会報 36号

第36号 2015年02月10日発行

  rise0036.PDF

「トモダチ作戦」被曝訴訟

決起した239人の米軍兵士・家族と連帯し
世界戦争へ突進する帝国主義を 打倒しよう

r0036_01_01a
(写真 2011年3月、福島第一原発の爆発で、防護服も着けず、空母「ロナルド・レーガン」の甲板から放射能を含んだ雪を洗い流し、除染作業に従事する米軍兵士)
—————————————————————-

米海軍兵士・家族の「トモダチ作戦」被曝訴訟に勝利しよう

3・11から4年。「トモダチ作戦」に動員され、福島第一原発の爆発事故直後、高線量の放射性物質の飛散直下で被曝した空母レーガン乗組員の米軍兵士239人が東電、GE、東芝、日立など4社を相手にした集団訴訟の口頭弁論が闘われている。
昨年4月には30代のヘリコプター整備士が骨膜肉腫で死亡し、9月には20代の兵士が白血病で死亡している。この家族も原告に加わっている。
また「トモダチ作戦」中に妊娠し、生後、幼児が「多発性遺伝子異変」と診断されている。この子ども原告の一人として加わっている。自衛官と福島県民の被曝実態と被曝県民の死亡が闇に閉ざされている中、米軍兵士の被曝実態を明らかにする闘いが始まっている。労働者・兵士の国際連帯を強化し、ともに闘い、勝利し、戦争に突進する安倍政権と帝国主義を打倒しよう。

r0036_02_01a

(写真 3月12日、福島第一原発1号機が爆発、直後にレーガンが三陸沖に到着)

爆発直下で被曝米兵士2名が死亡

米帝の「トモダチ作戦」は、3月12日から4月20日まで、米海・空・陸・海兵隊の統合軍を福島原発事故対処を中心に投入している。
動員された米兵は2万4000人。空母レーガンを旗艦とする第9空母打撃群(約7000人、母港・カリフォニア州サンディエゴの米海軍基地・※)など戦艦24隻、航空機190機、車両数百台などが作戦に投入されている。
3・11東日本大震災発生時、米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」に乗船していた兵士は約5000人。韓国に向け走行していた。「トモダチ作戦」の下命を受けた空母レーガンは、1号機が爆発した12日に三陸沖に到着し、高線量の放射能物質が飛散している直下に停泊し、また16キロほどの距離を巡航していた。14日には福島第一原発から1・6~3キロの間で停泊していた。この時、空母レーガンは 兵士の証言では空母の放射能検知器も鳴っていた。乗組員はそのような中、防護服の着用もなく5時間の甲板活動をしていた。上空からのヘリによる原発事故調査も行われていた。さらに空母は海水を脱塩して飲料水にしている。3月15日の時点で脱塩水の飲用が中止されたが3日間、高線量の放射能物質の汚染海水を飲用し、調理にも汚染水が使われていた。体内被曝は確実である。
停泊中の空母レーガンの甲板の除染作業も防御服の着用もなく通常の戦闘服で作業を継続している。除染に使われた水も汚染海水である。
乗組員の中にはベッドが換気システムの脇にあり「ホット・スポット」の中で生活していた兵士はがんになっている。乗組員は半年間、ホット・スポットに缶詰状態にされながら「被曝労働」を強制されていた。

整備士のジェニファー・ミックさんは、「検知器のアラームがなる頻度が高くなっていた」と証言している。作戦の1年後カリフルニァの基地で突然倒れ、脳から悪性のがんが発見されている。彼女は「同じ悲劇を繰り返さないため。真実が隠されることで人々の命が危険にさらされるのをこれ以上、見たくない」として原告のひとりになった。
原告の一人、元空母操舵員のモーリス・エニスさんは記者会見の席で儀式的行為として日本の人たちに寄贈するために、空母の上に掲げられていた星条旗を降ろす際、旗が風で体にまとわりついたという。旗をたたんでから、エニスさんは友人と食事に行った。ふたりは気まぐれから放射線の検査を受けとところ、友人の検査結果は「汚染なし」。星条旗をたたんだエリスさんの「手でガイガーカウンターは恐ろしく反応した」。だが水兵たちの血液検査のための尿のサンプル採取や医師による本格的な診断も受けていない。
2014年4月24日、ヘリ整備士(38歳)が骨膜肉腫という癌で死亡。海軍の記録では189機の艦載機が被曝している。除染作業での部品交換など、被曝労働が強制されている。艦載機の除染作業=被曝労働は三沢基地の陸上でも行われている。9月には20代の兵士が白血病で死亡している。

