会報 第43号

2016年09月10日発行 第43号  会報.PDF

ゼネストと国際反戦闘争で戦争を革命に転化しよう!

11・6-11・12 日韓100万決起へ!

p0043_01_01a

2016年6月、米海軍が2隻の原子力空母を同時にフィリピン沖に投入。中国の南中国海の軍事拠点化に対決し、米海軍横須賀基地に空母2隻配備態勢も検討されている。左が空母ロナルド・レーガン、右がジョン・C・ステニス。ステニスは米西海岸に拠点がある。今年2月から「航行や飛行の自由を守る」ためとして東アジアに投入され南中国海で活動を継続して展開し、臨戦態勢に就いている。

=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*

朝鮮戦争切迫と 米日・中対決激化

世界戦争・核戦争情勢をプロレタリア革命へ

滝山

国際連帯と世界単一の労働者党の建設へ!

G7、G20、ASEAN首脳会議、東アジアサミットなど一連の首脳会議で鮮明になっているのは米帝の没落と戦後世界体制の末期的崩壊と米日対中国スターリン主義の対立の激化である。
掛け値なしの戦争(核戦争)と革命情勢が到来している。ゼネスト・革命情勢は急速に加速している。全世界で労働者階級人民の怒りが爆発し、帝国主義と残存スターリン主義・中国への労働者の怒りが激しく、様々な形で噴き出している。真のマルクス主義と国際連帯、世界単一の労働者党が強烈に求められる情勢が到来している。
一方では終焉の危機にある米欧帝国主義国内では極右勢力が台頭し、帝国主義ブルジョアジーはこの極右勢力との結合で戦争への道を加速させている。これらをぶち破り恐慌と戦争をプロレタリア世界革命に転化する道筋が国際連帯の強化と世界単一の労働者党の建設である。

朝鮮戦争・東北アジアでの戦争情勢が加速している

米国防総省は8月8日、グアム・アンダーセン基地にB52戦略爆撃に加え複数のB1B戦略爆撃機とB2ステルス戦略爆撃機3機の配備を発表した。朝鮮戦争切迫情勢と対中対立の激化情勢に対応した東北アジアでの戦争と核先制使用への布石である。
いうまでもなく3機種は核兵器の管理・運用を管轄する「米空軍地球規模攻撃軍団」の戦略的主要戦力だ。これまで北朝鮮の核実験やミサイル発射、中国スタの南中国海での資源争奪戦をめぐる領有権問題で3機種が個別に北朝鮮・中国を牽制したことはあるが、3機種が同じ空域で配備・活動を開始するのは史上初である。これは米帝の中国への単なる牽制ではなく、朝鮮ー東北アジアでの戦争情勢が現実化しつつある情勢への対処である。

B1Bは米軍保有の爆撃機では最も多くの爆弾を搭載する戦略爆撃機。500ポンド爆弾なら84個、GBU38統合直接攻撃弾(JDAM・慣性誘導及びGPS誘導による誘導爆弾)ならば48個の搭載が可能であり、1万5000mの高度を最大速度マッハ1・.25で飛行する。グアム島からソウルまで2時間で到着する。B2ステルス爆撃機は核爆弾16個の搭載が可能である。再給油なしで1万㎞ 以上を飛行する。グアム・アンダーセン基地から朝鮮半島全域で作戦を展開した後でも再給油なしで帰還できる。ちなみに平壌ーグアム間は3千428㎞。B2はまた、搭載の航法コンピュータで最も安全な飛行ルートが設定可能とされ、標的から約13㎞以内に到達できれば、GPS/INS誘導のJDAMによりピンポイントでの破壊攻撃も可能とされている。米軍は現在、B2を21機保有しているが米本土以外の配備は今回が初。

中国は南・東中国海、対台湾情勢下、南中国海の軍事拠点化と中国人民解放軍の軍制改革を行いすでに統合運用を始動させている。 中国が自主開発した長距離新型戦略爆撃機「轟6(H6K)」は、航続距離8000㎞超、最大搭載能力12トン、有効射程1500~2500㎞のCJ10巡航ミサイル6基を搭載し、西太平洋を突き抜ける機動演習を実施している。ちなみに中国近海沿岸からグアムまでは2900㎞である。
中国のグアム基地攻撃は長距離ミサイルと一体での戦略爆撃機による空爆で可能となる。

CSISが「アジア・太平洋地域に空母2隻体制」を勧告

2016年1月20日、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が「アジア・太平洋リバランス2025」という検証報告書を出した。この報告書は昨年、米議会が米国防総省に「アジア・リバランス戦略」の評価を要求したのに基づいて出された報告書である。

同報告書は、軍拡路線を進む中国によってアジア・太平洋の「軍事バランスは米国にとって不利になっている」。中国が軍事拠点化を進める南中国海については、「2030年までには事実上、中国の湖となる」と「警告」し、その根拠として、30年までに中国が複数の空母打撃群を保有する可能性があり、「米国にとってのメキシコ湾やカリブ海のように、南中国海が事実上、中国の湖となる」。将来的には米海軍を脅かす可能性を指摘し、中国の台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発など好戦的態度を含む多様な挑戦に対処する必要があるだろうと述べ、米国はアジア太平洋地域にさらなる軍事力を投入する必要がある、としている。

また同「報告書」は、中国を念頭に、巡航ミサイルや弾道ミサイル攻撃に対する米空軍嘉手納基地や韓国とグアムのアンダーセン空軍基地など計4ヶ所の主要空軍基地がミサイル攻撃に脆弱で、「これらの基地が紛争の初期段階で機能不全に陥れば、空軍は戦闘能力」失うと分析。フィリピンやオーストラリアに飛行場を新設するなどリスク分散の必要性をも主張し、韓国への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備と東アジア・太平洋地域での空母2隻体制体制、同地域での米軍の駐留拡大、同盟国・友好国との連携強化などを米帝に勧告する内容になっている。空母追加配備先の候補地として米軍横須賀基地をあげている。

p0043_01_01b

(写真 米戦略爆撃機、上からB52、B1、B2のグアムへの同時配備は初)

東北アジアを最火点に世界恐慌が世界戦争情勢に突入

米シンクタンクのランド研究所が「米中戦争」はありうるという報告書を出した。この検証レポートは、米陸軍が「ランド研究所」に委託し、7月末に作成を終えた報告書である。同報告書は2025年までの米中関係を予測し、「米中戦争の可能性」について次のように述べている。

