争の基軸として再び押し上げました。
それは、一方で「白石事件」や5・8結審から9・25判決へ向かおうとしているように、支配階級の攻撃の核心は国鉄闘争解体にあるということです。それは動労千葉の解体であり、闘う全ての動労千葉派の労働組合解体であり、革命に向かう労働者が自らの労働者党結成を破壊する攻撃と一体です。こうして日本のブルジョアジーが戦後一貫して国鉄闘争の解体に死活をかけてきたこととの決着をつける闘いとして「4ヶ月決戦」があります。それは同時に、膨大な労働者の怒りの声と結びつき、労働運動が爆発的な力を取り戻す、そういう可能性に満ちた時代をこじ開ける闘いの始まりです。「国家とブルジョアジーの暴力に黙って殺されるのか」「労働者が団結して闘えば勝てる」の声を上げて闘いに立ち上がるのか。ますます、労働者の団結と労働組合の復権・再生が待ったなしに自分に問われる情勢です。

不当解雇から1年6ヶ月 鈴木資本と非和解の激突で勝利

われわれ鈴コン分会の闘いも2011年12月の不当解雇から1年6ヶ月が過ぎました。2011年8月に急逝した組合員の即時解雇撤回と謝罪、一方的賃下げ撤回を掲げ9月27日に1日ストライキを行いました。会社は「ストライキが無断欠勤」としわれわれ組合員一人一人に7日~2日間の出勤停止処分を行いました。しかし、会社の不当な出勤停止処分に反撃・怒りの連日社前・駅前街宣を1週間行うと、会社は鈴コン分会三役三人を「名誉毀損・信用失墜行為」を理由に問答無用の解雇としました。これこそ、労働組合は認めない、労働組合への団結破壊、組合潰しそのものです。社会に蔓延する新自由主義の労働者への非正規職化を国鉄分割・民営化当時から率先して行ってきたのは、鈴木コンクリート工業=有限会社東豊商事(鈴木一族同族支配会社)です。職場に労働組合を絶対に作らせないために労働者を団結させない、分断するために、25年前から実施してきたのが雇用形態・3ヶ月雇用契約です。如何に会社が強制的に労働者を団結させないか、 職場に労働組合を作らせないか、という不当労働行為の意志が明確にわかります。
しかし、鈴コン分会が職場で堂々と元気に労働組合として当然の「一人の仲間の解雇を絶対に許さない」という原則を曲げず闘い抜いている。会社がありとあらゆる団結破壊の手段(権力と金)、組合の中にスパイを作り内部からの破壊工作を用いても絶対に潰すことが出来なかった鈴コン分会に対し、ついに追いつめられた会社が強行してきたのが、「名誉毀損」「会社への信用失墜行為」と言う労働組合潰し、団結破壊の明白な「解雇権の乱用」の組合三役への「雇い止め=解雇」でした。

動労千葉・動労水戸の闘いと一体で 職場を中心に「首広連」が 炎を上げて大進撃

2012年の2月29日仮払い勝利判決。10月3日には会社の異議審は棄却、再度仮払いのわれわれの大勝利。2013年3月6日に1年間継続仮払い勝利判決。7月15日には、豊島区池袋区民センターで鈴コン闘争支援・連帯共闘会議結成1周年総会が行われます。職場・地域・労働組合を駆け回り、闘う支援と連帯・共闘を訴え続け膨大に団結・連帯が発展・進化し続けています。爆発的な共闘会議結成1周年総会にしていきたいと考えています。解雇撤回・非正規職撤廃の闘いは、非正規化を阻止する労働組合の復権と固く一体の闘いで、鈴コン闘争そのものです。この1年鈴コン分会と共闘会議が実践し抜いてきたことは、職場で動労千葉の闘いを徹底的に実践し、生コン産別では徹底的に関西生コン支部の闘いを実践し抜く、そして、地域では地区労復権をかけて港合同の闘いを実践し抜く。この三位一体の実践を徹底的にこだわり闘い抜いて来たことです。 2012年の12月から始まった「闘う関東労組連絡会(仮称)」から2013年3月正式に「首都圏広域労働組合連絡会(首広連)」始動、月1回の定例会から各職場、労働組合の垣根を取り外し、闘う労組の核を組織し増大させていく。連合、全労連、全労協という既成の枠を取り壊し本当の労働組合、連合体を作り上げていく大いなる野望と挑戦が動き出しました。その中心に鈴コン分会が位置します。いよいよ、動労千葉、動労水戸の闘いと一体で鈴コン分会、鈴コン闘争共闘会議と首都圏広域労働組合連絡会(首広連)の闘いのさらなる攻めの大進撃が職場を中心として炎をあげています。
時代は、大失業と戦争、労働者大衆の怒りの爆発の時代です。いよいよ「待ったなし」です。全ての労働者は立ち上がり社会を我々労働者、労働組合が取り戻すときが来ました。

全ての自衛隊兵士と  労働者の皆さんへ熱烈に 訴えます

われわれ闘う労働組合と共に世界から核を廃絶し、戦争を無くし、貧困と格差・差別を無くし、新自由主義(資本主義)を打倒しわれわれの力で生きていける社会を掴み取っていきましょう。
鈴コン分会は6000万労働者、2000万青年の先頭で闘い抜いていきます。共に闘い、共に生き抜き、われわれの社会を、われわれの団結した力でつくっていきましょう!

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労農連帯・国際連帯の強化・発展で市東さんの農地を 実力で守りぬこう!

三里塚・川森

6・9国鉄全国集会の大成功を 新たな出発点に

ヨーロッパ・EU諸国でのゼネストの波、トルコのストライキとデモの嵐、ブラジルの100万決起、そしてエジプト革命の継続と発展……まさに世界中が革命情勢です。
6・9国鉄全国集会は、この革命情勢に呼応・連帯し、世界大恐慌と3・11情勢の中であえぐ脱落帝国主義=日帝・安倍政権を、本当に私たちの手で、私たち労働者階級自身が打ち倒す時が来たのだ!ということを、この間の国鉄決戦を軸とした階級的労働運動の圧倒的な前進の手応えと共に感動的に確認した集会でし
た。
9・25判決日までの4か月決戦は、国鉄決戦の正念場であると同時に、三里塚闘争47年の闘いの正念場です。民営化と外注化・非正規職化、原発再稼働とTPPの強行によって、改憲と戦争に行きつく道しか残されていない脱落日帝・安倍政権を、労農連帯と国際連帯の強化・発展をかちとり、打ち倒していきましょう! 市東さん緊急3万人署名を集めきり、市東さんへの農地強奪判決阻止7・14全国総決起集会に結集しましょう! そして農地強奪の反動判決を絶対阻止し、仮執行宣言を絶対阻止するために7・29千葉地裁を包囲し、4か月決戦の勝利をこじ開けていきましょう!

「三里塚は日本の未来を決する闘い」(三里塚芝山連合空港反対同盟・北原事務局長)

三里塚闘争47年の歴史は、不可避的に国家暴力との激突となる国策との闘いの歴史であり、被支配階級である労働者・農民が階級的暴力を奪還して実力で闘いぬいてきた歴史です。北原事務局長は、この半世紀に及ばんとする実力闘争を闘う農民軍(労農同盟軍)の指導者です。6・9集会で北原事務局長は次のように発言しています。

「三里塚の闘いは47年になるが決着はまだついていない。今、安倍政権の下で戦争政治が強行され、時代は戦前のような状況に入った。70年前、私は海軍に従軍し、南太平洋の海戦に参加した。戦争に動員された者の反省として、2度とあの悲惨な戦争をくり返してはならないと決意した。…中略…。今の時代に必要なことは他人を頼るのではなく、まず自分が立ち上がること。三里塚も決戦の時を迎えた。この闘いこそが日本の行く末・将来を決める。戦争に向かう時代でいいのか、それを問うのが三里塚。労働者と農民が一体となれば政治は変えられる」(発言要旨。『週刊三里塚』874号より)。

この発言を、すべての自衛隊兵士、元自衛隊兵士、なかんずく不正義の侵略戦争と新自由主義が強制する非人間的暴力のもとで呻吟する青年兵士や自殺に追い込まれ、殺された兵士の家族のみなさんに聞いてほしい。 旧日本軍の兵士であった北原さんがなぜ侵略戦争に絶対反対し、苛烈な実力闘争を貫くのか。それは北原さんが元兵士であり、それゆえに帝国主義と帝国主義軍隊の本質をとらえきっているからに他ならないと思います。「階級戦争は非和解。階級戦争に『講和』はない」、「階級闘争の歴史は支配階級と被支配階級の非和解的激突の歴史」、「体制内党派、民間反革命勢力との暴力的激突の非和解的展開の勝利による前進」(『Rise』25号。滝山)という暴力革命の根本的論理が三里塚闘争には貫かれています。何よりも、絶対反対で団結して闘えば勝てるということを体現する闘いです。

新しい三里塚闘争が始まった 3万人署名で団結の拡大を

「農地取り上げに反対する緊急3万人署名」は三里塚闘争の新たな武器です。市東さんの農地取り上げは国家暴力による国家犯罪そのものであり、この理不尽に対して根底からの怒りの声を裁判所に積み上げて、反動判決を絶対に阻止しなければなりません。
重要なことは、この署名を集めることそのものが反対同盟の団結をさらに強固にうち固め、そして権力・NAAの分断攻撃を打ち破り、この絶対反対同盟のもとに地域住民を団結(再団結)させるものであるということです。
rise26_7_1 さらにこの署名は動労千葉が先頭で作り上げてきた労農連帯を強化・発展させるものです。周辺地域への署名とりでは「NAAのやることは本当にひどいと思いますが、家族が空港に勤めているので署名できません」と断られることが多々あります。しかし状況は確実に変化しています。それは新自由主義が空港労働者といえども、外注化・非正規職化の大攻撃によって悲惨な状態に追い込んでいるからです。大量不当解雇を受けた日航の労働者をはじめとして清掃の労働者にいたるまで、労働者を人間とも思わぬ資本への怒りは爆発寸前にきています。生きるために必死で営農している三里塚農民から、すでに破綻している空港建設のために国家暴力で農地・家屋を根こそぎ奪おうとする帝国主義ブルジョアジー・安倍政権への怒り、新自由主義による労働者の総非正規職化攻撃、解雇自由、資本にモノ、ボロクズのように扱われている労働者の怒り、これらがひとつに結合し、労農団結の巨大な怒りの火の玉となって必ず爆発する。労働者・農民・兵士の怒りは非和解で不屈です。
市東さん3万人署名と国鉄10万人署名で労働者の大海の中に飛び込み、階級的労働運動で組織していく圧倒的な展望がでてきています。労農連帯は労農団結へとさらに強化・発展します。労働者階級にとって労農団結は闘う労働組合の強固な団結をつくりだす闘いであり、自己解放そのものの闘いです。一人でも多くの署名を自分の職場生産点、地域・街頭で全力で集めきり、3万人署名として結実させよう!
(写真 TPP反対」を訴えトタクターを先頭に2000人が銀座をデモ【5月25日】)

TPP反対! 成長戦略粉砕! 農地強奪阻止! 国際連帯で闘おう!

三里塚は沖縄、フクシマとともに、新自由主義との闘いの最前線を形成する闘いです。TPPに真っ向から反対する闘いの拠点であり、革命の根拠地です。沖縄、フクシマの怒りとどこまでも結合し、TPPを粉砕しよう!
TPP強行に突き進む安倍政権は、成長戦略第3の矢の柱である原発輸出とともにインドネシアにアジア最大級の「火力発電所建設」の「パッケージ型インフラ輸出(総事業費約4000億円)」を推し進めている。だが反対派農民の闘いが10月工事着工を実力で阻止し、軍が農地売却の強要にのりだしているがこれとも闘い頓挫さている。非妥協で闘えば必ず勝利するということです。労働者・農民の生活と命を破壊する新自由主義攻撃への怒りが世界中で爆発している。市東さんの農地を守り、三里塚闘争をさらに発展させ、新自由主義攻撃を打ち破る非妥協の闘いで国際連帯が強化される。
7・14三里塚現地集会に全国から総結集し、仮執行宣言もろとも農地強奪7・29判決を粉砕し、6・9から9・25への4ヶ月決戦を労農団結でなんとしても勝利しよう!

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護衛艦「たちかぜ」裁判を傍聴して

高村 宏信

兵士の人間的解放は労働者階級との団結と 兵士のプロレタリア革命への合流である

5月29日東京高裁で「たちかぜ裁判控訴審」の第11回公判が行われました。60名の傍聴希望者がいましたが抽選があって、私は幸いにも38名の当選枠に入りました。
前回に続く2回目の傍聴でした。 私は、安倍が集団的自衛権行使や「国防軍」創設を絶叫する中、不正義で反階級的、反労働者的戦争から兵士を解放する唯一の道は、労働者階級との団結と兵士のプロレタリア革命への合流であるという観点から、強い関心を持って、臨んでいます。
「たちかぜ」裁判とは、海自護衛艦「たちかぜ」艦内での上官のいじめが原因で青年自衛官(1等海士、当時21歳)が自殺に追い込まれた(2004年10月に発生)問題で、両親が国と上司を相手に提訴したものです。
一審では「いじめが原因」だが「自殺は予見できなかった」という内容の判決で、問題をはぐらかされた内容だ。
家族の「これ以上、自衛隊員の自殺を増やしたくない。息子の仏前で、『自衛隊の責任がすべて認められるまで、これからも闘うから見守って』と話したい」という怒りからすれば、控訴審で家族が目指すものを本当に実現していかなければならない、という気持ちが沸々と湧き上がってきます。

「全証拠の開示」によって 国家・防衛省の国家的犯罪が明らかになる

今回の法廷はどうだったのか。控訴審では、一審と比べても被告・国側を追い詰め、国側が隠し持っている資料、あるいは黒塗りした提出資料のインカメラ審理(※)による黒塗り解除要求などのやりとりで国側を追い詰めてはいる。これを徹底的にしていけば、海上自衛隊の組織的・計画的・系統的な国家犯罪が明らかになる。そうしないと、両親のいう「自衛隊をなんとかしないと、また同じことが起こる」ことの問題は決して解決しない、と感じました。
真実を明らかにする「証拠」は、防衛省・海自の証拠ファイルの中に、全てある。弁護団の課題は、全証拠開示の非妥協的実現である。

裁判長は 国家的犯罪の加担者に成り下がるな

法廷の進行はどうだったか。
裁判長の態度は、本質を隠蔽し、国・防衛省・海自による証拠隠し、ウソ・デマで覆い隠す国の態度を容認する姿勢であると言わざるをえないものであった。
原告はそれ以上追及しないでくれ、とうようなことさえ感じさせる裁判長の態様は、裁判所自身が加担者であるということ。この裁判長を徹底的に追及していくことが必要だと感じました。
この日の法廷で、原告側弁護団が膨大な黒塗り解除要求の文書を「3つに絞る」という進め方には疑問を感じる。

軍隊とは 資本家の利益を護るためにある国家の暴力装置である

この「たちかぜ裁判」は闘いをとおして、軍隊・自衛隊とは、新自由主義・帝国主義国家の軍隊だということ、軍隊とは本質的・現実的に1%の資本家の利益を護り、国家の利益を護るための暴力装置であるということが明らかになる。
労働者・民衆・兵士は1%のブルジョアジーのために命を落としたり、みずからら命を絶つようなことは、断固拒否だ。99%に属する労働者・民衆・兵士は一つに団結し、全職場と隊内からともにプロレタリア革命に向け、家族も含めてともに起ちあがろう!と、心から呼びかけたい。
(※)インカメラ審理とは、裁判官が黒塗りさていない原文書を非公開で見て審査し、文書開示の判断をする手続き。

会報 25号

第25号 2013年5月10日発行

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階級的労働運動と国際連帯の前進で改憲・戦争の安倍政権を打倒しよう!

賃下げに現場の怒りが爆発

地方公務員の基本給7・8%と一時金10%の削減に現場の怒りが爆発している。それは公務員である自衛官にとっても他人事ではない。「賃下げ絶対反対!」「生活は火の車だ!」4・26全国各地の自治体職場で歴史的なストライキ・職場集会、ビラまき等が闘い取られた。4・28には、安倍政権による「主権回復式典」を糾弾する怒りの沖縄現地集会と結んで、本土においても4・28全国集会を闘い取り、改憲と戦争に突き進む安倍政権打倒の本格的決戦への扉を押し開いた。続く5・1新宿メーデーは、青年労働者を先頭に、外注化・非正規職化に突き進むJR資本に巨大な怒りを叩きつけ、国鉄決戦を基軸とする5月階級決戦に突入した。

自衛官は1%の利益のために命を落としてならない

安倍首相は4月23日、国会答弁で「憲法96条の改正を7月参院選の焦点にする」と宣言し、沖縄へのオスプレイ7月追加配備、辺野古新基地建設、南西諸島への自衛隊配備を押し進める一方で、国の財政収支上の制約を無視し、経済のインフレ的浮揚に一切を賭け、TPP参加を決定した。それは脱落日帝の破滅的な戦争への道だ。朝鮮半島をめぐって戦争の危機が激しく火を噴いている。戦争に駆り立てられ傷つき命を落とすのは青年労働者(自衛官)だ。1%の資本家階級のために侵略戦争で命を落としてはならない!
「アベノミクス」の満展開で株高と円安が進む一方で燃料・原料が高騰し庶民の台所を直撃している。安倍政権はTPP参加によって日本の農業と農民の生活を根底から破壊する方向に舵を切った。施政方針演説では「世界で一番企業が活躍しやすい国を目指す」とする一方で「力の行使による現状変革は何も正当化しない」とうそぶき、「憲法改正に向けた国民的な議論を深めよう」と言い放った!
それは「労働運動を押しつぶし戦争動員してでも1%の(資本家階級の)利益は守る」という国家主義・排外主義の破滅の道だ! 断じて許す訳にはいかない。

階級的労働運動で 6・9国鉄集会へ

「賃金破壊・首切り自由」「原発推進・戦争推進」のファシスト的転換を絶望的・暴力的に押し進める安倍政権・資本家階級に対する労働者階級の怒りが巨大な規模で爆発し始めている。4 ・26ストライキはその始まりにすぎない。階級的労働運動路線のもと、巨万の怒りと結びつき国鉄決戦を基軸に5月階級決戦を断固闘い取り、6・9国鉄集会に突き進もう!

今こそ階級的労働組合を甦らせ、職場生産点を中心に労働者人民の階級的団結の力で大失業と改憲・戦争に突き進む安倍政権を打倒しよう! 国境を越えた労働者民衆の自衛官・兵士を含めた階級的団結こそが戦争を阻止しプロレタリア革命を引き寄せる!団結して共に闘い前進しよう!
(杉橋)

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世界恐慌の進行と戦争前夜情勢をプロレタリア暴力革命に転化しよう

(1)戦争と革命情勢への本格的突入

世界は革命情勢である。改憲と戦争に突き進む極右超反動安倍政権を労働者階級の怒りと強固な団結、階級的労働運動の前進で打倒しよう。
脱落日帝安倍政権は、全労働者階級への階級戦争の激化で改憲と戦争に突き進んでいる。改憲・労組解体・総非正規化攻撃に対し、党と労働組合の一体的建設、党と労働者階級の一体的前進、階級的労働運動と国際連帯闘争を全力で推進する不屈の闘いが労働者階級を階級として力強く形成する力であり、帝国主義ブルジョアジーを根底的に打倒していくプロレタリア革命への大道である。
大恐慌と3・11情勢がもたらす大失業と戦争国家化、改憲攻撃そのものがプロレタリア革命情勢への急速な接近を意味する。言い換えれば恐慌と3・11情勢と3・11以降世界で進行している全情勢そのものが革命情勢であり、革命情勢の成熟である。そして革命情勢をプロレタリア革命に転化する闘いが安倍政権打倒である。プロレタリア世界革命という労働者自身の事業は労働者階級による安倍政権の暴力的打倒という飛躍の試練によって前進する。

深まる脱落日帝の危機

世界大恐慌は、歴史的な大争闘戦時代へ突入し、金融緩和戦争・為替戦争を激化させている。アベノミクス、日銀・黒田の「異次元の金融緩和」は、バブル宣言であり、1%のブルジョアジーを救済するものでしかない。日銀・黒田の超金融緩和策と国債買い取りは、国債の暴落と金利の急高騰として爆発するのは不可避であり、バブル崩壊は必至である。加えて公務員大幅賃下げをテコに全労働者への総非正規化と賃金破壊攻撃の上に、悪性の輸入インフレが全労働者におそいかかる。
G20では、日帝の膨大な財政赤字に対して各国から「信頼に足る中期財政計画」の策定を突きつけられ、「金融緩和策が受け入れられた」という安倍政権のペテンは吹き飛んでいる。そもそも「基礎的財政収支赤字の15年度半減」「20年度黒字化」は2010年6月に財務省の財政運営戦略で明記された「国際公約」である。だがこれはすさまじい「緊縮政策」となり、ギリシャや欧州をこえる財政赤字削減策なしにはあり得ない。それは脱落日帝をさらに争闘戦から突き落とすと同時に、労働者階級への犠牲転嫁の攻撃はさらに極限化し、労働者階級の怒りは爆発し安倍政権打倒へと突き進む道である。
G20で突きつけられている財政赤字削減要求は、10%の消費大増税でも及ばない。安倍政権はさらなる増税、医療・社会保障の解体、そしてなによりも公務員7・8%賃下げ、クビキリ、JR貨物労働者への8%賃下攻撃など、公務員賃下げ攻撃を突破口に全労働者への低賃金化攻撃と総非正規職化を国家暴力の発動で襲いかかっている。
要するに安倍政権は、構造的に突破不可能な脱落日帝の危機突破に向け労働組合の破壊攻撃をテコに、戦後的あり方を根底的に破壊する攻撃に打ってでたということだ。国家主義と排外主義を真っ向から掲げ、7月参院選で改憲と戦争、国防軍化、革命党と労働者階級解体の「公約」で突破せんとはかっているということ。だが安倍政権は必ず破綻する。なぜならこれらの全攻撃が激化すればするほど労働者階級の怒りは大反乱となって爆発し、その反乱は、強力な目的意識性によって階級的労働運動を土台にゼネストと武装蜂起の道を発展させプロレタリア革命に転化する。そして安倍政権の凶暴化と国家暴力の発動は革命への闘いを前進させる促進剤に転化する。

(2)革命党と労働者階級が目指すものはプロレタリア革命

r25_3_12012年度の貿易赤字は過去最大の8・1兆円(財務省)。アベノミクスの円安にもかかわらず、3月の貿易赤字は3624億円。3月ととしては過去最大である。 要するにこの破綻的実体は、輸出産業の凋落と産業の「空洞化」であり米日欧帝国主義が陥っている構造である。3・11福島第一原発事故による原油・天然ガス輸入増による構造的破綻が日帝危機を絶望的に促進させている。
2012年の日帝の液化天然ガス(LNG)輸入総額は約6兆円、原発事故前より2・5兆円の増加だ。これを理由に各電力会社の電気料金の値上げが強行され、怒りが激化している。日帝はLNGを含めた天然ガスの世界最大の輸入国である。しかも世界で最も高いコストで輸入し、欧州の3、4割も高い。安倍は日露首脳会談(4・29)においてエネルギー面での戦略的関係強化を対米争闘戦的に目指したが輸送システム問題で展望は出ていない。これが3・11で破綻している日帝の脱落した現実である。
アベノミクスの「第3の矢」成長戦略の柱が「原発・水・インフラのパッケージ輸出」、「戦略特区」「大胆な規制緩和」攻撃などである。安倍は、産業競争力会議でも「戦略的特区制度」を、「世界一ビジネスのしやすい事業環境を実現するため、国の主体的な関与を高める方向でこれまでと次元の異なる抜本的な強化を検討する」とぶちあげている。

「成長戦略」がプロレタリア革命を引き寄せる

「成長戦略」に求める日帝ブルジョアジーの要求とは、①円高是正、②経済連携の推進(TPPは安保防衛政策と一体)、③法人税減税、消費税大幅増税、④社会保障制度の解体、⑤エネルギー・環境政策の転換、⑥労働規制緩和などである。
大幅規制緩和は国内に膨大な大失業者を生み出すと同時に「解雇自由」「残業代ゼロ」「準正社員制度=解雇自由」攻撃などの法制化として推し進められている。

「成長戦略」の核心は、国家破滅の危機の全てを全労働者階級に極限的に犠牲転嫁し、労働者階級を死に追いやる攻撃だ。労働法制の最後的解体と民営化・外注化への突進、その戦略的攻撃が前記の公務員労働者の賃下げを突破口に全労働者への賃金破壊と総非正規化攻撃だ。だが労働者階級は断じて座して死を待つ存在ではない。 生きていけない現実、職場で殺されていく現実そのものが、全労働者階級のプロレタリア革命への決起として始まる。それがプロレタリアートである。安倍は「成長戦略」の具体化(6月)に向け突進しているが、労働者階級の怒りは4・26ストとして全国的に開始されている。明らかなことは、アベノミクスは必ず破綻するということである。

6・9国鉄全国運動で安倍を打倒しよう

党と労働者階級は何を目指しているのか。ずばり、プロレタリア革命である。問題はそのアベノミクスの破綻に対応できる闘いと組織拡大を党と階級が準備できるか否かである。破綻の爆発をプロレタリア革命に転化できなければ階級足りえず、革命党足りえない。 プロレタリア革命を党の階級の正面課題として目的意識化すればするほど、新自由主義攻撃の核心と正面対峙しなければならない。対峙し、安倍打倒ープロレタリア革命のもとに労働者階級の団結と組織拡大をはかる。ここでの挑戦を飛躍的に前に進める。そのためにも常に時代認識を捉え、党と階級の変革が問われているということを1ミリといえども曖昧にせず、常に前に進む。飛躍と変革なくして革命運動は前進しない。求められているのは世界恐慌と3・11情勢下でアベノミクスの破綻に対応するプロレタリア革命への大胆な飛躍と変革である。6・9国鉄全国運動全国集会への全労働者の総結集を組織し、6・9で安倍政権を打倒しよう。

(3)革命情勢の急速な接近世界情勢は革命前夜情勢

新自由主義は最末期帝国主義の絶望的な延命形態である。その新自由主義の破綻が世界大恐慌と3・11である。米日欧帝国主義の国家的破綻と破滅的な金融緩和政策の突進。没落米帝の財政の崖からの転落は米新軍事戦略の破綻、米軍の世界的展開力の喪失という事態に米帝を叩き込んでいる。EU体制崩壊の危機、最弱の環・日帝の破綻と脱落の深化、そして世界大恐慌の進行は大失業と戦争へと突き進んでいる。朝鮮情勢もシリア情勢もその現れである。
世界で進行している事態は革命情勢の急速な接近である。繰り返すが、それは同時に党と労働者階級に目もくらむような飛躍と変革が突きつけられているということである。これに背を向ければ敗北する。目もくらむような困難な闘いへの挑戦、目もくらむような飛躍と変革、この実践と行動のなかに世界を転覆するプロレタリア革命への力が宿っている。 資本との非和解的戦場は職場生産点である。階級的労働運動の実践と総括によって職場闘争が前進するように、飛躍は主体の決断に拠って、変革は主体の目的意識的総括によって前進する。その根底にあるのが時代認識と路線の不断の一致だ。

国家破滅の危機

日帝は世界最大の財政破綻国家であり、恐慌と3・11情勢下で争闘戦から脱落した世界最弱の帝国主義国家である。世界最大の財政破綻と最弱の帝国主義国家であるが故に安倍政権には余裕がない。だから超反動化し、凶暴化し、改憲と戦争国家化へ突進する。総非正規化攻撃とは改憲と戦争に向けた全労働者の存在否定(憲法停止)である。総非正規化攻撃とは全労働者の人間否定であり、人間労働を根底的に破壊する攻撃である。 それは帝国主義ブルジョアジーが拠ってたつ基盤そのものを自ら破壊する道である。国家破滅の危機にある新自由主義の全労働者階級への攻撃はすでにそこにまで行き着いている。
労働者階級はなによって労働者性、人間性を取り戻すことが出来るのか。 また革命情勢下で革命党と労働者階級は何をするのか。それは唯一、反スターリン主義・革命的共産主義運動を基礎とするプロレタリア革命である。プロレタリア世界革命に拠ってしか労働者階級は価値創造的な労働と人間性の奪還、労働者自己解放を実現することはできない。

ストライキ・ゼネストでプロレタリア暴力革命へ

世界中の帝国主義国家が、すでに国家的破滅という現実の中にたたき込まれている。リーマンショック以降、過剰資本・過剰生産力状態のまま膨大な金融緩和を推し進め、新自由主義の破綻を弥縫してきた。米欧日帝国主義が国家破滅の財政危機に陥るのは至極、当然だ。国家破滅の危機は階級戦争を非和解的に激化させ、階級的労働運動の前進が全産別、全職場でのストライキ、ゼネストへと発展する。それが職場生産点を拠点とする一斉武装蜂起とプロレタリア革命への突破口となる。
一方、帝国主義・新自由主義の破滅の危機は、必ず、体制内派勢力との非和解的激突を今まで以上に激化させる。なぜならきょう・あすの利益しか追求できなくなっている新自由主義ブルジョアジーは労組破壊の徹底化、それに屈服した連合・全労連・全労協幹部がますます全労働者階級への反動的・反革命的敵対物として純化する道を選択するからである。だが職場生産点・現場で資本と一体化した体制内派との非和解的激突が、闘う労働組合を甦らせ、革命党と労r25_4_2働者階級の強固な団結を生み出し、党と労働組合、党と階級の一体的建設と職場細胞組織建設を推し進める力となり、プロレタリア革命運動を推進する力となり、4大産別を先頭に全産別・全職場の労働者を一つの巨大な革命勢力、革命的軍勢・革命軍へと意識的に成長・発展させる道となる。プロレタリア革命の軍勢はストライキ・ゼネストによって生み出され成長する。労働者階級はこの全課程で帝国主義の国家暴力装置・軍隊と警察権力との暴力的激突をとおして武装強化し、軍隊解体・兵士獲得の道を前進する。
(写真  戦車に乗りアピールする安倍  4月27日)

(4)革命への実践的道筋

革命情勢下の行動原理

「革命党の綱領」を生きた現実の指針にまで高める。革命党の綱領は、労働者階級自己解放の闘いの全面的な貫徹とその完全な勝利を実現する実践的指針である。その実践的指針を職場生産点における生きた現実の実践方針として柔軟に適用し、労働者階級の階級形成とその全社会化を闘いとる。これがマルクス主義の戦争と革命情勢下の行動原理である。

党と階級の決断

革命情勢下における党と階級の決断が「5・1新宿メーデー」の勝利として結実した。闘いを放棄した連合・全労連・全労協に伍して、ついに革命派が決断し、単独で労働者階級の前に闘う勢力として独自の隊伍を組んで登場した。その決断の根底にあるのが「時代認識と路線」であり、「大恐慌と3・11情勢下」、反原発、反合・運転保安闘争・被曝労働拒否の闘いとその闘いの前進の中で実践方針が確立した。青年労働者の闘いの前進が党と階級に退路を断つ決断を引き出した。

プロレタリア革命の道筋

(1) プロレタリア革命への道筋は、労働組合、階級的労働運動を通してしか不可能である。そして階級的労働運動と戦闘的大衆闘争、戦闘的学生運動を結合させ、さらに階級的労働運動と兵士の結合、新自由主義攻撃とその破綻からうみだされてくる全社会的な闘い全てを階級的労働運動と結合させる。
(2)マルクス主義と国際主義の思想で武装し、イデオロギー闘争に勝利することで一体化と団結を強化する。革命党は、全ての闘いをプロレタリア革命に向けた準備として目的意識的に強力に推し進める。したがって革命党と階級の実践・方針・行動、機関紙・誌、パンフ・ビラなど路線と宣伝・扇動の全てはプロレタリア革命に向けたものとしてある。
(3)党と労働組合の一体的前進、党と労働組合の一体的建設の闘いをとことん前に進める。
そのために、①党と労働組合は階級の指導部建設、特に青年指導部建設の実践で一致していく。
②革命党と全党員はプロレタリア革命に向け、全労働者・全階級の課題を自分のものにする。
③労働者党員は職場権力の奪取に向け階級的労働運動を全職場で実践する。地区党は一体化して前進する。
そのためには全労働者党員は、①    自らの職場の課題だけではなく、全労働者階級全体の課題を見据え、主体化する。産別主義は強固で強力な党建設と階級の団結を阻害し、プロレタリア革命は実現できない。階級全体・全産別の課題を見据え主体化し、一体的に闘争化する。敢えてい言えば、産別主義は党と階級の一体的建設とプロレタリア革命に向けた階級的労働運動の前進を阻害する敵対物に転化する。
②地区党は、全労働者・全階級の課題を自らの課題として主体化する。そこに一人ひとりの飛躍と変革の道がある。地区党は最良の労働者の結集体であり、最良の労働者が結集する。それが地区党である。
③常に、党組織と全党員はマルクス主義・国際主義で武装し、イデオロギー闘争で全労働者階級を思想的に獲得する。
(3)革命党の組織三原則と機関紙活動は、全組織・全党員一人ひとりの正面課題である。これを曖昧のする組織は弱体化し、いずれ崩壊する。
①これら一つひとつの課題は片手間ではできない。真剣な主体的取り組みによってのみ前進する、党・組織の死活のかかった正面課題である。
②非合法・非公然配布網の建設。これは一斉武装蜂起への指令系統・指令網の組織建設である。上記、全ての着実で、堅実な実践と前進がプロレタリア革命への実践的道筋である。

階級戦争は非和解

戦争とはいずれかが白旗をかかげない限り、「敵を殲滅・解体」するまで終わらない戦いである。帝国主義戦争には「講和条約」が成立するが、階級間戦争に「講和」はない。したがつて古今東西、階級闘争の歴史は、支配階級と被支配階級の非和解的激突を永続的に繰り返してきた。同時に階級戦争の歴史はプロレタリア革命勢力と帝国主義支配階級に屈服した体制内党派、民間反革命勢力らとの暴力的激突を非和解的に展開し、それに勝利することによって前進してきた。敵の意思を上回る強力な非妥協性・徹底性を培かおう!

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3・11から2年

全国 世界に発せられた福島の怒りと思い

福島から  長沢 宏

あの3・11からもう2年。しかし危険な状態が依然続く第一原発の状況、過酷な避難生活と厳しい被曝の現実。事故責任をないがしろにし、県民を踏みにじる政府や東電。こうした中で今年の3・11をどう迎えるか?これは私たち福島県民はもとより全国の労働者人民にとっても極めて重要な選択を迫るものでした。
そしてまた昨年の3・11集会の大成功と反原発闘争への発展に対し、これをなんとか圧殺したい政府や東電などの財界‐資本家たちは、巻き返しのために総力をあげて様々な攻撃を行ってきました。福島では、県や市町村など行政機関、マスコミ、商工会、観光協会やJAなど県内の様々な団体をフル動員し、膨大な金を投入し、一大「復興キャンペーン」を繰り広げ、いわば「原発事故は忘れ、これからは復興が何より大事、3・11に反原発行動などとんでもない」、というような状況を作り出そうとしました。しかし県内の心ある人々は、こうした動きに対し、「3・11は、8・6ヒロシマ‐8・9ナガサキと同じく、決して忘れてはならない日だ。平日だとしても反原発の集会をやらないのはおかしい」、と実行委員会を結成し、全国に「3・11反原発福島行動13」の参加・賛同を呼びかけました。

妨害はね返し、大成功した3・11福島反原発行動

この呼びかけに対し、3・11当日の反原発闘争を期待していた全国各地の人々をはじめ海外からも参加と賛同と激励のメッセージが続々と寄せられました。しかし、一方でこの集会を成功させたくない人々による様々な妨害も3・11直前まで激しく行われましたが、当日はこうした妨害をものの見事にはね返し、参加者は会場通路まで人が溢れる1350人もの大結集となりました。
集会ではちょっぴり涙のプレイベント、コンサートを経て、感動的な発言が相次ぎ、最後に集会宣言「…今日私たちは、〈3・11〉を、反原発メモリアルデーとして8・6広島、8・9長崎に続く、核兵器、原発、すべての核廃絶を誓う日、そして〈3・11〉を忘れない日にすることを、市民、農民、漁民、労働者とともに、ここに宣言いたします」を発しました。そして参加者全員が、この宣言を胸に刻んで駅前までのデモにうって出ました。
今年の3・11は、激しい妨害をはね返してかちとられ、昨年以上の素晴らしい集会内容・デモとして大成功しました。

今なお続く原発事故。福島を繰り返すな!