原告は20代の青年

原告は20代の青年が圧倒的に多い。死亡した2名の原告以外に20代、30代では考えられない病気が発生している。甲状腺癌、乳癌、精巣癌、脳腫瘍など、癌以外にも胃腸不調、全身がだるい、生殖異常などなどしかも一人に複数の症状が発症している。
読むのも辛いが、具体的に提示されている一部を列挙すれば次のようになる
◆「作戦中に妊娠した子どもが多発性遺伝子異変」。この子どもも原告に加わっている。2012年10月誕生。
◆「運転中意識喪失、発熱、体重減、不眠、高熱と筋肉けいれんのため車椅子の生活に」
◆「股関節異常、脊柱炎、鼻異常、記憶喪失、耳鳴り、福島から5~10マイルと言われた。ヨウ素剤にサイン(支給されていないのに飲んだ)」
◆「頭痛、疲労、肩甲骨肥大、足に腫瘍」
◆「作戦中―アレルギー、咳、不安感、気分の滅入り、その後―異常癌のため甲状腺切除」
◆「作戦中―頭痛、生理不順、膝、胸、足を手術、現在―脚は2倍に膨れ、不安感継続」
◆「作戦後の妊娠、甲状腺障害のためにバセドウ病と判明、作戦期間中は鼻血、当時は何とも思わず申告せず」
◆「作戦中―偏頭痛、不安感」
◆「作戦中―右目に刺激、瞼の腫れ、その後―聴覚障害、不眠症など」
◆「甲状腺癌、現在―高血圧、肥満、かかとの関節病、甲状腺機能不全、生涯にわたりfull body scan が必要」
◆「1日10~12時間甲板でヘリの作業、膝に異常、monitors(線量計?)は、原子炉技術者以外は誰もつけていなかった」などなどごく一部である。

放射能被曝は、一人の人間にさまざまな病気を発症させていることが示されている。
提訴後、体調を崩し、除隊している原告もいる。原告の約3分の1が現役兵士である。軍隊で学費を稼いで大学にいくことを計画していた青年が多い。20代で除隊するとその計画が崩れるだけでなく、除隊後の生活の保障や被曝への保障もないために大変な状態にいる原告も多い。

r0036_03_01a

(写真 空母レーガン。核汚染された艦船の除染は困難。空母となれば不可能。レーガンは「放射能汚染空母」として世界中から寄港を拒否されてきた。今秋、空母GWと交代で横須賀基地に配備される。原子炉2基で194メガワットを出力し航空機90機を乗せ時速60㌔で航行が可能。電力に直すと福島第一原発1号機の約4割である。2001年進水)

米国防総省被曝「深刻でない」

米国防総省は、世論の圧力におされ2014年6月、「トモダチ作戦」に動員した空母レーガン乗組員の被曝調査報告書を公表した。だがその結論は、「全身および甲状腺に取り込まれた可能性のある汚染物質の最大評価量は、今後の調査を行う根拠があるほど深刻なものではない」と完全に開き直っている。これが帝国主義である。米ENE NEWSによれば、「空母レーガンの乗組員4800人強のうち、1750人に何らかの被曝症状が出ている」と報じている。

「トモダチ作戦」は「米軍にとって有益」

米ウォールストリートジャーナルは、「トモダチ作戦」撤退後の2011年6月21日、米軍は福島原発事故で重大な教訓を得たとして次のように報じている。
「日本は、米国が近代戦を研究する上で思いも寄らない実験場となった。今年3月11日に発生した東日本大震災に伴う原発事故により、テロ・グループがダーティボム(核汚染を引き起こす爆弾)を爆発させた場合に直面する可能性があるような状況が生まれたためだ」。
「トモダチ作戦」は、「最悪の戦争シナリオに対する米軍の対応を研究する上で有益だった」「トモダチ作戦は恐らく、放射性環境下では最も有名な作戦になるだろう」と米第265海兵中型ヘリコプター飛行隊指揮官ダミエン・マーシュ中佐が述べていると報じている。 そして同中佐は、「米海兵隊の航空機が放射能汚染下で作戦行動するのは今回が初めて」、「この経験は『戦略的な価値がある』と強調」し、米海兵隊総司令官に対し将来「原発災害、ダーティボムやテロ事件などがどこかで起きた場合、われわれが対応できることを想定することは難しくないと説明している」と報じている。