「米中両国は軍事的な対決や衝突につながりうる地域紛争での対立案件を抱えている。そしてそれら地域周辺に両国とも大規模な軍事力を配備している。このため偶発的な衝突や危機が深くなった際には、両国いずれにとっても、攻撃される前に攻撃に出ることへの動機が強く存在する。現実に両国は陸海空、宇宙、サイバー空間などの広大な領域で戦闘をするのに必要な兵力、技術、工業力、要員を十分に保有している」。だから「米中戦争」は「大規模で代償の大きい戦闘も含め」、単に「考えられる」というだけでなく、「実際」に起きる「可能性」があると明記している。
そして軍事バランスとしては、2025年にいたる早い時点で戦争が開始されれば米帝に有利であり、25年に近づく時点で戦争が開始されれば中国が有利になるという分析を出している。そして東北アジア地域での「米中戦争」の米帝有利の条件としては、日帝の参戦が組み込まれている。
又、同報告書は、「米中戦争」の突入は、(1)東中国海の釣魚台(尖閣諸島)などをめぐる日中両国の軍事摩擦。
(2)南中国海での中国のフィリピンやベトナムへの軍事威圧。
(3)北朝鮮の政権崩壊による米中双方の朝鮮半島軍事介入。
(4)中国の台湾に対する軍事的な攻撃あるいは威嚇。
(5)排他的経済水域(EEZ)やその上空での艦艇、航空機の事故的な被害などを挙げている。

今回の報告書とは別に昨年ランド研究所は、北朝鮮が体制崩壊した場合、米軍は15万人を追加派兵する必要に迫られるという報告書をまとめている。これは在韓米軍の約5倍にあたる規模だ。同報告書は、「世界各地の紛争」を取り上げ、北朝鮮については韓国に対する戦争の開始と、金正恩体制の崩壊の二つのシナリオで軍事的な対応を分析し、米軍は「核兵器などの大量破壊兵器の国外流出を防ぐ」ことが最大の任務になるとしている。南北境界線から60キロのソウルへの集中砲火と大量破壊兵器の脅威を抑え込むには北朝鮮国内のミサイル拠点の制圧が前提となる。だがこの地上部隊の前進には時間がかかり、必要な米陸軍の兵力はイラク戦争時と同規模の18万8000人に達すると試算している。米韓の「作戦計画5015」は北朝鮮への核先制攻撃を柱にしている。

誤解を恐れずにいえば、これらはすべて現実的な可能性を秘めている。だが何よりも米中戦争の可能性は、朝鮮半島とアジアー全世界での労働者階級の「革命と内乱」の爆発という階級闘争・革命戦争の爆発を圧殺・解体する攻撃として朝鮮戦争、米中戦争ー世界戦争が開始されるということである。いずれにせよ米議会・米陸軍がこのような検証レポートの委託を行なわざるを得ないということ自体が、米帝の没落と世界恐慌が世界戦争(世界核戦争)への切迫性を激しく加速させている現実を示しているということだ。
これらに対する労働者階級の回答は、ゼネスト・プロレタリア革命であり、国際連帯・国際反戦と世界単一の労働者党の建設である。

===========================================

 B52墜落で核弾頭が爆発寸前に

2016年5月19日、グアム・アンダーセン空軍基地でB52が離陸に失敗し、墜落・炎上した。乗員7名は無事。同型機は2008年にもグアム近くで墜落。この時は乗員6名が死亡した。また2013年に情報公開法で明らかになった事実として、1961年1月23日、ノースカロライナ州ゴールズボロの空軍基地を飛び立ったB52が空中できりもみ状態となり墜落している。墜落で水爆2個が落下、うち1個の起爆装置が作動し、4つの安全装置のうち3つまでが解除され、最後のスイッチが残り、かろうじて爆発を免れた。この水爆は広島型原爆260個分に当たる4メガトンの威力、実際に爆発すれば、死の灰が首都ワシントン、フィラデルフィア、ニューヨークなど大都市まで及び、数百万人の命が危険にさらされた。報告書は、エネルギー省が管轄するサンディア国立研究所の核兵器の安全管理を専門とする技術者が事故の8年後に作成している。老朽化したB52の墜落の危険性が高まり、現に墜落しているということだ。
冷戦時に製造した武器の老朽化の一方で、「新型核弾頭」と「核を越える」通常型新兵器の開発競争も激化している。中国は音速の5倍以上超高速ミサイルを開発(2014年)し、米軍は全世界を標的にした「非核攻撃ミサイル・CSM」を開発。約1万2640kmを45分で目標を破壊する。米海軍は音速の7倍、射程距離204キロのレール・ガンの艦艇配備にむけ着手している。(2015年)

===========================================

北朝鮮・金正恩体制の危機が爆破

今年に入り北朝鮮の外交官10人近くが亡命している。06年から今年9月までに計5回の核実験を行い、今年3月に国連安保理が北朝鮮への制裁強化決議の採択以降、ミサイルの発射は20発を超える。
8月24日の日米韓外相会談に合わせて発射された潜水艦弾道ミサイル(SLBM)、9月5日、G20開催に合わせて同時に発射された3発のノドン中距離弾道ミサイルはいずれも目標に達し、北朝鮮のミサイル技術のレベルは、日韓全域を射程内入れるところにまで到達しているのは事実であろう。北朝鮮労働者の犠牲の上に成立している北朝鮮・金正恩体制がいかなる形であれ崩壊するのは不可避である。
北朝鮮の崩壊それ自体が、米日韓による内乱鎮圧の朝鮮戦争として爆発するのも不可避であるが、なんとしても朝鮮戦争を阻止しなければ朝鮮半島と東北アジアが核戦争の戦火に包まれることになる。
米帝オバマの「核先制不使用宣言」のペテン性もすでに破産している。帝国主義間・大国間の軍事力のバランスが均衡化すればす核先制攻撃の衝動は絶望的に高まる。核を抑え込むための核先制攻撃。帝国主義戦争の持つ矛盾だ。それが帝国主義だ。だから打倒しなければならない。

p0043_01_01c

(写真 2016年米韓合同演習「キー・リゾルフ」「フォール・イーグル」は、3月7日から4月末ま過去最大の演習として強行された。「作戦計画5015」が初めて実戦的に適用された演習として行われ、豪、ニュージランドも参加。韓国軍は約半数の30万人が参加。左の2名は米兵。自衛隊はこの演習と一体で日米共同指揮演習「キーン・エッジ」を実施)