2年目を迎えた福島は、県民の怒り・苦しみを圧殺し、あの原発事故と今なお続く深刻な被曝、被害の状況を隠蔽し、「復興」を掲げながら原発再稼働と核武装政策を再び推進しようとする政府・東電などとの激しい攻防の渦中にあります。
福島第一原発では、3月には冷却機能が配電盤のショートで長時間停止し、しかも通報、マスコミ発表が大幅に遅れる許しがたい事態になりました。また高濃度放射能汚染水の大量流出も相次いでおり、膨大な量の汚染水が地下(水)に流れ込んでいます。汚染水処理に困り、海への垂れ流しを画策する東京電力と国はこれに対してもまったく無責任、ズサンきわまる対応に終始しています。しかもこの対応作業中、労働者に線量計を装備させないなど被曝労働を強制していたことが先頃、明らかとなりました。
4月には、宮城県沖、淡路島、三宅島など大きな地震がいくつか続き、日本列島はまちがいなく地震の活動期に完全に入っています。政府・安倍政権の原発再稼働などとんでもないことです。一刻も早い全原発の廃止こそ求められています。「福島を繰り返すな」、これは私たちの切なる願いです。

ふくしま共同診療所開院闘いが始まった!

また県民の被曝をめぐっては、甲状腺ガンの子供が3名、ガンの疑いありの子供が7名出たというショッキングな結果が明らかにされました。本当はまだ隠していることがあるのではと多くの県民は疑っていますが、それでも県とあの山下などの御用学者たちは「原発の影響は考えられない」と隠蔽に必死です。絶対に許せません。
現在、昨年12月に開院したふくしま共同診療所には、甲状腺エコー検査を申し込む親子が大勢駆けつけています。山下‐県立医大そしてあのIAEAも加わった被曝治療の圧殺体制の中で、全国の人々の支援で設立された共同診療所は、県民を守るまさに「希望の星」になっています。

産・官・学・軍‐総力あげた「復興キャンペーン」との闘い

中間貯蔵施設をめぐって、これまで双葉・大熊地域で反対を唱えていた双葉町の井戸川町長を引きずり下ろし、推進派を町長にすえるや一転して建設にむけた調査受け入れに踏み切らせています。またこの間、避難区域見直しをさかんに進めていますが、これは「帰還‐復興」とともにもう一方では賠償打ち切りにむけた動きでもあります。原発建設でぼろ儲けした大手ゼネコンがこんどは県内の「除染ビジネス」にむらがっていますが、あのデタラメな除染はこれらの攻撃と一体のものとして押し進められているのです。
政府、財界、マスコミ、県内諸団体が総力をあげて「復興キャンペーン」に乗り出しています。昨年から子供たちを動員した「キッズパレード」や「鼓笛パレード」、「餃子サミット」などの各種イベントをおこない、今年は大河ドラマ「八重の桜」から「花見山」の観光キャンペーン、そして今は6月の「東北六魂祭」(青森ねぶたなど東北6県の祭りを集めたもの)の福島市での開催に全力をあげています。これになんとあの航空自衛隊「ブルー・インパルス」も参加することが決まり、まさに産・官・学に「軍」も加えて総力の「復興キャンペーン」を展開しています。また今年の3・11に陸自第6師団がすべての駐屯地で「初動対処訓練」と称する軍事訓練を一斉にやっていることを忘れてはなりません。
今なお15万人以上の人々が避難をよぎなくされ、子供たちをはじめ多くの県民が被曝の不安に苦しめられています。仮設住宅や県内各地で生活苦と明日への絶望から自殺や孤独死が相次いでいるのが今の福島の現状です。原発事故と賠償の責任をとりもせず、「復興」を唱えるこうした輩を絶対に許すわけにはいきません。「オール福島」の言葉にからめとられる脱原発の人々もたしかに出ました。妨害もありました。しかし、私たちはそれを打ち破り、勝利し、そして新たな闘いのスタートを切ったのです。
首切り、外注化、賃下げ攻撃に対し、動労千葉をはじめ全国の労働者がストライキなどで反撃に立っています。TPP参加‐農業破壊、三里塚の市東さんの農地強奪攻撃にたいし、全国農民会議を先頭に農民も立ち上がっています。戦争・改憲攻撃を進める安倍政権に沖縄をはじめ全国で人民の怒りが爆発しています。

フクシマは闘う‐その過去・現在・未来

福島は、県内各地が戦場となったあの戊辰戦争を別とすれば明治の近代以降はこれまで2回、日本階級闘争の決戦場になった歴史があります。 その一つは明治の自由民権運動であり、当時、福島は高知とならぶ自由民権運動の大拠点であり、三島県令の凶暴な弾圧に激しく抵抗して多くの県民が逮捕・投獄され、爆裂弾で有名な加波山事件では県出身者数名が死刑にもなっています。もう一つは敗戦後、日本労働運動の数ある拠点として電産猪苗代の闘いがあり、そして何より国労福島と東芝松川の労働運動の存在、松川事件と松川裁判闘争があります。今回はそうした歴史からいえば3回目ということになりますが、この歴史的意味をかみしめ、世界でも日本でも労働者人民の総反乱がはじまっている時代の中で、全国の人々と共に戦争を阻止し、すべての原発をなくすためさらに闘っていきたいと思います。

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護衛艦「たちかぜ」裁判を傍聴して

埼玉・山中

3月25日東京高裁第23部民事部(鈴木健太裁判長)で「たちかぜ」裁判の控訴審の第10回口頭弁論が行われました。
「たちかぜ」裁判とは、護衛艦「たちかぜ」艦内での上官(2等海曹)のいじめが原因で青年自衛官(1等海士)が自殺に追い込まれた問題をめぐる裁判です。この「いじめが原因」について05年1月防衛省・海自事故調査委員会は自殺直後のアンケート調査をもとに「いじめと自殺の因果関係は不明」とする報告書を発表しましたが、同年、家族の情報開示請求に対し、防衛省・海自はこの「アンケート」を「破棄した」と回答してきました。

家族の怒りの提訴

いじめの事実を隠蔽する防衛省・海自に対し怒った両親は、06年4月5日、国と元上職を相手に慰謝料など1億3000万円を請求する提訴を横浜地裁に起こしました。この件について11年1月26日横浜地裁は、「いじめは艦内では日常茶飯事、常習的で、本件は氷山の一角」、自殺は元2等海曹の「いじめが原因」と国の監督責任を認めたが、「自殺は予見できなかった」と判断し、被告・国に440万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

3等海佐の決起で控訴審が一挙に加熱

しかし、家族は即日控訴しました。自殺に追い込んだ国と自衛隊の責任究明を求めた控訴審は11年10月5日に開始されました。一審では防衛省・海自の組織的隠蔽工作の中で事実を争うという不利な審理の中で前記のような一審判決が出されたのですが、この控訴審段階での原告家族・弁護団、傍聴人の闘い、さらには国鉄・反原発闘争の爆発の中で、被告側、元指定代理人である3等海佐が国、自衛隊の証拠隠しの事実を告発する正義の決起で控訴審は一挙に過熱してきたのです。この3等海佐の陳述書の提出によって追いつめられた被告国・自衛隊はようやく12年9月12日の第7回控訴審裁判で195点の証拠文書を開示してきたのです。
今回の第10回口頭弁論はその195点の証拠書類をめぐって「いじめと自殺の因果関係」、「自殺の予見可能性」を立証する核心部分に迫るやりとりだったわけですが、国・防衛省は核心に迫る書類の肝心なところを墨塗りにしさらにひた隠ししようとしています。原告・弁護団は事実関係を正確に把握するために墨塗り解除と一審では採用されなかったすべての証人の尋問をやり直すことを求めて闘っています。

国家犯罪を隠蔽する国・防衛省を徹底 断罪しょう

今回私は「たちかぜ」裁判をはじめて傍聴したのですが、一定の書類を読みこんでいった私が“おかしい”と感じた点がひとつあります。それは岡田弁護士(弁護団長)が「今後の審理においては自殺の予見可能性を立証することを目的に書証を3点に絞りたい」と弁論したことです。
3佐の決起によってようやく引きずり出された195点の証拠を全部精査して国・防衛省・海自の責任を追及し、さらに護衛艦内では訓練と称するいかなる「いじめ」が横行していたのか、その中で自衛官がいかに悩み苦しんでいるのか、海自幹部がこれを黙認し、事件が起これば組織的・計画的・系統的に徹底的に隠蔽する。まるで経産省・東電と全く同様のこのような国家犯罪を徹底的に暴ききり、責任者である国家・防衛省、現場責任者といじめの張本人を処罰することこそ求められいると思うのに何故? 私は感じたのです。
03年は米帝のイラク・アフガン戦争の真っ只中で、04年には陸自がイラク・サマワに派遣され、空自がクウェートに後方支援と称して派兵され、そうした中でこの護衛艦たちかぜ事件が起きたということです。この戦争に敗北した米帝オバマは財政危機と米軍の解体的危機の中でアジア重視の対中国対決路線の新軍事戦略・「エア・シーバトル」を打ち出しました。日帝安倍政権はますますこの米帝と一体化して戦争と改憲の道に突進しています。「尖閣列島」をめぐって一触即発の今だからこそ、兵士と労働者は団結し職場から決起し、安倍打倒、反戦、反軍闘争、海自をめぐる「たちかぜ裁判」闘争に勝利することが求められています。支援し、共に闘おう。

会報 24号

第24号 2013年3月10日発行

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雇い止め粉砕! 非正規職撤廃!

3月決戦の爆発で極右安倍政権を打倒しよう!

改憲と世界戦争安保へ 突進する安倍政権打倒!

安倍政権は「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」の再改定に向けた協議を開始し、対象範囲をアジア・太平洋全域に拡大し、集団的自衛権の解釈変更に伴う自衛隊の活動もガイドラインに盛り込むとしている。また、自衛隊の海外派兵を随時可能とする派兵恒久法整備にも着手するとしている。さらには、女性自衛官の前線配置の検討を始めた。
財政出動、金融緩和、成長戦略を「3本の矢」とする「アベノミクス」は「経済成長」どころか、日本経済破滅の道だ。世界大恐慌の激化のもとで歴史的な大争闘戦に突入し、独占的大資本や国家間の潰しあいと生き残りをかけた戦争・競争が激化し、労働者に対する激しい雇い止め攻撃が激化している。これに対する労働者階級人民の体制内労組指導部の反動的制動をぶち破り、雇い止め粉砕・解雇撤回・非正規職撤廃・原発再稼働阻止・改憲阻止の闘いが全国各地で3月決戦として爆発している。

安全と雇用破壊の外注化阻止

外注化の強行は安全と雇用の破壊だ。動労千葉は2・17労働者集会の成功から3・1春闘第一派ストライキに立ち上がり、3・16ダイ改ー4・1外注化阻止に向かって猛然と闘いに立ち上がっている。2・24関西では労組再生・橋下打倒闘争が闘かわれ、大阪市丸ごと民営化と解雇=10割非正規職化攻撃に対する労働組合の決定的な闘いが爆発している。わが鈴コン分会は昨年、支援・連帯共闘会議を結成し職場・地域・労働組合を駆け回り膨大な団結・連帯を勝ち取り、本年3月6日、昨年に続く今年度の仮処分・仮払い決定を勝ち取った!翌朝には、職場の仲間達に勝利の吉報を持って社前闘争に決起した。鈴コン分会の勝利は実に決定的だ。鈴木資本による不当労働行為を暴き出し、団結して絶対非和解で闘えば勝利の道は必ず開かれる!このことを鮮明な形で実証している。鈴木資本が分会三役を解雇しても分会を潰すことはできず、逆に闘う労働組合の団結が職場や産別の違いを乗り越えて全国に広がっている。

フクシマと一体化した怒りが山下を追放 全原発廃炉へ!

福島県民健康調査検討委員会座長の山下俊一が、2月23日、辞意を表明し逃亡した。福島と全国で巻き起こる怒りと闘いがついに山下を追放した。原子力規制委員会は原発再稼働の手先だ。全国の労働者民衆の怒りで規制委員会を打倒しよう!
フクシマの怒りと結合し、3・11福島行動の怒りの大爆発で原発即時廃炉・再稼働阻止へ闘い抜こう!
さらに農地死守決戦が到来した3・24三里塚全国集会に労農同盟の深化をかて総決起しよう!
3月決戦を総力で闘い抜き、大失業と戦争の安倍政権を打倒しよう!自衛官と家族の皆さん団結して共に闘いましょう!

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『財政の崖』から転落した没落米帝

国防費の強制削減発動=米新軍事戦略の破綻

大恐慌と大争闘時代をプロレタリア世界革命に転化しよう

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歳出強制削減発動による 米新軍事戦略への影響

3月1日、オバマは歳出強制削減発動の大統領令署名に追い込まれた。強制削減の発動で米帝の国家予算は、内容を問わず一律に強制削減される事態に突入した。

強制削減額は、10年間で1兆2000億ドル(約110兆円)。このうち国防費削減が半分を占める。米国防総省はこれとは別に、2021会計年度(20年10月~21年9月)終了までに計4878億ドルの国防費削減計画を進めている。合計約1兆ドルの削減になる。1兆ドルの国防費削減とは、米本土防衛に必要とする米帝の軍事力に空白が確実に生じる事態に追い込まれる。
米国防総省は9月末までに約460億ドル(約4兆3000億円)の削減を義務づけられ、国防総省職員約80万人の一時的解雇、飛行訓練の短縮や調達契約の先送りなどを検討しているが、それでも米軍の運用費など約350億ドルが不足することになる。米軍を支える「ヒト」と「モノ」が次々と削減され、西太平洋=東アジア地域の海軍活動も縮小するとしている。米国防総省は既に米陸軍・海兵隊の削減計画を立てている。

メイバス米海軍長官は、海軍、海兵隊で構成し、強襲上陸作戦を任務とする水陸両用即応部隊の出動をも見合わせる方針を明らかにしながら、米軍の即応能力に「深刻な影響が出る」ことを認めている。
米海軍は9隻の原子力空母と10個の空母打撃航空団を運用しているが、10航空団のうち4航空団の活動停止と米本土に母港をもつロナルド・レーガンなど空母4隻の運用が事実上、停止されることも述べている。空母はいったん活動を停止した場合は原状回復までに1年はかかる。
しかも9隻の空母のうち2~3隻は常に定期整備や長期整備などで戦列を離れている。空母航空団も部隊をローテーションさせることによって隊員の休養と機材整備などを行っている。つまり4空母の運用停止という事態は、世界に展開する空母のローテーションに深刻な打撃を与え、PTSDや現役兵士の戦死を上回る自殺の増加という米軍の現実に加え、対中シーレーン防衛の制海権喪失の危機と帝国主義世界支配の崩壊を一気に促進させると同時に、軍拡と帝国主義間・大国間争闘戦が激しく激化するということである。

米海軍はすでに2月6日、空母「ハリー・S・トルーマン」1隻とミサイル巡洋艦「ゲティスバーグ」の中東派遣を延期している。米軍はイラン・中東情勢、ペルシャ湾封鎖などの緊急事態と中国スターリン主義包囲網の軍事的措置として2010年から空母2隻の中東展開を維持してきた。それがすでに1隻態勢に後退している。またニューポートニューズ造船所で予定していた米空母「エイブラハム・リンカーン」のメンテナンス作業がすでに停止している。
強制削減の残りの半分は、高齢者医療保険(メディケア)、低所得者の女性、子どもへの食料・教育支援などの強制カット、約4万人の教職員の解雇、航空管制塔の稼働停止、税関手続きの停滞など、生活と社会崩壊がさらに激化する。
さらに、2013年会計年度(12年10月~13年9月)の暫定予算の失効期限である3月27日が直前に迫っている。強制削減に加え暫定予算が財源の裏付けを失い失効すれば、米政府機関は閉鎖に追い込まれる。連邦政府債務の法定上限はすでに昨年末に達し、5月には国家債務のデフォルトの危機が爆発する。
要するに進行している事態は、没落米帝の国家的危機が、帝国主義間・大国間争闘戦をより激化させ、世界戦争情勢を引き寄せ、その全過程が体制内党派、体制内労働組合のさらなる屈服をテコに全労働者に外注化ー総非正規化攻撃として襲いかかり国際階級闘争が非和解的に激化し、中国国内の動乱が体制打倒的に爆発する。
言い換えれば新自由主義とスターリン主義の危機を階級的労働運動の前進と全労働者の国際的連帯・団結でプロレタリア世界革命に転化できる革命前夜情勢への突入だということである。

階級的労働運動と再稼働阻止の本格的前進で極右阿倍政権打倒

安倍は、憲法96条改悪を突破口にした改憲攻撃、集団的自衛権の行使容認(憲法解釈見直し)―国家安全保障会議の設置と国家安全保障基本法の制定(国家安全保障強化担当大臣が任命)、「原発ゼロ」放棄、原発再稼働・原発輸出、釣魚台(尖閣諸島)の公務員常駐化、釣魚台(尖閣諸島)警備に特化した海保部隊の編成強化(石垣島・那覇市を拠点に12隻態勢)、自衛隊法改悪(海外派兵と武器使用制限の撤廃)、自衛隊の国防軍化、MVオスプレイの自衛隊導入・配備、米無人機の自衛隊導入、日米ガイドラインの見直し、民主党策定の「防衛大綱」見直し(6月メドに中間まとめ、年内新大綱策定)と「中期防衛力整備計画(中期防)」の廃止決定(1・25)と同時に「防衛力の在り方検討のための委員会」の新設、中国艦船からのレーダー照射を契機にした「交戦規定」の変更、自衛隊・海保・警察三組織の「場所特定用座標」の統一化、有識者会議(教育再生実行会議、規制改革会議、復興推進委員会、復興推進委員会、「日本版NSC」検討会議、「安倍談話」検討会議)の設置など、すでに具体的に動き出している。
だがこれらは全て極右超反動安倍の日米争闘戦の激化に根底的に規定された脆弱性ゆえの凶暴的な突出である。アベノミクスの破産が必至であるのと同様に、安倍政権の原発・改憲・戦争国家化などの反動国策はフクシマ・沖縄・三里塚の怒りを先頭に全労働者階級民衆の怒りで根底から徹底的に吹き飛ばされる結果しか引き出さない。これは明快である。凶暴だが脆弱な安倍政権を根底的に打倒する非和解で強靭な階級的実力を労働者階級は営々と築き上げている。それが動労千葉・動労水戸に体現されている階級的労働運動である

外注化阻止・非正規職撤廃の第2ラウンドは非和解の階級決戦・階級戦争として職場・生産点で闘い抜かれている。この階級戦争は革命党と労働組合の絶滅か、組織的拡大かをかけた一大階級決戦である。外注化・非正規化攻撃との激突点の戦場が職場生産点だ。外注化・非正規職撤廃闘争でプロレタリア世界革命を切り開く飛躍点も職場生産点であり、階級的労働運動の実践が階級戦争を決する。 そして組織的飛躍と拡大の一大突破口が青年労働者の組織化である。職場・生産点における青年労働者の革命党と階級への組織化、そして兵士の組織化の闘いがプロレタリア革命そのものである。
大恐慌と大激動情勢の中でますます体制内的に純化する反革命的勢力をぶち破る戦場も職場生産点である。反原発・改憲阻止の階級的戦場も職場・生産点である。
これらの実践と行動そのものが戦争と総非正規化を阻止する反戦闘争そのものだ。その実践と行動が体制内勢力を打倒する根源的力であり、マルクス主義の実践そのものである。進撃しよう。
(滝山)
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普天間基地即時閉鎖! 辺野古新基地建設阻止! オスプレイ沖縄配備反対!

5・15沖縄現地闘争に決起しよう!

なんぶユニオン執行委員長・宮里勝博

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(写真 陸自が日米共同離島奪回訓練でオスプレイを初使用。1・22~2・25「鉄拳」演習。カリフォルニア州)

フクシマと沖縄を結ぶ闘い
戦後68年間、沖縄現地で永続的に闘われてきた「米軍基地撤去」の闘いの本質は「米帝・日帝」支配体制を打倒する闘いだ。特に復帰後の「米軍基地撤去」の闘いは日帝支配の根幹を揺るがす闘いとしてあった。
97年から続く辺野古新基地建設阻止の闘いは日米帝の思惑を吹っ飛ばし、辺野古新基地建設そのものを粉砕し続けている。まずそこに沖縄‐本土の労働者階級の勝利性があるのだ。自民党・民主党そして自民党と政権が変わろうと、沖縄労働者階級の基地撤去の闘いは揺れることなく日帝を攻め続けているのだ。
3・11大震災・原発事故直後に米帝は米韓軍事演習を変更し、三陸沖に空母ロナルド・レーガンをはじめとして艦艇20隻、航空機160機、2万人もの米兵を投じた「トモダチ作戦」を展開した。米軍は被災した仙台空港にパラシュート部隊を降下させて滑走路を修復し、大規模な空輸作戦をおこなった。日米帝は「住民の安全」を確保するという名目で日米軍事演習を強行しているのだ。
米軍は自衛隊との日米調整所を設置し、自衛隊もまた統合任務部隊の一元化指揮のもとに陸海空10万人体制をつくり、労働者階級への「住人の安全」をかかげ警察権力と一体で治安弾圧体制を強行した。
米帝はトモダチ作戦を事実上集団的自衛権の行使として強行すると同時に、日帝を大恐慌下情勢における日帝独自のアジア勢力圏化を阻止し、米帝の日米安保体制そのものを対中侵略体制下に組み敷く攻撃として強行した。しかし、それは成功したのか、三陸沖から空母ロナルド・レーガンは早々と逃亡し、「トモダチ作戦」の戦費は日帝に請求するという米帝は独自で軍事演習さえも行えない実態をさらけ出した。「トモダチ作戦」は米兵に被曝を強いるものとしてあったが、米兵から東電賠償裁判を行う反撃も起こっている。
なによりも東北労働者の「復興特区を許すな」「原発を廃炉に」の闘いは闘う労働組合を甦らせ、大震災・原発事故が軍事問題‐体制打倒の闘いであることを示した。ここにオキナワ‐フクシマを結合する闘いがあるのだ。だからこそフクシマ‐沖縄を結ぶ「全原発を廃炉へ」の3・11福島現地闘争が労働者階級民衆の総決起で大爆発したのだ。

アーミテージ・ナイレポートの欺瞞性

アーミテージ・ナイレポートにおける沖縄に関する「普天間」という項目は極めて短い、「日本における米国軍の存在は、共同関係に留まらない。同盟の長年にわたり沖縄の米軍基地再編の詳細について非常に高い注意を払っている。結果として、第三次問題の普天間の海兵隊飛行場は、今後のための最適な軍編成計画に投資できたであろう時間と政治資金を使い果たしてしまった。過去の再編から生じる問題はそれがどのようなものであれ、われわれが堅く未来に照準を合わせればより容易に解決できるものと考えている」の項目に、改めて辺野古新基地建設阻止を闘い続けていることと沖縄基地存続維持全般に日米帝が悲鳴をあげていることが読み取れる。

そこには働く沖縄基地労働者・兵士の姿はない。沖縄全土に米兵の些細な「事件・事故」であっても怒りが蔓延している。米軍兵士の「風紀の乱れ」はベトナム戦争当時を再現しているかのようで、いつ「コザ暴動」が起きてもおかしくない状況にまでなっている。さらに基地労働者の「生きさせろ」のストライキ決起は「死すべきは基地だ」を突きつけている。基地労働者の「外注化・非正規職撤廃」闘争と連帯しよう。

「外注化・非正規職化撤廃」闘争への労働者の決起

新自由主義との闘いは国鉄を先頭にした全職場である。攻撃は、すべての職場生産点で凶暴化し、全矛盾は全職場で渦巻いている。日帝はいまだ労働者を屈服しえてはいないのだ。外注化・非正規職化が世の中に蔓延し一見「当たり前」のように見えるが、これと激突して現実をぶち破っていく闘いを動労千葉・水戸を先頭にしてつくり出している。
ここでの階級決戦の攻防で勝負をつける、それが国鉄決戦なのだ。資本よる徹底した雇用破壊と安全破壊は労働者を殺し労働者の分断と団結破壊・労働組合解体攻撃である。10・1外注化阻止を闘い、JR全面外注化阻止・粉砕の第2ラウンドは階級的労働運動の再生か根絶かをかけた階級決戦だ。全産別・全職場で外注化阻止・非正規職化撤廃を闘おう。
特に本土における沖縄出身労働者は「基地の島」「外注化・非正規職化」の沖縄からも離れ、「生きる」ために本土に渡ってきた人たちで、初めから「非正規労働者」として存在しているのだ。
日帝の全矛盾を抱え苦闘する沖縄出身労働者の組織化も「外注化・非正規職撤廃」闘争の中から生まれる。沖縄出身労働者を闘う合同労組に組織しよう。

4・28沖縄デー闘争から5・15沖縄現地闘争へ総決起しよう

昨年11・4全国労働者集会が開催された当日、それに対抗する輩はあろう事か11・4オスプレイ沖縄配備反対集会(芝公園)をぶつけてきた。断じて許せない。しかし、その内実は参加したなかには良心的労働者はいるものの、主催者の思惑は民主党政権にオスプレイ配備はやめてくれと懇願するものでしかなかった。また、1・27オスプレイ沖縄配備反対集会(日比谷野音)も同様に政権交代した安倍政権に懇願するものでしかなかった。こんなことを何度繰り返してきたことか、これは「ささやかな沖縄の願い」さえも沖縄現地では実現出来ないということであり、「ささやかな沖縄の願い」を実現するためには政権打倒・日帝打倒以外あり得ないことを示しているのだ。

特に1・27集会における全市町村長・議員らが大挙参加し、請願したことに「意義」があるのでは断じてない。「島ぐるみ」「党派をこえて」は政権・体制打倒を言わせない「ガス抜き」なのだ。沖縄では全市町村において「役所の外注化・非正規化」を容認しており「基地撤去、外注‐民営化・非正規職賛成」はあり得ないのだ。沖縄の「外注化・非正規職化」は基地職場においても進行している。基地職場では非正規職化に「生きられない」という怒りの声があふれている。「安保の内実」として基地を動かしているのは労働者だ。だから侵略を止めるのも労働者なのだ。基地労働者の決起・団結の組織化は基地労働者のみの闘いではない。内外の「外注化反対・非正規職撤廃」の闘いで連帯し、自らの職場で仲間を組織するところから始まるのだ。 5・15沖縄現地に結集しよう。5・15沖縄現地闘争を「外注化・非正規職撤廃」闘争として闘おう!

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(図 3・6~3・8 本土でもオスプレイの低空飛行訓練を「オレンジルート」で開始した。)

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極右超反動・安倍政権打倒!

3・24三里塚全国総決起集会へ大結集を!

「空港廃港まで闘う」市東さんの農地を守り抜こう!

三里塚・川森

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(写真 市東さんの農地奪うな!2・18千葉地裁包囲デモ)

「空港廃港まで闘う」市東さんの決意

2月18日、千葉地裁で開かれた農地裁判の本人尋問で、次のように市東孝雄さんは決然と心からの思いを語って陳述を結びました。「空港建設のためなら、90年も耕してきた農地を奪い、私を追い出すことようなことがあっていいのでしょうか。こんなことは認められない。私は農業をしながら生きる権利を主張していく。成田だけでなく、沖縄、福島でも(国に対して)怒っている人たちがいっぱいいる。その人たちとつながって闘う。農政は資本の論理で、工業製品が売れればいいとか、安い農産物が入ってくればいいという政治は許せない。私は動労千葉を先頭とする労働組合と一緒にたたかっていく。裁判官は天神峰に立ってほしい。それから判決を書いてほしい」。
また閉廷後の報告集会で市東さんは「私は皆さんの力を借りて空港廃港まで闘っていきます」と決意を語りました。この市東さんの法廷での証言と三〇〇余名の地裁包囲の闘いから、三里塚闘争は47年の闘いの最大の決戦に突入しました。1966年の「寝耳に水」の閣議決定、ベトナム戦争下で軍事空港建設のために農民を虫けらのように扱い追い出そうとした日本帝国主義、71年の大木よねさんの宅地強奪の強制代執行‐三里塚闘争はこの「国策」を掲げた国家暴力との非和解的な実力闘争の歴史であり、今日、外注化阻止・非正規職撤廃の階級的労働運動の最先頭で闘う動労千葉がジェット燃料輸送阻止ストに決起し、三里塚芝山連合空港反対同盟との団結を拡大・強化してきた労農連帯の歴史です。 まさに市東さんの農地強奪の攻撃は、『福島・原発と基地沖縄、TPP、そして非正規労働者の生きていけない現実・労働組合破壊と一体』(同盟招請状)です。すべての労働者、農民、兵士、学生の皆さん、強制代執行以来の大決戦にたち上がりましょう!市東さんの農地強奪を阻止しましょう!市東さんの農地を守り抜きましょう!3・24三里塚総決起集会へ総結集しよう!

市東さんの闘いはTPP粉砕の最先端の闘い

「公共性」を掲げ、農地法で農地を奪う。こんな理不尽なことがおこなわれていいのか、労働者にとってみれば労基法で解雇されることと同じです。法によって守られるべき者と規制されるべきものが全く逆転しているのです。農地法とりわけその核心である耕作者主義は、地主や資本の都合で得手勝手に農地を奪われてきた小作農家の闘いが農地改革によってかちとったものであり、常識的に考えれば農地法で真面目な耕作者から農地を取り上げることなどできるわけがありません。市東さんへの農地取り上げの攻撃は、47年に及ぶ国家権力との実力闘争の拠点の破壊攻撃であると同時に、TPPなどによる資本による農民絶滅攻撃であり、日本の農民全体にかけられている攻撃です。農地の転用の自由、資本による農地の自由こそが、新自由主義下の資本が求めているものであり、TPPに参入して農民を絶滅して資本が莫大な利潤をせしめて延命を図るものです。市東さんの農地強奪は、このような全面的な資本の新自由主義攻撃を背景にし、市東さんの農地決戦は新自由主義との闘いの最前線を形成しているのです。

TPP粉砕!新自由主義攻撃粉砕!

r24_7_1 2月22日、日米首脳会談で安倍首相がTPP参加を米帝に表明しました。労農連帯をさらに強め、市東さんの農地を守り抜き、TPPへの参加を阻止しましょう!
TPPは第一に、没落米帝によるブロック化政策です。ここに日帝を引き入れ、世界最大の排他的ブロックを形成し、対中国、対EUなどの世界戦略としようとしています。世界戦争にいきつく帝国主義間争闘戦の激化・ブロック経済そのものの開始です。
第二に、米帝の対日争闘戦そのものです。日帝の帝国主義的独自路線を叩き潰し、米帝の世界戦略のもとに日帝を組み敷く狙いをもっているということです。「トモダチ作戦が、本来の日米同盟のありかた」と「アーミテージ・ナイ報告」には露骨に示されています。
第三に、脱落日帝・ブルジョアジーの延命路線そのものです。米帝との軍事同盟の強化なしに日帝の延命はあり得ないことから、日帝・ブルジョアジーが積極的に決断したということです。
第四に、TPPは資本のための大民営化・規制緩和攻撃そのものです。TPPの交渉分野は物品から労働に至るまで全面的であり、これが原則自由化されれば安価な物品や食料が市場を席巻し、労働者の賃金はますます下がり、非正規職化、外注化、海外へのアウトソーシングのあらしとなります。これこそ資本が喉から手が出るほど欲しがっているものです。
そして第五に、この攻撃が帝国主義足下の労働者、農民にかけられ、これへの反撃の階級的決起は不可避であるということです。動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃の階級的労働運動の闘いは、この新自由主義の攻撃を根幹において既にぶち破り、外注化阻止・安全保安闘争の第二ラウンドの闘いへの突入は、TPPのさらなる大民営化・規制緩和の攻撃を打ち破ります。加えて、三里塚との労農連帯の発展、民主労総をはじめとする国際連帯の発展は、プロレタリア世界革命を実現する勝利の武器です。
マルクスは「資本主義は、穴という穴から、血をしたたらせて生まれてきた」と言っていますが、この資本の本源的蓄積過程以上の凶暴性、またその体制的没落と死滅の危機ゆえの凶暴性をもって、TPP攻撃は襲いかかろうとしています。労働者階級こそ、資本主義の墓掘り人です。
「一切の問題は革命の主体である労働者階級の団結の拡大と、そのもとへの広範な被搾取大衆の結集」であり(国木田亨-『共産主義者175』)、労農同盟の前進がその最大の軸となると思います。3・24三里塚全国総決起集会へ大結集しましょう!

(写真 三里塚闘争を先頭で闘う労兵委員会)

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(写真  2・18農地裁判で300人が千葉地裁を包囲)
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「護衛艦・たちかぜ」裁判傍聴記

小林 寛

2月4日に行われた「たちかぜ裁判控訴審」を傍聴してきました。
今回は、昨年11月26日の第8回公判以来の第9回目の公判でした。

国家・防衛省の証拠隠しが裁判を遅延させている

この「たちかぜ裁判」については、「国・自衛隊側の証拠(自衛官自殺に関わる隊内調査資料)隠し」がマスコミなどに大々的に報道された昨年6月以来、関わっています(傍聴は昨年9月の第7回公判から)。昨年3月、一審横浜地裁の時の国側指定代理人だった現職三佐の「反乱」ともいえる意見書提出で裁判は大きく動くのではと思ってきましたが、今回の第9回公判でも未だ証拠隠しについての国側弁明書(準備書面)とそれに対する原告(自殺した当該自衛官の親族)の反論をめぐってのやりとりが主で、裁判は遅々として進んでいないという印象でした。毎回の公判でも感じますが、「民事裁判などは遅々として進まないのは当たり前」という「常識」(?)通りになっているのを目の当たりにして、ブルジョア統治の決定的一環である裁判(制度)そのものへの怒りを禁じ得ません。今回の公判では特にそのことを強く感じました。

高裁は傍聴制限をするな! 大法廷で審理せよ!

裁判の傍聴は毎回抽選になっています(少なくとも筆者が昨年6月にこの裁判に関わって以来)。法廷は一貫して傍聴席40席ほどの717号法廷で、しかも「記者席」が毎回設けられるために実際に傍聴できるのは30名程度。2月4日も傍聴希望者60名に対して、実際に傍聴できたのは30人ほどでした。マスコミなどでも大きく取りざたされてきたこの裁判について、「傍聴者を絞る」というところにすでに裁判所(高裁)自身の反動性がはっきり現れているともいえます。

証拠の全面開示しか真実は明らかにならない

そうした遅々として進まない裁判ですが、今回の公判では、原告側弁護団が「証拠の部分開示命令」を裁判所に求め、それに対して裁判所側が開示命令を出すために「インカメラ審理」といわれる裁判官だけが当該文書を閲覧する非公開の手続きを3月上旬に行うということになりました。傍聴席からもコソコソと漏れ聞こえていましたが、「なぜ部分開示要求なのか」、「インカメラなどなぜ必要なのか」‥ということです。
裁判に関わってまだ8ヶ月あまりですが、公判などを通してつくづく感じることは、原発事故で問われていることと全く同じことがこの裁判でも問われているということです。国による証拠隠し、ウソ・デマ。裁判所自身が加担者であること。これに対して、まさにこの資本主義体制そのものを根底から問うたたかいだけが展望を切り開くということです。

兵士・非正規青年労働者の自殺の根源は新自由主義

「役立たず」といわれているのは、何も今回自殺した自衛官だけではありません。青年の死亡原因のトップが自殺となっている今、非正規職撤廃・外注化阻止のたたかいでプロレタリア革命を実現するという路線に燃えて今後の裁判にも関わっていきたいと思っています。

会報 23号

第23号 2013年1月10日発行

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  極右反動 安倍政権を職場闘争で打倒しよう

非正規職化・原発再稼動・戦争をプロレタリア革命で吹き飛ばそう!