要するに米帝にとっての「トモダチ作戦」とは、「災害救援」活動ではなく「最悪のシナリオ」である「戦術核爆発や原発事故対処」の「実戦訓練」として発動されていることがあけすけに語られている。
3・11後、米軍にとって初の海外派遣となった海兵隊の核・生物・化学兵器対応専門部隊(CBIRF・145人)が4月上旬、日本に上陸しているが、無対応・無展開でその無力性をさらしながら駐屯基地のメリーランド州に帰還している。帝国主義軍隊の無力性を示す「実力の姿」である。

これらすべてに帝国主義とその軍隊にとっては、所詮、労働者と兵士は使い捨ての存在であることが明確に示されている。それは同時に事実を隠蔽しきればすべてが闇の中に葬りさることができると捉えている1%の帝国主義支配階級の凶暴性と同時に非人間性をも現している。1%の帝国主義ブルジョアジーに対し99%の労働者階級人民の軍勢が、本質的・現実的に圧倒しているのは明快である。 世界戦争への突入情勢のなかで帝国主義支配階級に向けた自然発生的な労働者・兵士の怒りの爆発はすでに開始されている。そのひとつが米空母レーガン乗組員兵士とその家族の決起である。この怒りと決起を、目的意識的なプロレタリア世界革命に向けた戦いに大きく転換・発展させよう!

==============================================

(※)

空母打撃群を構成する艦艇の総乗組員数は7000人以上。1隻の原子力空母を中核に、5~10隻の護衛艦(水上戦闘艦、潜水艦)、1~2隻の補給艦で構成されており、空母は数十機の航空団(艦上戦闘機、艦上攻撃機、早期警戒機、電子戦機、艦上哨戒機、輸送機)、護衛艦は合計で3000発以上におよぶ各種ミサイル(艦隊防空、個艦防空、艦対地、艦対艦、巡航、対潜、弾道弾迎撃)とLAMPSヘリコプターを搭載し、その火力のおよぶ限りの空間を暴力的に制圧・支配することを目的にしている。また空母の艦上に設置された打撃群司令部指揮所(TFCC)は、ワシントンD・Cの国家軍事指揮センター(NMCC)および直属の統合軍司令部(UCC) との直通回線や、各種偵察・観測衛星からの通報回線が設置されるとともに、指揮下の全部隊についての情報が集中的に総合されており、指揮統制・情報活動の要になっている。

================================================

———————————————————————

米連邦裁判所命令

「アメリカの国益がかかった裁判」
東電の「日本での裁判」を退ける

第3次最終訴状提出までの経緯

本件、被曝訴訟の発端

本件、被曝訴訟の発端

原告の一人である女性兵士リンゼイ・クーパーさん(23歳)の父親が、「娘の体調が悪い」と言ってガーナー弁護士を訪ねてきたのが始まり。ガーナー弁護士は次のように言っている。