在韓米軍がソウル南方へ移動
米軍岩国基地へF-35配備

米軍は2014年の「新国防戦略」で2020年までに米海軍艦船の6割をアジア・太平洋地域に重点配備する方針を出している。 米海軍横須賀基地では2015年にイージス艦2隻が追加配備され、2017年までにさらに1隻が追加され、横須賀基地は計14隻態勢となる。唯一の「前方展開空母レーガン」に加え、前述の横須賀への空母2隻体制に関しても、米連邦議会での公聴会も行われている。
米国防総省は朝・中情勢ー東北アジアでの核戦争に備え、現行のFA18戦闘攻撃機、AV8ハリアー垂直離着陸機と代えて、米軍岩国基地に垂直離着陸が可能な海兵隊仕様のステルス戦闘機F35を16機配備する。2017年1月に10機、8月に6機の配備が決定している。同機は奇襲上陸に用いる強襲揚陸艦への搭載可能の攻撃機である。 また米軍再編で岩国基地には厚木基地から空母艦載機59機も移駐する。

在韓米軍司令部と主力部隊がソウル南方・平沢(ピョンテク)に移動

米国防総省は、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備にからみ在韓米軍司令部と在韓米主力部隊をソウル南方の平沢に移動させた。これは朝鮮戦争情勢に対応した在韓米軍防衛の動きである。平沢には在韓米軍の軍港がある。

米韓が8月22日~9月2日まで、「北朝鮮の総攻撃を想定した軍事演習」として米軍2万5000人、韓国軍5万が参加した米韓合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」を強行した。北朝鮮はこれにミサイル発射と「核先制攻撃発言」「核弾頭の爆発実験」で激しく対抗している。
米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は8月24日、「このまま北朝鮮が開発を続ければ2020年までにSLBMを実戦配備し、日本以遠を射程に入れた攻撃能力を北朝鮮が手にする可能性がある」との分析を出し、今回のSLBM発射実験が約500キロ飛行したことにより「韓国のほぼ全域を射程に入れる初期的な能力を示した」との見解を出している。
韓国軍合同参謀本部は、その後の調査として発射されたSLBMの「飛距離は最大2000キロ以上に達する」と発表している。」
北朝鮮は8月3日にも中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キロ)を発射。約1000キロ飛行し、秋田県・男鹿半島の西約250キロの「排他的経済水域(EEZ)」に弾頭部分が落下したと防衛省が発表。高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備が決定しているが、朝鮮戦争切迫情勢を加速させているのが米日韓である。

p0043_01_01d

(写真 強襲上陸は「煙幕弾」「発煙弾」を一斉に発射して強行される)

THAADは SLBMには無力なミサイル

米軍をはじめ戦争の戦略的兵器は、戦略爆撃機、空母、潜水艦である。爆撃機と空母は護衛群が必要だが潜水艦は単独で行動できる強力な戦略的兵器である。
韓国政府は、「潜水艦は水中に入れば発見しにくく、存在自体が脅威の戦略的武器」、「ここに(核)弾道ミサイルを搭載する場合、いつ、どこから発射するか分からないため、対応できずに攻撃を受けるかもしれない」「米国の原潜1隻が持つ戦略的価値は、広島に落ちた核爆弾の1000倍を超える」とし、「北がまだ核を小型化したという証拠はないが、潜水艦に核兵器を搭載できる状況になれば、我々は核を頭にのせて暮らすのではなく、核をポケットに入れて過ごす状況になる」と危機感を表している。

さらに重大な問題はSLBMを防ぐための適切な対応策がないという点である。韓国は北朝鮮のミサイル発射の兆候を事前に把握して基地を先制攻撃する「キルチェーン」を数兆ウォンかけて開発している。またミサイルが発射された場合、迎撃する韓国型ミサイル防衛(KAMD)体系も構築している。しかし潜水艦での攻撃の場合は、接近したころから迅速な攻撃が可能であり、兆候の事前把握と先制攻撃が難しく迎撃時間も不足する。韓国は北朝鮮のSLBMにもキルチェーンを適用するとしているが現実問題としては困難であろう。そしてまたKAMDシステムが構築され、THAAD体系を米軍が整え韓国に配備しても全て迎撃できるということではない。 90~91年の湾岸戦争では、イラクがサウジアラビアの米軍基地やイスラエルに向けて発射した短距離ミサイル・スカッドをDSP衛星(米軍の早期警戒衛星)が探知することはできた。しかし、高速で落下してくるスカッドのうち、迎撃用のパトリオットミサイルで捕捉できたのは4分の1程度でしかない。打ち漏らした残り4分の3で甚大な打撃を被っている。
そもそもTHAADは大気圏外での交戦に特化しており、低高度での弾道ミサイル、あるいは通常航空機との交戦は、PAC3など、従来型のHIMAD(高中高度防空)用ミサイル・システムに任せているのである。そのPACミサイルの迎撃率も前記のとおりで、非常に低いのが現実である。
北朝鮮の第5回目の核実験後、米帝は戦略爆撃機B1B2機の韓国派遣を決定し、韓国軍は有事の際、金正恩ら幹部指揮所を直接攻撃する作戦を公表した。要するに「作戦計画5015」の先制攻撃である。

p0043_01_01e

(上図は、車力と経ヶ峰に配備されているXバンドレーダーが、ハワイ、グアム防衛であることが分かる。つまり沖縄・南西拠点配備のX バンドが沖縄在日米軍の防衛、韓国配備のSHAAD/Xバンドレーダーが在韓米軍と米本土防衛であることが分かる)

THAADの韓国配備や在韓米軍司令部と主力部隊のソウル南方・平沢への移動とは、東北アジアでの戦争(核戦争)を想定したグアム基地の防衛と在韓米軍、在日米軍の防衛を戦略的課題とし、THAADとセットで配備されるXバンドレーダーで中国の軍事力を掌握するという狙いである。
PAC3の射程距離は約20㎞、THAADの有効射程距離は約200㎞、イージス艦搭載のSM3の最高高度は500㎞で行動距離は1200㎞である。これらに対しXバンドレーダーは1000㎞以上の探知能力を持ち発射された弾道ミサイルの追跡・迎撃ミサイルの中間誘導も合わせて行う。
1000㎞以上の探知能力は、中国人民解放軍のミサイル軍には脅威となる。
日本の青森(米軍車力通信所)と京都(米軍経ケ岬通信所)に配備されているXバンドレーダーは、ハワイ、グアムの米軍基地に向け発射されるミサイル探知である。日本防衛ではないということである。韓国へのSHAADミサイル配備は、北朝鮮ミサイルを口実とした中国人民解放軍の米本土へのミサイル攻撃を想定し、その動向をレーダーで捕捉するのが主たる目的といえる。だからこそ中国・習近平がSHAADの韓国配備に激甚に反応しているのである。在韓米軍司令部と主力部隊のソウル南方への移動とは、在韓米軍がSHAADミサイル基地防衛に転換していることを示している。釣魚台(尖閣諸島)問題での南西拠点化とそれにともなうXバンドの沖縄配備は、在日沖縄米軍の防衛でもある。これらは同時に、朝鮮ー東北アジアー世界戦争の切迫情勢の現れであり、それへの対処でもある