2013年は世界中とりわけ日本で、99%の労働者階級と1%の資本家階級が非和解で激突する階級戦争とプロレタリア革命の時代です。
最末期帝国主義の最後の延命形態が新自由主義だ。その新自由主義が破産し、社会は完全に崩壊している。その明快な現われが、未だ収束の展望が一切ない福島第一原発事故であり、笹子トンネル事故だ。それだけではない。列車に飛び込む自殺者が後を絶たない社会、労働者家族の中心勢力である40歳代にPTSDの発症率が最大であるという社会、日毎に生活保護者が増大する社会、非正規職化が増大し、労働者が人間として生きられず、労働者家族が破壊されている社会、日々、職場で労働者が殺されながら自己責任論で闇から闇に葬り去られている社会、これらとて氷山の一角だが、これらのすべてが、社会が完全に崩壊している明快な現れである。新自由主義とは、子供や青年の未来すら奪いつくしても、1%の社会的存在でしかない資本家が今日、明日の利益だけを極限的に追い求める社会である。要するに新自由主義には人類の未来はないということだ。
昨年末の衆院選で自民党が「圧勝」した。だがこの選挙結果は、断じて、全労働者階級と兵士らとその家族が選択した「民意」ではない。そもそも59・32%という戦後最低の投票率、さらに自民党の比例区獲得票数は、惨敗した09年よりも219万票減であり、自民党の得票数は過去最低だ。小選挙区制度の東京1区では23・9%の得票率で自民党候補が当選し、小選挙区全体の約40%の得票率で全議席の80%を自民党が独占している。
要するに、安倍政権の基盤は、既に、崩れているということだ。だから極反動安倍政権は凶暴化し、国家暴力を前面に押し出す反革命政権として全労働者階級民衆の前にその姿を全面的に現している。安倍政権は外注化・非正規化攻撃を極限化し、労組解体攻撃、フクシマの反原発闘争の圧殺・解体・原発再稼動と核武装化、クデター的改憲と日米安保強化ー世界大的戦争国家化、沖縄の辺野古基地建設など、すでに強権的突進している。
安倍は政権発足前の昨年12月18日、辺野古移設に向けたアセスメントの補正評価書を抜き打ちで沖縄県に提出した。沖縄へのオスプレイ配備強行に加え、自衛隊へのオスプレイ導入を決定した。これは沖縄闘争の解体と全土出撃基地化への突進である。
「デフレ脱却・景気回復のインフレ政策」への「積極財政への転換」とは、所詮、財政危機を労働者民衆に犠牲転嫁を拡大するというものでしかない。これらすべてが労働者階級民衆の命と引き換えに強行されようとしている。
2013年は、冒頭から全職場・全社会・全地域で99%と1%の革命と反革命が、すでに真っ向から激突している。この非和解の激突は、職場権力の奪取・確立とソヴィエト建設の闘いを全職場・地域で推し進める絶好のチャンスである!
プロレタリア革命への一切の核心は、職場生産点における資本と体制内勢力との非和解の闘いとその実践であり、闘う労働組合を甦らせる闘いと行動である。プロレタリア革命による労働者階級の解放は、労働者自身の手で行う人類解放の事業だ。外注化阻止・非正規職撤廃・原発再稼絶対反対の国鉄全国運動で、極反動・反革命安倍政権を根底から吹き飛ばそう!
(滝山)

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外注化阻止・解雇撤回・非正規職撤廃を掲げ勝利まで断固 闘い抜く鈴コン分会

東京西部ユニオン 鈴木コンクリート工業分会 書記長・吉本伸幸

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(写真 解雇撤回を突きつける12・1鈴コン社前闘争)

安倍自民党の「圧勝」は 新たな階級決戦の始まり

2012年12月の総選挙で野田・民主党は壊滅的に惨敗し安倍・自民党と公明党が325議席という、衆議院での3分の2超の議席を獲得して「大勝」した。これは一方では、野田政権の原発再稼働、消費大増税、オスプレイ配備、大失業と外注化・非正規職化などの超反動政策に対する、労働者人民による怒りの爆発の結果です。しかし他方でそれは、自民党・公明党のバブル的な勝利が「民意」であるということなど断じて意味していません。これから本格的に階級的矛盾が爆発していきます。 戦後体制のあらゆる枠組みが最後的に崩壊していき、新たに巨大な激突と階級決戦が始まります。その中で超反動・極右の安倍新政権は、一方で戦争と改憲、自衛隊を国防軍、日米安保体制強化、拝外主義とナショナリズム、原発推進・再稼働、消費大増税などの極反動政策に突き進み、他方では、首切り・大失業、民営化・外注化・非正規職化、労組破壊攻撃を一層強めてきます。また大々的な公共事業と超金融緩和に示される、破滅的なインフレ政策にも訴えてきます。安倍・自民党は、「地方公務員の政治活動の規制」など、明らかに労働組合活動を破壊することを目的とした政策も公約にしています。

ストライキで階級的労働運動を再生させる時代に突入

r23-3-1 これは、「自主憲法制定」を掲げた「日本維新の会」の橋下や石原のやり方や考え方と同じで、自治体や教員などの労働組合を解体しなければ、改憲や戦争政策を簡単に進められないと考えているからです。ますます、労働組合の再生が待ったなしに問われる時代に入りました。

われわれ鈴コン分会も2011年12月の不当解雇から1年が過ぎました。2011年8月に急逝した組合員の即時解雇撤回と謝罪、一方的賃下げ撤回を掲げ9月27日に1日ストライキを行いました。会社は「ストライキが無断欠勤」とし、われわれ組合員一人一人に7日~2日間の出勤停止処分を行いました。しかし、会社の不当な出勤停止処分に反撃・怒りの連日社前・駅前街宣を1週間行うと、会社は鈴コン分会三役三人を「名誉毀損・信用失墜行為」を理由に問答無用の解雇としました。これこそ、労働組合は認めない、労働組合への団結破壊、組合潰しそのものです。社会に蔓延する新自由主義の労働者への非正規職化を国鉄分割・民営化当時から率先して行ってきたのが鈴木コンクリート工業=有限会社東豊商事(鈴木一族同族支配会社)なのだ。職場に労働組合を絶対に作らせない、労働者を団結させない、分断するために25年前から実施してきた雇用形態、それが三ヶ月雇用契約だ。この雇用形態の中に、会社が労働者を団結させない、職場に労働組合を作らせないという不当労働行為の意志が明確に示されている。 しかし、鈴コン分会は労働組合として、職場で堂々と、元気に、当然の闘いとして、「一人の仲間の解雇をも絶対に許さない」という非和解の原則を1ミリも曲げずに闘い抜いている。会社がありとあらゆる団結破壊の手段(権力と金)を用いても絶対に潰すことが出来なかった鈴コン分会に対し、ついに追いつめられた会社が強行してきたのが「名誉毀損」「会社への信用失墜行為」と言う労働組合潰し、団結破壊の明白な「解雇権の乱用」の組合三役への「雇い止め=解雇」でした。

闘う支援の連帯・団結・共闘で 仮払い勝利判決を戦取

われわれ鈴コン分会は会社の意図する組合破壊と組合潰しの解雇に対し、2012年の1年間は「解雇撤回・非正規職撤廃」で闘い抜いてきました。
2012年の2月29日仮払い勝利判決。10月3日には会社の異議審は棄却、再度、仮払いのわれわれの大勝利を掴み取りました。
7月15日に鈴コン闘争支援・連帯共闘会議結成。職場・地域・労働組合を駆け回り、闘う支援と連帯・共闘を訴え続け、膨大な団結・連帯が発展・進化・拡大し続けています。 地域から東京全体へ、そして全国の仲間の支援と連帯で、鈴コン分会も闘い、生き抜くことができていると思っています。

鈴コン分会の闘いと動労千葉の闘いは一体

鈴コン分会と鈴コン闘争共闘会議が闘い抜いてきたことは、動労千葉をはじめとする国鉄闘争1047名解雇撤回、10・1全面外注化攻撃との新たな非和解の闘いと一体であり、動労千葉をはじめとする国鉄―JRの闘いに全労働者の未来がかかっています。
動労千葉の解雇撤回・非正規職撤廃の闘いは、非正規化を阻止する労働組合の復権・再生と固く一体の闘いで、鈴コン闘争そのものです。

三位一体の実践が 2013年の大いなる野望に挑戦し 勝利する展望を切り開いた

この1年、鈴コン分会と共闘会議が実践し抜いてきたことは、職場で動労千葉の闘いを徹底的に実践し、生コン産別では徹底的に関西生コン支部の闘いを実践し抜く、そして、地域では地区労復権をかけて港合同の闘いを実践し抜く。この三位一体の実践を徹底的にこだわり闘い抜いて来たことです。これが実となり花が咲いたのは、2012年12月1日の鈴コン解雇1ヶ年池袋総決起集会でした。東京・関東から正規・非正規職の闘う労働組合7労組が結集できたことです。大きな成果と前進を勝ち取ったと考えています。
2013年はまた一歩大きな野望と実践の方針で踏み込んで行きたいと考えています。7労組で掴み取った団結の前進を「闘う関東労組連絡会(仮称)」という月1回の定例会から各職場、労働組合の垣根を取り外し、闘う労組の核を組織し増大させていく。連合、全労連、全労協という既成の枠を取り壊し本当の労働組合を作り上げていく大いなる野望と挑戦です。その中心に鈴コン分会が位置する。いよいよ、動労千葉、動労水戸の闘いを先頭に鈴コン分会、鈴コン闘争共闘会議と全てが13年の第2ラウンドに突入します。闘いのさらなる攻めの大攻勢に突入します。時代は、大反動と戦争、労働者大衆の怒りの爆発の時代に完全に入りました。いよいよ本番到来です。全ての労働者は立ち上がり社会をわれわれ労働者、労働組合が取り戻すときが来ました。

自衛隊兵士も 鈴コン労働者も非正規労働者 共に闘いましょう!

全ての自衛隊の皆さんへ訴えます。われわれ闘う労働組合と共に世界から核を廃絶し、戦争を無くし、貧困と格差・差別を無くし、新自由主義(資本主義)を打倒し、われわれの力で生きていける社会を13年は掴み取っていきましょう。鈴コン分会は合同・一般全国協の先頭で闘い抜いていきます。共に闘いましょう!

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2013年を外注化阻止・非正規職撤廃で労働運動を変革する年に!

京大で「大学改革実行プラン」粉砕の全学ストに突入しよう!

全学連・山本進

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(写真 熊野寮生が本部棟に突入し 団交!【2012年12月4日】)

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( ※写真はすべて編集局責任です。)

(1)大恐慌の本格的爆発 争闘戦と国際階級闘争の激化

情勢は激動に突入しています。米帝は大恐慌とその根底にある「過剰資本・過剰生産力」を解決できず、全ての金融政策が破綻した結果、ついに「財政の崖」=逃れることのできない大恐慌の本格的爆発へと行き着きました。この「財政の崖」と一体で、欧州恐慌の爆発と中国バブル崩壊が進行し、日本も製造業の崩壊的現状に追い込まれています。
こうした根底的危機の爆発が、全ブルジョアジーをいっそう新自由主義の展開(大失業と戦争)へと駆り立て、その最大の焦点として米中対立の決定的激化が進行しています。 野田に代わって登場した安倍政権もまた、大恐慌に打ちのめされた存在であり、体制の生き残りをかけて外注化・非正規職化と改憲・道州制へと突撃する極反動政権です。一方で、外注化阻止・非正規職撤廃を共通のスローガンにした国際プロレタリアートの決起が発展し、エジプト・ギリシャから中国・インドネシア・南アフリカへと全世界でゼネスト的決起が生み出されています。まさに新自由主義の展開自体がその墓掘り人であるプロレタリアートの国際的軍勢を登場させています。

(2)外注化阻止・非正規職撤廃で労働運動を根底から塗り替えよう!

日本における外注化阻止・非正規職撤廃闘争は、決起する国際プロレタリアートと結びつき「大失業と戦争」を根底的に粉砕する闘いそのものです。その焦点は、インフラ輸出戦略の柱となったJR全面外注化を打ち破ることです。それは「9割非正規化」で国際的コスト競争に勝ち抜くことを狙う日帝ブルジョアジー総体の生命線を断つ闘いであり、原発推進や道州制をも打ち破る最大の政治闘争課題です。昨年の外注化阻止決戦が生み出した青年の反乱、労働運動全体の革命的変革の展望を全戦線に普遍化し、一切の地平を国鉄闘争全国運動6・9全国集会へ集約しましょう。

(3)学生運動の歴史的高揚を準備した2012年の闘い

r23-5-1 外注化阻止・非正規職撤廃闘争の前進と一体で、学生運動も巨大な高揚に向けた端緒を2012年に切り開きました。それは法大文化連盟、東北大学生自治会、京大全学自治会同学会など、全国大学で自治会が新執行部を樹立し、新自由主義的大学改革と対決する主体が続々と生み出されていることです。国鉄分割・民営化を契機とした新自由主義は、大学・教育においても学費の高等、就活の激化、奨学金の商業化などを生み出し、ポスドク(博士課程を終了した非常勤職員)の激増や有期雇用・非正規職の拡大、国公立大学経営への資本家の参入と、研究資金を楯にとった買収・御用学者の氾濫など腐敗の極へと行き着きました。それは、徹底的な大学自治破壊と一体であり全国各地の学生自治会が解体される中でこそ展開されてきたものでした。
2006年の3月以来の法政大学における学生運動つぶしと対決してきた法大および全国の学生は、この闘いを通して新自由主義の核心が団結破壊であり、非和解的激突の中で団結を守りぬくなら新自由主義は打ち破れることを実践的に掴んできました。この法大闘争の路線が全国に拡大し、今や新たな活動家が層となって大衆的自治会権力の中心を担うという情勢が生まれています。
こうした中で、京都大学では約25年ぶりに全学選挙を実施し「新自由主義との全面的対決」を宣言する執行委員会が再建されました。再建された同学会は直ちに京大経営協議会に巣食う関西電力元社長・藤洋作を追求し、これを解任に追い込む勝利を切り開いています。いまや階級的労働運動の前進と一体で、学生運動も新自由主義への全面的反撃に立ち上がる情勢が切り開かれています。
(写真 大学奪還・再稼動反対の学生行動座り込み【関電京都支店前】)

(4)松本総長&JR東海・葛西の「大学改革」を打ち破ろう

r23-5-2 2013年決戦の核心は、文部科学省の「大学改革実行プラン」を粉砕することです。この大学改革の実態は、大学自治を徹底的に解体し、ブルジョアジーによる独占的支配を確立するものです。京大・松本総長は大学改革を遂行するために、学内のあらゆる反対意見を踏みにじって国際高等教育院と学寮型大学院思修館の開設を強行。それらの攻撃の推進軸として、経営協議会にJR東海会長・葛西敬之を就任させました。
葛西こそ国鉄分割民営化を推進し、闘う労働者を解雇するための不採用基準を作り上げた張本人です。3・11以降も誰よりも早く「国際競争に勝つために原発再稼働を」と主張したのもまた葛西です。
その葛西が今、鉄道輸出戦略の尖兵育成を狙って京大の経営に入り、学寮型大学院では直接に講義をもって学生を扇動することも狙っています。大学改革を打ち破る京大決戦はJR外注化阻止決戦と名実ともに一体の決戦です。すでに松本総長の自治破壊攻撃に対し、学内から全面的に怒りは噴出し、闘いの機運は全学に充満しています。この怒りを一つに結集させる自治会の強固な発展を勝ち取り、2013年は松本・葛西打倒の全学ストへと挑戦します!
(写真 25年ぶりの京大全学自治会同学会選挙で圧倒的信任)

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三里塚軍事空港粉砕!

日本農民の先頭で闘う市東さんの農地を、断固、守り抜き労農学兵連帯の新たな段階を切り拓こう!

全学連三里塚現地行動隊 N

決戦を迎えるにあたっての現地行動隊の決意

おじいさんの代から耕していた畑を「不法耕作だ、明け渡せ」と空港会社が市東さんを訴えたのが06年。それから6年がたち、裁判闘争がいよいよ今年佳境を迎えます。5~7月には判決が出されようとする情勢の中で、われわれはこの決戦をいかに闘うのかが問われています。
故戸村一作委員長は、「決戦に先立って求められるものは、深い自己反省である」と述べています。勝利のために何が必要なのか。何が足りないのかを徹底的に考え抜くことから決戦は始まります。
必要なことは、国鉄決戦を軸に外注化阻止・非正規職撤廃で闘う労働者とりわけ青年労働者と反原発闘争に立ち上がる膨大な人民と結合し、市東さんの農地を守るための十重二十重の実力阻止部隊の形成です。これまで三里塚闘争と切り離されてきた青年・学生の決起を勝ち取ることです。三里塚闘争勝利のために3・11世代の決起を呼び覚ますこと、これが今市東さん農地決戦勝利のために現地行動隊に求められていることだと思います。
全学連は昨年12月拡大中央委員会を開催し、「3・11」福島現地闘争へ向けた反原発闘争の爆発と全国大学での学生自治会の建設、闘う1000の部隊を登場させようと決意を固めました。増強した現地行動隊はその最先頭で、市東さんととことん団結し、青年・学生のほとばしるような情熱と迫力、決意をもって三里塚闘争を再び時代の先端に押し上げる決意です。

軍事空港絶対反対![反戦の砦」三里塚を守り抜こう

そもそも成田空港建設は軍事空港建設の一環として進められてきました。65年に始まった米軍による北ベトナム空爆。その中で米軍チャーター機の羽田利用が増加し、新空港建設構想が本格化しました。しかし、横田基地の米軍専用空域として関東地方の「制空権」を米軍に握られていた関係から内陸空港にせざるを得ず、結局千葉県西南の農地を空港用地にすることになりました。日米安保とベトナム戦争のためという、いわば戦争の論理で決定されたのです。
三里塚闘争は、ベトナム戦争の最中、史上空前のスケールで学生・労働者が実力闘争に立ち上がり、戦後の日本階級闘争史の一大エポックを築いた70年安保・沖縄闘争と一体で闘われ、現在に至るも「反戦の砦」として君臨しています。
4000メートル滑走路は横田・嘉手納・成田にしかなく、成田空港は朝鮮有事の際、50万の米兵受け入れ・兵站拠点とされることが決まっています。作戦計画「5027」では、兵員の宿泊・糧食・移動、医療施設、貨物輸送、航空機整備などの動員計画もマニュアル化されています。民間空港としての成田は完全に破綻する中でもはや軍事空港化しか成り立たない状態です。また、市東さんの農地強奪攻撃は戦時徴発にも等しい攻撃です。これを阻止することは日米帝の戦争政策にとって決定的な意義を持ちます。
大恐慌が深化し、帝国主義間・大国間の争闘戦が激しく展開される中で、三里塚闘争の「反戦の砦」としての役割、軍事空港建設の完成を阻む闘いはますます重要になってきています。

市東さんの農地・生活を守る闘いは金と暴力に屈しない闘いだ

奪われようとしているのは、市東さんが耕作している面積の6割。農地だけではなく、営農に必要不可欠な農作業場や育苗のためのハウス、トラクター置き場、離れなども撤去の対象とされています。さらに3月31日から供用開始をしようとしている第三誘導路。これは市東さんの家と畑を空港の中にすっぽりと囲い込み、 両サイドからの騒音・振動・排気ガスによって営農・生活を破壊するとんでもない攻撃です。
単に土地を奪い取るだけにとどまらず、農民としての生活を根こそぎつぶそうとするものなのです。まさに市東さんに死ねと言わんばかりの攻撃です。
『一億八千万円を補償するからいいんだ』。これは市東さんの年収の150年分なんだと空港会社は傲岸不遜な態度をとっています。
しかし、市東さんは、「一本百円の大根を作ることの方が大事だ。自分が出て行って世の中がよくなるんだったら、土地を譲ってもいいが、決してそうじゃない」と、農民としての誇りと農業の未来をかけて闘うことを宣言しています。「金と暴力には屈しない、自分の土地を守ればそれでいいという問題ではないと」、ここに支配階級は恐怖しているのです。

全国農民の未来のために

さらにこの攻撃は農民切捨て政策の一環であり最先端の攻撃であり、日本農民の未来のかかった問題です。
資本が生き残るためだったら人間が生きる根幹に関わる農業であろうが破壊する。これが最末期の帝国主義がとっている新自由主義政策です。 人間は食べるということがなくては生きていくことができません。にもかかわらず、危機にのたうつ資本主義社会のもとでは、いかに安全で美味しい無農薬・有機栽培で作られた野菜であろうが儲けにならなければ潰す。逆に、どんなに不味くて農薬漬け、栄養のない野菜であろうが儲かればつくる。農業までもが利潤の追求の場とされ、金融マネーによって投機の対象にまでなっています。農業を売り飛ばすその先に社会に未来があるでしょうか。

被災地の地震・津波で更地になった土地で工場野菜をつくるといった「復興特区」もトヨタといった輸出大資本の利益のために農業をつぶすといったTPPも新自由主義による農業破壊の問題です。資本が儲ける限りにおいてしか農民もまた生きていくことができないことを強制されている以上、資本家が独占している生産手段を奪還し、共同の管理の下におくたたかい、すなわち、労農兵学ソヴィエトによるプロレタリア革命が必要です。

世界革命の一大根拠地としての三里塚

プロレタリア独裁に向けた労農同盟ー労農コミューンをつくる闘い

三里塚闘争46年の闘いは、「農民は農地を武器に、労働者は鉄路を武器に」という労農同盟の力、階級的団結の力によって闘い抜かれてきました。三里塚は革命の根拠地としての労農コミューンをつくる闘いでもありました。
歴史家の故羽仁五郎氏が喝破するように三里塚は現代のパリコミューンです。エンゲルスはプロレタリア独裁とは何かと問われて「パリコミューンを見よ」といいました。パリは自らの手で守ると自治体制をとったのがパリコミューンです。パリコミューンはわずか72日間でしたが、三里塚は46年、農民が闘いながら見事に生き抜いています。

三里塚闘争は、人情のしがらみや金との対決といった資本の論理を実践的に乗り越え、敵権力の介入を許さないためのコミューンを生み出しました。他人の痛みを自分の痛みとする連帯意識、お互いの信頼関係に基づく人間の心と心のかたい結合体を基礎として、闘いを生活化する中でそれは実現しました。
韓国公務員労組マッポ支部事務局長のクォンジョンファン事務局長が、「三里塚を現地調査してみて空港に反対しているというよりは資本主義そのものに反対している闘いだと感じた」と発言したように、資本主義と闘う全世界の規範として三里塚闘争はあります。
労農学がこれほど大量に長期間、しかも強い連帯をもって共闘した例は他にはありません。労働者と学生が自らの問題としてかかわりあうことによって従来の枠を超えたのです。
これを生み出す最大の力となったのが動労千葉によるジェット燃料貨車輸送阻止闘争です。そしてこの労農同盟が国境を越え国際連帯へと発展しています。世界革命の一大根拠地が三里塚です。国境を越えた労働者の団結こそ戦争を止め、資本主義に終止符を打つ力です。

実践方針は鮮明です。2・4萩原事務局次長―2・18市東さん証人尋問で千葉地裁を包囲する闘いをやろう。3・24集会へ大結集し、第三誘導路粉砕! 市東さん農地死守決戦へ! 青年・学生先頭に立ち上がろう!

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自衛隊裁判に連帯を!

長原

崩壊する軍隊

今、全世界の軍隊で、戦闘ではなく、いじめや隊内集団暴行によって、若い兵士の命が失われています。女性兵士へのレイプも後を絶ちません。米軍女性兵士の被害は1万9000人(20万人の女性兵士の9・5%)に達しています。自衛隊では、体に触られる被害を受けた女性兵士は2人に1人、18・7%が「性的関係の強要」を受け、7・4%(700人超)が「強姦・暴行」を受けた、と回答しています(1998年データ)。
イラク・アフガン侵略戦争は兵士の心身を深く傷つけています。米退役軍人省は、退役軍人の5人に1人、27万5千人をPTSDと認定しています。この統計には、現役兵は含まれていません。自衛隊員の統計は公表されていませんが、イラク・アフガン侵略戦争に参戦し、3・11に全面投入され、現在もホルムズ海峡封鎖作戦や米海兵隊との共同強襲上陸訓練の先頭をきっている兵士にPTSDの発症がない筈がありません。
「たちかぜ」裁判や「命の雫」裁判、イラク派兵隊員の国家賠償訴訟などは、自衛隊の崩壊とさらなる凶暴な侵略軍隊化に対する非妥協的対決点です。連帯して闘いましょう。

「たちかぜ」裁判

「たちかぜ」裁判について、私たちも「RISE」22号で、特集を組みました。是非再読してください。
「これ以上自衛隊員の自殺を増やしたくない」「自衛隊の責任がすべて認められた」と墓前に報告できるよう闘う家族に、私たちも連帯して闘っていきます。家族の闘いは、全自衛官の根底的解放につながる深い意義ある闘いになっています。国防軍化や集団的自衛権行使の策動に対決する闘いになっています。

「命の雫」裁判

r23-8-1 陸自真駒内駐屯地で06年11月、沖縄市出身の島袋英吉さん(当時20歳)が、徒手格闘技訓練を名目とした執拗なリンチによって虐殺された事件です。徒手格闘技訓練自体が、イラク・アフガン侵略戦争下で陸自に採用されたものです。両親と弟・妹と家族全体で国を相手に損害賠償請求を求めて闘っておられます。
ところで、「命の雫」裁判も、「たちかぜ」裁判と共通のものがあります。
ひとつは現役自衛官による内部告発文書があることです。裁判での国側の主張とは異なる、訓練当日の上官の行動などが記され、自衛隊のイラク派兵以降「人命を軽視し、安全管理を無視した訓練が」激化していると綴られています。
「徒手格闘技訓練」と上官の着任以降、島袋さんは、非番でも駐屯地からの外出を禁止されていたこと、自衛隊側の「予定にない『投げ返し』で島袋さんの表情が変わり、このままの方が訓練効果があると判断」なる言辞によって、ご両親は、「英吉は訓練ではなく、体罰、リンチで殺された」と怒りと確信を強めておられます。まさに侵略軍隊は、いじめや体罰・リンチなどの恐怖支配によって侵略軍隊化していく。ご両親は「裁判によって自衛隊が変わるききっかけになれば」と闘っておられます。これも「たちかぜ」裁判と共通です。

イラク派兵隊員の提訴

06年7月4日の事件です(昨年12月21日、口頭弁論開始)。武装米兵の空輸作戦が始まった時で、空自は、米民間軍事会社のバスにひかれて重症を負った池田さんの存在の抹殺をはかりました。帰国してからも、「治癒」していないのに「公務災害補償」の取り消しを強要し、後遺症の残る身に肉体的負荷のきつい部署への配置転換などの嫌がらせを続け、退職に追い込みました。「何度も自殺を考えた」池田さんが提訴に踏み切ったのは、「自衛隊員が声をあげられるため」「このような責任放棄と隠蔽が起きないため」と言っておられます。みな共通です。自衛隊兵士の根底的解放に向けた闘いです。
(写真 米軍と自衛隊の格闘技訓練・座間基地)

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―自衛官との団結は職場の団結から始まる―

発行:労働者兵士行動委員会
URL: http://https://www.rise-rou-hei.info/ mail : kazokutomotoji@r9.dion.ne.jp
〒105-0004   東京都港区新橋2-8-16 石田ビル4階 tel:090-1597-7425
[郵便振替]00930-2-226024 労働者兵士行動委員会
年会費:2000円 会員外年間定期購読料:1200円

会報 22号

Rise 第22号 2012年11月10日発行

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護衛艦 「たちかぜ」 裁判  特集

(写真 日比谷野音を埋め尽くした11・4労働者集会)

労働者・兵士の 団結した行動で大失業・戦争を革命に転化しよう!

動労千葉・動労水戸を先頭にした10・1外注化阻止決戦は、非正規職撤廃闘争の全国化の展望を握りしめ、11・4全国労働者集会5800人の決起は新自由主義を根底から打ち破る展望を大きく押し拓き、恐慌を革命に転化する2013年の勝利の展望を掴んだ!
大国間争闘戦の激化と破産の危機にのた打つ野田政権・日本帝国主義・ブルジョアジーは、あくまで原発推進・核武装化、消費大増税、「国家の危機」・「領土」を叫び立て、労働者の団結と生活を破壊し、全労働者を非正規職化と大失業・戦争に引きずり込もうとしています。一握りの資本家の為に自衛隊・陸自兵士には「海兵隊化」への訓練が強化され、福島では非正規労働者を中心に命を削る原発事故収束作業が高線量被曝のもとで取り組まれている。子供達に甲状腺ガンなどの症状が表れ、内部被曝問題が表面化している。ウクライナ政府緊急事態省はチェルノブイリ原発事故で内部被爆による慢性疾患を抱える子どもの割合を92年の21・1%から、08年は78・2%に急増していることを公表した。内部被曝は3・11の大動員で被曝した自衛官や多くの住民にも避けられない事態です。その陰で、青年や高齢者を中心に毎年3万人を超える人々が自殺に追い込まれている。これらは新自由主義が破産した凄まじい現実だ。外注化・非正規職撤廃と全職場の安全・保安闘争の拡大で、労働者階級の団結を強化し、社会を根底から変えていこう!

護衛艦「たちかぜ」の中で「役立たず」と徹底的にいじめられ、自殺に追いこまれた青年自衛官をめぐる控訴審裁判で明らかになった政府・防衛省の「証拠隠蔽」「事実の改ざん」「責任逃れ」の体質は、原発事故で暴露された政府や東電・御用学者らと同じです。そういう連中が「国家の危機」「領土」を掲げ、自衛隊を政治の前面に登場させ戦争・改憲を叫び立てています。その最先兵に石原が登場している。戦争で何が解決できるというのだ!石原も、橋下も、野田政権も串刺しで打倒あるのみです!

「役立たず」で何が悪い!
非正規職撤廃・全原発廃炉は世界の労働者の共通の闘い。崩壊しているこの国家社会を根本から変える根源的力は世界の労働者民衆の階級的団結であり、資本との戦場である職場生産点からの全労働者の総決起です。2013年、解雇を恐れず、しかし職場に断固、踏みとどまり、新自由主義を打ち破る労働組合を全国に甦らせ、人間らしく生きられる社会を断固、建設しよう! 自衛官と家族の皆さん!労働者と団結して共に闘おう!
(杉橋)

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特集 「たちかぜ」訴訟で明らかになった 「戦争と軍隊」の本質

領土問題とは

今号は、読者の皆さんに護衛「たちかぜ」訴訟の特集をおくります。
世界恐慌と3・11情勢以降、世界と日本は、確実に全労働者の非正規職化・大失業と戦争に向かって突き進んでいます。08年のリーマンショック以降、世界で起きていることはアメリカの没落とドル暴落の危機、EU解体の危機、中国バブルの崩壊と国内の大動乱の始まり、中東危機=イランへの経済・軍事重圧の激化、そして日本の改憲と戦争国家化への突進であります。野田政権の「尖閣(釣魚台)国有化」宣言は、その顕著な現れです。日韓における独島(竹島)問題も日・韓それぞれの労働者民衆(国民)を民族差別と排外主義、国家主義の思想に絡めとる意図で扇動されているということです。
そもそも労働者階級・民衆にとって「国境」や「領土」はありません。「固有の領土」など存在しないのです。そもそも「独島(竹島)」、「釣魚台(尖閣列島)」はいずれも日本帝国主義が過去の侵略戦争で朝鮮、中国から奪い取ったものです。19世紀末に帝国主義列強が相次いで中国侵略に乗り出し、植民地の奪い合いを行っている最中、日本は1894年8月から日清戦争を開始した。翌95年1月には中国大陸に次々と侵略軍を派兵した。そのただ中で「尖閣諸島」の領有宣言を行ったのです。
「竹島」についても同様です。政府は1905年1月の閣議決定で独島を島根県に編入し、領有の意思を再確認したと言っている。だが、これも1904年2月に政府がロシアに宣戦布告した日露戦争の最中のことです。日露戦争は、朝鮮半島の勢力圏化をめぐる帝国主義戦争であり、この戦争の最中の第1次日韓協約(04年8月)によって当時の大韓帝国の外交権を奪い、「竹島」を日本の領土とする閣議決定が行われたのです。そして1910年には朝鮮の植民地化を強行した(韓国併合)。
いずれも侵略戦争で相手に銃剣を突き付けた状態で領有宣言を行っているのです。この歴史的経緯からしても、とうてい「日本の固有の領土」などと言えるものでないのです。
世界の「先進国」といわれている国家では1%の資本家階級と99%の労働者階級民衆に大別することができますが、「国境や領土」というのはそれぞれの国における1%の支配階級の利害を守り、拡大するためにあるのが「国境」「領土」という概念です。だからこそ「領土」は1%のブルジョアジーのその時の力関係で「変更」し、その「変更」のための侵略=奪略戦争に労働者人民を動員するイデォロギーとして、国家は差別排外主義と国家主義を煽動するのです。それが領土問題の本質です。したがって「国家」は本質的にも現実的にも99%の労働者・人民の利害ために機能するのではなく、
わずか1%の資本家(経団連など)のための機構として法制化されているにすぎないのです。これは現下の原発再稼動反対・全原発を廃炉へ! という「国民的意志」を無視して再稼動と原発のパッケージ輸出、核武装化を国策として強行している野田政権を見れば明快です。これは自民党も同様です。そして翼賛勢力と化した労働組合・連合は原発政策の推進を掲げ労働者階級・民衆の反原発闘争を抑える側に移行している。 原発は地上に置かれた原爆・核であり、人類と核は絶対的に共存できません。それは原発事故後のフクシマの現実やすでに子どもに甲状腺ガンが発症している現実を見れば明白です。
原発事故を起こした東電を膨大な公金で救済し、さらに増税してでも救済し、資本主義・新自由主義が生み出している全ての矛盾を労働者・民衆に犠牲転嫁してでも1%の利益を護るために存在しているのが日本という国家であり、野田政権なのです。10数兆円という巨額の復興予算が被災地の救済と復興のために投入されることなく「日本の再生」という口実で自衛隊や警察をはじめ、結局、被災地に無関係な1%の利益のためにばら撒かれている事実を見ればあまりにも明快です。
したがって私たち労働者階級民衆の立場は領土・国境、人種を超えた世界で単一の階級として、共通の敵である1%のブルジョアジーを打倒するために、日本・韓国・中国の労働者階級人民は世界のプロレタリアートとも固く団結し、国際的連帯と団結を強化してともに決起し、闘うということです。
さて、「たちかぜ」訴訟について触れていきますが、事実経過は報道を基にしていることをお断りしておきます。

(写真 ミサイル搭載護衛艦「たちかぜ」この艦内でいじめが横行していた)

事件・訴訟 経緯

① 04年10月27日 横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」乗組1等海士(当時21歳)が隊内のいじめが原因で京浜急行・立会川駅で飛び込み自殺。バッグから「遺書(メモ)」が発見。
「皆へ、ありがとう」「お前だけは絶対に許さねえからな。必ず呪い殺してヤル。悪徳商法みてーなことやって楽しいのか?そんな汚れた金なんてただの紙クズだ。そんなのを手にして笑ってるお前は紙クズ以下だ」。

② 05年1月、佐藤2等海曹が別の海上自衛官への暴行罪・恐喝罪で有罪判決を受ける。海自を懲戒免職処分。佐藤は「たちかぜ」艦内にエアガン・ガスガンなどを持ち込み、レーダーやコンピューター機器など精密機械を置く立ち入り制限区域・CIC室でサバイバルゲームに興じていたことが後の裁判で判明。上官・艦長は黙認していた。

② 05年1月 海自事故調査委員会は、アンケート調査をもとに、「いじめと自殺の因果関係は不明」とする報告書を公表。
同年、情報公開請求に対し、防衛省・海自は「破棄した」と回答。

③ 06年4月5日 両親が国と元上職を相手に横浜地裁に提訴。慰謝料など1億3000万円請求。

④ 11年1月26日 横浜地裁は「いじめは艦内では日常茶飯事、常習的で、本件は氷山の一角」、自殺は元2等海曹の「いじめが原因」と国の監督責任を認めたが、「自殺は予見できなかった」と判断、440万円の支払い命令判決。即日控訴。
判決は、日常的に殴る蹴るの暴行傷害を加え、エアガンで撃ち暴行傷害を加え、上職の立場を利用し、視聴済みのアダルトビデオを高額で買い取らせていた事実を認定。

⑤ 11年10月5日 自殺に追い込んだ国と自衛隊の責任糾明を求めた控訴審が開始。

⑥ 12年3月 元被告側指定代理人(現役3等海佐・45歳)が国・自衛隊の証拠隠蔽の事実を告発する陳述書を東京高裁に提出(後述)。
⑦ 12年9月12日第7回控訴審裁判で被告国・自衛隊が195点の証拠文書を開示。

3等海佐が決起

被告側・元指定代理人3等海佐が正義の決起。第1審横浜地裁審理の被告側指定代理人(3等海佐・45歳、06年4月提訴~07年1月までの期間)が控訴審で海自側の証拠隠しを告発。本年3月、証拠隠蔽を暴露した陳述書を東京高裁に提出した。
海自は1等海士の自殺直後、艦内で全員(190人)に「暴行や恐喝の有無」を問う用紙2枚の「艦内生活実態アンケート」を実施した。原告は、提訴した06年にもこのアンケートの開示を請求。海自側は「破棄した」と回答。3佐は、陳述書で「破棄回答の後にアンケートを見た」、「当時の情報担当者が、アンケートは今も存在しているが破棄したことになっている」と話したことも陳述。
その他、自殺直後に、いじめをした元2等海曹や同僚隊員から聞き取りをしたメモなどの文書が7点あり、海自が存在を隠していることも暴露している。これに対し、被告側は「裁判の判断に影響する内容ではない」という意見書を提出している。

3等海佐の陳述要旨

(1)3佐が海自組織による文書の隠蔽を知ったのは遺族提訴(06年4月5日)の2日後。「アンケートは存在しているが破棄したことになっている」(海自情報公開室担当者)ということを確認。

(2)3佐は提訴から約9ヶ月後の07年1月、海自内人事異動で指定代理人を外れた。文書の存在を隠した件がずっと心に引っ掛かっていたが、事実を公にする勇気はなかった。

(3)事実を公にしても組織が再び口裏合わせをして事実を偽るかもしれず、自身や家族が破滅するかもしれないとの恐怖が捨て切れなかった。

(4)08年防衛省の告発窓口に通報したが「事実は無い」とはねつけらた。
11年1月26日、横浜地裁(水野邦夫裁判長)は、元2等海曹の暴行や上官が監督義務を怠ったことと自殺の因果関係を認め、「先輩の暴行、恐喝が自殺原因」と認定。だが、「元2等海曹の前で自殺の危険をうかがわせる兆候は認められない」と、予見可能性がなかったことを理由に、死亡に対する賠償は認定しなかった。実質、原告敗訴判決である。
3佐は「防衛省、海自が不利な事実を隠したまま『不正な勝利』を得てしまうことはどうしても我慢できない」として同日、被告側国の裁判責任者に「アンケート提出」を訴えたが、「今更、出せない」と拒否。 そこで同日、3佐自身が情報公開を請求。その結果、文書隠蔽だけではなく、事故調査結果が作り直されていることも判明した。

(5)防衛省・海自や行政庁がウソをつけば、民主主義の過程そのものが歪められる、として告発=反乱に決起した(神奈川新聞12・6・18などから)。

暴露に対する被告・国の対応

すでに見たとおり、3佐の東京高裁への陳述書の提出は12年3月。
被告側は12年6月18日の公判で、「破棄した」とする文書は裁判に「影響する内容ではない」と存在を認めた。認めた文書は開示請求していた計8点のうち7点。そのうち、①艦長が、一等海士の自殺直後に遺族が護衛艦を訪れた時の様子をまとめ、上級司令部に報告した文書については「行政文書」として保管していることを認め、②暴行・恐喝していた元2曹への聞き取りメモ、自宅待機を命じられた元隊員と別の乗員隊員との電話でのやりとりをまとめたメモなど他6点については、「個人メモ」もしくは「手控えメモ」として残されていることを認めたが「公的文書」ではなく「私的」文書であるため、「提出のつもりはない」と開示拒否。 これに対し裁判長も公判廷では「提出を要求するつもりはない」と応じたが合議後、原告側が「文書提出命令」を裁判所に申し入れ、被告・国側が、「2週間以内に返答をする」ことが決まった。 東京高裁は次回期日(9月12日)までに、原告側の「提出命令申し立て」を認めるかどうかを判断する、とした。

(写真 記者会見で謝罪する杉本正彦海上幕僚長【2012年6月21日】)

原告家族の怒りは非和解である

公判の翌日(6月19日)、杉本正彦海上幕僚長は、記者会見で文書は「破棄した」、「再調査はしない」と繰り返す。
だが追い詰められた防衛省・杉本は21日の記者会で一転する。20日午前、横須賀地方総監部が観察官室を調べ、キャビネットに保管していたファイル(昨年10月に退職した准尉が作成)に190人全員のアンケートの原本があるのを認め謝罪。 ファイルの背表紙には「たちかぜ関連」と記載。杉本は「なぜそうなったのか調査委員会を設置して調査する」と説明しているが7年間にわたり国が証拠を隠蔽し続けてきた事実には一切、触れていない。3等海佐の決起・反乱で「このままでは耐えられない、持ちこたえられない」と判断し、存在を認めただけである。原告・家族の怒り、非和解性はますます強くなる。

防衛省は、7月19日付けで文書管理上、不適切(指揮監督義務違反)であったとして杉本正彦海上幕僚長を口頭注意、河村克則横須賀地方総監を注意処分。河村はこれにより次期海上幕僚長への道を閉ざされ、7月26日付で杉本とともに退官。杉本の後任には自衛艦隊司令官の河野克俊が就任。

「組織的な隠蔽は無かった」と開き直る

9月4日、河野克俊海上幕僚長は、記者会見で艦内乗組員190人へのアンケート調査資料の存在が明らかになった件について、「アンケートは行政文書ではなく、個人資料として保管していたことが原因」と繰り返し、「組織的な隠蔽はなかった、文書管理については教育を徹底していく」と開き直り、関係職員への処分で幕を閉じようとしている。
家族は、艦内調査資料という一番重要な証拠を「用済み後破棄処分」の「決定」=「証拠隠し」を下した責任者についての言及が一切ないことに怒り、「国・自衛隊は要求されている全証拠を提出せよ」、「関係者の不誠実な態度が、遺族をさらに苦しめる」と、静かに、根底的な怒りを現している。
いじめと自殺の因果関係を隠蔽するために、「風俗通いによる多額の借財が自殺の原因である」とデッチあげ、1等海士の人格を辱め、落とし込め、汚名を着せてでも証拠を隠蔽し続け、証拠隠蔽の事実が暴露されるや、今度は、職員への処分で乗り切ろうとする。これが国家権力・防衛省・自衛隊の本質である。怒りに堪えない!