「彼女は、震災直後、ロナルド・レーガンの飛行甲板で『トモダチ作戦』に携わっていたが、かつてないほど体重が増加し、休調もすぐれなかった。精神的なものなのか、肉体的なものなのか、父親は非常に心配していた・・基地で調査していくうちに、ほかの乗組員のなかにも具合の悪い人がいることが分かった。何かに集中できなくなったリ、体重が急増したり、逆に体重が約14キロ激減したり。激やせした女性は、胆のう摘出の手術を余儀なくされた。腸からの出血や鼻血、甲状腺に問題が生じた人も複数いる。原告は、全員20代の若者だ。いずれも以前は健康だったが、徐々に症状が進み、ある時点で顕著になった。連日、偏頭痛に襲われるようになった人もいる」「米海軍は、当時、被曝線量は最小限に抑えられていたという見解に終始した。自然光の下で30日間くらい浴びる程度の放射線量だった、と。だが実際は、非常に高かった。4基の原子炉がメルトダウンし、放射性物質が飛散した・・・症状が顕在化している人は急増している。(ロナルド・レーガンが属する)米第7艦隊だけでなく、米海軍駆逐艦『プレブル』、原子力空母『ジョージ・ワシントン』など、『トモダチ作戦』にかかわった軍用船の乗組員らだ」。
「診断に当たったのは、非常に高名な米国人の環境毒物学者兼内科医で、08年、ニュージャージー州の住人がフォード自動車を相手取って起こした(集団訴訟の)クラスアクションにもかかわったことがある。同州の組み立て工場から廃棄された有害化学物質が飲料水に流れ込み、何百人もの住人が癌になったケースだ。(その医師が)関係がある可能性のほうが高い、と結論づけられた。もっと多くの症例が出れば、(立証が)容易になるという。現在、調査を進めている最中・・・これから(病気が)どうなるか、誰にも確かなことは分からないが、治療が必要になることだけは間違いない。退役軍人管理局は、イラクやアフガニスタンからの帰還兵への補償さえ不十分である。被曝した乗組員への対応となれば、なおさらだ」。・・ 「(乗組員は)空母の原子炉に問題が生じた場合の心得はあったかもしれないが、原発事故の救援については、何の訓練も受けていなかった。ヘリコプターやジェット、レーガンにも放射線測定器はあったが、(当時の情報では)害はないと思っていた。当初から、東電は問題の程度を軽視していた。組織的な詐欺行為だ」。
「乗組員の安全を確保すべきなのは米海軍だから、彼らを訴えればいい、とはならない。米法律学の下では、第一義的な加害者が、その不法行為によって生じたすべての損害に責を負うことになる。
勝つ自信はある。日本で十分な対応を受けられない人たちのためにも、思い切って立ち向かうことにした」(2013年1月)。

r201502_05_01a

(写真 原告の一人、元海軍兵士のリンゼイ・クーパーさん)

 第一次訴訟

2012年12月21日、第1次訴訟。南カリフォルニア連邦地裁に8人が提訴。日本政府と東電が共謀してアメリカに虚偽の情報を提供し、兵士らを被曝させたと主張。これに対し、東電は「国をも相手にしての訴訟ならば、それは政治的問題であるから裁判所が判断すべきことではない」、として却下を申し立てた。
これらに対し裁判所は、「東電の主張は認める」が、「それならば原告に訴状の訂正を認める」という条件を付して原告提訴を却下した。

第二次訴訟

2013年6月4日、第2次訴訟。原告、請求内容を変更した訴状を提出。
原告、訴状から被告の日本国を外す。東電は却下を申し立て。
同年11月26日、同連邦地方裁判所で口頭弁論開始。
2014年2月5日、原告が80人になる。

損害賠償の金額を未特定額に変更したほか、健康診断や治療を行うための10億ドル(約1090億円)規模の基金の設立などを追加した。「トモダチ作戦」による被曝被害は今後も増える。したがって原告はその救済のため、まず「10億ドルの基金」を東電に請求し、今後、損害が認められた原告に対し、その基金の中から支払うという「二段階請求」の訴状になっている。

 第三次訴訟– 被告に三資本を追加

2014年 8月21日、223人が原告に結集。
弁護団第3次訂正訴状を提出。被告に東芝・日立・GE(の子会社エバスコ)を追加。 追加の理由は、福島第一原発事故の原因は、運転上の問題だけではなく、構造的な問題(設計上の過失)もあるという見解で追加している。
同年8月25日、第2回口頭弁論。