核独占と新型核爆弾・運搬手段の開発で世界核戦争に突進する米帝

米帝は、戦後世界支配体制の崩壊と世界戦争の切迫情勢を核戦略の強化で突破を図っている。それが新型核弾頭と運搬手段の新開発だ。オバマの「核軍縮」は米帝の「核独占」であり、核先制攻撃である。米帝オバマの「核先制不使用宣言」のペテンもすでに破産した。
米帝が2015年に発表した「米国家軍事戦略(NMS)の核心は、「軍事力をどう行使して国益を守り、増進させるか」ということだ。「国益を守り、増進するため」の核軍事力である。戦前は「商船の後に軍船が続く」といわれていたのと同義だ。「国益」を守るためにどう米軍事力を強化するかが押し出されている。そして軍事力の核心が、「核抑止のための核戦力の維持・強化」であることを明記している。
だが核弾頭とその運搬手段は冷戦期につくられたものであり、老朽化する核弾頭の性能維持とICBMの性能維持には膨大な国家予算が必要となる。一方、戦争の民営化が米軍そのものを崩壊の危機に叩き込むだけではなく、米軍内で大量のPTSDを発症させている。さらに恐慌と国家財政の危機が米軍事力の削減を強制し、帝国主義軍隊としての崩壊の危機に米帝支配階級が追い込まれているのが現実である。
総じてNMSの核心である「アジア・太平洋戦略」の危機は拡大している。米帝の「2020年までに米海軍艦船の6割をアジア・太平洋に配備する」というリバランス戦略そのものが破産の危機に追い込まれている。
そこからも米帝の新型核弾頭と新運搬手段開発への衝動は限りなく高まっている。冷戦時代に巨大化した核爆弾に代わり、破壊力を広島型原爆の3倍~2%程度まで自在に「調節」し、「臨機応変に使用できる」新型核爆弾『B61―12』の開発と、従来の核攻撃型巡航ミサイル・トマホークの後継として、数千マイル離れた攻撃目標までレーダーを回避しながら、到達できる新型長距離巡航核ミサイル(LRSO)の導入だ。
さらに、こうした核兵器の開発に伴い、陸・海・空軍の核搭載可能な兵器(原子力潜水艦やステルス戦略爆撃機など)の新開発に30年間で1兆ドルを投じるとしている。既に見た米中戦争ー世界戦争情勢に対応した新兵器の開発だ。年平均で換算すれば330億ドル超の一大核軍拡戦略への転換である。オバマは2009年プラハ演説で「安全・確実で効果的な核兵器の備蓄」を宣言していた。「備蓄」とは、新型核弾頭と新型運搬手段の開発を意味する。

p0043_01_01f

世界核戦争と革命情勢の切迫

2015年7月1日、米NNSA(米国家安全保障局)と米空軍は合同で新型核爆弾「B61ー12」の飛行と投下実験をネバタ州の砂漠で行い、「実際に近い飛行条件の中、実験は成功した」と発表した。「ネリス空軍基地を出発した米空軍機F15Eが投下し、遠隔計測や追跡装置、ビデオカメラからデータが取得された」としている。B61ー12は、2012年からF35ライトニングⅡ(※10月、空自に一機引き渡されるのと同型機)への搭載を可能にし、兵器の正確性を増すために「新たな誘導装置の開発」が進められていた。2014年2月に国家核安全保障局は、ロスアラモス国立研究所とサンディア国立研究所で臨界前核実験を行い、実験は成功したと発表していた。配備への実験が行われているということだ。
進行している事態は、新自由主義・帝国主義の総破産と戦後世界体制の崩壊が朝鮮戦争の切迫情勢を加速させながら、東北アジアを軸に世界核戦争への危機を高めているということだ。英帝のEU離脱と帝国主義国家体制の崩壊は、EU解体と戦後世界体制の最後的崩壊として、「戦争と革命」情勢を激しく突き出している。
米欧・ロ対立が激化するなか、トルコ軍が米帝主導の有志連合と共同でシリア北部ジャランブルスへ地上侵攻の越境作戦を開始した。すでに地上戦でトルコ兵3名が死亡している(9・6時点)。
中東・アフリカ情勢は三つ巴、四つ巴の矛盾と利害対立が激化し、米帝の中東支配は完全に崩壊している。米帝は対ISとの「非対称戦争」にも正面から対応できないところにまで没落し、崩壊している。これは革命情勢の接近である
他方、トルコ軍のクーデー未遂後の非常事態宣言と労組解体攻撃の中で、トルコ労働者階級は国内治安弾圧との闘いに突入している。トルコの階級闘争はすでにドイツ国内に波及し、爆発している。
11・6―11・12日韓100万決起と国際連帯の強化で、世界戦争情勢をプロレタリア世界革命に転化する革命情勢である。主体の危機を突破し、何としても国際連帯の強化と世界単一の労働者党建設への歴史的兆戦を開始しよう!

戦争法の全面運用 実動訓練を開始した安倍政権打倒へ!

8月24日、安倍政権は安保関連法に基づく「実動訓練の全面的実施」を宣言した。安倍は参院選後、改憲と戦争法(武力攻撃事態法・重要影響事態法・国際平和支援法・PKO協力法・自衛隊法)の全面実動化へと舵を切った。戦争法に基づく実動訓練とは、文字通り自衛隊の「帝国主義侵略軍隊化」への転換を意味する。11月中旬以降、南スーダンPKOに派遣する部隊に武器使用の「任務を付与」し、「いかなる場合(※事態)にも対応できるよう準備し、さまざまな任務能力を高めていく」(稲田)として、集団的自衛権の全面的行使への具体的行動を、公然と開始した。 稲田は、11月派遣の陸自部隊(東北方面隊の第9師団・青森市)に8月25日から訓練を開始し、9月以降、各部隊に本格的実動訓練に移行することを表明している。「駆けつけ警護」「宿営地の共同防護」訓練としているが、実態は「存立危機事態」に対応する戦争法の全面的運用の開始だ。これは改憲と戦争の全面的先取りである。同時に労働法制解体、労組解体、階級戦争宣言である。河野統幕長は、記者会で「訓練・教育の最重視」は「武器使用である」とあからさまに表明している。
だが、自衛隊の全部隊での「議論は煮詰まらず」(自衛隊幹部)、隊内矛盾の激化は拡大している。隊内では「防衛出動拒否」訴訟を含む激しい流動と分岐がすでに開始されている。

p0043_01_01g

(写真 9・4 防災訓練に陸上自衛隊の「偵察部隊とオートバイ」が空自と共に配置【水元公園】)