非和解で闘えば必ず 勝利する

9月12日、第7回控訴審で被告・国側は、一貫して「破棄した」と回答していた「艦内アンケート」など195点の証拠文書を開示してきた。 だが高裁は、同日の第7回控訴審で3佐の証人採用を認めていない。証人採用を認めさせれば原審を根底から覆す裁判になる。家族の怒りは慰謝料などで収まるものではありません。怒りは非和解です。

繰り返すが11年1月の横浜地裁判決は、自殺は「いじめ」が原因と認定したが、自殺は「予見できなかった」と被告・国側の責任を排除した。
だが、新たに開示された文書のなかに1等海士の「自殺の予見可能性に関する文書も含まれていた」(9・13神奈川新聞、以下「」内は同新聞からの引用)。

「予見可能性に関する文書は『自殺に関しての事情聴取』とされる聞き取りメモ」である。聴取は、自殺当日、当時の「たちかぜ」砲雷長が艦内同僚隊員に対して行っている(※自殺当日の04年10月27日)。
その中で「同僚は聴取で『自殺前夜に一緒に飲みに行き、男性から自殺する決心がついたという告白を受けた(※04年10月26日、「養老乃滝」にて、N士長)』と話し、自殺を思いとどまるよう説得したと打ち明けている」、「さらに、自殺の1カ月ほど前から、男性が『(艦内で)いつもたたかれ、からかわれて何をしに艦に来ているのか分からない』と話していた点に触れ、『男性が落ち込んでいる様子がうかがわれた』と、周囲が異変に気が付いていたことにも言及していた」。要するに、自殺に追い込まれた1等海士は国家・自衛隊・海自によって殺されたという事実が文書(同僚の証言)によって明らかになったのである。

9・12控訴審での家族の怒り

自殺から7年10ヶ月。「自衛隊は、多くの隠蔽工作を図ってきました」、「艦長は真相究明を約束してくれた。だが『裏切られた』」。「勝手に(息子の)遺留品を調べられ、いじめの実態調査のために全隊員に行われたアンケート結果は『破棄した』と、事実と異なる説明を受け続けた」と家族は控訴審意見陳述で、静かな、しかし、根底的な怒りを表明している。家族の怒りは、損害賠償額の変更で収まるものではない。「自殺予見」を排除した一審横浜地裁判決に、「この結論では息子にいい報告ができない」という家族の怒りは、どこまでも正義である。「これ以上、自衛隊員の自殺を増やしたくない。息子の仏前で『自衛隊の責任がすべて認められるまで、これからも闘うから見守って』と話したい」という家族の怒りは非和解である。
「息子の文字はしっかりとした筆跡だった。強い意志を感じた。自衛隊在籍は1年2カ月。高卒後のカナダ留学で培った英語を海外での平和維持活動に生かしたいと就職した。死は突然だった」。だが愛する子供を国家・防衛省・海自に殺され、その上に、7年10ヶ月という長期間にわたり、国家・防衛省に「証拠隠蔽」のために嘘を繰り返され続けられてきた家族の怒り。
国家・防衛省・海自を信じていた家族の思いを裏切り、「不正義の証拠隠蔽」を根底から覆したのが3等海佐の内部告発・反乱である。3等海佐は、告発による自らの生活と家族に与える影響への不安と闘い、これを乗り越え、「防衛省、海上自衛隊が不利な事実、不利な文書を隠したまま『不正な勝利』を得てしまうことが我慢できない」と告発を決断した。これは不正を許さず、正義を貫いた3等海佐の隊内決起・反乱である。同様に開示された同僚の真実の証言(と開示文書)によって明白になったことは、1等海士は国家・防衛省・海自によって殺されたという事実である。弁護団は一審判決を「九割九分、主張が認められた」との評価であるが、違う。家族が目指すものの「一%」しか認めていない。

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軍隊とは 国家の暴力装置

(写真 日米共同 強襲上陸訓練 【2012年8・21~9・26 グアム島】)
(写真 日米共同 強襲上陸訓練 【2012年8・21~9・26 グアム島】)

軍隊・自衛隊とは、新自由主義・帝国主義国家の軍隊です。軍隊とは、本質的・現実的に1%の資本家の利益を護り、国家の利益を護るための国家の暴力装置なのです。そして戦争とは国家間の利害や意志を遂行させるために用いられる暴力行為であり、戦争を単純に捉えた場合、戦争の本質は暴力の行使です。したがって軍隊とは国家の利害、意志を強制するための国家の暴力装置なのです。 そして国家の利害・意志と労働者階級・民衆の利害・意志は非和解で相対立しています。これは原発の再稼動反対・廃炉を求めるフクシマの住民の意志、官邸前や国会前を中心に霞ヶ関一帯を再稼動反対・全原発廃炉を求めて埋め尽くしている数十万・数百万人の労働者・民衆の意志、そして意見公募聴取会アンケートでは89・6%が「原発ゼロ」の強い意志を表明している。これと原発再稼動・建設再開・原発輸出と核武装化を国策としている国家の意志というその対比だけを見ても明らかです。 要するに、繰り返せば、国家とは1%の資本家の利益のため、あたかも「国民」全体のために機能させる共同体のような幻想を与えているのです。軍隊はその幻想的共同体を護る暴力装置だということです。すでに3・11の「大地震・大津波・原発事故」とその結果が引き出した全事態とその後の国家の全対応が示しているように共同体というベールは完全に剥がれています。同時に3・11は資本主義・新自由主義が完全に破綻している姿を全世界の労働者民衆の前に明らかにしたということです。
しかし侵略戦争を遂行する不正義の軍隊、治安出動で反原発闘争を鎮圧せんとする軍隊・自衛隊ではありますが、それを構成している兵士は軍服を着た労働者とその子弟です。

※7月16日、代々木公園での反原 発集会・デモ(参加者17万人)に対し、自衛隊と在日米軍が共同で前夜から治安出動の待機態勢を 取っていました。

兵士も労働者も使い捨ての存在

労働者とその家族は生きるために軍隊・自衛隊に就職する任期制という非正規職の労働者です。兵士・自衛官も、労働者も、1%にとっては使い捨ての存在でしかないということです。それは戦場に送られる兵士と原発労働者に極限的に現われています。恐慌は大失業と戦争を意識的に生み出しますが、労働者が生活できないところに追い込み原発労働や軍隊=戦争に動員していくのが1%とその国家です。原発誘致でしか生けられないところに地域住民を追い込み、金をばら撒き住民を分断する、原発事故で関東に避難しても就職できず、東電が借り上げた避難場所からは3ヶ月で追い出され、結局、福島に戻るしかない。そして生きるために高線量被曝の原発作業や、ペテン的な除染作業に従事するしかないというところに追い込んでいるのが新自由主義です。東電が発表する10月の1号機建屋内の放射線量は10シーベルト以上、2号機建屋内が7シーベルト以上、3号機建屋内が1シーベルト以上というのが現状です。要するに「収束」どころか人間が接近すれば即死する状態なのです。 帰還した大熊町の住民は二人に一人が原発作業に従事していますが、原発で働くところしかないのです。 大嘘の「収束宣言」で原発労働者の防護服・マスクも安価なものに格下げされ、より被曝が高まっている。線量計に鉛を被せたり、外して作業をしている現場の実態は周知のとおりです。作業場の安全・保安闘争はより強化されていかなければならいのですが、真逆の事態が原発労働者に強制されているのです。廃炉の展望も出ていません。そもそも資本主義・帝国主義に原発事故に対処する技術力はありません。福島第一原発を除く50基の廃炉費用を各電力会社が積み立てていない現実も報道されています。廃炉費用は電気料金に含まれていますが、これは国家と電力会社が最初から廃炉の意思がないということの現れです。1%にとって危機が進行すればするほど、労働者・兵士に犠牲を極限的に転嫁し、人間としてではなくモノとして使い捨てる。これが新自由主義です。

戦争と軍隊が人間を破壊する

人間として不正義を看過したり、曖昧にすることはできません。それがプロレタリアートでありプロレタリア兵士です。「たちかぜ」訴訟における同僚の勇気ある真実の証言、3等海佐の決起はそれを明確に示しています。
しかし自衛隊や軍隊から「いじめ」「自殺」をなくすための「体質改善」などはありえません。なぜなら軍隊とは本質的・現実的に国家の暴力装置であり、外に向けての侵略戦争、内に向けての階級戦争への治安部隊としての暴力装置=機関だからです。 鋭角的に言えば「自己の人間的感情を殺し」、「殺されるまえに相手を早く、確実に殺す」ことを日常的に訓練しているのが国家の暴力装置である軍隊です。隊内暴力・いじめなどが明確に示しているとおり、自殺に直結する「いじめ」は軍隊にとっては「必要悪」として容認され、暴力行使の訓練に耐えられない者、自殺を選択する兵士は「役立たず」として「排除」すべき存在として位置づけられている。それが帝国主義軍隊・自衛隊です。沖縄の在日米軍による女性暴行事件が後を絶ちませんが、軍令や禁足令で解決できるものではありません。戦争と軍隊が人間(労働者・兵士)そのものを破壊していくのです。言い換えれば、人間性を破壊され、マシーン化した兵士によって軍隊は成立します。しかしこれはありえません。人間はあくまで人間であり、人間性が破壊されたとき怒りを爆発させるのです。イラク・アフガンで敗退した米軍兵士に驚くべき数の自殺やPTSD(心的外傷後ストレス)が発症し、自衛隊もイラク特措置法でイラクに派兵された帰還自衛官の驚くべき自殺率を防衛省が公表しています(後述)。自殺も怒りの爆発です。

正義の暴力と不正義の暴力

大別して暴力には二種類あります。

話が少し飛びますが、人類の全歴史は、太古の土地共有が解消して以来、階級闘争の歴史であります。社会発展のさまざまな段階において、差別・抑圧・搾取される階級と搾取する階級、つまり、支配される階級と支配する階級の間の闘争の歴史です。それぞれの発展段階における社会的変革は、搾取される階級の革命によって行われてきました。古い体制を打ち倒す革命は暴力をともないます。しかしこの革命的暴力には人間の差別・抑圧・搾取から人間を解放するという正義があります。これは人民による自発的・主体的な暴力行使です。この暴力行使には全人民の解放という普遍性があります。
しかし帝国主義軍隊の暴力行使は、1%の支配階級の利益を護り(内に向けた治安出動=階級戦争)、利益を拡大するための戦争(外に向けての侵略戦争)を遂行するための暴力行使であります。この暴力行使で犠牲になるのは国内・国外を問わず労働者・民衆・兵士です。この暴力行使は紛れもなく不正義の暴力です。 だからこそ、労働者・兵士・家族の団結した力、世界の労働者と兵士の国際的団結とその強化で軍隊を必要とする新自由主義・帝国主義国家を革命的暴力で根底から打倒しなければならないのです。

自衛官・米兵の自殺増加

陸自は04年~06年にイラク南部のサマワに計5500人を派兵、空自は04~08年に計3600人をクウェートに派兵した。派兵した自衛隊兵士のうち帰国後、12年8月までに25人の自殺を防衛省が公表した。陸自が19人、空自が6人。自衛隊全体の11年度の自殺者は78人、自殺率を示す10万人あたりの換算では34・2人。だが派兵され、自殺した自衛官を10万あたりに換算すれば陸自は345・5人で全体の10倍、空自は166・7人で5倍になる。兵士の自殺は一般公務員の1・5倍だがこの数値は異常に高い。陸自のイラク派兵期間中の3年間は毎年90人以上が自殺している。先日、潜水艦「そうりゅう」の艦橋部で3曹(20歳)の死亡が報道されたが自殺の可能性が高い。9月26日、空自3等空曹が国に損賠を求め名古屋地裁に提訴した。06年4月イラク派兵でクウェーのアリ・アルサレム空軍基地に通信士として派兵され、現地で、米民間軍事会社の大型トラックに背後から跳ねられ、重症を負いながら現地治療も行わずに放置され、緊急帰国措置も取られず、現在も口が1ミリしか開かない状態で障害認定され、怒りの提訴である。これらはいずれも氷山の一角です。
イラク・アフガンに派兵された米兵は推定230万人、帰還兵の30万人を超える兵士が外傷性脳障害などによるPTSDの後遺症に悩み、元米軍兵士の自殺が毎日18人前後、薬物依存と乱用、ホームレス化、DVなどが増加している。米軍では現役兵士の自殺がアフガン戦場での戦死者を超える事態に至っています。これは帝国主義軍隊としてもすでに崩壊していることを示しています。これらはすべて、不正義の侵略戦争と新自由主義が労働者・兵士に強制しているということです。

(写真 11・4集会で演壇を埋めた福島の労働者【2012年11月4日】)

(写真 11・4集会で演壇に並ぶ韓国民主労総 「原発を閉鎖せよ! 解雇は殺人だ! 非正規職を量産する外注化反対!」【2012年11月4日】)

闘う労働組合を再生しプロレタリア革命へ!

3・11以降、激しく進行していることは米軍と自衛隊の一体化です。国家財政の危機とイラク・アフガン戦争の敗退から打ち出されたオバマの新軍事戦略は日米韓同盟を軸とする同盟国・友好国による中国の軍事的包囲網であり、世界軍拡政策です。今、自衛隊の海兵隊化に向けた軍事訓練が強制され、オスプレイの配備・訓練が強行され、沖縄・全土出撃基地化が進められようとしています。 日米同盟とは憲法停止状態でおこなわれた「トモダチ作戦」がその有様であり、全原発を再稼動せよ、とアメリカは日本に要求している(8月、アーミテージ・ナイ・レポート)。 これに応え、野田も、安倍も改憲と戦争国家化に向けた動きを強めています。石原も橋下も同様です。戦争国家化とは自衛隊の帝国主義軍隊化であり、排外主義・国家主義の扇動です。すでに見た「領土問題」がそれであり、非正規職化による労働者の分断と団結破壊、労組解体です。
すべての元凶は一つです。労働者階級民衆・兵士の回答も一つだと思います。労働者・民衆・兵士は1%のブルジョアジーのために命を落としたり、みずから命を絶つようなことは断固、拒否しなければならない。99%に属する労働者・民衆・兵士は一つに団結し、99%の犠牲のうえにわずか1%のみが生き残ろうとする新自由主義の社会を根底から覆し、労働者階級民衆・兵士が人間らしく生き抜くために闘う労働組合を再生し、全職場と隊内からともにプロレタリア革命に向け、家族も起ちあがろう!共に闘いましょう!(滝山)

会報 21号

 

Rise 第20号 2012年7月10日発行

rise21

第21号
2012年9月10日発行

労働者階級に「領土」や「国境」はない

改憲と戦争に突き進む野田・橋下打倒

外注化決戦に勝利し 十一月巨万の決起へ

大恐慌下の3・11から1年半、野田政権・資本家階級は、フクシマの怒りを圧殺し、あくまで原発再稼働を押し貫こうとしている。これに加えて消費大増税の攻撃だ。圧倒的多数の労働者に「死ね!」と言っているに等しいとんでもない攻撃だ!団結して闘わなければ本当に生きて行けない!「もう騙されない!」「子供を守れ!」「福島を切り捨てるな!」「原発やめろ!野田たおせ!」の根源的怒りが首相官邸前を埋め尽くし、去年を上回る10万~20万人の労働者民衆の連続的決起が始まっている。反原発の闘いは、大増税反対の怒りとあいまって全国に広がり、野田政権・資本家階級を根底から激しく揺さぶっている。
原発再稼働阻止・全原発即時廃炉の巨万人民の闘いとJR外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの一体的推進で野田政権を打倒し、闘う労働組合・階級的労働運動を力強く復権させていくことこそが焦眉の階級的要請となっている。

脱落と分裂の危機に喘ぐ野田政権は、必死にJR全面外注化、原発再稼働、消費大増税、オスプレイ配備、そして階級支配の危機が極限的に深まっているからこそ、支配階級は「領土」問題を利用し、自衛隊を前面に押し立て、改憲と戦争への道に労働者民衆を引きずり込もうとしている。その新自由主義攻撃の最尖兵が大阪市長・橋下だ。 橋下は労働組合を憎悪し、処分を乱発することで絶対服従を強制し、公務員労働者の大量解雇・民営化を押し進め、改憲と戦争への道を掃き清めようとしている。しかし、それらの絶望的攻撃が逆に現場労働者の根源的怒りに火を付け、連合支配のくびきを食い破って大阪・西郡・自治体労働者の闘いを中心に橋下打倒闘争の新たな闘いが爆発している。

動労水戸は8月24日、検査・修繕外注化絶対反対・被爆労働阻止を掲げて全組合員がストライキに立ち上がり、動労千葉は8月28日、検修職場の全組合員がストライキに立つと共に、同日、動労総連合(千葉・水戸・高崎)は研修外注化とそれに伴う強制出向の差し止めを求めて東京地裁に集団訴訟に起ち上がった。そしてこの歴史的闘いの渦中で8月28日、東労組からついに、支部青年部長が動労水戸に加入した!外注化阻止決戦の渦中でこそ、全職場での青年労働者獲得と組織拡大のチャンスです!

世界大恐慌激化の下で、資本家階級の延命のための全面外注化・団結破壊・労働者切り捨てー使い捨ての攻撃は、逆に労働者民衆の根源的怒りに火を付け、労働組合の原則に立ちきった絶対反対の闘いが巨万の団結を生み出していく決定的情勢を切り開いています。

反原発の根源的決起を開始した巨万の労働者民衆と連帯・団結し、9・16橋下打倒闘争から10・1JR外注化を絶対阻止し、11月労働者集会の巨万の結集を実現しよう!自衛官と家族の皆さん!団結して共に闘いましょう!
(杉橋)

破綻した米新軍事戦略

世界は革命情勢

世界は革命情勢。日中、日韓の「領土」問題をめぐる激しい動きは、新自由主義の破綻と世界恐慌が米の帝没落と失速、EU解体の現実化、中国バブルの崩壊と労働者の反乱、日帝の没落の深化という現実が、アジア・太平洋における帝国主義間・大国間争闘戦の激化として戦争の危機を急速に深めているということだ。 現下の日中、日韓の激しい領土問題の激突とその根底には、恐慌の深化が米中対立を軸にした侵略戦争に転化していく過程への突入としてあることを真っ向から見据えるということである。恐慌は戦争を準備し、世界恐慌は世界戦争へと行き着く。帝国主義の危機が戦争へ突き進む過程こそ、恐慌をプロレタリア世界革命に転化できる革命情勢である。

領土問題=戦争を、内戦に転化し、プロレタリア世界革命へ

その上で現下の「領土」問題に言及すれば、「独島(竹島)」、「釣魚台(尖閣列島)」はいずれも日本帝国主義が過去の侵略戦争で朝鮮、中国から奪い取ったものである。そもそも労働者階級にとっては「祖国」や「国境」はない。「固有の領土」など存在しないのだ。1%のブルジョアジーの利害をまもるためにあるのが「国境」「領土」という概念である。だからこそ「領土」は1%のブルジョアジーのその時の力関係で「変更」し、その「変更」のための侵略=奪略戦争に人民を動員するイデォロギーとして、国家は差別排外主義と国家主義を煽動するのである。それが領土問題の本質だ。領土と国境を持たない99%の労働者は、領土と国家を持つ1%のブルジョアジーに搾取・収奪されている世界単一の階級である。したがって労働者階級の立場は、領土・国境、人種を超えた世界でひとつの階級としてブルジョアジーとういう共通の敵を打倒するために国際的連帯と団結を強化し、プロレタリア世界革命にむけ、革命組織と革命運動を拡大するということである。

米新軍事戦略の破綻

米新軍事戦略は、新自由主義の破綻と「対テロ戦争」の敗退から没落した米帝の産物であるが、同時に新軍事戦略は米帝の「パートナ・リーダーシップ」のもと、対中対峙・対決の対中包囲網の形成にむけ、アジア・太平洋諸国に軍拡を促進させる戦略である。対中包囲網の基軸が日米韓同盟の深化=実戦的統合軍事体制の強化である。さらに台湾海峡有事や東中国海、南中国海の「領土」争奪戦をめぐる米日韓豪統合軍事体制の形成・強化と米比、米越軍事体制の強化、米印軍事体制の形成など、対中・北包囲網の多国間統合形成を目指し、それぞれの統合軍事演習を継続的に強行しその実効性を強化する動きを、米帝は激化させている。だが、その米新軍事戦略がすでに破綻し始めている。

軍事予算の大幅な削減

破綻の第一は、国家財政の危機による軍事予算の大幅な強制削減が議会で確定している。
13年度(12年10月~13年9月)から10年間で4870億ドルの国防費が削減される。5年間で約2600億ドル(約20兆円)削減の具体的措置として、陸軍57万人を49万人、海兵隊20万人を18万人、計10万人削減。海軍は巡洋艦の退役を前倒し、新型潜水艦の導入を先送り。 空軍は戦闘機部隊の削減などで経費を減らし、最新鋭ステルス戦闘機F35を5年間で179機分の調達先送りを決定(調達予定の総機数約2440機は不変としているが先行き不透明)。13年度は13機少ない29機の取得を目指し予算要求するが、これも先行きは不透明。大型無人偵察機「グローバルホーク」は、運用コストの高騰を理由に調達計画を中止。最新鋭ステルス戦闘機F35は、機体の亀裂など開発と生産が大幅に遅れている。米帝は、すでに世界的展開を行う財政力・軍事力・技術力を喪失している、ということだ。

米基幹産業の基盤崩壊

第二に、米国基幹産業の基盤はすでに崩壊している。昨年2月、カリフォルニア州でオバマとグーグルのシュミット、フェイスブックのザッカーバーグ、アップルのCEO(最高経営責任者)の故ジョブズなど米IT企業TOP13人との会合でオバマの「iPadを作る仕事をなんとか米国に戻せないか」という要請に対し、ジョブズは「二度と戻らない」と応えている。その理由は「賃金、スピード、柔軟性において中国の方がはるかに優れている」「数年前、特殊に研磨した部品を中国メーカに発注したところ、数週間で量産体制まで作り上げた。瞬時に技術者と労働者を集める。米国では絶対不可能だ」と応じ、現CEOクックは「米国では熟練者が減っている」という現実を指摘。最先端技術においても製造(=雇用)は中国の「低賃金・技術力・スピード」に依拠しなければならないのが現実であることを米ブルジョアジー自身が認めざるを得ず、これ自体、新自由主義が作り出したものだ。
一方、GMの11年の純利益は過去最高。オバマは「自動車産業は復活した」と宣言。だが、中身は税金投入と労働者の非正規職化・低賃金・労働強化による「利益」であり土台は崩壊している。クライスラーの雇用は10年前の4分の1弱で1人あたりの仕事量は急増し、労働強化で現場の労働者は、「もう限界だ」と怒りを表している。正社員の賃上げは途絶え、青年の非正規労働者の雇用契約は1ヶ月単位である。米自動車産業で働く労働者は00年の130万人から現在、80万人に減少。「技術開発は日本や欧州に遅れたままだ」(ミシガン大ピエトリコウスキ教授)という現状である。米製造業には現在約1200万人の労働者が携わっているが90年代から500万人減少。6月の「非農業部門の就業者数」は前月比8万人増で急ブレーキが掛かっている。米産業の空洞化と衰退が示されている。

米日韓軍事体制の破綻

第三は、日韓の「領土」対立それ自体が、米日韓同盟を破綻させる。
日韓で5月に基本合意し、6月29日に締結署名の予定であった日韓「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」が韓国労働者の反対で頓挫した。これも米新軍事戦略の破綻を拡大している。
7月のASEAN外相会議が南中国海の「領土」をめぐりカンボジアとフィリピン、ベトナムの対立激化で45年の歴史の中で初めて共同声明を採択できずに閉幕している。

再編見直し計画が破綻

第四に、沖縄普天間移転―辺野古新基地建設の破綻がそのまま米軍再編見直しと米新軍事戦略の破綻を引き出している。新基地建設は頓挫、普天間基地は存続となる。だが米新軍事戦略は普天間存続プラス辺野古新基地建設である。4月27日の日米安全保障協議委員会(SCC)では、辺野古基地建設強行を日米で再確認している。オスプレイ沖縄配備は、米軍再編と新軍事戦略の要だが、配備強硬は、沖縄県民の怒りの炎に油を注ぎ込み、根底的怒りは非和解の基地完全撤去へと猛爆発する。

米軍の内部崩壊

第五に、米軍の内部崩壊である。イラクでは「世界最強の米軍」が帝国主義軍隊の最弱点といえるテロとゲリラの戦場に引きずりこまれ完全に敗退した。対テロ戦争は近接戦闘、「見えない敵」との戦いである。恐怖にかられた米兵士の銃撃で住民が虐殺され、兵士が己の発砲した銃弾で住民が死亡し、さらに仕掛けられた簡易爆弾や狙撃で味方の兵士が目前で死亡し、自らも負傷する。イラク・アフガンに派兵された米兵士はこれらを毎日、否応なしに目撃した。 その衝撃が帰還後、30万人(08年「ランド研究所」)を超える外傷性脳障害などによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺症に悩み、自殺者が増大し、薬物依存と乱用、失業とホームレス化、DVなどが増え続け、戦争と新自由主義の破綻が激しく米兵士に襲い掛かっている。また劣化ウラン弾による被曝も深刻化している。
派兵された米兵にとって戦争目的、「大義」が不明になり、イラク・アフガン戦争の10年で6200人の米兵が死亡し、46000人の米兵が負傷。軍隊内では、12年前半の自殺者は150人を超え、同時期のアフガニスタンでの戦死者数を上回っている。米陸軍公衆衛生司令部の統計は、米陸軍現役兵士の自殺者は04年から08年までに80%増加。11年には164人を記録し、12年は6月上旬で既に154人。米軍は既に内部から崩壊している。帝国主義は凶暴だが脆弱である。
兵士は非正規で軍服を着た労働者だ。労働者と兵士の団結でプロレタリア世界革命を戦いとろう!
(滝山)

基地労働者が動くとき、沖縄の労働運動が動く

元基地労働者  金城正夫

9・9県民大会が爆発

沖縄は、MV22オスプレ配備をめぐり怒りが渦巻いている。オスプレイ問題は、強行配備の動きが明らかになるにつれて沖縄県民の怒りは頂点に達しようとしている。9・9オスプレイ配備反対県民大会は歴史的な闘いとして爆発することは不可避だ。
基地労働者のパート導入撤回の第一波ストライキは、破産した新自由主義攻撃のもとで外注化・非正規職化と闘う労働者、とりわけ「非正規職撤廃」を闘う青年労働者に共感と勇気を与えている。基地労働者の闘いこそ、動労千葉の10・1外注化決戦、オスプレイ配備反対を闘う140万県民と一体の闘いだ。

全駐労第二、第三波ストへ

全駐労沖縄地区本部(6500人)は、AAFES(米陸軍・空軍エクスチェンジ)職場へのパート制度導入撤回を要求して7月13日、第一波24時間ストライキを打ち抜いた。そして基地労働者は、青年労働者を先頭に第二波、第三波ストライキにむかって新たな決意を固めている。
第一波ストライキは、当該の労働者をはじめAAFES労働者(1600人)の年休行使と各支部(マリン支部、空軍支部)の労働者の団結で勝ちとったものだ。米軍当局によるストライキ当日の基地労働者の「年休行使は認めない」というスト破壊と弾圧をはね返して闘われた。ズケラン支部の女性労働者は「若い人に波及することを絶対に阻止する」「パート導入を許したらAAFESだけではなく、基地の全職場に広がる」と発言。
AAFESの職場は青年労働者と女性労働者が圧倒的に多い職場だ。今回のAAFES再雇用労働者のパート化攻撃は、基地労働者にとって非和解的な闘いとなっていかざるをえない。米軍当局は、7月1日をもって定年後の再雇用労働者の週40時間勤務を、週30時間未満のパート勤務に切り替えた。再雇用後の労働者は通勤手当以外の諸手当はなく、手取り給与は半額以下である。基地労働者の生活破壊はパート制度導入で決定的に進む。さらに年金とのリンクで1958年生まれからは完全に無収入となる。これがAAFES再雇用労働者のパート化によってもたらされる現実だ。
この攻撃の直接的な引き金になったのは、2011年の在日米軍駐留経費(思いやり予算)に関する特別協定のなかで、全駐労中央本部が裏切り的に容認したIHA(食堂・売店)の労働者430人分の人件費削減(実質的解雇だ!)のなかにある。すべての基地労働者を外注化・非正規職化に突き落とし、基地労働者の団結破壊と労働組合(全駐労)解体を狙った新自由主義による攻撃そのものだ。

米軍当局と政府は、第一波ストライキ直後から基地労働者の団結破壊と分断攻撃を強めてきている。軍当局は「(パート制度の)2カ年間導入を先送りする」という「譲歩案」なるものを出してきた。パート制度導入をあくまでも基地労働者に認めさせることを狙っているということだ。日米地位協定3条の「管理権」を盾に「基地内の組合活動禁止」を通告してきたのも、基地労働者のストライキをはじめとした団結をバラバラにし、あらゆる闘いを圧殺することを狙ったからだ。米軍当局は、そもそも基地内の労働組合(=全駐労)を認めていない。このもとでの基地労働者への弾圧の激化は、基地労働者の現状変革の闘いをうみだす。

基地労働者は140万県民とともに闘う

1968年、全軍労は労働者の権利と人権を取り戻す闘いを10割年休行使」=ストライキで決起した。すべての組合活動が基地内外で禁止されている現状を突破する闘いだった。米軍は「出勤停止」「解雇」の報復攻撃をかけてきた。全軍労はストライキで反撃し、これらの攻撃を撤回させた。その闘いは全軍労闘争の始まりであり、全軍労牧港支部青年部(牧青)の闘いである職場を拠点に米軍権力と対峙して闘う出発点でもあった。まさに今回のストライキは、全軍労闘争と牧青の闘いを甦らせることとなった。

青年労働者がストの主力

2007年11月の全駐労全国統一ストライキ(格差給・語学手当廃止攻撃)ときは、青年労働者にとって何もかもが初めての経験だった。その青年労働者が今回のストライキでは、みずから先頭に立ち、その主力となった。
軍当局と野田政権は、基地労働者の闘いがオスプレイ配備阻止闘争、なによりも「基地撤去」と結合していくことをもっとも恐れている。全駐労沖縄地本は9・9オスプレイ配備反対県民大会への組織参加を決定した。これは1995年の少女暴行事件の県民大会以来のことだ。基地労働者は「140万県民とともに闘う」ことを選択した。沖縄労働運動は「基地労働者が動くとき、沖縄労働者は動く」と言われてきた。「何も恐れることはない。われわれには140万県民がついている」―70年代の全軍労闘争の「解雇撤回・基地撤去」の闘いは、今も基地労働者のなかに引き継がれている。基地労働者は軍当局の「処分」攻撃など恐れていない。

(写真 7・11 第1波スト突入宣言集会 沖縄市民会館)

オスプレイ配備阻止は、基地労働者の命を守る闘い

オスプレイ配備阻止の闘いは、オスプレイが配備される基地内の仕事に関わる基地労働者にとって死活問題だ。基地労働者の「命を守る闘い」そのものだ。「安全性」論議などまやかしにすぎない。沖縄の労働者人民はだれ一人として信用していない。
オスプレイ沖縄配備は、オバマ政権の新軍事戦略(エアー・シー・バトル)にとって必要不可欠だ。対中国・北朝鮮に対して戦争を挑発し、3・11での「トモダチ作戦」では実際に在日米軍は戦争を構えたと言われている。オスプレイ沖縄配備反対の闘いは、沖縄労働者人民の「基地撤去」と一体の闘いであり、日米安保との激突となる。
AAFESのパート制度導入は、在沖米軍基地をどう維持・管理するのかという問題だ。新たな基地強化をめざす在日米軍再編による基地労働者の大量解雇攻撃が始まったことを示している。この基地労働者の闘いこそ、オスプレイ配備反対、反原発、そして何よりも10・1外注化阻止決戦の動労千葉と一体の闘いだ。破産した新自由主義にしがみつく野田政権を打倒しよう!