 連邦地裁決定と第三次最終訴状の提出  239人が原告に結集

2014年10月28日、ジャニス・サマルティーノ判事は東電の申し立てを退け、①原告の請求には国は入っていないから、すでに政治的な問題ではなく、裁判所が判断できる問題になっている。②日本の裁判所で提訴すべきという東電の主張は、「適切な選択肢だ」としながらも、「原告の健康上、軍人という職務上の理由からアメリカで行うことが合理的」。また、「原子炉の破壊と放射性物質の放出は、企業の過失によって起こったもので、地震や津波によるものではない」と判示。さらに、東電が現在、福島第一原発の周辺住民に対しても被曝に関する同様の責任を負っていることから、原告の主張を却下するよう求める東電側の主張も退け、この裁判は「アメリカの国益」がかかった問題であるとして、東電の主張を却下し、審理開始を命令した。
これに対し、東電が「命令の再検討」申し立て、本年2月26日午後1時半、同連邦地裁で第3回口頭弁論が開かれる。
2014年11月18日、第3次最終訴状を提出。原告は死亡した家族を含む239人に拡大。

r201502_06_01a

(写真 2014年10・21国際反戦デモに決起した青年・学生・労働者。戦争へ突進する安倍打倒!)

今後の裁判の進行

(一)福島第一原発の事故原因、当時の放射線レベルと高濃度放射能物質の飛散状況、米軍の「トモダチ作戦」などの実態と検証。
(二)大量に発生している原告(兵士・家族)のさまざまな症状・病気の因果関係の立証。空母レーガンの位置、原告が放射能によるものだと主張する症状は、どのように発症したのか。
だが立証責任は原告側にある。立証には相当の労力と、医療現場の総力戦となる
(三)「陪審制」下の裁判。
当時、兵士一人ひとりに線量計が付けられていたわけではない。持っていたのは一部の幹部だけだ。ヨウ素剤もあったが当時飲んでいたのは士官ら幹部だけである。末端の水兵達には配られなかった。 2011年3・11直後から「トモダチ作戦」展開後、日本を離れた空母レーガンの約5000人の乗組員はタイでの寄港を前にしていた。

r201502_07_01a

(写真 原発事故から生じた放射性プルーム(気体状の放射性物質の流れ)の中で作業。その後、生じた健康問題について説明する元米海軍のモーリス・エニスさん)

米軍の証拠隠滅

当時空母レーガンの元操舵員のモーリス・エニスさんは、「われわれが医学的に良好な状態であり、病気ではないこと、そして米国政府を訴えることはできないことに署名させられた」とハフィントン・ポストに語っている。勿論、署名自体には法的拘束力はないが、当時、米国防総省が兵士の被曝損害訴訟の不可避性を恐れていたということが示されている。
それだけではない。3・11当時、日本全土には約7万の在日米軍兵士・軍属とその家族がいた。米連邦政府はこれら在日米軍兵士とその家族や第9空母打撃群に所属する兵士ら7000人以上を含む「トモダチ作戦」動員兵士らの「医療記録」を中止したのだ!
医療登録(=記録)なければ、被曝した結果として発生する健康上のさまざまな問題を究明する重要な資料・手段が消えるということだ。
これこそ米帝・国家権力による兵士・家族らの被曝の事実を歴史的に永遠に隠蔽・抹殺する国家的犯罪行為そのものだ。これが新自由主義的帝国主義である。

米帝 訴訟を 争闘戦と階級戦争の武器に転化

ジャニス・サマルティーノ判事の「アメリカの国益」論は、兵士の集団被曝訴訟をも日米争闘戦の武器に転化し、米軍兵士・家族の決起を「体制内」的にからめとらんとする階級意思が透けて見える。
原告の訴状から「日本国」を外させ、「トモダチ作戦」を発動し、出動命令を下した米大統領・国防総省・米海軍をも被告から外しているが、この集団被曝訴訟は立証過程で、必ず、そこに踏みこんで行くことになる。一つひとつの事実の積み上げが、必ずそこに行き着かざるをえない。

福島県民(労働者・農民)と自衛官・消防士の被曝、被害の正確な実態が隠蔽され続けている。
福島第一原発の爆発直後、第一原発から数キロ内の海域で停泊し、活動していた「空母レーガン」。
その空母よりさらに福島原発に近い海域で停泊していた海自・護衛艦の甲板に降り立った空母ヘリ搭乗兵士の靴からは非常に高い放射線量が測定されている。
要するに海自・護衛艦の兵士は空母レーガンの兵士以上の被曝をうけている可能性が高いということだ。「トモダチ作戦」に参加した米海軍の兵士の被曝の実態と放射性物質によるさまざまな症状が公的に明らかになれば、動員された10万の自衛官と福島県民の被曝の一旦も明らかになる。当時、交代要員を含めれば全自衛官が被曝していると言っても過言ではない。そして米兵・自衛官、福島県民の被曝はひとつである。被曝の根源は福島第一原発であり、その元凶は新自由主義的帝国主義だ。