「集団的自衛権の行使」「後方支援の拡大」とは、戦場での殺し合い

今後、各部隊では、それぞれの判断で実動訓練が実施される。防衛省は、10月以降に予定されている日米統合実動演習「キーン・ソード」や方面隊指揮所演習「ヤマサクラ」でも集団的自衛権の行使に適合するシナリオと訓練を実施することを明らかにした。

日米は、昨年の新ガイドラインで「同盟調整メカニズム(ACM)」を常設設置し、本年1月12日から2月2日まで、同ACMのもとで初の日米共同指揮所演習(CPX)「キーン・エッジ」を実施した。 この訓練は、日米共同対処の指揮幕僚活動の実施の他、特に「各種存立危機事態」に対する日米同盟の強化、日米韓協力の強化をベースに集団的自衛権の行使に必要な調整要領に焦点を当てた実動指揮所訓練として行われた。要するに戦争法成立下、施行前にすでに日米共同統合運用能力の検証と維持・向上を目的にした実動訓練がすでに開始されている。
この「キーン・エッジ」に防衛省からは、河野統幕長を統裁官に、内局、統幕、陸海空の各幕僚、情報本部をはじめ、陸自が各方面隊、中央即応集団、通信団、警務隊、各学校、中央病院、補給統制本部など。海自は自艦隊、各地方隊、システム通信隊群、補給本部など。空自は航空総隊、支援集団、教育集団、航空システム通信隊、補給本部などから計約7000人が参加、他に内閣官房や外務省職員も訓練に参加する国家総動員体制の実動統合訓練として行われている。
米国防総省からは、在日米軍司令官のジョン・ドーラン空軍中将を統裁官に、太平洋軍司令部、在日米軍司令部、在日陸海空、海兵隊などから約600人が参加。そして3月7日~4月30日に過去最大規模で実施された米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」と野外機動訓練「フォール・イーグル」を見据えながら、史上最大の米韓合同軍事演習と一体的に実動演習が行われているということである。
国内での日米共同統合演習は、指揮所演習の「キーン・エッジ」と実動演習の「キーン・ソード」が毎年交互に行われている。新ガイドラインと戦争法成立・施行下、「訓練の実戦化」と「自衛隊の帝国主義軍隊化」、「改憲」が一気に、公然と激しく促進されているということだ。10月の「キーン・ソード」では、11月南スーダンPKOでの「駆け付け警護」の任務付与以前に全部隊で「集団的自衛権の行使」の実動訓練が公然と開始される。朝鮮半島上陸を見据えた陸自西部方面隊はグアム・米本土などでの強襲揚陸訓練が(「陸自の海兵隊化」)行われて来たが、今後は公然と日米韓一体で激化するということである。それは同時に隊内矛盾の激化と兵士の反乱を不可避とする情勢に突入するということだ。

ミサイル撃墜命令の常態化は「非常事態宣言」と「宣戦布告」

戦争法では集団的自衛権を行使できる事態を「存立危機事態」と定義している。言い換えれば国家安全保障会議(NSC)が「存立危機事態」と「判断」すれば、国会審議もなく地球上のどこにでも集団的自衛権の行使が可能となり、後方支援の拡大を口実にした集団的自衛権の行使が可能となる構造になっている。また「邦人救出」や「任務遂行目的」という口実で武器使用も無制限に拡大されている。戦場での「任務遂行」とは「殺し合い」である。朝鮮戦争切迫情勢下、NSCの「判断」ひとつで朝鮮半島への侵略上陸作戦が可能となる。強襲上陸実動訓練が国内でも公々然と本格化するということだ。

北朝鮮ミサイルの「常時撃墜命令」は戦時体制構築に向けた事実上の「非常事態宣言」であると同時に北朝鮮への「宣戦布告」そのものだ。徹底的に弾劾しなければならない。
「常時撃墜命令」は、すでに24時間体制でイージス艦とPAC3が臨戦態勢で配備されているということ。それは同時に陸海空自が統合指揮と統合運用ですでに事実上の有事・戦時体制が敷かれていることを意味している。「3ヶ月間の撃墜命令」は、フランスやトルコの「非常事態宣言」の延長と同様に3ヶ月毎に延長される。文字通りの24時間365日の戦時体制の常時構築を意味する。安倍政権はすでに朝鮮半島での有事対応に事実上、突入しているということである。

戦時下の防災訓練として 自治体労働者など約100万人を動員

8・15では「対テロ対策」として靖国を中心に都下、厳戒態勢が敷かれた。9月防災訓練が「南海トラフの巨大地震」の「想定」を口実に8月21日から9月11日の期間、警察庁ー警視庁・自衛隊・消防庁を先頭に国土交通省・警備業協会・港湾局・都市整備局・気象庁・生活協同組合・地質業協会・東電・東京ガス・日本郵政・石油連盟・日本赤十字・防災救助犬協会・清涼飲料工業会・医師会などが総動員され、36都道府県で約100万人が動員されて行われた。 医療訓練では「戦時トリアージ」ともいうべき「軽症者」「中等症者」「重症者」など各エリアへの分類訓練が行われ、医師不足による「診療待機」も訓練として行われていた。日本は世界で唯一、①黒(カテゴリー0・死亡群、死亡又は救命の見込がないもの)、②赤(同Ⅰ・最優先治療群、生命に関わる重篤な状態)、③黄(同Ⅱ・待機的治療群、、赤ほどではないが早期に処置をすべきもの)、④緑(同Ⅲ・保留群、処置や搬送の必要のないもの)の4分類の書式が規格として統一させている国である。通常①と②の治療が最優先されなければならないのが道理であるが、戦時・戦場医療では、戦力の再投入が可能な④→③が優先的に治療され、②→①は、放置もしくは可能であれば後方移送される。
2016年の「防災訓練」の特徴は、住民を各地区別に分け、戦争法施行下の戦時動員訓練として行われたということだ。
各市町村の警察官や消防隊員・団員などを対象とした120万人予備自衛官制度の提言も既に出されている。安倍改造内閣、稲田、小池の下、国家総動員体制は戦争法と一体で動き出している。国家安全保障会議(NSC)は、2020年オリンピック、「対テロ対策」を口実に、そして防災訓練では、南海トラフ巨大地震」で、「緊急事態」を発令し、「「戦争法」のもとで改憲を先取りする攻撃に打って出ている。
安倍は戦争法施行と一体で、闘争圧殺と組織解体攻撃法=「テロ等組織犯罪準備罪」(共謀罪)の早期成立を目論んでいる。11月日韓100万決起で安倍を根底から打倒するということだ。