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極右の安倍・石原と連携する反革命・橋下を打倒しよう!

(写真 入れ墨調査拒否者への処分を絶対に許さない! ともに処分ー解雇攻撃への反撃を始めよう!  大阪市職前で怒りの抗議行動 8月29日)

8月29日の大阪市役所前、朝8時から出勤中の大阪市職の労働者らに大阪市長・橋下徹に対する怒りの反撃が叩き付けられた。
前日の28日、大阪市職員の6名の労働者に対し「入れ墨調査の職務命令に従わなかった」として強行された懲戒処分(戒告)への弾劾だ。そして、9・16橋下打倒闘争への強力な呼びかけが行われた。
そもそも今年2月の大阪市の3万4千人全職員への労組活動・政治活動アンケート思想調査、橋下はこれらを職務命令として強行してきた。 しかし、4月には集約されたアンケートを廃棄処分に追い込み粉々に粉砕した。
そして、橋下が次に全職員に仕掛けてきたのが5月の「入れ墨調査」の強行だった。職場での「喫煙」のデッチあげによる1年間もの停職処分。「マイカー通勤」には2ヶ月の停職処分などあらゆることを口実に処分を乱発している。これは「全員解雇」のための解雇者リスト作りだ。
教育現場に対しては「公立学校教員の非公務員化」をめざすと明言し、教育の民営化と非正規職化で「首切り自由・賃下げ自由」の職場にしようとしている。「君が代」起立・斉唱の強制に対しては「団結不起立」とも言うべき現場労働者の団結による反撃で根底において粉砕した。職場の全攻防が「全員解雇」攻撃との激突になる
大阪市長・橋下のこのような暴力的な処分恫喝などものともせず橋下と真っ向から闘いぬいている当該労働者による9・16橋下打倒集会の呼びかけは、労働者の圧倒的支持と共感を集めている。

日帝ブルジョアジーの新たな救済者・極右反革命の橋下を打倒しよう!

橋下の本質は極右の反革命である。「改革者」のポーズで大衆迎合的手法を駆使し、大衆の憤激を労働者階級と労働組合の打倒に組織する橋下との対決を絶対にあいまいにしてはならない。
橋下は自民党と民主党の崩壊に対して、その批判者を装いながら資本家どもの新たな救済者として登場しようとしている。
一方、支配者階級(資本家階級)は、今や、橋下のような連中に最後の救世主としてすがりつく以外になんの展望も持てなくなっているのだ。橋下を使って労働者階級への階級戦争、急速な反動化、改憲と戦争の攻撃を徹底的に強めている。
この橋下の反動的役割と正体を階級的に見抜き、全力で対決しよう。橋下=「維新の会」打倒に向かって闘おう。

労組破壊と公務員の全員解雇・非正規職化に 反撃を!

大阪市長・橋下と「維新の会」は、その「維新八策」で、統治機構の転換や「体制維新」という疑似「革命」を訴えることで、既成政党と違う「体制変革」を目指している存在であるかのように自らを押し出している。だが、橋下の言う「体制維新」こそ帝国主義戦争に突き進む新自由主義・日帝の絶望的で凶暴な統治形態の大転換である。それはすなわち改憲と道州制の攻撃である。そしてその核心は労組破壊、公務員の全員解雇・非正規職化の攻撃だ。
「ギリシャを見てください。公務員と公務員の組合をのさばらせておくと国が破綻してしまいます。ですから、大阪市役所の組合を徹底的に市民感覚に合うように是正、改善していくことによって日本全国の公務員の組合を改めていく。そのことにしか日本の再生の道はない」(昨年12月)これは1%の資本家階級の利益のための新たな独裁支配体制を確立する大攻撃だ。労働者人民の総力でこの攻撃を叩きつぶそう。

極右・改憲の安倍や石原との合流を画策

橋下と「維新の会」が次期衆院選をにらんで、8月中旬に自民党の安倍晋三 に合流を要請していたことが明らかになっている。07年9月に破産し首相の座を突然投げ出した極右政治家・安倍晋三にだ。
安倍は「日本を変えていく大きな可能性を秘めている」などと橋下を称賛し、その反革命性に期待感を表明している。橋下は8月21日、軍隊慰安婦問題で「慰安婦が(日本)軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない。そういうものがあったのなら、韓国にも(証拠を)出してもらいたい」などと述べた。もはや議論の余地のない日帝軍隊の歴史的犯罪を橋下は完全に開き直った。
安倍はこの橋下発言を「大変勇気ある発言だ」と全面賛美した。両者の共通点は強烈な改憲志向、つまり統治機構の大転換だ。しかし、今や、これが支配階級の本音だ。「維新八策」の冒頭では「自立する個人」「自立する地域」「自立する国家」の実現を掲げている。
ここにあるのは、競争と分断をあおり団結を破壊し「死ぬも生きるも自己責任」とした社会保障の切捨てだ。公務員の大量解雇と賃下げ、大企業への規制緩和、解雇の自由化など資本家階級が望む新自由主義政策が並んでいる。

橋下打倒まで止むことのない闘いを開始しよう

7月末に行われた集会実行委員会は、9・16集会の獲得目標を次の〈3本の柱〉とした。
①橋下による「全員解雇」攻撃を受けている公務員労働者の団結の拡大と闘いの発展を軸とする。この拠点職場での闘いをとおしていかなる処分も解雇も許さない労働運動を組織していく。
②9・16橋下打倒集会をもって開始する闘いを橋下打倒までやむことのない闘いの始まりとする。実行委員会を恒常的な運動体として発足させる。
③参加した労働組合・団体・個人が実行委員会の構成団体・メンバーとなり実行委員会として労働者・労働組合に広範に呼びかけていく。職場や街頭で圧倒的な集会賛同署名を集めていく。

外注化阻止決戦と一体で 橋下打倒へ労働運動の総力を

橋下打倒は10・1JR外注化阻止決戦と一体になった戦略的闘いだ。橋下は未曾有の政治危機の中で「維新の会」を国政政党として立ち上げ、改憲と道州制、TPP参加を共同綱領に安倍晋三をはじめとする極右政治家と結びつこうとしている。「脱原発」のうそとペテンこそ橋下の正体だ。
福島の怒り、被災地の怒りと結びつき「復興特区」攻撃との闘いと一つになってJR外注化阻止決戦を闘い、野田と橋下の打倒に総決起し、新自由主義粉砕の歴史的な突破口を切り開こう。
この9・16闘争で新たに開始する橋下打倒闘争は、ブルジョアジーの卑劣な延命に断を下し、その救済者を労働組合の団結と労働者大衆の自己解放の力で根底から粉砕する階級決戦だ。労働運動の未来をかけた闘いとして全国の労働者の力で勝利させよう。
9・16集会から始まるこの闘いは、大阪市職・市従、大阪市教組を革命的によみがえらせる闘いであり、八尾北労組の闘いと一体で関西の労働運動地図を塗り替える闘いだ。
この闘いの勝利は、10・1外注化阻止決戦の勝利を大きく引き寄せる。国鉄を軸にした四大産別における階級的労働運動の大前進を勝ち取ろう。その一切の基礎は、職場とキャンパスでの闘いを土台にした拠点建設の闘いだ。
兵士との合流はここでのみ可能だ。階級的労働運動の大前進と兵士との合流・獲得の闘いを一体で前進させよう。
(ユニオン自立 榎本)

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「福島は今」に応え、労働組合をつくって闘おう

長沢宏さんから、「Rise」20号に「福島は今」どうなっているか、投稿していただきました。原発事故発生直後の「現地報告」に続いて2回目です。1年4ヶ月たった今「深刻さはより強まっている」とあります。

何よりも、「原発事故によって(故郷や家に)《帰れない。まったく先が見えない》」なかで、「避難先での孤独死や高齢者の病死」が急増し、自殺に追い込まれています。復興庁のまとめた震災関連死は761人、原発事故の心労死34人。自殺者は、16人が命を絶っており、「原発さえなければ」という明確な遺書を私たちは数多く新聞報道によって目にしています。

そして「原発事故は収束していない」、「4号機をはじめすべてが爆発の危険をかかえたままの綱渡り状態が続き」、「日々多くの人々が殺され、故郷の山や川、海、動植物など福島の豊かな自然が放射能で汚染され、それが今後も長期間続くのです」と書かれておられます。昨年私も長沢さんの案内で、福島の自然(と人々)の豊かさを実感しました。でも政府は、この豊かな山野や川の除染を最初から「やらない」と言っている。 大熊町の山林の線量は毎時40マイクロシーベルト。「基準」の年間累積被爆線量1ミリシーベルトを1日で超える数値です。汚染物質は山から人里へ、川へ、そして海に流れます。政府のやっている「除染」はアリバイつくりです。
東電や政府は絶対に責任をとろうとしない。許せません。まさに「原発事故とフクシマの現実はこれを許せばまさにすべての労働者人民の明日の《現実》になってしまう」「昨年から福島では倒産首切りが相次ぎ、また農民をめぐっては米の作付け禁止」「畑地や果樹園の除染作業も基本自力」「荒れた田畑、切られた果樹畑など犠牲にされた悲しみの声が聞こえます」と書かれておられます。

しかしわれわれはこのような現実を許さず、このような現実を強制している新自由主義という根源を、すべての人々の根底からの決起によって覆していく闘いを、3・11福島県民集会をもって開始しています。「福島は許さない。闘う」という「戦闘宣言の集会」であり「労働組合の赤旗が林立するなか、全国農民会議の緑の旗・・さまざまな団体の色とりどりの旗、あの日の開成山球場は反原発の巨大なうねりが実現した場所でした」と核心問題が感動的に提起されています。
そして「政府」の「収束宣言」と「大飯再稼動」によって、福島第一の被ばく労働が果てしなく強化され、被ばく隠しと偽装請負が蔓延し、8月22日には四次下請け(偽装請負)の労働者が5人目の犠牲者となっています。被ばく労働と労働者切捨てによって原発が成り立ち、よって、原発事故が起き、大爆発の危機に陥った2号機と4号機の対処もできず、偶然に爆発を免れたことが、明らかになりました。
職場での闘いと闘う労働組合の建設こそ、新自由主義がもたらした一切合財の現実を覆し人間の手にすべてを奪還していく第一歩です。
分割民営化と9割非正規化攻撃との歴史的決着をかけ、動労千葉、動労水戸、鈴コン、郵政非正規ユニオンの闘いに続こう!職場から闘いに立ち上がろう!
(長原)
(写真ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを繰り返すな)

会報 第20号

Rise 第20号 2012年7月10日発行

r20.pdf

原発再稼動反対・外注化阻止・ 非正規職撤廃!

労働者・兵士の団結した行動で野田政権を打倒しよう!

(写真 官邸前、『再稼動反対!』の怒りの嵐、20万人の先頭部分)

大恐慌と3・11情勢下、世界はプロレタリア革命情勢である。ロシア革命はスターリン主義の変質によって一旦は敗北に叩き込まれた。だが新自由主義攻撃のもとで労働者階級と国際階級闘争には勝利する力が生まれている。その力の核心がプロレタリア革命の原点であるマルクス・レーニン主義の復権であり、世界単一の労働者階級の国際的団結・連帯の回復・強化だ。
帝国主義は最末期。この打倒は、労働者階級にとって待ったなしで求められ、そしてその打倒は、全く可能だ。
新自由主義のなかに労働者階級人民の未来がないのは、EU解体の危機という現実、福島第一原発事故と1年4ヶ月経過した今日、事故収束も廃炉の展望も一切ないという現実が全世界に示した。新自由主義には事故収束の技術力も、財政力もない。打倒しなければ労働者階級の未来がないだけではなく人間として生きていくことも出来ない。そしてだからこそ労働者階級は帝国主義を打倒することができる。「再稼動反対!」、権力の規制を突破し首相官邸を包囲した数十万人の労働者階級民衆の行動が、すでにそれを示した。
野田政権の原発再稼動は核武装化宣言であり、オスプレイ配備は対中国・北朝鮮戦争にむけた日米同盟凶暴化の具体化であり、消費増税攻撃も連合の裏切りによって支えられているにすぎない。野田政権は脆弱な体制だから凶暴化する。野田政権を団結した怒りの行動で打倒することによって、大飯原発・全原発再稼動を止めることができる! 野田政権を怒りの行動で打倒することによって労働者階級人民の未来を切り開くことが出来る。
日帝・野田政権への怒りの行動の急速な拡大は、日本の労働者民衆・家族・兵士ら99%の根底的な怒りの爆発だ。数十万の労働者民衆一人ひとりが開始した怒りの行動は、「再稼動反対!」という全階級・全階層・全人類の共通の願いであるがゆえに普遍的であり、途中で止まることはない。子ども・青年・全労働者・全人類の未来を奪い尽くしても生き延びようとする1%のブルジョアジーと野田政権を一刻も早く打倒しよう!
開始された蜂起は、職場生産点での資本との闘いと結合し、連合の壁を突き破り、資本との日常的戦場である職場生産点でのゼネストへと飛躍・発展し、プロレタリア革命へと突き進む。その勝利の中に唯一、世界単一の階級である労働者階級と全人類の未来がある。労働者・兵士・民衆の団結した行動で野田政権を打倒しよう! (滝山)

朝鮮・中国侵略戦争のためのMV22オスプレイの普天間配備を絶対阻止しよう

新自由主義戦争の「申し子」、欠陥機「オスプレイ」

オスプレイは、「現行ヘリの2倍の速度、4倍の行動半径、3倍の積載量」を「うたい文句」に、飛行体としての構造的欠陥を承知で、07年9月に敗勢深まるイラクに投入され、以降イラクやアフガンにおける絶望的な侵略戦争の中で、人民と米軍兵士の命を奪いながら運用されてきた機体だ。オスプレイ事故はJRの尼崎事故や福島第一原発事故と100%同じものだ。
オスプレイは、海兵隊(MV22)と特殊作戦航空団(CV22=空軍仕様)で運用しているように一部の海軍仕様を除く特殊作戦機だ。猛烈な飛行訓練や実戦での事故の状態を見れば一目瞭然で、深夜超低空飛行で兵士を輸送・侵攻攻撃が目的だ。無人攻撃機とならぶ新自由主義の双璧をなす人民虐殺兵器だ。普天間配備と沖縄本島全域、岩国、キャンプ富士への配備、本州・四国・九州の低空6ルートでの激しい運用計画は、対朝鮮・中国侵略戦争を目的としたものだ。
オスプレイは新自由主義の戦争遂行というただ一点の目的から、「兵士の大量高速輸送」と「戦場へ機動投入」(深夜超低空侵攻と素早い運動性)といった背反する軍事機能を満たすために、①飛行モードの変更、②機体重量に見合う回転翼径の切り捨て、③両翼に回転翼付属という、極めて不安定な構造をしている。
飛行モードを変更する代表的な海兵隊の戦闘機AV8Bハリアーの事故率は6・76と異常に高い。その2倍も高いのがCV22で13・47に達している。(12年のMV22事故率の公式発表の1・93。しかし11年の公式発表3・32である。12年の公式発表は完全な偽装)。MV22の自重はCH46の2倍強の16㌧もあるのに、回転翼長はCH46の75%弱の5・8メートルしかない。しかも回転翼が両翼に付属する極めて不安定な構造だ。
専門家は、「急停止訓練や戦場で要求される素早い動き」(を取る)時、オスプレイは「バランスを崩して墜落する」「人為的ミスに脆弱」と指摘している。事故は、ヘリと固定翼モードの転換時に多発し「機体に問題」とする調査官は辞めさせられ、36人(発表)の死者が積上げられてきた。

●オスプレイの事故(米軍発表)

91年6月 試作機、初飛行離陸時   ※離陸直後
92年7月 試作機、試験飛行中漏油・発火 ※着陸直前、モード変更中、7人死亡
00年4月 夜間低空侵攻実用試験中  ※着陸時、衝突回避の急操作、19人死亡
00年12月 夜間飛行訓練後     ※油圧管破裂→着陸準備、モード変更中、4人死亡
06年3月 点検飛行中、不明     ※離陸上昇後落下
07年11月 状況不明        ※漏油・出火 詳細不明
10年4月 アフガン夜間戦闘作戦中  ※緊急着陸に失敗し横転、4人死亡
12年4月 揚陸艦から発艦      ※強風 離陸時、モード転換中2人死亡
12年6月 戦闘想定、急停止操作中  ※特殊作戦機、モード転換時

「オスプレイ」7月配備と10月本格運用開始

沖縄本島全域の普天間化と九州・四国・本州の6ルートでの低空・夜間戦闘飛行訓練が激増する。日本全土の朝鮮侵略臨戦態勢化だ。
①普天間配備と訓練で、夜間の空母・揚陸艦に見立てた発着艦訓練(NLP)がブルービーチ訓練場と伊江島補助飛行場で文字通り爆発的に激増し、北部訓練場では戦場に見立てたオスプレイ飛行隊の低高度飛行訓練が実施される。
②岩国と富士への分遣隊配備で、本州、四国、九州の六つの「航路経路」で実戦想定の低高度飛行訓練(平均高度150㍍が激増する。32%が超危険な激しい夜間低高度飛行だ。6ルートは岩国基地所属のFA18やAV8Bが使用中。オスプレイの訓練参加で運用は21%増加する。
(写真 6・17「オスプレイ」配備阻止5200人宜野湾市民大会)

激化する普天間基地周辺地域の危険度

米海兵隊が提出した「オスプレイの沖縄配備に伴う環境審査」によれば、普天間飛行場周辺はオスプレイの運用によって、沖縄県で最も人口が密集する那覇市や浦添市、宜野湾市の市中心街上空をオスプレイが600mから150mまで高度を下げながら常時頭上通過することになる。那覇市の県庁や新都心地区、浦添市役所、浦添総合病院、宜野湾市の大謝名小学校近くを通過していく。大謝名小通過時点でオスプレイの高度は60メートルしかない。普天間飛行場の北西側はオスプレイの周回経路が設定され、宜野湾市住宅街はオスプレイが上空90mの超低空で飛ぶ。普天間飛行場の東側も大きな周回経路が複数設定され、中城村、西原町、南風原町、与那原町といった広大な地域がオスプレイ「周回アプローチ」の騒音と墜落の危険に常時さらされる。特に事故の可能性が高い「クリアゾーン」に、普天間第二小など18の公共施設が存在し3千600人が暮らしている。
「オスプレイ」は、普天間基地を拠点に南部、中部、北部で激しい飛行を実施する。基地間の移動で「安全な地域」は皆無となる。米軍は訓練激化の理由を「環境審査」で、「MV22中隊の訓練および即応運用は、主要任務(遠征地における海上、または陸上拠点からの運用、強襲支援および航空退避)を遂行する戦闘能力が高く即応状態にある飛行中隊を海兵隊指揮官に提供することに焦点があてられている」と述べている。配備を絶対に許さず、朝鮮中国侵略戦争を阻止しよう。

戦争を阻止するのは労働組合だ!

国鉄全国運動を闘う階級的労働組合の拠点建設こそが、オスプレイ配備と辺野古新基地建設を阻止する闘いの爆発の革命的方向性と高揚の保障だ。
4月のPAC3展開と国民保護計画への動員策動を沖縄労働者階級は全国で始めて徹底的に闘って粉砕した。基地労働者の闘いが始まっている。日米共同宣言は普天間問題に触れることができなかった。新自由主義の戦争の最大基軸=日米同盟が労働者階級の怒りでズタズタになっているのだ。
そして反原発でもオスプレイ配備反対においても、革命的大衆決起がついに始まっている。新自由主義と戦争に対する怒りが堰を切っている。だからこそ、資本と真っ向から闘って誇りと団結を回復していく労働者の組織的闘いが、巨万の怒りの中心に据わっていかなければならない。国鉄全国運動を闘おう。資本との絶対非和解の闘いをやろう。労働者と兵士は団結して闘いぬこう!(長原)
(写真 6・17「オスプレイ」配備阻止5200人宜野湾市民大会)

「たちかぜ」 いじめ自殺訴訟

現役3佐が海自を告発

6月蜂起と3佐の決起

今、3・11を経て歴史が音をたてて動き始めている。分断や弾圧を乗りこえて新自由主義に怒りをもつあらゆる闘いや社会層が階級的な合流を開始している。
自衛隊でも例のない10万人の災害派遣。福島第一原発では1号機と3号機が核爆発を起こした。日米両当局は首都圏住民の退避まで想定していた。自衛隊部隊はその最前線にいた。
「これは戦だと思った。このままだと日本は福島で分断され国は滅びる。(隊員を人柱にしてでも)やるしかないと」(当時の陸幕長、現在三菱重工顧問火箱芳文60才)。
6月16日、野田が再稼働を決めた。だからといって、だれ一人あきらめてなどいない。6月22日は4万5千人、29日は20万人の「再稼動反対!」「野田を倒せ!」の怒りが、首相官邸付近を埋め尽くし占拠した。
誰のための原発再稼働か。誰のための消費増税か。「99%」を占める労働者人民に失業と非正規労働を押しつけ、放射能で子どもを、被曝労働で労働者を殺し傷つけてきた奴らに、もうだまされない。「国家は企業と金持ちを守るだけ。人民にはウソしか言わない」。新自由主義下の階級情勢は激浪のさ中だ。
海自護衛艦「たちかぜ」の自殺訴訟の控訴審。6月18日、その口頭弁論で「文書の隠ぺい」など防衛省・自衛隊の組織ぐるみのウソが暴かれた。現役3佐が海自を告発したのだ。

 護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺事件

この「自殺訴訟」とは。
海自横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」の1等海士・21才が04年10月27日、京浜急行に飛び込み自殺した。その後、両親が闘い続けている裁判だ。1士は遺書で、先輩だった2等海曹を名指しし「お前だけは許さねえからな」と激しく弾劾していた。翌月、海自は「たちかぜ」乗組員全員に「艦内生活実態アンケート」を実施した。
1士の自殺の10日後、1士の遺書に名指しされていた2等海曹を、別の隊員への暴行と恐喝の容疑で横須賀の警務隊が逮捕。2ヶ月後の05年1月には、横浜地裁で有罪判決を受け懲戒免職とした。しかし、海自は「2等海曹の暴行と1士の自殺との因果関係は不明」とする調査報告を捏造した。

 イラク戦時派兵と自殺

03 年12月からの6年間でイラクには陸自5千6百はじめのべ8千8百人、インド洋には海自のべ1万9百人の自衛隊員を派兵。その中で「派兵隊員の在職中の死者35人、その内の半数16人が自殺。病死7人、事故・不明は12人」(07年11月の照屋寛徳議員国会質問への自民党福田政権・政府答弁より)。

陸自宿営地への迫撃砲・ロケット弾攻撃は13回あった。「事故・不明12人」の中には、これらの攻撃による戦死も考えられる。侵略戦争と民族解放戦争の厳しい現実は自衛隊員の身も心もずたずたにした。帰還後の自殺者は百を超えるという推定もある。
護衛艦「たちかぜ」の1士の自殺は、自衛隊のこの戦時派兵下に起きた。当時、第3師団(関西)の第6次派兵も打ち出されていた。その後8ヶ月に及ぶ第3師団派兵阻止闘争が、9・20京都大久保駐屯地行動と9・25大阪信太山(しのだやま)駐屯地行動から開始された。元自衛官の労働者を軸に、大阪市職や大阪府職はじめ多数の青年労働者が結集した。隊内の軍服を着た労働者に向け大音量のアピールが撃ち込まれた。

 両親の提訴

06年4月5日、1士の両親が先輩の元2等海曹と国を相手に横浜地裁に提訴し慰謝料など1億3千万円を請求した。
今回海自を告発した3等海佐(3佐とは旧海軍少佐)は、この「たちかぜ」自殺訴訟の国側の指定代理人を07年1月までの10ヶ月間務めた現役の自衛隊幹部だ。
この3佐が自衛隊当局の組織的隠蔽を知ったのは両親による提訴の2日後の4月7日だった。
原告から情報公開請求を受けた海自の情報公開室担当者が、国側の弁護を務めるこの3佐らに「アンケートは今も存在しているが破棄したことになっている」と告げた。
裁判で遺族側は、海自が「たちかぜ」乗組員全員に暴行や恐喝の有無を尋ねたアンケートを証拠として提出するよう国側に求めたが、海自側は「廃棄した」と虚偽の回答をしていた。この3佐は07年には人事異動で国側の担当者を外れたが、08年6月には「不正告発のための防衛省の窓口に通報した」。しかし当局は「隠している事実はない」と一蹴した。
11年1月26日、横浜地裁は、元2等海曹の賠償責任と国の監督責任・国家賠償を認め440万円の支払い命令判決を出した。しかし「自殺の予見可能性がない」として死亡に対する賠償は認めなかった。国側はこれを勝訴と位置づけた。
この不当な判決内容を知った3佐はその日、担当責任者の部屋に行き再びアンケートの提出を迫ったが責任者は拒否。同日、3佐は情報公開請求もしたが「破棄されている」と後日回答があった。
ここで3佐は遺族側の弁護士にはじめて手紙を出した。

 東京高裁控訴審

遺族の両親は1士を自殺に追い込んだ元2等海曹と国の責任の明確化を求めて東京高裁に控訴。控訴審は昨年10月5日に開始された。
3佐は今年になって告発を決意しアンケートが隠されているとする陳述書を書いた。1年間悩み抜いた末であったという。提出の2日前に海自側の新たな担当責任者を訪ね、再度追及したが返事はなかった。こうして今年の4月に、アンケートを含む「文書隠し」を告発する内容の3佐の陳述書が遺族側から東京高裁に提出された。
この6月18日、控訴審の口頭弁論が開かれた。 翌19日、杉本正彦海自幕僚長が記者会見で「文書は破棄した」「再調査はしない」 と発言。しかし2日後の記者会見で杉本は「自主的に探したら見つかった」と発言した。

 隊内のいじめ」は兵士のロボット化、団結破

自衛隊では軍人精神注入棒と称するバットでの臀部の強打(海軍)などの肉体的苦痛以外に「飲食の饗応、物品の贈与、金銭の借用、飲食や物品の支払いの代行などの強制」が横行していた。
1士は先輩の元2等海曹から大量のビデオCDの購入や借金の肩代わりを強制されていた。死後、1士名義の借金が消費者金融数社にあることが判明。加害者自身も多重債務を抱えた先輩隊員から借金の肩代わりを強制されていたという。旧軍と全く同じ状況だ。
隊内のいじめ=「私的制裁」「体罰」は、兵士の人間的尊厳や個性をそぎ落とし上官の命令にロボット的に服従可能な「強兵・精兵」づくりの一環として黙認されてきている。ここに帝国主義の「団結を破壊し、分断し支配し、使い捨てにする」労働者支配の狙いがある。隊内外の垣根をこえた合流・団結を、労働者自己解放の思想=マルクス主義を最大の武器に前進させていこう!

 新たな「隊内支配」と隊内反乱

「革命勢力の浸透を許した露・独両軍の道を歩むな」(20年本間雅晴陸軍大尉)等の内務班の「「民主的」改革の提唱。21年の軍隊内務書改訂での「上申=異議申し立て」の公認。しかし、ここにはロシア革命や「米騒動」を経て本格的な恐慌と戦争に向かう帝国主義軍隊の破綻的状況がある。
いま、新たな世界恐慌、戦争か革命かの時代にあって新自由主義的な階級戦争がしかけられている。
「上官の命令を天皇の権威によってより絶対化」していくための天皇の元首化、国防軍の創設、隊内の階級支配のための特別裁判所=軍事法廷の設置、労働三権の削除、地方自治体の解体、緊急事態条項などの全面的な明文改憲をうたった自民党の「新改憲案」(4月27日) がそれだ。
今回の3佐の決起は、1士の自殺=人生と生死をかけた決起をわがこととし労働者兵士との階級的団結をかけた決起だ。この決起は新自由主義下の新たな隊内支配の攻撃に大きなくさびを撃ち込んだ。全く新たな隊内反乱の可能性が示されている。
20年代、呉軍港において労兵ソヴィエトの建設を展望した闘いがあった。呉海軍工廠労働者の新聞『唸るクレーン』と海軍兵士の新聞『聳ゆるマスト』の闘いがそれだ。
兵士との結合・合流は職場における階級的労働運動の実践の中にある。職場とキャンパスでの階級的団結と組織化を基礎に地域ソヴィエトの建設を前進させよう。兵士の獲得・組織化の闘いを階級的労働運動の前進と一体でかちとろう!    (岐部)

一農民の報告

福島は今

長沢 宏

原発事故から1年4ヶ月 深刻さはより強まっている

あの3・11から早いもので1年4カ月余りが過ぎましたが、福島をめぐる状況は「復興の兆し」などという極めて意図的なマスコミ報道とはまったく逆に、事態の危機性や深刻さはむしろより強まっているといえます。
いまだに16万人におよぶ県民たちが全国各地での不自由な避難生活を強いられ、「一時帰宅」ということでわが家に帰った避難者が余りに過酷な現実に直面し、絶望して自ら命を絶つという悲劇がこの間、連続して起きています。
また仮設住宅をはじめ避難先での孤独死や高齢者の病死もこの1年3カ月に急増しています。被災3県の中で、自殺者数は福島県が一番多いという調査結果が明らかになりましたが、やはりこれは原発事故によって故郷や家があるにしても「帰れない。まったく先が見えない」ということが一番大きいと思います。原発事故さえなければ生きていた人々、まさに助かったはずの命なのです。
(写真 3・11郡山16000人県民集会の先頭に立つた国労郡山工場支部)

全原発再稼動と反原発闘争の圧殺攻撃

さて原発の状況はどうか。
事故を起こし、今なお放射性物質を排出している4つの原発は、先頃危険性がやっとマスコミでも問題視された4号機をはじめすべてがまたぞろ爆発の危険を抱えたままの綱渡り状況が続いています。昨年12月の野田政権のいわゆる「収束宣言」など全くのウソであることは明らかです。先日、野田政権は大飯原発3、4号機の再稼働を多くの反対の声を踏み躙って容認しましたが、やはり野田政権と東電などの資本家たちが狙っているのは、すべての原発の再稼働と反原発闘争の圧殺、原発の輸出などの核武装政策の推進であることは誰の目にも明らかです。なんと野田は、大飯の再稼働に続いて、あのトラブル続きで中止に追い込まれていた青森県六ケ所村の核燃料サイクル再処理工場の試運転もこっそりと再開しています。許せません。

フクシマの現実を許せば、すべての労働者人民の明日の「現実」になる

また東京電力は新潟柏崎刈羽原発の再稼働を画策していることは間違いないし、福島第2原発4機の廃炉もいまだ表明していないことをみればその再稼働さえあわよくば狙っているといえます。先頃、東京電力は福島原発事故に関する報告書なるものを明らかにしましたが、それはまさに白を黒といいくるめ、自己弁護と責任逃れに終始するウソとペテンの本当に許しがたい文書です。「想定外の津波が原発事故の原因だ」、「東電は全力で事故対策をやってきた」今になってもまだこんなことを言っている。こんな輩を絶対に許すわけにはいかない。こんな連中のために、日々、多くの人々が殺され、故郷の山や川、海、動植物など福島の豊かな自然が放射能で汚染され、それが今後もさらに長期間続くのです。彼らが事故以降福島県民に対して、何らかのきちんとした責任をとったことがこれまであっただろうか?全くありません。彼らが一部、払ったとされる賠償金も結局は労働者人民からしぼりとった税金を使っているんです。彼らが資財を投入した事など絶対にないのです。こうした政府・資本家どもの姿こそまさに新自由主義の本質です。原発事故とフクシマの現実はこれを許せばまさにすべての労働者人民の明日の「現実」になってしまうのです。昨年から、福島では倒産、首切りが相次ぎ、また農民をめぐっては、米の作付け禁止ないし制限、すべての果樹の木の除染などたいへんな作業がこの冬から厳しい寒さのなか行われてきました。福島市ではこの6月になって水田に続きやっと畑地の除染作業が本格的に始まる状況ですが、作業は基本自力、作業費用を後日請求するということで、ここでも事故の責任者はなんの責任もとらないのです。しかもこの除染をやって農作物が果たして収穫時に売れるかどうかはまったくわからないのです。高齢者だけの農家は全国的にも多いですが、こうした厳しい状況のなかで、耕作をやめざるをえない離農が福島市内でもでています。荒れた田畑、切られた果樹畑など、犠牲にされた悲しみの声が聞こえます。

3・11県民集会で全国に発せられたフクシマの怒り、そして切実な願い

こうした中で、全国からの結集もあってかちとられた3・11福島県民集会はじつに感動的な集会でした。1万6千人もの人々の結集はもとより、特に6名の福島県民の発言は圧巻だった。それぞれの立場から県民としての原発事故に対する怒りそして切実な思いが語られた。原発事故を「もう終わった」事として、県民を切り捨て(棄民化)原発再稼働―核武装政策を推進しようとする政府・東電など資本家に対し、「福島は許さない。闘う」といういわば戦闘宣言の場にあの集会はなりました。いわゆる「収束・復興キャンペーン」が激しく行われていたわけですが、これを完全に打ち破るものとしてあの集会は大成功しました。集会実行委員会の一員として準備段階からたずさわった私としてもこの集会の大成功は実に感慨深いものがありましたが、特に一つ明らかにしたいのは、この集会の成功の言わば「縁の下の力持ち」としての国労郡山工場支部や県教祖などを中心とした労働組合の存在です。こうした労働組合を軸にしてそこに県内の様々な団体が合流し、実行委員会を構成し、当日の成功につながっていったのです。準備はもとより当日も実に様々の集会での実務が労働者を初めとして多くの人々によって担われていました。

子どもたちを守る診療所建設の取り組みも大きく前進

労働組合の赤旗の林立する中、初登場の全国農民会議の緑の旗(2月の結成に私も参加しました)、そして様々な団体の色とりどりの旗、あの日の開成山球場は反原発の巨大なうねりがまさに実現した場所でした。
そして3・11県民集会以降も闘いは続いています。いや、より攻防は激しくなっています。全国からの支援もうけ子供たちを守る診療所建設の取り組みも大きく前進しています。福島の私たちを心配し、獄中から反原発の闘いに起った星野さん、再審を実現し、なんとしても彼を私たちの元に奪還しましょう。仲間の皆さん!共に手を携え闘っていきましょう。

①(上)写真は4号機建屋解体前の状態。

②(下)写真は6月18日撮影。建屋が傾斜している。解体作業のために重機の吊り下げ作業中。解体現場のフロアには1535本の燃料プールがある。解体の瓦礫が注水配管を直撃し、配水管が20カ所以上で破裂。
6月末頃には、上写真の建屋5階部分は解体され、解体作業と同時に福島市内の線量が急上昇している。

投稿 「Rise」特別号への感想

定期購読者・高村宏信

「ライズ・特別号」を受け取り、読みました。大変よかったので、感想を送ります。

 よかった点は、二つ

よかった点は、二つあったと思います。一つは、帝国主義軍隊と兵士の関係、軍隊の内実についてよくわかったこと、勉強になったという点です。
もう一つは、プロレタリア革命へ反軍闘争として真っ向から路線的に提起し、その闘いを地区の労働者の闘いと一体的にとらえ、全戦線の地区党建設への総決起の闘いとして提起した点だと思います。非常に空気のはいるアピールでした。

 若干具体的に

軍隊関係の内容は、「前進」などにはあまり載っていないので、大変勉強になりました。軍隊を、新自由主義下における軍隊として分析し、米帝の場合は、イラク・アフガン侵略の中で、敗退・戦死・自殺・PTSDを患うなど、米軍が崩壊していること、さらに新自由主義における民営化は「戦争の民営化」にまで進行し、「戦争の民営化」によって民間軍事会社が儲け、そこの派遣労働者は安い金額で使い捨てられているという構図の暴露も大変説得力がありわかりやすかった。

そして、不正義で反階級的、反労働者的戦争から兵士を解放する唯一の道は、労働者階級との団結と兵士のプロレタリア革命への合流であり、それへの呼びかけであると結んであるのは、納得!という感じです。
帝国主義軍隊は民衆を守らない、これは沖縄戦など、歴史の教訓。国家とは帝国主義ブルジョアジーが労働者階級人民を搾取するための道具であり、軍隊とは、搾取するために労働者階級人民を抑圧・鎮圧する国家の暴力装置である。
だが、国家のために命を捨てようと考えている兵士は、一人もいない。兵士は労働者階級人民の一員である。世界恐慌下、世界の労働者は「生きるため」にやむなく軍隊に「就職」しているにすぎない。…などの記述。なるほど!