———————————————————————————-

勝利の環は労働者・兵士の国際連帯の強化

国境・民族・人種を超えプロレタリア世界革命へ

国境と民族・人種を超えた労働者・農民・兵士の国際連帯の強化が、「国益」論で兵士・家族を絡めとり階級性を解体し集団訴訟を体制内的に抑え込まんとする支配階級の策動を打ち砕くと同時に全原発廃炉の闘いを前進させ、帝国主義世界戦争をプロレタリア世界革命に転化する一大突破口を切り開くことになる。被曝兵士・家族の集団的決起に肉薄し、国際連帯の強化で勝利しよう。
日米韓中・中東を軸とする全世界の労働者階級の国際連帯を強化し、新自由主義的帝国主義打倒のプロレタリア世界革命を引き寄せよう!その確実な戦略的推進軸基軸が国鉄決戦であり、階級的労働運動の世界的前進である。
人の大切さを忘れたとき、その人は、人間ではなくなると同時に人間としての全存在を失う。まさに全地球的規模で言えばわずか1%の新自由主義・帝国主義支配階級は99%の労働者階級人民の極限的搾取と収奪の上にあぐらをかき、全労働者の非正規職化攻撃で労働者民衆を「生きていけない」ところに追い込んでいる。
それは同時に労働者人民の階級性・人間性を破壊する過程として全社会的に激しく進行している。その極限的破壊が帝国主義の石油・資源・市場争奪戦争としてある帝国主義戦争だ。まさに99%の労働者を殺し・殺し合わせても1%だけが延命せんとする輩が、帝国主義ブルジョアジーである。この輩こそ人間としての全存在を完全に喪失し、自らの利益のみを最優先にする集団である。労働者・兵士はこの1%の輩の利益のための戦争で死んではならないのだ。

「IS」は帝国主義が生み出した武装反革命

全事態の出口は 唯一プロレタリア世界革命

「イスラム国(IS)」の母体・起源 は、アルカイダやイラク戦争とそのときのスンニ派武装勢力である。「アラブの春」から内戦に転化したシリアの混乱に乗じて勢力を拡大した。アルカイダは、ソ連スターリン主義のアフガニスタン侵略戦争と米帝のイラク・アフガン侵略戦争の中で育成・利用されてきた歴史を持っている。「イスラム国」の根底には帝国主義への歪められた怒りがある。アラブ・中東で決起した労働者の闘いが階級的労働運動として高まり、プロレタリア革命に発展することを恐れた帝国主義が描き出しているのが「対テロ戦争」である。「イスラム国」の武装闘争はアラブ・中東の労働者階級の決起を暴力的に抑え込み、「労働組合の闘いを圧殺する武装反革命として登場している。
米帝主導の有志連合の「対テロ戦争」の核心も、「ムスリム」という存在を利用し、労働者階級人民の解放とは無縁な「イスラム国」の「残虐性」と「聖戦」の核心も、世界の労働者の決起と労働運動・労働組合の解体=革命の圧殺と保守化にあるという一点で一体化している。
全世界の労働者階級人民にとって「イスラム国」は、帝国主義・残存スターリン主義とともに打倒しなければならない反革命武装勢力である。マルクス主義を真髄とする労働者階級人民の国際連帯の強化と階級的労働運動の世界的前進によるプロレタリア世界革命が、全事態を革命的に突破する唯一の道です。
世界情勢はまごうことなき革命前夜情勢。世界の労働者階級人民につきつけられている歴史選択は「戦争か革命か」である。言い換えれば労働者民衆が戦争を拒否し、「生きるための革命」への決起である。革命は労働者階級自己解放の事業であり、階級的労働運動の前進と国際連帯の強化が核心だ。
人質殺害事件をも利用し、挙国一致の戦争に突進する安倍を、国鉄決戦と職場拠点化建設の前進ー安保・戦争国会への怒りの爆発で包囲し、根底的に打倒しよう!