11・6ー11・12、日韓100万決起で戦争絶対反対の怒りを爆発させ、隊内からの反乱を引き出そう!。 戦争は階級的労働運動の前進と戦争絶対阻止のゼネスト、国際反戦闘争と兵士の労働者党への結集で阻止することができる。隊内に労働者党を建設し、労働者・兵士との団結をなんとしても勝ち取り、強化を推し進めよう!

p0043_01_01h

(写真 住民の反対と怒りに追い詰められた安倍政権は、沖縄・高江ヘリパッド3ヵ所の建設強行に向け、陸自が「CH47大型輸送ヘリ」で建設重機の空輸を13日に行い、民間ヘリを動員した軽重機の空輸も開始、警察車両で作業員の輸送に県民の怒りがますます爆発している】)

「天皇メッセージ」は改憲と「天皇の軍隊」を目指す武装反革命

7・26相模原事件、8・3安倍第3次改造内閣、8・8天皇メッセージはすべて連動し、一体の攻撃である。「天皇メッセージ」は戦争と改憲攻撃として、そして究極的には「自衛隊の『帝国主義軍隊化―天皇の軍隊』化」攻撃への水路である。徹底的に弾劾しなければならない。
「天皇メッセージ」は、女性継承問題も含め天皇が1年間準備してきたという背景には、天皇自身が2015年~16年安保国会決戦の爆発に恐怖し、労働者、学生の非和解の決起にプロレタリア革命の現実性を見たからである。
天皇・アキヒトは、新自由主義の総破産と戦後体制の崩壊が戦争と革命情勢を生み出し、天皇制崩壊の現実性に震え上がり、革命を圧殺する反革命として登場した。それが「天皇メッセージ」である。「国民統合」の天皇・天皇制イデオロギーの存続を呼号し、「国民」を戦争に総動員する反革命として階級闘争の前面に登場したということだ。革命への恐怖と反革命性の表れが「国民の統合」「国民の象徴天皇」という政治的登場だ。

安保関連法下の「自衛隊の帝国主義軍隊」化とは、すなわち戦前の「天皇の軍隊」化に必ず行き着く。アキヒトの「ビデオ・メッセージ」は「戦争と改憲」に「国民を総動員」し、自衛隊兵士を「天皇の軍隊」のもとに組み伏せるための攻撃そのものとして弾劾しなければならない。天皇を階級戦争の前面に引きずり出さなければならないところにまで安倍政権の危機は深まっているということだが、ここでは、「職業軍人(非任期制自衛官)」としての「自衛隊の現体制」について確認することが重要であろう。

自衛隊の現員数と階級構成

(一)「幹部」・定員4万5396人(現員・4万2544人、充足率93・7%)。
(二)「准尉」・定員4877人(現員・4517人、充足率92・6%)。
(三)「曹」・定員14万461人(現員・13万7603人、充足率98・0%)。
(四)「士」・定員5万6426人、内、任期制の現員は2万2708人で非任期制と合わせた充足率は74・6%)となっている(2015年版防衛白書)。
要するに、総定員・24万7160人とところ、総現員・22万6742人で、充足率は91・7%。現員22万6742人の内、いわゆる非正規職に当たる「任期制兵士」はわずか2万2708人である。20万4034人が定年制の「職業軍人」といえる。
ここでいう幹部とは3尉(旧帝国主義軍隊では少尉)以上の「階級」で、4万2544人(定員4万5396人)である。要するに徴兵制が敷かれた場合、この幹部らが戦場で指揮官となり、曹クラス約14万5000人が部隊任務の中核を形成するものとして戦後一貫してつくられてきた。
戦後の自衛隊は、本質的に「戦前の帝国主義軍隊」つまり「天皇の軍隊」としての「精神」が幕僚監部と幹部クラスの中には隠然と継承されている。戦後憲法9条に対する右からのクーデター的衝動に突き動かされてきたのが幕僚監部と幹部らである。田母神もその一人だ。
だから「訓練」と称する「しごき=いじめ」による隊内暴力と兵士のPTSDなどの発症や自殺が後を絶たないのだ。

p0043_01_01i

(写真 安倍政権は高江ヘリパッド工事強行のため、警察車両で、工事作業員を北部訓練場に輸送した。写真は2日、警察車両から降りてペリパッド建設現場に向かう作業員。極右安倍の凶暴化はここまで来ている。安倍政権は完全に追い詰められている)

安倍と天皇の野望は破綻する

結論から言えば、「天皇メッセージ」と日帝・安倍政権の危機突破の「野望」は破綻する。
なぜなら日本(沖縄)とアジアの全労働者階級人民は、天皇・天皇制イデオロギーの歴史的犯罪性、「天皇の軍隊」の歴史的な暴力的犯罪性・反労働者性において絶対的・非和解的に容認していない。第一次、第二次世界大戦で帝国主義と天皇・天皇制イデオロギーが果たした歴史的犯罪性は未来永劫・労働者階級人民から忘れ去られることはないのだ。
帝国主義と労働者階級、言い換えれば1%のブルジョアジーと99%のプロレタリアートは非和解である。戦争絶対反対、改憲絶対反対は、天皇・天皇制打倒、日帝・安倍政権打倒、パク・クネ政権打倒、オバマ打倒である。これが日米韓労働者階級の回答であり、実践である。自衛隊兵士・家族も戦争絶対反対であり、防衛出動・治安出動反対・拒否である。そもそも兵士は「軍服を着た労働者」だ。兵士は1%が延命するための侵略戦争に家族とともに断固反対し、戦争協力の動員・派兵を断固拒否している。それが労働者階級と兵士である。

沖縄での階級激突・階級戦争をゼネストで勝利しよう!