 そして反軍闘争の提起

兵士も非正規労働者。兵士の現実に肉薄し、兵士と団結し、兵士を獲得する方針が出ている。その道は、兵士をマルクス主義、綱領、プロレタリア革命で獲得する。これ以外に兵士を組織し、隊内細胞組織を建設し、兵士を武装蜂起へと組織することはできない、と言い切っている。これこそ革共同の綱領だ。
職場生産点の労働者、仲間をマルクス主義とプロレタリア革命で獲得し、組織する闘いの苦闘と兵士獲得と組織化は、同質の闘い。
日帝ブルジョアジーがいかに「兵士の精鋭化」を願望し、「若返り」への制度改革を遂行しても必ず破綻する。帝国主義軍隊と戦争は兵士・人間を破壊することはできても変革・育成することはできない。
戦線の闘いの組織化と運動的拡大の課題は、地区の労働者の闘いとの一体化である。ここに戦線独自の課題の突破と組織的・運動的拡大、前進の道がある。これを1ミリの曖昧性なく確信し、怒涛の前進がプロレタリア革命への道である。戦線共通の普遍的課題は労働者階級と全人類の人間的解放である。
プロレタリア革命への戦略的準備として兵士の獲得・組織化の闘いを階級的労働運動の前進と一体でかちとろう。
等々の記述は、超重要な点だと思いました。
「Rise」とは、「よみがえる」ような意味だと思うが、まさに「労働者・兵士ともに起ちあがろう!」のことだと思う。すばらしい題名だと思います

会報 第19号

第19号 2012年5月10日発行

 会報19号PDF

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安保・沖縄闘争の大爆発かちとり、6・10国鉄闘争全国運動大集会の成功へ!

大恐慌下の3・11から1年。福島県郡山に「原発いらない!」の怒りの声を挙げる1万6千の労働者・農民・漁民・学生が大結集した。あらゆる分断攻撃を突き破り福島県民を先頭にした怒りの結集が、脱落の危機にあえぐ日帝・野田政権とブルジョアジーに体制崩壊の危機を促進させている。
「原発いらない!」は福島県民の命の叫びだ。その闘いの推進軸に被災地の闘う労働組合が立ち上がり、反原発・反失業・外注化阻止・非正規職撤廃の闘いが融合し、新自由主義攻撃を打ち破る巨大な階級的うねりとなって新たな歴史的闘いを開始した。
その歴史的闘いの土台に「4・9反革命」を打ち破って前進して来た国鉄闘争全国運動がある。何よりも、4月全面外注化を阻止し、組織拡大を勝ち取った動労千葉、被爆労働を拒否し、安全を守り抜いた動労水戸の闘いがある。国労郡山をはじめとする被災地の闘う労働組合が牽引した。その先頭に青年労働者・学生が立ち上がっている。
階級的労働運動の力強い前進に恐怖した国家権力は、闘う労働者・学生の不当逮捕を押し進め、司法もJAL不当解雇を容認する反動判決を下した。絶対に許せない! 新自由主義攻撃そのものだ。しかし、その凶暴な攻撃こそが新自由主義の根底的破綻の証明だ。新自由主義に未来は無い! 労働者階級の団結した力こそが未来を切り開くのだ。
新自由主義攻撃と真っ向から対決する労働組合の全国的潮流が、今ほど求められている時はない。職場生産点で団結を拡大する職場支配権をめぐる資本・権力との大攻防に断固、突入しよう。

大恐慌はますます深化・激化し、政府債務危機と国債暴落時代への突入の下で、帝国主義争闘戦からの脱落の危機にあえぐ政府・資本家連中は、消費大増税・原発再稼働・日米安保強化=戦争・改憲攻撃に突き進んでいる。まさしく戦争か革命かの歴史を画する一大階級決戦情勢に突入している。国鉄闘争を基軸に全国に闘う労働組合を甦らせよう。安保・沖縄闘争の大爆発を勝ち取り、6・10国鉄闘争全国運動大集会の歴史的大成功を断固として勝ち取っていこう!
労働者民衆の死の上に生き延びようとする新自由主義に未来はない!原発推進・安保推進の脱落日帝の根底的打倒に向かって、階級的労働運動の力強い前進と、プロレタリア革命の帰趨を決する自衛隊解体・兵士獲得の闘いを、今こそ目的意識的に推し進めよう!  (杉橋)

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基地も原発も労働運動の力でぶっ飛ばそう!

【新自由主義との階級戦争に沖縄の労働運動は勝利してきた!】

新自由主義は、これまでの「制度・体制から思考・発想まで、既成のすべてを破壊しようとする」「だからたえず自己矛盾に満ちており、いつも場当たり」「ひたすら社会的矛盾・階級的矛盾を激化させ」「革命的情勢を促進する」(『共産主義者』171号島崎論文)。
国鉄の分割・民営化がまさにそうであり、3・11福島原発大事故への政府と資本の対応がまさにそうです。そして、72年のペテン的「返還」以降の沖縄への攻撃は、ウソとペテンの新自由主義そのものの先取りでした。そして、不屈に闘う労働組合を軸に「革命的情勢」をわが手にしつつ沖縄は勝利してきました。
その最先頭に「労働者は死んではならない。死すべきは基地だ」「解雇撤回・基地撤去」の全軍労牧港支部青年部(牧青)の闘いがあった。 今、3・11を経て歴史が音をたてて動き始めています。分断や弾圧を乗りこえて新自由主義に怒りをもつあらゆる闘いや社会層が階級的に合流を開始しています。
国鉄闘争全国運動の拡大を軸に、闘う労働組合を甦らせ闘う大学自治会再建の闘いと一体で基地撤去・安保粉砕へと大きく前進しましょう。

【核戦争・核武装化との闘い】

米軍が沖縄を本土から切り離して基地の島とした最大の狙いは、核兵器を自由に貯蔵し、自由に出撃・使用する核基地・軍事基地として使用するためでした。米議会に提出された1956年の調査報告書「プライス勧告」は「ここ(沖縄)でわれわれが、原子兵器を貯蔵または使用する権利」を有するとしています。
現在、本土にある54基の原発が、すべて核兵器製造工場そのものであり、福島の原発は本土にすえられた地上の原爆として爆発しました。
ベトナム侵略戦争反対の70年安保・沖縄闘争の大爆発は米帝を追いつめました。71年5月と11月の「沖縄返還協定調印阻止」の2度の全島ゼネスト。これと連帯し星野文昭さん先頭に闘った11 ・14渋谷暴動闘争。これらに追いつめられた日帝は72年5月15日、沖縄のペテン的「返還」を強行しその後、星野さんを無期懲役にしました。
当時の首相佐藤は「核抜き本土並み」と言いながら核持込みの密約を結び条約の偽造を行いました。その一方で原発を日本に導入した中曽根を防衛庁長官にすえ、自前の核武装政策を推進しました。ウソとペテンの「返還」と核政策への怒り、この点でも沖縄とフクシマの闘いは一体です。

【米新軍事戦略と日米安保】

1月5日、米オバマ政権は「新軍事戦略」を発表し、中東とアジアをにらんだ「二正面作戦」から「アジア太平洋重視」=対中対峙・対中戦争戦略に転換しました。具体的には昨年11月、米国防総省が発表した「エアー・シーバトル(空・海戦闘)」戦略です。これは中国の主要拠点への先制攻撃、沿岸部海軍基地への上陸作戦も想定したものです。
同じ11月にオバマはオーストラリア連邦議会で「アジア太平洋地域は・・・米国民の雇用や機会を創出する」のに「不可欠だ」と発言しました。これは「今後5年間で輸出を2倍化」するという発言(10年1月)とセットです。軍事力で封じ込めつつTPP(環太平洋経済連携協定)などで勢力圏を構築しアジア太平洋市場に参入するという強盗的な米帝の国家戦略です。その一環としてこの新軍事戦略があります。

【原発再稼動とオスプレイ普天間配備を許すな!】

民主党野田は1月24 日の施政方針演説で「米新国防戦略を歓迎する」とする一方で、「安全保障」を根拠の一つとして原発の再稼動を打ち出しました。日帝にとって原発政策とは独自の核武装化を含む軍事戦略であり日米安保をテコにした対米対抗性をはらんだ争闘戦戦略です。
米帝オバマが「米国民の雇用の創出」と大恐慌下での延命をアジア太平洋地域の独占的支配にかけようとしていますが、その「アジア市場」は日帝にとっては絶対に譲ることのできない生命線です。
民主党菅政権が3・11の核戦争事態に無能力さをさらけ出す中で、そこを衝いて米帝は「トモダチ作戦」と称して日本政府の頭越しに原子力空母まで出動させ被災地を軍事制圧しました。これは日本を抑えてアジア市場を制圧するTPP戦略と完全に一体の対日争闘戦にほかなりません。 民主党政権は「新防衛大綱」(10年12月)で、島嶼(とうしょ)防衛を口実に沖縄を含む南西諸島への自衛隊配備の増強を既に打ち出しています。米軍のエアーシーバトルと連携して対中対峙・中国侵略戦争に対米対抗性をもちながら積極的に参戦していくということです。
4月の北朝鮮のミサイル発射に対する自衛隊による沖縄ー本土の迎撃態勢と自治体労働者や教育労働者を動員した「国家総動員体制」は、自衛隊の実戦軍隊化への策動と同時に、3・11 「トモダチ作戦」への必死の取り戻しとしても発動されました。
沖縄海兵隊はアジア太平洋地域を動き回る侵略専門の実動部隊。辺野古新基地への配備が予定されていたオスプレイの普天間基地への配備が本年から強行されようとしていますが、朝鮮侵略戦争のためのオスプレイ配備と原発再稼動は一体です。オスプレイ配備絶対阻止の島ぐるみの爆発は不可避です。

【新自由主義を打ち砕く沖縄労働運動】

74~75年世界同時恐慌での新自由主義の攻撃開始のなかで、日帝は日米安保のもとで独自の軍事大国化の方向を確定しました。(「安保・防衛政策の原理的転換」)
日米安保の軍事的制圧下、この軍事力と結合した「開発独裁政権」のもとで労働者の低賃金と無権利状態が維持され、日米資本が超過利潤をせしめる新植民地政策が顕著になります。こうして国内で国鉄の分割・民営化を最大の環として開始された新自由主義の階級的攻撃は、日本のみならずアジアや世界の労働者の生活を同時に直撃していきました。
72年のペテン的「復帰」の後、政府は基地あるがゆえの沖縄の高失業率を利用して基地とセットの懐柔策を押し付けてきました。これは本土の原発建設と同じ新自由主義の典型的な支配政策の先取り攻撃です。 この40年間の沖縄の闘いは米帝の核戦争体制と日帝の核武装化を直接的に阻む闘いでした。
復帰闘争以来、沖縄労働運動の先頭で営々と闘ってきた教育労働者や自治体労働者は繰り返し襲い掛かる労組解体攻撃に屈せず、95年の10万人県民大会や07年の11万人県民大会という島ぐるみのゼネスト的決起の中軸を担い続けました。
95年の県民大会の大爆発を逆手にとったペテン的「普天間返還」。その見返りとしての辺野古新基地建設は実力闘争で阻止しました。しかし、09年8月の民主党政権の登場で「普天間基地の県外・国外移設」の体制内スローガンと、政府との交渉・話し合い路線の体制内派の裏切りが前面化しました。
この裏切りとの最先端の攻防が国鉄1047名解雇撤回闘争への10年の「4・9政治和解」でした。そして、その総屈服路線をうち砕いたのが6月の国鉄闘争全国運動の開始でした。3・11で始まった新たな反原発闘争の決定的力になったのが国鉄闘争全国運動です。

【国鉄闘争全国運動と基地撤去・安保粉砕の新たな闘い】

95年1月に結成した沖縄労組交流センターは全学連や青年労働者とともに辺野古新基地建設阻止闘争の先頭にたちました。そして沖縄の労働者の中に動労千葉(物販)を持ち込むことをとおして、昨年の3・11直前の3月6日に「国鉄闘争全国運動・沖縄」を結成しました。
この1年間の被災地への攻撃と新たな反原発闘争の始まりは、沖縄「復帰」40年の攻撃との闘いの総括にとって決定的でした。
日本で最初の特区導入は沖縄本島東岸の埋立地。基地とセットの「振興策」「雇用の確保」としてできたテレホンセンターでは2万人の労働者のうち8割が非正規雇用。辺野古の反基地闘争の先頭にたち、体制内派の裏切りと格闘してきた青年たちがコールセンターの非正規職場に入って3・11情勢下の職場の大変動のなかで労働組合を結成しました。この職場実践こそが「基地撤去・安保粉砕」の展望を押し開きます。職場での団結、労働運動の力で「沖縄・国鉄・原発」の新自由主義を打ち砕こう。
「非正規職撤廃!外注化絶対反対!」の旗を高々と掲げましょう。これは今や自衛隊兵士はじめ世界の労働者兵士との国際連帯のスローガンでもあります。
6・10 東京集会で会いましょう。 ともに闘いましょう。

(岐部)

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労働者・兵士の団結で、日米同盟の強化、戦争国家化・改憲攻撃を粉砕しよう!

日米共同声明―同盟強化と有事体制・戦争国家化阻止!

5・1日米共同声明付属文書には、自衛隊と米軍が共同訓練、警戒監視・偵察活動、施設の共同使用で「動的防衛協力」(新防衛大綱「動的防衛力の構築」)を進めることを盛り込んでいる。日帝自衛隊の軍事力の動員が初めて明記されている。大恐慌と3・11情勢下、日米同盟の強化をテコにした脱落日帝の巻き返しをかけた対米争闘戦への決定的な転換である。中国が第2列島線上に位置付けるグアムや米自治領・北マリアナ諸島のテニアン、パガン両島で共同訓練を行うことでも合意した。自衛隊が海外に駐留拠点を置くのはジブチに続き戦後二度目だ。この海外米領での共同訓練は日米を軸に、米新軍事戦略網の構築として多国間共同訓練が実地されることは明白である。没落帝国主義・米帝は国家財政の危機と軍事費の大幅削減、米軍の崩壊的危機という現実の中で単独の対中軍事戦略が不可能なところにまで追い込まれている姿が現れている。
共同声明では、「日米同盟はアジア太平洋地域の平和、安全保障、安定の礎」と定義したうえで、「日米同盟の力強さは東日本大震災で示された」、アジア太平洋地域と世界の安全保障を推進するため、「あらゆる能力を駆使し役割と責任を果たす」と明記し、アジア太平洋地域の緊急事態に日米同盟が対応する能力をさらに高めることで合意している。  「地球的課題」として、テロ、大量破壊兵器の拡散、海賊などのグローバルな課題に取り組み、海洋、宇宙、サイバー空間という死活的な空間を自由に確保するための軍事力の共同運用・強化に合意している。北朝鮮、イランへの軍事重圧とミャンマーへの「改革圧力」の強化、アフガンについて野田は、7月の東京会合で15年の米帝撤退後、日帝のアフガンへの関与の見通しを表明するとしている。 TPPにおいては、日帝への自動車、保険、牛肉の3分野での争闘戦の強化を表明している。
要するに米帝が、大恐慌と3・11で争闘戦から脱落した日帝経済を叩きつぶし、日帝軍事力を米軍事力の指揮下に統括することを明文化した共同声明である。

野田政権の絶望的な突進

日帝・野田政権は、新自由主義の破綻と争闘戦の激化という現実から引きずり出されてきた米新軍事戦略と「見なおし米軍再編」を積極的に取り込み、戦争国家化への道を突き進むことで延命せんとしている。核・原発は「平和的、安全・安心な利用で協力する」と徹底推進を明記している。

原発54 基を全て停止させた!

5月5日、国内の原発54基すべてを停止させた。日本階級闘争には原発再稼働を阻止した底力がある。東電資本は、再建条件として、新たに1兆円の公的資金の投入、柏崎・刈羽原発再稼働、10・3%の電気料金の値上げを条件に開きなっている。資本家どもを奈落の底へ叩き込もう!
労働者階級人民の闘う方向性は鮮明である。①「原発廃炉・解雇反対」の闘い、②原発労働者がともに決起できる全原発廃炉の運動とその前進。廃炉は原発労働者の決起によってしか成り立たない、③沖縄闘争と結合し、核兵器と全原発を廃止する、④内部被曝・低線量被曝の隠蔽と命をかけて闘ってきた被爆者の闘いとの連帯を強化して闘おう!
被曝労働との闘い、全原発廃炉の闘い、戦争国家化阻止の闘いは一体であり、職場・生産点で資本との非和解的闘いで勝利することが出来る。

改憲攻撃を階級的労働運動の前進で粉砕しよう

自民党は4月27日、新たな憲法改正案を発表した。
(1)9条2項を削除し、自衛隊を「国防軍」と位置づけた。国防軍は首相を最高指揮官とし、国際貢献も任務と明記している。
(2)国家の任務として(9条3項)、「領土、領海、領空の保全と資源確保」を明記した。帝国主義のいう「資源確保」とは侵略戦争を意味する。戦争・軍隊に不可欠な軍事裁判所の設置も明文化。自衛隊の帝国主義軍隊化への道筋が敷かれている。
(3)有事やテロ、大災害の時、国民は国家の命令に従うことを義務とする緊急事態条項を新設。緊急事態条項では、外部からの武力攻撃、内乱、大規模災害を「国家緊急事態」と規定し、国家が「緊急事態宣言」を発令。首相は必要な財政措置や地方自治体への緊急権を行使する。「国民」は国家の指示に従うことを義務と明記。労働三権も解体する。事実上の憲法停止条項である。
(4)天皇を日本の元首と明記。国旗は日章旗、国家は君が代と規定し、国民に「日の君」尊重の義務を明記。(5)自由や基本的人権を停止。「常に公益及び公の秩序」が優先し、「公益や公の秩序を害する活動などを禁止する条項」を盛りこんでいる。
(6)改憲発議要件である衆参両院で3分の2以上の賛成を「過半数」に緩和した。
昨年、始動した憲法審査会は、野田を先頭に90 %が改憲論者である。橋下は改憲のために2年間で労組を解体すると豪語している。石原は「憲法破棄」を叫び、「『21世紀の日本と憲法』有識者懇談会」(代表・櫻井よしこ)は昨年11月、「3年くらいの目標で憲法改正を端緒につけなければならない」とうごめいている。

国鉄全国運動が突破口

国鉄全国運動で国鉄産別に革命派が権力を打ち立てる。国鉄決戦が突破口である。自衛隊の南西拠点化への輸送、日常化する日米統合訓練の戦力輸送、がれき輸送を国鉄労働者が阻止する闘いこそ反戦・反軍、反原発闘争である。改憲攻撃・戦争国家化を粉砕する力は階級的労働運動の前進と職場・生産点にある。

北朝鮮ミサイル対処は戦争国家化攻撃

4月13日の北朝鮮ミサイル打ち上げを契機に米軍と自衛隊の一体化が加速している。野田政権の迎撃命令は、武力攻撃事態に対処する国民総動員体制と自衛隊の南西拠点化・配備、そして沖縄闘争の圧殺攻撃として発令された。大恐慌と3・11情勢下、日米同盟の強化・見直し米軍再編は、米新軍事戦略の具体化として、日米争闘戦を激化させながら推し進められている。
空自は06年5月の米軍再編計画に伴う航空総隊司令部の横田移転を昨年3月から開始していた。今回のミサイル発射を前に司令部が米軍横田基地に移転し、弾道ミサイル防衛(MD)の「共同運用調整所」を新設し、情報共有・連携運用の強化を加速させた。府中から司令部や作戦情報隊など約760人も移転した。
今回のミサイル対処では、PAC3やイージス艦の配置などは、米第5空軍司令部下で総隊司令官が指揮を執った。
海自は、すでに米海軍と横須賀で司令部の共同統合運用を開始している。陸自は、来年3月に中央即応集団司令部を朝霞駐屯地から、在日米軍司令部があるキャンプ座間内に移転させる。
今回、MDの日米一体的な運用開始は、米軍再編計画後、初めてだがMD計画の主眼は米本土ミサイル防衛システムである。そもそもMDに日本本土防衛は組みこまれていない。

破綻と無力性を露呈した脱落日帝・野田政権

破壊措置命令は09年に続き2回目。日帝の政経中枢防衛と、部隊が常駐しない沖縄県・先島諸島へPAC3を配備した。これは北朝鮮・中国有事を想定した周辺事態法の「発動」による国民総動員態勢への組み込みと南西配備への布石である。①東中国海へイージス艦2隻、日本海へ1隻を配置。②PAC3を防衛省、陸自・朝霞(埼玉)、習志野(千葉)、空自・那覇基地、知念分屯基地(南城市)、空自・宮古島分屯基地、石垣港「新港地区」に大々的な移動で配備した。PAC3とともに自衛官は石垣島に500人、宮古島に250人、沖縄本島の那覇と知念分屯基地に各100人、与那国には陸上自衛官が50人、計1千人が移動配置された。3日から5日にかけ、定期貨物船やフェリーなど民間船舶を動員し軍事車両百台以上が沖縄と先島諸島に搬入された。連絡自衛官が各自治体に配置され、今回、JーALERT(全国瞬時警報システム)の発動が初めて決定され、自治体労働者を動員した事前の全国的訓練も2度、行われている。栃木では12日午後、「北朝鮮からミサイルが発射された」という防災メールが誤送信され、危機管理監が記者会見で陳謝する事態も発生している。だが野田政権は、独自のミサイル発射情報を集約できずに無力性を露呈した。JーALERTの全国的発動は見送られ、沖縄県内にのみEmーNetで「日本の領域に影響はない」という放送を流し、計画は破綻した。訓練の過程では自治体労働者が放送を拒否するという反乱に決起している。
帝国主義は打倒できる。非正規化・低賃金化、困窮・飢餓は戦争を引き寄せるだけではない。むしろ恐慌と非正規化・困窮の世界化はプロレタリア世界革命を急速に引き寄せている。兵士・労働者は共に進撃しよう。
(滝山)

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階級的労働運動の力で原発再稼働を阻止し、日帝の有事体制の全面的発動を阻止しよう!

福島第一原発事故収束せず、放射能は大量放出と拡散を続けている

福島第一原発は現在も、「事故収束」どころか、爆発危機が続き、放射性物質の大量放出と拡散が続いている。1~3号機では、水素爆発を防ぐため大量の窒素ガス封入を続けている。この窒素装置の故障が頻発し、循環水の配管漏れも相次いでいる。4号機の使用済み核燃料プールの循環冷却装置も配管漏れで高濃度の汚染水が大量に海に溢れ出ている。昨年秋は、再臨界と核爆発危機が再燃し、3・11時同様、ホウ酸の注入まで検討した。
4号機燃料プールは余震で崩壊する危険が常に強く指摘されている。1535発もの大量の核燃料の崩壊・爆発は今度こそ列島全体の壊滅を意味する。トモダチ作戦で米軍が最も危惧したのも4号機の状態だった。しかし「水面から燃料が頭を出せば、近くの人間は即死する」。4号機の核燃料取り出しは、今のままでは、「3年ではとても無理」(現場)だ。
2号機は3月の調査で、格納容器の水位が60㌢しかなく、放射能線量は最大7万2900㍉シーベルトに達していることが判明している。4月の調査では、圧力抑制室外部で120㍉シーベルトを記録したうえ、水漏れ箇所も発見できなかった。これは毎時9㌧もの大量の汚染水漏出を防ぐ修復作業の見通しが立たず、「水棺」も「廃炉」も絶望ということだ。現在の状態は冷温停止「状態」に程遠く、格納容器全体が「全員致死7SV」の10倍にも達する高濃度放射能に溢れ「制圧」されている状態だ。核燃料が再度「暴走する」寸前で均衡している状態だ。
このような危機状態にもかかわらず、東電は経費がかかりすぎるとして、労働者の全面マスクの使用をやめさせた。「原発事故の作業拠点」もJヴィレッジから福島第一に移す計画だ。労働者からは「免震重要棟も休憩所も放射線量はゼロではない。バスを待つ間も被曝してしまう」と怒りが高まっている。どこまで労働者を使い捨てるつもりなのか!
さらに、野田政権の再稼動強行(策動)は、今度こそ全原発の核爆発事故をもたらすものだ。大飯原発のストレステストと暫定基準で明らかなことは、予想される直下型地震時「制御棒の挿入」など不可能だ。保安院の【30項目】さえ、本当はひとつもクリアしていない。「炉心損傷を起こすことなく耐えられる」などウソ八百だ。「ベントフィルター」設置や免震重要棟の建設は「数年先の計画でよし」とし、重大事故が発生したときは「それまで」という代物なのだ。これほどまでに崩壊と腐敗を極めている国家の滅亡の道連れにされることなど誰も「よし」としない。原発は一基たりとも動かしてはならない。子供達に甲状腺異常を蔓延させるような国家は、労働者階級の力で打倒しなければならない。

  建屋内SV/時 汚染水(トン)
1号機 23~5000ミリ 14100
2号機 5~7万2900ミリ 22400
3号機 10~1600ミリ 24800
4号機 0.1~0.6ミリ 19200

自衛隊員の被曝

5月14日 大角信勝(59歳)さん 心筋梗塞 提訴:労災認定
8月16日 40歳代男性 急性白血病 ――
10月6日 50歳代男性 敗血症 ――
1月9日 60歳代男性 急性心筋梗塞 ――

3・11原発事故「収束」に関わった労働者と自衛隊兵士、防衛省技官、消防士が大量被曝している。また、3・11以後、福島第一で東電によって殺された労働者は4名である。

3月12日の1号機の水素爆発で労働者4人が負傷し90人が被曝、郡山駐屯地と福島駐屯地の隊員12人も被曝した。3月14日の3号機の爆発では中特防の隊長を含む6人の隊員が被曝、自衛隊員4人を含む11人の労働者が重軽傷を負った。そして福島第一の危機が迫る中で、自衛隊は原発周辺から全部隊を撤退させた。これは帝国主義軍隊を兵士と労働者が革命的に解体する時まで、兵士に革命的流動を促す決定的事実だ。
「収束」作戦再開後は、防衛省技官78人が大量動員され、第一ヘリ団の兵士と同乗し、上空から原子炉の赤外線温度測定と解析を行い被曝した。第一ヘリ団は90㍍上空から放水作戦を敢行している。さらに(実行はされなかったが)再臨界を防ぐ目的で「ホウ酸」を上空20㍍から注入する「鶴市作戦」が準備されていた。これは「鶴女と市太郎」の民話のように、核爆発を阻止するために準備された「人柱」作戦だった。
地上放水作戦は数百㍉SVにも達する高線量の中で実行された。自衛隊は中特防に全国の化防隊や航空基地消防隊を加えて再編成した大部隊を投入し、消防庁は東京消防庁や横浜消防庁など全国のハイパーレスキュー隊260人を投入した。彼らは全員が長期メンタルヘルスの対象になっている(退職後の追跡調査も含む)。
さらに、首都圏の治安部隊である第一空挺団や中即連、中特防、第12旅団、そして第13旅団(これは海田)の若い兵士が174日間も原発周辺の高放射能地域で駐屯し、遺体捜索では原発直下に入って被爆している。こうした隊員のケアは「総合的・中長期的な課題」と、防衛省は最大の問題であることを明らかにしているが、いまだに被曝隊員の状態の具体的事実の公表はない。「震災派遣隊員トラウマ大規模調査」が唯一公表された(下欄))。

  調査人数(回答) トラウマ うつ 人数
陸自 58050人 3・3% 2・2% 3192人
海自 6112人 4・3% ※PTSD5人 262人
空自 6148人 7・5% 6・5% 464人

再稼動阻止、新軍事戦略・日米安保強化と有事体制の全面発動粉砕

核をコントロールできる帝国主義など存在しない。しかし原発事故を起こして「収束」出来ない日帝は、脱落・滅亡するしかない。菅前首相は福島第一を放棄すれば「外国が乗り込んでくる」と叫び、野田現首相は「安全保障の問題」と再稼動に突進している。
再稼動と日米安保・核戦争体制=有事体制強化に遮二無二突進する野田政権のもとで被曝は、原発・除染・瓦礫処理、清掃、JR・港湾・林野、建設など全国の労働者に拡大し、日帝の延命と引替えに子供達の甲状腺異常や乳がんの発症など恐るべき被害が拡大する。
4月の北朝鮮「ミサイル」迎撃命令で、沖縄本島、石垣、宮古に突入したPAC3部隊と一体で8化防隊や15特防隊という核専門部隊が展開した。新自由主義のもたらした原発事故で「人柱」になるのも、新自由主義の核戦争で「人柱」になるのも兵士だ。「職場で闘っている」労働者には、「使い捨て」の兵士が、ともに団結する兄弟であることがよくわかる。労働者・兵士は団結し再稼動を阻止し、日帝・野田政権を打倒し未来を切り開こう!
(長原)

(写真 5・5デモに参加した原発労働者の母親の訴え)

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3・17 反軍 全国交流会に参加して

迎賓館・横田基地爆取デッチあげ弾圧被告 福嶋昌男

3月17日、反軍全国交流会にはじめて参加をしました。最初に、参加者の自己紹介が行われました。次に、主催者より、基調提起が行われました。基調提起は、

Ⅰ 新自由主義における侵略戦争
Ⅱ 米帝の新軍事戦略
Ⅲ 脱落日帝の「国家存亡」の崩壊的危機
Ⅳ 革命党として、反軍として、われわれはどう闘うか
Ⅴ 1 日米安保粉砕・改憲攻撃阻止
2 改憲攻撃を全力で粉砕する
Ⅵ 革命党と労働者階級はどう闘い、どう勝利するか

以上の基調提起を受けて、元自衛官、沖縄・基地労働者、札幌労働者からのアピールを受けました。その後、全体交流討論に入りました。
私は、基調提起・アピールを受けて、迎賓館・横田基地デッチあげ弾圧裁判の上告棄却を、怒りをこめて弾劾しました。
私は1987年10月に迎賓館・横田基地事件でデッチ上げ指名手配され、以来25年間にわたる国家権力の転向強要に勝利してきました。
私は勝利者であることを宣言します。

3月6日に、5日付の最高裁・棄却決定を読んで、怒りに震えました。たった2頁の棄却理由です。時と共に、怒り心頭に発しました。ほんとうに許せません。
最高裁の棄却理由は、迎賓館・横田基地事件は爆発物を使用しているから、爆取違反で有罪だ、とするものです。許し難い政治弾圧です。
最高裁は私の無実・本件の真実から逃げています。
私たちの上告趣意書・補充書は弁護団、救対、裁判事務局そして「かちとる会」みなさんの努力による大部のもので、一審・二審の事実誤認を詳細に展開し、私の無実を余すところなく明らかにしました。
しかし最高裁は、上告趣意書・補充書を法令違反、事実誤認の主張であるとして、いずれも上告理由にあたらない、とむげに退けたのです。まさに、本件の「事実誤認の主張こそ」私の無実の中身を明らかにしています。
裁判所は事実審理を行えと再審をめざします。

東大宇宙研での軍学共同反対闘争

私は1968年の東大闘争の渦中で、東大宇宙研で軍学共同反対闘争を闘いました。職組の執行委員になっていて、T委員長、組合のみなさんとともに全所集会を2回行い、軍学共同を弾劾・闘いました。
【軍学共同反対闘争:当時、宇宙研のカッパーロケットが海上自衛隊所属の砕氷艦「ふじ」で、南極観測に運ばれることに対しての反対闘争】
翌年の69年10・21国際反戦デーに決起し、不当逮捕され、府中刑務所での未決10ヶ月を闘い、保釈後、北部反戦の地区活動とともに反軍戦線をたたかいました。すぐの3月14日、反革命カクマルの3・14本多書記長虐殺があり、私は75年1月に「3・14をみすえ、そそぎ、のりこえる」闘いに入りました。
3・14報復戦勝利の中で、1986年4月横田基地戦闘が敢行され、5月天皇在位60年記念式典・東京サミット爆砕の戦闘が敢行されたのです。
私は、翌年の87年10月に両戦闘に関わっているとデッチあげ指名手配を受けました。以来25年間、デッチあげ攻撃との闘いに勝利してきました。
大恐慌下の3・11情勢下の反原発・反失業闘争の高揚は、革命を引き寄せている、と確信します。階級的労働運動の前進で、反軍闘争の高揚を闘いとりましょう。

私は、一審・服部裁判長によって不当な12年の重刑を受けており、服部裁判長は私に11年8ヶ月の未決勾留を強制しました。服部裁判長は6年10ヶ月の未決算入をしているのですが、あと5年2ヶ月残っています。
下獄攻撃のもとで、再審をめざします。そのときは、引き続きのご支援をよろしくお願いします。
収監日は5月17 日、という通知が来ています。
私は下獄闘争に勝利し、必ず、反軍戦線のみなさんと再会・合流します。健康第一にがんばってきます。
全ての同志、仲間のみなさんに熱い連帯の握手を!

会報 特別号2012/4/1

特別号 2012年4月1日発行

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世界恐慌と3・11情勢下
プロレタリア革命への
反軍闘争

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目次

第一章 新自由主義における侵略戦争

(1)戦争の民営化・外注化

①民営化は資本の最大限利潤の追及
②大幅ピンハネと使い捨ての派遣兵士
③戦争の形態変化
④サイバー戦争の激化

(2)米帝の敗退とPTSD

①62万人の米兵がPTSDと脳に障害
②戦死を上回る兵士の自殺

第二章 米帝の新軍事戦略

(1)統合エア・シーバトル構想

①新軍事戦略の戦略構想―自由な作戦エリアの確保
②西太平洋海域の軍事拠点の強化
③沖縄海兵隊のグアム移転の軍事・政治目的

(2)TPP、沖縄・本土米軍基地化と一体の新軍事戦略

①「今後10年はアジア・大平洋にシフトする」
②沖縄米軍再編強化と本土基地化の攻撃

第三章 脱落日帝 「国家滅亡」の崩壊的

(1)求めれてるのはプロレタリア革命とその実現

①全人民に「死」を強制する日帝ブルジョアジー
②日帝の脱落を確定させた米帝の「トモダチ作戦」

(2)自衛隊兵士の高線量被曝とPTSD

①述べ112万人以上が原発作業で被曝
②松島基地・空自兵士の14%がPTSDを発症

(3) 帝国主義軍隊の階級的犯罪性

①帝国主義軍隊は民衆を守らない
②隊内におけるテロ・リンチ、暴行事件

第四章 革命党として、、反軍として、われわれはどう闘うのか

(1) 国鉄闘争・反原発・非正規職撤廃、階級的労働運動路線で徹底的に勝負する

(2) 兵士をマルクス主義・党綱領・プロレタリア革命で獲得する

(3) 日米安保強化粉砕・改憲阻止!

(4) 改憲攻撃を全力で粉砕しよう!