戦争か、革命か!
安倍政権は朝鮮戦争の切迫情勢とプロレタリア革命への恐怖に突き動かされ、凶暴な国家暴力をなりふり構わずに振りかざしている。 安倍政権は辺野古基地建設絶対反対に対する報復として2017年度沖縄振興予算の今年度当初予算比約140億円を減額し、高江ヘリパッド建設反対闘争へ警察機動隊を導入し、問答模様の暴力的排除、不当逮捕を激化させている。
沖縄県民の米軍と米軍基地への怒り、安倍政権への怒り、天皇と「天皇の軍隊」への怒りは不退転で非和解である。安倍がいかなる国家暴力の発動と弾圧、経済的締め付け攻撃をもってしても沖縄県民の戦争と軍隊への階級的怒りはより巨大になることはあっても安倍政権ごときの国家暴力の前に屈することは断じてない。

p0043_01_01j

(写真 階級闘争は、革命的暴力と反革命暴力との血を流す激突の歴史である。米軍の銃剣と対峙する沖縄・労働者の不屈の戦いは引き継がれている)

安倍政権は墓穴を掘った! 戦えば勝てる!

日米帝国主義は辺野古基地とともに高江ヘリパッド3ヵ所建設に絶望的に追い込まれている。陸自ヘリを動員した建設重機の空輸、警察車両による建設作業員の輸送、習志野第一空挺団の反対闘争現地での調査活動も暴露されている。 警察機動隊の国家暴力と厳戒体制をもってしても沖縄県民の闘いと安倍政権への怒りを抑え込むことが不可能であることを全世界に示している。陸自へりや民間ヘリを動員した建設資材の搬入という事態、警察車両で作業員を輸送しなければ成り立たないという事態、沖縄反対闘争現地への習志野中央即応集団や情報保全隊の派遣事態そのものが安倍政権の脆弱性と破綻を全世界に示している。

労働者階級は、闘えば、必ず、勝利する。反動政治・極右安倍を倒す力が労働者階級の不屈・非妥協の力だ。国家権力の暴力や武装反革命の暴力に屈しない闘いと怒り、非和解の精神が極右反動政治を倒す根源的力である。安倍政権の反動政治と改憲・戦争政治へ怒り、社会の真の主人公である労働者階級の誇りと共同性をひとつの団結にしてそれを巨大な力に発展させ、安倍やパク・クネ、オバマを打倒する力に転化する力が社会を動かしている労働者階級の力であり、革命の力である。
世界の労働者階級には、固有の領土も、国境もない。民族や人種を超えた国際連帯で唯一、結びつくことができる階級が労働者階級だ。労働で社会を動かし、したがって社会の主人公である99%の労働者に世界を変革する力がある。したがってまた国際連帯の力で、世界を労働者階級の社会に変革する力は労働者階級にしか出来ないのだ。世界単一の労働者階級が世界単一の労働者の党建設という壮大な挑戦に勝利する力がプロレタリア世界革命の力である。
日本・沖縄の労働者階級人民は、国家暴力で戦争と改憲に突き進む安倍を徹底的に打倒する。
中国の労働者階級人民は、習近平中国スターリン主義を、必ず、打倒する。
韓国の労働者階級人民は、パク・クネを怒りで打倒する。
アメリカの労働者階級人民は、オバマと次期大統領を打倒する。
これが労働者階級の国際連帯だ。唯一、国際連帯で力を発揮できる存在が世界単一の労働者階級だ。

基地労働者の総決起、非正規労働者の総決起で沖縄ゼネストをぶち抜き、階級的労働運動の前進で米軍基地全面撤去!安倍打倒へ! 11・6ー11・12日韓100万決起で安倍を倒し、ゼネストと国際反戦闘争の国際共同行動で朝鮮・東北アジア戦争を絶対阻止する!
戦争への突入は労組解体と革命の圧殺の上で成立する。階級的労働運動の前進とゼネストで戦争を阻止する力が革命である。それは非和解の激突である。安倍打倒へ職場拠点建設へ総進撃しよう!

p0043_01_01k

(写真 「パク・クネを倒すまで闘う!」韓国民主労総のゼネスト)

今こそ、反軍闘争の前進を!

戦争と革命の時代は国家権力の暴力に打ち勝つ時代

帝国主義の危機と革命の時代は、革命党・革命運動、労組・階級闘争の解体攻撃が不可避に激化する。 革命と反革命の激突は非和解の階級戦争である。朝鮮戦争と世界戦争の切迫情勢の加速に比例して日帝・安倍政権は凶暴化し、非合法・非公然組織の解体攻撃も激化する。この攻防戦の激化を改めて見据え、勝利し続けることが革命運動・階級的労働運動の前進を根底で保障する。これは戦争と革命が真っ向から問われる情勢に突入している時代の革命党・革命運動の絶対的課題である。
安倍政権がいう「存立事態」と、か、「緊急事態」という情勢規定の時代情勢では、闘う労働組合への解散命令=非合法化攻撃が襲い掛かることは充分に見据えておかなければならない。
世界戦争(核戦争)は人類を破滅と地獄の底に叩き込む暴力である。革命は労働者階級と全人類の未来を解放する革命的暴力である。仮に労働者が暴力を否定し、平和的運動を求めたしても、帝国主義国家権力は国家暴力のすべてを動員して労働者市民の闘いに襲い掛かる。国家暴力と革命的暴力が真っ向から激突し、この死闘戦に勝利した方が「戦争か、革命か」の切り札を手にすることができる。
言うまでもなく帝国主義の国家暴力を粉砕する暴力を革命運動が直ちにつかむことはできない。安倍政権、極右反動勢力、日共スターリン主義などの密集した反革命暴力と非和解・不屈に対峙し、これを労働者階級の団結力、組織力で着実に粉砕して前進する力が革命的暴力である。
この堅忍不抜の前進の蓄積が職場・地域での労働者大衆と結合し、1000万と結合できる力である。プロレタリアートの能力である。ゼネストも労働者階級の非和解の革命的暴力である。戦争を拒否し、戦争を阻止し、革命に転化する闘いは、労働者の自己解放への闘いである。
階級戦争は、本質的にも現実的にも反革命暴力と革命的暴力との激突を避けて通れない。特に戦争と革命の時代は、この激突が不可避に激化する。むしろこれから本格化する。労働者階級がその激突を回避した時、一気に体制内化し、敗北の道に入り込む。困難でも、大変でも、勇気を奮い起こし、労働者階級の団結と国際連帯の強化で勝つしかないのだ。
そして今ひとつ、労働者階級の自己解放的決起としての革命を勝利に導くためには、兵士・家族との団結、結合、組織化が不可欠であるということだ。

労組権力の奪取と兵士の組織化・団結を

来年はロシア革命100年を迎える。1917年ロシア革命の勝利は、1905年ロシア革命の敗北を総括したレーニン率いるボルシェヴキが労働組合の建設・労働組合での権力奪取と軍隊内に労働者党建設の闘いを困難でも、粘り強く推し進めた結果である。