(5) 革命党と労働者階級はどう闘い、どう勝利するのか

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新自由主義における侵略戦争

 

戦争の民営化・外注化

 

民営化は資本の最大限利潤の追及

(1)国鉄分割・民営化にはじまり、郵政民営化、公立保育所・幼稚園の民営化、教育、医療、福祉、社会保険庁の「廃止・解体=民営化」、新自由主義における民営化は、「戦争(軍事)の民営化」にまで進行している。イラク・アフガン戦争は大企業の最大限利潤の獲得として「戦争の民営化・外注化」として行き着いている。従来の軍需産業は侵略戦争によって膨大な利益を上げてきたが、民間軍事会社(PMC)は戦場に直接、戦力(武器と兵士・失業労働者)を送り込み帝国主義軍隊の代行として第一線の侵略戦争の遂行主体会社として拡大している。
米ブルッキングズ研究所国家安全保障問題研究所は、民間軍事会社(プライベート・ミリタリー・カンパニー、PMC)を三つの形態に分類している。 第一は、「軍事役務提供企業」で、実際に武装した戦闘部隊を派遣して戦闘行為を請け負う。
第二は、「軍事コンサルタント企業」で顧客の要請に応じて軍事訓練や軍事的助言を与える。
第三は、「軍事支援企業」は兵士の食事、弾薬や食料の補給、兵器のメンテナンス、兵舎の構築や管理などを請け負う。
米国防省の報告書には「民間警備員は必要に応じて契約や解雇ができ、同じ能力・規模の戦闘員を確保するのに正規軍より速やかな配備が可能。予算も節約できる」と記している。しかも民間軍事会社は米軍と同じように武装しているが、武器の範囲や使用規則など、状況に応じて定めた米軍の「交戦規定」には縛られない。
09年12月、米国議会調査局(CRS)が初めて国防省が公開したデータをもとにイラク・アフガンで活動するPMC(民間軍事、警備会社)に関するデータを発表した。09年9月時点でイラク・アフガンで国防総省と正式に契約を結んでいる派遣兵(戦争請負人)の総数は、24万2230名(当時の駐留米軍は約20万人)。内訳、イラク・11万3731名(駐留米軍は約13万人)。アフガン・10万4101名(駐留米軍は6万3950人)。PMCの派遣兵は正規兵とはカウントされない。公表されている駐留米軍以上の民間の軍事力がイラク・アフガンに「派兵」されていることになる。しかも2万5000ドル以下の契約、勤務期間が30日以下の派遣兵の登録は義務づけていないため低賃金で働く外国人・現地人の派遣兵は、全て、除外されている。
国防総省は、派遣兵の死傷者数やPTSDに関するデータは一切、公開していない。
◇ 米国内のPMCは60社を超えている。仕事は、米軍人・外交官や基地の防衛、イラク・アフガン軍や警察当局の軍事教練。ブラックウォーターUSA(株式非公開)は、年間4万人の「社員」を訓練。米政府から入札なしで10億ドル以上を受注。ハリケーン・カトリーナ後は米国土安全保障省とも契約を結んでいる。
◇ イラクではブラックウォーターの警備員が米外交官の車列を警備中、周囲に一方的に発砲し、市民17名が死亡する銃撃事件を引き起こしている(07年9月)。無関係のイラク人を何人殺害しても訴追を受けないという法的地位も問題になった。
◇ ブッシュ政権下、CIAがアルカイダ幹部の暗殺を外注。パネッタが議会に報告。
しかし米政府全体での「戦争の外注化」がどの程度行なわれ、現在、何人くらいの民間人が戦争に従事しているかの正確な数値の統計は取られていない。
唯一、米国議会図書館の専門機関である「政府説明責任局(GAO)」がまとめた08年10月の報告書の内容によれば、PMCの三大発注先は、①米国防総省(DOD)、②米国務省(DOS)、③米国際開発庁(USAID)であるが各省庁が独自に契約し、いずれも請負会社任せで戦闘兵の把握システムが構築されていない(正確な情報は不明)。

大幅ピンハネと使い捨ての派遣兵士

(2)「戦争の外注化」で民間軍事会社に投じられる国家予算(米議会予算局・CBO)を見てみよう。
①03~07年に米国防総省が支払った費用は、およそ760億ドル(約6兆8400億円、1ドル・90円換算)。
②07年~08年上半期までは、イラクに50億ドル(約2兆2500億円)、アフガン約50億ドル(約4500億円)、と急増している。イラク・アフガンで米軍の敗勢に比例して、PMCが急増している。
「戦争の民営化」は、「9・11以降、米軍の負担が激増して、人員・費用ともたえられなくなったため」とされているが、ペトレアス元司令官(陸軍大将)の年収は18万ドル(1900万円)、アメリカ系PMC社員に支払われる金額は1年契約で36万5000ドルとされている。また米政府がブラックウォーター社員に支払う1日の日当はおよそ1220ドル。この内、派遣兵が受け取るのは500~700ドル(08年当時)である。原発労働者に対するピンハネとまったく同じ構造だ。命を的にして最前線で「戦闘」している労働者や、生きるために被曝覚悟で原発作業を行っている労働者からピンハネし、大企業とその系列下にある会社がぼろ儲けする新自由主義そのものの在り方が民間軍事会社にも貫かれている構造になっている。巨額の米国家予算が民間軍事会社に流れており、決してイラク・アフガン戦争は「安上がりな戦争」にはなっていない。「戦争の民営化」によって民間軍事会社が儲けそこの派遣労働者は安い金額で使い捨てられているという構図が見えてくる。

戦争の形態変化

(3)新自由主義における戦争の変化として戦略的・戦術的無人爆撃機による無差別大量空爆と無人ステルス機によるスパイ偵察がある。さらに弾道弾に代わる非核攻撃ミサイル(CSM)がある。これは極超音速巡航ミサイルで地球半周を45分で飛翔する。
アフガン・パキスタンでは無人機偵察とステルス・ヘリコプターによる暗殺攻撃が激化し、最前線ではスマートフォンが兵士自身によって先行的に導入されている。暗殺したビンラデンの本人確認も暗殺現場での指紋や瞳孔など現場で採取したデータとネットで取り寄せたデータ(指紋と顔・瞳孔など)で照合し一致を確認していることが明らかにされている。
米陸軍はこの事を追認するかたちで11年2月より「ipad」と「アンドロイド」OS搭載型スマートフォンを統合型戦闘指揮計画(JBC・P)用端末として導入するため、旅団規模での実地検証を開始している。4月、陸軍は当面「アンドロイド」搭載型スマートフォンを使用すると発表した。
(写真 空母艦載機型無人ステルス爆撃機 「X―47B」)

サイバー戦争の激化

(4)さらに戦争の変化としてサイバー戦争の激化がある。サイバー戦争の軍事目的は、敵国司令部・中枢機能を停止させ作戦遂行能力を無力化することである。
3月11日、米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は「中国のコンピューター網作戦とサイバー・スパイ活動」という報告書を発表した。同報告書は、中国軍がサイバー攻撃を対米軍事戦略の中枢に位置付け、実際に攻撃能力を画期的に増強している詳細な内容を報告している。報告書は、中国人民解放軍が米帝を主目標とし、対米戦争でも戦闘開始前と初期に米軍の「指揮・統制・通信・コンピューター(C4I)」機能にサイバー攻撃を仕掛けることを不可欠と見なすと至った、と述べている。

(5)米帝のイラク・アフガン戦争の敗北と撤退、米兵以上の民間軍事力―派遣兵の投入、膨大な民間労働者の派遣と負傷、世界恐慌とイラク・アフガン戦争による巨大な赤字国家財政の危機、これらすべての現実が示していることは米軍の崩壊であり、米帝の没落である。

米帝の敗退とPTSD

米帝はイラク・中東からの敗退を強制される中でエジプト革命の波は米国内にまで波及し、ILWUの港湾労働者のストによる戦争物資の輸送を阻止し、オキュパイ運動の拡大など米国内階級闘争は爆発している。一方では兵士の反戦決起、兵士の自殺、PTSDが拡大している。

62万人の米兵がPTSDと脳に障害

英・医学誌「インジュリー・プリベンションン」(12年3月7日)掲載の米軍医療組織のリポートから見る。
① 米陸軍兵士の自殺が04年以降、増加し、08年の自殺者は140人になっている。04年から80%も増加している。陸軍兵士の自殺者数は、97年から03年には減少傾向にあったが04年を境に増加に転じている。
② 自殺した兵士の大半は男性で、年齢は若く、軍での階級は低い兵士たちである。08年には現役兵士の自殺率が同様の年齢・性別の民間人を上回っている。03年に始まったイラク戦争が自殺者を増加させている。
③ 自殺率の上昇に伴い、心理カウンセリングや治療を受ける兵士も増加している。08年のデータでは、5分の1以上の現役兵が精神面の問題で診察を受けている。08年には自殺した陸軍兵士の3分の1は出征経験のない若い兵士たちである。
米陸軍公衆衛生統括本部は自殺の増加について、「米陸軍の記録上、過去30年間で類を見ない」と指摘しているほどである。
④ 01年以降にイラク・アフガンに配属された米兵160万人を調査したランド研究所の報告書では、イラク・アフガン帰還米兵のうち30万人(米当局の推定は12万人)が、激しいPTSDによるうつ病と機能障害を患い、その他32万人が脳に障害を負っていることが判明している。PTSDによるストレスと重いうつ病を患う割合は、女性と予備役兵に高い。
このランド研究所の報告書は、国防省と帰還兵訴訟の記録なども活用し、数値を出している。08年1月に完了した報告書。

戦死を上回る兵士の自殺

(2)米陸軍が12年1月18日、10年に続き「米軍兵士や退役者」を対象にした二度目の報告書を作成している。
①報告書の序文で、米陸軍参謀本部副議長は「兵士の多くは、多くの戦闘に起因する怪我、病気で苦しんでいる」ことを認めている。
②「報告書」は 陸軍兵士の自殺の急増を示している。10万人あたりの自殺率が、03年は11・5、09年は21・9へと倍増し、08年以降、民間人の自殺率を上回っている事実を示している。10年は退役兵の自殺が6500人を超えている。同年、陸・海・空・海兵隊の戦死者が462人で自殺者が468人で、自殺者が戦死者を上回っている。自殺者は06年に100人を突破し、09年には、一気に162人に達している。
③ 凶悪な性犯罪も倍化している事実が示されている。06年から11年にかけて陸軍兵士が加害者となった凶悪性犯罪は665件から1313件と倍化している。
④ 07年と09年の調査で、イラク・アフガン退役兵のPTSD発症率は、ベトナム退役兵の1・9~3・1倍となっている。
⑤ 薬物使用(発覚)は、06年~11年にかけて、毎年7千~8千件で、この間の合計で5万件を超えている。同期間の薬物所有や販売を加えると、年間、1万1千~1万2千件に上る。
◇11年12月15日、オバマのイラク終結宣言時、帰還米兵の6割が失業中である。

軍隊内における自殺者の比率は海・空軍に比べ、陸軍と海兵隊が高い。原因は「戦闘に関連したストレス」である。不正義の戦争が長期化すればするほど兵士・人間に与える破壊性と自殺が拡大していく事実を明確に示している。これらは同時に根底的には米軍、とりわけ米陸軍と海兵隊が帝国主義軍隊としては崩壊的な危機の中に叩き込まれている現実を示している。
不正義で反階級的、反労働者的戦争から兵士を解放する唯一の道は、労働者階級との団結と兵士のプロレタリア革命運動への合流であり、それへの呼びかけである。
(写真 2012年3・25三里塚現地闘)

米帝の新軍事戦略

 

統合エア・シーバトル構想

没落帝国主義からの巻き返し、それが対中対決路線と新軍事戦略「統合エア・シーバトル構想」である。米帝は10年2月、QDRで新戦略構想を正式に認めている。
米帝オバマの「二正面戦略」からの転換としてある「統合エア・シーバトル戦略構想」とは、①国家独占資本主義政策の破綻、②そこから生み出されてきた新自由主義とその破綻がもたらした世界恐慌と米帝の経済危機と国家財政の危機、③そして情報型「軍事革命」、「IT革命」がもたらした帝国主義侵略戦争の「形態変化」が生み出した帝国主義軍隊の崩壊的危機という現実から引きずり出されてきたのが「統合エア・シーバトル構想」なる新軍事戦略である。
したがってまずわれわれが米帝の新軍事戦略を見据える場合、第一に新自由主義の破綻のうえに打ち立てられた軍事戦略であり、本質的に根底的に脆弱な土台の上にある極めて脆弱な軍事戦略であるということ、第二に、脆弱であるがゆえに絶望的な凶暴性をもった軍事戦略であることを確認しておく必要がある。破綻性と凶暴性は戦略的・戦術的無人機による無差別大量爆撃、通常型弾頭搭載型打撃ミサイル(CSM)、攻撃型サイバー戦争の拡大(全社会的混乱をも不可避に引出す)が明確に示している。
要するに米帝の新軍事戦略の展開が激化・強化すればするほど世界中の労働者階級人民の生命と生活がますます破壊されていくということである。そして新軍事戦略とその発動と激化が進めば進むほど、全世界の労働者民衆の怒りをひきだし、プロレタリア革命への道を帝国主義ブルジョアジーみずからがおし拡げていく結果を引き出すということである。

新軍事戦略の戦略構想―自由な作戦エリアの確保

(1)世界恐慌下、米中にとって西太平洋地域が資源・市場争奪戦の中心をなすエリアとなってる。米帝歴代政権は、過去60年以上、政治・経済・安全保障面で西太平洋海域が重要な国家利益を有するとしてプレゼンスを維持・強化してきた。中国スターリン主義の国家的利益もこのエリアに集中している。
新軍事戦略構想は、中国の接近拒否戦略を打破し、第一列島線内へ封じ込め、米帝の自由な作戦エリアを確保し続けるという軍事戦略である。
戦略構想は、第一に、 中国の衛星及び作戦ネットワークの情報システムを撹乱し、攻撃し、中国軍の中枢・指揮コントロールシステムや攻撃能力を崩壊・無力化ないしは弱めることにより、米軍の空海軍に制空権、制海権を奪取し主導権を握る。
第二に、空母機動部隊の機動性を組み合わせ、中国の防空の弱点に切り込み、中国内陸のミサイル基地などの軍事戦略の中心に対して全縦深打撃を実施する。
第三に、中国海軍の潜水艦を攻撃し、各種の潜水艦探知システムや水中無人機を運用して中国の潜水艦活動に関する情報を探り、その情報を空海軍の空中対潜部隊に伝達し、中国の潜水艦を攻撃し、撃滅する。

西太平洋海域の軍事拠点の強化

(2)そのために具体的には、第一に、西太平洋海域の軍事拠点整備の更なる強化である。09年、米帝は巨費を投じてグアムの空軍基地の拡張、及び、海軍施設の整備を行い、米軍の主要な最前方作戦基地とした。
第二に、グアムの空海軍の常駐兵力の増強である。米海軍はグアムに一個空母打撃群の配置を計画し、既に攻撃型原子力潜水艦を15隻にまで増やした。 米空軍は爆撃機6機、F15E戦闘機48機、無人偵察機「グローバルホーク」3機、空中給油機12機、及び、最新型のステルス戦闘機F/Aー22ラプターを増備する。
第三に、西太平洋海域の空海合同軍事演習の強化である。米軍は最新鋭の原子力空母ジョージ・ワシントンを横須賀に配備し、「同盟国、友好国」との東中国海、黄海、南中国海における空海合同実働演習を頻繁に繰り広げ、中国の軍事力を威嚇、牽制する。
第四に、アジア・太平洋地域における基地建設の強化である。既に、米軍はマレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナムなどの東南アジア諸国及びオーストラリアで新たな基地の建設、及び、インドの軍事基地の借用を計画し、中国包囲網と西太平洋海域における危機対応力の強化を目指している。

沖縄海兵隊のグアム移転の軍事・政治目的

(3)沖縄海兵隊4700人のグアムへの先行移転の軍事・政治目的は、第一に、中国の軍拡に即応する米軍再編を急ぐ、米帝の安全保障上の要請である
第二は、新軍事戦略の具体化である。
米帝は日帝に、沖縄の第3海兵遠征部隊(3MEF)司令部と主力戦闘部隊の第31海兵遠征部隊(31MEU)を沖縄に残し、主に歩兵・砲兵からなる第3海兵師団の多くを海外に移転する新たな配置案を提示している(3・12)。 これは自衛隊との連携強化を図った米帝的日米安保の強化措置である。
第三は、米国家財政の危機―軍事費削減の議会決定のもと、日帝・野田政権に対する米軍普天間飛行場の整備・強化―辺野古建設推進と海兵隊移転費用の日帝負担圧力の軍事外交政策である。
この背景には中国スタ―リン主義の「台頭」による「脅威」がある。要するにアジア・太平洋地域のパワーバランスが崩れている現実に規定されている軍事戦略構想の具体化である。
①在沖縄海兵隊のハワイ、オーストラリア、フィリピンへの移転配備。

②移転配備は、各基地固定配備ではなく、秘密裏のローテーション型の巡回移動型配備を構想している。

③24時間型の有事即応体制の構築である

④中国の中距離弾道ミサイル攻撃に対応した前方展開戦力の分散などなど。

◇       ◇

◇米国防費削減による影響(米下院軍事委員会の「国防費削減評価」から)

項目
現状
40億ドル削減
1兆ドル超削減

海軍と海兵隊の兵員
約77万人
約65万人
約57万人

陸軍大隊
100
78
60~70

海軍艦隊
288
263
238

空軍戦闘機
1990
1739
1512

戦略爆撃機
135
118
101

戦略・戦術空輸機
651
572
494

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◇米軍による『関係強化の取り組み』

日本
・防衛施設の共同使用、共同訓練や監視活動の強化
・サイバー攻撃 について協力を提案

韓国
・サイバー攻撃への戦略政策対話の創設
・次官級の統合防衛対話の創設

豪州
・サイバー攻撃に安保条約で共同対処
・軍事施設の共同使用、米軍物資の集積

シンガポール
・最新鋭沿岸海域戦闘艦(LCS)を配備

ベトナム
・空母も動員した軍事交流を強化

インドネシア
・海洋監視用新型レーダー導入

ASEAN
・海洋の安全保障を米軍が支援する枠組みの構築
・拡大国防相会合の毎年開催を提案

TPP、沖縄・本土米軍基地化と一体の新軍事戦略

「今後10年はアジア・大平洋にシフトする」

(1)米帝はTPPと新軍事戦略で突破口を開こうとしている。
「中国が軍事力の近代化を急速に進め、しかも透明性を欠き、東シナ海や南シナ海で威嚇的な行動を取っている」、「米国のこれまで10年のイラクとアフガニスタンでの軍事努力は、その重点を移し、今後の少なくとも10年はアジア・太平洋にシフトする」、その原因は西太平洋海域での「外交・経済、軍事戦略の各面での関与が必要になった」として、その背景には「中国の軍事力の近代化と拡大」「中国の軍事的意図の不透明さ」という口実を前面に押し出し、米帝のこうした戦略転換を「新しい世界の現実への対応である」としている(『米国の太平洋の世紀』クリントン国務長官)。
そして「米国はアジア・太平洋での軍事プレゼンスを強化する」(パネッタ)ことを宣言している。
(2)「安全保障と経済連携は表裏一体。安全保障は日米同盟、経済の繁栄は東アジア共同体でなどという不整合は成立しない。日本が独立を守り自由を守り、民主主義を望む限り、TPPに裏打ちされた日米同盟以外に選択肢はない。TPPはこうした大局的、戦略的枠組みの中で論じられるべきものなのだ」「不動の日米同盟が安全保障を担保し、TPPがその経済的裏付けとなった時に初めて、中国は紳士的な隣人となるだろう」(JR東海会長・葛西敬之)。
TPPとはアジア・環太平洋経済圏による米帝の新軍事戦略と一体で推進される「中国包囲網」であり、世界・アジア・太平洋戦略としてのTPPであり、中国スターリン主義主導の「東アジア共同体」構想を牽制する米帝の新軍事戦略と一体で推進される「外交・経済、軍事戦略」である(クリントン)

沖縄米軍再編強化と本土基地化の攻撃

(1)世界恐慌と3・11情勢下の沖縄米軍再編とは第一に、普天間基地の強化・固定化と辺野古基地建設推進による沖縄基地の再編強化攻撃である。
沖縄米軍基地は、九州―台湾―フィリピンを結ぶ中国の「第1列島線」に対するハブ基地である。海兵隊の先行移転は、グアムの米軍基地を、小笠原諸島から連なる「第2列島線」のハブ基地としての機能強化をはかるためだ。そして「06年合意の見直し」合意では米軍嘉手納基地より南にある5つの米軍施設・区域の返還を普天間移設から切り離し、先行させる方針を明記している。
だが軍事機能上、基地と施設は部隊構成や運用上、一体であり普天間基地が強化・存続=固定化されるかぎり『整理・統合』が行われたとしても『返還』はありえない。沖縄米軍再編は、オバマが昨年11月に「アジア太平洋地域を最優先」とした新国防軍事戦略の延長線上にある。

(2)世界恐慌と3・11情勢下の米軍再編とは第二に、沖縄基地再編強化と一体で推し進められる日本全土の米軍出撃基地化の再編計画である。
その具体化の第一が、沖縄海兵隊の岩国移転案である。06年合意の在沖海兵隊8千人の内グアムへ4700人、残りの3300人はハワイ、豪州、フィリピン、米本土の軍事施設に移転することで「基本合意した」とあるが、米帝は岩国基地移転の断念を表明していない。逆に岩国以外の国内移転―配備の協議をも打診している。
沖縄海兵隊は、06年合意当時、1万8千人であった。だがイラク・アフガン戦争で定員が3千人も増加している。仮に06年合意通り8千人の移転が行われたとしても、実際的には5千人の移転でしかない。増加した3千人は本土移転が計画されているということである。

具体化の第二が、新垂直離着陸大型輸送機MV22オスプレイの本土在日米軍基地と自衛隊基地への配備である。米帝は12年10月の沖縄普天間基地配備を前倒し、米軍横田基地、岩国基地、三沢基地への先行配備を計画している。沖縄へは普天間基地に10月、12機配備し、最終的に24機普天間に配備する。
日米帝のやり方は、「一時駐機で合意した」として、それが継続され、常駐化し事実上の配備として固定化されていく。沖縄海兵隊も06年合意の時よりも定員が増加しているがその事実は一切、明らかにされてこなかった。
沖縄県民と労働者階級の唯一の立場は、沖縄から、日本全土から、全世界から米軍基地全面撤去である。「労働者は死んではならない、死すべきは基地である」。

脱落日帝 「国家滅亡」の崩壊的

求めれてるのはプロレタリア革命とその実現

全人民に「死」を強制する日帝ブルジョアジー

米帝の11年経常赤字は4734億4千万ドル(約39兆5千億円)となり、前年比0・5%増、3年ぶりの高水準にいたっている。12年1月の日帝経常赤字(速報)は4373億円。この赤字はリーマン・ショック後の09年1月(1327億円の赤字)以来で、赤字額は比較可能な85年以降、最大である。 米帝の没落、日帝の脱落、EU解体の現実化、中国バブル経済の瓦解、これらが示しているのは世界大恐慌の本格的・全面的爆発への動きが激化し、深化するということである。
米帝以上の危機の中に叩き込まれているのが脱落日帝である。世界恐慌下の3・11東日本大震災と福島第一原発事故、そして米帝の「トモダチ作戦」が、日帝に「国家滅亡」の危機と国際帝国主義としての争闘戦からの脱落、帝国主義としての崩壊的危機の現実を根底的に突きつけた。3・11から1年、日帝の帝国主義としての脱落と支配体制の崩壊的危機はますます深化している。
3・11とは日帝の全面的破産の結果であり、その全面的露呈である。2万人の死者。警戒避難区域の解除と除染というペテンの上に住民を帰還させ高線量被曝と住民に死を強制しているのが日帝・野田政権と1%の帝国主義ブルジョアジーである。99%の労働者階級人民は死んではならないのだ。労働者階級人民の血の一滴からさえ極限的に搾りとるだけではなく、全人民に被曝と死を強制し、膨大な労働者人民の命を奪っても1%の帝国主義ブルジョアジーが生き残ることしか考えないのが新自由主義である。その端的な現われが「経済特区」である。
原発事故は未だ収束していない。がれき処理は解決の目途さえ立っていない。宮城県のがれき処理は約6%、岩手県では約9%。福島県では手つかずというのが現実である。全ては原発事故によって解決不能状態に叩き込んでいるのだ。被曝労働も全産別の労働者に拡大している。「人類と原発・核は共存できない」ということが全社会的・全世界的に、そして全労働者の職場で普遍性をもって明確になっている。
労働者階級人民が直面している現実は、社会の根底的変革なしでは最早、労働者階級が生きることが出来ないということである。新自由主義・帝国主義を根底から打倒するプロレタリア革命戦略とその実現の中にしか労働者階級人民も、被災地住民もフクシマ県民も生き抜くことが出来ないということが3・11から1年の今日の現実によってますます鮮明になっている。

日帝の脱落を確定させた米帝の「トモダチ作戦」

1)3・11直後、菅政権とブルジョアジーは10万7千人の自衛隊兵士を出動させ、航空と高速道路を制圧し、燃料と食糧を独占した。そして被災住民への救援は全て後まわしにした。まさに「戒厳令なき治安出動」で全被災住民を軍事力で強圧した。被災現地の視察直後、「すべては治安問題である」と言い放った警察庁長官のこの言辞のなかに帝国主義支配階級が抱いた恐怖のすべてが語られている。
原発とは地上に設置された核爆弾である。それが3基、爆発したのだ。だが日帝国家権力は、3・11から3・15にかけての福島第一原発事故対応の初動において対応不能の無力性をさらけ出している。帝国主義国家権力として、核への戦争的準備も、体制も、方針もなく、東電資本さえ指揮できないという対応不能状態と無力性をさらけ出した。
周知のとおり1号機と3号機の「水素爆発(核爆発)」後の、2号機の大爆発が予測された3月14日午後9時過ぎには、自衛隊統合任務部隊(JTF)司令部は福島県民を置き去りにした「100㌔以上退避」を発令し、原発対処部隊の郡山駐屯地への総引き揚げを行っている。要するに原発(核)の爆発の危険性のまえに対応不能の無方針と大混乱とともに軍中枢司令部が「敗走」を開始していたのである。

米帝の「トモダチ作戦」とは、中国・北朝鮮戦争における核戦争を想定した「日米実戦共同作戦」である。日帝の自衛隊10万7千人の出動命令は事実上の自衛隊23万の総出動命令であり、民間の動員を合わせて捉えかえせば事実上の「国家総動員体制」である。「非常事態宣言」や「戒厳令」なき「国家総動員体制」による日米共同の核戦争作戦が憲法停止・無視状態で強行されたということである。だが日帝菅政権(当時)は首相官邸での米軍指揮を拒否しながら日帝独自の原発対処と指揮の無力性を米帝・米軍の前にさらけ出した。最弱の環・日帝の無力性が全面的に露呈し、暴き出されたのが「トモダチ作戦」である。その端的な現われが住民を置き去りにしたJTFの100キロ圏外への敗走命令である。日帝ブルジョアジーとその軍隊は、治安対策も住民対策も出来ないという事実が、米帝・米軍の前に全面的に暴き出されたのである。
原発事故(核)対処での破産は、原発大国から核大国への道、核燃料サイクルを通じての核武装化への道の根幹を断たれることを意味する。これは帝国主義としての脱落そのもである。日米の核戦争共同実戦作戦において日帝国家権力は「戦争指揮が出来ない国家」「戦争のできない軍隊(統合幕僚部)」という弱点を米帝にさらけ出すと同時にその無力性を突き付けられてということである。
それだけに日帝野田政権は、その巻き返しをかけた「原発事故収束宣言」のペテン、避難区域解除宣言と住民の帰還=高線量被曝と死の強制、全労働者への被曝労働と兵士の被曝を強制しても原発再稼働攻撃と原発輸出、経済特区、TPP、労組絶滅と改憲攻撃に死活をかけ、全力を挙げている。
だが、これは労働者階級人民の怒りの火に油を注ぐ結果しか引き出さない。1周年目の3・11郡山1万6千の労農学市民の怒りの決起がその本格的爆発の始まりであることは明確である。

自衛隊兵士の高線量被曝とPTSD

現地に出動命令を受けた10万7千人の兵士が被曝し、原発事故対処、警戒避難区域での捜索にあたった兵士は高線量で被曝している。

(1)3・11直後の第一原発直近での兵士の被曝。
① 3月12日、1号機が水素爆発した。敷地内で注水活動を行っていた福島駐屯地、郡山駐屯地の兵士20人の内12人が高線量の被曝を受けている。兵士の被曝は、最高で80・72㍉シーベルトが記録されている。作業に就いていた労働者も90人が被曝し4人が負傷している。
② 3月14日3号機が爆発した。中央即応集団の中央特殊武器防護隊の隊長を含む6人が爆発に巻き込まれ、防護服は切り裂かれ負傷し被曝している。しかし外部被曝(22ミリシーベルト)しか測定されていない。視界は爆発の粉塵で塞がる状態であった。粉塵を吸い込み高線量での内部被曝は明白である。
③ 3月11~21日にかけ福島駐屯地の第44普通科連隊の隊員は相馬市、南相馬市、第一原発直近の双葉町など、10㌔圏内で捜索、住民誘導などの活動を続け高線量の被曝を受けている。
④ 21日に上記、普連と交替した12旅団30普連(高田駐屯地)270人も高線量で被曝している。
⑤ 双葉町の「自力避難困難者」の老人など200人を東北方面航空隊のヘリ6機で川俣町への空輸活動を行っている。パイロットと同乗兵士が住民とともに高線量の被曝を受けている。
⑥ 3・11直後から、中央即応集団(朝霞)を主力とする原発対処部隊(木更津のCH47輸送ヘリ団)が毎日、技本専門家らと各原子炉上空を飛行し、温度の計測活動に継続従事している。これらの兵士らが高線量を被曝している。
⑦ 空自は連日、偵察航空隊(百里)のRF4E偵察機を飛行させ、原発の上空から精密航空写真を撮影し、集塵ポッドを付けたT4練習機を百里基地から飛行させ、観測を続け、高線量の被曝を受けている。
⑧ 12旅団(相馬原)の兵士は、半径20キロ以内の避難勧告地域内を車両で巡回し、避難できない住民たちに退避勧告し、安全な避難場所への輸送活動を行っている。彼らが住民とともに高線量の被曝を受けている。
⑨ 12月、福島、郡山両駐屯地の兵士、化学防護隊員で構成する部隊900人が警戒避難区域など4市町村の拠点役場の除染活動に投入され高線量の被曝を受けている。
日本原子力研究開発機構が実施している除染モデル事業は警戒区域でも行われている。ゼネコンの下請け労働者が除染作業で被曝している。11年8月19日、文科省は大熊町で、1日8時間屋外にいたとする換算で年間積算線量の推計値を508・1ミリシーベルトと公表していた。これは一般人の人工被曝の年間許容線量の500年分に相当する。
(写真 空自松島基地 F2戦闘機18機が水没、再起不能)

述べ112万人以上が原発作業で被曝

(2)3・11以降、「収束」に向け原発作業に就いている労働者は、延べ112万人を超ている。この労働者が高線量の建屋内と敷地内作業で連日、被曝し、すでに死者も出ている。
3月27日、福島第一原発2号機の格納容器内で、最大で毎時7万2900ミリシーベルトという高放射線量が計測された。6分で人間が確実に死亡する高線量である。「収束宣言」のペテン性はこの数値が明確に示している。
警戒避難区域・浪江町の住民は風向きで放射線が飛散した高線量地域にわざわざ避難誘導され、被曝線量を無用に高めていたことも判明している。
東電、歴代政権と菅―野田政権、御用学者・マスコミ・大学・裁判所など新自由主義・帝国主義に対する怒り、兵士や労働者、住民を被曝させ、被曝を強制し死に追いやっていることへの怒り、被曝作業・被曝労働への怒り、医療特区攻撃と高線量地域への帰還強制で住民被曝と死を強制する野田政権への根底的な怒りを爆発させよう!

(写真 途方にくれ、茫然とする幹部自衛官)

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調査人数(回答)
①トラウマ症状
②うつ病
発症人数(①+②)

陸自
58050人
3・3%
2・2%
5・5% 3192人

海自
6112人
4・3%
※PTSD 5人
4・3%+5人 262人

空自
6148人
7・5%
6・5%
14% 464人

※ 海自は、「うつ病」としての調査ではなく、PTSD(5人)として発表している。
※ 空自は、「宮城県松島基地の隊員に限定した調査のため、数値が高くなっている」(防衛省)としている。松島基地は津波で崩壊した基地を「出撃拠点化」のため、米軍主力の日米共同作戦で総力を挙げて回復させた空自の基地。

松島基地・空自兵士の14%がPTSDを発症

(3)防衛省は3・11被災地に派遣した兵士に対し初の大規模調査を行った。調査結果から兵士が「トラウマ症状」や「うつ病」などを発症する危険性が高くなっていることが判明している(3月7日)。調査結果は上記、表に示されている。
今後、自衛隊兵士の中に、米兵の現役兵士や帰還兵士に現れているPTSD、トラウマ、うつ病などが多く発症してくるであろうことに注意を払っていかなければならない。

帝国主義軍隊の階級的犯罪性

 

帝国主義軍隊は民衆を守らない

(1)帝国主義軍隊は民衆を守らない。これは沖縄戦など、歴史の教訓である。国家とは帝国主義ブルジョアジーが労働者階級人民を搾取するための道具である。
そして軍隊とは、搾取するために労働者階級人民を抑圧・鎮圧する国家の暴力装置である。
だが実際の兵士は、「人を殺す」ために軍隊に入るわけではない。「生きるため」のやむなき選択が、銃を握らされ、自国の労働者や派兵された国の労働者民衆に銃を向け、『殺さなければ殺される』という新自由主義社会における矛盾を、一身に、極限的に担わされる。それが兵士である。内戦下の南スーダンに派兵された兵士も然りだ。
「自分は、誰を守るための存在なのか。誰のために命を危険にさらしているのか」、また兵士の家族は、「夫や息子は何を守るための戦いで命を危険にさらし、命を落とそうとしているのか」という自問自答に、常に苦悩している。だが国家のために命を捨てようと考えている兵士は、一人もいない。 兵士とは労働者階級人民の一員である。世界恐慌下、世界の労働者は「生きるため」にやむなく軍隊に「就職」しているにすぎない。

隊内におけるテロ・リンチ、暴行事件

(2)自衛隊内では「訓練」と称するいじめやしごき、女性差別によるテロ・リンチ、暴行事件が横行している。これらは幹部自衛官の黙認どころか、反抗的兵士に対する意識的なリンチとして強行され自殺に追い込まれた兵士、虐殺されながら闇から闇に葬り去られている兵士が決して少なくはない。ここでは自殺に追い込まれた家族の怒り、や暴行を受けた本人らの怒りによって提訴され係争されている民事裁判を列挙するにとどめるか、家族や本人による提訴とは帝国主義軍隊への反乱・決起であることを確認したい。

① 護衛艦「さわぎり」いじめ自殺事件訴訟。
99・11・8 佐世保基地の自衛艦「さわぎり」艦内で三等海曹(21歳)が上司らのいじめを苦に自殺した。

01・6・7  長崎地裁佐世保支部に両親が息子の名誉回復と再発防止を求め提訴。05年請求却下。

05・7・11 福岡高裁に控訴。

08・8・25 高裁はいじめと自殺の因果関係を認め、国に損害賠償350万円支払い命令。勝訴確定。

②護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺事件訴訟。

04・10・27 横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」乗組一等海士(21)が隊内のいじめが原因で京浜急行に飛び込み自殺。バッグから遺書が見つかった。

06・4・5 両親が国と元上司を相手に横浜地裁に提訴。慰謝料など1億3千万円請求。

11・1・26 横浜地裁は元上司の言動と国の監督責任を認め440万円の支払い命令判決。

11・10・5 自殺に追い込んだ国と自衛隊の責任の明確化を求めて、控訴、10月5日控訴審開始。

③空自浜松基地・いじめ自殺事件訴訟

05・11・13 空自浜松基地の三等空曹(29)が先輩隊員の強要・パワハラをうけ、鬱となり自殺。

08・4・14  親と妻、生後4ヶ月の長男ら遺族が静岡地裁に事件の真相究明を求め提訴、21回の弁論。

11・7・11 静岡地裁浜松支部はほぼ原告請求額通りの賠償を命ずる判決を下した。控訴期限の7月25日北沢防衛相が原告に面会して謝罪し、控訴しない旨伝えた。原告勝訴が確定。

④陸自真駒内基地・徒手格闘訓練暴行死事件訴訟。

06・11・21  陸自真駒内基地で島袋英吉一士(20)が徒手格闘訓練中、投げ技を複数回かけられ、頭部を強打し死亡。肋骨が折れ、内臓損傷もあった。

10・8・3 両親が札幌地裁に真相を求め提訴。12年1月20日までに7回の口頭弁論が行われた。1月18日には検察審査会が隊長と教官、訓練相手の隊員に対する札幌地検の不起訴は不当の表決を出している。専門医の「死因に関する意見書」も提出されている。

⑤女性自衛官暴行・強制わいせつ訴訟

06・9  空自基地の女性自衛官(空士、当時20歳)が06年9月、深夜、三等空曹にボイラー室へ呼び出しを受け、飲酒を強要され、暴行・強制わいせつを受ける。上司に相談すると退職を迫られた。退職強要や隊内のいやがらせで体調を崩した。

07・5・8 札幌地裁に提訴、1千100万円の損害賠償提訴。

10・7・29  札幌地裁で580万円の損害賠償命令、国側控訴断念・勝訴確定。しかし女性自衛官は再任用拒否され自衛隊を追放された。

⑥陸自朝霞基地・少年自衛官自殺事件訴訟。

07・11・19 教育訓練後の8月、「除隊したい」と申し出た少年自衛官に対する暴行と除隊の引き延ばしが行われ、11月19日朝霞駐屯地通路で自殺しているのが発見された。

08・4・ さいたま簡易裁判所は、少年自衛官に暴行を加えた隊員に有罪判決を下した。

10・7  両親が前橋地裁に慰謝料などの請求を求めて提訴。11年6月8日に第6回弁論が行われた。

⑦海自江田島基地・徒手格闘訓練集団暴行死事件訴訟。

08・10・13 徒手格闘訓練名目で15名の隊員による暴行で10月13日三等海曹が死亡した。両親が松山地裁に提訴し、 現在係争中。

⑧「セクハラ偽証強要」事件訴訟.

11・12・27 セクハラの疑いをかけられた同僚をかばったために上官に退職を強要されたとして、陸自真駒内駐屯地(札幌市南区)所属の元自衛官の女性が、国に約1千100万の損害賠償を求めて提訴した。

12・3・12  第1回口頭弁論(札幌地裁・千葉和則裁判長)が開かれた。国は「控訴棄却」を要求。女性は「セクハラがあったように証言するよう上司から強要された。裁判で真実を明らかにする必要がある」と述べている。
※ 上司が同僚の男性自衛官を退職に追い込めるために、女性自衛官にセクハラの偽証を強要した事件。

これらは、氷山の一角でしかない。
兵士や家族の怒りを国鉄運動の前進の中で兵士・家族の相談窓口を開き、国鉄運動の全国的展開の前進と一体で、兵士・家族と結合できる窓口を全国に建設していく、ということである。革命派が裁判闘争をも主導することなくして兵士の獲得は空論と帰す。

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左右の写真を見比べてください。
右の写真は、1951年の米核実験とそれを至近距離で見つめる米兵です。
左は、昨年、3月14日に爆発した福島第一原発3号機の爆発の様子を捉えた写真です。3号機が核爆発であることが、はっきりと分かります。

(写真 ビキニの核実験 爆発の周囲に船舶が見える)

(写真 爆発で崩れた福島第一原発3号機)

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革命党として、反軍として、われわれはどう闘うのか

国鉄闘争・反原発・非正規職撤廃、階級的労働運動路線で徹底的に勝負する

(一)世界恐慌と3・11情勢下、国鉄と反原発闘争の飛躍的前進で勝負する。階級的労働路線路線で徹底的に勝負する。
非正規労働者の現実に肉迫する。非正規労働が新自由主義攻撃の核心である。極限的搾取と収奪。人間として生きることを全否定しているのが新自由主義であり、青年労働者が生きられない今日の現実社会を造りだしたのが新自由主義である。
『新自由主義とは何よりも、強力な私的所有権、個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約に発揮されることによって支配階級の富と福利が最も増大する政治経済的実践の理論である。国家の役割は、こうした実践にふさわしい制度的枠組みを創出し維持することである。また国家は、私的所有権を保護し、市場の適正な働きを、必要とあらば実力を用いてでも保障するために、軍事的、防衛的、警察的、法的な仕組みや機能をつくりあげなければならない。さらに市場が存在しない場合には、市場そのものを創出しなければならない。必要とあらば国家の行為によってでも創出しなければならない』というのが新自由主義である。まさに「ショック・ドクトリン」である。『そのために必要なのは、労働者と労働組織・労組を従わせ、新しい社会秩序に順応させること』。ふざけるな!ということだ!。
非正規労働者の現実に肉迫すれば兵士の現実に肉迫する。非正規労働者と団結し、職場で非正規労働者を組織することが、兵士の現実に肉迫し、兵士と団結し、兵士を獲得できる道である。
まさに職場の労働者と兵士との団結・組織化は同一、同質である。
兵士も非正規労働者である。1年9ヶ月の雇用契約。戦場で殺されれば使い捨てである。政治活動を行えば処分・解攻撃が襲いかかる。上官に歯向えば即、訓練という口実で徹底的ないじめとリンチ・虐殺が待っている。

(写真 2011・12・9 警戒区域内・富岡町で除染作業を行う兵士)

兵士をマルクス主義・党綱領・プロレタリア革命で獲得する

(二)兵士をM主義、綱領、プロレタリア革命で獲得する。これ以外に兵士を組織し、隊内細胞組織を建設し、兵士を武装蜂起へと組織することは出来ない。
ここにやむことのないエネルギーを投入する。投入しなければ兵士を真に獲得することもプロレタリア革命に組織することはできない。軍隊の解体とは、兵士をM主義とプロレタリア革命で獲得するということである。青年労
働者の獲得も同じである。
繰り返すが、職場生産点の労働者、仲間をM主義とプロレタリア革命で獲得し、組織する闘いの苦闘と兵士獲得と組織化は、同質の闘いである。

日米安保強化粉砕・改憲阻止!

(写真 2011年10・9三里塚現地闘争)

(一)恐慌と3・11情勢下の日米安保体制の強化とは、沖縄・普天間基地の固定化プラス辺野古建設による沖縄米軍基地の再編強化プラス日本全土の米軍出撃拠点基地化である。

(二)脱落帝国主義・日帝は、日米同盟論の強化と米軍再編―沖縄基地強化・日本全土基地化の安保防衛政策の強化で活路を図っている。
そして沖縄基地再編強化・日米安保体制の強化×原発再稼働・原発輸出の国家政策は日帝の核武装路線であり、帝国主義争闘戦から脱落した日帝がはい上がる道は、核武装化への絶望的突進の中にしか残されていない。日帝には、帝国主義としてこの選択肢以外の道は残されていない。さもなくば全面的に、米帝の軍門に下ることになる。

(三)自衛隊の帝国主義軍隊化である。
日帝・防衛省は自衛隊23万人の総力動員という3・11の「実戦と教訓」に踏まえ「戦えない自衛隊」から「戦争の出来る軍隊」への転換を図ろうとしている。具体的には、
第一に、5方面隊の全国単一の統合指揮運用への組織構造改革の着手である。
第二は、南西諸島への陸自、空自の配備と南西方面の出撃拠点基地の建設である。有事即応可能体制の実戦的構築である。
第三は、日帝政経中枢防衛にむけた対テロ部隊の中枢3キロ圏内への前方配備である。
これらを中心に第四に、国家財政の危機による装備充足の遅れを資本と民間力の動員(輸送力など)で強化する国民総動員体制の強化である。労働者の戦時動員の最先兵がJR資本である。 第五は、高々度無人機導入の本格化と通信・情報態勢(サイバー戦争)の強化、宇宙の軍事利用への転換である。
第六は、武器輸出三原則の撤廃。
そして第七は、対原発(核)対処兵力の強化・増員(109人)など、「動的防衛力への構造改革の推進」に着手している。

(四)3・11情勢下、日帝ブルジョアジーにとって帝国主義軍隊化の基礎は、何といっても「兵士の精強化」である。そのため防衛省は、実戦部隊化への人的基盤見直しの制度改革として、「早期退職制度と公的部門への再就職の拡充を図る」としている。要するに青年を中心とする自衛隊への若返りである。
防衛省は今後、「兵士の若返り」の施策として「旧国鉄改革や国の行政機関における配置転換、国家公務員中途採用者選考試験の事例も参考に、検討・調整を進めていく」としている。
新自由主義における帝国主義軍隊化への構造改革も、結局のところ国鉄分割民営化の経験を基礎に強行されようとしている。だが動労千葉の闘いによって分割民営化の貫徹は根底のところで粉砕されており、「兵士の精強化」への制度改革の破綻性はすでに明らかといえる。
そもそも言うまでもなく、古今東西を問わず戦争を遂行する戦力の主体は兵士・人間である。だが日帝ブルジョアジーがいかに「兵士の精強化」を願望し、「若返り」への制度改革を遂行しても必ず破綻する。帝国主義軍隊と戦争は兵士・人間を破壊することはできても変革・育成することは出来ない。

沖縄闘争の爆発で日米安保体制の強化を根底的に粉砕しよう!

日帝の日米安保体制の強化・日本全土基地化・核武装化を、国鉄闘争を基軸とする4大産別の職場闘争・非正規職撤廃×反原発闘争×沖縄闘争の爆発(階級的労働運動×基地撤去・南西拠点化阻止×反原発闘争)で根底的に粉砕しよう。世界恐慌と3・11情勢下で沖縄闘争の爆発が、戦後、最大の決定的で最重要の位置を占めている。
野田政権の北朝鮮ミサイル撃墜・破壊命令の発令、沖縄・日本海へのイージス艦3隻の配備、PAC3を先島諸島の石垣島・沖縄本島・東京に移動配備し、武力攻撃事態におけるの国民保護法の発動をも画策している。
死すべきは基地だ。基地撤去・辺野古基地建設阻止・安保粉砕、南西出撃拠点化建設と戦力配備阻止!。沖縄―本土を貫く沖縄闘争の爆発で日帝・野田政権を徹底的・根底的に打倒しよう!

改憲攻撃を全力で粉砕しよう!

(一)特区攻撃、橋本攻撃、西郡の更地化攻撃は、憲法の全面停止攻撃である。

(二)民営化・外注化―非正規職化攻撃は、憲法で言うところの「生存権」「最低生活の保障」の否定。99%の労働者の生存権を奪い、基本的権利を全面的に否定・剥奪する攻撃である。 特区攻撃は労働三権の剥奪という土台の上にしか成立しない。これは労働三権を明記する憲法停止攻撃である。  労働三権を憲法で明記しているのは「日本国憲法」のみ。3・11情勢下、日帝ブルジョアジーにはこれが桎梏と化している。

(三)憲法審査会の90%が改憲論者である。3・11情勢下、前衆院憲法調査会長・中山太郎は、昨年、憲法に国家緊急事態条項を盛り込む改憲試案を公表し、全国会議員に配布している。
大規模な自然災害やテロなどが発生すると首相は緊急事態を宣言する規定を設け、首相に自治体首長への指示権などの権限を集中させ、国民の「通信の自由、居住および移転の自由並びに財産権」を制限できるようにしている。 緊急権、非常大権であり、憲法停止を明文規定する改憲である。
2月28日、自民党改憲推進本部は「憲法改正原案」を決定した。サンフランシスコ講和条約発効60年目の4月28日までに「国家緊急事態条項」を盛り込んだ改正案をまとめる方針を打ち出している。自民党憲法改正原案は、天皇の元首化、自衛軍・軍事法廷の設置・労働三権の削除・公務員地方自治体の解体など全面的な明文改憲である。

(四)橋下の「船中八策」と改憲、石原の「憲法破棄」論。
脱落日帝にとっては、恐慌と3・11情勢下で憲法そのものが桎梏になっている。憲法停止か、全面改憲か、破棄しかないところに叩き込まれている。 改憲攻撃との闘いが職場・生産点での課題に押し上げられている。恐慌と3・11情勢下で、日帝ブルジョアジーの死活と延命をかけた改憲攻撃との闘いは職場生産点での闘いでしか粉砕できないということである。
橋下は、現憲法下で、国防政策や国策論議をいくらやっても無駄、改憲抜きに政策論議は無駄、改憲が大前提、と叫んでいる。そのために「2年で労組を絶滅する」と宣言している。橋下との対決も職場・生産点である。職場闘争の前進がすべてを決する。

革命党と労働者階級はどう闘い、どう勝利するのか

(一)労働組合でとことん勝負する。階級的労働運動を全産別・全職場で甦らせる闘いに全力を投入する。言い換新自由主義打倒への非和解的闘いである。

(二)その軸は資本との戦場である職場・生産点で、資本との非妥協的たたかいの貫徹であり、その飛躍的実践である。

(三)戦線の闘いの組織化と運動的拡大の課題は、地区の労働者の闘いとの一体化である。ここに戦線独自の課題の突破と組織的・運動的拡大、前進の道がある。これを一ミリの曖昧性なく確信し、怒涛の前進がプロレタリア革命への道である。戦線共通の普遍的課題は労働者階級と全人類の人間的解放である。

(四)反軍を先頭にした全戦線の地区

党建設への総決起の闘いである。地区党こそがプロレタリア革命への戦略的準備と全産別的課題、全戦線的課題を最先端で担い、推進し、切り拓き、党を建設し、突き進んでいく革命党の組織的・中核的存在である。地区党の強化が党中央組織強化の源泉である。

(五)地区党建設の核心は、国鉄を先頭に四大産別・全産別の職場生産点での細胞・組織建設である。それは資本との対決を軸にした職場闘争の非妥協的闘いの前進によって実現できる。地区党建設とは闘う職場細胞建設である。

(六)4月決戦から7月決戦に全力で勝利しよう。その最先端に反軍戦線が立ちプロレタリア革命への戦略的準備として兵士の獲得・組織化の闘いを階級的労働運動の前進と一体でかちとろう!

会報 第18号

第17号 2012年1月10日発行

 会報18号PDF

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再稼働阻止! 全原発を廃炉へ!
3・11福島決戦から国鉄・沖縄決戦へ!

「福島の分断を許さない!」 被災地を先頭に命を守る闘う労働組合の根底的決起が始まっています。東日本大震災と原発事故から1年。われわれは被災地の怒りと闘いに固く団結し、原発再稼働阻止・全原発即時廃炉、外注化阻止・非正規職撤廃、自衛隊解体・兵士獲得の闘いに断固突き進む決意です。 被災地をはじめ闘う労働組合を全国に甦らせ、階級的労働運動の全面的発展を今こそ勝ち取っていきましょう!3・11福島の歴史的大爆発から八尾北・西郡、三里塚、国鉄、沖縄決戦へ断固突き進もう!

原発事故は何ら収束しておらず、放射能汚染は拡大し、子供達に甲状腺ガンの症状が現れ、内部被曝の問題が深刻の度合いを増しつつあります。原発事故対処の作業も高放射線に阻まれ、遅々として進んでいません。地震も頻発しています。
世界大恐慌の本格的な爆発過程への突入の下で、アジア勢力圏化に破綻した日帝はその脱落性が益々露わとなる中で、野田政権は絶望的な原発再稼働・原発輸出に突進し、橋下や石原などのファシスト勢力の台頭が顕著となっています。脱落日帝の延命か階級的労働運動の全面的発展か。絶対非和解の激しい階級激突が闘い抜かれています。3・11福島はその歴史を分かつ大決戦に他なりません。

労働者民衆の命を顧みず原発・核を必要とし金儲けと暴力による支配。こんな腐りきった世の中は何としてでも根本から変えていかない限り、労働者階級人民の未来はありません!
稼働している原発はあと2基!再稼働を絶対阻止し全原発の廃炉へ断固突き進む時です!労働者・農民・漁民・学生・自衛官も含めた階級的団結の力でこそ、崩壊しつつある新自由主義攻撃を打ち破り、職場支配権を闘う労働組合の手にもぎり取り、職場も社会も根本から変えていく時です!

日帝・野田政権は統治能力を喪失しつつあり、資本家どもは労働組合を真っ向から否定し「労使一体化」を絶叫し、外注化・非正規職化を暴力的に押し付けようとしています。絶対に負ける訳にはいきません!
この階級的大激突の時にあって自衛官が守り発展させるべきは、国家を超えた労働者階級人民の階級的国際的団結と闘いであり、一握りの日帝支配階級の利益ではありません!守るべきは「国益」ではなく、新自由主義攻撃と闘う階級的労働運動とその団結です!自衛官の皆さん!軍服を着た労働者として、未来を切り開く階級的労働運動に断固合流し団結して共に闘うことを強く訴えます!
3・11原発いらない!福島県民大集会の大爆発から八尾北西郡・三里塚・国鉄・沖縄決戦へ!団結して共に闘い勝利しよう!
(杉橋)

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天皇元首化、自衛軍・軍事法廷 設置
改憲攻撃を職場闘争で阻止しよう!

滝 山

 世界恐慌と3・11情勢下、日帝は脱落帝国主義から這い上がる道を、原発再稼働・労組絶滅・日米安保の再編強化・改憲攻撃の中に追求している。自衛隊の南西拠点化、自衛隊の構造改革、内戦下の南スーダンへの派兵、ペルシャ湾への護衛艦、掃海挺派遣という日帝の死活的延命から全面改憲が急速に日程に上っている。全力で阻止しよう!

国家緊急権・非常大権の復活

振り返れば2000年1月20日、安倍政権下で憲法審査会が開始され、5月14日、国民投票法案を強行成立させ国会法第102条の6に「憲法改正原案、日本国憲法にまたは国民投票に関する法律案を審査するため、各議院に憲法調査会を設ける」という条文を盛り込んだ。
2005年に民主党、自民党、読売新聞など改憲案が出されてきた。そして恐慌と3・11情勢下、「憲法審査会」が両院に設置された。野田を含め、審査会メンバーの90%が改憲論者である。
2011年11月17日の第2回衆院憲法審査会で前憲法調査会会長の中山太郎が「憲法調査会」の経過報告を行い、「現在の日本は国がないともいうべき状態。震災の『非常事態対処には非常事態法』をもってすべき」と改憲が正面課題であることを真っ向から強調した。中山は昨年8月、全国会議員に「緊急事態に関する憲法改正試案」を配布している。その「改正試案」には「武力攻撃やテロリズムによる社会秩序の混乱その他の緊急事態」と判断したときは「緊急事態宣言」を行い、「非常大権」ともいうべき強権を内閣総理大臣に与えることを提言している。これは「戦時」または「国家事変時」に明治憲法が定めた「臣民の権利・義務の全てあるいは一部を停止しうる」とした、「国家緊急権」の一つである「非常大権」の復活をも意味する改憲攻撃である。 要するに国家権力が「国家緊急事態」を宣言、発令し、憲法の枠組みを超えた権能は、国家が本来的に持つ「権能」であるとして憲法停止をも可能とする強権規定を盛り込むということである。
橋下は、憲法問題に「決着をつけない限り、国家安全保障についての政策論議をしても何も決まらない」として、改憲に向けた期間を2年と区切り、労組の総絶滅を宣言している。石原は「改憲より破棄」を叫んでいる。

「自衛軍の設置」を明記

2月28日、自民党改憲推進本部は「憲法改正原案」を決定した。サンフランシスコ講和条約発効60年目の4月28日までに「緊急事態条項」を盛り込んだ改正案をまとめる方針を発表している。
緊急事態条項を創設し、「緊急事態」を「武力攻撃やテロ、大規模災害」と定義し、内閣総理大臣に独裁的権限を集中させ、国会承認なしの国家財政出動、国民の私的権利の制限・停止、改憲発議要件である衆参各両院で「総議員の3分の2以上の賛成」を「2分の1以上」に緩和し、改憲は国民有効投票の過半数をもって成立することが明記されている。
進行している事態は、憲法9条2項の「戦争の放棄」を削除し、2項を「安全保障」にすり替え「自衛軍」の設置を明記する。原案全文は不明ではあるが、05年の新憲法草案では自衛軍が「任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより国会の承認その他の統制に服する」と規定されているが、ここでいう「その他の統制」とは政令もしくは省令レベルの法律で国会の承認なしで自衛軍の派兵を発動できる構造になっている。
そして、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」に参加すると明記されているが、これは海外派兵や多国籍軍への参加であり、対中国・朝鮮戦争―世界戦争への突入改憲である。さらに自衛軍の治安出動をも明記している。文字通りの帝国主義軍隊化である。
歴史をふりかえれば帝国主義戦争は「緊急非常事態」宣言のもとで、「国家の防衛」「自存自衛」「平和のため」を口実にして、「事件」をでっち上げてでも強行されてきた。
改憲原案は、天皇を「元首」と規定し、軍事法廷の設置をも明記している。
軍事裁判は①侵略戦争における殺人や破壊行為、略奪と凌辱など非人間的行為の全ての犯罪行為を「正義」とねじ曲げ、正当化し、一方では②兵士の隊内決起・反乱、命令拒否を極刑をもって処断するために帝国主義国家にとって不可欠なのである。

軍隊は民衆を守らない

軍隊は民衆を守らない。これは沖縄戦の歴史が示す教訓である。
国家とは帝国主義ブルジョアジーが労働者階級人民を搾取するための道具である。そして軍隊とは搾取するために労働者階級人民を抑圧・鎮圧する国家の暴力装置である。
だが実際の兵士は、「人を殺す」ために軍隊に入るわけではない。「生きるため」の選択が、銃を握らされ、自国の労働者や派兵された国の労働者民衆に銃を向け、「殺さなければ殺される」という新自由主義社会における矛盾を一身に、極限的に担わされるのが兵士である。内戦下の南スーダンに派兵された兵士も然りだ。
「自分は、誰を守るための存在なのか。誰のために命を危険にさらしているのか」、また兵士の家族は、「夫や息子は何を守るための戦いで命を危険にさらし、命を落とそうとしているのか」という自問自答に、常に苦悩している。だが国家のため命を捨てようと思っている兵士は、一人もいない。 兵士とは労働者階級人民の一員である。世界恐慌下、世界の労働者は「生きるため」にやむなく軍隊に「就職」しているにすぎない。

兵士・労働者の敵は1%のブルジョアジー

帝国主義国家は国境を規定し、1%のブルジョアジーの利害を貫くために国家安全保障と軍事外交政策を戦争的に貫く。その1%の利害を防衛する国家の暴力機構が軍隊組織である。
だが99%の労働者階級人民は国境を持つそれぞれの帝国主義ブルジョアジーに搾取されている被支配階級として、国境を持たない世界単一の被搾取・被抑圧階級である。

したがつて労働者・兵士の真の敵は、労働者同士ではない。銃は、相手国の労働者や自国の労働者に向けるのでなく帝国主義ブルジョアジーに向けなければならない。
したがってまた兵士・労働者が世界単一の階級として自己を打ち立て、国際的団結と連帯を強化する闘いの運動的前進が、兵士を侵略戦争から解放し、兵士と家族の真の敵が帝国主義支配階級であることがより鮮明になっていくのである。
兵士は帝国主義ブルジョアジーの利益のために死地に赴く存在ではなく、兵士は、兵士と労働者人民の階級的利益と人類の普遍的解放のためにプロレタリア革命に決起する階級である。

兵士獲得・組織化、軍隊解体は、戦略的闘い

だが兵士・軍隊は自然発生的に労働者階級の側に移行することはない。これはロシア・ボリシェヴィキの経験である。「武装した兵士」への呼びかけ、兵士との結びつき、兵士の組織化は、日常的な目的意識性なくして兵士の獲得と帝国主義軍隊の解体はなしえない。目的意識性とは強固な計画性と実践である。
プロレタリア革命の実現は、「武装した兵士」の組織的獲得なくしては不可能だ。兵士の組織化は、権力奪取に向けた職場生産点における資本との非和解的闘いと一体のプロレタリア革命への実践的な戦略的闘いである。この戦略的前進が革命の勝利を決定する。
世界恐慌と3・11情勢下、急迫する改憲攻撃を職場から粉砕しよう。

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労働者と兵士の力で原発再稼働を阻止しよう!
神奈川・野中

原発事故の真実は何か!

3・11福島原発事故から1年、「事故の真実は何か」について多くのことが明らかになってきています。
2月末現在、実際に稼動している原発はついに2基のみとなり、このまま再稼動がなければ4月には全原発が止まる事態になります。「全ての原発を止めよう!」このことをめぐっていよいよ激烈な攻防に入ってきました。政府・電力会社・資本家たちは必死にキャンペーンを張り、再稼動を策しています。大銀行は「東電への融資の条件は再稼動」と露骨な主張をしています。日本経団連は「原発は絶対必要」と執拗に言っています。明らかになっていることは、原発を必要としているのは「資本家たちだ!」ということです。
他方で、原発は誰に被曝を強いたのかも明らかです。労働者と農民・漁民そして自衛隊員です。
政府は事故と同時に放射線の被曝限度値を大幅に引き上げ、「安全」のキャンペーンを張りました。連日「直ちに影響はない」と繰り返し、このことで本来被曝を避けられた多くの人たちが無防備状態に放置され、多量の被曝を強制されました。
3月12日、自衛隊員は東日本大震災の救助のため直ちに2万人が投入されました。この日、福島第一原発1号機が爆発するなか自衛隊員も被曝しました。

福島原発事故の真実の姿

福島原発事故は、実はチェリノブイリをも上回る史上最大の事故であったことが、この1年間の調査や報道を通して明らかになってきています。当時内閣官房参与だった田坂広志氏(原子力工学)は首都圏3千万人の避難が避けられたのは全くの「幸運」によるものと証言しています。またこのことを2月28日発表の民間の事故検証委員会報告書は「ラッキー」の語で表現しています。
3月12日福島第一原発1号機が爆発し、次いで14日、3号機も爆発するなか、15日未明、東京電力の清水社長は海江田通産相や枝野官房長官に1時間にわたり繰り返し電話し、「とても現場はこれ以上もちません」と撤退の許可を求めた。東電幹部からの現場の「放棄」「撤退」の要請に対し内閣参与危機管理監・伊藤哲朗が対応した。
(※コラム枠内会話参照)

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 総理応接室での会話 

〈以下、朝日新聞・プロメテウスの罠より〉

伊藤「第一原発から撤退するというが、そんなことをしたら1号機から4号機はどうなるのか」
東電「放棄せざるを得ません」

伊藤「5号機と6号機は?」

東電「同じです。いずれコントロールできなくなりますから」

伊藤「第二原発はどうか」

東電「そちらもいずれ撤退ということになります」

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政府の事故調査・検証委員会の中間報告は、事態のあまりの深刻さ・重大さにウソを通すことを決め込み、「全面撤退は官邸側の勘違い」で押し通そうとしています。東電は「部分撤退」「必要な人材は残す」だったと言いつくろい、東電・清水社長は「二度と過去のことを語ることはない」とダンマリでいます。東電は組織的にこの件の「調査拒否」を現在も貫いています。
しかし民間の「福島事故独立検証委員会」の報告書は、東電の「一部撤退」の主張は「根拠が薄い」とし「全面放棄」だったことを暴露しています。
「撤退」「放棄」とは「なすがままに、天のみぞ知る」ことを意味します。それはチェリノブイリの何十倍もの放射能が日本のみならず全世界に放出されることでした。東電は福島第一原発、第二原発の全面放棄で何を考えていたのでしょうか!後の「始末」をどうしようとしたのでしょうか!この人たちが今「再稼動」を策動している人たちです。
原子力とは本質的にこのような「全滅的事態」を伴う「技術」です。このことから「放射線値が高い原発事故で誰が作業をするのか」ということがスリーマイル、チェリノブイリ事故以来問題になってきました。そして福島でも兵士がその先頭に立ってきました。

兵士こそ「再稼動阻止」の先頭に立とう!

3月12日、自衛隊は原子力災害派遣命令を受け福島原発現地での支援活動を開始しました。中央特殊武器防護隊(埼玉)が同日第一原発に到着。冷却水注入作業支援中1号機が爆発。隊員約30人が爆発に巻き込まれ被曝し、11人がケガをしました。うち一人は「一定程度の被曝」が認められ、放射線医学総合研究所にヘリで搬送されています。
被曝したのは彼らだけではありません。福島浜通りで展開していた部隊は1号機の爆発の後も展開を続け、13日の夕方になって3号機の危機を前にして「郡山駐屯地」へ撤退しました。14日以降の再展開も軽装備で行われ、多くの兵士が被曝の危機に曝されました。
放射線値が高い原発事故で誰が作業をするのか!この根本問題に日本政府と電力会社は「日本では大事故は起きない」という安全神話で黙殺してきました。このことが初動の「無防備」を生み出した基本的原因です。まさに命の「使い捨て」です。
チェリノブイリでは兵士・消防士が先頭に立ち、至近距離での「決死的作業」が行われ、放射能の大量放出はおよそ1週間で止まりました。しかし多くの兵士・消防士が致命的な被曝の中で命を失いました。
原発事故は兵士の大量被爆を生み出すことが福島事故で明らかになりました。今回は『全くの幸運』の中で『兵士の決死的作業・致命的被曝』(田坂内閣官房参与)とならなかっただけです。しかし「避難地域」でのその後の展開は隊員の内部被曝が懸念されており、今後長期の健康管理が必要といわれています。
原発を必要としているのは資本家たちです。そして大事故が起きれば命を懸けるのは兵士だということです。兵士こそ「再稼動阻止!」の先頭に立とう!
(写真上 1951年 核実験を至近距離で見つめる米兵たち)
(写真下  3・14 福島第一原発3号機の水素爆発)

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「復帰」40年の沖縄に闘う労働組合を甦えらせよう!
基地撤去・原発廃炉が全世界を変える

元基地労働者・ 金城正夫

99%が犠牲になることなど許さない!

1929年大恐慌をこえる未曽有の大恐慌が始まっている。資本主義の末期的現状・新自由主義の破綻のなかで、全世界の労働者はみずからの未来を切り開く闘いに立ち上がっている。3・11から1周年の被災地・福島で「原発いらない! 3・11 福島県民大集会」が闘われ、「生きるための診療所建設」の運動も動き始めている。
アメリカから始まった世界大恐慌の爆発、欧州の危機が米・日・中国に波及するのは確実だ。米ドル体制の崩壊、ユーロ危機、中国バブル崩壊へと進み、戦争を引き寄せている。破産した資本主義・新自由主義は生き残りをかけて労働者階級にさらなる犠牲を強制している。
「なぜ支配階級の借金のツケを払わなければないのか!」―1%の富裕層のために99%が犠牲になることなど許さない。アメリカの労働者の決起は世界中に波及している。ヨーロッパとくにギリシャの労働者は年金、最低賃金の引き下げ、公務員給与カット、公務員1万5千人削減などの攻撃に対し、何度もゼネストで闘っている。
世界大恐慌と3・11大震災・原発事故情勢のなかで、野田政権はこれまでの政権政党がなしえなかったことを強引に押し進める反労働者的政権だ。資本家の利益のために3・11大震災の被害、とりわけ福島第一原発事故をも企業利益を貫徹する政策=「ショックドクトリン」を押し進めようとしている。
野田政権は、2011年12月に「原発事故収束」と大ウソを宣言し、「放射能の安全キャンペーン」と原発再稼働に全力を上げている。放射能は今でも垂れ流されているのだ。さらに「復興特区」やTPP、労働者派遣法改悪、消費増税など新自由主義政策を推進し、青年労働者の生活と未来を奪おうとしている。原発再稼働を許すな! 200万人県民の生活と未来を破壊しておきながら誰も罪に問われない。すべての責任は政府と東電にこそあるのだ。

労働者こそが原発を廃炉にする主体であり、その力をもっている

原発に従事するすべての労働者は、3・11原発事故をうけて「自分たちの担っている仕事が地域をはじめ、全国・全世界の人々に放射能被害をもたらしている」ことに心を痛めている。その事実を「しかたがない」「今の対応でよい」などと考えたり、思ったりする労働者はいない。しかし原発で働かざるをえない現実があるのだ。だからこそ原発をつくり、そこで働く労働者こそが原発を廃炉にする主体であり、その力をもっている。すべての労働者、農民、漁民がフクシマの怒りを共有し、政府・東電、原子力ムラの責任を徹底的に追及することが、労働者人民が生きていける社会を建設できるのだ。
新自由主義は、日本の中曽根、アメリカのレーガン、イギリスのサッチャーの登場を前後して始まった。資本主義下の制度や体制、思想や発想まで、あらゆることを破壊するところに特徴がある。何か整合性をもった経済・社会を生みだすものではない。自己矛盾に満ち、みずから危機を深める。今世界中のすべての闘いは、この破綻した新自由主義との闘いだ。
この新自由主義の最たる攻撃である国鉄分割・民営化に対し、労働組合が闘えずに民営化と外注化、請負、非正規職化が押し進められてきたことによって、とりわけ青年労働者は生活を奪われ、未来も奪われてきた。すべての労働者はこの攻撃に怯え、ひれ伏しているのか。断じてそうではない。民営化・外注化、偽装請負、非正規職撤廃の闘いを先頭に、国鉄闘争全国運動、11月全国労働者集会として発展している。また福島の怒りと結びつく反原発闘争は国際的闘いへと広がり、野田政権を追いつめている。しかし野田政権には、破綻した新自由主義を押し進める選択しか残されていない。

米軍基地撤去は、全国の労働者と国際連帯の闘いで実現する

今年の5・15沖縄闘争は「復帰」40年という情勢のなかで、闘う労働組合を甦らせる闘いだ。安保・沖縄決戦の年となる。世界大恐慌と3・11情勢下で北朝鮮・金正日の急死は大激動情勢を引き寄せている。そのなかで在日米軍再編は、普天間基地の固定化と辺野古新基地建設阻止の闘いを決戦的に押し上げている。この米軍再編は同時に基地労働者への解雇攻撃との闘いになる。与那国島への自衛隊強行配備、八重山教科書問題は沖縄県民を再びアジア侵略戦争に引きずり込むものだ。
米・オバマは2012年1月5日に「エアー・シー・バトル」構想を打ち出した。このオバマとともに、野田政権は日米安保を強化し、対中国・北朝鮮侵略戦争を構えている。憲法9条にも手をかけ、辺野古新基地建設を強行し、オスプレイの普天間配備をも狙っている。グアムへの在沖海兵隊の移動により、沖縄米軍基地が撤去されるかのようにマスコミでも報じられている。これは日米政府の「ウソ」「ダマシ」だと沖縄県民は見抜いている。米軍基地撤去は、沖縄と全国の労働者の闘い、そして国際連帯の闘いで実現するということだ。

米軍再編は基地労働者への首切り攻撃。死すべきは基地だ

米軍再編による基地労働者の解雇=首切り攻撃が始まるのは明らかだ。「解雇撤回・基地撤去」「死すべきは基地、労働者は死んではならない」の方針でストライキで闘うことだ。歴史的にも基地労働者が動くとき沖縄が動く。そして日本政府による国策としての沖縄基地政策との激突となっていく。
日米安保の中枢である米軍基地内に労働組合が存在すること自体が、日米政府にとっては認めがたいことだ。かならず労働者の団結破壊、労働組合解体の攻撃が激化してくるし、もうすでにそれは始まっている。70年代の全軍労・牧港支部(牧青)の基地内決起を、日米政府、軍当局は決して忘れていない。この牧青の闘いが甦ることに、日米政府も、また体制内指導部も一番恐れている。沖縄の米軍基地をめぐる状況は、いつ「島ぐるみ」的爆発が起こっても不思議ではないからだ。

沖縄青年労働者の決起が沖縄の現状を変革し、全世界を変える

今こそ、青年労働者のなかにリーダーをつくりだし、闘う労働組合を甦らせよう。現状を切り開き闘いを前進させ、全世界を変えるのは青年労働者だ。今年の5・15沖縄闘争に立ち上がろう。沖縄現地に結集しよう!
(写真 69年6月5日、全軍労2万人が全面スト突入)
(写真 72年無期限ストで基地を封鎖する全軍労・牧港支部青年部)

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5・15沖縄闘争の爆発で兵士を獲得しよう!
2・4~5全国労働組合交流センター総会・徳島刑務所包囲闘争に参加して

2月4~5日の第19回全国労働組合交流センター総会と徳島刑務所包囲闘争に参加してきました。
全国労組交流センター総会には傍聴者を含めて約200名が参加し、活発な討論がかわされました。特に入江代表の提起を受けて、昨年3・11東日本大震災と福島第一原発事故から1年近く経過し、「この情勢に対決できる交流センター運動はどうあるべきか?」という内容で意義深い討論となりました。また、総会の中で「3つの特別決議」が発せられ、その中に「獄中37年の星野文昭さん奪還と安保・沖縄闘争の前進を一体で闘い取ろう」という決議が採択されました。その内容は、「階級的労働運動の力で国家権力を包囲し、星野再審を絶対にかちとろう。ー中略ー星野奪還闘争を交流 センター全体の取り組みとしてさらに強化しよう」として、全国労組交流センターの正面課題に押し上げました。翌5日午後は、いよいよ徳島刑務所包囲闘争です。全国再審連絡会議や全国「救う会」の仲間は、2月3日から「絵画展」や事前の街頭宣伝を実施していました。われわれ全国労組交流センターに参加した仲間は大型バス3台に分乗して、いざ!出発です。バスには「星野希望バス」というステッカーがはられ、徳島市民の注目の的です。

デモの出発地点には全国「救う会」など様々な団体が既に結集しています。デモ出発地点で合流した仲間は総勢600人。デモの先頭は横断幕と星野再審の黄色い「のぼり」で埋め尽くされ、後ろには全国各地区の労働組合の「のぼり」や「旗」が林立しています。徳島県警の警備はわれわれの結集の多さに圧倒され、不安げな表情をしてデモの後ろについて来ている状態です。デモが刑務所正門前にさしかかると、コールの声は刑務所の中の星野さんに届けとばかり、さらに大きくなり、敷地内で警備している刑務官を圧倒します。翌日の弁護士面会でわかったことですが、「星野さんを奪還するぞ!」「無実の星野さんを返せ!」「受刑者を人間として扱え!」など、コールの声は全て、最初から最後まで星野さんに届いていました。星野さんを始めすべての受刑者に、星野奪還・全受刑者解放の徳島刑務所包囲闘争が心強く受け止められたということです。 残す課題は、今回の徳島刑務所包囲闘争を皮切りに、星野さんの「あと2~3年で出る」という決意に応え「星野再審」を絶対にかちとるとともに、階級的労働運動の前進で、なんとしても星野さんを奪還するということです。

キーストーン・沖縄でこそ兵士獲得の組織化を

そして今年は沖縄のペテン的「復帰」から40年を迎える。海兵隊の豪・比などへの先行移転、普天間基地の固定化と辺野古基地建設推進、欠陥だらけの大型垂直離着陸機MVオスプレイの配備など、沖縄は基地縮小どころか再編強化されようとしている。これら在日米軍再編は米の新国防戦略と完全に一体である。加えて自衛隊の南西拠点化配備と陸・海・空自の統合実動訓練が沖縄・九州を中心に民間をも動員して全国で強化されている。今年の5・15沖縄闘争の爆発は前線基地の兵士を獲得する闘いでもある。星野さんの非妥協・不屈の闘いと連帯し、5・15沖縄闘争の爆発を勝ち取ろう。
(東京西部・T)
(写真 「星野さんを返せ!」 徳島刑務所を包囲して進むデモ隊)

滝 山