「兵士は軍服を着た労働者」である。そして兵士との団結は職場の労働者と団結する力の中にある。
兵士と団結し、兵士の革命への自己解放的決起と結びつく絶好の情勢が到来している。
自衛隊の内部ではすでに激烈な流動と分岐が始まっている。戦後憲法下の自衛隊の在り方が根底から転換されようとしている。戦争法の全面施行と行動原理の根底的転換は、兵士と家族に「死の強制」として襲い掛かり、人間否定と自己否定の極限的矛盾のなかに全兵士・家族が叩き込まれている。安倍政権が兵士と家族にそれを強制しているのだ!
「1%のための戦争を強制する安倍政権を、労働者と団結し隊内からの決起で打倒しよう」という呼びかけが、今こそ必要である。 あらゆる水路を通して兵士に労働者との団結を呼びかけ、国際連帯を呼びかけ、「ゼネストで革命」を呼びかけ、兵士と団結する目的意識的な闘いが強烈に求められているということだ。
日帝安倍政権に延命の道はない。東北アジアはプロレタリア革命情勢と革命のチャンスであると同時に、繰り返すが兵士と結びつく最大・最高のチャンである。
11月国際連帯と日韓100万決起で安倍とパク・クネ打倒へ攻め上ろう!その全過程が兵士と結びつくチャンスの過程である。
この実践のなかに反軍闘争の巨大な前進がある。階級的労働運動の前進ー拠点建設の前進と一体で反軍闘争の前進を闘い取ろう! 了

=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*

池田自衛隊裁判勝利へ

安倍政権打倒に向け、兵士・家族と労働者の団結を!

東海合同労組 小林丈仁

兵士の労働者階級のストライキと国際連帯への合流

世界中で労働者を使い捨ててきた資本家と安倍が、資源や勢力圏の奪い合いをかけて自衛隊を軍隊として戦場に送り込もうとしている!!
今の自衛隊は完全に戦時転換し、新防衛大臣稲田は、南スーダン増派を勝手に決めて実戦訓練の開始を命じたと報じられている。
軍服を着た労働者である自衛官は、戦後はじめて戦争する軍隊として「生きるか死ぬか」に直面させられている。「自衛隊内部の不信と不満」はかつてなく高まっている。池田自衛隊裁判を全国の労働組合が全力をあげて取り組みはじめたが、軍服を着た労働者である兵士が労働者階級のストライキと国際連帯のもとに続々と合流してくる時代が始まっているのだ。

非和解で闘う労働組合は、「国益」にはだまされないし屈しない

命を投げ出してでも守るべきもの、それはなにか?
1%の資本家の国益ではない、99%の労働者の階級的な団結である!!
今年に入って防衛出動義務の不存在確認訴訟が提訴されたが、
「俺たち自衛隊は命がけで何を守ろうとしているのか」という戦争目的への疑問が生じているのだ。違憲として最終的に撤退を余儀なくされたイラク派兵にあたっても、武装したアメリカ軍兵を戦場近くに空輸することに、「どういう大義名分があるのか」と現地の自衛隊内部からも批判が噴き出したことがあった。このとき航空自衛隊幹部は「日米安保を守ることが国益なのだ」として反乱を抑え込んだという。

現実の帝国主義とロシア・中国などの大国間での資源や市場の確保と自国の安全保障ということがそれぞれの国の「国益」であり、この国益を守るために「個別的自衛権は国家に固有のもの」して軍
隊の保有と交戦権が認められなければならないというのが、安倍や稲田ら帝国主義者の主張であり核武装まで安全保障上許されるとする極右と称される彼らが政権を握ったことは間違いない。
そしてこの国益や安全保障をめぐる軍事的対立と戦争的危機が目の前にあるのに、自衛権・交戦権を行使できない憲法9条の側に問題があるとして改憲を公然と掲げるにいたっている。

資本主義的支配を一個の秩序としてこれには手を触れないという体制内的な批判と運動では、絶対に決着しないところに敵は踏み込んできているのであり、そこまで資本家階級の支配の危機はどん詰まりだということだ。非和解で闘う労働組合は、「国益」にはだまされないし屈しない。戦争体制や戦争に「命」をかける自衛官はつくれないということだ!!
ここに支配階級としての資本家階級とは絶対に非和解の階級として労働者階級が生き抜き、未来を切りひらくために闘いと団結を拡大していく革命的な展望がある。どの国も1%の資本家と非和解に闘う労働組合を暴力的に解体する以外にないが、それを上回る非正規社会と核戦争への怒りがゼネストと国際連帯に向かってほとばしりはじめている。

p0043_16_01a

(写真 「イラク派兵は「非戦闘地域への派遣が条件」(小泉首相・当時)。だが「クウェート到着後のバス移動では、『隊員が乗っていると分かれば自爆攻撃にさらされる。カーテンを開けるな』と言われた」【池田さん】)
 (※写真は、中日新聞のインタビューで、自衛隊入隊時に暗証した「服務の宣誓」を指している池田さん)

池田自衛隊裁判強化と本格的な組織化に全国で踏みだそう!

この間の裁判つぶしの攻撃をはね返してきた池田自衛隊裁判は、池田さんの受けた全体的な打撃と損害について最終的な主張をまとめる段階に入ってきました。裁判では等級決定を低くおさえるために、供述などを捏造したものとの主張で事実関係を争うことになります。また、弁護団は池田さんの受けた精神的打撃について光をあて、パワハラ・退職強要とも絡み合った損害賠償責任を強く主張、立証していく方針です。

現在、池田さんが暴行を受けた警務隊記録の開示命令をめぐる攻防になっていますが、開示を拒んだ場合、これまでの原告側の主張が信憑性をもつことになります。その先、年内には、証人決定と尋問計画での攻防に入り、来年には公判が再開される見通しです。
池田さんの近況としては、組合事務所にきて勉強会をやれるのは周1回くらいですが、この中で池田さんからは仲間もさそって11月労働者集会に参加するよ、との話が出ています。動労千葉の田中委員長からも池田自衛隊裁判への賛同の約束をいただきました。
ゼネストと国際連帯で、戦争と非正規社会をとめる!パワハラ・退職強要と闘う池田自衛隊裁判の勝利は、自衛官の未来も切りひらきます。本格的な組織化に全国で踏み出すときです!!
池田自衛隊裁判勝利へ!さらなに労組の支援をお願いします。